JP2714264B2 - 湿分分離加熱器 - Google Patents

湿分分離加熱器

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JP2714264B2
JP2714264B2 JP3009233A JP923391A JP2714264B2 JP 2714264 B2 JP2714264 B2 JP 2714264B2 JP 3009233 A JP3009233 A JP 3009233A JP 923391 A JP923391 A JP 923391A JP 2714264 B2 JP2714264 B2 JP 2714264B2
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heat transfer
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  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば原子力発電プラ
ント等において、湿り度の高い蒸気から湿分を除去した
後の蒸気を過熱蒸気に加熱する湿分分離加熱器に関す
る。
【0003】
【従来の技術】一般に原子力発電プラントにおいては、
高圧タービンと低圧タービンの間に、高圧タービン排気
蒸気中に含まれる10%程度の湿分を除去した後、高圧タ
ービンの抽気蒸気及び原子炉で発生する蒸気により加熱
して、過熱蒸気を作る湿分分離加熱器が設置されてい
る。
【0004】まず、従来の湿分分離加熱器を図4,図5
及び図6を参照して説明する。図4乃至図6において、
横方向に伸びる円筒形のハウジング1の両端は、それぞ
れ蓋板2a,2bにより密閉されており、その内部をハ
ウジング1の中心面A−Aに対してほぼ対称の構造とし
ている。
【0005】このハウジング1の下部には、被加熱湿り
蒸気導入管3,ドレン排出管4及びシェルドレン排出管
5が設けられ、ハウジング1の上部には、過熱蒸気排出
管6が設けられ、これらはハウジング1の軸方向に間隔
をもって配置されている。
【0006】また、ハウジング1内は、それぞれ蓋板2
a,2bの近傍を蓋板仕切板7により、軸方向に仕切ら
れており、中央部を中央仕切板8a,8bにより、上部
を除いて軸方向に仕切られている。
【0007】さらに、ハウジング1の底部内には、水平
方向に延び、蓋板仕切板7及び中央仕切板8a,8bに
接続する蒸気分割板9及びその上部に底板10が設けられ
ており、底板10の上部には、底板10と平行状に配置され
た上底板11が設けられている。
【0008】これら底板10及び上底板11の幅方向両端部
には、ハウジング1の軸方向に延びる入口多孔板12,湿
分分離装置13及び出口多孔板14が設けられており、これ
らの上部には、入口蒸気仕切板15がハウジング1の軸方
向に延び、蓋板7及び中央仕切板8a,8bに接続して
いる。この入口蒸気仕切板15の上部には、インナーシュ
ラウド16a,16aとインナーシュラウド16b,16bに挟
まれて被加熱蒸気の流通路17が形成されている。
【0009】一方、蓋板仕切板7と蓋板2a,2bの間
には、下側に第1段加熱蒸気ヘッダ18a、上側に第2段
加熱蒸気ヘッダ18bが設けられており、それぞれの加熱
蒸気ヘッダ18a,18bの複数本のU字状伝熱管19a,19
bが被加熱蒸気の流通路17内に配設されている
【0010】また、加熱蒸気ヘッダ18a,18bの形状
は、第1段,第2段共ほぼ同様であり、加熱蒸気ヘッダ
18a,18b内には隔壁20a,20bがそれぞれ設けられて
区画されており、加熱蒸気導入管21a,21bが接続され
ている高温室22a,22bと、凝縮ドレン排出管23a,23
b及びベント蒸気排出管24a,24bが接続された低温室
25a,25bが形成されている。
【0011】さらに、加熱蒸気ヘッダ18a,18bの管板
26a,26bには、両端を高温室22a,22b及び低温室25
a,25bに連通された複数本のU字状伝熱管19a,19b
が接続されており、このU字状伝熱管19a,19bは、被
加熱蒸気の流通路17内に設けられている複数本の支え板
27a,27bにより支持されている。これらの支え板27
a,27bは、U字状伝熱管19a,19bが振動しないよう
に適当な間隔をもたせ、インナーシュラウド16a,16b
と一体になり固定されている。また、インナーシュラウ
ド16a,16bは、アウターシュラウド29に設けられた
持用アウターレール30a,30bの上に被支持用インナー
レール31a,31bを介して載置された状態で支持されて
いる。
【0012】一方、中央仕切板8a,8bは、管束仕切
板32a,32bによりU字状伝熱管19a,19bのUベント
部を覆うように形成されており、加熱蒸気ヘッダ18a,
18bと蓋板仕切板7の間のU字状伝熱管19a,19b束の
外周には、管束囲い板33a,33bが設けられている。
【0013】次に、加熱側及び被加熱側蒸気の流れにつ
いて説明する。まず、高圧タービンからの抽気蒸気であ
る第1段加熱蒸気及び原子炉発生蒸気である第2段加熱
蒸気は、それぞれ加熱蒸気導入管21a,21bを介して加
熱蒸気ヘッダ18a,18bの高温室22a,22bに流入し、
ついで複数本のU字状伝熱管19a,19bに分配されて管
内を流れる。この間に加熱蒸気は、U字状伝熱管19a,
19b外を流れる被加熱側蒸気と熱交換するため、徐々に
凝縮し、U字状伝熱管19a,19b内を流れる間に環状
流,波状流,層状というように気液2相流で流れ、流
動様式も変動する。このため、U字状伝熱管19a,19b
の入口付近では、気体重量比、すなわちクオリテイがほ
ぼ1で気相であるのに対し、U字状伝熱管19a,19bの
出口付近では、ほぼ0となり、殆ど液相ドレンとなる。
このドレンは、低温室25a,25bに流入し、ここから凝
縮ドレン排出管23a,23bを介して図示しないドレンタ
ンクに集められる。また、凝縮し終らなかった加熱側蒸
気は、ベント蒸気排出管24a,24bより排出する。この
ような加熱側蒸気の流れは、第1段,第2段共略同様で
ある。
【0014】一方、被加熱側蒸気は、被加熱湿り蒸気導
入管3より流入し、蒸気分割板9で2分され、入口多孔
板12、湿分分離装置13及び出口多孔板14を通過する間に
湿分を除去され、被加熱蒸気の流通路17内で再び合流す
る。ここで、除去された湿分(ドレン)は、重力によっ
て湿分分離装置13中を流下し、底板10と上底板11で囲ま
れた部分に集められてドレン排出管4より排出され、図
示しないドレンタンクに集められる。
【0015】被加熱蒸気の流通路17に送られた蒸気は、
第1段及び第2段のU字状伝熱管19a,19bの外側を流
れる間に前述したようにU字状伝熱管19a,19b内を流
れる加熱側蒸気と熱交換して過熱蒸気となり、最終的に
過熱蒸気排出管6より流出して低圧タービンに送られ
る。
【0016】以上のような加熱,被加熱蒸気の流れは、
ハウジング1の中心面A−Aに対して対称なものとなっ
ている。
【0017】次に、以上のような湿分分離加熱器におけ
る温度バランスの一例を図7を参照して説明する。 190
℃で第1段加熱器に流入した被加熱蒸気は、 240℃の第
1段加熱蒸気で 220℃まで加熱され、さらに 280℃の第
2段加熱蒸気で 260℃に加熱され、低圧タービンに送ら
れる。また、第1段加熱器入口の被加熱蒸気は、通常0.
5%程度の湿り蒸気であるが、第1段加熱器で乾き蒸気
となり、さらに加熱され第2段加熱器出口では70℃程度
の過熱蒸気となる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】インナーシュラウド16
a,16bは、被支持用インナーレール31a,31bを介し
支持用アウターレール30a,30bの上に載置されてい
るのみであり、その長さは10m程度にもなり、しかも第
1段加熱器は30℃、第2段加熱器は40℃それぞれ温度上
昇する。この温度上昇によりインナーシュラウド16a,
16bは、中央が高くなるいわゆる猫背変形が生じる。一
方、アウターシュラウド29も、温度差により猫背変形を
生じるが、蓋板仕切板7,中央仕切板8a,8bおよび
入口蒸気仕切板15等の拘束を受けるため、猫背変形の絶
対量はインナーシュラウド16a,16bの方が多い。した
がって、被支持用インナーレール31a,31bと支持用
ウターレール30a,30bとの間に隙間が形成される。被
加熱蒸気は、第1段および第2段加熱器のU字状伝熱管
19a,19bの間を上昇し、有効に熱交換作用が行われな
ければならない。しかしながら、上記した隙間が形成さ
れた場合には、U字状伝熱管19a,19bの間を上昇せ
ず、インナーシュラウド16a,16bとアウターシュラウ
ド29との間をショートパスし、熱交換を全く行わないで
後流側に流れ、湿分分離加熱器本来の加熱性能を低下さ
せてしまう。上記した猫背変形は、各加熱器の入口と出
口との被加熱蒸気の圧力差によってさらに大きくなる傾
向を有する。また、第1段加熱器入口の被加熱蒸気は、
湿り蒸気であり、このような蒸気がショートパスした場
合には、上記した加熱性能の低下のみならず、湿り蒸気
によるハウジング1およびその内部構造物の腐食,浸食
およびこれに起因する給水中の腐食生成物の増加等の不
具合を誘引する。
【0019】本発明の目的は、上記したようなインナー
シュラウド16a,16bとアウターシュラウド29との間の
ショートパスをなくし、加熱性能の低下を防止し、かつ
腐食,浸食等の不具合の発生することのない湿分分離加
熱器を提供することにある。[発明の構成]
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、被加熱蒸気の
流通路を形成しその外側面に被支持用インナーレールを
配設したインナーシュラウドと、このインナーシュラウ
ドを載置するための支持用アウターレールと、このアウ
ターレールをインナーシュラウド外側面と対向する側面
に配設したアウターシュラウドとを備えた湿分分離加熱
器において、アウターシュラウド側面と一体に柱状のパ
ッドをアウターシュラウド長手方向に複数配設しインナ
ーシュラウドの被支持用インナーレールをこのパッドと
アウターシュラウドの支持用アウターレールとで挟持し
たものである。
【0021】
【作用】アウターシュラウドに一体に設けたパッドによ
りインナーシュラウドの変位が拘束されるので、支持部
におけるアウターシュラウドとインナーシュラウドの隙
間を運転時でも停止時と同様に実質的に零(0)に保持
して被加熱蒸気のショートパスを防止し、加熱性能の向
上を図ることができ、また、内部構造物の腐食,浸食の
防止および給水中の腐食生成物が増加するのを防止でき
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1は、本発明の一実施例の要部を示す横断面
図であり、2は、図1の“Y”部拡大図を示し、図3
は、図2を外側から見た斜視図を示す。
【0023】図1,図2および図3において、インナー
シュラウド16a,16bは、アウターシュラウド29に設け
られた支持用アウターレール30a,30bの上に被支持用
インナーレール31a,31bを介して載置される。短い柱
状の部材からなるパッド35a,35bは、被支持用インナ
ーレール30a,30bの上部に接触するようにアウターシ
ュラウド29に溶接等により固定される。ここで、パッド
35a,35bは、被支持用インナーレール31a,31bの猫
背変形により支持用アウターレール30a,30bとの隙間
が実質的に零(0)になるように適当なピッチで長手方
向に沿って2個設ける。
【0024】次に、以上のように構成された実施例の作
用を説明する。被支持用インナーレール31a,31bは、
アウターシュラウド29に固定された支持用アウターレー
ル30a,30bとアウターシュラウド29に長手方向に沿っ
て2箇所に一体に設けたパッド35a,35bにより上下方
向の変位を拘束されているので、運転中に被加熱蒸気の
温度差で上下方向に猫背変形をする際にはアウターシュ
ラウド29と同一変形をする。したがって、被支持用イン
ナーレール31a,31bと支持用アウターレール30a,30
bとの隙間を製作時の実質的に零(0)のまま保持で
き、被加熱蒸気のショートパスを確実に防止することが
できる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ア
ウターシュラウドにインナーシュラウドの変位を拘束す
る部材を一体に設けているので、被加熱蒸気のショート
パスを防止して加熱効率を向上し、また、内部構造物の
腐食,浸食等を防止し、給水中の腐食生成物量が増加す
るのを防止する湿分分離加熱器を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部を示す横断面図。
【図2】図1の“Y”部の拡大図。
【図3】図2を外側から見た斜視図。
【図4】従来の湿分分離加熱器の構成を示す縦断面図。
【図5】図4のX−X線に沿って見た横断面図。
【図6】図5の“Z”部の拡大図。
【図7】湿分分離加熱器における被加熱蒸気の温度上昇
を示す説明図。
【符号の説明】
1…ハウジング、3…被加熱湿り蒸気導入管、6…過熱
蒸気排出管、16a,16b…インナーシュラウド、17…流
通路、29…アウターシュラウド、30a,30b,…支持用
アウターレール、31a,31b…被支持用インナーレー
ル、35a,35b…パッド。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱蒸気の流通路を形成しその外側面
    に被支持用インナーレールを配設したインナーシュラウ
    ドと、このインナーシュラウドを載置するための支持用
    アウターレールと、このアウターレールを前記インナー
    シュラウド外側面と対向する側面に配設したアウターシ
    ュラウドとを備えた湿分分離加熱器において、前記アウ
    ターシュラウド側面と一体に柱状のパッドをアウターシ
    ュラウド長手方向に複数配設し前記インナーシュラウド
    被支持用インナーレールをこのパッドと前記アウター
    シュラウドの支持用アウターレールとで挟持したことを
    特徴とする湿分分離加熱器。
JP3009233A 1991-01-29 1991-01-29 湿分分離加熱器 Expired - Lifetime JP2714264B2 (ja)

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