JP2711972B2 - 高耐食性電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
高耐食性電気亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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- JP2711972B2 JP2711972B2 JP5003074A JP307493A JP2711972B2 JP 2711972 B2 JP2711972 B2 JP 2711972B2 JP 5003074 A JP5003074 A JP 5003074A JP 307493 A JP307493 A JP 307493A JP 2711972 B2 JP2711972 B2 JP 2711972B2
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- JP
- Japan
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- steel sheet
- plating
- corrosion resistance
- ions
- polyvinyl alcohol
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Crと鉄族金属を含有
する高耐食性電気亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
する高耐食性電気亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気亜鉛めっき鋼板は、自動車、家電、
建材用途を中心に広く使用されている。このうち、自動
車用途では、寒冷地帯における冬期の道路凍結防止用の
散布岩塩による車体腐食を防止するために、より高度な
耐食性が要求されている。亜鉛めっき鋼板の耐食性向上
は、亜鉛のめっき量(付着量)の増加で可能であるが、
これは溶接性や加工性の点で問題が多い。そこで亜鉛そ
のものの溶解を抑制し亜鉛めっきの寿命を延ばす方法と
して、多くの合金めっきが提案されている。中でもF
e、Ni、Coを合金成分として含有するZn系合金め
っきは、その良好な裸耐食性や塗装後耐食性が認めら
れ、実用化されている。また、特開昭61−27039
8号公報、特開昭62−54099号公報、特開平3−
120393号公報などに開示されているように、Zn
ないしZn系合金めっき中にCrを含有させる試みもな
されているが、耐食性においてZn−Ni合金めっきや
Zn−Fe合金めっきを凌駕するには到っていない。
建材用途を中心に広く使用されている。このうち、自動
車用途では、寒冷地帯における冬期の道路凍結防止用の
散布岩塩による車体腐食を防止するために、より高度な
耐食性が要求されている。亜鉛めっき鋼板の耐食性向上
は、亜鉛のめっき量(付着量)の増加で可能であるが、
これは溶接性や加工性の点で問題が多い。そこで亜鉛そ
のものの溶解を抑制し亜鉛めっきの寿命を延ばす方法と
して、多くの合金めっきが提案されている。中でもF
e、Ni、Coを合金成分として含有するZn系合金め
っきは、その良好な裸耐食性や塗装後耐食性が認めら
れ、実用化されている。また、特開昭61−27039
8号公報、特開昭62−54099号公報、特開平3−
120393号公報などに開示されているように、Zn
ないしZn系合金めっき中にCrを含有させる試みもな
されているが、耐食性においてZn−Ni合金めっきや
Zn−Fe合金めっきを凌駕するには到っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】亜鉛と共にCrを析出
させる試みはCr3+やCr6+イオンを用いて従来か
ら行なわれているが、単純浴からは微量のCrが析出す
るのみであり、Cr濃度や電流密度の増加によって数%
のCrを析出させても、良好な外観が得られないだけで
なく、加工性や電流効率の著しい低下を伴い工業的に有
利な方法はなかった。本発明は、上記問題点を解決し、
Crと鉄族金属を含有する高耐食性電気亜鉛めっき鋼板
の製造方法を提供するものである。
させる試みはCr3+やCr6+イオンを用いて従来か
ら行なわれているが、単純浴からは微量のCrが析出す
るのみであり、Cr濃度や電流密度の増加によって数%
のCrを析出させても、良好な外観が得られないだけで
なく、加工性や電流効率の著しい低下を伴い工業的に有
利な方法はなかった。本発明は、上記問題点を解決し、
Crと鉄族金属を含有する高耐食性電気亜鉛めっき鋼板
の製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、 (1)Crと鉄族金属を含有する電気亜鉛めっき鋼板を
製造するに際し、Zn2+イオン、Cr3+イオン、鉄
族金属2価イオン及び0.1〜10g/lのポリビニル
アルコールを含有し、pH0.5〜3.0であるめっき
浴を用いて、電流密度20〜150A/dm 2 で電気め
っきを行なうことを特徴とする高耐食性電気亜鉛めっき
鋼板の製造方法。 (2)めっき浴にさらに0.01〜20g/lのカチオ
ンポリマーおよび/またはポリオキシアルキレン誘導体
を含有し、pH0.5〜3.0であるめっき浴を用い
て、電流密度20〜150A/dm 2 で電気めっきを行
なうことを特徴とする上記(1)の高耐蝕性電気亜鉛め
っき鋼板の製造方法である。
製造するに際し、Zn2+イオン、Cr3+イオン、鉄
族金属2価イオン及び0.1〜10g/lのポリビニル
アルコールを含有し、pH0.5〜3.0であるめっき
浴を用いて、電流密度20〜150A/dm 2 で電気め
っきを行なうことを特徴とする高耐食性電気亜鉛めっき
鋼板の製造方法。 (2)めっき浴にさらに0.01〜20g/lのカチオ
ンポリマーおよび/またはポリオキシアルキレン誘導体
を含有し、pH0.5〜3.0であるめっき浴を用い
て、電流密度20〜150A/dm 2 で電気めっきを行
なうことを特徴とする上記(1)の高耐蝕性電気亜鉛め
っき鋼板の製造方法である。
【0005】
【作用】従来Zn2+イオンとCr3+ないしはCr6+イオ
ンからなる単純浴を使用しても微量のCrが析出するの
みであり、Cr濃度や電流密度の増加によって数%のC
rを析出させても、外観や加工性の点で実用に耐えるめ
っきが得られなかった。しかるに、Cr3+イオンを含む
亜鉛系めっき浴中にポリビニルアルコールをCr析出促
進剤として添加することにより、この問題は解決され、
外観や加工性に優れ、しかも多量のCrを含む高度の耐
食性を含有するめっきが得られるようになる。この理由
は、ポリビニルアルコールがCr3+イオンと錯体を形成
し、Zn2+イオンの析出を抑制しつつCr3+イオンの析
出を容易ならしめるためと推定される。
ンからなる単純浴を使用しても微量のCrが析出するの
みであり、Cr濃度や電流密度の増加によって数%のC
rを析出させても、外観や加工性の点で実用に耐えるめ
っきが得られなかった。しかるに、Cr3+イオンを含む
亜鉛系めっき浴中にポリビニルアルコールをCr析出促
進剤として添加することにより、この問題は解決され、
外観や加工性に優れ、しかも多量のCrを含む高度の耐
食性を含有するめっきが得られるようになる。この理由
は、ポリビニルアルコールがCr3+イオンと錯体を形成
し、Zn2+イオンの析出を抑制しつつCr3+イオンの析
出を容易ならしめるためと推定される。
【0006】ポリビニルアルコールの添加量は0.1〜
10g/lとする。0.1g/l未満ではCr析出効果
がなく、10g/lを超えるとめっき浴に溶解し難くな
るので実用的ではない。より好ましい範囲は0.1〜2
g/lである。ここで、ポリビニルアルコールとは、
(−CH2 −CH(OH)−)nで示される有機化合物
であり、分子量は102 〜106 のものが使用されてよ
く、特に分子量は103〜105 のものがCr析出に対
して効果的である。めっき浴中には、ポリビニルアルコ
ールの他にさらにカチオンポリマーあるいはポリオキシ
アルキレン誘導体を0.01〜20g/l添加してもよ
く、これにより外観品位を向上させることができ、ま
た、Cr析出に対してもより有利である。カチオンポリ
マーとポリオキシアルキレン誘導体は、何れか一方を用
いてもよいし、両方を用いてもよい。
10g/lとする。0.1g/l未満ではCr析出効果
がなく、10g/lを超えるとめっき浴に溶解し難くな
るので実用的ではない。より好ましい範囲は0.1〜2
g/lである。ここで、ポリビニルアルコールとは、
(−CH2 −CH(OH)−)nで示される有機化合物
であり、分子量は102 〜106 のものが使用されてよ
く、特に分子量は103〜105 のものがCr析出に対
して効果的である。めっき浴中には、ポリビニルアルコ
ールの他にさらにカチオンポリマーあるいはポリオキシ
アルキレン誘導体を0.01〜20g/l添加してもよ
く、これにより外観品位を向上させることができ、ま
た、Cr析出に対してもより有利である。カチオンポリ
マーとポリオキシアルキレン誘導体は、何れか一方を用
いてもよいし、両方を用いてもよい。
【0007】カチオンポリマーとしては、次に示す4級
アミン塩の重合物が好ましく、特にポリアミンスルホン
(PASと略)及びポリアミン(PAと略)が効果的で
ある。この理由としては、アミン基による陰極面への吸
着作用とスルホン基へのCr 3+イオンの配位結合が寄与
していると推定される。平均分子量としては102〜1
06が好ましい。
アミン塩の重合物が好ましく、特にポリアミンスルホン
(PASと略)及びポリアミン(PAと略)が効果的で
ある。この理由としては、アミン基による陰極面への吸
着作用とスルホン基へのCr 3+イオンの配位結合が寄与
していると推定される。平均分子量としては102〜1
06が好ましい。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】R1 、R2 は低級アルキル基を示し、Xは
Cl-、HSO4 -、H2 PO4 -、R−SO3 -(RはC1〜
C4のアルキル基)、NO3 -のアニオンを示す。この
他、1、2、3級アミンのポリマーも前述の4級アミン
ポリマーには及ばないが効果がある。
Cl-、HSO4 -、H2 PO4 -、R−SO3 -(RはC1〜
C4のアルキル基)、NO3 -のアニオンを示す。この
他、1、2、3級アミンのポリマーも前述の4級アミン
ポリマーには及ばないが効果がある。
【0012】ポリオキシアルキレン誘導体は、R2−O
−(R1−O)n−Hで示される有機化合物である。平均
分子量としては、102 〜106 が好ましい。このう
ち、特にポリエチレングリコール(PEGと略)、HO
−(CH2−CH2−O)n−Hが有効である。図1には
上記Cr析出促進剤の添加量とめっき層中のCr含有率
の関係、図2には上記Cr析出促進剤の添加量と得られ
ためっき皮膜の外観の関係を示す。Cr析出促進剤添加
量以外の条件、すなわち、めっき浴組成、めっき条件は
一定である。ポリビニルアルコール0.1g/l未満で
はCr含有率は1%程度であるが、0.1g/l以上に
なるとCr含有率は5%以上になる。また、カチオンポ
リマーの1例としてPASを1g/l添加すると、Cr
含有率はポリビニルアルコール単独の場合に比較して増
加する傾向にあり、かつ光沢のある均一な外観が得られ
るようになる。
−(R1−O)n−Hで示される有機化合物である。平均
分子量としては、102 〜106 が好ましい。このう
ち、特にポリエチレングリコール(PEGと略)、HO
−(CH2−CH2−O)n−Hが有効である。図1には
上記Cr析出促進剤の添加量とめっき層中のCr含有率
の関係、図2には上記Cr析出促進剤の添加量と得られ
ためっき皮膜の外観の関係を示す。Cr析出促進剤添加
量以外の条件、すなわち、めっき浴組成、めっき条件は
一定である。ポリビニルアルコール0.1g/l未満で
はCr含有率は1%程度であるが、0.1g/l以上に
なるとCr含有率は5%以上になる。また、カチオンポ
リマーの1例としてPASを1g/l添加すると、Cr
含有率はポリビニルアルコール単独の場合に比較して増
加する傾向にあり、かつ光沢のある均一な外観が得られ
るようになる。
【0013】めっき浴としては、硫酸塩浴、塩化物浴、
これらの混合浴何れも適用できる。金属イオン濃度につ
いては、Zn2+イオン、Cr3+イオン、鉄族金属2価イ
オンの合計で30〜200g/lが好ましい。30g/
l未満では高電流密度でイオンの供給不足となりやす
く、結果的にめっき焼けを生じやすい。200g/lを
超えると、ドラッグアウトによるイオンの浪費が無視で
きなくなると共に、液温が低くなった場合の結晶化の懸
念を生じる。その他のめっき条件については、特に制約
されるものではないが、pH0.5〜3、浴温40〜7
0℃、液流速1m/min以上、電流密度20A/dm
2以上が好ましい範囲であり、目的とするめっき組成、
電流効率を考慮して最適な条件を採用することができ
る。めっき浴中には、Na+、NH4 +などの電導度助
剤、耐食性をさらに向上させるためのSiO2、Ti
O2、Al2O3などの酸化物粒子、BaCrO4などのク
ロム酸塩粒子を添加してもよく、本発明の製造方法に本
質的な支障はない。
これらの混合浴何れも適用できる。金属イオン濃度につ
いては、Zn2+イオン、Cr3+イオン、鉄族金属2価イ
オンの合計で30〜200g/lが好ましい。30g/
l未満では高電流密度でイオンの供給不足となりやす
く、結果的にめっき焼けを生じやすい。200g/lを
超えると、ドラッグアウトによるイオンの浪費が無視で
きなくなると共に、液温が低くなった場合の結晶化の懸
念を生じる。その他のめっき条件については、特に制約
されるものではないが、pH0.5〜3、浴温40〜7
0℃、液流速1m/min以上、電流密度20A/dm
2以上が好ましい範囲であり、目的とするめっき組成、
電流効率を考慮して最適な条件を採用することができ
る。めっき浴中には、Na+、NH4 +などの電導度助
剤、耐食性をさらに向上させるためのSiO2、Ti
O2、Al2O3などの酸化物粒子、BaCrO4などのク
ロム酸塩粒子を添加してもよく、本発明の製造方法に本
質的な支障はない。
【0014】かくしてCrと鉄族金属を含有する電気亜
鉛めっき鋼板を製造することができるが、めっき層中の
Cr含有率については、5%以上が好ましい。5%未満
でも亜鉛めっきに比較すれば耐食性の向上は認められる
が、5%以上になると亜鉛めっきはもとよりZn−N
i、Zn−Feなどの合金めっきを上回る高耐食性を発
揮し、例えば塩水噴霧試験を500時間以上行なっても
容易に赤錆は発生しない。この理由は、CrはZnとの
共存下では不動態化せずZnとともに犠牲防食作用を発
揮するが、めっき表面に形成される腐食生成物は難溶性
の保護皮膜として機能し、めっき層内部への腐食因子の
侵入を抑制するためと推定される。Crの他に更に鉄族
金属を0.1%以上含有させると耐食性や溶接性に対し
て効果的である。鉄族金属の含有率については、これが
Cr含有率より高いと鉄族金属の性質が強くなるので、
Cr含有率未満、より好ましくはCr含有率の1/2以
下が望ましい。
鉛めっき鋼板を製造することができるが、めっき層中の
Cr含有率については、5%以上が好ましい。5%未満
でも亜鉛めっきに比較すれば耐食性の向上は認められる
が、5%以上になると亜鉛めっきはもとよりZn−N
i、Zn−Feなどの合金めっきを上回る高耐食性を発
揮し、例えば塩水噴霧試験を500時間以上行なっても
容易に赤錆は発生しない。この理由は、CrはZnとの
共存下では不動態化せずZnとともに犠牲防食作用を発
揮するが、めっき表面に形成される腐食生成物は難溶性
の保護皮膜として機能し、めっき層内部への腐食因子の
侵入を抑制するためと推定される。Crの他に更に鉄族
金属を0.1%以上含有させると耐食性や溶接性に対し
て効果的である。鉄族金属の含有率については、これが
Cr含有率より高いと鉄族金属の性質が強くなるので、
Cr含有率未満、より好ましくはCr含有率の1/2以
下が望ましい。
【0015】また、Crと鉄族金属の合計については、
これが多くなると加工性が低下するため、30%以下、
より好ましくは20%以下が望ましい。ここで鉄族金属
とはFe、Co、Niを指し、単独もしくは複合で用い
てよい。耐食性への寄与という点ではNiが最も好まし
い。また、Cr析出促進剤であるポリビニルアルコー
ル、ないしはカチオンポリマー、ポリオキシアルキレン
誘導体をめっき層中に微量共析させても差し支えなく、
5%以下の共析率ならば緻密で均一なめっき層が形成さ
れ成形性に有利である。
これが多くなると加工性が低下するため、30%以下、
より好ましくは20%以下が望ましい。ここで鉄族金属
とはFe、Co、Niを指し、単独もしくは複合で用い
てよい。耐食性への寄与という点ではNiが最も好まし
い。また、Cr析出促進剤であるポリビニルアルコー
ル、ないしはカチオンポリマー、ポリオキシアルキレン
誘導体をめっき層中に微量共析させても差し支えなく、
5%以下の共析率ならば緻密で均一なめっき層が形成さ
れ成形性に有利である。
【0016】
【実施例】冷延鋼板を、アルカリ脱脂し、5%硫酸水溶
液で酸洗した後、表1及び表2に示す条件で電気めっき
を行なった。Cr析出促進剤のうち、ポリビニルアルコ
ールについては、A:平均分子量1万、B:平均分子量
10万のものを、カチオンポリマーとしては平均分子量
1万のPA、平均分子量3500のPAS、ポリオキシ
アルキレン誘導体としては平均分子量1500のPEG
を用いた。めっき浴としては硫酸塩浴を用い、めっき付
着量は20g/m2 とした。こうして得られためっき組
成と耐食性、外観の評価を表2に示す。耐食性は塩水噴
霧試験(JIS Z2371に準拠)を500時間行な
い、以下の要領で判定した。
液で酸洗した後、表1及び表2に示す条件で電気めっき
を行なった。Cr析出促進剤のうち、ポリビニルアルコ
ールについては、A:平均分子量1万、B:平均分子量
10万のものを、カチオンポリマーとしては平均分子量
1万のPA、平均分子量3500のPAS、ポリオキシ
アルキレン誘導体としては平均分子量1500のPEG
を用いた。めっき浴としては硫酸塩浴を用い、めっき付
着量は20g/m2 とした。こうして得られためっき組
成と耐食性、外観の評価を表2に示す。耐食性は塩水噴
霧試験(JIS Z2371に準拠)を500時間行な
い、以下の要領で判定した。
【0017】◎:赤錆発生1%以下 ○:赤錆発生10%
以下 △:赤錆発生50%以下 ×:赤錆発生50%超 めっき外観については、めっき表面の光沢度(JIS Z 87
41 GS (60 °)、黒色ガラス板基準値93)を測定
し、以下の要領で判定した。 ◎:光沢度30以上 ○:光沢度20以上 △:光沢度10以
上 ×:光沢度10未満
以下 △:赤錆発生50%以下 ×:赤錆発生50%超 めっき外観については、めっき表面の光沢度(JIS Z 87
41 GS (60 °)、黒色ガラス板基準値93)を測定
し、以下の要領で判定した。 ◎:光沢度30以上 ○:光沢度20以上 △:光沢度10以
上 ×:光沢度10未満
【0018】表1、表2において、比較例1はポリビニ
ルアルコールの添加量が少ないために、めっき層中のC
r含有率が少なく、耐食性が不良である。比較例2は比
較例1と同一のめっき浴組成で電流密度を極端に高くし
てCrを数%析出させたが、良好な耐食性が得られるに
は到らず、外観も不良である。比較例3は鉄族金属を含
む例であるが、ポリビニルアルコールの添加量が少ない
ために、やはりCr含有率が低く耐食性不足である。比
較例4はZn−Ni合金めっきであり、外観は良好なも
のの耐食性は本発明例を下回る。本発明例1〜9はZn
−Cr−鉄族金属であるが、何れもCr含有率5%以上
のめっきが得られ、耐食性、外観共に良好である。また
本発明例5〜9はポリビニルアルコールとカチオンポリ
マーなどを併用した例であるが、本発明例1〜4のポリ
ビニルアルコール単独使用の例に比べ、外観が一段と向
上する結果が得られ、Cr含有率も高くなる傾向を示し
た。
ルアルコールの添加量が少ないために、めっき層中のC
r含有率が少なく、耐食性が不良である。比較例2は比
較例1と同一のめっき浴組成で電流密度を極端に高くし
てCrを数%析出させたが、良好な耐食性が得られるに
は到らず、外観も不良である。比較例3は鉄族金属を含
む例であるが、ポリビニルアルコールの添加量が少ない
ために、やはりCr含有率が低く耐食性不足である。比
較例4はZn−Ni合金めっきであり、外観は良好なも
のの耐食性は本発明例を下回る。本発明例1〜9はZn
−Cr−鉄族金属であるが、何れもCr含有率5%以上
のめっきが得られ、耐食性、外観共に良好である。また
本発明例5〜9はポリビニルアルコールとカチオンポリ
マーなどを併用した例であるが、本発明例1〜4のポリ
ビニルアルコール単独使用の例に比べ、外観が一段と向
上する結果が得られ、Cr含有率も高くなる傾向を示し
た。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、特定の添加
剤をめっき浴に仕込むことにより、従来困難であった電
気亜鉛めっき中へのCrの共析を可能とし、耐食性に極
めて優れた電気亜鉛めっき鋼板を得るものである。した
がって、自動車車体用途を中心に高耐食性が要求される
防錆鋼板を製造する上で極めて効果的である。
剤をめっき浴に仕込むことにより、従来困難であった電
気亜鉛めっき中へのCrの共析を可能とし、耐食性に極
めて優れた電気亜鉛めっき鋼板を得るものである。した
がって、自動車車体用途を中心に高耐食性が要求される
防錆鋼板を製造する上で極めて効果的である。
【図1】めっき浴中へのポリビニルアルコール及びカチ
オンポリマーの添加量とめっき層中のCr含有率の関係
を示す図、
オンポリマーの添加量とめっき層中のCr含有率の関係
を示す図、
【図2】めっき浴中へのポリビニルアルコール及びカチ
オンポリマーの添加量と得られためっき皮膜の外観の関
係を示す図である。
オンポリマーの添加量と得られためっき皮膜の外観の関
係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 Crと鉄族金属を含有する電気亜鉛めっ
き鋼板を製造するに際し、Zn2+イオン、Cr3+イ
オン、鉄族金属2価イオン及び0.1〜10g/lのポ
リビニルアルコールを含有し、pH0.5〜3.0であ
るめっき浴を用いて、電流密度20〜150A/dm 2
で電気めっきを行なうことを特徴とする高耐食性電気亜
鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 めっき浴にさらに0.01〜20g/l
のカチオンポリマーおよび/またはポリオキシアルキレ
ン誘導体を含有し、pH0.5〜3.0であるめっき浴
を用いて、電流密度20〜150A/dm 2 で電気めっ
きを行なうことを特徴とする請求項第1項記載の高耐蝕
性電気亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5003074A JP2711972B2 (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 高耐食性電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5003074A JP2711972B2 (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 高耐食性電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06212483A JPH06212483A (ja) | 1994-08-02 |
JP2711972B2 true JP2711972B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=11547198
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5003074A Expired - Lifetime JP2711972B2 (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 高耐食性電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2711972B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5614156A (en) * | 1979-07-16 | 1981-02-10 | Kawasaki Steel Corp | Analyzing method for carbon in sublimate metal of low melting point |
JPS6296691A (ja) * | 1985-10-24 | 1987-05-06 | Nippon Steel Corp | Zn−Ni系合金メツキ法 |
JPH0635673B2 (ja) * | 1987-08-26 | 1994-05-11 | 新日本製鐵株式会社 | 表面品位および耐食性に優れた亜鉛−クロム系電気めっき鋼板の製造方法 |
JPS6479393A (en) * | 1987-09-22 | 1989-03-24 | Nippon Steel Corp | Production of zinc-chromium electroplated steel sheet |
JPH06146060A (ja) * | 1992-11-02 | 1994-05-27 | Kawasaki Steel Corp | 密着性の優れた亜鉛−クロム合金めっき鋼板の製造方法 |
-
1993
- 1993-01-12 JP JP5003074A patent/JP2711972B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06212483A (ja) | 1994-08-02 |
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