JP2711151B2 - 多チャンネル音声再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は多チャンネル音声再生装置に関し、特に、
音源のチャンネル数と再生スピーカの数とが異なった場
合にも適切な再生を行うことができる多チャンネル音声
再生装置に関するものである。

〔従来の技術〕

第５図は従来の４チャンネルの多チャンネル音声再生
装置で例えばハイビジョンテレビ（HDTV）における場合
の音声再生系のブロック図である。図において、１はHD
TVチューナ、２はこのHDTVチューナ１に接続された音声
復調回路、3,4,5,6はこの音声復調回路２に接続された
パワーアンプ、7,8,9,10はこのパワーアンプ3,4,5,6に
各々接続されたスピーカ、11はこの多チャンネル音声再
生装置の試聴者である。

図中、音声復調回路２出力部に記してある符号R,C,L,
Sは音声チャンネル名称の略号であり、下記の如き対応
となっている。

Ｒ…右チャンネル音声 Ｃ…センターチャンネル音声 Ｌ…左チャンネル音声 Ｓ…後方チャンネル音声（サラウンドチャンネル音
声） 次に動作について説明する。HDTVチューナ１で復調さ
れた放送波は次に音声復調回路２で音声部が復調され、
R,C,L,Sの４チャンネルのアナログ音声信号として出力
される。R,C,L,S各々の音声信号は各々アンプ3,4,5,6お
よびスピーカ7,8,9,10を経て再生され、試聴者11は４チ
ャンネル音声再生を楽しむことができる。

又、HDTV放送における音声の放送形態は４チャンネル
を用いた様々な形が考えられており、例えば第６図に示
されるものがある。モノラル放送においてはＲチャンネ
ルとＬチャンネルに同一内容で等音量の音声を流すもの
であり、ステレオ放送においては、R,Lチャンネルを用
いたステレオ音声を流すものであり、モノラル１＋モノ
ラル２放送においてはＲチャンネルより第１モノラル音
声であるモノラル１音声を、Ｌチャンネルよりは第２の
モノラル音声であるモノラル２音声を流すものであり、
３−１放送においてはＬチャンネルから左チャンネル音
声を、Ｒチャンネルから右チャンネル音声を、Ｃチャン
ネルからセンターチャンネル音声を、そしてＳチャンネ
ルから後方チャンネル音声の４チャンネル音声を流すも
のである。

従って３−１放送受信時においては４つのアンプおよ
びスピーカ全てを用いて再生を行うが、第６図における
放送形態，，においてはアンプ3,アンプ5,スピー
カ７およびスピーカ９を用いて再生を行い、他のアンプ
およびスピーカは不使用となる。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の多チャンネル音声再生装置は以上のように構成
されているので放送受信のためには４チャンネル音声に
対応するアンプ、スピーカを揃えねばならず、従来通り
のステレオ再生対応の２チャンネル音声再生の為の装置
ではセンターチャンネル音声や後方チャンネル音声の再
生が行えないという問題点があった。

この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、多チャンネル音声再生装置に接続された再
生スピーカの数に応じて音声の各放送形態に適した音声
再生のできる多チャンネル音声再生装置を得ることを目
的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係る多チャンネル音声再生装置は、そのシ
ステム内に接続されたスピーカの数を認識し、その数が
放送されてくる音声のチャンネル数より少ない場合に
は、該当スピーカの無いチャンネルの音声を他のチャン
ネルの再生用のスピーカより再生するようにしたもので
ある。

〔作用〕

この発明における多チャンネル音声再生装置は、出力
装置確認ボタンによりそのスピーカの数を認識し、放送
されてくる音声信号のチャンネル数に応じてその信号を
振り分ける。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を図について説明する。

第１図は本発明の一実施例による多チャンネル音声再
生装置を示すブロック図であり、図において、12は音声
復調回路２に接続された信号処理回路Ｉ、13はこの信号
処理回路I12に接続されたスイッチＩ、15は音声復調回
路２に接続された信号処理回路II、16はこの信号処理回
路II15に接続されたスイッチII、14は音声復調回路２、
スイッチI13、スイッチII16に接続された加算器Ｉ、17
は音声復調回路2,スイッチI13,スイッチII16に接続され
た加算器II、18はスイッチI13およびスイッチII16に接
続された出力確認ボタンである。

尚、図中第５図の従来例と同一部分には同一符号を記
してある。

次に動作について説明する。

放送されてきた信号形態がステレオの場合には、音声
復調回路２にて復調された音声信号はＲチャンネルおよ
びＬチャンネルの音声信号であり、各々加算器I14,加算
器II17を経てアンプ3,5に伝えられる。以降は従来例と
同様の動作で試聴者11にて再生音が感得される。又、こ
の場合、加算器I14および加算器II17においては他の入
力は行わないので純粋にＲチャンネルおよびＬチャンネ
ルのステレオ音が再生される。

一方、放送形態が上述の３−１の場合には音声復調回
路２の出力はＲチャンネルおよびＬチャンネルの他にＣ
チャンネル,Sチャンネルも出力される。この場合、Ｃチ
ャンネル音声信号は信号処理回路I12およびスイッチI13
を通って加算器I14および加算器II17に加えられる。同
様にＳチャンネル音声信号は信号処理回路II15およびス
イッチII16を通って加算器I14および加算器II17に加え
られる。加算器I14の出力はアンプ3,スピーカ７を通っ
て、加算器II17の出力はアンプ5,スピーカ９を通って各
々再生されるため、試聴者は右方向からＲチャンネル音
声と共にＣチャンネル音声およびＳチャンネル音声も聞
くことができる。同様に、左方向からＬチャンネル音声
と共にＣチャンネル音声およびＳチャンネル音声も聞く
ことができる。勿論、この場合、Ｃチャンネル音声はた
だ単にもとの信号と同一内容でスピーカ７およびスピー
カ９より再生されるのではなくこの左右のスピーカより
再生されてセンターチャンネルスピーカ８と同等の効果
となるようその内容が信号処理回路112にて加工されて
いる。その加工内容は例えば の減衰であり、このことにより左右の２つのスピーカ、
スピーカ７およびスピーカ９より再生された音がセンタ
ーチャンネルスピーカ８により再生されたと想定される
ものと等音圧レベルで左右スピーカの中央より聞こえる
ように試聴者11に知覚される。従ってこの場合、信号処
理回路I12の回路は 減衰器より構成される。

又、同様にＳチャンネル音声も信号処理回路II15によ
り加工された後に再生されるのであるが、この場合の加
工は多少複雑となり、例えば位相反転回路と減衰回路と
で構成される回路となる。このことにより位相が異な
り、適度に減衰されたＳチャンネル音声が前方左右チャ
ンネルスピーカであるスピーカ7,及びスピーカ９より再
生されサラウンド感を試聴者11に感じさせることができ
る。

さてこのような動作がシステムに接続されている出力
装置の数によって選択されるということが本発明の主旨
であるが、次にこの動作について説明を行う。

信号処理回路I12出力を加算器I14および加算器II17に
伝えるか否か選択するものがスイッチI13であり、信号
処理回路II15の出力を加算器I14および加算器II17に伝
えるか否か選択するものがスイッチII16であるが、両ス
イッチは出力装置確認ボタン18より制御される。この出
力装置確認ボタン18は例えば第２図に示されるような
“ステレオ”ボタン19,“センター”ボタン20,及び“リ
アー”ボタン21の３種のボタンより構成されており、
“センター”ボタン20を指定することによりスイッチI1
3が導通状態となり、“リアー”ボタン21を指定するこ
とによりスイッチII16が導通状態となるものである。
“ステレオ”ボタン19は確認のため付したもので必ずし
も必要なものではない。これらスイッチが装置の前面パ
ネルあるいは他のパネル面に設置され、ユーザーがアン
プあるいはスピーカの接続状態に応じてボタン操作を行
う。

なお、上記実施例では出力装置確認ボタン18として装
置前面に配された３ヶのボタンを示したが、これは第３
図に示す如く、通常装置背面にあるアンプ用出力である
出力ピンジャック23と対応させて出力接続ボタン22を配
し、操作者は、出力ピンジャックに接続が行われたもの
につき当該ボタンを操作するようにしてもよい。

また、この種装置には内部にアンプを持ち、その装置
背面にある出力形態がピンジャックでなくスピーカ出力
である場合もある。このような装置においては、第４図
に示す如くスピーカ出力24と対応した出力接続ボタン22
を配し、同様に操作することにより同等の効果を得る。

又、上記ピンジャックが配された装置においては出力
接続ボタンを手動にて操作する形態でなく、ピンジャッ
クが差し込まれた時点において自動的にスイッチが動作
するような形態にしても同等の効果を得ることができ
る。

更に、上記実施例では各オーディオチャンネルに１ヶ
の出力装置即ちスピーカが接続されたものについて示し
たが、その数は複数であってもよくその場合にも本発明
は適用可能である。

〔発明の効果〕

以上のようにこの発明によれば、音声出力装置接続の
確認ボタンを配し、不接続の音声チャンネル信号を既接
続の音声チャンネル信号に分配できるように構成したの
で、多チャンネル音声再生装置の構成が100％揃ってい
ない時でも全てのチャンネル音声が聞ける効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による多チャンネル音声再
生装置を示すブロック図、第２図はこの発明における出
力装置確認ボタンの第１の実施例を示す図、第３図はこ
の出力装置確認ボタンの第２の実施例を示す図、第４図
はこの出力装置確認ボタンの第３の実施例を示す図、第
５図は従来の多チャンネル音声再生装置を示すブロック
図、第６図はハイビジョンテレビジョン放送における音
声信号放送形態バリエーションの抜粋を示す図である。 １……HDTVチューナ、２……音声復調回路、3,5……ア
ンプ、7,9……スピーカ、11……試聴者、12……信号処
理回路Ｉ、13……スイッチＩ、14……加算器Ｉ、15……
信号処理回路II、16……スイッチII、17……加算器II、
18……出力装置確認ボタン、19はステレオボタン、20は
センターボタン、21はリアーボタン、22は出力接続ボタ
ン、23は出力ピンジャック、24はスピーカ出力。 なお図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】多チャンネルの音声信号を扱う音声復調回
   路と、前記音声信号を電力増幅し再生する音声出力装置
   とを有する多チャンネル音声再生装置において、 前記音声復調回路出力である音声信号のうち、対応する
   音声出力装置が接続されていないチャンネルの音声信号
   を処理する信号処理回路と、 前記信号処理回路の出力を通過あるいは阻止するスイッ
   チと、 前記音声復調回路出力である音声信号のうち、対応する
   音声出力装置が接続されているチャンネルの音声信号
   と、前記スイッチの出力とを入力とし、これらを加算し
   て前記の対応する音声出力装置に出力する加算器と、 システム内に接続された音声出力装置の数を認識し、前
   記音声信号のチャンネル数に応じて上記スイッチの開閉
   操作を行う操作手段とを備え、 上記システム内に接続された音声出力装置の数が音声信
   号のチャンネル数よりも少ない場合に、該当音声出力装
   置が接続されていないチャンネルの音声信号を他のチャ
   ンネルの音声信号再生用の音声出力装置により再生する
   ようにしたことを特徴とする多チャンネル音声再生装
   置。