JP2708313B2 - 熱間圧延材の接合方法及び装置 - Google Patents

熱間圧延材の接合方法及び装置

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JP2708313B2
JP2708313B2 JP4063946A JP6394692A JP2708313B2 JP 2708313 B2 JP2708313 B2 JP 2708313B2 JP 4063946 A JP4063946 A JP 4063946A JP 6394692 A JP6394692 A JP 6394692A JP 2708313 B2 JP2708313 B2 JP 2708313B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属の熱間板材の圧延設
備に係わり、特に熱間圧延材を粗圧延機群及び仕上圧延
機群にて圧延を行うに際し、短時間で圧延材の接合を行
い連続圧延を可能とする熱間圧延材の接合方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】金属の熱間圧延設備で仕上圧延を連続化
して生産性の向上、品質の向上及び操業の自動化を実現
しようとする要望は極めて強い。その鍵となる技術は、
バー材の接合である。バー材の接合が短時間に完了しな
いと、例えば接合機を走行式にした場合は、接合機の走
行距離が長くなり実現困難となる。また、接合機を固定
型にした場合は、バー材の厚みは通常30〜50mmと
厚いために、このバー材を蓄積するための巨大なルーパ
ーが必要となる。
【0003】従来、バー材の接合方法については、電熱
法、ガス加熱又は溶剤法など多くの方式が提案されてい
る。しかし、それぞれ一長一短があり、未だ実現を見て
いない。その中で最大の難点は、上記したように接合時
間に関することであり、バー材の接合に、接合前準備、
押圧によるだれ除去など含めて最短でも20〜30秒を
要し、時間が掛りすぎることである。他の問題の一つ
は、接合条件が微妙で接合の良否が僅かの条件の差で左
右されることである。したがって、実用に供し得る圧延
の連続化を実現するためには、確実で短時間にバー材の
接合を可能とする技術が是非とも必要となる。
【0004】そこで、電気やガス等接合に時間を要する
ものでなく機械的に接合しようとする試みが多く提案さ
れている。例えば、特開昭51−137649号公報に
は、バー材の一部を重ね合せてプレスする方法が記載さ
れている。また、特開昭51−130665号公報及び
特開昭60−102207号公報には、バー材を厚さ方
向に斜めに切断し、両バー材の切断面を重ね合わせて圧
延することによりバー材の接合を行う方法が記載されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術にはそれぞれ以下の問題点があった。
【0006】まず、特開昭51−137649号公報に
記載の従来技術は、両バー材の相対すべりが少ないため
接合面となる新生面の発生が少なく、実験ではバー材の
接合は不充分である。
【0007】また、特開昭51−130665号公報及
び特開昭60−102207号公報に記載の従来技術
は、先ず第一に通常のギロチンシヤーでバー材を斜めに
切断することは難しく、斜めの切断角度が大きくなれば
切断が更に困難となる。そこでミーリングカッタの様な
方式にすれば斜め切断は可能であるが、時間が掛りすぎ
る。また、仮に斜め切断が可能になったとしても、両バ
ー材の切断面を重ね合わせて圧延すると、この接合面の
スケールの破砕除去が十分でないため、バー材の接合力
は微弱で僅かの曲げや張力または振動などで外れやす
い。
【0008】本発明の目的は、短時間で確実にバー材を
接合し、連続圧延の実現を可能とする熱間圧延材の接合
方法及び装置並びに連続熱間圧延方法及び設備を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、熱間圧延設備のラインで先行圧延
材と後行圧延材とを接合する熱間圧延材の接合方法にお
いて、(a)前記先行圧延材の後端部の端面と前記後行
圧延材の先端部の端面とを圧延材の板厚方向又は板幅方
向のいずれかに互いにずらした状態で当接させること;
(b)前記端面間のずれを解消するように、前記先行圧
延材の後端部と後行圧延材の先端部の少なくとも一方を
他方に対して、他方の圧延材端部の端面に対して傾いた
方向に相対移動させることにより、前記先行圧延材の後
端部の端面と前記後行圧延材の先端部の端面とを互いに
塑性変形させながら両端面間に相対すべりを生じさせ
て、両圧延材を接合することを特徴とする熱間圧延材
の接合方法が提供される。
【0010】
【0011】
【0012】記接合方法において、好ましくは、前記
先行圧延材の後端部と前記後行圧延材の先端部少なく
とも一方を他方に対して傾けると共に、先行圧延材の後
端部と後行圧延材の先端部を互いにずらしかつ一方を他
方に押し当てて狭持し、その後、前記先行圧延材の後端
部と後行圧延材の先端部の少なくとも一方を前記ずれを
無くす方向に相対移動させることにより、前記相対すべ
りと塑性変形を生じさせる。
【0013】代わりに、前記先行圧延材の後端部と前記
後行圧延材の先端部を互いにずらしかつ一方を他方に押
し当てて狭持し、その後、前記先行圧延材の後端部と後
行圧延材の先端部の少なくとも一方を他方の圧延材端部
の端面に対して傾いた方向に相対移動させることによ
り、前記相対すべりと塑性変形を生じさせてもよい。
【0014】また、前記先行圧延材の後端部と前記後行
圧延材の先端部の一方を曲げると共に、その曲げた端部
を他方に押し当てて狭持し、その後、前記曲げた端部を
伸ばすことにより、前記相対すべりと塑性変形を生じさ
せてもよい。
【0015】更に、前記先行圧延材の後端部と後行圧延
材の先端部の少なくとも一方の端面を斜めに切断し、そ
の後端部と先端部を互いにずらしかつ一方を他方に押し
当てて狭持し、その後、先行圧延材の後端部と後行圧延
材の先端部の少なくとも一方を前記ずれを無くす方向に
相対移動させることにより、前記相対すべりと塑性変形
を生じさせてもよい。
【0016】
【0017】更に、上記接合方法において、好ましく
は、前記押圧しながら相対すべりを生じさせるに際し
て、前記先行圧延材と前記後行圧延材の接合面をジグザ
グに変形させる。また、好ましくは、前記先行圧延材と
後行圧延材の一方の板幅方向エッジを他方の板幅方向エ
ッジに対してずらして接合する。
【0018】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、少なくとも1台の粗圧延機と仕上圧延機群を有
する熱間圧延設備における連続熱間圧延方法において、
(a)前記粗圧延機で複数のスラブを圧延し、順次バー
材を得ること;(b)上記の方法により前記バー材を接
合すること; (c)前記接合したバー材を前記仕上圧
延機群で連続的に圧延すること;を特徴とする連続熱間
圧延方法が提供される。
【0019】更に、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、熱間圧延設備のラインで先行圧延材と後行圧延
材とを接合する熱間圧延材の接合装置において、(a)
前記先行圧延材の後端部と前記後行圧延材の先端部と
、それらの端面が圧延材の板厚方向に互いにずれた状
態で当接するようそれぞれ独立して狭持する第1及び第
2の金型装置と;(b)前記第1及び第2の金型装置の
少なくとも一方を、前記端面間のずれが解消するよう
に、かつ前記先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部
少なくとも一方が他方に対して、他方の圧延材端部の
端面に対して傾いた方向に相対移動するように動作させ
る駆動手段と;を備えることを特徴とする熱間圧延材の
接合装置が提供される。
【0020】上記接合装置において、好ましくは、前記
第1及び第2の金型装置はそれぞれ昇降可能に構成され
ている。
【0021】また、好ましくは、前記第1及び第2の金
型装置は、前記先行圧延材の後端部と前記後行圧延材の
先端部の少なくとも一方を他方に対して傾けると共に、
先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部を互いにずら
しかつ一方を他方に押し当てて狭持する
【0022】更に、好ましくは、前記駆動手段は、前記
第1及び第2の金型装置の少なくとも一方を、先行圧延
材の後端部と後行圧延材の先端部の少なくとも一方が他
方の圧延材端部の端面に対して傾いた方向に相対移動す
るように動作させる。
【0023】また、好ましくは、上記接合装置は、前記
圧延材の高さ方向位置を調整するための位置調整装置を
更に備える。更に、好ましくは、上記接合装置は、前記
第1及び第2の金型装置と前記押圧手段を圧延材の進行
方向に走行させる移送装置を更に備える。
【0024】また、好ましくは、前記第1及び第2の金
型装置は、それぞれ圧延材の狭持面にスパイク状の複数
の突起を有し、前記複数の突起は前記圧延材端部の接合
面が形成する接合線に対して千鳥状に配置される。代わ
りに、前記第1及び第2の金型装置は、それぞれ圧延材
の狭持面にラック歯状の複数の突起を有し、前記複数の
突起を前記圧延材端部の接合面が形成する接合線をまた
いで配置してもよい。
【0025】また、上記目的を達成するために、本発明
によれば、少なくとも1台の粗圧延機と仕上圧延機群を
有する連続熱間圧延設備において、前記粗圧延機と前記
仕上圧延機群との間に設置され、粗圧延機で圧延された
バー材を順次接合する上記の接合装置を備えことを特
徴とする連続熱間圧延設備が提供される。
【0026】
【作用】本発明の接合方法においては、先行圧延材の後
端部の端面と後行圧延材の先端部の端面とを圧延材の板
厚方向又は板幅方向のいずれかに互いにずらした状態で
当接させ、この端面間のずれを解消するように、先行圧
延材の後端部と後行圧延材の先端部の少なくとも一方を
他方に対して、他方の圧延材端部の端面に対して傾いた
方向に相対移動させることにより、先行圧延材の後端部
と後行圧延材の先端部の端面間には、相対すべりが生じ
ると同時にくさび効果により水平方向(板長方向)の力
が発生し、この力により圧着力と塑性変形が生じ、塑性
変形と相対すべりにより両圧延材の端面の表面の酸化ス
ケールが剥離されて生地の金属面が露出し、同時に圧着
力と塑性変形によりこの露出した金属面が接合され、
れにより両圧延材を短時間で確実に接合できる。
【0027】
【0028】押圧しながら相対すべりを生じさせるに際
して、先行圧延材と後行圧延材の接合面をジグザグに変
形させることにより、接合後の搬送中におけるバタツキ
(振動)に対する接合強度が向上し、搬送中の分離が防
止される。
【0029】先行圧延材と後行圧延材の一方の板幅方向
エッジを他方の板幅方向エッジに対してずらして接合す
ることにより、前記塑性変形により一方の板幅方向エッ
ジが他方の端面に食い込むので、エッジ割れが防止され
る。
【0030】また、本発明の接合装置においては、第1
及び第2の金型装置で先行圧延材の後端部と後行圧延材
の先端部とをそれらの端面が圧延材の板厚方向に互いに
ずれた状態で当接するようそれぞれ独立して狭持し、
動手段で第1及び第2の金型装置の少なくとも一方を、
前記端面間のずれが解消するように、かつ先行圧延材の
後端部と後行圧延材の先端部の少なくとも一方が他方に
対して、他方の圧延材端部の端面に対して傾いた方向に
相対移動するように動作させることにより、上記接合方
法を実施することができる
【0031】第1及び第2の金型装置の狭持面にスパイ
ク状の複数の突起を設け、複数の突起を圧延材端部の接
合面が形成する接合線に対して千鳥状に配置することに
より、先行圧延材と後行圧延材の接合面がジグザグにな
り、搬送中のバタツキに対する接合強度が向上する。
【0032】第1及び第2の金型装置の狭持面にラック
歯状の複数の突起を設け、複数の突起を圧延材端部の接
合面が形成する接合線をまたいで配置することによって
も、先行圧延材と後行圧延材の接合面がジグザグにな
り、搬送中のバタツキに対する接合強度が向上する。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。まず、本発明の原理を説明する。本発明の熱間圧延
材の接合方法は以下の知見に基づいている。
【0034】(1)熱間バー材の接合の可否は、接合面
の清浄度C、材料温度T、押付圧力Pに依存する。清浄
度が完全であれば常温でも接合可能なことはクラッド圧
延の例を見ても明らかである。熱間圧延材の場合は、清
浄度に影響するのは殆んどが酸化スケールである。従っ
て、酸化スケールさえなければ材料温度Tに応じた圧力
Pで圧着すれば接合は可能となる。
【0035】(2)熱間圧延の仕上圧延は通常6〜7台
の圧延機で行われ、接合強度が要求されるのは張力圧延
を要求される後段の圧延機においてである。発明者等の
実験によれば、熱間バー材を板厚方向で20%前後接合
できれば、その後の圧延によってバー材の全板厚にわた
って接合されることが確かめられている。このことは、
連続圧延のためのバー材の接合は、接合面全面を完全に
接合する必要はないことを示している。
【0036】次に、本発明の接合方法の第1の実施例を
図1により説明する。図1において、1は先行バー材、
2は後行バー材であり、先行バー材1の後端面1eの表
面及び後行バー材2の先端面2eの表面には、それぞ
れ、厚みを誇張して示した酸化スケール1S,2Sが形
成されている。先行バー材1の後端面1e及び後行バー
材2の先端面2eは、いずれも図示していない走間剪断
機で事前にクロップカットされているが、剪断後数秒は
経過しているので、その後端面1e及び先端面2eでの
酸化スケール1S,2Sの発生は避けられない。因みに
この時点でのバー材1,2の温度は、鋼の場合で100
0℃前後、アルミニウムの場合で450℃前後である。
【0037】先行バー材1の後端部は後行バー材2に対
して傾けて配置され、後端面1eを垂直面に対してθの
角度だけ傾けた状態で先行バー材1は待機する。後行バ
ー材2の先端面2eの下端は、図1(A)に示すの如
く、先行バー材1の後端面1の下端よりもeだけ垂直方
向にずらして先行バー材1の後端面1eに突き当てる。
然る後、Qなる力で後行バー材2を垂直方向に押し下げ
る。
【0038】図1(B)に押し下げ過程の途中の状態を
示す。この図から分かるように、後端面1eは先端面2
eに対してθだけ傾いているため、力Qにより後行バー
材2を強制的に押し下げると、先端面2eは後端面1e
に向かいながら押し下げられる。その結果、両端面1
e,2e間には押し下げによる相対すべりが生じると同
時に、先端面2eが後端面1eに向かうことによるくさ
び効果により圧力Pが発生し、この圧力Pにより両端面
1e,2e間に圧着力と塑性変形が生じる。ここで、両
端面1e,2eの接触面は、圧力Pによる塑性変形と相
対すべりにより表面の酸化スケール1S,2Sを剥離さ
せ、生地の金属面が露出し、同時に圧力Pによる圧着力
と塑性変形により接合に好適の状態となる。
【0039】押し下げの終了状態を図1(C)に示す。
上記eのずれがなくなるまで後行バー材2を押し下げる
と、hの厚み部分が接合される。ここで、押し下げ前の
後行バー材2の先端面2eの下端と先行バー材1の後端
面1eの下端との水平方向のずれをxとすれば、後行バ
ー材2の先端面2e及び先行バー材1の後端面1eの塑
性変形量は、それぞれ最大で概ねx/2となる。次の圧
延工程によって接合領域hの板厚Hに対する割合は増加
する。なお、上述の端面間の相対すべりによって完全に
酸化スケール1S,2Sが除去されず、hの領域全部が
接合しない場合であっても、次工程の圧延に十分耐え得
る接合強度が得られる。
【0040】本発明の他の実施例による接合方法を図2
〜図4により説明する。上記実施例では、先行バー材1
の端面1eを鉛直面に対して角度θだけ傾けたが、図2
〜図4の実施例は他の方法で同様な作用を得るものであ
る。すなわち、図2に示す第2の実施例では、先行バー
材1は傾けずに、力Qの方向を角度θだけ傾けて、後行
バー材2を先行バー材1に対して押圧移動させる方向を
θだけ傾けて押し下げる。これによっても同様にくさび
効果による相対すべりと圧着力及び塑性変形が生じ、先
行バー材1及び後行バー材2が相互に接合される。この
実施例では、後行バー材1の水平方向(板長方向)の移
動量をxとすると、接合線はほぼx/2の位置に形成さ
れ、後行バー材2の先端面2e及び先行バー材1の後端
面1eの塑性変形量は、それぞれ最大で概ねx/2とな
る。
【0041】なお、力Qの方向をθだけ傾斜させること
なく、バー材1,2を互にFなる力で押圧しながらバー
材1,2の端面1e,2eを相互に滑らせてもよく、こ
れによっても後行バー材2は先行バー材1に対してθだ
け傾いて押圧移動し、同様な効果が得られる。
【0042】また、図3に示す第3の実施例では、一方
のバー材1をO点を支点にして接合前に半径rで曲げて
おき、これに他のバー材端面を押し当て後、力Qを働か
せてその曲げを延ばす。これによっても同様にくさび効
果による相対すべりと圧着力及び塑性変形が生じ、同様
な効果が得られる。この場合、行バー材1の曲がりを
後端面1eの塑性変形なしで伸ばした場合の両バー材の
最大重なり長さをxとすると、接合線はほぼx/2の位
置に形成され、後行バー材2の先端面2e及び先行バー
材1の後端面1eの塑性変形量は、それぞれ最大で概ね
x/2となる。
【0043】更に、図4に示す第4の実施例では、先行
バー材1及び後行バー材2の各端面1e,2eを鉛直方
向に対してθだけ傾けてクロップカットしておき、後行
バー材2を垂直方向の力Qで押し下げる。これによって
も同様にくさび効果による相対すべりと圧着力及び塑性
変形が生じ、先行バー材1及び後行バー材2が相互に接
合される。この方法でも、押し下げ前の後行バー材2の
先端面2eの下端と先行バー材1の後端面1eの下端と
の水平方向のずれをxとすれば、接合線はほぼx/2の
位置に形成され、後行バー材2の先端面2e及び先行バ
ー材1の後端面1eの塑性変形量は、それぞれ最大で概
ねx/2となる。
【0044】なお、以上の実施例は、粗圧延後、仕上圧
延前のバー材を接合する場合についてのものであるが、
バー材より厚いスラブ材の場合は、連続鋳造設備のガス
切断機でスラブ材の端面を斜切断しておけば、同様に本
発明を適用し、接合可能である。
【0045】また、以上の実施例は、先行バー材1及び
後行バー材2の接合に際し、相互の接合面となる端面1
e,2eのすべり方向を板厚Hの方向としたが、板幅W
の方向また板厚Hと板幅Wの両方向にすべらせても同様
な接合が可能である。特に、図2及び図4の実施例は、
図に示すように、板幅Wの方向にすべらせて接合するの
に好適である。このように板幅方向にすべらす場合、す
べりストロークは板厚H方向にすべらす場合よりも遥か
に大きくとれるため、酸化スケール1S,2Sのデスケ
ール効果が大きく、かつ相対すべりによる摩擦及び変形
による発生熱も大きくなる。したがって、本実施例は、
接合性の悪い材料や比較的温度の低いバー材の接合に特
に有用である。ただし、この方法では、バー材1,2の
パス中心をずらすことが必要となり、バー材1,2のず
らし装置が追加になる。また、バー材を移送するテーブ
ルローラの面長も余分に広くせねばならない。従って、
この点では、このような短所を伴わない板厚方向へのす
べり方式が望ましい。
【0046】更に、上記いずれの実施例も、バー材1,
2の先後端面の上下端のエッジ部を直角またはそれに近
い形状に変形することにより、端面間の相対すべりに際
して当該エッジ部が相対するバー材1或は2の端面に良
く喰い込み、デスケール効果も両バー材1,2の圧着効
果もより大きくなり、接合がより確実になる。このため
には、接合前に行なわれるバー材1,2の先後端面のク
ロップカットは切断面が直角になるように、上下の刃物
が平行に上下するギロチンシヤーや平行リンク型シヤー
又はベンジユラムシヤーで切断することが望ましい。
【0047】次に、上記接合方法を実施する本発明の接
合装置の実施例を図面により説明する。まず、本発明の
第1の実施例による接合装置を図5及び図6により説明
する。図5において、本実施例に係わる連続熱間圧延設
備には連続鋳造機51、加熱炉52、粗圧延機群53、
剪断機60、接合機3、仕上圧延機群54、冷却炉5
5、剪断機56、巻取機57がこの順序で配置されてい
る。連続鋳造機51では板厚120〜300mm、板幅
700〜2000mmのスラブ材が製造され、このスラ
ブ材が粗圧延機群53で板厚30〜50mmのバー材に
圧延され、仕上圧延機群54で板厚1〜12mmの薄板
製品に圧延される。剪断機60は一般には仕上圧延機群
54に供給されるバー材の先後端のクロップをカットし
て、噛込性を良好にするためのものであるが、本実施例
では、剪断機60と仕上圧延機群54の間に接合機3が
配置され、接合機3で接合されるバー材の先後端をクロ
ップカットするのに剪断機60が使用される。また、剪
断機56は巻取り機57に巻き取られる薄板製品をカッ
トし、製品コイルにする。
【0048】図6に接合機3の構造を示す。接合機3は
図1に示す接合方法を実施する装置として構成されてい
る。図6において、1aは粗圧延後、仕上圧延機群54
にて圧延されている先行バー材1の後端部、2aは粗圧
延機群53を出て剪断機60でクロップカットされた後
の後行バー材2の先端部を示す。接合機3は本体フレー
ム3aを有し、本体フレーム3a内にはバー材1,2の
先後端部1a,2aを狭持するための上下1対のクラン
プ用金型4,5及び上下1対の押圧用金型6,7が配置
されている。
【0049】クランプ用金型4,5は、図1に示す接合
方法を実施するためバー材1の後端部1aを傾斜させて
狭持し、水平方向の力を受け止める金型であり、バー材
1の水平力を受け止めるためにその表面に鋸状の凹凸を
つけるのが望ましい。これはバー材端部の冷却防止にも
役立つ。上金型4は、油圧シリンダー8で上下に昇降可
能に構成され、バー材の通過時は開けておく。
【0050】押圧用金型6,7はシリンダー9,10に
よりそれぞれ上下動するように構成されている。このう
ち上金型6は押圧力を付与する金型であり、下金型7
は、バー先端の位置保持と押圧時にバー材が水平方向に
逃げるのを防止する役目を有する。
【0051】本体フレーム3aの入側には後行バー材2
の先端部の高さ方向位置を調整するための位置調整装置
14が設置されている。位置調整装置14は、ピンチロ
ーラ11,12と、ピンチローラ11,12を収容する
インナーハウジング13を有し、インナーハウジング1
3は、ピンチローラ11,12で把持された後行バー材
2の先端の高さ方向位置を調整するため、アウターハウ
ジング14a内を油圧シリンダー21で昇降できるよう
に構成されている。
【0052】15はテーブルローラであり、本実施例で
はバー材を接合しない場合も考えて接合機前後のテーブ
ルローラ15の高さは共に同じとし、かつ接合機のない
設備と同じ高さにしてある。このため、入側のテーブル
ローラ15は金型6,7でバー材2を狭持する高さより
低く、接合時にバー材2を必要高さに移動するため、上
記の位置調整装置14を設置している。なお、バー材の
接合を行う専用の設備では、入側のテーブルローラ15
を金型6,7でのバー材2の狭持を可能とする高さに設
置しておけば、位置調整装置14は不要である。
【0053】接合機3の入側にはバー材1,2の先端又
は後端の通過を検出する位置センサ16が設置され、接
合機3の出側にはバー材の進行速度を検出するメジャー
リングローラ17が設置されている。位置センサ16と
メジャーリングローラ17とでバー材1,2の端部位置
を知ることができる。
【0054】接合機3は移送装置18によりバー材の進
行方向に走行可能になっている。移送装置18は本体フ
レーム3aに取付けられた走行車輪18aを有し、走行
車輪18aはレール19上を油圧シリンダー20の駆動
により往復動する。
【0055】以下、上記接合装置の動作を説明する。先
行圧延材1が接合機3を通過しているとき、上金型4,
6は図示の位置から上昇した開位置にあり、下金型7は
図示の位置で待機している。先行バー材1の後端部1a
が位置センサ16を通過すると、メジャーリングローラ
17によりこの先行バー材1の後端部1aの位置を演算
し、先行バー材1の端面1eがクランプ用金型4,5の
手前の位置に来ると油圧シリンダー8を操作して、クラ
ンプ用金型4,5により先行バー材1の後端部1aを狭
持する。このとき、先行バー材1の後端部1aは金型
4,5のクランプによってその端面1eが垂直方向に対
して所定の角度を持つように曲げられる(図1参照)。
金型4,5がクランプする直前に、接合機3は油圧シリ
ンダー20の駆動によりバー材1の速度Vdにほぼ等し
い速度まで加速される。このことは接合機3の走行方向
に設置された図示しない位置センサにより、バー材1後
端部1aの演算位置と接合機3の位置との相対関係を所
定の値に保つよう油圧シリンダー20のピストン位置を
制御することによって達成される。
【0056】後行バー材2は、先行バー材1に近接して
送られて来て、その先端の端面2eが位置センサ16で
検出され、バー材2の先端がピンチローラ11,12を
通過すると、油圧シリンダー21により後行バー材2は
所定の高さに押し上げられ、両バー材1,2の端部1
a,2aに形成された端面1e,2eは図示のように喰
違いの状態で、端面2eの下端エッジ部が端面1eに接
触する。接触の確認は、ピンチローラ11,12の駆動
モータの電流の変化又は後行バー材2の速度Veと位置
センサー16を利用して行ってもよい。確認後、直ちに
油圧シリンダー9を操作して上金型6を押し下げ、後行
バー材2の端面2eが先行バー材1の端面1eと喰違い
がなくなるまでこれらの接合面を押圧する。このとき、
シリンダー10は一定の圧力で押し下げられる。かくし
て前述のごとく、両端面1e,2eの接合面に形成され
た酸化スケールの破砕除去と接合面のくさび効果による
強大な圧着力及び塑性変形により両バー材1,2の接合
が瞬時に行なわれる。
【0057】シリンダー9が所定のストロークを達成す
ると、直ちに油圧シリンダー8,9のピストンは上昇
し、シリンダー10のピストンは下降して、金型4,
6,7をバー材1,2から離間させた後に、接合機3は
油圧シリンダー20により最初の位置に戻される。ま
た、インナーハウジング13も下降して次のバー材の接
合に備える。
【0058】本発明の第2の実施例による接合装置を図
7により説明する。本実施例は図6の実施例と接合原理
は同じであるが、位置調整装置14を不要とし、構造と
操作を単純化したものである。図中、図6に示す部材と
同等の部材には同じ符号を付している。
【0059】図7において、押圧用の下金型7の上面の
高さはテーブルローラ15とほぼ同じ高さとして、接合
時、後行バー材2の先端部2aの高さは変えないように
している。一方、クランプ用の下金型5の上面の高さは
テーブルローラ15の高さより低く設定し、先行バー材
1をクランプ用金型4,5によりクランプするとき、後
端部1aの端部1eを傾斜させると同時に、その垂直方
向位置レベルも必要量だけ下げるようにする。バー材1
の下げ量はバー材の板厚が厚い程大きくする必要があ
り、そのため紙面に直角方向に出入り可能な楔コマ22
を設けて、金型5の上面の高さをバー材の厚みに応じて
調節する。
【0060】この様に構成した本実施例の接合機3Aで
は、先行バー材1の後端面1eに後行バー材2の先端面
2eを接触させながら先行バー材1を接合機3Aに送り
込み、先行バー材1の後端部の端面1eがクランプ用金
型4,5の位置に来ると、上金型4を下降させて先行バ
ー材1をクランプし、同時に押圧用金型6を下降させ
る。上金型4のクランプによりバー材1の後端部端面1
eは傾斜させられると同時に、下方に押し下げられる。
押圧用金型6の下降により、後行バー材2の先端部の端
面2eはその下端エッジ部がバー材1の端面1eに喰い
込みながらその表面の酸化スケールを破砕除去し、かつ
くさび効果による押圧と塑性変形により圧着接合させら
れる。なお、接合機3Aはクランプ直前に油圧シリンダ
20によりバー材に同期走行し、金型開後に元の位置に
復帰する。
【0061】本実施例では、接合機3Aの入側でバー材
2の高さ調節をする必要がないため、後行バー材2はテ
ーブルローラ15の速度を仕上圧延速度で決まるVdよ
りも速くして、バー材2をテーブルローラ15に対して
すべらせることにより先行バー材1の後端面1eに後行
バー材2の先端面2eを接触させながら接合機3Aに送
り込めるので、両バー材1,2の接合操作はより簡単で
短時間で作業を完了させることができる。
【0062】本発明の第3の実施例による接合装置を図
8により説明する。図中、図6に示す部材と同等の部材
には同じ符号を付している。本実施例の接合機3Bは図
2の接合方法を実施する装置として構成されている。す
なわち、本実施例では、バー材1,2の端部を傾斜させ
る代りに、接合機3Bの本体フレーム3aを傾斜させ、
かつクランプ用金型4,5及び押圧用金型6,7の表面
は水平方向に向け、押圧用金型6,7の移動方向をバー
材端面に対して傾斜させる。これにより、図2に示す接
合方法が実施され、バー材1,2が接合される。
【0063】本発明の第の実施例による接合装置を図
9〜図12により説明する。図中、図6に示す部材と同
等の部材には同じ符号を付している。本実施例は図2に
示す接合方法を平行リンクを用いることで実現したもの
である。図9〜図11において、本実施例の接合機3C
は本体フレーム3a内に金型フレーム23,24を有し
ている。金型フレーム23にはクランプ用下金型5が一
体に設けられ、かつシリンダー26により昇降可能にク
ランプ用上金型4が連結されている。金型フレーム24
にも同様に押圧用下金型7が一体に設けられ、かつシリ
ンダー27により昇降可能に押圧用上金型6が連結され
ている。本体フレーム3aの上部および下部フレームに
は上部及び下部ブラケット3c,3dが突設され、金型
フレーム24はこの上部および下部ブラケット3b,3
cと傾き角度αのリンク21,22を介してピン25a
25b,25c,25dにて連結され四辺形リンクを構
成している。金型フレーム23はシリンダー8にて昇降
可能とされ、その下限はストッパー28にて郭定されて
いる。金型フレーム24はシリンダー9にて昇降可能と
され、下限はストッパー29にて郭定されている。
【0064】上記接合機3Cによる接合手順を図12に
より説明する。先行バー材1の後端部と後行バー材2の
先端部は接合機3Cの直前に配置した剪断機60(図5
参照)にてそれぞれ剪断される。接合機3Cは先行バー
材1の速度Veにほぼ等しい速度まで加速して走間中に
バー材1,2の接合を行う。バー材1,2は接合機のク
ランプ用下金型5及び押圧用下金型7上の所定位置で端
面を合せる。次に、シリンダー26,27を操作して、
クランプ用上金型4及び押圧用上金型6を押し下げてク
ランプを閉じる。次に、シリンダー8を操作して金型フ
レーム23を押し下げて段差aを与える。次に、シリン
ダー9を操作して金型フレーム24を寸法aにほぼ等し
い位置まで押し下げてバー材1,2を接合する。次に、
シリンダー26,27を操作して金型4及び金型6を上
昇させてクランプを開ける。次に、図示しないバー材の
持ち上げ装置にて接合したバー材は金型5,7の上面か
ら持ち上げられ、下流に配置した圧延機へ搬送される。
接合機3Cは一連の接合作業が完了すると直ちに元の位
置に後退し、次のバー材の接合準備を行う。
【0065】以上の手順において、「接合」の手順で
は、押圧金型6,7にて狭持されたバー材2は金型フレ
ーム24をシリンダー9にて所定ストローク(寸法a)
押し下げることにより、バー材1,2の端面を押圧しな
がら相互に滑らせて接合する。ここで、前述したよう
に、金型フレーム24をQなる押し下げ力で移動させ、
バー材1,2の端面を押圧しながら相互に滑らせると、
くさび効果により水平方向の力がバー材1,2の端面間
に発生し、両端面は塑性変形するよう押圧され、接合に
好適な状態となる。一方、くさび効果により生じた水平
方向の力は、クランプ用金型4,5と押圧用金型6,7
にそれぞれ作用する。この水平方向の力は金型フレーム
23及び金型フレーム24を介してリンク21,22と
連結ピン25a,25b,25c,25dで受け止めら
れ,接合機3Cのフレーム3には作用しない。
【0066】本実施例によれば、押圧時に発生する反力
をリンク21,22で支持するので、接合機3Cの本体
フレーム3に過大な力が及ぶことがなく、装置の小型化
が達成できる。また、押圧時の機械摺動部分が無く、代
りに連結ピン25a〜35dで支持することになるの
で、機械的ロスも少なく、押圧シリンダ9の出力を小さ
くできる長所も有する。
【0067】なお、図6〜図12に示した実施例では、
接合機3によるバー材端面のすべり方向はバー材の板厚
H方向としたが、図2及び図4で説明したように、バー
材の板幅W方向に相対すべりを発生させてもよい。この
場合、接合機は大型になるが、バー材の接触面のすべり
ストロークを大きくとれるので、脱スケール効果が大き
く、かつすべり速度を速くすることにより接触面の発生
熱による温度上昇も大となり、スケールの破砕し難い材
料又はバー材の温度の低い場合などには有効となる。
【0068】また、上述の説明では、接合機はすべて走
間式としたが、接合機を固定とし、接合時間分だけ出側
にバー材のルーパー装置を設けるもの、または走間とル
ーパーの併用など、与えられた設備条件に応じて適宜組
合わせられることは自明である。
【0069】また、走間式の接合機として、1つのシリ
ンダーで往復する方式で説明したが、接合機の加速は小
ストロークのプッシュシリンダーを設けてこれで行い、
バー材の速度に同期した後は金型のクランプ力により先
行バー材と一緒に走行させ、クランプ開後は戻り専用の
シリンダーで原位置に復帰するなどの方法も適用可能で
あり、バー材の高精度な位置制御には特に有効である。
【0070】ここで、上記実施例での接合時間について
言及する。図6に示す実施例では、クランプ及び押圧は
同時に作動し、ストロークを100mmと仮定して10
0mm/secのプレス速度で1秒、開で同じく1秒、
バー材を例えば60m/minまで加速度gで加速すれ
ば約0.1秒、合計2.1秒、安全を見ても3秒あれば
足りる。図9の実施例でも5秒程度である。また、上記
実施例では下面のだれは金型で抑えられ発生しないの
で、そのための処理は不要である。今、バー材の厚みを
40mm、仕上圧延機群の出口板厚を2mm、圧延速度
を1200m/minとすれば、バー材の入側速度Vd
は20分の1の60m/minである。上記実施例で
は、接合時間を3〜5秒として走行距離3〜5mであ
り、設備構成は大型化を必要とせず極めて容易なものと
なる。
【0071】以上説明したように、本発明の実施例で
は、鋼板又はアルミニウム板などの熱間圧延設備におい
て、仕上圧延機群の入側でバー材を接合して連続圧延を
するものであり、バー材相互の接合端面を互いに喰込む
方向にすべらせてこの端面の酸化スケールを破砕除去し
ながら、くさび効果による両端面間の圧着力と塑性変形
で瞬時にバー材の接合を行うことができる。現在、接合
可能の見通しが立っている溶断法に比較し、接合時間が
約10分の1に短縮され、接合機を走間方式にしても走
行ストロークが25mから5m以内、ルーパ方式にして
も同じ程度の差で実現可能な熱間圧延設備の設備計画が
可能となる。
【0072】この様に本発明の実施例は、極めて簡単な
構造と操作で圧延業界多年の宿題であった熱間圧延の接
合連続化を実現しうるものである。
【0073】次に、本発明の接合方法で接合を更に確実
にする実施例を説明する。バー材を接合して連続圧延す
る場合、実操業では、接合されたバー材が圧延機に噛込
むまでの間、搬送中のバー材のバタツキ(板厚方向と板
幅方向)で接合部が破断するのを防止するためのバック
アップが求められる。本実施例は、クランプ金型と押圧
金型の表面に所定パターンの突起を設けて接合線をジグ
サグ状にすることにより、搬送中のバー材のバタツキに
耐え、破断を防止するものである。
【0074】すなわち、図13において、クランプ用金
型5Aの表面とこれに対面する押圧用金型6Aの表面に
スパイク状の複数の突起30を形成する。この突起30
は図14に示すように断面円形であり、バー材端面の板
幅方向の接合線に対して千鳥状に配置される。これら上
下の突起30はバー材に食込むことにより接合面を相手
バー材側に強くはみ出すので、板厚方向の接合線31は
図13(B)に示すように曲線となり、搬送中例えば先
行バー材1が上方にバタツイても、接合部ははずれな
い。また、突起30は千鳥状の配置となっているので、
隣の突起部では図13(B)に示す曲線と逆向きの曲線
となっており、先行バー材1が下方にバタツイても、接
合部がはずれることはない。一方、板幅方向についても
図14に示すように、接合線32がジグザグ状になるこ
とから、板幅方向のバタツキにも耐えうる。
【0075】なお、このようなバタツキに対する耐破断
性を確保するには、接合部に板長方向の張力が作用しな
いように、後行バー2を先行バー1に対し押込む(圧縮
力)ように搬送スピード制御をすることも重要である。
このようにして最初の圧延機に噛込めば、接合はこの圧
延により更に強固となるので、下流の張力圧延に耐えう
る条件が整うことになる。
【0076】図14では、突起30の断面形状を円形と
したが、図15に示すように断面形状ひし形の突起33
を設けてもよく、これによっても図14の丸形と同様の
効果を発揮する。
【0077】接合線をジグサグ状にするための突起の形
状のさらに他の実施例を図16〜図18により説明す
る。
【0078】図16及び図17において、クランプ用金
型5Bの表面とこれに対面する押圧用金型6Bの表面に
ラック歯状の複数の突起34を形成する。この突起34
は図18に示すように長方形をしており、板幅方向の接
合線32をまたいで配置されている。これら上下の突起
34もバー材に食込むことにより接合面が変形し、上記
実施例と同様の接合線31,32が得られる。この場
合、ジグザグ状の度合は減少するが、破断防止の効果が
あることが本発明者等の実験で確認されている。
【0079】バー材の接合を確実にする他の実施例を説
明する。まず、図6〜図12の実施例において、金型
4,5及び6,7のうち、クランプ用した金型5と押圧
用上金型6は互いに先端部分が相対するように重なり合
っている。ここで、押圧力Qにより接合完了時、押圧金
型がシートバーに噛込むように押圧力を設定する。これ
により、図19(A)に示すように、板厚方向の接合線
は波形になり、板厚方向のバタツキ(振動)に対する接
合強度が改善される。また、先行バー材と後行バー材の
板厚及び板幅が同一であるケースはまれで、むしろ相違
する組合せが多い。図19(B)及び(C)は本発明に
おける板厚差がある場合の接合状態を示すが、前述のよ
うに押圧力Qにより接合完了時、押圧金型がシートバー
に噛込むように押圧力を設定すれば、板厚差で生じる段
付部分は減少するし、搬送を矢印方向にすることによ
り、搬送テーブルに接合部段差が突っかかり、破断する
ような事態を回避することが可能となる。
【0080】また、図20(A)に示すように、バー材
に板幅差がある場合(W1 <W2 )は狭幅例W1 が相手
側広幅例W2 に喰込むように接合を完了するので、次工
程の圧延でのエッヂ割れを避けることができる。一方、
図21(B)に示すように同一板幅(W1 =W2 )の場
合は、幅方向に意識的にΔWだけずらした状態で接合を
することで同様な効果を得ることができる。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、先行圧延材の後端部の
端面と後行圧延材の先端部の端面とを圧延材の板厚方向
又は板幅方向のいずれかに互いにずらした状態で当接さ
せ、この端面間のずれを解消するように、先行圧延材の
後端部と後行圧延材の先端部の少なくとも一方を他方に
対して、他方の圧延材端部の端面に対して傾いた方向に
相対移動させるので、両圧延材を短時間で確実に接合で
き、連続熱間圧延を実現することができる。
【0082】
【0083】また、先行圧延材と前記後行圧延材の接合
面をジグザグに変形させるので、搬送中の分離が防止さ
れ、安定した連続熱間圧延が可能となる。
【0084】更に、先行圧延材と後行圧延材の一方の板
幅方向エッジを他方の板幅方向エッジに対してずらして
接合するので、エッジ割れが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による熱間圧延材の接合
方法を示す図であり、(A),(B),(C)はそれぞ
れその過程を示す。
【図2】本発明の第2の実施例による熱間圧延材の接合
方法を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施例による熱間圧延材の接合
方法を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施例による熱間圧延材の接合
方法を示す図である。
【図5】本発明の熱間圧延材の接合装置を備えた連続熱
間圧延設備の概略図である。
【図6】本発明の第1の実施例による熱間圧延材の接合
装置の側面図である。
【図7】本発明の第2の実施例による熱間圧延材の接合
装置の側面図である。
【図8】本発明の第3の実施例による熱間圧延材の接合
装置の側面図である。
【図9】本発明の第4の実施例による熱間圧延材の接合
装置の側面図である。
【図10】図9の右方向から見た部分断面図である。
【図11】図9の左方向から見た部分断面図である。
【図12】図9に示す接合装置での接合手順を示す説明
図である。
【図13】本発明の接合方法で、ジグザグ状の接合を行
う場合の一実施例を示し、(A)は接合前の、(B)は
接合後の金型部分の断面図である。
【図14】図13の実施例におけるジグザグ状接合部と
スパイク状の突起の断面形状を示す平面図である。
【図15】スパイク状突起の他の断面形状を示す図14
と同様な図である。
【図16】本発明の接合方法で、ジグザグ状の接合を行
う場合の他の実施例を示す金型部分の断面図である。
【図17】図16のXVII−XVII線断面図であ
る。
【図18】図16の実施例でのジグザグ状接合部とラッ
ク歯状の突起の断面形状を示す平面図である。
【図19】本発明の接合方法で、板厚差がある場合の一
実施例を示す図である。
【図20】本発明の接合方法で、板幅差がある場合の一
実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 先行バー材 1a 後端部 1e 端面 1S 酸化スケール 2 後行バー材 2a 先端部 2e 端面 2S 酸化スケール 3 接合機 4,5,6,7 金型 8 シリンダー 9 シリンダー(押圧手段) 10 シリンダー(押圧手段) 14 位置調整装置 18 移送装置 30,33 スパイク状の突起 34 ラック歯状の突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 忠行 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 舟本 孝雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−240305(JP,A) 特開 昭50−59246(JP,A) 特開 昭62−142082(JP,A)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱間圧延設備のラインで先行圧延材と後行
    圧延材とを接合する熱間圧延材の接合方法において、(a)前記先行圧延材の後端部の端面と前記後行圧延材
    の先端部の端面とを圧延材の板厚方向又は板幅方向のい
    ずれかに互いにずらした状態で当接させること; (b)前記端面間のずれを解消するように、前記先行圧
    延材の後端部と後行圧延材の先端部の少なくとも一方を
    他方に対して、他方の圧延材端部の端面に対して傾いた
    方向に相対移動させることにより、 前記先行圧延材の後
    端部の端面と前記後行圧延材の先端部の端面とを互いに
    塑性変形させながら両端面間に相対すべりを生じさせ
    て、両圧延材を接合すること を特徴とする熱間圧延材の接合方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の熱間圧延材の接合方法にお
    いて、前記先行圧延材の後端部と前記後行圧延材の先端
    少なくとも一方を他方に対して傾けると共に、先行
    圧延材の後端部と後行圧延材の先端部を互いにずらしか
    つ一方を他方に押し当てて狭持し、その後、前記先行圧
    延材の後端部と後行圧延材の先端部の少なくとも一方を
    前記ずれを無くす方向に相対移動させることにより、前
    記相対すべりと塑性変形を生じさせることを特徴とする
    熱間圧延材の接合方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の熱間圧延材の接合方法にお
    いて、前記先行圧延材の後端部と前記後行圧延材の先端
    部を互いにずらしかつ一方を他方に押し当てて狭持し、
    その後、前記先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部
    の少なくとも一方を他方の圧延材端部の端面に対して傾
    いた方向に相対移動させることにより、前記相対すべり
    と塑性変形を生じさせることを特徴とする熱間圧延材の
    接合方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の熱間圧延材の接合方法にお
    いて、前記先行圧延材の後端部と前記後行圧延材の先端
    部の一方を曲げると共に、その曲げた端部を他方に押し
    当てて狭持し、その後、前記曲げた端部を伸ばすことに
    より、前記相対すべりと塑性変形を生じさせることを特
    徴とする熱間圧延材の接合方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の熱間圧延材の接合方法にお
    いて、前記先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部の
    少なくとも一方の端面を斜めに切断し、その後端部と先
    端部を互いにずらしかつ一方を他方に押し当てて狭持
    し、その後、先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部
    の少なくとも一方を前記ずれを無くす方向に相対移動さ
    せることにより、前記相対すべりと塑性変形を生じさせ
    ることを特徴とする熱間圧延材の接合方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の熱間圧延材の接合方法にお
    いて、前記押圧しながら相対すべりを生じさせるに際し
    て、前記先行圧延材と前記後行圧延材の接合面をジグザ
    グに変形させることを特徴とする熱間圧延材の接合方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の熱間圧延材の接合方法にお
    いて、前記先行圧延材と後行圧延材の一方の板幅方向エ
    ッジを他方の板幅方向エッジに対してずらして接合する
    ことを特徴とする熱間圧延材の接合方法。
  8. 【請求項8】少なくとも1台の粗圧延機と仕上圧延機群
    を有する熱間圧延設備における連続熱間圧延方法におい
    て、 (a)前記粗圧延機で複数のスラブを圧延し、順次バー
    材を得ること; (b)請求項1記載の方法により前記バー材を接合する
    こと; (c)前記接合したバー材を前記仕上圧延機群で連続的
    に圧延すること 特徴とする連続熱間圧延方法。
  9. 【請求項9】熱間圧延設備のラインで先行圧延材と後行
    圧延材とを接合する熱間圧延材の接合装置において、 (a)前記先行圧延材の後端部と前記後行圧延材の先端
    部とを、それらの端面が圧延材の板厚方向に互いにずれ
    た状態で当接するようそれぞれ独立して狭持する第1及
    び第2の金型装置と; (b)前記第1及び第2の金型装置の少なくとも一方
    を、前記端面間のずれが解消するように、かつ前記先行
    圧延材の後端部と後行圧延材の先端部の少なくとも一方
    が他方に対して、他方の圧延材端部の端面に対して傾い
    方向に相対移動するように動作させる駆動手段と; を備えることを特徴とする熱間圧延材の接合装置。
  10. 【請求項10】請求項記載の熱間圧延材の接合装置に
    おいて、前記第1及び第2の金型装置はそれぞれ昇降可
    能に構成されていることを特徴とする熱間圧延材の接合
    装置。
  11. 【請求項11】請求項記載の熱間圧延材の接合装置に
    おいて、前記第1及び第2の金型装置は、前記先行圧延
    材の後端部と前記後行圧延材の先端部の少なくとも一方
    を他方に対して傾けると共に、先行圧延材の後端部と後
    行圧延材の先端部を互いにずらしかつ一方を他方に押し
    当てて狭持することを特徴とする熱間圧延材の接合装
    置。
  12. 【請求項12】請求項記載の熱間圧延材の接合装置に
    おいて、前記駆動手段は、前記第1及び第2の金型装置
    の少なくとも一方を、先行圧延材の後端部と後行圧延材
    の先端部の少なくとも一方が他方の圧延材端部の端面に
    対して傾いた方向に相対移動するように動作させること
    を特徴とする熱間圧延材の接合装置。
  13. 【請求項13】請求項記載の熱間圧延材の接合装置に
    おいて、前記圧延材の高さ方向位置を調整するための位
    置調整装置を更に備えることを特徴とする熱間圧延材の
    接合装置。
  14. 【請求項14】請求項記載の熱間圧延材の接合装置に
    おいて、前記第1及び第2の金型装置と前記押圧手段を
    圧延材の進行方向に走行させる移送装置を更に備えるこ
    とを特徴とする熱間圧延材の接合装置。
  15. 【請求項15】請求項記載の熱間圧延材の接合装置に
    おいて、前記第1及び第2の金型装置は、それぞれ圧延
    材の狭持面にスパイク状の複数の突起を有し、前記複数
    の突起を前記圧延材端部の接合面が形成する接合線に対
    して千鳥状に配置したことを特徴とする熱間圧延材の接
    合装置。
  16. 【請求項16】請求項記載の熱間圧延材の接合装置に
    おいて、前記第1及び第2の金型装置は、それぞれ圧延
    材の狭持面にラック歯状の複数の突起を有し、前記複数
    の突起を前記圧延材端部の接合面が形成する接合線をま
    たいで配置したことを特徴とする熱間圧延材の接合装
    置。
  17. 【請求項17】少なくとも1台の粗圧延機と仕上圧延機
    群を有する連続熱間圧延設備において、 前記粗圧延機と前記仕上圧延機群との間に設置され、粗
    圧延機で圧延されたバー材を順次接合する請求項9記載
    接合装置を備えことを特徴とする連続熱間圧延設
    備。
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