JP3345284B2 - 熱延鋼板の製造方法および装置 - Google Patents

熱延鋼板の製造方法および装置

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JP3345284B2 JP30748496A JP30748496A JP3345284B2 JP 3345284 B2 JP3345284 B2 JP 3345284B2 JP 30748496 A JP30748496 A JP 30748496A JP 30748496 A JP30748496 A JP 30748496A JP 3345284 B2 JP3345284 B2 JP 3345284B2
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大樹 加藤
洋祐 麻生
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材の熱間圧延の
技術に関するもので、特に熱間圧延において粗圧延後の
鋼材(以下粗バーと称する)を複数本つなぎ合わせて、
破断なく連続的に仕上圧延を行って熱延鋼板を製造する
方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の熱延ラインでは、加熱炉で加熱し
たスラブ(鋳片)を1本ずつ粗圧延−仕上圧延を行って
いたが、この方法では圧延される材料の先端・後端部分
の熱延時の温度制御や冷却制御が困難なため、材質ばら
つきが起こり易く、さらにこの部分は、張力がない状態
で仕上げ圧延後巻取りまでの冷却ゾーンを移動するた
め、不安定なバタツキをおこして疵が発生しやすくなり
歩留まり低下を招いていた。そこで、近年ではこの問題
の解決のために、仕上連続圧延の前で粗バーを接合し、
複数本をまとめて仕上圧延を行う方式が採用されるよう
になってきた。熱間圧延鋼材の連続化のための接合方法
としては、特開昭61−144201号公報で提案され
ている。この接合方法では先行圧延材の後端部と後行圧
延材の先端部を突き合わせて両端を圧接・接合する方法
や上面からの溶接により接合する方法が開示されてい
る。
【0003】しかし、特開昭61−144201号公報
のごとき両端接合では中央部が未圧着のため破断発生が
多く、その対策として破断発生の原因となる未圧着部で
のスケール発生防止のためには高価な設備が必要という
問題がある。また、突き合わせ部の上面から溶接する方
法では、鋼材の温度低下防止のため高速溶接が必要であ
り、また溶融部が突き抜けないように溶接深さを調節す
る必要があり、この難しさから、全厚を接合することが
できない。このため、接合部の裏面位置に非接合部部分
ができ、両端接合の場合と同じようにスケール発生防止
策を講じないと圧延による圧着が難しくなり、圧延時に
接合部の破断が発生するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は前記
問題を解決し、スケール防止策などの多大な設備を必要
とせずに圧延時に破断を起こさないように粗バーの後端
部と先端部を接合することにより、生産性の高い熱延連
続化プロセスで熱延鋼板を製造することを可能にする事
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の要旨は、粗バーの予備接合(溶接)位置を上
面とするとき、上面を溶接後、接合部分の最初の圧延時
に、後行材の上面が、下面より早く圧延ロールに接触し
て、下面の非接合面に圧着応力が作用するように制御す
ることにある。
【0006】或は、粗バーの予備接合(溶接)位置を下
面とするとき、下面を溶接後、接合部分の最初の圧延時
に、後行材の下面が、上面よりも早く圧延ロールに接触
して、上面の非接合面に圧着応力が作用するように制御
することにある。
【0007】本発明の具体的解決手段は、以下の通りで
ある。
【0008】(1)粗バーの先行材の後端部および後行
材の先端部を切断したのち、両端部を突き合わせて鋼板
の片面から他面に向けて溶接により接合し圧延する、連
続熱間圧延により熱延鋼板を製造する方法において、初
期圧延を行う圧延機の入り側の溶接側に位置する一方の
圧延ロールに後行材の溶接側面が非溶接側面より早く接
触するように、前記圧延機の溶接側に位置する一方の圧
延ロールの径を非溶接側に位置する他方の圧延ロールの
径より大きく設定した圧延機で圧延することを特徴とす
る熱延鋼板の製造方法。
【0009】(2)粗バーの先行材の後端部および後行
材の先端部を切断したのち、両端部を突き合わせて鋼板
の片面から他面に向けて溶接により接合し圧延する、連
続熱間圧延により熱延鋼板を製造する方法において、初
期圧延を行う圧延機の入り側の溶接側に位置する一方の
圧延ロールに後行材の溶接側面が非溶接側面より早く接
触するように、前記圧延機の溶接側に位置する一方の圧
延ロールの軸と非溶接側に位置する他方の圧延ロールの
軸とに垂直方向軸心差を設定した圧延機で圧延すること
を特徴とする熱延鋼板の製造方法。
【0010】
【0011】()粗バーの先行材の後端部および後行
材の先端部を切断したのち、両端部を突き合わせた鋼板
の上下部の片面から他面に向けて溶接により接合し圧延
する、連続熱間圧延により熱延鋼板を製造する圧延装置
において、初期圧延を行う圧延機の粗バーの溶接側に位
置する一方の圧延ロールの垂直方向軸心線と、反対側に
位置する他方の圧延ロールの垂直方向軸心線とに、軸心
差ΔL≧5mmとなるように配設した圧延ロールを備え
ていることを特徴とする圧延装置。
【0012】本発明の解決手段について詳細に説明す
る。
【0013】本発明者らは、粗バーの接合部分をレーザ
ー溶接やアーク溶接によって、先行材後端部と後行材先
端部を予備接合した後、圧延を行い、その圧延状況を観
察するとともに圧延後に接合部の引張試験を行い、その
接合状況を調べた。
【0014】このとき、接合端面の形状を意識的に変
え、様々な組み合わせにより溶接−圧延を繰り返した。
その結果、圧延後の接合状況は、極度に良好になる場合
と、極度に悪くなる場合があることに気がついた。その
端面の組み合わせについて整理してみると、以下のよう
になった。
【0015】1)接合部の溶接側が上面である場合、後
行材の先端の上面が入り側上下圧延ロールの上圧延ロー
ルに接触する時期が、非溶接側の後行材の先端の下面が
前記上下圧延ロールの下圧延ロールに接触する時期より
も早い場合は、接合状況が良好となる傾向がある。
【0016】2)接合部の非溶接側が上面である場合、
後行材の先端の上面が入り側上下圧延ロールの上圧延ロ
ールに接触する時期が、溶接側の後行材の先端の下面が
前記上下圧延ロールの下圧延ロールに接触する時期より
も遅い場合は、接合状況が良好となる傾向がある。
【0017】3)上記1)とは逆に、接合部の非溶接側
が上面である場合、後行材の先端の上面が入り側上下圧
延ロールの上圧延ロールに接触する時期が、溶接側の後
行材の先端の下面が前記上下圧延ロールの下圧延ロール
に接触する時期よりも早い場合は、接合状況が悪化する
傾向がある。
【0018】4)また、上記2)とは逆に、接合部が上
面にある場合、溶接側の後行材の先端の上面が入り側上
下圧延ロールの上圧延ロールに接触する時期が、非溶接
側の後行材の先端の下面が前記上下圧延ロールの下圧延
ロールに接触する時期よりも遅い場合は、接合状況が悪
化する傾向がある。
【0019】そこで、さらに実験室圧延機を用いて観察
を行い、上述の1)〜4)の条件の違いが圧延時にどの
ように現れるかを調べた結果、上述の1)及び2)の場
合は、圧延における噛み込み時に非溶接部を抑え込み非
溶接面に圧着応力が作用するようにして圧延され、逆に
3)及び4)の場合は、非接合部を開く状態で圧延され
る事が明らかになった。
【0020】このように、接合部の突き合わせ状態の違
いにより、接合後最初の圧延時に非接合部が開口状態に
なるか、押し付け状態になるかが決まる。
【0021】上述のように、溶接側の後行材先端部が非
溶接側の先端部よりも先に圧延ロールと接触させる状態
を作り出すためには、初期圧延を行う圧延機の入り側の
上下圧延ロールに関して、これらのロール径に差を付与
したり、或はこれらのロールに垂直方向軸心差を付与す
ることにより実現できることを知見して本発明を完成し
た。
【0022】即ち、ロール径に差を付与する場合は、図
5に示す様に、初期圧延を行う圧延機の上下ロールの垂
直方向軸心線位置から100mm入り側の後行材12の
中心線位置を基点として、粗バーの溶接側に位置する一
方の圧延ロール(図では上ロール)までの高さhuと反
対側に位置する他方の圧延ロール(図では下ロール)ま
での高さhdとが、hd−hu≧1mmとなるように上
下ロール径を調整すれば良く、そして、同一圧延ロール
径のロールを用いてロールに垂直方向軸心差を付与する
場合には、図3に示す様に、溶接側に位置する一方の圧
延ロールの垂直方向軸心線と、反対側に位置する他方の
圧延ロールの垂直方向軸心線とに、軸心差ΔL≧5mm
となる(溶接側に位置するロ−ルの軸心線が入り側に近
くする。図3(a)では上側圧延ロール、図3では下側
圧延ロールの軸心線が入り側に近くなっている。)よう
に調整すれば良いことを実験により確認した。
【0023】また、本発明では、図6に示すように、圧
延機の上下ロール5、6の垂直方向軸心位置から100
mm入り側の後行材の中心線位置を基点として、粗バー
の溶接開始側に位置する一方の圧延ロール(図では上ロ
ール)までの高さhuと反対側に位置する他方の圧延ロ
ール(図では下ロール)までの高さhdとが、hd−h
u≧1mmとなるように入口ローラー8等の入り側ガイ
ドを補助的に、或は主として活用することによって調整
してもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明を実施する場合の概要を図
に基づいて説明する。
【0025】図7は粗バーである後行材及び先行材を接
合し、連続圧延して熱延鋼板を製造する工程の概要を示
す図である。
【0026】図7に示すように、連続鋳造で得られた鋼
スラブ(鋳片)は、加熱炉20で加熱し、粗圧延機21
で熱間圧延する。粗圧延された粗バーは巻取って粗圧延
コイル22とし、巻き戻された粗バーの先端部をシャー
切断機等の切断機23で切断し溶接に適する先端開先が
形成される。そして、同様に切断機23で後端部を切断
された先行する粗バーの後端部と突き合わせて鋼板の上
面から下面に向けてレーザー或はアーク溶接等の溶接装
置24でもって接合する。
【0027】接合した粗バーは仕上圧延機25でもって
仕上圧延し、ランアウトテーブルに設けた冷却装置26
で巻取温度に冷却した後、巻取機28でコイルに巻取
る。
【0028】鋼板は所定の寸法コイルに巻取ると切断機
27で切断する。切断位置は、接合位置で切断を行うこ
とが望ましい。
【0029】図1は、径を異ならしめた上・下の入り側
圧延ロール5・6により上下両面が面一にて接合された
先行材1及び後行材2の接合部を圧延する状態を模式的
に示す断面図であり、図1(a)は先行材1及び後行材
2の溶接部7が上面側に位置し、又、図1(b)は先行
材1及び後行材2の溶接部7が下面側に位置する状態を
示す図である。
【0030】図1(a)に基づいて粗バーの接合部の圧
延作用を説明する。
【0031】大径である上側圧延ロール5と小径である
下側圧延ロール6により先行材1が所望の厚みに圧延さ
れつつ進行すると上面側にて溶接接合されている後行材
2も連れて進行し、始めに、上面側の溶接部7が前記大
径である上側圧延ロール5に接触するものの粗バーの接
合部下面側は小径である下側圧延ロール6には接触しな
い。
【0032】前記上側圧延ロール5に接触しながら圧延
段階に至った溶接部7では後行材2の先端部4から圧延
作用に伴う応力が得られことから前記後行材2の先端面
3には該溶接部7を支点とする矢印方向への左旋回作用
が自動的に付与されて後行材2と先行材1の接合面は圧
着され、粗バーは連続して圧延されるものである。
【0033】図1(b)は、前記図1(a)の粗バーの
圧延状態図における上・下圧延ロール5・6の径の大・
小を逆に成し、かつ、後行材2と先行材1の接合面に形
成される溶接部7も反対側である下側面に位置させた状
態図であり、始めに後行材2と先行材1の接合部におけ
る下面側の溶接部7側が大径の下側圧延ロール5に接触
することにより後行材2の先端部4にて得られる応力を
介して矢印方向への右旋回作用を自動的に付与し、後行
材2と先行材1の接合面が圧着され、粗バーは連続して
圧延されるものである。
【0034】図2は、上記図1における粗バーの後行材
2と先行材1の接合面を食い違いに接合した接合部を有
する状態を模式的に示す断面図であり、異径の上・下圧
延ロール5・6及び圧延の進行方向は該図1に示したも
のと同様ある。
【0035】図2(a)は、後行材2に対して先行材1
を下方に僅かに食違わせて上側面の溶接部7により接合
した状態図であり、後行材2の上面先端部4が小径の下
側圧延ロール6よりも早期に大径の上側圧延ロール5に
接触する。
【0036】前記後行材2の先端面3は、前記大径の上
側圧延ロール5にいち早く接触し圧延作用に伴う応力が
付与された該後行材2の上面先端部4を介してこの近傍
に形成された溶接部7を中心として積極的な左旋回(矢
印方向参照)がなされるため、先行材1の接合面に強力
に圧着される。
【0037】前記図2(b)は、前記図2(a)におけ
る圧延方向を除く他の態様が逆である粗バーの圧延状態
図を表し、後行材2の先端面3は、前記大径の下側圧延
ロール5に接触すると同時に圧延作用を受ける該後行材
2の下面先端部4を介してこの近傍に形成された溶接部
7を中心として積極的な右旋回(矢印方向参照)がなさ
れるため、先行材1の後方端面である接合面に強力に圧
着される。
【0038】図3は、垂直方向軸心差(ΔL)が付与さ
れた同径の上・下の入り側圧延ロール15・16によ
り、上下両面が面一にて接合された先行材1及び後行材
2の接合部を圧延する状態を模式的に示す断面図であ
り、図3(a)は先行材11及び後行材12の溶接部1
7が上面側に位置し、又、図3(b)は先行材11及び
後行材12の溶接部17が下面側に位置する状態を示す
図である。
【0039】図3(a)に基づいて粗バーの接合部の圧
延作用を説明する。
【0040】垂直方向軸心差(ΔL)が付与された同径
の上側圧延ロール15と下側圧延ロール16により先行
材11が所望の厚みに圧延されつつ進行すると上面側に
て溶接接合されている後行材12も連れて進行し、始め
に上面側の溶接部17が前記上圧延ロール15に接触し
ながら圧延段階に至った該溶接部17では後行材12の
先端部14から圧延作用に伴う応力が得られことから前
記後行材12の先端面13には該溶接部17を支点とす
る矢印方向への左旋回作用が自動的に付与されて後行材
12と先行材11の接合面は圧着され、粗バーは連続し
て圧延されるものである。
【0041】図3(b)は、図3(a)における上側圧
延ロール15と下側圧延ロール16間の垂直方向軸心差
(ΔL)の付与位置、及び、先行材11と後行材12間
の溶接部17の形成位置を逆にした状態を示す図であ
り、垂直方向軸心差(ΔL)に基づいて、始めに、下面
側の溶接部17が下側圧延ロール16に接触しながら圧
延段階に至った該溶接部17では後行材12の下面側先
端部14から圧延作用に伴う応力が得られ、前記後行材
12の先端面13には該溶接部17を支点とする矢印方
向への右旋回作用が自動的に付与されて後行材12と先
行材11の接合面は圧着され、粗バーは連続して圧延さ
れる。
【0042】図4は、上記図3における粗バーの後行材
12と先行材11の接合面を食い違いに接合した接合部
を有する状態を模式的に示す断面図であり、垂直方向軸
心差(ΔL)が付与された同径の上・下の入り側圧延ロ
ール15・16及び圧延の進行方向は該図3に示したも
のと同様ある。
【0043】図4(a)は、後行材12に対して先行材
11を下方に僅かに食違わせて上側面の溶接部17によ
り接合した状態図であり、上・下圧延ロール15・16
間の垂直方向軸心差(ΔL)及び後行材12・先行材1
1間の食い違いにより上面先端部14が小径の下側圧延
ロール16よりも早期に大径の上側圧延ロール15に接
触する。
【0044】前記後行材12の先端面13は、前記上側
圧延ロール15にいち早く接触し圧延作用に伴う応力が
付与された該後行材12の上面先端部14を介してこの
近傍に形成された溶接部17を中心として積極的な左旋
回(矢印方向参照)がなされるため、先行材11の接合
面に強力に圧着される。
【0045】前記図4(a)は、前記図4(a)におけ
る圧延方向を除く他の態様が逆である粗バーの圧延状態
図を表し、後行材12の先端面13は、前記下側圧延ロ
ール16に接触すると同時に圧延作用を受ける該後行材
12の下面先端部14を介してこの近傍に形成された溶
接部17を中心として積極的な右旋回(矢印方向参照)
がなされるため、先行材11の後方端面である接合面に
強力に圧着されるものである。
【0046】以上の通りの各状態下での圧延実験を行い
観察した結果、いずれの場合においても、非接合部が押
し付けられて圧延され、接合部の強度が上昇する事が確
認された。
【0047】
【実施例】本発明の実施例について比較例と対比して述
べると、7スタンドのタンデム圧延機を用いて粗バーの
接合実験を行う場合には20〜50mmの粗バー厚の鋼
材を適用するもので、粗バーの先行材の後端部および後
行材の先端部をシャーによって切断し、両者の切断面を
突き合わせ、突き合わせ面の上側から溶接(レーザー溶
接、アーク溶接)によって予備接合して熱間圧延を行っ
た。その圧延時の初期圧延においては、後行材先端部の
圧延ロールとの接触が、上部、下部及び上下部同時の3
通りに分けて圧延を行い、通板時の破断状況を観察し
た。そして通板した材料は、冷片とした後に引張試験を
行って、母材強度と比較し、母材強度比を求めた。な
お、予備接合率は、いずれも40%とした。この結果を
表1に示す。
【0048】
【表1】 以上の実験結果によれば、従来方法に属する比較例N
o.5、6では、母材強度比が低いか、或は圧延途中に
被圧延材に破断が生じてしまった。これに対して、本発
明のhd−hu≧1mmとした実施例No.1、2およ
では、圧延途中に破断が生じることもなく圧延で
き、母材強度比も83〜94%と高いものとなってい
た。また、圧延ロール軸に軸心差△L≧5mmを設定し
た実施例No.でも同様に圧延途中に破断を生じるこ
となく母材強度比の高い圧延鋼板を得ることができた。
【0049】なお、入り側ガイドを活用して実施した例
(No.2、)においても良好な結果が得られた。ま
た、接合方法の相違によっては、何ら影響を受けなかっ
た。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法およ
び装置によれば、非接合部であった箇所も圧延によって
圧着が進むようになり、圧延途中での接合部の破断がな
くなり、かつ、母材強度比の高い熱延鋼板を得ることが
でき、生産性の高い熱延連続化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験室圧延機による圧延時の粗バー接合部の状
態を模式的に示す図である。(a)は、大径の上側圧延
ロールと小径の下側圧延ロールにより先行材と後行材が
上面側で溶接され食い違いなく接合された接合部を圧延
する状態図である。(b)は、小径の上側圧延ロールと
大径の下側圧延ロールにより先行材と後行材が下面側で
溶接され食い違いなく接合された接合部を圧延する状態
図である。
【図2】実験室圧延機による圧延時の粗バー接合部の状
態を模式的に示す図である。(a)は、大径の上側圧延
ロールと小径の下側圧延ロールにより先行材と後行材が
上面側で溶接され食い違いに接合された接合部を圧延す
る状態図である。(b)は、小径の上側圧延ロールと大
径の下側圧延ロールにより先行材と後行材が下面側で溶
接され食い違いに接合された接合部を圧延する状態図で
ある。
【図3】実験室圧延機による圧延時の粗バー接合部の状
態を模式的に示す図である。(a)は、垂直方向軸心差
が付与された同径の上・下圧延ロールにより先行材と後
行材が上面側で溶接され食い違いなく接合された接合部
を圧延する状態図である。(b)は、垂直方向軸心差が
付与された同径の上・下圧延ロールにより先行材と後行
材が下面側で溶接され食い違いなく接合された接合部を
圧延する状態図である。
【図4】実験室圧延機による圧延時の粗バー接合部の状
態を模式的に示す図である。(a)は、垂直方向軸心差
が付与された同径の上・下圧延ロールにより先行材と後
行材が上面側で溶接され食い違いに接合された接合部を
圧延する状態図である。(b)は、垂直方向軸心差が付
与された同径の上・下圧延ロールにより先行材と後行材
が下面側で溶接され食い違いに接合された接合部を圧延
する状態図である。
【図5】圧延ロールのロール径に差を付与した場合の関
係を示した図である。
【図6】入口ローラー等の入口ガイドを活用して圧延す
る例を示す図である。
【図7】粗バーである後行材及び先行材を接合し、連続
圧延して熱延鋼板を製造する工程の概要を示す図であ
る。
【符号の説明】
1、11 先行材 2、12 後行材 3、13 先端面 4、14 先端部(最初に圧延ロールと接触する) 5、15 圧延ロール 6、16 圧延ロール 7、17 溶接部 8 入口ローラー 20 加熱炉 21 粗圧延機 22 粗圧延コイル 23 切断機 24 溶接装置 25 仕上圧延機 26 冷却装置 27 切断機 28 巻取機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 麻生 洋祐 大分市大字西ノ洲1番地 新日本製鐵株 式会社 大分製鐵所内 (72)発明者 松尾 慎二 大分市大字西ノ洲1番地 新日本製鐵株 式会社 大分製鐵所内 (56)参考文献 特開 平7−290108(JP,A) 特開 昭62−134183(JP,A) 特開 昭60−184481(JP,A) 特開 平5−23706(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 11/00 B21B 13/14 B21B 15/00 B23K 20/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗バーの先行材の後端部および後行材の
    先端部を切断したのち、両端部を突き合わせた鋼板の上
    部の片面から他面に向けて溶接により接合し圧延する、
    連続熱間圧延により熱延鋼板を製造する方法において、
    初期圧延を行う圧延機の入り側の溶接側に位置する一方
    の圧延ロールに後行材の溶接面が非溶接面より早く接触
    するように、前記圧延機の溶接側に位置する一方の圧延
    ロールの径を非溶接側に位置する他方の圧延ロールの径
    より大きく設定した圧延機で圧延することを特徴とする
    熱延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 粗バーの先行材の後端部および後行材の
    先端部を切断したのち、両端部を突き合わせた鋼板の上
    下部の片面から他面に向けて溶接により接合し圧延す
    る、連続熱間圧延により熱延鋼板を製造する方法におい
    て、初期圧延を行う圧延機の入り側の溶接側に位置する
    一方の圧延ロールに後行材の溶接側面が非溶接側面より
    早く接触するように、前記圧延機の溶接側に位置する一
    方の圧延ロールの軸と非溶接側に位置する他方の圧延ロ
    ールの軸とに垂直方向軸心差を設定した圧延機で圧延す
    ることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 粗バーの先行材の後端部および後行材の
    先端部を切断したのち、両端部を突き合わせた鋼板の上
    下部の片面から他面に向けて溶接により接合し圧延す
    る、連続熱間圧延により熱延鋼板を製造する圧延装置に
    おいて、初期圧延を行う圧延機の粗バーの溶接側に位置
    する一方の圧延ロールの垂直方向軸心線と、反対側に位
    置する他方の圧延ロールの垂直方向軸心線とに、軸心差
    ΔL≧5mmとなるように配設した圧延ロールを備えて
    いることを特徴とする圧延装置。
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