JP2705962B2 - インクジェット記録装置および回復機構 - Google Patents

インクジェット記録装置および回復機構

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はインクジェット記録装置および回復機構に関
する。
[従来の技術] この種の装置は、直接記録に係る構成以外にインクを
吐出して記録を行う方式に固有の構成を具える。
すなわち、記録データに応じて、ある吐出口で長時間
吐出が行われない場合や、装置自体が長期間使用されな
い場合には吐出口や吐出口に連通するインク液室内のイ
ンクが水分蒸発によって増粘し不吐出を起こすことがあ
り、また、吐出口が配設された吐出口面にインク液滴,
水滴あるいは塵埃等が付着し、これら付着物によって吐
出されるインク液滴が引っ張られ、その吐出方向が偏向
することもある。このため、インクジェット記録装置
は、不吐出や吐出方向の偏向を未然に防止するため、い
わゆる吐出回復系としての種々の構成を具える。
これら吐出回復系としては、不吐出を防止する構成と
して、所定のインク受容媒体にインクを吐出して増粘イ
ンク等を排除する予備吐出,吐出口やインク液室からイ
ンクを吸引して上記排除を行うインク吸引,さらには吐
出口面を密閉して吐出口からのインク水分蒸発を防ぐキ
ャッピングがある。
また、吐出方向の偏向を防止する構成として、吐出口
面をワンピングし、吐出口近傍に付着した塵埃,インク
液滴等を取除く構成がある。
一方、近年のインクジェット記録装置、とりわけ記録
ヘッドにあっては、その製造が半導体の成膜工程やマイ
クロ加工技術によって行われるようになり、より小型で
かつ廉価な記録ヘッドが実現されつつある。これによ
り、例えばインクタンクを一体とした使い捨てタイプの
記録ヘッドも提案されている。
この結果、装置自体も小型かつ廉価なものとし、ユー
ザーにとってより手軽に用いることのできるインクジェ
ット記録装置が望まれている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上述したインクジェット記録装置、特に小
型かつ廉価、さらには使い捨てタイプの記録ヘッドに対
応した装置を実現するには、解決すべき種々の課題があ
る。
これら課題は、主に上述した吐出回復のための構成に
存在し、予備吐出,インク吸引,さらにはキャッピング
のための装置を配設するためのスペースによって装置の
小型化が阻害されている。また、予備吐出や吸引による
廃インクを貯留するための廃インクタンクや、これに廃
インクを導くための吸引ポンプ,チューブ等のスペース
によっても装置の小型化は阻害される。
上述した構成のうち、特に吐出口面のワイピングを行
なう構成は、従来、第26図(A)に示すように、キャリ
アの移動方向に直角にワイピング部材としてのブレード
101を固定しておきキャリアの移動によって吐出口面9a
をワイピングする構成が多用されてきた。
また、第26図(B)に示すように無端ベルト102にブ
レード103を取付け、この無端ベルトを駆動して吐出口
面9のワイピングを行う構成もあった。
しかしながら、前者のブレードが固定式の構成では、
ワイピングのためにキャリアを走行させなければなら
ず、この走行のためのスペース、換言すればキャリア移
動方向におけるブレードを配設するためのスペースが必
要となり、装置を大きくしてしまうという問題点があっ
た。
また、後者の構成にあっては、同様に無端ベルトおよ
びブレードの配設スペースを必要とし、また専門の駆動
源を必要とするものであった。
さらに、特に予備吐出を行なう構成においては、従
来、記録領域外にインク吸収体等の吐出インク受けを配
設し、記録ヘッドを搭載したキャリアをそこに移動して
インク吐出を行なう構成としていた。
しかしながら、このインク受けはキャリアの移動経路
に沿ってその位置が固定された構成であるため、同様に
この経路に沿って配設されるキャップユニットやワイピ
ング部材等の他の回復装置を避けて配設されなければな
らない。このため記録装置が上記移動方向に長大なもの
になるという問題点があった。
また、上記問題を解消しようとして、インク受けを小
さくすると、予備吐出のインクを吸収しきれずにインク
が溢れてしまい装置内部を汚してしまうことがあり、さ
らにはインク受けを用いずにキャップ内に予備吐出を行
なう構成もあるが、この場合、インクを吐出するために
キャップ内を大きくする必要があり、キャッピング後に
この内部の多量な空気が膨張し、インク液室内の吐出口
近傍に形成されるメニスカスが吐出のための正規位置か
ら後退してしまうということがある。
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたも
のであり、記録ヘッドキャッピング手段を備えたインク
ジェット記録装置に、ワイピング手段やインク受け部材
或いはこれら両方を新たに別部材として備えてキャッピ
ングを良好に行ないつつも短時間で他の部材の動作を行
うことができ、しかも装置として小型化を達成できるイ
ンクジェット記録装置および回復機構を提供するものを
目的とする。
[課題を解決するための手段] そのために本発明では、インクを吐出するための吐出
口を有した記録ヘッドを搭載し該記録ヘッドによる記録
領域及び該記録領域に隣接する非記録領域を移動走査可
能なキャリッジと、前記非記録領域に配設され、前記吐
出口を形成した前記記録ヘッドの吐出口形成面に対し当
接/離脱が可能に進退するキャップと、前記記録ヘッド
の前記吐出口配設面をワイピングするワイピング部材
と、を備えたインクジェット記録装置において、前記ワ
イピング部材は、前記キャップが前記記録ヘッドから後
退離脱した状態で前記キャップと前記記録ヘッドとの間
を移動して前記記録ヘッドの前記吐出口形成面をワイピ
ングし、前記キャップが前記記録ヘッドに対し前進当接
したキャッピング状態では非干渉位置に待避することが
可能に配されていることを特徴とする。
また、インクジェット装置に搭載される記録ヘッドの
吐出口面を覆うキャップと、前記吐出口面に付着した付
着物をワイピングするクリーニングブレードとを備え
た、前記記録ヘッドからのインク吐出の状態を維持・回
復するための回復機構において、前記キャップを支持
し、前記記録ヘッドの吐出口面を覆う状態のキャッピン
グ位置と、前記吐出口面から後退離間した状態の非キャ
ッピング位置とに前記キャップを移動可能にするキャッ
プ移動部材と、前記クリーニングブレードを支持し、前
記記録ヘッドの吐出口面をワイピングするために前記記
録ヘッドと前記キャップとの間の経路に沿って前記クリ
ーニングブレードを移動可能にするクリーニングブレー
ド移動部材と、を備えたことを特徴とする。
[作用] 以上の構成によれば、ワイピング部材は、キャップが
記録ヘッドから後退離脱した状態でそのキャップと記録
ヘッドとの間に移動しながら記録ヘッドの吐出口形成面
をワイピングし、キャップが記録ヘッドに対し当接した
キャッピング状態では非干渉位置に待避することが可能
に配されているので、ワイピングおよびキャッピングの
一連の動作時間を短くできるとともに、ワイピングのた
めに記録ヘッドを移動させる必要がなくなる。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明の一実施例に係る液体噴射記録装置
(インクジェットプリンタ)を示す全体斜視図、第2図
(A)〜(C)はそのプリンタに配設される記録ヘッド
の吐出口形成面を良好にするための手段の各部を説明す
るための部分斜視図、第3図は回復系の分解斜視図、第
4図はそのポンプ部の断面図である。
まず、第1図において、1はシャーシであり、紙等の
記録媒体のガイドを兼ねた左側板1a,右側板1bが奥側に
立設されている。また、右側端部には前側板1cが立設さ
れ、手前側にはキャリアガイド板1dが立設されている。
1eはキャリアをガイドするための長穴であり、後述する
キャリアガイドローラが嵌合し、摺動する。シャーシ1
には後述するキャリアモータを回動可能に支持するため
のモータ取付穴が設けられているが、図示は省略する。
1hは後述するリードスクリューを、軸方向および径方
向で支持するリードアームであり、軸受部(図示省略)
に軸支されている。
2はリードスクリューであり、リード溝2aが記録範囲
に相対して所定のピッチで形成されている。また、リー
ドスクリュー2のキャリアホームポジション側には、キ
ャップポジション設定用のキャップ溝3bおよび回復ポジ
ション設定用のポンプ溝3cが軸に垂直な断面の周りに沿
って形成され、これらキャップ溝3bとポンプ溝3cとは連
結溝3dにより滑らかに連続している。さらに、リード溝
2aとキャップ溝3bとも同様に導入溝3eにより滑らかに連
続している。
リードスクリュー2の右端には軸2gが設けられるとと
もに左端側にも軸が設けられ、それぞれ、前側板1cおよ
びリードアーム1bに設けられた軸受部に嵌入され、それ
らに対して回転自在に支持される。3は上記溝3b〜3eを
含み、リードスクリュー2の軸に設けられたリードプー
リであり、その端部にプーリ3aが設けられている。そし
て、そのプーリ3aにモータ11よりタイミングベルト13を
介して駆動力が伝達される。また、リードスクリュー2
の右端側の軸2gは、図示しない板ばね等によりスラスト
方向に押圧されている。
4はクラッチギヤであり、リードプーリ3に軸方向に
摺動自在に支持され、回転方向には図示しない回り止め
で係合してリードスクリュー2の回動力が伝達されるよ
うになっている。5はクラッチばねであり、クラッチギ
ヤ4をリード溝方向に付勢する圧縮スプリングとしてい
る。なお、クラッチギヤ4が所定の範囲内しか移動しな
いようにする規制部材がクラッチギヤ4とリードプーリ
3との間に形成されるが、図示を省略する。
6はキャリアであり、リードスクリュー2に摺動自在
に取り付けられる。6aはクラッチギヤ4の端面を押圧す
るための押圧部であり、キャリアの左側に一体に形成さ
れている。6bはキャリア6のホームポジション検出用の
検出片である。7はリードピンであり、リードスクリュ
ー2のリード溝2aに係合しており、キャリア6のガイド
穴(図示せず)にて案内されている。8はリードピンば
ねであり、キャリア6に一端が取り付けられており、他
端でリードピン7を押圧している。
9はキャリア6に搭載される記録ヘッドであり、本例
ではインク吐出を行うためのヘッドエレメント9aとイン
ク供給源をなすインクタンク9bとを一体化してキャリア
6に着脱可能としたカートリッジの形態を有し、インク
が消費されたとき等に交換可能な使い捨て型のものとし
てある。なお、ヘッドエレメント9aに配設されてインク
に吐出エネルギを作用させる吐出エネルギ発生素子とし
ては、電気熱変換体や電気機械変換体が用いられるが、
インク吐出口等の高密度実装化が可能であること,製造
工程が簡略であること等の理由により、前者が好ましく
用いられる。
10はキャリアコロであり、キャリア6の後端面側に回
転自在に取り付けられており、前述したシャーシ1の長
穴1eに回転自在に係合している。
11は、例えば、パルスモータよりなるキャリアモータ
であり、この前面および後面の下部に回動ピン11aがア
ライメントをとった状態で設けられており、それら回動
ピン11a(後面側のものは図示せず)がシャーシ1に設
けたモータ取付穴に回動自在に取り付けられている。そ
して、キャリアモータ11は、回動ピン11aを中心にして
回動可能に取り付けられている。11bはばね受けであ
り、キャリアモータ11に一体に形成され、後述するモー
タばね14を受けるべくモータ軸と平行に立設されてい
る。そしてそのばね受け部には円柱状の突起が形成さ
れ、コイル状のモータばね14の端部が固定されている。
12はモータプーリであり、キャリアモータ11のモータ
軸に固着している。13はタイミングベルトであり、モー
タプーリ12とリードスクリュー2の軸に設けたプーリ3a
との間に張架されている。モータばね14は、本例の構成
において圧縮ばねであり、リードアーム1hの一端と、キ
ャリアモータ11のばね受け11bとの間に取り付けられて
おり、これによってキャリアモータ11が図中A方向に回
動するように付勢されるようにすれば、タイミングベル
ト13に張力が与えられる。
15はセット軸であり、左側板1aに立設されて、吐出口
形成面を良好にするための手段や、キャップおよび吐出
回復に係る機構が取り付けられる。
第1図および第2図(A)〜(C)を用いて吐出口形
成面を良好にするための手段を説明する。
16はブレードレバーであり(第2図(A)参照)、ボ
ス部16aがセット軸15に回動自在に取り付けられる。16b
はアーム部、16cはフック部である。17は吐出口形成面
をぬぐうためのブレードであり、シリコンゴムやクロロ
プレン(CR)ゴム等の弾性部材で形成することができ
る。18はブレード軸であり、ブレード17を回転軸と平行
に中心部でクランプしており、ブレードレバー16に回動
自在に取り付けられている。また、18aは回動片であ
り、ブレード軸18と一体に形成されている。19はインク
キャリアであり、親水性の多孔質材料(プラスチック焼
結体,ウレタンフォーム等)で形成されており、ブレー
ドレバー16に固定されている。なお、ブレード17および
インクキャリア19は、後述するキャップと重畳する位置
に配置されている。
20はセットレバーであり、セット軸15に回動自在に取
り付けられる。20a,20bはセットレバー20に設けられた
停止歯,20cは同じくスタート歯,20dは同じく回動歯であ
り、スタート歯20cの歯厚は他の約半分としてある。20e
はアーム部であり、その一部を板厚方向に切欠くことに
より、セット面20fおよびリセット面20gが形成されてお
り、ブレードレバー16に取り付けられたブレード軸18の
回動片18aが嵌合されてこれを駆動するように組合わさ
れる。
21はタイミングギヤであり、シャーシ1に回動自在の
取り付けられている。
タイミングギヤ21は、第2図(B)に示すように外周
の一部に上述したセットレバー20の停止歯20a,20bと係
合するための停止カム21aが形成されている。また、一
部を欠歯にした駆動歯21b1,21b2,…が形成され、さら
に後述するキャップレバーを揺動させるためのキャップ
カム21c〜21eが所定の位置に形成されている。加えて、
後述するポンプのピストンを押圧するためのピストンセ
ットカム21fがフェースカムとして形成され、またピス
トンセットカム21fに対応し所定の間隔をおいてピスト
ンリセットカム21gが一体に形成されている。
22はインク吸収体ばねであり、シャーシ1の所定の位
置に固定され、第2図(C)に示すように、吸収体保持
部22aと、後述するポンプを回動するためのばね部22bと
を有している。23はインク吸収体であり、前述したイン
クキャリア19と同様に親水性の多孔質材料で形成されて
いる。このインク吸収体23には前述したブレード17が当
接する清拭部23aが形成されており、さらに下部には前
述したインクキャリア19が当接してインクの受け渡しを
行う吸収面23bが形成されている。なお、インク吸収体
ばね22の吸収体保持部は上方に若干の弾性力をもって付
勢されており、図示しないストッパにより所定の位置に
係止されている。そのため、前述したインクキャリア19
が当接したときには、インク吸収体23はインク吸収体ば
ね22をたわませて下方に変位し、当接状態が確保される
ようになっている。
次に、主として第3図および第4図を参照して回復系
ユニットについて述べる。
第3図および第4図において、24はシリンダであり、
円筒状のシリンダ部24aと、後述するピストン軸をガイ
ドするガイド部24bとを有しており、ガイド部24bには軸
方向に一部を切欠くことによりインク流路24cを形成し
てある。24dはキャップレバー受けであり、後述するレ
バーシールが嵌入されるように形成されている。また、
24eはインク流路であり、シリンダ部24a内の所定の位置
に開口している。24fは回動レバーであり、シリンダ24
に一体に形成され、前述したインク吸収体ばね22のばね
部22bにより回動力が与えられる。24gは廃インク管であ
り、シリンダ24に一体に形成されるとともに、その先端
部を鋭角状にカットすることにより後述する廃インク吸
収体に挿入し易くしてある。24bは廃インク管24g内に形
成されたインク流路である。
25はシリンダキャップであり、シリンダ24の端部に圧
入される。25aはレバーガイドであり、前述したシリン
ダ24のキャップレバー受け24dと対向した位置に配置さ
れる。
26はシリンダ24に嵌入されるピストンシールであり、
その内径を若干小として後述するピストン軸と所定の圧
接力が得られるようにする。また、表面に潤滑塗装を施
して、ピストン軸の摺動力を低減するようにしてもよ
い。
27はピストン軸であり、動作軸27a,ピストン押え27b,
ピストン受け27c,連結軸27d,およびガイド軸27eが形成
されており、さらにインク流路となる溝27fが連結軸27d
およびガイド軸27eに沿って形成されている。27gは回り
止めであり、動作軸27aに溝として形成される。また、
動作軸27aの端面には、軸受部27bは設けられている。
28はピストンであり、シリンダ摺動部側からみた内層
をなす本体は弾性多孔質体で形成する。これには、単泡
気孔を有する発泡体(スポンジなど)と連続微細多孔質
体など連続気孔を有する多孔質体とがあるが、好適には
連続微細多孔質体、例えば連通発泡したウレタンフォー
ムで形成できる。また、複数本の連続気孔が弾性変形の
方向とは交差する方向に存在するものであってもよい。
そして、その外径はシリンダ24の内径より所定量大きく
形成されて、シリンダ24に挿入されたときは適度に圧縮
された状態となる。また、外周面28aおよびピストン軸2
7のピストン押え27bに当接する端面28bはピストンの発
泡成形時のソリッド層(スキン膜)を位置させるように
してある。ここに、ピストン本体をなす部材が連通発泡
しているものでも、スキン膜は液体連通しないものであ
って気密性が保たれるので、ピストン28がその機能を果
すことになる。なお、スキン膜を有しないものであれ
ば、気密性を保つための被膜を別途設けてもよい。
42はポンプ室である。29はピストン押圧ローラであ
り、ピストン軸27の端部に回動自在に取り付けられる。
30はピストン復帰ローラであり、同様にピストン軸27の
端部に回動自在に取り付けられる。31はそれらローラの
軸である。
32はキャップレバーであり、回転軸32a、インクガイ
ド32bおよびレバーガイド32cが形成されている。また、
先端部には凸形の球面状をしたシール面32dが形成され
ている。また、後述するキャップホルダの爪が係合する
ための係合部32eが上下一対の部材として設けられてい
る。さらに、インク流路32fが、シール面32dよりレバー
内部を通り、途中で直角に曲ってインクガイド32bの中
心を通り、その端面に開口している。なお、インクガイ
ド32bの下側には切欠32gが設けてある。
33はレバーシールであり、インクガイド32bが嵌入さ
れるとともに、キャップレバー受け24d内に圧入され
る。33aは連通穴であり、インクガイド32bの切欠32gと
インク流路24eとを連通する。
34はキャップホルダであり、キャップレバー32の係合
部32eと係合するフック34aが対向した位置に設けられ
る。34bは後述するキャップ取付用の開口部である。
35はキャップであり、通常のインクの乾燥を防ぐため
の密閉キャップ35aが形成され、またこれに隣接して吸
引用の吸引キャップ35bが形成されている。吸引キャッ
プ35bには吸引口35cが形成され、キャップ内でインク流
路を曲げ、その中心部を介してキャップホルダ34方向に
開口している。
35dはフランジ部であり、キャップホルダ34に取り付
けた時の外れ止めになる。また、フランジ部35dはキャ
ップレバー32のシール面32dと同じ曲率を有した凹形の
球面状をしたキャップシール部35eが形成され、キャッ
プレバー32に押圧した場合に中央の開口部のみが連通し
て他はシールされるようになっている。そして、シール
部(32d,35e)は球面状であるのでキャップ部材のエコ
ライズ機能は優れたものであり、吐出口形成面に段差が
ある場合(第24図(B),(C)参照)でもその段差を
即座に吸収して安定した密閉状態を保つことができる。
さて、再び第1図を参照するに、36は紙等の記録媒体
を搬送するための紙送りローラであり、例えばアルミニ
ウムの引抜き管に表面に弾性塗料(ウレタン樹脂等)を
塗布して形成することができる。また、このローラ36は
その外表面において記録媒体の被記録面を規制するプラ
テンとして機能するとともに、その内部を廃インクの貯
留部としている。37はローラ36の内部に設けた廃インク
吸収部であり、塩化ビニル等のプラスチックで薄く形成
した管にポリエステル綿等の吸収材料を充填し、軸方向
にインクの吸収が良い構成としてある。なお、廃インク
吸収部37内にはシリンダ24の廃インク管24gが挿入さ
れ、固定される。また、吸収材料の繊維自体は樹脂や金
属等の非吸液材料であることが好ましいが、わずかに吸
液性でもよい。
38は紙押え板であり、シャーシ1に取り付けられる。
39は紙送りモータであり、紙送りローラ36と所定比の減
速機構を介して連結している。
40は紙,フィルム等の記録媒体である。
41はキャリアのホームポジションを検出するための検
出器であり、本例では透過型のフォトインタラプタを用
いて構成してある。すなわち、キャリア6の検出片6bが
光路をさえぎることにより、キャリアの位置が検出でき
る。
次に、以上の構成についてその動作を説明する。
まず、通常の記録動作時には、キャリアモータ11の軸
の回転によりタイミングベルト13を介してリードスクリ
ュー2が回転するので、リード溝2aに係合したリードピ
ン7によりキャリア6が印字桁方向に記録媒体40に沿っ
て走査される。ここで、キャリアモータ11はモータばね
14により付勢されているので、タイミングベルト13は常
に張られており、良好な伝動がなされる。
キャリア6の移動の際、起動時および停止時に慣性力
が働くが、キャリアモータ11の重量が慣性となるのでモ
ータばね14の荷重は少なくてすみ、モータ負荷も少なく
てすむ。また、このばねに関連してエアダンパあるいは
油圧ダンパ等を設ければ、キャリア6の起動・停止時に
モータ11のロータの振動による騒音が低減できる。この
モータの重量,キャリア部分の重量およびモータばねダ
ンパの係数を適切に選定すればロータのオーバーシュー
トを少なくすることができ、低騒音化が可能となる。
次に、第5図〜第9図を参照して本実施例の非記録時
における動作を説明する。なお、第5図は各部の動作タ
イミングを示すタイミングチャートであり、モータ11に
与えるパルス数によって図示のような各部の動作タイミ
ングを定めることができる。また、第6図(A)〜
(C)はホームポジション付近にある各部の順次の動作
状態を示す説明図、第7図(A)〜(D)はブレード17
等に係る機構の順次の動作状態を示す説明図、第8図
(A)〜(C)はキャップ35に係る機構の順次の動作状
態を示す説明図、第9図(A)および(B)は廃インク
をローラ36内の廃インク収容部37に導入するための機構
の動作を説明するための説明図である。
まず、キャリア6がホームポジション方向(矢印B方
向)に移動し、ホームポジション検出器41により検出が
なされる(この位置は記録時のラップアップ時のスター
ト位置と一致させてもよい)。このとき、第6図(A)
に示すように、リードピン7はリード溝2aに係合してお
り、ヘッドエレメント9aの吐出口9cはインクキャリア19
(第7図(A)参照)と対向した位置にある。ここで、
この位置でヘッドエレメント9aの吐出エネルギ発生素子
のすべてを駆動して吐出動作(以下予備吐出という)を
行い、若干増粘したインク等がその吐出力で吐出され、
この予備吐出による回復動作を終了できる。また、通常
記録の途中で未使用の吐出口のインクが増粘するのを防
ぐために定期的に行う予備吐出もこの位置で行う。な
お、第7図(A)は同位置の周辺の側面図である。
さらに、第6図(B)に示すように、リードスクリュ
ー2を回転してキャリア6をB方向に移動すると、押圧
部6aによりクラッチギヤ4が押圧され、同じくB方向に
移動してタイミングギヤ21の駆動歯21bに噛合する。ク
ラッチギヤ4はリードスクリュー2と同期して回転する
のでモータ11の駆動に伴って、タイミングギヤ21は第7
図(B)に示すようにD方向に回転する。一方、リード
ピン7は導入溝3eからキャップ溝3cに入り込んでいるの
で、リードスクリュー2が回転してもキャリア6は移動
しない。
タイミングギヤ21がD方向に回転すると、そのギヤ部
とセットレバー20のギヤ部とが噛合しているので、セッ
トレバー20はE方向に回動し始める。このときまで、ブ
レードレバー16はフック部16cがシャーシの爪部に係合
しているためセットレバー20のみが回転し、ブレードレ
バー16は停止しているが、やがて、セットレバー20のセ
ット面20fはブレード軸18の回動片18aを押し下げつつF
方向に回動するので、ブレード17はG方向に回転して吐
出口形成面と係合可能な状態にセットされる。
さらにタイミングギヤ21がD方向に回転すると、セッ
トレバー20とブレードレバー16もさらに回転し、第7図
(C)に示すようにヘッド9の吐出口形成面を清拭す
る。このとき、ブレード17の清拭によって除去されるイ
ンク液等は、一方向のみ、すなわちこの場合下方のみに
排除され、この排除されたインク液等はインクキャリア
1aの上部において吸収または保持される。また、このと
きインクキャリア19はインク吸収体23と接触し始める。
さらにセットレバー20が回転すると第7図(D)に示す
ように、インクキャリア19およびブレード17はインク吸
収体23の清拭部23aの面と摺動するため予備吐出時にイ
ンクキャリア19に受容されたインクや、吐出口形成面か
らブレード17にぬぐわれた塵埃等が清拭部23aによって
受けられるとともに、吐出口形成面に付着していたイン
ク滴も吸収される。これにより、インクキャリア19のイ
ンク吸収能力は長期間その能力を保持することができ
る。
さらにタイミングギヤ21はD方向に回動するが、セッ
トレバー20の停止歯20a,20bと、タイミングギヤ21の停
止カム21aとが対向して接するので、回動が規制される
のと同時に、タイミングギヤ21の駆動歯が欠歯部分にな
るので、回動させる力も働かない。
上述したように、ブレードおよびブレードによって除
去されるインク液等を保持する吸収体を、予備吐出時の
インク受けと同一のものとしたので装置を小型化し、こ
れら回復動作の時間を短縮することができる。
タイミングギヤ21がさらに回動すると、当初はキャッ
プカム21cがキャップレバー32cの回転軸32aをい規制し
ているので、第8図(A)に示すようにキャップ35はヘ
ッドエレメント9aの吐出口形成面から離れた位置に停止
している。次に、タイミングギヤ21がさらにD方向に回
動するとキャップカム21cから外れるため、規制状態が
解除されるので、第8図(B)に示すように、シリンダ
24の回動レバー24fはインク吸収体ばね22のばね部22bに
より付勢されて、シリンダ24がF方向に回動し、キャッ
プ35の密閉キャップ35aが吐出口形成面に圧接し、キャ
ップ動作が終了する。なお、第6図(B)はこのときの
上面図を示すものである。そしてこの時、キャップの押
圧力によりシール面32dとキャップシール部35eも密着し
てシールされる。
さて、以上がノズル面の清拭とキャップ動作であり、
通常はここで停止して次の記録記号の入力に応じて以上
の動作を逆に行い、記録動作に入るわけである。
次に予備吐出によっても吐出状態が良好にならなかっ
たような場合等に行われる吸引回復動作について述べ
る。
これを起動するときには、キャップ位置からさらにタ
イミングギヤ21を回転させ、キャップカム21bによりキ
ャップレバー32を押圧して第8図(C)に示すようにキ
ャップ35を吐出口形成面より弱化に離隔させる。
次に、リードピン7が連結溝3dを通り、ポンプ溝3cに
移るので、キャリア6がB方向に所定量(キャップ溝と
ポンプ溝との距離)移動する。
タイミングギヤ21がさらにD方向に回転すると、再び
キャップカム21dより外れるので、キャップ35は吐出口
形成面に圧接する。このとき記録ヘッド9が移動してい
るので、吸引キャップ35bで吐出口形成面がッキャップ
される(第6図(C)参照)。
本実施例においては、第6図に示すように吐出口形成
面に対し吐出口9cが記録領域側に偏倚しており、吸引を
伴わない通常キャップ時は第6図(B)で示すようにキ
ャップ35の全面が完全に吐出口形成面に対向しているの
で、キャップ35の各リブ部に対する圧力は減少する。し
かしこのときは、外気との密閉性を保つだけでよいた
め、乾燥防止に支障はなく、空隙では10g程度の押圧力
で密閉できる。また、リブ部のつぶれが少ないためキャ
ップ内容積の減少がわずかで済み、キャップ時のインク
メニスカスの後退が発生しない利点がある。
さらに、回復処理時のキャップは第6図(C)のよう
に、通常キャップ部分が吐出口形成面より外れるため、
圧力が回復用キャップのリブ部のみにかかり、密閉性が
向上し、従って負圧によるリークの防止が確実となる。
なお、このとき、キャップによるキャップ内容積の減少
によりメニスカスが後退しても吸引動作によって復帰す
るので問題が生じない。
さて、ポンプ動作について述べると、前述した密閉キ
ャップが終了した後に回復動作に入ると吸引動作に入る
ことになる。
このとき、まず、タイミングギヤ21の回動によりピス
トンセットカム21fがピストン軸27に取り付けられたピ
ストン押圧ローラ29を押すので、ピストン軸27は第9図
(A)に示すようにH方向に移動する。そしてピストン
28はピストン押え27bにより押圧されてH方向に移動
し、ポンプ室42は負圧状態となる。ピストン28の外周お
よびピストン押え27bとの接触面にはスキン層があるの
で、発泡材の連通穴を通ってインクが漏洩することはな
い。
また、シリンダ24のインク流路24eはピストン28によ
り閉塞されているので、ポンプ室42の負圧が高まるのみ
でピストン28は移動可能な状態である。一方、前述した
再キャップの後に第9図(A)に示すように、インク流
路24eが開くので、第6図(C)に示すようにキャップ3
5の吸引口35cよりヘッド9のインクが吸引される。吸引
されたインクはキャップレバー32の内部に形成されたイ
ンク流路32fを通り、レバーシール33の連通穴を通り、
さらにシリンダ24のインク流路24eを通って、ポンプ室4
2に流入する。
さらにタイミングギヤ21が回動すると、再びキャップ
カム21eによりキャップ35が吐出口形成面より若干離
れ、ポンプ室の残存負圧により吐出口形成面,吸引キャ
ップ35b内のインクが吸引されてこれら部分のインクの
残留をなくす。
次に、タイミングギヤ21を逆方向(第7図(D)中央
矢印Iで示す方向)に回動させると、ピストンリセット
カム21gがピストン復帰ローラ30を引っ張り、第9図
(B)に示すように矢印J方向にピスト軸27を移動させ
る。このとき、ピストン28はピストン軸27のピストン受
け27cが接してから移動するので、ピストン28の端面28b
とピストン押え27bと間に間隙Δlが生じる。
しかして、ピストン軸27およびピストン28の移動によ
り、ピンプ室42内に吸引されている廃インクは、前述し
た間隙Δlを通り、ピストン軸の溝27fを通り、シリン
ダ24のインク流路24cを通り、さらに廃インク管24gを通
って廃インク吸収体37の中央付近に排出される。なお、
このとき、ピストン28の動作初期にシリンダ24のインク
流路24eはピストン28により閉塞されるので、キャップ
方向に廃インクが逆流することはない。
第10図は以上の予備吐出ないし吸引回復のシーケンス
をまとめて示すものである。ただし、図ではブレード17
がワイピング可能な状態(セット状態。第7図(B)参
照)で待機し、ワイピングの後にブレード17が吸収体23
に対して傾く状態(リセット状態。第7図(A)参照)
となり、その後セットレバー20が元の位置に復帰する直
前にブレード17がワイピング可能なセット状態とされる
シーケンスについて示している。
なお、本発明は以上の構成にのみ限られず、種々の構
成を採ることができ、そこで以上における各部の他の実
施例について例示する。
第11図はブレードおよびインクキャリア部分の他の実
施例を示す。本例に係るインクキャリア本体119はゴム
等の弾性部材で形成され、上述のインクキャリア19と同
じ機能を果すインク受け部119aは多数の溝または凹凸を
形成してなるものとしてある。そして、その表面張力で
インクを保持し、インク吸収体23まで運ぶようにする。
また、インクキャリア119の本体には、ヘッド9の吐出
口形成面9aを清拭するブレード119bを一体に形成してあ
る。これによると、インクキャリア本体119をセットレ
バー20に直接設けることができるので、ブレードレバー
16も不要となり、部品点数を削減して装置を廉価に構成
できる。
また、吐出方向を下向きとした場合に、ブレード119b
でワイピングしたときの吐出口形成面のインクが溝また
は凹凸で受け止められ、他の機構部分に流出することが
なく、機器の汚染等を防止できる。
第12図はブレードおよびインクキャリア部分のさらに
他の実施例である。本例では、インクキャリア219を延
伸してインク吸収体219cと一体としたもので、この場
合、形成材料としては屈曲性のある織布や積層紙等が特
に好ましく用いられる。
本実施例では、前述したインク吸収体23やその保持部
材が不要となり、しかもシャーシの下部に広く配置する
ことが可能となるので、予備吐出されるインク量が多い
機器にも適している。
第13図はピストン部の他の実施例を示す。本例に係る
ピストン128では、その端面にはスキン層150を存在させ
ないようにするとともに、ピストン押え127に図示のよ
うなつば部151を設けてピストン128を絞り込んだ状態で
保持させてある。このような構成によっても気密性が保
たれるのみならず、ピストン128は長尺のピストン素材
を切断すれば製造できるので、そのコストを廉価にでき
る。
第14図はピストン部のさらに他の実施例を示す。本例
に係るピストン228は板状の部材で形成されている。か
かるピストンはスキン層(253)の板厚方向にシールド
してプレス等により簡単に製造できるので、その製造コ
ストをさらに低廉にすることができる。
第15図はキャップ部35の後方部分のさらに他の実施例
を示す。本例は、シール面35dにリブ35eを設けてリブ部
の変形により気密性がさらに確保されるようにしたもの
である。
第16図はキャップ部35の後方部分のさらに他の実施例
であり、本例は球面状のシール部35dと、それを覆う保
護シール部35fを備えたものである。本例によると、キ
ャップをしていないときに前述した球面状のシール部35
dにインクを固着やゴミの混入が生じてそのシール性能
が劣化するのを防止できる。
第17図はキャップ部35の後方部分のさらに他の実施例
を示す。本例は、キャップ35を保持するキャップレバー
332とポンプのシリンダ24との連結部に球面状のシール3
50を設けたものであり、インク流路の全てのシール部を
同一のばね力で押圧してシールするようにしたものであ
る。これによると、回復系全体の作動力を低減できる。
第18図は搬送手段たるローラ36内部に配置される廃イ
ンク収納部の他の実施例を示す。本例では、廃インク吸
収体137の端部にガイド部材160を取り付けてある。これ
によると、紙送りローラ36の内面での摩擦力を低減し、
紙送りモータ39の負荷を軽減することができる。
第19図は廃インク吸収部のさらに他の実施例を示す。
本例に係る廃インク吸収体237の中心部には中空軸261が
貫通しており、その中空軸261の端部と中心部とには、
それぞれ、開口部262と263とが設けられている。また26
4は蓋である。
本例では、廃インクは中空軸261を通るとともに、中
空軸261に紙送りローラ36のガイド軸としての機能をも
たせることもできる。この場合、紙送りローラに摺動す
る部分はなく、紙送りモータの負荷はさらに軽減され
る。
なお、本例では主たるインク排出部263をプラテンロ
ーラの長手方向の中央域に設けているが、インク案内部
材に関してこの排出部263よりも上流側に第2インク排
出部を、下流側に第3インク排出部を設けてもよい。ま
た、それぞれの大きさを、前車は中央部のものより小、
後者を大とする等の構成を採ってもよい。
第20図は廃インク吸収部のさらに他の実施例である。
本例では、廃インク吸収体337を製造する際に、廃イン
ク用チューブ365を素材337′の中心に入れ、切断後この
チューブ365を半分程引き出して回復用ポンプに連結す
るようにしたものである。本例によると、可撓性チュー
ブ等のように剛性のない部材を中央近くまで挿入する困
難を解消できる。なお、このとき廃インク吸収体337の
半分はチューブが引抜かれたままであるが、ポリエステ
ル綿等を用いる場合には十分に圧縮されているので、穴
は閉じられる。
廃インク吸収部は、以上のようにローラ状の搬送手段
の内部に設けられる他、搬送手段の構成に応じてその内
部の適宜の部位に設けることができる。例えば搬送手段
が複数本のローラとそのローラ間に張架されるベルトと
で構成される場合には、ローラおよびベルトで形成され
る空間内に設けてもよい。
第21図はキャップ35の他の実施例を示す。本例では、
密閉キャップ部135aを平板状の部材として吐出口形成面
を空気に触れないようにしたものであり、密閉効果がさ
らに上がる。また、吐出口から表面張力によりインクが
流出し、キャップの周囲でインクが外気に触れるため、
この部分でインクの増粘ないし固着が生じ、すなわち吐
出口以外でこれが生ずるため、キャップを開いた後の記
録動作に問題が生じにくくなる。
第22図はキャップ35のさらに他の実施例を示す。本例
では密閉キャップ235aをウレタンフォーム等単泡の多孔
質体ブロックで形成したものであり、吐出口形成面の凹
凸に密着して密着性が向上するとともに、キャップの押
圧力を低減できるようになる。
第23図はキャップ35のさらに他の実施例を示す。本例
は、連泡のウレタンフォーム形態の密閉キャップ部335a
の本体上にあるスキン層335bをノズル密着面に形成した
もので、連泡ウレタンフォームの特徴である反発係数の
安定により長期間にわたってキャップ性能が保証され
る。
第24図(A)はブレードの他の実施例を示す。本例
は、第24図(B)または(C)に示すように吐出口9cを
形成した面9dに段差があり、その奥側の面を清拭すると
きにも効果的なものである。すなわち本例はブレード11
7の全面もしくはノズル面と接触する一部に、高分子材
料の短繊維117aを静電吸着して接着することにより植毛
したもので、奥側の面に植毛が当って清拭ができるのみ
ならず、糸状の塵埃等の長いものも効果的に除去でき
る。
第25図はブレードのさらに他の実施例を示す。本例は
ブレード217をブラシ状にしたものであり、プラスチッ
ク等の高分子材料の繊維217bを束ねて形成できる。本例
では、第24図(B)または(C)のような段差のある吐
出口形成面の溝が深い場合にも清拭効果が大きく、ま
た、吐出口形成面9dに対するブレードとしての圧接力
は、1本1本の毛が接触する形態であるので、小であっ
ても足り、吐出口形成面に施されることのある撥水剤等
の表面処理層の耐久性を損なうこともなくなる。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ワ
イピング部材は、キャップが記録ヘッドから後退離脱し
た状態でそのキャップと記録ヘッドとの間を移動しなが
ら記録ヘッドの吐出口形成面をワイピングし、キャップ
が記録ヘッドに対し当接したキャッピング状態では非干
渉位置に待避することが可能に配されているので、ワイ
ピングおよびキャッピングの一連の動作時間を短くでき
るとともに、ワイピングのために記録ヘッドを移動させ
る必要がなくなる。
この結果、吐出回復動作のための時間を短縮でき、ま
た装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るインクジェットプリンタの一実施
例を示す斜視図、 第2図(A)〜(C)は記録ヘッドに対するブレードお
よびインクキャリア部の一実施例を示す部分斜視図、 第3図および第4図は、それぞれ、記録ヘッドに対する
吸引回復系の一実施例を示す分解斜視図および断面図、 第5図は実施例に係る各部の動作タイミングを示すタイ
ミングチャート、 第6図(A)〜(C)は予備吐出時,キャップ時および
吸引回復時における記録ヘッドとそれら処理に供される
部材との位置関係を説明するための平面図、 第7図(A)〜(D)はブレードおよびインクキャリア
部の順次の動作を説明するための側面図、 第8図(A)〜(C)はキャップ部の順次の動作を説明
するための側面図、 第9図(A)および(B)は吸引回復を行うためのポン
プ部の動作を説明するための側断面図、 第10図は本例(一部他の実施例)に係る予備吐出ないし
吸引回復処理時のシーケンスを説明するタイミングチャ
ート、 第11図および第12図はブレードおよびインクキャリア部
の他の2実施例を示す斜視図、 第13図および第14図はポンプ部に配置されるピストンの
他の2実施例を示す断面図、 第15図〜第17図はキャップ後方の吸引回復系における接
続部分の他の3実施例を示す説明図、 第18図〜第20図は紙送りローラ内に配置される廃インク
吸収部の他の3実施例を示す斜視図、 第21図〜第23図はキャップの密閉キャップ部の他の3実
施例を示す斜視図、 第24図(A),(B),(C)および第25図はブレード
の他の2実施例を説明するための斜視図、 第26図(A)および(B)はそれぞれワイピング構成の
従来例を示す斜視図である。 1……シャーシ、2……リードスクリュー、2a……リー
ド溝、3……リードプーリ、3b……キャップ溝、3c……
ポンプ溝、4……クラッチギヤ、5……クラッチばね、
6……キャリア、7……リードピン、9……記録ヘッ
ド、9a……ヘッドチップ、9b……インクタンク部、9c…
…吐出口、9d……吐出口形成面、11……キャリアモー
タ、13……タイミングベルト、15……セット軸、16……
ブレードレバー、17,119b,117,217……ブレード、19,11
9,219……インクキャリア、20……セットレバー、21…
…タイミングギヤ、22……インク吸収体ばね、23……イ
ンク吸収体、24……シリンダ、27……ピストン軸、28…
…ピストン、29……ピストン押圧ローラ、32……キャッ
プレバー、34……キャップホルダ、35……キャップ、35
a,135a,235a,335a……密閉キャップ、35b……吸引キャ
ップ、37,337……廃インク吸収体部、40……記録媒体、
41……ホームポジション検出器、42……ポンプ室。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクを吐出するための吐出口を有した記
    録ヘッドを搭載し該記録ヘッドによる記録領域及び該記
    録領域に隣接する非記録領域を移動走査可能なキャリッ
    ジと、前記非記録領域に配設され、前記吐出口を形成し
    た前記記録ヘッドの吐出口形成面に対し当接/離脱が可
    能に進退するキャップと、前記記録ヘッドの前記吐出口
    配設面をワイピングするワイピング部材と、を備えたイ
    ンクジェット記録装置において、 前記ワイピング部材は、前記キャップが前記記録ヘッド
    から後退離脱した状態で前記キャップと前記記録ヘッド
    との間を移動して前記記録ヘッドの前記吐出口形成面を
    ワイピングし、前記キャップが前記記録ヘッドに対し前
    進当接したキャッピング状態では非干渉位置に待避する
    ことが可能に配されていることを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  2. 【請求項2】ワイピング後の前記ワイピング部材に付着
    した付着物を清掃する清掃部材をさらに備えていること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】前記ワイピング部材のワイピング動作及び
    待避動作は前記キャリッジの移動動作に伴って行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    装置。
  4. 【請求項4】前記記録ヘッドから吐出される記録に用い
    られないインクを受けるインク受け部を備えていること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  5. 【請求項5】前記インク受け部は前記キャップが前記記
    録ヘッドから後退離脱した状態で前記キャップと前記記
    録ヘッドとの間であって前記記録ヘッドに対面した位置
    に移動し、前記キャップが前記記録ヘッドに対し前進当
    接したキャッピング状態では非干渉位置に待避移動する
    ことが可能に配されていることを特徴とする請求項4に
    記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】前記ワイピング部材は、前記キャップの前
    記記録ヘッドから後退離脱した位置から前進当接する位
    置への移動に先立って、前記記録ヘッドの吐出口面をワ
    イピングするために前記記録ヘッドと前記キャップとの
    間を移動し、前記キャップが前記記録ヘッドと当接した
    時には非干渉位置へ待避していることを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】前記ワイピング部材は、前記キャップがキ
    ャッピング状態から後退移動したとき前記記録ヘッドと
    前記キャップとの間を移動することを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】前記記録ヘッドの走査方向と交差する方向
    に前記ワイピング部材は移動することを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】前記ワイピング部材の移動方向は、前記キ
    ャップ部材のキャッピング状態から非キャッピング状態
    への移動方向と交差する方向であることを特徴とする請
    求項1に記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】インクジェット装置に搭載される記録ヘ
    ッドの吐出口面を覆うキャップと、前記吐出口面に付着
    した付着物をワイピングするクリーニングブレードとを
    備えた、前記記録ヘッドからのインク吐出の状態を維持
    ・回復するための回復機構において、 前記キャップを支持し、前記記録ヘッドの吐出口面を覆
    う状態のキャッピング位置と、前記吐出口面から後退離
    間した状態の非キャッピング位置とに前記キャップを移
    動可能にするキャップ移動部材と、 前記クリーニングブレードを支持し、前記記録ヘッドの
    吐出口面をワイピングするために前記記録ヘッドと前記
    キャップとの間の経路に沿って前記クリーニングブレー
    ドを移動可能にするクリーニングブレード移動部材と、 を備えたことを特徴とする回復機構。
  11. 【請求項11】前記クリーニングブレード移動部材は、
    前記キャップ移動部材による前記キャップの前記記録ヘ
    ッドから後退離脱した位置から前進当接する位置への移
    動に先立って、前記記録ヘッドの吐出口面をワイピング
    するために前記記録ヘッドと前記キャップとの間の経路
    に沿った前記クリーニングブレードの移動を行わせ、前
    記キャップが前記記録ヘッドと当接した時には前記クリ
    ーニングブレードを待避位置に移動させていることを特
    徴とする請求項10に記載の回復機構。
  12. 【請求項12】前記クリーニングブレード移動部材は、
    前記キャップが前記キャップ移動手段によってキャッピ
    ング位置から非キャッピング位置へ移動するに応じて、
    前記記録ヘッドと前記キャップとの間の経路に沿った前
    記クリーニングブレードの移動を行わせることを特徴と
    する請求項10に記載の回復機構。
  13. 【請求項13】前記記録ヘッドは記録領域及び該記録領
    域に隣接する非記録領域を移動走査可能であり、こおの
    走査方向と交差する方向に前記ワイピング部材は移動す
    ることを特徴とする請求項10に記載の回復機構。
  14. 【請求項14】前記ワイピング部材の移動方向は、前記
    キャップ部材のキャッピング位置から非キャッピング位
    置への移動方向と交差する方向であることを特徴とする
    請求項10に記載の回復機構。
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