JP2703841B2 - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュールの製造方法

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JP2703841B2 JP3279305A JP27930591A JP2703841B2 JP 2703841 B2 JP2703841 B2 JP 2703841B2 JP 3279305 A JP3279305 A JP 3279305A JP 27930591 A JP27930591 A JP 27930591A JP 2703841 B2 JP2703841 B2 JP 2703841B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽光発電システムや
各種民生用太陽電池関連商品に利用される太陽電池モジ
ュールの製造方法に関するものであり、更に詳しくは、
エチレン・ビニール・アセテート樹脂(以下、EVA樹
脂という)をラミネートする工程に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、斯かる太陽電池モジュールの充填
用樹脂としてEVA樹脂が一般的に採用されている。こ
のEVA樹脂は、帯シート状の熱可塑性樹脂であってこ
れの製造メーカーからは、ロールに巻いた形態で出荷さ
れ、太陽電池モジュールの製造時に必要な長さに切断し
て使用される。
【0003】このEVA樹脂を用いた太陽電池モジュー
ルの従来の製造方法を、図3および図4を参照しながら
説明する。先ず、図3に示すように、表面材(1)とし
てガラス板を、且つ各裏面材(2)としてフイルムを用
い、これらの間にEVA樹脂(3)を充填樹脂として太
陽電池セル(4)列を介在させ、この状態で150℃程
度の温度で加熱するとともに真空状態とした後に加圧す
るラミネート工程を経ることにより、全体を同図のよう
に一体化することができる。
【0004】ここで、図3に示すように、シート状のE
VA樹脂(3)を、これのロール巻き方向(図の左右方
向〕において表面材(1)よりも長い目の寸法に切断し
てある。それに伴って裏面材(2)もEVA樹脂(3)
に対応してガラス板(1)よりも長い目の寸法に切断し
ている。この理由について説明すると、EVA樹脂
(3)は、前述のようにロールに巻いた状態で出荷され
るのであるが、この製造過程における巻取工程で、成膜
して帯シート状としたEVA樹脂(3)をこれにテンシ
ョンをかけて少し引っ張った状態でロールに巻き取って
いるために、使用に際し切断して熱を加えた時に、巻取
方向に対し収縮して5〜20mm程度短くなってしまう
ので、その収縮相当分を見込んで長い目に切断してあ
る。また、EVA樹脂(3)は非常に接着性に優れた材
料であって製造装置内で他のものに接着してしまうのを
防止するために、裏面材(2)もEVA樹脂(3)を被
覆できるようEVA樹脂(3)に対し長い目に切断して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、表面材
(1)よりも長い目に切断したEVA樹脂(3)および
裏面材(2)を重合状態で加熱・加圧して一体化するの
で、EVA樹脂(3)および裏面材(2)がどうしても
表面材(1)の端部から突出した状態で一体化される。
その後に、この一体化したものの四辺を架台固定用アル
ミニューム枠で固定する時にEVA樹脂(3)および裏
面材(2)の表面材(1)から突出している部分が邪魔
になるので、前述のように一体化した後に、図4に示す
ように、EVA樹脂(3)および裏面材(2)を、表面
材(1)と同じ寸法になるよう再度切断している。その
ため、余分な再切断工程を要するだけでなく、EVA樹
脂(3)および裏面材(2)の再切断して除外した分は
破棄するので材料の無駄が多く、これらがコスト高の要
因になっている。また、再切断工程が存在することによ
り、工数が多く、且つ工程の自動化を阻害している。
【0006】そこで本発明は、太陽電池セルをEVA樹
脂を充填材として表面材と裏面材とで挟持して加熱・加
圧することにより一体化するだけで、その後の再切断工
程を要しない太陽電池モジュールの製造方法を提供する
ことを技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を達成するための技術的手段として、太陽電池モジュー
ルを次のような工程を経て製造するようにした。即ち、
エチレン・ビニール・アセテート樹脂を充填材として太
陽電池セルの列をガラス板等の表面材とフイルム等の裏
面材とで挟持し、この状態で加熱および加圧して一体化
する工程を経る太陽電池モジュールの製造方法におい
て、シート状の前記エチレン・ビニール・アセテート樹
脂を前記表面材に対し略同一寸法に切断して該表面材に
重合した後に、前記エチレン・ビニール・アセテート樹
脂の一部を加熱により前記表面材に融着して仮止めし、
該エチレン・ビニール・アセテート樹脂の前記表面材側
に対し反対面にこれらに対応する寸法に切断した前記裏
面材を重合した状態で加熱および加圧して一体化する工
程を経ることを特徴としている。
【0008】また、エチレン・ビニール・アセテート樹
脂を充填材として太陽電池セルの列をガラス板等の表面
材とフイルム等の裏面材とで挟持し、この状態で加熱お
よび加圧して一体化する工程を経る太陽電池モジュール
の製造方法において、シート状の前記エチレン・ビニー
ル・アセテート樹脂と裏面材を、前記表面材に対し略同
一寸法に各々切断して互いに重合した後に、両面テープ
による接着または凹凸の形成の何れかの手段により前記
エチレン・ビニール・アセテート樹脂の一部を前記裏面
材に仮止めし、該エチレン・ビニール・アセテート樹脂
の裏面材側に対し反対面を前記表面材に重合した状態で
加熱および加圧して一体化する工程を経るようにしても
同様のものを製造できる。
【0009】
【作用】前者の製造方法では、EVA樹脂の一部を加熱
により表面材に融着して仮止めしているので、これらに
裏面材を重合した状態で加熱・加圧して全体を一体化す
る過程おいて、加熱によるEVA樹脂の収縮は、加熱に
対し収縮しない表面材に阻止されて殆ど生じない。ま
た、EVA樹脂および裏面材が表面材と略同一寸法に切
断されているので、一体化するだけでその後に再切断工
程を要することなく製造できる。
【0010】また、後者の製造方法では、両面テープに
よる接着または凹凸形成の何れかの手段によりEVA樹
脂の一部を表面材に相互に位置ずれすることなく仮止め
しているので、これらに表面材を重合した状態で加熱・
加圧して全体を一体化する過程おいて、加熱によるEV
A樹脂の収縮が、加熱に対し収縮しない裏面材に阻止さ
れて殆ど生じず、EVA樹脂および裏面材が表面材と略
同一寸法に切断されているので、一体化後の再切断工程
が不要となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について図面
を参照しながら詳細に説明する。図1(a),(b),
(c)は、それぞれ本発明の異なる実施例のラミネート
工程における分解斜視図を示し、説明を簡略化して理解
を容易にするために、同図において図3および図4と同
等のものには同一の符号を付してある。同図(a)は、
2枚のEVA樹脂(3)を、前述のガラス板または透明
フイルムからなる表面材(1)に対し1〜2mm程度短
い略同一寸法に切断した後に、この両EVA樹脂(3)
間に太陽電池セル(4)列をセッティングして表面材
(1)上に重合した後に、例えば半田ごて等を用いてE
VA樹脂(3)の両側端部の各々3箇所に熱融着部
(5)を形成し、EVA樹脂(3)を表面材(1)に仮
止めする。そして、前述のフイルム材またはガラス板或
いは金属板からなる裏面材(2)を、EVA樹脂(3)
を被覆できる該EVA樹脂(3)に対し5mm程度大き
な寸法に切断してEVA樹脂(3)の表面材(1)側と
は反対面に1点鎖線矢印で示すように接合する。この状
態で150℃程度の温度で加熱しながら真空状態とした
後に加圧するラミネート工程を経ることにより、図2に
示すような状態で全体が一体化される。前記ラミネート
工程において、EVA樹脂(3)は加熱に対し収縮しな
い表面材(1)に仮止めされていることにより自体の加
熱による収縮は殆ど生じず、また、EVA樹脂(3)お
よび裏面材(2)が表面材(1)と略同一寸法に切断さ
れているので、図2から明らかなように、EVA樹脂
(3)および裏面材(2)に、表面材(1)の端部から
突出する部分は発生しない。従って、従来の再切断工程
を要することなく次工程に送られる。
【0012】また、図1(b),(c)は、何れも2枚
のEVA樹脂(3)および裏面材(2)とを、同図
(a)と同一寸法に切断してに互いに接合した後に相互
に仮止めする。この仮止め手段として、同図(b)で
は、例えばEVA樹脂(3)側から先鋭な工具を押圧し
て相互に凹凸部(6)を両側端部の各3箇所に形成した
ものであり、同図(c)では、EVA樹脂(3)と裏面
材(2)の各々の両側端部を両面テープ(7)で接着し
たものである。この相互に仮止めしたEVA樹脂(3)
と裏面材(2)を、太陽電池セル(4)列をセッテッイ
ングした表面材(1)上に重合し、加熱・加圧すること
により、EVA樹脂(3)は加熱に対し収縮しない裏面
材(2)に仮止めさていることにより自体の加熱による
収縮は殆ど生じず、前述と同様に図2のような形態に一
体化される。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明の太陽電池モジュー
ルの製造方法によると、エチレン・ビニール・アセテー
ト樹脂を表面材と略同じ寸法に切断し、且つ裏面材を前
記樹脂に対応する寸法に切断し、該樹脂の一部を、加熱
に対し収縮しない表面材または裏面材に仮止めした後
に、全体を重合積層して加熱・加圧するようにしたの
で、樹脂および裏面材がそれぞれ表面材と略同一寸法で
一体化される。従って、従来の一体化後の再切断工程が
不要となって工数の削減と工程の簡略化を達成でき、自
動化が容易に可能となるとともに、樹脂および裏面材に
除去すべき不要部分が発生しないので、材料を無駄なく
使用でき、工数削減と相まって相当のコストダウンを達
成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c)はそれぞれ本発明の異
なる実施例における各部材を一体化するに際し重合積層
する状態の分解斜視図である。
【図2】同上、一体化した状態における縦断面図であ
る。
【図3】従来の製造方法における一体化した製造過程に
おける縦断面図である。
【図4】同上、一体化した後に不要部分を切断して除去
した状態の縦断面図である。
【符号の説明】
1 表面材 2 裏面材 3 エチレン・ビニール・アセテート樹脂 4 太陽電池セル 5 熱融着部 6 凹凸部 7 両面テープ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン・ビニール・アセテート樹脂を
    充填材として太陽電池セルの列をガラス板等の表面材と
    フイルム等の裏面材とで挟持し、この状態で加熱および
    加圧して一体化する工程を経る太陽電池モジュールの製
    造方法において、シート状の前記エチレン・ビニール・
    アセテート樹脂を前記表面材に対し略同一寸法に切断し
    て該表面材に重合した後に、前記エチレン・ビニール・
    アセテート樹脂の一部を加熱により前記表面材に融着し
    て仮止めし、該エチレン・ビニール・アセテート樹脂の
    前記表面材側に対し反対面にこれらに対応する寸法に切
    断した前記裏面材を重合した状態で加熱および加圧して
    一体化することを特徴とする太陽電池モジュールの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 エチレン・ビニール・アセテート樹脂を
    充填材として太陽電池セルの列をガラス板等の表面材と
    フイルム等の裏面材とで挟持し、この状態で加熱および
    加圧して一体化する工程を経る太陽電池モジュールの製
    造方法において、シート状の前記エチレン・ビニール・
    アセテート樹脂と裏面材を、前記表面材に対し略同一寸
    法に各々切断して互いに重合した後に、両面テープによ
    る接着または凹凸の形成の何れかの手段により前記エチ
    レン・ビニール・アセテート樹脂の一部を前記裏面材に
    仮止めし、該エチレン・ビニール・アセテート樹脂の裏
    面材側に対し反対面を前記表面材に重合した状態で加熱
    および加圧して一体化することを特徴とする太陽電池モ
    ジュールの製造方法。
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