JP2703768B2 - 光学活性3−ヒドロキシピロリジン誘導体の製造法 - Google Patents

光学活性3−ヒドロキシピロリジン誘導体の製造法

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JP2703768B2 JP30105287A JP30105287A JP2703768B2 JP 2703768 B2 JP2703768 B2 JP 2703768B2 JP 30105287 A JP30105287 A JP 30105287A JP 30105287 A JP30105287 A JP 30105287A JP 2703768 B2 JP2703768 B2 JP 2703768B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、一般式〔I〕 (式中、Xは水素あるいは炭素数1〜17の置換又は未
置換アルキル基、アルケニル基を示す。)で示される
(R)および(S)−N−ベンジル−3−アシロキシピ
ロリジン混合物を立体選択的に加水分解して、一般式
〔II〕 で示される光学活性な(R)−N−ベンジル−3−ヒド
ロキシピロリジンを生成させる立体選択的エステラーゼ
活性を有し、シュードモナス属、ムコール属またはアル
カリゲネス属に属する微生物を、あるいは該微生物由来
の立体選択的エステラーゼ活性を有するリパーゼを一般
式〔I〕で示される(R)および(S)−N−ベンジル
−3−アシロキシピロリジン混合物に作用させ、光学活
性な(R)−N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン
〔II〕と、これと立体的に対掌な一般式〔I′〕 (式中、Xは前記と同じ)で示される光学活性な(S)
−N−ベンジル−3−アシロキシピロリジンとに光学分
割し、夫々の光学活性化合物を分離採取することを特徴
とする光学活性な(R)−N−ベンジル−3−ヒドロキ
シピロリジン及びその対掌体の光学活性(S)−N−ベ
ンジル−3−アシロキシピロリジンの製造法に関する。 本発明によつて製造される光学活性な(R)−N−ベ
ンジル−3−ヒドロキシピロリジン及び(S)−N−ベ
ンジル−3−アシロキシピロリジンは医薬、農薬等の有
用な合成中間体である。 (従来の技術と問題点) 光学活性な(R)−N−ベンジル−3−ヒドロキシピ
ロリジンの製法に関しては、トランス−4−ヒドロキシ
−L−プロリンを脱炭酸して得る方法(特開昭60-2332
8)が知られており、これらをベンジル化して合成する
ことも可能である。しかし、経済的な工業的製法とは考
え難い。 本発明は、医薬品等の合成原料として有用な式〔II〕
で示される光学活性(R)−N−ベンジル−3−ヒドロ
キシピロリジン及び一般式〔I′〕で示される光学活性
(S)−N−ベンジル−3−アシロキシピロリジンを化
学的に容易に合成しうる(R)および(S)−N−ベン
ジル−3−アシロキシピロリジン混合物を微生物あるい
は酵素により立体選択的に加水分解することにより光学
分割することで経済的に生産することを目的としたもの
である。 (問題点を解決するための手段と作用) 先に本発明者らは、(R)体と(S)体の等量混合物
であるラセミ体の(RS)−N−ベンジル−3−アシロキ
シピロリジン〔I〕は、これまでに報告されたことのな
い新規化合物であるが、このものは安価なDL−リンゴ酸
等から容易に合成しうる(RS)−N−ベンジル−3−ヒ
ドロキシピロリジンと脂肪酸ハライド等と反応させるこ
とで容易に合成しうる事を見い出し、特許出願した。次
に本発明者らは、この新規化合物である(R)および
(S)−N−ベンジル−3−アシロキシピロリジン混合
物〔I〕を微生物あるいは酵素により不斉加水分解をし
て光学分割することを考え検討を行った。その結果、化
合物〔I〕の(R)体を立体選択的に加水分解し、光学
活性な化合物〔II〕を生成させうる微生物および酵素の
存在を見い出し、該反応後、簡単な分離操作により光学
活性な(R)−N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジ
ン〔II〕と立体的に対掌な光学活性(S)−N−ベンジ
ル−3−アシロキシピロリジン〔I′〕とを採取しうる
事を見い出した。また光学活性の(S)−N−ベンジル
−3−アシロキシピロリジン〔I′〕は、更にアルカリ
加水分解あるいは(S)体に立体特異的に作用する微生
物や酵素あるいは立体選択性のないリパーゼ等を用いて
加水分解することにより立体配置を保持した光学活性
(S)−N−ベンジル−3−アシロキシピロリジンとす
ることができ、いずれの立体特異性をもつ微生物あるい
は酵素を用いても(R)体と(S)体のN−ベンジル−
3−ヒドロキシピロリジン両対掌体を同時に得ることが
できる。 本製造法の発明により、従来法と比べ経済的に光学活
性な(R)−N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン
および光学活性な(S)−N−ベンジル−3−アシロキ
シピロリジンの各々の両対掌体の生産が可能となった。 本発明の基質として用いられる一般式〔I〕 で表わされる(R)および(S)−N−ベンジル−3−
アシロキシピロリジンは、(R)体と(S)体の等量混
合物であるラセミ体でも、(R)体か(S)体のいずれ
かがより多く含まれた混合物でも使用しうる。また置換
基Xとしては、水素あるいは炭素数1〜17個の直鎖ある
いは分岐アルキル基、アルケニル基で無置換のもの、あ
るいはハロゲン等で置換されたものも用いることができ
る。例えば、メチル基,エチル基,エチレン基,n−プロ
ピル基,イソプロピル基,1−プロピレン基,n−ブチル
基,イソブチル基,1−ブチレン基,n−ペンチル基,n−ヘ
キシル基,n−ヘプチル基、n−オクチル基,n−ノナシル
基,n−デシル基,n−ウンデシル基,n−ドデシル基,n−ト
リデシル基,n−テトラデシル基,n−ペンタデシル基,n−
ヘキサデシル基,n−ヘプタデシル基,n−オクタデシル基
等の直鎖あるいは分岐状の未置換アルキル基,アルケニ
ル基等、例えばクロロメチル基,ジクロロメチル基,ト
リフロロメチル基,2−クロロエチル基,3−クロロプロピ
ル基,4−クロロブチル基等のハロゲン置換された置換ア
ルキル基等が挙げられる。 化合物〔I〕を立体選択的に加水分解し、光学活性な
〔II〕を生成させる立体選択的エステラーゼ活性を有す
る微生物あるいは酵素は、次の様なスクリーニングを行
なえば容易に見い出すことができる。例えばその具体的
な一例として示すと、微生物の生育可能な栄養培地10ml
を大型試験管に入れ、被試験菌を植菌後、25〜35℃に1
〜3日間振とう培養する。次に、この培養液に(RS)−
N−ベンジル−3−ブチリルオキシピロリジンを2%
(w/v)添加し、更に20〜35℃、pHをNaOHでpH5〜7に調
整しながら1〜3日間反応させる。加水分解の進行は、
反応液を硫酸でpH2.0とし2倍量の酢酸エチルで生成す
る酪酸を抽出し、これをガスクロマトグラフイー(充填
剤、島津FAL-M6%/シマライト、φ0.3×10cmカラム、
温度140℃)にて定量することで分析できる。各反応液
の経時変化をとり、添加基質に対して、生成する酪酸が
約2分の1当量生成したところで反応が極端に遅くなる
菌株を1次選択する。次に反応スケールを500mlにか
え、前記と同様の培養及び加水分解を行ない、終了後、
ジクロロメタン500mlで4回抽出し、減圧下で脱溶剤す
る。これをシリカゲルカラム(ワコーゲルC−200、250
g)に負荷し、ヘキサン/酢酸エチル(10/2)で未反応
のN−ベンジル−3−ブチリルオキシピロリジンを溶出
する。更に、酢酸エチルで生成したN−ベンジル−3−
ヒドロキシピロリジンを溶出する。各画分を濃縮すれば
油状の光学活性N−ベンジル−3−ブチリルオキシピロ
リジンと光学活性N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリ
ジンが得られる。 そして、光学活性N−ベンジル−3−ブチリルオキシ
ピロリジンはNaOHで加水分解すれば、光学活性を損う事
なく光学活性のN−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジ
ンとなり、これらを蒸留により精製し、比旋光度を測定
すれば、立体選択的エステラーゼ活性を有する微生物か
否か容易に判断できる。各種起源の酵素のスクリーニン
グにおいても微生物培養液の代りに、酵素0.5gを10mlの
0.1Mリン酸緩衝液に溶解し、同様な方法で行なう事がで
きる。この様にN−ベンジル−3−ブチリルオキシピロ
リジンを立体選択的に加水分解しうる微生物あるいは酵
素は前記の様な各種のN−ベンジル−3−アシロキシピ
ロリジンに対しても同様な立体選択的加水分解活性を示
す。 (R)および(S)−N−ベンジル−3−アシロキシ
ピロリジン混合物を立体選択的に加水分解し、〔II〕と
〔I′〕を与える立体選択的エステラーゼ活性を有する
微生物としては、例えばシユードモナス属、ムコール
属、アルカリゲネス属等に属する微生物があり、更に詳
しくはシユードモナス・フルオレツセンス(Pseudomona
s fluorescens)IFO 3081、シユードモナス・アエルギ
ナーサ(Pseudomonas aeruginosa)IFO 3080、ムコール
・ジヤバニクス(Mucor javanicus)IFO 4569、アルカ
リゲネス・ユートロフス(Alcaligens eutrophus)ATCC
17697などが利用できる。 これらの微生物は培養液そのものを用いる事ができる
が、培養液あるいは菌体から酵素を抽出精製して用いる
こともできる。また市販酵素を直接用いることもでき
る。例えばリポプロテインリパーゼ(LPLアマノ3、シ
ユードモナス属由来、天野製薬(株)製)、リパーゼM
−AP10(ムコール属由来、天野製薬(株)製)、リパー
ゼPL(アルカリゲネス属、名糖産業(株)製)などがこ
の目的に適している。 加水分解反応は、微生物培養液あるいは酵素抽出物又
は酵素の水溶液に基質〔I〕を0.5〜75%(w/v)濃度の
範囲で添加し、温度10〜55℃の範囲で撹拌しながら行な
う。酵素量は酵素活性に依存するが、通常〔I〕に対し
て等量から1000分の1の範囲で行なう。反応のpHは5.0
〜8.5の範囲で行なうが、加水分解反応中にpHが変化す
る場合は適当な酸やアルカリ水溶液で最適のpHに保持す
るのが望ましい。 反応において微生物あるいは酵素を水不溶性の担体等
で固定化して、くり返し用いる事もできる。微生物の固
定化は、例えばアクリルアミドポリマー、ウレタンポリ
マー、エチレングリコール誘導体ポリマー、カラギーナ
ン、アルギン酸カルシウム等による方法が挙げられる。
また酵素の固定化にはアンバーライトXAD−7、アンバ
ーライトXAD−2、ダイヤイオンHP20、ダイヤイオンHP2
MG、オクチル・セファロースCL−4B等の合成吸着剤等に
よる方法等が挙げられる。基質の〔I〕は水に対する溶
解度は一般に低いが、撹拌を充分すれば本反応にとつて
支障とならない。しかし、反応をすみやかに進行させる
目的でアセトン,エタノール等の親水性溶媒や界面活性
剤等を反応に支障を与えない程度加えても良い。 反応の追跡は、加水分解によつて生成する有機酸をガ
スクロマトグラフイーで分析し、添加した〔II〕の0.5
当量の有機酸が生成した時点で反応を終了させれば良
い。 加水分解物〔II〕と残存する〔I′〕を分離する方法
としては、疎水性の有機溶剤、例えばヘキサン,シクロ
ヘキサン,石油エーテル,塩化メチレン,クロロホル
ム,四塩化炭素等を用い、pH4.0〜8.5の範囲に調整した
反応液より、〔I′〕のみあるいは若干〔II〕を含む
〔I′〕を抽出分離し、必要あればシリカゲルクロマト
グラフイー(ヘキサン−アセトン溶剤で分離)にて
〔I′〕と〔II〕を分離し、各々純粋なものを得ること
ができる。更に反応液中に残存する〔II〕は反応液のpH
をNaOH等で9〜14に調整した後、前記の溶剤で抽出すれ
ば完全に回収することができる。ここで注意すべき事
は、〔I′〕はアルカリ条件で加水分解を受けるため、
最小からアルカリ性条件で〔II〕と〔I′〕を抽出する
ことは、〔II〕の光学純度低下をもたらすため良くない
点である。 〔I′〕と〔II〕との分離は、前記のシリカゲルクロ
マトグラフイーでも、他の無機吸着剤、例えばフロリジ
ル,アルミナ、ゼオライト等、あるいは合成吸着剤、例
えばアンバーライトXAD−7、アンバーライトXAD−2、
ダイヤイオンHP20、ダイヤイオンHP2MG、オクチル−セ
フアロースCL−4B等を用いて分離することもできる。炭
素鎖の長い〔I′〕と〔II〕であれば蒸留によつても分
離することができる。 光学活性な〔I′〕は、そのまま合成原料として用い
ることもできるが、NaOH,KOH,Ca(OH)2等のアルカリに
より化学的に、あるいは立体選択性の異なるエステラー
ゼや微生物を用いて加水分解することで容易に光学活性
を保持したまま〔II〕に導くこともできる。 〔II〕および〔I′〕の光学純度の測定は次の方法で
行なう事ができる。〔I′〕は前記の方法で加水分解
後,〔II〕となし、〔II〕を塩化メチレン中、等モルの
p−トルエンスルホニルクロライドと反応させてトシル
化後、これを高速液体クロマトグラフイー(HPLC)(カ
ラム:キラルセルOB(日本分光製)φ0.46×25cm、溶出
後、ヘキサン:イソプロパノール(20:1)、流速1.5ml/
min、検出221nm、保持時間(R)体:36.7分、(S)体5
1.3分)により測定することができる。 (実施例) 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。 実施例1 100mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)にリポプロテイン
リパーゼ(LPLアマノ3、シユードモナス属由来、天野
製薬(株)製)を0.1g及びラセミ体の(RS)−N−ベン
ジル−3−ブチリルオキシピロリジン10gを添加し、塩
酸でpH7.0に調整後、撹拌下40℃で28時間反応を行つ
た。反応液を100mlのヘキサンで3回抽出し、減圧下で
脱溶剤後、油状の(S)−N−ベンジル−3−ブチルオ
キシピロリジン 4.95gを得た。次に抽出残液をNaOH溶
液でpH13となし、各100mlのヘキサンで3回抽出し、減
圧にて脱溶剤後、油状の(R)−N−ベンジル−3−ヒ
ドロキシピロリジン 3.42gを得た。(S)−N−ベン
ジル−3−ブチリルオキシピロリジンを減圧下蒸留(13
2〜137℃/3mmHg)し、4.5gの無色透明な精製品を得た。
このものの比旋光度は▲〔α〕20 D▼−19.2°(c=
5、MeOH)を示すと共に、NMRおよびIRスペクトルは標
品と一致し、元素分析値は計算値と一致した。 次に、本品は1N-NaOH 50mlを加え、加熱下、加水分解
を行ない、塩化メチレン50mlにて3回抽出した。これを
減圧下脱溶剤を行ない、3.31gの(S)−N−ベンジル
−3−ヒドロキシピロリジンを得た。これを減圧下蒸留
し(111℃/2mmHg)、無色油状物を3.00g得た。このもの
のNMRおよびIRスペクトルは標品と一致し、元素分析値
は計算値とよく一致した。比旋光度は▲〔α〕20 D▼−
3.79°(c=5、MeOH)を示した。高速液体クロマトグ
ラフイーでの測定による光学純度は100%e.e.であつ
た。一方、(R)−N−ベンジル−3−ヒドロキシピロ
リジンの蒸留後の比旋光度は▲〔α〕20 D▼+3.73°
(c=5、MeOH)、光学純度は99%e.e.であつた。 実施例2〜14 100mlの0.1M−リン酸緩衝液(pH7.0)にラセミ体の
(RS)−N−ベンジル−3−アシロキシピロリジンを各
45.5ミリモル添加し、更にリポプロテインリパーゼ(LP
L アマノ3)を0.1〜1.0g添加し、塩酸でpHを7.0に調
整後、撹拌下40℃で24〜72時間反応を行つた。添加基質
の50%が加水分解された時点で反応を止め、塩化メチレ
ン100mlで5回抽出を行ない、未反応の(S)−N−ベ
ンジル−3−アシロキシピロリジンと、加水分解された
(R)−N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジンとの
混合物を得た。減圧下脱溶剤を行なつたのち、シリカゲ
ルカラム(ワコーC200、200g)に負荷し、ヘキサン−酢
酸エチル(10:2〜5:10)で溶出分離し、(S)−N−ベ
ンジル−3−アシロキシピロリジンと(R)−N−ベン
ジル−3−ヒドロキシピロリジン各々を得た。(S)−
N−ベンジル−3−アシロキシピロリジンは実施例1と
同様に加水分解した後、光学純度を測定した。これらの
結果を表1に示す。 実施例15 リポプロテインリパーゼ(LPLアマノ3)2gを0.05M−
リン酸緩衝液(pH7.0)40mlに懸濁し、これにアンバー
ライトXAD−7を40g添加し、一夜撹拌し、酵素を樹脂に
吸着させた。次に樹脂を過後、約500mlの0.05M−リン
酸緩衝液(pH7.0)で洗浄し、未吸着の酵素を除去し
た。この酵素吸着樹脂をカラム(φ2.2×15cm)につ
め、33℃に保温しながら(RS)−N−ベンジル−3−ヘ
キサノイルオキシピロリジン5gを負荷した。次に0.05M
−リン酸緩衝液(pH7.0)を500ml流し、(R)−N−ベ
ンジル−3−ヒドロキシピロリジンを溶出した。次にヘ
キサンを500ml流し、未反応の(S)−N−ベンジル−
3−ヘキサノイルオキシピロリジンを溶出した。 (R)−N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジンを
含む溶液を減圧濃縮して50mlとし、NaOHでpH13とした
後、100mlの塩化メチレンで3回抽出した。減圧下脱溶
剤後、減圧蒸留して無色油状の(R)−N−ベンジル−
3−ヒドロキシピロリジン1.32gを得た。このものの比
旋光度は▲〔α〕20 d▼+3.75°(c=5、MeOH)を示
し、HPLC分析による光学純度は99%e.e.であつた。 一方、(S)−N−ベンジル−3−ヘキサノイルオキ
シプロリジンは、ヘキサンを減圧下脱溶剤した後、減圧
蒸留(bp.160℃/3mmHg)にて精製し、無色油状で2.21g
得た。このものの比旋光度は▲〔α〕20 d▼−15.3°
(c=5、MeOH)を示した。更にアルカリ条件で加水分
解をし、(S)−N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリ
ジンとなし、これをトシル化後、HPLCで光学純度を測定
したところ100%e.e.であつた。 実施例16〜19 グルコース2%、イーストエキス0.5%、肉エキス0.3
%、ペプトン0.3%、オリーブ油1%(pH7.0)の組成か
らなる栄養液体倍地1500mlを3l容ミニジヤーに入れ、12
0℃、20分間殺菌後、表2に示す微生物を植菌し、30
℃、40時間通気1vvm、撹拌500rpmで培養した。その後pH
を7.0に調整し、(RS)−N−ベンジル−3−ヘキサノ
イルオキシピロリジン5gを添加し、30℃で48時間反応さ
せた。反応後、遠心分離して菌体を除去し、上清を等量
のヘキサンで3回抽出し、未反応のN−ベンジル−3−
ヘキサノイルオキシピロリジンを回収した。 次に抽出残液をNaOH溶液でpH134とし、等量の塩化メ
チレンで3回抽出し、加水分解されたN−ベンジル−3
−ヒドロキシピロリジンを得た。減圧下脱溶剤の後、蒸
留により無色透明のN−ベンジル−3−ヒドロキシピロ
リジンを得、これをトシル化後、HPLCによる光学純度を
測定した結果表2の如くであつた。 実施例20〜22 100mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に(RS)−N−ベ
ンジル−3−ヘキサノイルオキシピロリジン10gを添加
し、更に表3に示す市販酵素を添加し、40℃、撹拌下22
〜120時間反応を行つた。反応液を等量のヘキサンで3
回抽出し、未反応のN−ベンジル−3−ヘキサノイルオ
キシピロリジンを回収した。その後NaOH溶液でpHを13と
し、等量の塩化メチレンで3回抽出し、加水分解された
N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジンを抽出分離
し、減圧下脱溶剤を行ない、次に蒸留により精製して無
色透明油状のN−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン
を得た。これをトシル化後、HPLCにより光学純度を測定
した結果を表3に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 41/00 C12R 1:785) (C12P 41/00 C12R 1:05)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.一般式〔I〕 [式中、Xは水素あるいは炭素数1〜17の置換又は未置
    換アルキル基、アルケニル基を示す。]で示される
    (R)および(S)−N−ベンジル−3−アシロキシピ
    ロリジン混合物を立体選択的に加水分解して、一般式
    〔II〕 で示される光学活性な(R)−N−ベンジル−3−ヒド
    ロキシピロリジンを生成させる立体選択的エステラーゼ
    活性を有するシュードモナス属、ムコール属またはアル
    カリゲネス属に属する微生物あるいは該微生物由来の立
    体選択的エステラーゼ活性を有するリパーゼを一般式
    〔I〕で示される(R)および(S)−N−ベンジル−
    3−アシロキシピロリジン混合物に作用させ、式〔II〕で表わされる光学活性な(R)−N−ベンジル−3−ヒ
    ドロキシピロリジン〔II〕と、これと立体的に対掌な一
    般式〔I′〕 (式中、Xは前記と同じ)で示される光学活性な(S)
    −N−ベンジル−3−アシロキシピロリジンとに光学分
    割し、夫々の光学活性化合物を分離採取することを特徴
    とする光学活性な(R)−N−ベンジル−3−ヒドロキ
    シピロリジン及び/またはその対掌体の光学活性(S)
    −N−ベンジル−3−アシロキシピロリジンの製造法。 2.立体選択的エステラーゼ活性を有する微生物あるい
    はリパーゼを水不溶性担体に固定化して用いる特許請求
    の範囲第1項記載の製造法。 3.一般式〔I〕で示される(R)および(S)−N−
    ベンジル−3−アシロキシピロリジン混合物を微生物あ
    るいはリパーゼにより立体選択的に加水分解をして得ら
    れる光学活性な(R)−N−ベンジル−3−ヒドロキシ
    ピロリジン〔II〕と光学活性な(S)−N−ベンジル−
    3−アシロキシピロリジン〔I′〕との混合物から〔I
    I〕と〔I′〕とを分離採取する際に、無機吸着剤ある
    いは合成吸着剤を担体とするカラムクロマトグラフィー
    により分離し、夫々を採取することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項ないし第2項いずれかの項記載の製造
    法。 4.一般式〔I〕で示される(R)および(S)−N−
    ベンジル−3−アシロキシピロリジン混合物を微生物あ
    るいはリパーゼにより立体選択的に加水分解をして得ら
    れる光学活性な(R)−N−ベンジル−3−ヒドロキシ
    ピロリジン〔II〕と光学活性な(S)−N−ベンジル−
    3−アシロキシピロリジン〔I′〕との混合物から〔I
    I〕と〔I′〕とを分離採取する際に、疎水性溶剤を用
    いて(S)−〔I′〕を抽出して(R)−〔II〕と分離
    し、夫々を採取することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項ないし第2項いずれかの項記載の製造法。
JP30105287A 1987-11-28 1987-11-28 光学活性3−ヒドロキシピロリジン誘導体の製造法 Expired - Lifetime JP2703768B2 (ja)

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