JP2703317B2 - 合成樹脂製ミラー - Google Patents

合成樹脂製ミラー

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JP2703317B2 JP4831289A JP4831289A JP2703317B2 JP 2703317 B2 JP2703317 B2 JP 2703317B2 JP 4831289 A JP4831289 A JP 4831289A JP 4831289 A JP4831289 A JP 4831289A JP 2703317 B2 JP2703317 B2 JP 2703317B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、合成樹脂製ミラーに関し、より詳しくは低
吸水性で形状安定性に優れた合成樹脂製ミラーに関す
る。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
メタクリル樹脂成形品にアルミニウム等真空蒸着反射
膜を形成させた合成樹脂製ミラーは、軽量であること、
破損しにくいこと、加工が簡単なこと等から平面ミラー
またはプリズムミラー及び凸面ミラーとして、従来より
広く利用されている。ところが、この種のミラーはメタ
クリル樹脂成形品を用いているために、使用中に空気中
の水分を吸水してソリが発生して形状安定性が十分でな
く、歪が発生するという欠点があった。
また一方、吸水性の小さいポリカーボネイト樹脂およ
びスチレン樹脂は、吸水による歪の発生は小さいが、耐
候性に劣り実用上問題があり、さらにポリカーボネイト
樹脂には分散が大きく、複屈折値が大きいため像がギラ
つき不鮮明になるという問題点があった。
したがって、本発明は、上記問題点を解決すべく耐吸
水性でソリが少なく、形状安定性に優れ、軽量で安全な
合成樹脂製ミラーを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は上記目的を達成すべく鋭意検討した結
果、ミラー基体として特定の合成樹脂を用いることによ
り解決できることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明に係わる合成樹脂製ミラーは、ミラー基体
として、メチルメタクリレート50〜85重量%、トリブロ
モフェニルメタクリレート10〜35重量%、シクロヘキシ
ルメタクリレート5〜20重量%およびアルキル基の炭素
数が1〜4のアルキルアクリレート0〜10重量%からな
る合成樹脂よりなり、その合成樹脂製ミラー基体の片面
に、蒸着反射膜を形成してなることを特徴とする。
本発明に係わる合成樹脂製ミラーを構成するミラー基
体においては、その構成成分として、メチルメタクリレ
ートはメタクリル樹脂本来の優れた光学的性質およびバ
ランスの取れた機械的強度を保持する上で、他の単量体
成分より優位量用いる必要があり50〜85重量%、より好
ましくは55〜80重量%である。50重量%未満では上記の
特徴が保持されず、また85重量%を超えると吸水性の改
良効果が乏しく好ましくない。
本発明のミラー基体の他の構成成分としてのトリブロ
モフェニルメタクリレートはメチルメタクリレートとの
共重合で吸水性を低下させると同時に耐熱性を向上させ
る効果を有し、添加割合としては10〜35重量%、より好
ましくは15〜30重量%である。添加割合が10重量%未満
では低吸水化効果は低く好ましくない。また一方35重量
%を超えると吸水性の低下効果および耐熱性の向上効果
は明らかであるがヘイズが増加して光学用材料としては
好ましくない。
本発明でのトリブロモフェニルメタクリレートは下記
で示される化合物であり、ベンゼン環上の3個の臭素原
子の置換位置としては特に制限はないが、殊に2,4,6−
位に存在するものが好ましい。
本発明でのシクロヘキシルメタクリレートはトリブロ
モフェニルメタクリレートと同様低吸水性を付与する効
果を有し、トリブロモフェニルメタクリレートと併用す
ることにより、トリブロモフェニルメタクリレート単独
ではヘイズが増加して透明性を保持したままでは到達す
ることが出来ないレベルの低吸水性を有する本発明の合
成樹脂製ミラー基体を得ることが可能である。シクロヘ
キシルメタクリレートの添加割合は5〜20重量%、より
好ましくは7〜15重量%である。5重量%未満では上記
特徴が満足されず、また20重量%を超えると低吸水性の
向上は良好であるが、機械的強度が低下し好ましくな
い。
本発明のミラー基体の構成成分として加えてもよいア
ルキルアクリレートは流動性向上の目的で添加され、添
加量としては0〜10重量%である。10重量%を超えると
耐熱性が低下し好ましくない。またアルキル基の炭素数
が1〜4のアルキルアクリレートが好ましく、特にメチ
ルアクリレートとエチルアクリレートが好ましい。
本発明の合成樹脂を製造する方法は特に限定されず、
塊状重合、懸濁重合、乳化重合などが可能である。
本発明の合成樹脂を重合する際に用いられる重合開始
剤としては、一般にラジカル重合で用いられる任意の開
始剤の使用が可能であり、2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)などのアゾ化合物、ラウロイルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物が挙げられ
る。
本発明での合成樹脂を重合する際に、必要に応じて用
いられる分子量調整剤としては、n−オクチルメルカプ
タン、n−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸2
−エチルヘキシルなどのメルカプタン化合物が挙げられ
る。
本発明の合成樹脂を重合する際の温度は、特に制限は
ないが0〜200℃の間で選択され、殊に50〜150℃が好ま
しい。
また、本発明の合成樹脂に於ては必要に応じて紫外線
吸収剤、酸化防止剤、滑剤、離型剤、染顔料などを添加
してもよい。
本発明の合成樹脂製ミラー基体の形状としては平面状
またはプリズム状及び凸面状等があげられ、これらの形
状のキャビティを有する金型等を用いて、通常行われる
注形法、射出成形法、射出圧縮成形法、圧縮成形法等の
成形法により前記単量体混合物または共重合体を成形す
ることによって、ミラー基体に賦形することができる。
合成樹脂製ミラー基体の片面への蒸着反射膜の形成
は、アルミニウム、銅等の金属を公知の真空蒸着法によ
って行うことが可能である。
本発明の合成樹脂製ミラーは、上記の構成で十分に目
的を達することができるが、さらにミラー表面の耐摩耗
性および耐吸水性を向上させるために、合成樹脂製ミラ
ー基体の表面に架橋性単量体を塗布し、硬化させて、架
橋硬化被膜を形成させることもできる。なお蒸着反射膜
の上には、一般に保護塗膜を形成することもできる。
本発明の構成を図面について説明すると、第1図は合
成樹脂製ミラーの被膜の状態を示すための断面図であ
る。第1図において1が合成樹脂製ミラー基体、2が架
橋硬化膜、3が蒸着反射膜、4が保護塗膜である。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明す
る。
なお、第1表に記載した物質名の略称は下記の通りで
ある。
MMA…メチルメタクリレート 2,4,6−TBPMA…2,4,6−トリブロモフェニルメタクリ
レート CHMA…シクロヘキシルメタクリレート MA…メチルアクリレート EA…エチルアクリレート なお実施例中の物性の評価は下記の方法を用いて測定
した。
(1)ミラー歪み率 JIS D 5705に従い合成樹脂製ミラーを温度50℃、相対
湿度95%の雰囲気中に96時間放置した後、ミラー歪み率
を測定し、そのミラー歪み率が3%以内の場合は、JIS
D 5705を満たすので○、3%を超える場合は×の記号で
示した。
(2)平衡吸水率 ASTM−D570(23℃) (3)全光線透過率、ヘイズ ASTM−D1003(5mm厚) (4)引張強度 ASTM−D638 (5)熱変形温度:HDT ASTM−D648(264psi) (6)MFI ASTM−D1238 I条件(230℃、3.8kg) 実施例1 メチルメタクリレート70重量%、2,4,6−トリブロモ
フェニルメタクリレート20重量%およびシクロヘキシル
メタクリレート10重量%とt−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート0.1PHR,n−オクチルメルカプタン
0.2PHRからなる単量体混合物20kgとイオン交換水99.75
重量%、ポリメタクリル酸カリウム0.05重量%および硫
酸ナトリウム0.2重量%からなる水溶液50kgをジャケッ
ト付きの100l耐圧重合槽に仕込み、N2雰囲気下で攪拌し
ながらジャケットに温水を通して重合温度75℃で重合を
開始した。重合開始後3時間でジャケットにスチームを
通して120℃に昇温し、さらに1時間保持して重合を完
結させた。均一なビーズが収率よく得られ、水洗乾燥後
60mmφのベント付き押出機を用いて250℃でペレット化
した。得られたペレットのMFIは2.5g/10minであった。
ついでシリンダー温度260℃、金型温度60℃で射出成
形し物性試験片を得た。試験片を用いての測定結果を第
1表に示す。
また得られたペレットを第1図に示される薄肉部板厚
2.3mm、厚肉部板厚5.4mmである断面がプリズム状のキャ
ビティを有する金型を用いて下記の条件で射出成形し合
成樹脂製ミラー基体を得た。
シリンダ温度 240℃ 金型温度 90℃ 射出圧力 720kg/cm2 保圧 520kg/cm2 射出時間 6sec 保圧時間 34sec 冷却時間 100sec 得られたミラー基体を表面硬化液(藤倉化成(株)製
フジハードHD5230U)に浸漬し、静かに引上げ、80℃30
分予備乾燥後、UV照射を行い架橋硬化させた。
この架橋硬化被膜を形成させたミラー基体の片面に、
真空蒸着により約750Åのアルミニウム反射膜を形成
し、次にアルミニウム反射膜の保護塗料(オリジン電気
(株)リボルバーMD)をアルミニウム反射膜上にスプレ
ー塗装し、60℃30分加熱し厚さ約30μmの塗膜を形成し
合成樹脂製ミラーを得た。このミラーを用いたミラー歪
み率測定結果を第1表に示す。
実施例2〜6,比較例1〜5 メチルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートおよび
アルキルアクリレートの組成を変え、かつ実施例3,5,比
較例2で重合開始剤および連鎖移動剤をそれぞれラウロ
イルパーオキサイド0.3PHRおよびn−ドデシルメルカプ
タン0.25PHRに変えたこと以外は、実施例1と同様にし
て重合し、ビーズ、ペレットを得て物性試験片を成形
し、測定した。得られた結果を第1表に示す。
また得られたペレットを実施例1と同様にしてミラー
基体を成形して、架橋硬化膜、アルミニウム反射膜、保
護膜をそれぞれ形成した後、ミラー歪み率を測定した。
得られた結果を第1表に示す。
これらの測定結果からミラー性能を評価したところ、
実施例1〜6は実用上問題がなく、良好な合成樹脂製ミ
ラーが得られた。
比較例1及び比較例2は全光線透過率が低く、ヘイズ
が大きく反射される像が不鮮明であった。比較例3は引
張強度が不足で、成形性が悪く実用上問題があった。比
較例4及び比較例5は平衡吸水率が大きく、ミラー歪み
率が大きく実用上問題のない合成樹脂製ミラーが得られ
なかった。
〔発明の効果〕 以上述べたように、本発明の合成樹脂製ミラーは、従
来のものに比べて耐吸水性でソリが少なく、形状安定性
に優れ、軽量で安全であるので、極めて有益な発明であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の合成樹脂製ミラーの被膜の状態の一実
施例を示すための断面図である。 1…合成樹脂製ミラー基体、2…架橋硬化膜、3…蒸着
反射膜、4…保護塗膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−109902(JP,A) 特開 昭62−258403(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミラー基体として、メチルメタクリレート
    50〜85重量%、トリブロモフェニルメタクリレート10〜
    35重量%、シクロヘキシルメタクリレート5〜20重量%
    およびアルキル基の炭素数が1〜4のアルキルアクリレ
    ート0〜10重量%からなる合成樹脂よりなり、そのミラ
    ー基体の片面に、蒸着反射膜を形成したことを特徴とす
    る合成樹脂製ミラー。
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