JP2513081B2 - 熱可塑性樹脂の製造法 - Google Patents

熱可塑性樹脂の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は,眼鏡レンズ,その他光学レンズ用素材とし
ての利用が可能である耐熱性及び染色性に優れ,かつ良
好な透明性を有する熱可塑性樹脂の製造法に関する。
[従来の技術] 従来,光学レンズ用材料には透明度の高いアクリル樹
脂,ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹
脂,ポリスチレン,ポリカーボネート等が使用されてい
るが,この内で眼鏡レンズとして広く用いられているの
は,熱硬化性樹脂であるジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネートを用いたレンズである。その理由は,耐
熱性,耐緩衝性及び染色性に優れているためである。ま
た,所望する形状に加工する際の切削加工姓に優れてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかし,ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
トを用いたレンズは,屈折率が1.5であり,ガラスレン
ズに比べてレンズの厚みが大きくなる(特にレンズ度数
が大きくなると顕著である)という欠点がある。
最近は,眼鏡レンズの薄型化,軽量化がより望まれて
おり,それを可能とする高屈折率を有する眼鏡レンズ用
材料の必要性が出てきた。
ポリスチレン(屈折率1.6,アツベ数30)あるいはポリ
カーボネート(屈折率1.58,アツベ数30)を用いたレン
ズは,高屈折率であるが,アツベ数が小さいために色収
差が大きく,また,染色性に劣り,さらに前者において
は耐熱性が劣る。
一方,レンズの製造方法について考えてみると,アク
リル樹脂,ポリスチレン及びポリカーボネートは熱可塑
性であるため,射出成形が可能で大量生産が容易である
のに対し,ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
トは,熱硬化性であるため注型法によつてしか作ること
ができず,大量生産には不向きである。
本開発は,以上の点に鑑み,耐熱性及び染色性に優
れ,かつ射出成形可能な眼鏡レンズ,その他の光学レン
ズ用材料に利用可能な熱可塑性樹脂の製造法を提供する
ことを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は,スチレン35〜70重量%,アクリロニトリル
10〜25重量%及びメタクリル酸トリシクロ[5,2,1,
02,6]デカ−8−イル 10〜40重量%[総量で100重量
%]を重合することを特徴とする熱可塑性樹脂の製造法
に関する。
前記熱可塑性樹脂の屈折率が1.53位以上,アツベ数が
35以上及びレンズ染色性が良好であることが好ましい。
メタクリル酸トリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−8−イ
ルの使用量は10〜40重量%の範囲とされる。10重量%未
満では耐熱性向上の効果が少なく,40重量%を越えると
メタクリル酸トリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−8−イル
が未反応モノマーとして残存する。アクリロニトリルの
使用量は10〜25重量%の範囲とされる。好ましくは15〜
20重量%の範囲とされる。10重量%未満では透明性及び
染色性が低下する。25重量%を越えると樹脂が着色す
る。スチレンの使用量は35〜70重量%の範囲とされる。
40〜60重量%の範囲が好ましい。35重量%未満では屈折
率が低下し,70重量%を越えるとアツベ数が低くなり,
染色性が低下する。
本発明における熱可塑性樹脂の製造には,公知の重合
法を用いることができるが,懸濁重合法が好ましい。塊
状重合法では特殊な反応器を必要とし,反応制御が複雑
となる。溶液重合法は塊状重合法と同様の欠点を持つ
上,生産性が悪い。乳化重合は多量の乳化剤を必要とす
るため透明性が低下する。
重合に用いる開始剤としては,例えば,過酸化ベンゾ
イル,過酸化ラウロイル,ジ−t−ブチルパーオキシヘ
キサヒドロテレフタレート,t−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート,1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの有機過酸化
物,アゾビスイソブチロニトリル,アゾビス−4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル,アゾビスシクロ
ヘキサノン−1−カルボニトリル,アゾジベンゾイルな
どのアゾ化合物,過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウム
等の水溶性触媒及び過酸化物あるいは過硫酸塩と還元剤
との組合せによるレドツクス触媒など通常のラジカル重
合に使用できるものはいずれも可能である。重合触媒は
単量体混合物の0.01〜1.0重量%の範囲で使用すること
が好ましい。また,2成分以上使用することも可能であ
る。連鎖移動剤としては,メルカプタン系化合物,チオ
グリコール,四塩化炭素,α−メチルスチレンダイマー
などが使用可能であるが,重合体の総合的な物性からメ
ルカプタン系化合物を使用することが好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂の製造法において、3成
分系モノマーの重合反応であり、各モノマーの反応速度
がかなり異なるため、重合温度に注意する必要がある。
この重合温度は,65℃〜80℃の温度から段階的に昇温す
る(通常は100℃まで昇温する)ことが好ましい。65℃
から段階的昇温することがより好ましい。65℃未満の温
度から段階的昇温を始めると,重合時間が長くなり,生
産性が低下しやすい。80℃を越えた温度から段階的昇温
を始めると,該温度がアクリロニトリルの沸点以上であ
るためアクリロニトリルが気相となつて反応系の外にで
てしまい共重合にあずかれないことがある。
懸濁重合は,水性媒体中で行われ,懸濁剤が添加され
る。懸濁剤としては,例えば,ポリビニルアルコール,
メチルセルロース,ポリアクリルアミド,ポリ(メタ)
アクリル酸塩等の水溶性高分子,燐酸カルシウム,ピロ
燐酸マグネシウム等の難溶性無機物質などが使用でき
る。透明性の点から,懸濁剤としてポリ(メタ)アクリ
ル酸塩を使用することが好ましい。また,懸濁剤は単量
体混合物の0.03〜1.0重量%の範囲で使用することが好
ましい。
水溶性高分子であるポリ(メタ)アクリル酸塩は,例
えば次のようにして製造できる。すなわち,ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート,(メタ)アクリル酸の
塩(リチウム塩,ナトリウム塩,カリウム塩,マグネシ
ウム塩,カルシウム塩,アンモニウム塩等),(メタ)
アクリル酸及び必要に応じてこれら以外のこれらと共重
合可能な他の不飽和単量体を重合して水溶性高分子であ
る(メタ)アクリル酸塩を製造できる。
本発明によつて得られる熱可塑性樹樹脂は,その分子
量について特に制限はないが,耐熱性,機械物性の観点
から,重量平均分子量(ポリスチレン換算)が10,000〜
1,000,000の範囲のものが好ましく,この範囲のものは
特に,成形材料として使用する場合に好ましい。
本発明によつて得られる熱可塑性樹脂は,その使用に
あたつて,劣化防止,熱的安定性,成形性,加工性など
の観点から,フエノール系,ホスフアイト系,チオエー
テル系等の抗酸化剤,脂肪族アルコール,脂肪酸エステ
ル,フタル酸エステル,トリグリセライド類,フツ素系
界面活性剤,高級脂肪酸金属塩等の離型剤,その他滑
剤,可塑剤,帯電防止剤,紫外線吸収剤,難燃剤,重金
属不活性化剤などを添加して使用してもよい。
[実施例] 以下,実施例により本発明を説明する。
<懸濁剤:水溶性重合体(A)(ポリメタクリル酸塩)
の合成> メタクリル酸メチル5g,メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル12g,メタクリル酸カリウム23g及び脱イオン水360
gを内容積500mlのセパラブルフラスコに入れ,30分間N2
ガスを吹き込んで系内の空気を除去した後,ウオーター
バスで加熱して撹拌しつつ,系内温度を65℃に昇温し,
過硫酸カリウム0.06gを添加した。同温度で5時間重合
を行い,続けて90℃に昇温して2時間撹拌を続けてゼリ
ー状の水溶性重合体(A)を得た。
実施例1 メタクリル酸トリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−8−イ
ル(TCDMA)280g,スチレン(ST)980g,アクリロニトリ
ル(AN)140g,ラウロイルパーオキサイド9.8g,t−ブチ
ルパーオキシ2−エチルヘキサノエート2.8g及びn−オ
クチルメルカプタン1.4gを混合溶解してモノマー液とし
た。
撹拌機及びコンデンサを備えた5セパラブルフラス
コに懸濁剤として前記したゼリー状の水溶性重合体0.7
g,脱イオン水を1960gを加え撹拌し懸濁媒体とした。こ
こに撹拌しながら下記組成物を加え,撹拌回転数280rp
m,窒素雰囲気下で65℃4時間,80℃2時間,次いで100℃
で2時間重合させた(重合率9%(重量法))。合成し
た重合体粒子を水洗,脱水,乾燥した。次に該重合粒子
を射出成形し,得られた成形品の光線透過率,屈折率,
アツベ数,ガラス転移温度(耐熱性の尺度),染色性等
を調べた。特性評価は下記の方法に準拠した。
・光線透過率:ASTM D1003に準じ,測定した。
・屈折率,アツベ数:アツベ屈折計(アタゴ社製)によ
り測定した。
・ガラス転移温度:重合体を塩化メチレンに溶解した
後,メタノール中に撹拌下投入し,重合体を沈澱析出さ
せてろ別,乾燥し,白色粉末状の重合体を得た。これを
用いた示差走査熱量計(DSC:パーキンエルマー社製DSC
−7型)によりガラス転移温度(Tg)を測定した。
・染色性:スミカロンブルーEBL(住友化学工業(株)
製)2gを1000の純水に溶解し染色浴を作成した。成形
品を80℃とした前記染料浴に30分間浸漬し水洗後,染色
性を観察した。
実施例2〜5 スチレン,アクリロニトリル及びメタクリル酸エステ
ルの組成(重量%)を種々変動させた以外は実施例1と
同様にして成形品を作成し,その物性を評価した。
比較例1〜4 メタクリル酸エステルを含まない単量体混合物,アク
リロニトリルを含まない単量体混合物,3成分系の組成
(重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして成形品
を作成し,その物性を評価した。
実施例6及び比較例6 スチレン,アクリロニトリル,メタクリル酸エステル
の組成は実施例4と同様にして成形品を作成し,その物
性を評価した。
[発明の効果] 本発明により得られる熱可塑性樹脂は,耐熱性,透明
性及び染色性に優れ,眼鏡レンズ,その他の光学レンズ
等の高屈折レンズとして特に有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン35〜70重量%,アクリロニトリル
    10〜25重量%及びメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.
    02,6]デカ−8−イル 10〜40重量%をこれらの総量が
    100重量%になるように配合し、重合温度65〜80℃の温
    度から階段的に昇温して重合することを特徴とする熱可
    塑性樹脂の製造法。
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