JP2703298B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 A.本発明の技術分野 本発明は、高度な耐気体透過性を有する組成物に関す
る。
B.従来技術 EVOHと乾燥剤の組成物に関しては米国特許4425410号
あるいは4464443号明細書中に開示があり、この組成物
を含む多層材はレトルト(高温高圧熱水殺菌)処理によ
っても酸素透過速度の上昇がEVOHを使用した場合に比較
して小さく包装材料として好ましいことが開示されてい
る。
さらに、特開昭63−113062号では乾燥剤を超微粒子の
状態で分散させることにより、酸素透過速度をより低下
させ得ることが示されている。しかしながら一年以上の
長期保存性の場合において、さらに改良が望まれてい
た。
一方、マイカなどの無機物粉体を樹脂にブレンドして
耐気体透過性を向上させようとする提案はこれまでにも
あり、例えば特公昭57−32939はマイカを30%ブレンド
したポリプロピレン(以下PPと省略することがある)の
酸素透過係数が、ブレンドしないものに比較して、低い
値を示すことが示されている。また特公昭58−22327に
はEVOHとマイカの組成物が開示されている。
C.本発明が解決しようとする課題 レトルト処理を施す容器にEVOHと乾燥剤の組成物ある
いは、EVOHとマイカの組成物を耐気体透過層として使用
しても、1年以上の長期間の保存性が充分でない。しか
しながらレトルト食品の保存期間を1年以上に長期化し
たいという要望は、近年増々強まっており、この長期間
の保存性を向上させる必要があった。
D.課題を解決するための手段 本発明者らは、EVOHを使用した容器、とりわけレトル
ト容器の耐気体透過性の向上について広汎な検討を実施
した。その結果、乾燥剤粉体とマイカ粉体を同時にEVOH
中に分散せしめたときに各々単独で使用した場合とは、
比較にならないほど高度な耐気体透過性を有する組成物
が得られ、これを使用した容器の保存性、とりわけレト
ルト後、長期間の保存性が優れていることを見出した。
本発明において組成物に使用される樹脂であるエチレン
−ビニルアルコール共重合体(EVOH)とはエチレンと酢
酸ビニルの共重合体中の酢酸ビニル単位を加水分解した
ものであれば任意のものを含むものであるが、本発明の
目的に適合するものとして、特に、エチレン含有量20〜
50モル%、とりわけ27〜40モル%、酢酸ビニル単位の鹸
化度が96%以上、とりわけ99%以上のものが挙げられ、
メルトインデツクス(190℃、2160g)の値としては0.2
〜60g/10分の範囲が例示される。また、本発明にいうEV
OHは5モル%以下の範囲の共重合モノマーで変性されて
いてもよく、かかる変性用モノマーとしては、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペン
テン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、高級脂肪酸ビニルエ
ステル、アルキルビニルエーテル、N−(2−ジメチル
アミノエチル)メタクリルアミド類あるいはその4級化
物、N−ビニルイミダゾール、あるいはその4級化物、
N−ビニルピロリドン、N,N′−ブトキシメチルアクリ
ルアミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジ
メトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン等を例
示することができる。
また、本発明にいう乾燥剤としては、水和物形成性の
塩類、すなわち結晶水として水分を吸収する塩類、とり
わけリン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸
三ナトリウム、リン酸三リチウム、ピロリン酸ナトリウ
ム等のリン酸塩、特にその無水物がその効果において本
発明に最も適している。また乾燥剤として高吸水性樹脂
も使用可能である。これらは二種以上を同時に使用する
こともできる。
本発明において、乾燥剤粉体の形状に特に制限はない
が、乾燥剤粒子が長径10μ以上の粒子の体面積平均径が
30μ以下、好適には25μ以下、最適には20μ以下である
ことが望ましい。
かかる微細な粒子は、例えば以下の様にして得られ
る。
まず、乾燥剤は塩類の水溶液を噴霧乾燥などで析出せ
しめる時にできる限り微細な粒径のものを得るように特
殊な配慮が望ましい。これを30μ以下、好ましくは10μ
以下に分別して用いることもできるが、一般には乾燥し
た塩類をジエツト粉砕機、衝撃粉砕機、ボールミルある
いは振動ボールミルなどで超微粉砕を実施する。粉砕物
は風力分級機などの分級機を使用して、30μ以下、好ま
しくは10μ以下の超微粉砕物を分別する。
ここに30μ以下という場合、30μを超える粒子が体積
分率で0.01%未満、すなわち30μ以下の微粒子が少なく
とも99.9%であることを意味している。この超微粒粉砕
粒子の粒度はコールターカウンター法を用いて求めた値
である。この粒度測定に際しては少量の粗粒分を濃縮す
るために、必要に応じ、前もって10〜75μの目のひらき
のふるいをかけてそのふるい上の粗粒分をコールターカ
ウンターにより分析すれば精度高く、粗粒分を分析でき
る。
さらにマイカ(雲母)分体としては、白雲母(マスコ
バイト)、金雲母(フロゴバイト)、黒雲母、ソーダ雲
母、合成雲母等より、適宜選択することができる。
本発明において用いられるマイカ粉体の形状も特に制
限はないが、重量平均アスペクト比が3以上、重量平均
フレーム径は50μ以下であることが望ましい。
本発明におけるマイカ粉体の重量平均フレーク径とは
粉体を各種の目開きのマイククロシーブ又はフルイで分
級し、その結果をRosin−Rammlar線図にプロツトし、測
定に供した粉体の全重量の50重量%が通過するマイクロ
シーブ又はフルイの目開きl50に相当する値である。す
なわち粉体の重量平均フレーク径lは(1)又は(2)
式で定義される。
ここで、粉体のうち粒度の大きい場合についてはフル
イによつて分級されるものであり、粒度の細かい部分に
ついてはマイクロシーブによって分級されるものであ
る。
一方、本発明におけるマイカの粉体の重量平均アスペ
クト比αとは重量平均フレーク径lと、以下の方法によ
り測定されるマイカ粉体の重量平均フレーク厚さdより
(3)式を用いて算出される値である。
α=l/d (3) (3)式における粉体の重量平均フレーク厚さdは、
C.E.Capesらの報告による水面単粒子膜法(C.E.Capes a
nd R.C.Coleman.Ind.Eng.Chem.Fundam.,12,124(197
3))により測定されるフレークの水面での占有面積S
を用いて(4)式より算出される値である。
ここでWは測定に供した粉体の重量、ρは粉体の比
重、(1−ε)は粉体が水面上で最密充填状態をとつた
場合の占有率であり、マイカ粉体については一般に0.9
が計算に際して用いられる。
次にマイカ粉体、乾燥剤粉体およびEVOHの配合割合に
ついて述べる。マイカ粉体は5重量%未満では保存性を
向上させる効果が十分ではない。又、乾燥剤粉体が10重
量%未満でも保存性を向上させる効果が十分ではない。
逆にEVOHが50重量%未満となつた場合、成形性が悪く、
後述するような多層容器を作ることが困難である。した
がつて、マイカ粉体5重量%以上、好適には15重量%以
上、乾燥剤粉体10重量%以上、さらにEVOH50重量%以上
含んだものが望ましい。
混合物を混合する方法としては無機物粉体(マイカ粉
体および乾燥剤粉体)とEVOHの粉末状物、ペレツト状物
を通常の混合機、たとえばヘンジエルミキサー、スーパ
ーミキサー、タンブラー中で混合する方法、EVOH溶融物
に粉体を混合してマスターバツチをつくり、これをEVOH
の粉末状物、粒状物、ペレツト状物、溶融物に混合する
方法があげられる。次にこの混合物を、EVOHの融点以上
で混練して組成物を作製する。EVOHと粉体を前記のよう
に予じめ混合することなく、EVOHと粉体を直接混合機に
導入して混練することもできる。高度な分散を有する組
成物を得るための混練機としては、連続式インテンシブ
ミキサー、ニーデイングタイプ二軸押出機(同方向、あ
るいは異方向)などの連続型混練機が最適であるが、バ
ンバリーミキサー、インテンシブミキサー、加圧ニーダ
ーなどのバツチ型混練機を用いることもできる。また別
の連続混練装置としては石臼のような摩砕機構を有する
回転円板を使用したもの、たとえば(株)KCK製のKCK混
練押出機を用いることもできる。1軸押出機に混練部
(ダルメージ、CTM等)を設けたもの、あるいはブラベ
ンダーミキサーなどの簡易型の混練機もある。
この中で、本発明の目的に最も好ましいものとしては
連続型インテンシブミキサーを挙げることができる。市
販されている機種としてはFarrel社製FCM、(株)日本
製鋼所製CIMあるいは(株)神戸製鋼社製KCM,NCM,LCMあ
るいはACM等がある。
実際にはこれらの混練機の下に1軸押出機を有する、
混練と押出ペレツト化を同時に実施する装置を採用する
のが好ましい。
また本発明の効果を損わない範囲でマトリツクス中に
顔料、染料等の着色剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可
塑剤、熱安定剤、滑剤などの添加剤を加えても良い。
こうして得られた樹脂組成物は、通常他の熱可塑製樹
脂と多層状態に組合せて使用することが実用上最も効果
的であ。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフイン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、飽
和ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化
ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポ
リアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが挙
げられるが、これらの中でその効果と実用性能において
本発明にとつて特に重要なのはポリオレフイン系樹脂、
ついでポリアミド系樹脂および飽和ポリエステル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂および飽和ポリスチレン系樹
脂も重要である。
ポリオレフイン系樹脂としては、高密度、中密度ある
いは低密度のポリエチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エ
ステル、あるいはブテン、ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテンなどのα−オレフイン類を共重合したポリエチ
レン、アイオノマー樹脂、ポリプロピレンホモポリマ
ー、エチレンをグラフト共重合したポリプロピレン、あ
るいはエチレン、ブテン、ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテンなどのα−オレフイン類を共重合したポリプロ
ピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペ
ンテン、あるいは上述のポリオレフインに無水マレイン
酸などを作用させた変性ポリオレフインなどを含んでい
る。
ポリアミド系樹脂としては、ポリカプラミド(ナイロ
ン−6−)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−
7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポ
リウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラ
クタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパ
ミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジパミ
ド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド
(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド
(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナ
イロン−10,6)、ポリドデカメチレンセバカミド(ナイ
ロン−10,8)、あるいは、カプロラクタム/ラウリルラ
クタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペート共重合体、ラウリルラクタム/ヘ
キサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレン
ジアンモニウムセバケート共重合体、エチレンジアンモ
ニウムアジペート/ヘキサメチレンアンモニウムアジペ
ート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアン
モニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセ
バケート共重合体、などが挙げられる。
飽和ポリエステル系樹脂としては、ポリ(エチレンテ
レフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポ
リ(エチレンテレフタレート/イソフタレート)、ポリ
(エチレングリコール/シクロヘキサンジメタノール/
テレフタレート)などがその代表としてあげられ、さら
にこれらの重合体に共重合成分としてエチレングリコー
ル、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオールなどの
ジオール類、あるいはイソフタル酸、ベンゾフエノンジ
カルボン酸、ジフエニルスルホンジカルボン酸、ジフエ
ニルメタンジカルボン酸、プロピレンビス(フエニルカ
ルボン酸、ジフエニルオキサイドジカルボン酸、シユウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ジ
エチルコハク酸などのジカルボン酸を含有せしめたもの
も含まれる。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重
合体のほか、酢酸ビニル、マレイン酸誘導体、高級アル
キルビニルエーテルなどとの共重合体が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体
の他にブタジエンをグラフト共重合したポリスチレン、
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを混合したもの、あ
るいはスチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げら
れる。本発明で用いる熱可塑性樹脂は2種以上混合して
使用することもできる。本発明の組成物を上述した他の
熱可塑性樹脂と組合わせて多層体を成形する工程におい
て、組成物中のマイカ粉体と乾燥剤粉体の分散状態は本
質的に変化しないことが経験的に確認されている。本発
明の多層成形体は、本発明の組成物と他の熱可塑性樹脂
とを共押出成形法、多層射出成形法、熱成形法などの成
形加工によりフイルム、シート、カツプ、ボトル、チユ
ーブなどに加工される。通常は本発明の組成物を中間層
として内外層をポリオレフインなどの熱可塑性樹脂とす
ることが好ましい。このような多層成形体を得る場合に
おいて層間接着性樹脂を使用することが好ましい。層間
接着性樹脂としてはとくに制限されるものではないが、
熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体など)をエチレン性不飽和カルボン酸または
その無水物(無水マレイン酸など)で変性(付加、グラ
フトなど)したものが代表的なものとしてあげられる。
さらには特開昭59−1153275に記載のアルミニウム元素
およびモノカルボン酸の結合したポリエステルも使用で
きる。
多層成形体の層構成としては熱可塑性樹脂をA、前記
組成物(EVOH、マイカ粉体および乾燥剤粉体からなる組
成物)をB、接着性樹脂をCとするとき、A/B、A/C/B、
A/B/A、A/C/B/C/A、A/B/A/B/A、A/C/B/C/A/C/B/C/Aなど
があげられるが、これらに限定されることはない。
このような層構成の多層成形体は、とくにレトルト用
容器素材として有用で、このことは後述の実施例から明
らかである。
レトルト容器として使用する場合、まず容器内に食品
を充填してから、必要に応じ公知の手段により内部を脱
気状態にして、あるいは窒素ガス、炭酸ガスなどの不活
性ガスで内部を置換した後、さらに熱シートなどの手段
で密封し、次いでレトルト殺菌を行うのがよい。
以下、実施例により更に具体的に説明する。なお、部
は重量部を意味している。
E.実施例 実施例1 EVOH[エチレン単位の含量32モル%、190℃、2160g荷
重下のメルトインデツクス1.3g/10分、融点181℃{DSC
(スキヤンニングスピード)10℃/分による主吸熱ピー
ク温度}]ペレツト60部と、最大粒径(コールターカウ
ンターによる)は13μ、メジアン径6.4μ(粒径13μ以
上の粒子は体積分率で0.1%未満)の微粉砕を実施した
無水リン酸二ナトリウム20部と、重量平均フレーク径が
20μが、重量平均アスペクト比が3.5、ハンター白度50
の白雲母分体20部をよく混合後、径50mmの異方向二軸混
練機(出口樹脂温度220℃)で混練し、これに連結した
一軸押出機で溶解押出しして、組成物のブレンドペレツ
トを得た。
次に3台の押出機とTダイを有するフイードブロツク
型共押出シート成形機を使用して、外層からポリプロピ
レン/接着性樹脂/上記組成物/接着性樹脂/ポリプロ
ピレン(厚さ:550/50/140/50/550μ)の構成の多層シー
トを得た。
ここで使用したポリプロピレンは宇部興産(株)製ウ
ベポリプロE−103Dであり、接着性樹脂は三井石油化学
工業(株)製アドマーQF−500(無水マレイン酸で変性
したポリプロピレン)である。
次に真空圧空成型機((株)浅野製作所製)を使用し
てこの多層シートの熱成形を実施し、底面が半径33mm、
上部開口部が半径37mmの円形で高さが37mmのカツプ型容
器を得た。この容器の厚み構成は外層から204/19/52/19
/204μ(調和平均厚み)である。このカツプと窒素ガス
で置換後、5mlの水を封入してアルミニウム箔/ポリプ
ロピレンのラミネートフイルムをふた材としてヒートシ
ールした後、120℃、30分のレトルト処理を実施した。
レトルト釜よりとり出した後、20℃、65%RHで1年間保
存後の容器内酸素濃度をガスクロマトグラフで測定した
ところ、0.26%であった。この濃度は、容器に水性食品
を充填した場合の酸素吸収量としては3.3ppmに相当す
る。この濃度は多くの食品を酸素による劣化から守るた
めに十分低い値である。
比較例1 実施例1において、実施例1で示された組成物に替え
てEVOH(実施例1で示されたもの)を用いて、他は同様
にして共押出成形、熱成形およびレトルトを実施して、
酸素透過速度を測定した結果(比較例1)を第1表に合
わせて示した。1年保存後の容器内酸素濃度(および水
性食品を充填したときの酸素吸収量)は1.72%(22.1pp
m)であった。
比較例2〜6 実施例1において実施例1で示された組成物に替え
て、第1表に示すような、EVOHと無水リン酸二ナトリウ
ムあるいは、EVOHとマイカの二成分からなる組成物を用
いて、他は同様にして容器を得て、その保存性を評価し
た。1年保存後の容器内酸素濃度(および水性食品を充
填したときの酸素吸収量)を測定した結果を第一表に示
した。EVOHと無水リン酸二ナトリウム、EVOHとマイカの
二成分のみからなるものに比べ実施例1の組成物を使用
した容器は飛躍的に保存性が向上している。
実施例2〜5 実施例1の無水リン酸二ナトリウムに替え各種乾燥剤
粉体を使用し、EVOH、乾燥剤、マイカが同様な組成比か
らなる組成物2〜5を用いて、他は実施例1と同様にし
て容器を得て、1年保存後の評価を実施した。結果を第
2表に示す。どの容器も酸素濃度が低く、高度の保存性
を示した。
実施例6 実施例1における組成物に使用したマイカに替え、重
量平均フレーク径13μ、重量平均アスペクト比25の金雲
母を用いて、同様の組成比のブレンドペレツトを得た。
これを実施例1と同様に容器を作製し、保存性を評価し
た。1年後の容器内酸素濃度(および水性食品を充填し
たときの酸素吸収量)は0.28%(3.6ppm)であった。
F.発明の効果 本発明の組成物を使用して得た成形体、とくに多層成
形体は、耐気体透過性に優れ、とくにレトルト処理後長
期間において、他の容器と比較してきわめて高度な耐気
体透過性を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−43554(JP,A) 特開 昭55−52361(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイカ粉体を5重量%以上、リン酸塩およ
    び高吸水性樹脂から選ばれる少なくとも一種の乾燥剤粉
    体を10重量%以上およびエチレン−ビニルアルコール共
    重合樹脂を50重量%以上含む樹脂組成物。
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