JP2002137339A - ガスバリアー性多層積層体 - Google Patents

ガスバリアー性多層積層体

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JP2002137339A
JP2002137339A JP2000335416A JP2000335416A JP2002137339A JP 2002137339 A JP2002137339 A JP 2002137339A JP 2000335416 A JP2000335416 A JP 2000335416A JP 2000335416 A JP2000335416 A JP 2000335416A JP 2002137339 A JP2002137339 A JP 2002137339A
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hygroscopic compound
resin
gas
thermoplastic resin
barrier
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Takashi Sako
隆 河向
Kazuhiko Kodama
和彦 児玉
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたガスバリヤー性及び優れた透明性、外
観を有し、湿度によりガスバリヤー性が低下しないガス
バリヤー性多層積層体を提供する。 【解決手段】 水分感受性ガスバリアー性樹脂層と吸湿
性化合物を含有する熱可塑性樹脂層とを有するガスバリ
ヤー性積層体において、該吸湿性化合物が平均粒子径2
μm以下の粒子として樹脂層中に分散しているガスバリ
アー性多層積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品包装などに使
用されるガスバリアー性積層体に関し、特に、高湿度に
おけるガスバリアー性及び透明性に優れた多層積層体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガスバリアー性を有する包装素材
としてはPVDC(塩化ビニリデン共重合体)フィルム
やPVDC層を含む多層フィルム、あるいはOPP(二
軸延伸ポリプロピレンフィルム)、ON(二軸延伸ナイ
ロンフィルム)、PET(ポリエステルフィルム)にP
VDCの溶液あるいはエマルジョンを塗布したフィルム
やその多層積層体が広く用いられてきた。しかしなが
ら、ダイオキシンに代表される環境問題に対する意識の
高まりによりPVDC代替品の開発が進められているの
が現状である。
【0003】その代表的なものとして、シリカやアルミ
ナの透明蒸着、アルコキシシランなどを出発原料とする
ゾルーゲルコーティング、ポリビニルアルコール(PV
A)やエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(エチレ
ンビニルアルコール、EVOH)などの高水素結合性樹
脂、あるいはスメクタイトや合成マイカのような無機層
状化合物と高水素結合性樹脂との複合化などが挙げられ
る。
【0004】これらの中でもEVOHのような高水素結
合性樹脂(言い換えると水分感受性樹脂)がそのガスバ
リアー性、透明性、耐油性の点で他のガスバリアー素材
と比較して優れている。特に低湿度でのガスバリアー性
はPVDCより優れたものである。しかしながら、水分
が高くなるとガスバリアー性が低下してしまうのがこの
樹脂の最大の欠点である。例えばEVOHの耐湿性を高
めるために、PP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチ
レン)などの耐湿性樹脂と積層して水分の影響を小さく
した積層体は数多く市場に出されているが、高湿度にお
ける酸素バリアー性は不十分である。
【0005】そのために、特開昭57−170748号
公報あるいは米国特許第4,407,897号公報に
は、水分感受性重合体の層を有する多層重合体構造体に
おいて乾燥剤を配合して該水分感受性重合体層を保護す
る技術が開示され、乾燥剤により水分をトラップして水
分感受性重合体の高湿度における酸素透過度が改善でき
ることが示されている。しかしながらこの特許公報には
包装材料としての基本物性である積層体の透明性につい
ては何ら記述がなく、本発明者らが、この特許を試験し
たところ、積層体は極めて不透明になった。また、乾燥
剤の種類によっては大きな未分散物が残り、ガスバリア
ー性の低下も見られた。従って、この技術だけでは、厚
さが薄い(数100μm以下)包装素材(いわゆる軟包
装)には適用できないことが判明した。
【0006】また、特開平10−244581号公報に
はエチレン−ビニルアルコール共重合体を主体とするマ
トリックス中に乾燥剤粒子が微粒子状に分散され、かつ
乾燥剤粒子のうちで長径10μ以上の粒子の体積平均径
が30μ以下である層を少なくとも一層含む共押出多層
容器の技術が開示されている。しかしながら乾燥剤粒子
の大きさは10μ程度であり透明性という点ではいまだ
不十分である。また、厚さが薄いフィルムでは、10μ
m程度の粒子によりガスバリアー性が低下する危険性が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れたガス
バリアー性及び優れた透明性、外観を有し、湿度により
ガスバリアー性が低下しないガスバリアー性多層積層体
を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、以下の構成をとる。即ち、本発明の第1は、
水分感受性ガスバリアー性樹脂層と吸湿性化合物を含有
する熱可塑性樹脂層とを有するガスバリアー性積層体に
おいて、該吸湿性化合物が平均粒子径2μm以下の粒子
として樹脂層中に分散しているガスバリアー性多層積層
体である。
【0009】本発明の第2は、水分感受性ガスバリアー
性樹脂層と吸湿性化合物を含有する熱可塑性樹脂層とを
有するガスバリアー性積層体において、該熱可塑性樹脂
層中に、吸湿性化合物及び水不溶性微粒子を含有するガ
スバリアー性多層積層体である。
【0010】本発明の第3は、吸湿性化合物が平均粒子
径2μm以下の粒子を形成し、該粒子中に、平均粒子径
1μm以下の前記水不溶性微粒子が存在する本発明第2
に記載のガスバリアー性多層積層体である。
【0011】本発明の第4は、水不溶性微粒子が無機層
状化合物である本発明第2〜3のいずれかに記載のガス
バリアー性多層積層体である。
【0012】本発明の第5は、吸湿性化合物が、水に対
する標準溶解エンタルピーが−50kJ/mol以上5
0kJ/mol以下である本発明第1〜4のいずれかに
記載のガスバリアー性多層積層体である。
【0013】本発明の第6は、吸湿性化合物が有機酸の
金属塩である本発明第1〜5のいずれかに記載のガスバ
リアー性多層積層体である。
【0014】本発明の第7は、水分感受性ガスバリアー
樹脂が、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル
共重合体けん化物、ポリアミド系樹脂、ポリエステルか
ら選ばれた少なくとも一種である本発明第1〜6のいず
れかに記載のガスバリアー性多層積層体である。
【0015】本発明の第8は、ガスバリアー性多層積層
体の少なくとも一層に平板状顔料が含まれる本発明第1
〜7のいずれかに記載のガスバリアー性多層積層体であ
る。
【0016】本発明の第9は、混練機中において、可塑
化された熱可塑性樹脂に、吸湿性化合物を含有する水溶
液を水分を蒸発させながら混練させることにより、該樹
脂中で吸湿性化合物を粒子として分散させる、吸湿性化
合物含有熱可塑性樹脂の製造方法である。
【0017】本発明の第10は、混練機中において、可
塑化された熱可塑性樹脂に、吸湿性化合物の水溶液に水
不溶性微粒子を分散させた水性液を水分を蒸発させなが
ら混練させることにより、該樹脂中で吸湿性化合物を粒
子として分散させる、吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂の
製造方法である。
【0018】本発明の第11は、水分感受性ガスバリア
ー性樹脂層と本発明第9に記載の吸湿性化合物含有熱可
塑性樹脂を押出成形して得られる樹脂層とを有するガス
バリアー性多層積層体である。
【0019】本発明の第12は、水分感受性ガスバリア
ー性樹脂層と本発明第10に記載の吸湿性化合物含有熱
可塑性樹脂を押出成形して得られる樹脂層とを有する、
ガスバリアー性多層積層体である。
【0020】前記したように、吸湿性化合物が樹脂中で
10μmあるいはそれ以上であると透明性、ガスバリア
ー性などに問題を生じる。そこで本発明者らはまず吸湿
性化合物の粒子の微粉化を試みた。その一つは吸湿性化
合物の水溶液(吸湿性化合物は水溶性の場合が多い)を
スプレードライヤーで微粉化する方法である。スプレー
ドライヤーは、水溶液をロータリーアトマイーザーや二
流体ノズルのような噴霧器により100℃以上の高温に
保ったチャンバー(乾燥室)の中に噴霧する装置である
(例えば、ニロジャパンのモービルマイナ)。噴霧した
ときの水滴の大きさを維持したまま水溶液は空中で乾燥
し吸湿性化合物の粉体になり、生成した粉体はサイクロ
ンやバグフィルターで補足される。しかしながらこのよ
うなスプレードライヤーで得られた粉体の平均粒子径は
数μmが下限であり、この粉体を用いて樹脂に混練して
フィルムに形成したところ、透明性は不十分なものであ
った。
【0021】また、別の方法としてジェット粉砕機によ
る乾式粉砕による粒子の微粉化を試みた。ジェット粉砕
機は、高速流体(圧縮空気、スチーム、ホットエアーな
ど)により超音波に加速された粉体を粉砕ゾーンに道導
き、高速流体による壁面と粉体、あるいは粉体同士の衝
突により微粉化するとともに分級も同時に行う装置であ
る(例えばセイシン企業のSK−ジェットオーミルやシ
ングルトラックジェットミル)。この方法だと粉体は1
μm程度まで小さくなるが、透明性は不十分であり、高
い透明性を得るためには1μm以下、好ましくは0.5
μm以下であることが必要である。
【0022】また、このようにあらかじめ粒子を微粉化
した場合、樹脂と微粉化された粒子を二軸混練機やバン
バリーミキサーなどの混練機でで混練し、樹脂中に粒子
を分散させなければならないが、粒子が数μmレベルの
大きさまで小さくなると分散が困難となる。特に疎水性
の熱可塑性樹脂と親水性の吸湿性化合物の粒子を均一に
混練、分散するのは非常に困難である。分散が悪いと粒
子が二次凝集して大きなブツとなり、フィルムとして成
形したときに外観上問題となるばかりかピンホールの起
点ともなりバリアー性悪化の原因ともなる。
【0023】そこで、さらに微粉化の検討を進めたとこ
ろ、吸湿性化合物の水溶液を混練機中に注入して水溶液
の状態で可塑化された樹脂と混練してその後水分を蒸発
させることで、樹脂中に吸湿性化合物を平均粒子径2μ
m以下で分散できることを見出した。以下、この方法を
溶液注入法と称する。これは、混練機中で樹脂が溶融状
態になっているところへ強制的に吸湿性化合物の水溶液
を注入することで、水溶液が強力な混練作用によって樹
脂中に分散、乳化した状態になり、その後水分を蒸発す
ることで樹脂中に吸湿性化合物を微細な状態で分散する
ことができるものと推察される。この溶液注入法は吸湿
剤の微粉化と樹脂との混練が同時にできるというメリッ
トを有し、あらかじめ粉体を微粉化する方法と比較して
工業的に有利であるのは明らかである。
【0024】しかし、この溶液注入法において吸湿性化
合物を平均粒子径2μm以下、更には1μm以下に制御
するには、吸湿性化合物の種類、製造条件がかなり制限
される。そこで、多くの吸湿性化合物で比較的簡単に吸
湿性化合物を微細状態で樹脂中に分散させるべく、さら
に検討した。その結果、吸湿性化合物の水溶液に、さら
に水不溶性微粒子を分散させた水性液を用いて溶液注入
法にて樹脂と混練することで、吸湿性の化合物の凝集を
防ぐことを見出した。
【0025】これは溶液注入法で樹脂と水性液が混練、
分散した後、水分を蒸発させるときに、吸湿性化合物が
微粒子を核としてあるいは取り込みながら結晶化もしく
は無定形で析出し、吸湿性化合物の表面や内部に微粒子
を含んだ複合粒子を形成するためと考えられる。吸湿性
化合物の粒子はお互いに凝集しようとする力が働くが、
吸湿性化合物の粒子表面に他の組成物が存在することで
その凝集力を大きく低下させ、その結果凝集物が劇的に
減少したためであると考えられる。
【0026】さらに驚くべきことに、平均粒子径0.1
μm以下の水不溶性微粒子(例えば平均粒子径30nm
の合成スメクタイト)と吸湿性化合物の水溶液を用いて
溶液注入法により樹脂と混練することで、得られた樹脂
と吸湿性化合物の混練物中で吸湿性化合物が平均粒子径
0.5μm以下で分散していることが判明した。これは
前述のように吸湿性化合物が水不溶性微粒子を核として
結晶成長あるいは析出していることを示唆している。
【0027】
【発明の実施の形態】<水分感受性ガスバリアー性樹脂
層について>本発明に使用される水分感受性バリアー性
樹脂層に用いる樹脂としては、水分を含むことによりバ
リアー性が低下してしまう樹脂であれば特に制限はな
い。例えば、酢酸ビニル重合体のケン化物(ポリビニル
アルコール、PVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体
のケン化物(エチレンビニルアルコール、EVOH)、
ポリアクリルアミド(PAM)、ポリアクリル酸(P
A)、ポリビニルアミン(PVAM)、ポリビニルピロ
リドン、ポリスチレンスルホン酸、ナイロン6やナイロ
ン66のようなポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PE
N)のようなポリエステル系樹脂などが挙げられる。こ
れらの中でも、PVAやEVOHがバリアー性の面で特
に好ましい。これらの樹脂は他のモノマーで変成された
共重合体であってもかまわないし、バリアー性を低下さ
せない範囲で他の樹脂と混合して用いてもかまわない。
【0028】EVOHについてさらに詳述する。EVO
Hはエチレンと酢酸ビニル共重合体のケン化物である
が、エチレンと酢酸ビニルのモノマーモル比はエチレン
含量20〜65モル%、好適には25〜55モル%、酢
酸ビニル成分のけん化度は95モル%以上、好適には9
8モル%以上の樹脂である。エチレン含量が20モル%
未満では、溶融成形時にゲル化しやすいため美麗なフィ
ルム等成形物が得られないばかりでなく、高湿度下での
ガスバリアー性が悪化する。一方、エチレン含量が65
モル%より高いとガスバリアー性が大きく悪化して好ま
しくない。けん化度が95モル%未満では、エチレン含
量が20モル%未満の場合と同様、溶融成形時にゲル化
しやすく、長時間にわたる安定な運転ができない。
【0029】また、EVOHのメルトインデックスは、
好適には0.5〜15g/10分である。さらに本発明
にいうEVOHは、5モル%以下の範囲の共重合モノマ
ーで変性されていてもよく、変性用モノマーとしては、
プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、高級脂肪酸
ビニルエステル、アルキルビニルエーテル、N−ビニル
ピロリドン、N−ノルマルブトキシメチルアクリルアミ
ド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキ
シシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、N−(2−
ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド類あるいはそ
の4級化物、N−ビニルイミダゾールあるいはその4級
化物等を例示することができる。
【0030】<吸湿性化合物について>本発明に使用さ
れる吸湿性化合物は、23℃における相対湿度が5%〜
100%の間で吸湿するものが好ましい。吸湿する相対
湿度の範囲は包装する中身や用いる水分感受性樹脂の種
類によって最適なものが選ばれる。例えば中身がビスケ
ットであればその水分活性は約0.35であるため、用
いる吸湿性化合物は相対湿度35%前後あるいはそれ以
上で吸湿するものがよい。中味の水分活性より極端に低
い相対湿度で吸湿し始める吸湿性化合物を使用すると、
包装する中味の水分を吸湿性化合物が奪ってしまい商品
価値を下げてしまうので好ましくない。
【0031】吸湿性化合物の選択には、上記のように包
装される中身も考慮するが、最も大切なことは、水分感
受性ガスバリアー性樹脂のガスバリアー性低下を防止す
ることである。従って、例えば、PVAのような相対湿
度60%くらいから酸素バリアー性が低下するような水
分感受性樹脂の場合は、用いる吸湿性化合物は相対湿度
60%付近あるいはそれ以下で吸湿するものが好まし
い。吸湿性化合物が吸湿し始める相対湿度が、水分感受
性樹脂が吸湿する相対湿度より極端に大きいと吸湿性化
合物が吸湿する前に水分感受性樹脂が吸湿してしまいバ
リア性が低下してしまうから好ましくない。さらに吸湿
性化合物の吸湿能力の寿命は吸湿し始める相対湿度が高
いほど長くなるため、寿命の観点からは相対湿度がなる
べく高いところで吸湿が始まるような吸湿性化合物が好
ましい。
【0032】本発明でいう吸湿性というのは、温度23
℃、相対湿度5%〜100%のある相対湿度において2
4時間放置して、吸湿性化合物100重量部に対し10
重量部以上吸湿するものを指す(吸湿率10%以上)。
吸湿率は、好ましくは50重量部以上(吸湿率50%以
上)、より好ましくは100重量部以上(吸湿率100
%以上、さらに好ましくは150重量部以上(吸湿率1
50%以上)である。
【0033】吸湿剤の具体例としては、塩化リチウム、
塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、臭化カリウムなど
のようなアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のハロ
ゲン化物、塩化亜鉛や塩化コバルトのような金属ハロゲ
ン化物、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナ
トリウムなどの金属硫酸塩化合物、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウムなどの金属炭酸塩化合物、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウムなどのリン酸金属塩化合物、酸化カ
ルシウムのような金属酸化物、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、グルコン酸ナ
トリウム、フタル酸二ナトリウム、フタル酸水素カリウ
ム、マロン酸二ナトリウム、マレイン酸二ナトリウム、
サリチル酸ナトリウム、酒石酸カリウムなどの有機酸の
アルカリ金属塩(アルカリ土類金属塩でもかまわな
い)、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、ギ酸アン
モニウム、などのアンモニウム塩、アミノ酪酸、クエン
酸、尿素、マンデル酸、リンゴ酸、グルコース、ソルビ
トール、グリシン、ベタイン、ピロガノール、レソルシ
ノール、ラクトース、スクロース(しょ糖)などの有機
化合物、さらに吸水性高分子などが挙げられる。
【0034】これら吸湿性化合物の中でも、焼却したと
きに有害物質を出す可能性がある塩素化合物を含まない
ものが好ましい。また、樹脂と吸湿性化合物を混練する
ときは通常100℃〜300℃であるためにその温度で
分解しにくいものが好ましい。さらに、有機酸のアルカ
リ金属塩は樹脂と混練しやすいためにより好ましい。ま
た、吸湿性化合物の融点は100℃以上のものが好まし
い。融点が100℃未満であると混練時に吸湿性化合物
が融解してしまい、樹脂と吸湿性化合物の間でシェアが
かかりにくくなり分散が悪くなるために好ましくない。
さらに、水に対する標準溶解エンタルピーが正のもの、
すなわち水に溶解するときに吸熱するような吸湿性化合
物が好ましい。標準溶解エンタルピーは液体及び固体の
1気圧(101325Pa)の標準状態にある純物質1
molが等温的に溶媒に溶解し、標準状態の溶液を生じ
たときの溶質1mol当たりの溶解エンタルピー(吸熱
が正)を意味する。生じた溶液が無限希釈溶液でなく、
ある濃度のときはその溶液の無限希釈エンタルピーを加
えることにより標準溶解エンタルピーが求められる。言
い換えると、十分希薄な溶液(ここでは水溶液)に1m
olの溶質(ここでは吸湿性化合物)を溶解させたとき
の発熱量あるいは吸熱量が標準溶解エンタルピーであ
る。単位はkJ/molで表され、正のときが吸熱、負
のときが発熱である。
【0035】標準溶解エンタルピーが−50kJ/mo
l未満(−50kJ/molより負に大きい場合)のも
のは、高湿度条件下に置かれたとき吸湿による発熱が大
きい。食品用の保存においては室温以下が好ましいた
め、このように吸湿による発熱が大きな吸湿性化合物を
含んだ包装材はあまり好ましくない。また、標準溶解エ
ントロピーが−50kJ/mol未満の吸湿性化合物は
湿度が低い状態(相対湿度50%未満)でも吸湿するも
のが多く、そのため吸湿性化合物の吸湿性の寿命が短く
なるといった問題もある。逆に標準溶解エンタルピーが
50kJ/molより大きいものは、相対湿度が高い
(相対湿度95%より高い湿度)雰囲気でないと吸湿し
ないため、酸素バリア性の水分依存性を防ぐという効果
が小さくなり好ましくない。また標準溶解エンタルピー
が50kJ/molより大きい吸湿性化合物は吸湿量も
低い場合が多く好ましくない。なお、本発明における標
準溶解エンタルピーは化学便覧基礎編(改訂3版 19
84年 編者 社団法人 日本化学会)のP.II−275
〜II−278記載のデータを使用した。
【0036】標準溶解エンタルピーが−50kJ/mo
l以上かつ50kJ/mol以下のものは、例えば、硫
酸アンモニウムが6.6kJ/mol、酢酸カリウムが
−15.3kJ/mol、酢酸ナトリウムが−17.3
kJ/mol、尿素が15.4kJ/mol、酒石酸カ
リウムが10.5kJ/mol、塩化ナトリウムが3.
9kJ/molである。
【0037】<水不溶性微粒子について>本発明で使用
される水不溶性微粒子とは、水に不溶性の物質の粒子全
般を示し、例えばスメクタイトのような水に膨潤する粒
子も含まれるものとする。また、本発明で使用される水
不溶性微粒子の粒径は、平均粒子径が1μm以下である
ことが好ましく、さらに好ましくは0.5μm以下、よ
り好ましくは0.1μm以下である。平均粒子径の定義
及び測定方法であるが、例えば平均粒子径1μm以下と
は、水不溶性微粒子を水中で分散した状態での粒子径
が、体積基準の累積分布の50%に相当する値(メジア
ン径)が1μm以下であることを意味する。平均粒子径
が0.1μm以上のものはレーザー散乱式粒度分布測定
装置(堀場製作所製 LA−910)、平均粒子径が
0.1μm未満のものは動的光散乱法(光子相関法)粒
度分布測定装置(シスメックス ゼータサイザー300
0)により測定する。水不溶性微粒子の平均粒子径が小
さいほど、得られる樹脂中に分散している吸湿性化合物
の平均粒子径が小さく、吸湿性化合物の凝集防止効果も
大きい。
【0038】このような水不溶性微粒子には、酸化亜
鉛、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、
酸化スズ、非晶質シリカ、硫酸バリウム、炭酸マグネシ
ウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化
アルミニウム、ホウ酸アルミ、雲母、合成雲母、スメク
タイト粘土、合成スメクタイトなどの無機化合物系微粒
子、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナのような無
機コロイド粒子、ポリスチレンエマルジョン、スチレン
ブタジエンラテックス、アクリル系共重合体エマルジョ
ン、スチレンアクリルエマルジョン、ポリエステルエマ
ルジョン、ポリエチレンエマルジョン、エチレンαオレ
フィン不飽和カルボン酸共重合体エマルジョンなどの有
機系微粒子が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や吸
湿性化合物水溶液との混和性の点で合成雲母、スメクタ
イト系粘土、合成スメクタイトなどの無機層状化合物が
好ましい。
【0039】このような無機層状化合物の一例として
は、ディッカイト、ナクライト、スメクタイト、合成ス
メクタイト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタ
イル、パイロフィライト、テトラシリリックマイカ、ナ
トリウムテニオライト、リチウムテニオライト、マーガ
ライト、バーミキュライト、ザンソフィライト、緑泥
石、等を挙げることができる。また、層状ポリ珪酸塩で
ある、カネマイト、マカタイト、アイラアイト、マカデ
ィアイト、ケニアイト等も挙げることができる。このう
ちスメクタイト粘土あるいは合成スメクタイトは特に好
ましい。スメクタイト粘土は三層構造の結晶からなって
おり、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロライ
ト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコ
ナイト、スチプンサイト、ヘクタイトなどが知られてい
る。
【0040】これらのスメクタイト粘土あるいは合成ス
メクタイトは、淡黄色あるいは白色の微粉末であり、そ
の大きさは数nm〜数μmで、水中で膨張し独特のコロ
イド構造を作る。例えば、モンモリロナイトは、二つの
シリカの間にアルミナ層がサンドイッチされた三層構造
を一単位とし、このフレークが水を介して連なってお
り、水溶液中ではフレーク間の水のため、フレークはバ
ラバラとなる。特に合成スメクタイトは粒子径が20〜
30nmとシャープな分布を示し、厚さが1nmと薄
く、吸湿性化合物の結晶化あるいは析出の核として好適
である。
【0041】本発明における水不溶性微粒子の添加量は
吸湿性化合物に対して0.1〜30%(質量%)、好適
には0.2〜20%、さらに好適には0.3〜10%で
ある。水不溶性微粒子の添加量が0.1%未満だと吸湿
性化合物の微粉化及び凝集防止の効果が少なく、30%
を超えるとその効果が頭打ちとなる。
【0042】<吸湿性化合物を混合する熱可塑性樹脂に
ついて>この吸湿性化合物と溶融混練される樹脂は熱可
塑性の樹脂であれば特に制限はない。その一例を挙げれ
ば、ポリエチレン、カルボン酸変性ポリオレフィン、ポ
リプロピレン、ポリメチルペンテン、アイオノマー、A
BS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合体)、ポリスチレン樹脂、AS樹脂(アクリロニト
リル−スチレン樹脂)、メタクリル樹脂、PVA、エチ
レンビニル酢酸共重合体、EVOH、セルロース系プラ
スチック(セルロイド、アセテート、エチルセルロース
など)、熱可塑性エラストマー、ポリアミド樹脂(ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン61
0、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12な
ど)、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフ
ェニレンエーテル、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテ
レフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレン、ポリブ
チレンナフタレートなど)、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリ
ケトン、ポリグリコール酸、ポリアミドイミド、ポリイ
ミド、酢酸ビニル重合体のケン化物(ポリビニルアルコ
ール、PVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン
化物(エチレンビニルアルコール、EVOH)、ポリア
クリルアミド(PAM)、ポリアクリル酸(PA)、ポ
リビニルアミン(PVAM)、ポリビニルピロリドン、
ポリスチレンスルホン酸、さらにはこれら樹脂のポリマ
ーアロイなどが挙げられる。これらの中でも、ポリエチ
レン、ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン
のような水蒸気を通しにくいポリオレフィン系樹脂が好
ましい。また、水分感受性バリアー層を形成する樹脂と
吸湿性化合物を溶融混練してもかまわない。
【0043】このようなポリオレフィン系樹脂の具体例
としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
ブチレン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ブチルゴム等が挙げられるが、
特に好適には、エチレン共重合体、特にエチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体が用いられる。
【0044】また、本発明における吸湿性化合物と溶融
混練される熱可塑性樹脂のメルトインデックス{温度1
90℃、荷重2160gの条件で測定した値:ただし、
融点が190℃付近あるいは190℃を越えるものは2
160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定した、片
対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、メルトインデック
スの対数を縦軸としてプロットし、190℃に外挿した
値;以下MIと記す}は、特に制限はないが、0.1〜
50g/10分が好ましく、より好適には0.5〜15
g/10分である。
【0045】<熱可塑性樹脂への吸湿性化合物の混合>
吸湿性化合物と熱可塑性樹脂の配合比は1/99〜90
/10が好ましく、より好適には3/97〜20/8
0、さらに好ましくは5/95〜30/70(吸湿性化
合物/熱可塑性樹脂 質量比)である。吸湿性化合物が
1%未満になると耐湿バリアーに対する効果がほとんど
なくなり、90%を超えると吸湿性化合物を含む熱可塑
性樹脂の成形性が悪くなるため好ましくない。また本発
明において吸湿性化合物は、望ましくは平均粒子径2μ
m以下、更に望ましくは1μm以下の粒子として熱可塑
性樹脂中に分散する。
【0046】吸湿性化合物と熱可塑性樹脂の混練方法は
樹脂を熱で可塑化し機械的シェアーで分散できる装置で
あれば特に制限はない。混練装置はバッチ式と連続式に
大きく分けられる。バッチ式には開放形と密閉形があ
り、開放形にはニーダー、密閉式にはバンバリーミキサ
ー(インテンシブミキサー)とニーダーがある。連続式
混練装置にはスクリュウ式とローター式があり、スクリ
ュウ式には単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機があ
る。ローター式には一軸連続式混練機、二軸連続式混練
機(連続インテンシブミキサー)がある。なお、押出機
の種類や混練装置は例えば「高分子・複合材料の成形加
工」(1992年、代表編著者 船津和守)のP.14
9〜P.211記載のものが使用できる。
【0047】バッチ式混練機の中ではバンバリーミキサ
ーが広く使用されている。バンバリーミキサーはFar
rel社(米)のF. H. Banburyによって発明されたバ
ッチ式混練装置の一種である。バンバリーミキサーはチ
ャンバー内において特殊な構造をもつ二つのローターで
樹脂を混練する。剪断力が中程度で局部発熱が小さいた
め長時間の混練が可能であるという長所を持つが、生産
性が低いうえ樹脂が装置内に残留しやすいという欠点を
有する。バンバリーミキサーによるバッチ式混練機にお
ける混練過程は、(1)混練装置中での樹脂の粉砕、溶
融、可塑化、(2)充填材の樹脂への練り込み、(3)
剪断作用による充填材の微視的な分散(Dispersion)、
(4)バッチ内の組成を均一化する混合(Distributio
n)、ですすむ。混練性は樹脂と分散される充填材の物
性や種類によって大きく変わるため、それぞれに応じて
ローターの形状(翼数、翼の角度や長さ)、ローターの
噛合い、ローター回転の制御、混練時間、混練温度を最
適化する。
【0048】バッチ式混練機に対してFarrel社で
開発された連続インテンシブミキサーはバンバリーミキ
サーの二軸連続タイプで、バンバリーミキサーのロータ
ーと似た形状の二本のローターの両端を固定し高速回転
で混練、分散させるものである。また、混練部分を二段
式にし、第一混練部と第二混練部の中間にベントを設け
て脱気できるようにしたものもある。高剪断力であるた
め炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタンなどと熱可塑
性樹脂の混練のような分散が剪断力依存タイプの場合に
使用される。短所としては発熱が大きいため熱可塑性樹
脂の粘度が低下して分散性が悪くなることである。ま
た、別途二軸押出機やギヤーポンプ造粒装置などが必要
となる。このような連続式混練機にはFarrel社の
FCM,日本製鋼所のCIM、神戸製鋼所のMIXTR
ONなどがある。
【0049】二軸押出機はWermer&Pfleid
ere社(独)が開発した装置で押出と混練が同時にで
きるため広く一般に使用されている。セグメント化した
バレル及びスクリュウの交換によって様々な用途に利用
できる。二軸押出機スクリュウは回転方向(同方向、異
方向)、回転速度、噛合い度(噛合い、非噛合い)、に
よって多くのタイプがあるが、混練の目的には同方向回
転で完全噛合い形としたものが一般的である。二軸押出
機はボールネジ、ニーディングディスク、ローターセグ
メントを組合せたスクリュウと分割可能なバレルから構
成される。混練はバレル内面とスクリュウ表面の間の空
間における剪断作用によるものである。二軸押出機は多
段階の材料供給や脱気などのバレル構成が自由に行える
ため様々な用途に用いられる。二軸押出機による樹脂と
充填材の混練は、あらかじめヘンシェルミキサーやタン
ブラーミキサーなどによてプレ混合された樹脂と充填材
を同時にホッパーより投入して混合、脱気、揮発性成分
を除去する方法、樹脂を最初に溶融、可塑化させてその
後サイドフィーダーにより充填材を投入させる方法、水
分を含んだ材料を混練した後脱水させる方法など組合せ
は多数ある。また、二軸押出機中で樹脂を重合したり解
重合したりグラフト化などの化学反応を伴う工程に応用
するリアクティブプロセスにも利用される。
【0050】その他の押出機にはBUSS社(独)製の
コニーダー、KCK社製のKCKや単軸押出機の先端に
CTM(Casity Transfer Mixer)を取り付けたものが
ある。CTMは半球状のキャビティを通過する際にロー
ターの回転による流れの分割と剪断による界面の増加を
くりかえし混練作用をもたらす。本発明において、吸湿
性化合物を熱可塑性樹脂に混練する場合、混練装置には
特に制限はないが、生産性の面で連続インテンシブミキ
サーあるいは二軸押出機による混練が好適である。特に
溶液注入での混練においては溶液注入や脱水の面から二
軸押出混練機が最適である。
【0051】<多層積層体の層構成について>本発明の
多層積層体の構成は、水分感受性ガスバリア性樹脂層と
吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂層を少なくとも一層ずつ
有する積層体であれば、層数や層の種類、多層成形の製
造方法には制限はない。層構成の一例を挙げると、熱可
塑性樹脂層/吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂層/水分感
受性バリアー層/吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂層/熱
可塑性樹脂層のような5層構造、熱可塑性樹脂層/吸湿
性化合物含有熱可塑性樹脂層/熱可塑性樹脂層/水分感
受性バリアー層/熱可塑性樹脂層/吸湿性化合物含有熱
可塑性樹脂層/熱可塑性樹脂層のような7層構造などが
ある。また、各層間に必要とあらば接着性樹脂層やドラ
イラミ用接着剤層があってもかまわない。層構成は非対
称であってもかまわないし、吸湿性化合物の種類や熱可
塑性樹脂の種類が異なっていてもかまわない。
【0052】多層化の方法としては、それぞれの単独フ
ィルムあるいは積層フィルム(フィルムにはアルミ箔の
ような金属基材や無機系基材も含まれる)と他の単独フ
ィルムあるいは積層フィルムをドライラミネーションや
ホットメルトラミネーション、ウェットラミネーション
などで積層する方法、押出機を用いて溶融樹脂をTダイ
から押出しながら単独フィルムあるいは積層フィルムに
圧着しながら貼り合わせる方法(押出ラミネーション、
押出コーティング)、あるいは多層押出機を用いて共押
出フィルムとする方法がある。もちろん、これら多層化
方法を組み合わせ積層化してもかまわない。さらに、ア
ルミ箔やガラス基材に本発明の積層体を張り合わせて使
用してもかまわない。多層押出機を用いて積層フィルム
を製造する場合、接着性樹脂を使用して水分感受性バリ
アー層と熱可塑性樹脂層を接着させるのが一般的であ
る。この場合、接着性樹脂に吸湿性化合物を含有させる
場合と、熱可塑性樹脂層に吸湿性化合物を含有させる場
合がある。
【0053】水分感受性バリアー層と熱可塑性樹脂層の
層間接着力が十分でない場合は、接着性樹脂層を設ける
ことが好ましい。接着性樹脂としては、実用段階でデラ
ミネーションを起こさないものであればよく、特に限定
されないが、不飽和カルボン酸又はその無水物をオレフ
ィン系重合体{例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等の
ポリオレフィン、オレフィンとこれと共重合し得る不飽
和単量体(ビニルエステル、不飽和カルボン酸エステル
等)との共重合体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エチルエステル共重合体}に
化学的に(例えば付加反応、グラフト反応により)結合
させて得られる、カルボキシル基を含有する変性オレフ
ィン系共重合体が挙げられる。具体的には、無水マレイ
ン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラ
フト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水
物マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合
体等から選ばれた1種又は2種以上の混合物が好適なも
のとして挙げられる。またこれらの接着性樹脂には他の
樹脂組成物を、層間強度を損なわない範囲で混合するこ
とも可能である。
【0054】本発明における積層体の各層の厚みには特
に制限はないが、水分感受性バリア層は1μm〜500
μm、吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂層は3μm〜50
0μm、熱可塑性樹脂は3μm〜500μmが好ましい
【0055】以上では主として吸湿性化合物含有熱可塑
性樹脂が押出成形される例を述べたが、本発明の第1〜
第3については、熱可塑性樹脂を有機溶剤または水に、
溶解、または分散した液に、吸湿性化合物を溶解または
分散させた液を塗布・乾燥することにより、吸湿性化合
物含有熱可塑性樹脂層を形成しても良い。
【0056】<その他の成分について>本発明における
積層体において、酸素バリアー性を向上させるためや水
蒸気バリアー性を向上させるために、積層体の少なくと
も一層に平板状顔料を含ませてもよい。例えば、水分感
受性バリアー層に平板状顔料があるとその曲路効果(酸
素ガスが平板状顔料を迂回するために透過距離が増大す
る効果)により酸素ガスバリアー性が向上する。また、
熱可塑性樹脂層に平板状顔料があると、曲路効果により
水蒸気バリアー性が向上し吸湿性化合物の寿命を長くす
る効果がある。
【0057】本発明で使用できる平板状顔料としては、
第1にはフィロケイ酸塩鉱物が挙げられる。フィロケイ
酸塩鉱物に属するものは板状又は薄片状で明瞭な劈開性
を有し、雲母族、パイロフィライト、タルク(滑石)、
緑泥石、セプテ緑石、蛇紋石、スチルプノメレーン、粘
土鉱物等がある。これらの中でも産出されるときの粒子
が大きく産出量が多い鉱物、例えば雲母族やタルクが好
ましい。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母
(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バ
イオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母、合成マイ
カ)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イラ
イト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母、カリ
四ケイ素雲母、ナトリウム四ケイ素雲母、ナトリウムテ
ニオライト、リチウムテニオライト等が挙げられる。組
成的にタルクに類似する合成雲母等の合成品も本発明の
平板状顔料として使用できる。カオリン等の粘土鉱物も
一般的には平板状結晶といわれているが、結晶一個をと
れば平板状の部分はあるが全体としては粒状である。し
かし、カオリンのうち、意識的に結晶層を剥離し平板に
なるように切りだしたデラミカオリン等は本発明におけ
る平板状顔料として用いることができる。また、平板状
顔料の粒子径は、防湿層の膜厚に対応したものを使用し
たほうが好ましい。その場合は、平板状顔料をボールミ
ル、サンドグラインダー、コボルミル、ジェットミル等
の粉砕機で粉砕、分級して所望の粒子径を得た後、本発
明に使用するものとする。
【0058】本発明に用いる平板状顔料の第2は、積み
重なった構造やイオンで結合した平板性の高い、いわゆ
る無機層状化合物である。無機層状化合物の具体例とし
ては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン
酸ジルコニウム系化合物)、カルコゲン化合物〔一般式
MX2で表わされるジカルコゲン化合物が例示される。
ここで、MはIV族(Ti、Zr、Hf)、V族(V、
Nb、Ta)又はVI族(Mo、W)の元素を、Xはカ
ルコゲン(S、Se、Te)を示す。〕が挙げられる。
【0059】本発明に用いる平板状顔料の第3として、
スメクタイト族、バーミキュライト族等の粘土鉱物を挙
げることができる。より具体的には、ディッカイト、ナ
クライト、スメクタイト、ハロイサイト、アンチゴライ
ト、クリソタイル、パイロフィライト、テトラシリリッ
クマイカ、ナトリウムテニオライト、マーガライト、バ
ーミキュライト、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げる
ことができる。特にスメクタイトが好ましく、スメクタ
イトにはモンモリロナイト、ハイデライト、ノントロナ
イト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソー
コナイト、スチブンサイト等を挙げることができる。
【0060】また、本発明で使用する平板状顔料の粒子
径は、水あるいは溶剤等の溶媒中で分散された状態での
平均粒子径が10nm〜100μmの範囲が好適であ
り、さらに好ましくは20nm〜50μmの範囲であ
る。平均粒子径が10nm未満であると、アスペクト比
が小さくなり、防湿性向上効果が小さい。一方100μ
mを越えると、層表面から顔料が突き出してバリアー性
の低下を招いたり、透明性が低下して外観不良となるた
め好ましくない。本発明で用いる平板状顔料の平均粒子
径の測定は、平均粒子径が0.1μm以上のものについ
ては、光散乱理論を応用したレーザー回折による粒度分
布測定装置により行う。また、平均粒子径が0.1μm
未満のものについては、動的光散乱法を用いて測定した
値である。
【0061】また、本発明で用いる平板状顔料の好まし
いアスペクト比は5以上であり、特に好ましくはアスペ
クト比が10以上である。アスペクト比は大きいほど平
板状顔料の塗工層中における層数が大きくなるため高い
防湿性能を発揮するので望ましい。アスペクト比が5未
満のものは、曲路効果が小さいために防湿性の向上効果
が低い。平板状顔料の厚みは、防湿膜の断面写真より測
定する。厚みが0.1μm以上のものは電子顕微鏡写真
より画像解析して求める。厚みが0.1μm未満のもの
は透過型電子顕微鏡写真より画像解析して求める。本発
明でいうアスペクト比は前述した平均粒子径を防湿膜の
断面写真より求めた平板状顔料の厚さで除したものであ
る。
【0062】また、本発明において酸素ガスバリアー性
を高めたり、包装内部の酸素を除去するために、多層積
層体の少なくとも一層に酸素吸収剤を含んでもよい。本
発明で得られた積層体は、フィルム(深絞袋、製袋)、
ボトル、チューブ、スタンディングパウチ、レトルト用
袋、紙容器、バッグインボックス(BIB)、樹脂袋のよ
うな重袋用フィルム袋、缶詰などのような食品、工業材
料などの包装材料やフロアーヒーティングパイプ及びそ
の構成素材の一部として使用することができる。
【0063】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれによって何ら限定を受けるもの
ではない。実施例中の「%」は、特に断りがない限り重
量基準である。
【0064】<実施例1>熱可塑性樹脂(三井化学製接
着性樹脂、商標:アドマーNF518、MI:2.4g
/10min、密度0.911g/cm3、融点120
℃)を二軸押出機((株)池貝製、型式PCM−46、
L/D41.5、10ブロック)にて回転数100rp
mで押し出しているところに、最初の混練部分(3ブロ
ック)が終わったところで、サイドフィード用バレルよ
り塩化ナトリウム(NaCl、溶解エンタルピー3.9
kJ/mol、23℃における飽和塩水溶液の湿度75
%RH、23℃90%における吸湿率300%、融点8
01℃)を20%、合成スメクタイト(コープケミカル
製、品名SWN、粒子径20〜30nm)を0.2%含
む水溶液をポンプを用いて注入した。注入量は熱可塑性
樹脂に対して塩化ナトリウムが10%になるように注入
した。注入位置直後の混練部分を過ぎたところ(6ブロ
ック)で、第二のサイドフィーダー用バレルに二軸押出
機を取付け空運転をさせた。この二軸押出機の空運転に
より水分を除去するとともに蒸発に伴う樹脂の吹き出し
を防ぐ。次の混練部分(ブロック7)を過ぎたところで
弱真空ベントにより残留している水分の一部を取り除い
た(圧力70cmHg)。さらに次の混練部分(9ブロッ
ク)を過ぎたところで第二の真空ベントにより残留して
いる水分の一部を取り除いた(圧力5cmHg)。最後の
混練部分(ブロック10)を過ぎたところで樹脂をスト
ランド状に押し出し、水中にストランドを通し冷却しペ
レタイザーでストランドをペレット状にカットした。得
られたペレットの水分は0.1%以下であった(水分は
ペレットを110℃で3時間乾燥したときの減少質量よ
り求めた)。また、得られたペレットに含まれる塩化ナ
トリウム量は9.5%であった(ペレットを550℃で
3時間加熱した残渣量より求めた)。この吸湿性化合物
含有樹脂ペレットのMIは1.5g/minであった。
この吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂とエチレンビニルア
ルコール樹脂(クラレ製、商標EPF101B、MI
1.3g/10min、密度1.19g/cm3、融点
183℃)とポリエチレン樹脂(日本ポリケム製LDP
E、商標:LC522、MI 3.8g/10min、
密度0.923g/cm3、融点111℃)の3種類の
樹脂で3種5層多層押出フィルム成形装置(池貝製、フ
ィードブロック方式)を用いてガスバリアー性積層体を
製造した。フィルム製造時の押出機の温度条件は180
℃〜220℃、回転数は吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂
が32rpm、エチレンビニルアルコール樹脂が16r
pm、ポリエチレン樹脂が79rpmとした。得られた
積層体の構成と各層の厚みは、ポリエチレン樹脂20μ
m/吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂20μm/エチレン
ビニルアルコール樹脂12μm/吸湿性化合物含有熱可
塑性樹脂20μm/ポリエチレン樹脂20μm、であっ
た。(最外層ポリエチレン樹脂、中間層吸湿性化合物含
有樹脂、最内層エチレンビニルアルコール樹脂。厚さは
フィルムの断面を作成し電子顕微鏡より求めた)。
【0065】<実施例2>吸湿性化合物を酢酸ナトリウ
ム(CH3COONa、溶解エンタルピー −17.3k
J/mol、23℃における飽和塩水溶液の湿度76%
RH、23℃90%における吸湿率342%、融点32
4℃)としたこと以外は実施例1と同様に吸湿性化合物
含有樹脂を製造した。得られたペレットの水分は0.1
%以下、MIは1.3g/10分、酢酸ナトリウムの含
有量は9.8%であったペレットを(550℃で3時間
加熱した残渣量より求めた)。この吸湿性化合物含有樹
脂を用いて実施例1と同様にガスバリアー性積層体を製
造した。得られた積層体の構成と各層の厚みは、ポリエ
チレン樹脂20μm/吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂2
0μm/エチレンビニルアルコール樹脂12μm/吸湿
性化合物含有熱可塑性樹脂20μm/ポリエチレン樹脂
20μm、であった。
【0066】<実施例3>吸湿性化合物を塩化アンモニ
ウム(NH4Cl、溶解エンタルピー 14.8kJ/m
ol、23℃における飽和塩水溶液の湿度79%RH、
23℃90%における吸湿率347%、融点340℃)
としたこと以外は実施例1と同様に吸湿性化合物含有樹
脂を製造した。得られたペレットの水分は0.1%以
下、MIは1.1g/10分、塩化アンモニウムの含有
量は9.0%であった(550℃で3時間加熱した残渣
量より求めた)。この吸湿性化合物含有樹脂を用いて実
施例1と同様にガスバリアー性積層体を製造した。得ら
れた積層体の構成と各層の厚みは、ポリエチレン樹脂2
0μm/吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂20μm/エチ
レンビニルアルコール樹脂12μm/吸湿性化合物含有
熱可塑性樹脂20μm/ポリエチレン樹脂20μm、で
あった。
【0067】<実施例4>合成スメクタイトを用いなか
ったこと以外は実施例1と同様にしてガスバリアー積層
体を製造した。得られた積層体の構成と各層の厚みは、
ポリエチレン樹脂20μm/吸湿性化合物含有熱可塑性
樹脂20μm/エチレンビニルアルコール樹脂12μm
/吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂20μm/ポリエチレ
ン樹脂20μm、であった。
【0068】<参考例1>吸湿性化合物をグリシン(H
2NCH2COOH、溶解エンタルピー 58.3kJ/
mol、23℃における飽和塩水溶液の湿度97%R
H、23℃100%における吸湿率104%、分解点2
85℃)としたこと以外は実施例1と同様に吸湿性化合
物含有樹脂を製造した。得られたペレットの水分は0.
1%以下、MIは1.1g/10分であった。グリシン
の含有量は9.5%であった。グリシンの含有量はFT
−IRによって定量分析した。この吸湿性化合物含有樹
脂を用いて実施例1と同様にガスバリアー性積層体を製
造した。得られた積層体の構成と各層の厚みは、ポリエ
チレン樹脂20μm/吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂2
0μm/エチレンビニルアルコール樹脂12μm/吸湿
性化合物含有熱可塑性樹脂20μm/ポリエチレン樹脂
20μm、であった。
【0069】<参考例2>吸湿性化合物を塩化カルシウ
ム(CaCl、溶解エンタルピー −81.3kJ/m
ol、23℃における飽和塩水溶液の湿度75%RH、
23℃90%における吸湿率300%、融点801℃)
としたこと以外は実施例1と同様に吸湿性化合物含有樹
脂を製造した。得られたペレットの水分は0.1%以
下、MIは1.1g/10分であった。塩化カルシウム
の含有量は9.5%であった(550℃で3時間加熱し
た残渣量より求めた)。この吸湿性化合物含有樹脂を用
いて実施例1と同様にガスバリアー性積層体を製造し
た。得られた積層体の構成と各層の厚みは、ポリエチレ
ン樹脂20μm/吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂20μ
m/エチレンビニルアルコール樹脂12μm/吸湿性化
合物含有熱可塑性樹脂20μm/ポリエチレン樹脂20
μm、であった。
【0070】<比較例1>熱可塑性樹脂(三井化学製接
着性樹脂、商標:アドマーNF518、MI:2.4g
/10min、密度0.911g/cm3、融点120
℃)とエチレンビニルアルコール樹脂(クラレ製、商標
EPF101B、MI1.3g/10min、密度、融
点183℃)とポリエチレン樹脂(日本ポリケム製LD
PE、商標:LC522、MI3.8g/10min、
密度0.923g/cm3、融点111℃)の3種類の
樹脂で3種5層多層押出フィルム成形装置(池貝製、フ
ィードブロック方式)を用いてガスバリアー性積層体を
製造した。フィルム製造時の押出機の温度条件は180
℃〜220℃、回転数は吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂
が32rpm、エチレンビニルアルコール樹脂が16r
pm、ポリエチレン樹脂が79rpmとした。得られた
積層体の構成と各層の厚みは、ポリエチレン樹脂20μ
m/熱可塑性樹脂20μm/エチレンビニルアルコール
樹脂12μm/熱可塑性樹脂20μm/ポリエチレン樹
脂20μm、であった。
【0071】<比較例2>塩化ナトリウムをジェット粉
砕機(セイシン企業製、形式:シングルトラックジェッ
トミル、型番:STJ−200)により乾式粉砕した。
この粉末の平均粒子径は8μmであった(レーザー回折
法によって粒子径を測定した)。この微粉化された塩化
ナトリウムを熱可塑性樹脂(三井化学製接着性樹脂、商
標:アドマーNF518、MI:2.4g/10mi
n、密度0.911、融点120℃)に対して10%に
なるように混合しヘンシェルミキサー(三井三池化工機
製、型式:FB10B、容量:9リットル)にて回転数
2480rpmで10分間攪拌、混合した。得られた塩
化ナトリウム粉体と熱可塑性樹脂ペレットの混合物を二
軸押出機((株)池貝製、型式PCM−46、L/D4
1.5、10ブロック)を用いて回転数100rpmで
混練した。二軸押出機のサイドフィーダー部分やベント
部分は密閉した状態で混練した。得られたストランドは
実施例1と同様にペレット化し吸湿性化合物含有熱可塑
性樹脂とした。得られたペレットの水分は0.1%以下
であった。この吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂のペレッ
トを用いて実施例1と同様にしてガスバリアー積層体を
製造した。得られた積層体の構成と各層の厚みは、ポリ
エチレン樹脂20μm/吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂
20μm/エチレンビニルアルコール樹脂12μm/吸
湿性化合物含有熱可塑性樹脂20μm/ポリエチレン樹
脂20μm、であった。
【0072】<比較例3>合成スメクタイトの代わりに
粒子径3μmの炭酸カルシウムを用いたこと以外は実施
例1と同様にガスバリア性積層体を製造した。
【0073】実施例、及び参考例、比較例で得たガスバ
リア性積層体を、下記に示す試験方法に基づいて評価を
行い、その評価結果を表1に示した。
【0074】<試験方法> 1.酸素透過度 Modern Control社製のMOCON OXT
RAN 100型を用いて酸素透過度を測定した。湿度
条件は23℃100%RHで測定した。酸素透過度は測
定開始してから、1日後、10日後、40日後と時間を
おって測定した。 2.積層体の外観 積層体の外観は目視で凝集物がはっきりと分かる場合を
×、凝集物を確認できない場合を○とした。 3.吸湿性化合物の粒子径 吸湿性化合物を含むガスバリア性積層体をウルトラミク
ロトーム(LKB−2128、LKB社製)を用い、ダ
イヤモンドナイフでカットし吸湿性化合物を含む熱可塑
性樹脂層の断面を得た。得られた断面を電子顕微鏡(日
本電子製 S−510)観察と形状測定器(セイシン企
業製、ジュリエット イメージ アナライザー)により粒
子径を求めた。粒子径は円相当径を粒子径とした。ただ
し、100μm以上の大きな凝集物は粒子径測定より除
外して計算した。また、吸湿性化合物含有樹脂ペレット
についても同様の測定を行った。その結果、ペレットと
それを押出成形したフィルム層で、その値は同じであり
変化がなかった。また、実施例1,2のフィルム中、ペ
レット中における吸湿性化合物粒子の中には、スメクタ
イトの微粒子が透過型電子顕微鏡により観測された。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】本発明によって、優れたガスバリアー性
及び優れた透明性、外観を有し、湿度によりガスバリア
ー性が低下しないガスバリアー性多層積層体を提供する
ことが可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 3/20 CEX C08J 3/20 CEXZ C08K 5/00 C08K 5/00 7/00 7/00 C08L 101/00 C08L 101/00 // B29K 29:00 B29K 29:00 505:00 505:00 B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F070 AA13 AA26 AA28 AA29 AA47 AA54 AB01 AB09 AC16 AC17 AC18 AC27 AC42 AC46 AD01 AE01 AE04 AE30 FA03 FA12 FB05 FB06 FB08 FC06 4F100 AA01B AH08B AK01A AK01B AK21A AK41A AK46A AK69A BA02 CA13A CA13B CA23B CA30B DE01B DE02B EH172 GB15 GB23 JB05A JB11B JB16B JD02 JD02A JD15A JD15B JN01 YY00B 4F201 AA19 AA24 AA29 AB12 AB16 AE05 AG01 AG03 AH54 AL17 AM28 BA01 BA02 BC01 BC13 BC19 BC37 BD05 BK02 BK13 BK26 BK36 BK70 BK75 BL09 BL43 BN18 BN36 BN39 BN50 BQ04 BQ50 4F207 AA19 AA24 AA29 AB12 AB16 AE05 AG01 AG03 AH54 AL17 AM28 KA01 KA17 KB26 KK81 KL91 4J002 AC082 BB032 BB062 BC022 BC052 BC121 BE021 BE031 BG011 BG131 BJ001 CF001 CF002 CF061 CF081 CL001 CL011 CL031 DD057 DD067 DD077 DD087 DE078 DE098 DE108 DE138 DE148 DE227 DE248 DG047 DG048 DH047 DJ006 DJ008 DJ018 DJ038 DJ048 DJ058 DK008 EG027 EG057 EG107 EJ017 EN027 EN137 ET017 FA016 FA082 FA087 FA088 FD096 FD207 FD208 GF00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分感受性ガスバリアー性樹脂層と吸湿
    性化合物を含有する熱可塑性樹脂層とを有するガスバリ
    アー性積層体において、該吸湿性化合物が平均粒子径2
    μm以下の粒子として樹脂層中に分散していることを特
    徴とする、ガスバリアー性多層積層体。
  2. 【請求項2】 水分感受性ガスバリアー性樹脂層と吸湿
    性化合物を含有する熱可塑性樹脂層とを有するガスバリ
    アー性積層体において、該熱可塑性樹脂層中に、吸湿性
    化合物及び水不溶性微粒子を含有することを特徴とす
    る、ガスバリアー性多層積層体。
  3. 【請求項3】 吸湿性化合物が平均粒子径2μm以下の
    粒子を形成し、該粒子中に、平均粒子径1μm以下の前
    記水不溶性微粒子が存在することを特徴とする、請求項
    2に記載のガスバリアー性多層積層体。
  4. 【請求項4】 前記水不溶性微粒子が無機層状化合物で
    あることを特徴とする、請求項2〜請求項3のいずれか
    に記載のガスバリアー性多層積層体。
  5. 【請求項5】 前記吸湿性化合物が、水に対する標準溶
    解エンタルピーが−50kJ/mol以上50kJ/m
    ol以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項4
    のいずれかに記載のガスバリアー性多層積層体。
  6. 【請求項6】 前記吸湿性化合物が有機酸の金属塩であ
    ることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに
    記載のガスバリアー性多層積層体。
  7. 【請求項7】 前記水分感受性ガスバリアー樹脂が、ポ
    リビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体け
    ん化物、ポリアミド系樹脂、ポリエステルから選ばれた
    少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1〜請
    求項6のいずれかに記載のガスバリアー性多層積層体。
  8. 【請求項8】 ガスバリアー性多層積層体の少なくとも
    一層に平板状顔料が含まれることを特徴とする、請求項
    1〜請求項7のいずれかに記載のガスバリアー性多層積
    層体。
  9. 【請求項9】 混練機中において、可塑化された熱可塑
    性樹脂に、吸湿性化合物を含有する水溶液を水分を蒸発
    させながら混練させることにより、該樹脂中で吸湿性化
    合物を粒子として分散させることを特徴とする、吸湿性
    化合物含有熱可塑性樹脂の製造方法。
  10. 【請求項10】 混練機中において、可塑化された熱可
    塑性樹脂に、吸湿性化合物の水溶液に水不溶性微粒子を
    分散させた水性液を水分を蒸発させながら混練させるこ
    とにより、該樹脂中で吸湿性化合物を粒子として分散さ
    せることを特徴とする、吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 水分感受性ガスバリアー性樹脂層と請
    求項9に記載の吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂を押出成
    形して得られる樹脂層とを有することを特徴とする、ガ
    スバリアー性多層積層体。
  12. 【請求項12】 水分感受性ガスバリアー性樹脂層と請
    求項10に記載の吸湿性化合物含有熱可塑性樹脂を押出
    成形して得られる樹脂層とを有することを特徴とする、
    ガスバリアー性多層積層体。
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