JP2703100B2 - 油圧式掘削バケツト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は，内部にコンクリートを打設して基礎杭を造
る場所打杭施工ボーリングマシンに適用される油圧式掘
削バケツトに関するものである。

（従来の技術） 従来の掘削バケツトを第６図により説明すると，掘削
バケツト本体（51）の上端部に吊上装置（53）が取付け
られ，同吊上装置（53）に掛金爪（52）が設けられ，上
記掘削バケツト本体（51）内上部に軸（54）を介して上
方シーブ（55）が回転可能に取付けられ，上記掘削バケ
ツト本体（51）内下部にスライド筒（56）が昇降可能に
取付けられ，同スライド筒（56）に軸（57）を介して下
方シーブ（58）が回転可能に取付けられ，上記軸（54）
を回転可能に支持する支持部材と上記スライド筒（56）
との間にばね（59）が介装され，クレーンワイヤ（67）
にスイベルジヨイント（66）を介してチエーン（64）が
取付けられ，同チエーン（64）の下端部と上記ワイヤロ
ープ（60）の上端部との間にピン（63）をもつ掛金（6
2）が介装され，上記掘削バケツト本体（51）の下端両
脚部にピン（68）を介してシエル（70）が開閉可能に取
付けられ，同各シエル（70）にアーム部（69）が設けら
れ，上記掘削バケツト本体（51）の下端中央部と上記各
シエル（70）のアーム部（69）とがピン（71）（71）と
連結棒（72）とを介して連結され，上記掘削バケツト本
体（51）内上部にピン（73）を介してワイヤロープ（6
0）が取付けられている。

前記第６図に示す掘削バケツトでは，掘削バケツト本
体（51）の落下エネルギーによりシエル（70）を土中に
貫入させ，吊上装置（53）のワイヤ力とばね反力とによ
りシエル（70）を開閉させて，土砂の掘削，排土を行う
ようになっている。

（発明が解決しようとする課題） 前記第６図に示す従来の掘削バケツトでは，構造が簡
単，操作が容易等の利点がある反面，掘削バケツト本体
（51）の落下エネルギーによりシエル（70）を土中に貫
入させるので，振動，騒音が発生して，公害問題になっ
ている。

本発明は前記の問題点に鑑み提案するものであり，そ
の目的とする処は，掘削時に発生していた振動，騒音を
抑制できる掘削バケツトを提供しようとする点にある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために，本発明は，ケーシング
を揺動或いは回転させて，これを地中に貫入させる一
方，掘削バケツト本体を落下させ，この落下エネルギー
により同掘削バケツト本体下端部に取付けたシエルを土
中に貫入させ，吊上装置のワイヤ力とばね反力とにより
シエルを開閉させて，土砂の掘削，排土を行う掘削バケ
ツトにおいて，前記ケーシングの内周面に接触して回転
するローラと，同ローラの回転により駆動される油圧ポ
ンプと，同油圧ポンプからの圧油を貯えるアキユムレー
タと，同アキユムレータからの圧油により上記シエルを
開閉方向に回転させるシエル開閉駆動装置とを掘削バケ
ツト本体に設けている。

（作用） 本発明の油圧式掘削バケツトは前記のように構成され
ており，掘削バケツト本体の落下時，ケーシングに接触
する回転ローラを回転させ，油圧ポンプを駆動して，同
ポンプからの圧油をアキユムレータに貯え，掘削バケツ
ト本体のシエルが接地したときに，アキユムレータ内の
圧油をシエル開閉駆動装置へ送り，シエルを閉方向に作
動させて，土砂の掘削，掬い込みを行う。また掘削バケ
ツトを排土可能な高さ位置まで引き上げたときに，アキ
ユムレータ内の油圧をシエル開閉駆動装置へ送り，シエ
ルを開方向に作動させて，排土を行う。

（実施例） 次に本発明の油圧駆動式掘削バケツトを第１図乃至第
５図に示す一実施例により説明すると、第1,2,3図に示
すように，上部本体（１）と下部本体（２）とが上下方
向に伸縮可能に組み付けられ，上部本体（１）には，一
対（複数対でも可）の片持支持アーム（３）の一端部が
ピンにより枢支され，同各片持支持アーム（３）の間に
は，ばね（４）が介装されている。

また同各片持支持アーム（３）の先端部には，油圧ポ
ンプ（５）と回転ローラ（６）とが回転可能に取付けら
れている。

またロツキング装置の押さえ板（７）と下部本体
（２）の上部側面とがリンク（８）（９）と枢支ピン
（10）とにより連結され，油圧シリンダ（シエル開閉駆
動装置）（11）の上端部が上記リンク（９）にピン（1
2）を介して枢支され，同油圧シリンダ（11）のピスト
ンロツドの下端部が上記下部本体（２）の下端部にピン
（12）を介して枢支されている。

また上記上部本体（１）内にスライド筒（14）が昇降
可能に取付けられ、同スライド筒（14）と上部本体
（１）との間にばね（13）が介装され，上記下部本体
（２）の下端部にピン（15）を介してシエル（16）が開
閉可能に取付けられ，同シエル（16）にアーム（17）が
設けられ，同アーム（17）と上記スライド筒（14）とが
連結棒（18）により連結され，上記上部本体（１）の下
端部に環状突出部（19）が設けられ，上記上部本体
（１）の上端部に吊上装置（28）が設けられ，クレーン
ワイヤ（40）とスイベルジヨイント（39）と上記吊上装
置（28）を通るチエーン（37）とが各ピン（38）により
連結され，同チエーン（37）の下端部には，ピン（36）
を介して掛金（30）とチエーン（31）と操作棒（33）
（41）は同操作棒（33）の大径部）とばね（34）とがそ
の順に連結され，ばね（34）の下端部が上記上部本体
（１）に取付けられている。

また上記操作棒（33）の大径部（41）には，第４図に
示すように，切換弁（26）の切換レバー（35）が接触し
ている。

また上記上部本体（１）の内部には，第５図に示す油
圧回路が配設されている。この油圧回路は，油圧ポンプ
（５）と，油圧シリンダ（11）（11）（第1,2,3図参
照）と，タンク（21）と，サクシヨンフイルタ（22）
と，チエツク弁（23）と，リリーフ弁（24）と，アキユ
ムレータ（25）と，切換弁（26）と，リリーフ弁（27）
とを有している。

次に前記第１図乃至第５図に示す油圧式掘削バケツト
の作用を具体的に説明する。

ケーシングを揺動或いは回転させて，これを地中に貫
入させる一方，掘削バケツト本体（１）（２）を落下さ
せ，この落下エネルギーによりシエル（16）を土中に貫
入させ，吊上装置（28）のワイヤ力とばね反力とにより
シエル（16）を開閉させて，土砂の掘削，排土を行う
が，掘削バケツト本体（１）（２）の落下時，ケーシン
グの内周面に接触している回転ローラ（６）を回転さ
せ，この回転を油圧ポンプ（５）に伝えて，同油圧ポン
プ（５）を駆動し，同油圧ポンプ（５）から吐出される
圧油をアキユムレータ（25）へ送って，掘削バケツト本
体（１）（２）の落下エネルギーを同アキユムレータ
（25）に貯えておく。

そして掘削バケツト本体（１）（２）が掘削面に落下
すると，掛金爪（29）により保持されている吊上装置
（28）のチエーン（30）を掛金爪（29）から外し，大径
部（41）を有する操作棒（33）をばね（34）より上昇さ
せ，切換レバー（35）を介して切換弁（26）を切り換え
て，アキユムレータ（25）に貯えて置いた圧油を油圧シ
リンダ（11）へ送り，同油圧シリンダ（11）を伸長方向
に作動させる。

このとき，シエル（16）は接地しており，油圧シリン
ダ（11）の伸長方向への作動は，リンク（８）（９）に
より支持されている押さえ板（７）を半径方向外方へ移
動させることになり，同押さえ板（７）をケーシングの
内周面に押し付け，それからの油圧シリンダ（11）の伸
長方向への作動は，下部本体（２）を下方に移動させ，
この動きをシエル（16）と連結棒（18）とを介してスラ
イド筒（14）に伝えて，同スライド筒（14）を下降さ
せ，このスライド筒（14）の外周面に設けた環状段差部
を上部本体（１）の下端部に設けた環状突出部（19）に
当接させ（第２図参照），それからは，シエル（16）を
ピン（15）を中心に閉方向に回転させて，シエル（16）
による土砂の掘削，掬い込みを行う。

次いで吊上装置（28）のワイヤを巻き上げて，上部本
体（１）を引き上げ，リンク（８）をブラケツト（20）
に当てて，押さえ板（７）によるグリツプを解除すると
ともに（第３図参照），切換弁（26）を中立位置に戻
し，掘削バケツト本体（１）（２）を排土可能な高さ位
置まで引き上げて，吊上装置（28）を掛金爪（クラウ
ン）（29）に引っ掛け，再び吊りワイヤを緩め，切換弁
（26）を反対ポートに切り換え，油圧シリンダ（11）を
縮み方向に作動して，上部本体（１）とスライド筒（1
4）との間に介装したばね（13）によりシエル（16）を
ピン（15）を中心に開方向に回転させて，排土を行う。

（発明の効果） 本発明の掘削バケツトは前記のように掘削バケツト本
体の落下時，ケーシングに接触する回転ローラを回転さ
せ，油圧ポンプを駆動して，同ポンプからの圧油をアキ
ユムレータに貯え，掘削バケツト本体のシエルが接地し
たときに，アキユムレータ内の圧油をシエル開閉駆動装
置へ送り，シエルを閉方向に作動させて，土砂の掘削，
掬い込みを行う。また掘削バケツトを排土可能な高さ位
置まで引き上げたときに，アキユムレータ内の圧油をシ
エル開閉駆動装置へ送り，シエルを開方向に作動させ
て，排土を行うので，掘削バケツト本体の落下エネルギ
ーをシエルの開閉に変換，利用できて，掘削時に発生し
ていた振動，騒音を抑制できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係わる掘削バケツトの一実施例のケー
シング挿入前の状態を示す縦断側面図，第２図はケーシ
ング挿入後の状態を示す縦断側面図，第３図はシエルに
よる土砂の掘削，掬い込み完了状態を示す縦断側面図，
第４図（Ｉ）乃至（IV）は切換弁の作用説明図，第５図
は油圧ポンプの油圧回路図，第６図は従来の掘削バケツ
トを示す縦断側面図である。 （１）（２）……掘削バケツト本体，（５）……油圧ポ
ンプ，（６）……回転ローラ，（11）……シエル開閉駆
動装置，（16）……シエル，（25）……アキユムレー
タ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーシングを揺動或いは回転させて，これ
   を地中に貫入させる一方，掘削バケツト本体を落下さ
   せ，この落下エネルギーにより同掘削バケツト本体下端
   部に取付けたシエルを土中に貫入させ，吊上装置のワイ
   ヤ力とばね反力とによりシエルを開閉させて，土砂の掘
   削，排土を行う掘削バケツトにおいて，前記ケーシング
   の内周面に接触して回転するローラと，同ローラの回転
   により駆動される油圧ポンプと，同油圧ポンプからの圧
   油を貯えるアキユムレータと，同アキユムレータからの
   圧油により上記シエルを開閉方向に回転させるシエル開
   閉駆動装置とを掘削バケツト本体に設けたことを特徴と
   する油圧式掘削バケツト。