JP2702531B2 - ラグ付空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

ラグ付空気入りタイヤの製造方法

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JP2702531B2 JP63329477A JP32947788A JP2702531B2 JP 2702531 B2 JP2702531 B2 JP 2702531B2 JP 63329477 A JP63329477 A JP 63329477A JP 32947788 A JP32947788 A JP 32947788A JP 2702531 B2 JP2702531 B2 JP 2702531B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は農業機械用空気入りハイラグタイヤのように
トレッド部にラグ部を形成したラグ付空気入りタイヤの
製造方法に関するものである。
(従来技術) 従来、農業機械用ラグ付空気入りタイヤの製造方法と
して、左右一対のビード部にゴム引きコード層をわたし
て形成したカーカスよりなるグリーンタイヤを加硫用金
型内に装入し、それを、ブラダーを用いて全体としてト
ロイダル形状に成型するとともに、金型キャビティ内
に、ラグ等の形成に寄与するゴムを充満させて、加熱加
圧をもってそれらを加硫成型することが既知である。し
かし、このようにブラダーを用いてハイラグ付き空気入
りタイヤを加硫成型する場合にはトレッド表面に大きな
ラグを有するためタイヤ内面が波形または凹凸形状にな
り、タイヤの性能低下その他種々の問題がある。
他の製造方法として、特公昭63−53025号公報に記載
されているように、タイヤ加硫成型時にブラダーを用い
ずに、製造すべきラグ付空気入りタイヤの形を有するキ
ャビティが上型要素、下型要素および中子型要素の少な
くとも3個の合致し得る型部分で構成される型締め可能
な加硫成形型を用い、グリーンタイヤを分散可能の金属
製中子型要素にセットし、この金属製中子型要素を型部
分のキャビティ内に装入したとき、タイヤ幅より広幅の
ラグをタイヤサイドウォールよりタイヤ軸方向外方に突
出して形成するためのキャビティ部を形成し、その後、
ラグおよびサイドウォールの体積に相当する容量のゴム
をキャビティに充填し、型締め状態のままで加硫成形す
る中子製法が既知である。この方法によれば、加硫成型
時にタイヤの内面形状が中子型要素によって物理的に確
保されてタイヤ内面が波形または凹凸形状になるのを防
止することができる。
しかし、上述した中子型要素を具える加硫成型用金型
を用いて加硫成型する中子製法では、ラグおよびサイド
ウォール外側部分に相当する体積の未加硫ゴムを上型要
素の型締めにより、あるいはインジェクションによりキ
ャビティ内に流動充満させる際に、中子型要素上にセッ
トされているグリーンタイヤのカーカス1が第2図に示
すように、左右一対のビードコア2の周りに取付けられ
ているゴム引きコード層3だけで形成されている場合に
は、コード層3のコード4が未加硫ゴムの流動抵抗によ
って乱され、タイヤ径外方に膨出するという不具合が生
じることがある。
このような問題に対する対策としては、上記公報に
は、第3図に示すように、カーカス1の、未加硫ゴムを
コーティングしたゴム引きコード層3とビードコア2と
を組み立てて成型したグリーンタイヤ20の外周に未加硫
または半加硫のゴムのみからなるゴムシート5を設ける
ことによって加硫成形に際して生じる上述した流動抵抗
によるコード4の乱れを防止することが開示されてい
る。
(従来技術の問題点) しかし本発明者らの検討によれば、上記公報による方
法ではゴムシート5のグリーンタイヤ20への装着は工数
の多大な増加と、ゴムシート5とゴム引きコード層3の
間の接着の際のエア入り等の問題があり、コード乱れ防
止にある程度の効果はあるものの、実際の空気入りタイ
ヤとしては好ましくないことがわかった。
又、ゴムシート5を用いない方法について検討したと
ころグリーンタイヤのトロイド状への変形量等をコント
ロールすることでコード4の乱れは耐久上大きな問題は
なく、コード4がタイヤ径外方に膨出することもおこら
ず、それよりも別の問題として、羽根状ラグの付根部分
その他の、未加硫ゴムの流動抵抗の大きい部分で、第4
図に示すように、コード層3のゴム6が加硫成形後のタ
イヤのサイドウォール表面7に露出することがあるとい
う事実を確かめた。
一般に、タイヤカーカスを構成するゴム引きコード層
の被覆ゴム6はコードとの接着性が重要視され、耐候性
がないため、この接着性ゴム6がタイヤ表面に露出する
結果として長期使用後に露出部分からオゾンクラック等
の亀裂が生じ、タイヤの寿命が著しく低下するという問
題がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、加硫成形時の未加硫ゴムの流動抵抗によっ
てタイヤ表面部に必然的に露出するゴム引きコード層の
ゴムへのオゾンクラック等の亀裂の発生を防止し、さら
に生産性の向上と、エア入りの問題をなくすラグ付き空
気入りタイヤの製造方法を提供しようとするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上型要素、下型要素および分割可能の中子
型要素を具えて、製造すべきラグ付空気入りタイヤの外
形を有するキャビティを画成する金型を用い、グリーン
タイヤを中子型要素上にセットしてキャビティ内に装入
し、型締め状態において製造すべきラグ付タイヤのラグ
およびサイドウォール部に相当する体積のトレッドゴム
をキャビティ内に充填し、加硫成型してラグ付空気入り
タイヤを製造する方法において、第1および8図に示す
ようにカーカス1のコード4の列に未加硫の接着性ゴム
6を被覆した後、それの、前記トレッドゴムに接する側
面側にさらに未加硫耐候性ゴム8を被覆して、多層ゴム
引きコード層9を形成し、この多層ゴム引きコード層9
とビードコア2とを組み立て成型してグリーンタイヤを
形成することを特徴とする。
上述したように、本発明は接着性ゴム6をコード4に
被覆した従来のゴム引きコード層3の外側に未加硫の耐
候性ゴム8を積層被覆して多層構造のゴム引きコード層
9を形成している。耐候性ゴムとしてトレッドおよびサ
イドウォールに通常用いられる天然ゴム、各種のSBR、B
Rに老化防止材、酸化防止材を配合した耐疲労性、耐摩
耗性に優れたゴムが用いられる。
又、さらに好ましくは多層ゴム引きコード層を形成し
た後にこのコード層を裁断して、その後グリーンタイヤ
を組み立てて成型することが生産性上好ましい。
(作 用) 本発明によれば、グリーンタイヤのカーカスのゴム引
きコード層の外層として耐候性ゴム層が積層されている
ので、中子製法による加硫成形に際しての、未加硫ゴム
の流動抵抗によるコード層のコード乱れの発生をその耐
候性ゴム層にて抑制するとともに、コード乱れが必然的
に発生してカーカスのゴムがサイドウォール表面に露出
したとしても、露出したカーカス被覆ゴムが耐候性を有
することにより、長期の使用によってもクラック、亀裂
が生ぜず、露出したゴムの老化による寿命の低下を防止
することができる。
しかもここでは、耐候性ゴム層を、カーカスプライコ
ードへの未加硫接着性ゴムの被覆に続けて予め被覆形成
することで、その耐候性ゴム層の形成のための、他の工
程から完全に分離独立させた積層工程が不要となり、ま
た、上記の両ゴムを、全体にわたって確実に、かつ緊密
に密着させることができるので、耐候性ゴムの積層効率
を大きく向上させ、併せて、両ゴム間へのエアの封じ込
めのおそれを十分に取り除くことができる。
(実施例) 本発明の一実施例を図面につき説明する。
第5図は本発明の実施に用いられるタイヤ製造用金型
の一例を示し、図示の金型は上型要素10、下型要素11お
よび分割可能の中子型要素12の3個の合致し得る型部分
で構成されており、下型要素11が固定され、これに相対
的に上型要素10および中子型要素12が昇降自在とされ、
かつ、上下型要素10,11は型締めと型開きが可能とされ
ている。
そして、型合わせされたとき、製造すべきラグ付空気
入りタイヤの外形を有するキャビティ13が型要素10,11
および12により画成され、サイドウォール部分からトレ
ッド部分にわたってタイヤ幅方向に大きく突出された羽
根状のラグ成形部14が上下型要素10,11に円周方向に所
定間隔おきに形成されている。分割可能の割型の中子型
要素12は環状リム15に取り付けられたシリンダ装置(図
示せず)により昇降自在とされ、環状リム15にボルト16
を介して第1型17が取付けられ、第1型17に第2型18が
摺動自在に取付けられている。第1型17と第2型18とが
型合わせされた際、トロイダル形状のタイヤ本体の内面
形状を有するキャビティ面が画成される。
中子型要素12は製造すべきタイヤのトレッドゲージ、
サイドゲージの一部外面厚さを差し引いた外形状寸法を
有し、この差し引いたゲージ分はキャビティ13に充填さ
れるゴムの一部によって補充されることになる。
中子型要素12にグリーンタイヤ20をタイヤ装着機を介
して装着した後、中子型要素12は図示のように下型要素
11上に装着される。
かように、下型要素11に装着した後、上型要素10を下
降して金型を閉じることによりタイヤ幅より幅広のラグ
をタイヤサイドウォールよりタイヤ幅方向外方に突出し
て形成するためのキャビティ部がキャビティ13内に形成
される。
次に、ラグおよびサイドウォール外側部分に相当する
体積の未加硫ゴムをキャビティ13内にゴム注入口21から
インジェクションにより充填してグリーンタイヤ20と接
着一体化させ、加熱加硫することによって第6図に示す
ようにラグ23を有する所定のタイヤ22(第7図参照)が
完成される。
本発明による多層ゴム引きコード層9は第8図に示す
ようにコード4にコードとの接着性のよいゴム6を0.1
〜0.7mmの厚さで被覆した後、それのキャビティへのイ
ンジェクションゴムに接する一側面側に、厚さ0.3〜1.5
mmの耐候性ゴム8を積層被覆して形成され、この多層ゴ
ム引きコード層9をカーカスプライとして適宜の長さに
裁断し、円筒状フォーマー上で既知の方法により第1図
に示すようにビードコア7等とあわせて組み立て成型し
てグリーンタイヤ20を成型する。耐候性被覆ゴムの配合
例を第1表に示す。
実施例1 タイヤサイズ250−20の田植機用タイヤにおいてグリ
ーンタイヤのカーカスには厚さ0.19mmのコード接着性被
覆ゴムをコード列に被覆した後、その外側に厚さ0.8mm
の、第1表の右欄に示す耐候性ゴムに、酸化防止材とし
て商品名サントフレ×13(N−1.3ジメチル−ブチル−
エヌ−フェニル−ピーフェニレンジアミン)を添加した
耐候性被覆ゴムを積層被覆した多層ゴム引きコード層を
用いた。
上記の本発明によるタイヤの耐候性テスト(オゾン暴
露100ppm、40℃、3時間および9時間)の結果を従来例
のものと比較して第2表に示す。また加硫後のタイヤ内
へのエア入り及びグリーンタイヤ成型時のコストも同様
に示す。
尚、従来例1は通常のコード接着性ゴムをコードに被
覆したのみのもの、従来例2は特公昭63−53025号公報
に基づくゴムのみよりなるゴムシートを用いたものであ
る。
(発明の効果) 本発明によれば、中子製法による加硫成型に際して流
動抵抗によりグリーンタイヤのカーカスの被覆ゴムがタ
イヤ表面に露出しても、露出された耐候性ゴムが、トレ
ッドおよびタイヤサイドウォールと同様に耐候性を有す
ることにより、露出ゴムの劣化によるクラックおよび亀
裂の発生がなく、タイヤ寿命の低下を防止することがで
き、さらに、タイヤの積層ゴム間へのエア入りを十分に
防止してタイヤコストの有効なる低減を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明によるグリーンタイヤのカーカスの概略
断面図、 第2および3図は従来のグリーンタイヤのカーカスの概
略断面図、 第4図は従来の第3図に示すグリーンタイヤを用いて製
造されたタイヤのサイドウォール部分の拡大断面図、 第5および6図はタイヤ製造用金型の一部の概略断面
図、 第7図は本発明により製造されたタイヤの部分断面図、 第8図は本発明による多層ゴム引きコード層の形成工程
説明図である。 1……カーカス 2……ビードコア 3……ゴム引きコード層 4……コード 6……未加硫接着性ゴム 8……未加硫耐候性ゴム 9……多層ゴム引きコード層 10……上型要素 11……下型要素 12……中子型要素 13……キャビティ 20……グリーンタイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:24 B29L 9:00 30:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上型要素、下型要素および分割可能の中子
    型要素を具えて、製造すべきラグ付空気入りタイヤの外
    形を有するキャビティを画成する金型を用い、グリーン
    タイヤを中子型要素上にセットしてキャビティ内に装入
    し、型締め状態において製造すべきラグ付タイヤのラグ
    およびサイドウォール部に相当する体積のトレッドゴム
    をキャビティ内に充填し、加硫成型してラグ付空気入り
    タイヤを製造する方法において、 カーカスのコード列に未加硫接着性ゴムを被覆し、さら
    に、前記トレッドゴムに接する側面側を未加硫耐候性ゴ
    ムで被覆して多層ゴム引きコード層を形成し、この多層
    ゴム引きコード層とビードコアとを組み立て成型してグ
    リーンタイヤを形成することを特徴とするラグ付空気入
    りタイヤの製造方法。
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JPS5919142A (ja) * 1982-06-18 1984-01-31 ザ・グツドイア−・タイヤ・アンド・ラバ−・コンパニ− タイヤのコード織布の処理方法
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