JP2701833B2 - ウレタン化ポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

ウレタン化ポリシロキサンの製造方法

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JP2701833B2
JP2701833B2 JP8282859A JP28285996A JP2701833B2 JP 2701833 B2 JP2701833 B2 JP 2701833B2 JP 8282859 A JP8282859 A JP 8282859A JP 28285996 A JP28285996 A JP 28285996A JP 2701833 B2 JP2701833 B2 JP 2701833B2
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祐一 江利山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウレタン化ポリシ
ロキサンの製造方法に関し、さらに詳細には耐熱性、耐
加水分解性、電気絶縁性、透明性などに優れ、塗料、耐
熱保護膜、電気絶縁保護膜、耐水保護膜、接着剤、光フ
ァイバーコーティング剤、界面活性剤、離型剤などに有
用なウレタン化ポリシロキサンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ウレタン化ポリシロキサンの製造
方法としては、例えば特開昭62−50319号公報に
おいて、(A)オルガノ官能性アルコキシシラン(以下
「シランカップラー」という)と少なくとも3つのイソ
シアネート基を有するイソシアネート類との反応生成物
であるイソシアネートシラン化合物、(B)ポリオール
類および(C)ポリイソシアネート化合物を反応させる
方法が開示されている。
【0003】しかしながら、これらの従来の方法におい
て、シランカップラーのケイ素原子上のアルコキシ基の
加水分解生成物である水、アルコールなどは、ウレタン
化においてイソシアネート基と反応し、イソシアネート
基を不活性化する。このため、従来の方法において、高
品質で高分子量のウレタン化ポリシロキサンを製造する
には、シランカップラーおよびイソシアネートアルコキ
シシラン化合物を厳密に精製する工程が必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を背景になされたもので、水、アルコールな
どの副生をなくし、イソシアネート基の不活性化を防止
することによって、耐熱性、耐加水分解性、電気絶縁
性、透明性などに優れ、塗料、耐熱保護膜、電気絶縁保
護膜、耐水保護膜、接着剤、光ファイバーコーティング
剤、界面活性剤、離型剤などに有用なウレタン化ポリシ
ロキサンを効率的に製造する方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)分子中
にシラノール基を有するポリシロキサン(以下、単に
「(A)ポリシロキサン」という)、(B)下記一般式
(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 およびR2 は同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基、またはアミノ基、で表され
る環状シラン化合物(以下、単に「(B)環状シラン化
合物」という)、(C)ポリイソシアネート化合物、お
よび(D)下記一般式(II) (式中、Yは水酸基、メルカプト基、または第1級もし
くは第2級のアミノ基、R4 は2価の有機基、R5 は水
素原子またはアルキル基を示す)で表される化合物(以
下、単に「(D)(メタ)アクリル系化合物」という)
を反応させるウレタン化ポリシロキサンの製造方法を提
供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、(A)ポリシロ
キサンは、1分子中に加水分解および縮重合反応により
シロキサン結合を形成する加水分解性基を2個以上有す
る有機ケイ素化合物を加水分解および縮重合することに
よって製造することができる。この(A)ポリシロキサ
ンとしては、例えばポリジメチルシリコーン、ポリジフ
ェニルシリコーン、ポリメチルフェニルシリコーン、ポ
リメチルヒドリドシリコーン、ポリフェニルヒドリドシ
リコーンなどの両末端にシラノール基を有するポリシロ
キサンを挙げることができる。
【0009】また、3官能性シラン化合物、例えばメチ
ルトリクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリクロルシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニ
ルトリメトキシシランなどを加水分解し、縮重合してな
るポリシロキサン、例えばポリ(メチルシルセスキオキ
サン)、ポリ(フェニルシルセスキオキサン)、ポリ
(ビニルシルセスキオキサン)など、4官能性シラン化
合物、例えばテトラエトキシシラン、テトラメトキシシ
ランなどを加水分解し、縮重合してなるポリシロキサン
も、分子中にシラノール基を有しており、本発明におけ
る(A)ポリシロキサンとして使用することができる。
さらに、2〜4官能性シラン化合物を併用し、加水分解
し、縮重合してなるポリシロキサンも、本発明における
(A)ポリシロキサンとして用いることができる。
【0010】(A)ポリシロキサン中のシラノール基
は、(B)環状シラン化合物と反応して該環状シラン化
合物末端にヒドロキシ基を生成し、さらにこのヒドロキ
シ基が(C)ポリイソシアネート化合物のイソシアネー
ト基と反応してウレタン結合を形成する。このため、
(A)ポリシロキサン中のシラノール基の数は、1個以
上必要であり、高分子量化するためには2個以上が好ま
しく、一方シラノール基の増加にともない、該ポリシロ
キサンの吸水率が上昇し、かつ保存安定性が低下するた
め、該シラノール基の数は(A)ポリシロキサン1分子
あたり100個以下が好ましい。
【0011】本発明に使用されるこれらの(A)ポリシ
ロキサンの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分
子量が、好ましくは150〜1,000,000、特に
好ましくは1,000〜100,000であり、150
未満の場合は生成するウレタン化ポリシロキサンの溶媒
に対する溶解性が低くなりやすく、一方1,000,0
00を超えると(B)環状シラン化合物と(A)ポリシ
ロキサン中のシラノール基との反応性が低下する傾向が
みられる。これらの(A)ポリシロキサンは、単独で使
用することも、また2種以上を併用することもできる。
【0012】次に、(B)環状シラン化合物は、前記一
般式(I)中のR1 およびR2 は同一でも異なっていて
もよく、水素原子;塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子な
どのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、
n−ヘプチル基、n−オクチル基、シクロヘキシル基な
どの炭素数1〜10の鎖状、分岐状もしくは環状のアル
キル基;フェニル基、ベンジル基などの炭素数6〜12
のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、シクロ
ヘキソキシ基、n−ヘプトキシ基、n−オクトキシ基、
フェノキシ基、ベンジロキシ基などの炭素数1〜10の
アルコキシ基;およびアミノ基、N−メチルアミノ基、
N,N−ジメチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,
N−ジエチルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−
ジ−n−ブチルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N,
N−ジフェニルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N,
N−ジベンジルアミノ基などの窒素上の置換基が水素原
子もしくは炭素数1〜10のアルキル基である1級また
は2級のアミノ基から選ばれ、R3 は、前記一般式
(I)中のケイ素原子に結合する原子が炭素原子であ
る、エタン、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、2−
メチルブタン、n−ペンタン、2−メチルペンタン、3
−メチルペンタン、n−ヘキサン、フェニルエタン、1
−フェニルプロパンなどの炭素数2〜12の鎖状または
分岐状の2価の有機基から選ぶことができる。
【0013】このような(B)環状シラン化合物は、米
国特許第3,083,219号明細書や、J.Am.C
hem.Soc.,vol.80(1958)(米)P
−4106、およびDie Makromolekul
are Chemie,vol.73(1964)
(独)P−85に記載されている方法によって製造する
ことができる。
【0014】本発明に用いられる前記(B)環状シシラ
ン化合物の具体例としては、1,1−ジメチル−1−シ
ラ−2−オキサシクロペンタン、1−メトキシ−1−メ
チル−1−シラ−2−オキサシクロペンタン、1−エト
キシ−1−メチル−1−シラ−2−オキサシクロペンタ
ン、1−エトキシ−1,4−メチル−1−シラ−2−オ
キサシクロペンタン、1−エトキシ−1−フェニル−1
−シラ−2−オキサシクロペンタン、1,1−ジエトキ
シ−1−シラ−2−オキサシクロペンタン、1−メチル
−1−エチル−1−シラ−2−オキサシクロペンタン、
1,1−ジエチル−1−シラ−2−オキサシクロペンタ
ン、1−メチル−1−プロピル−1−シラ−2−オキサ
シクロペンタン、1−メチル−1−シクロヘキシル−1
−シラ−2−オキサシクロペンタン、1−メチル−1−
フェノキシ−1−シラ−2−オキサシクロペンタン、1
−メチル−1−オクチル−シラ−2−オキサシクロペン
タン、1−メチル−1−(3,6−ジオキサヘプチロキ
シ)−1−シラ−2−オキサシクロペンタン、1−メチ
ル−1−クロル−1−シラ−2−オキサシクロペンタ
ン、1−メチル−1−アミノ−1−シラ−2−オキサシ
クロペンタン、1,1−ジクロル−1−シラ−2−オキ
サシクロペンタン、1,1−ジメチル−1−シラ−2−
オキサシクロヘキサン、1,1−ジエチル−1−シラ−
2−オキサシクロヘキサン、1,1−ジ−プロピル−1
−シラ−2−オキサシクロヘキサン、1,1−ジ−オク
チル−1−シラ−2−オキサシクロヘキサン、1,1−
ジフェニル−1−シラ−2−オキサシクロヘキサンなど
を挙げることができ、好ましくは1,1−ジメチル−1
−シラ−2−オキサシクロペンタン、1,1−ジエトキ
シ−1−シラ−2−オキサシクロペンタン、1,1−ジ
エチル−1−シラ−2−オキサシクロペンタン、1,1
−ジメチル−1−シラ−2−オキサシクロヘキサン、
1,1−ジエチル−1−シラ−2−オキサシクロヘキサ
ン、1,1−ジフェニル−1−シラ−2−オキサシクロ
ヘキサンを挙げることができる。これらの(B)環状シ
ラン化合物は、単独で使用することも2種以上を併用す
ることもできる。
【0015】(B)環状シラン化合物は、(A)ポリシ
ロキサンのシラノール基1グラム当量に対して、通常、
0.01〜10モル、好ましくは0.1〜5モル用いら
れ、0.01モル未満では生成するウレタン化ポリシロ
キサンの耐水性が低下する傾向があり、一方10モルを
超えると生成するウレタン化ポリシロキサン中に未反応
の(B)環状シラン化合物が混入することにより耐熱性
が低下する。
【0016】次に、(C)ポリイソシアネート化合物と
しては、例えば脂肪族または芳香族ポリイソシアネート
を挙げることができ、好ましくはジまたはトリイソシア
ネートである。この(C)ポリイソシアネート化合物の
具体例としては、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソ
シアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、ト
リレン−2,5−ジイソシアネート、フェニレン−2,
4−ジイソシアネート、フェニレン−2,5−ジイソシ
アネート、1,3,5−トリメチルシクロヘキシル−
1,3−ジイソシアネート、シクロヘキシル−4,4′
−メタンジイソシアネート、1,3,5−ベンゼントリ
イソシアネート、トリス(p−イソシアン酸フェニル)
ホスフェートなどを挙げることができる。この(C)ポ
リイソシアネート化合物は、単独で使用することも2種
以上を併用することもできる。
【0017】(C)ポリイソシアネート化合物は、
(B)環状シラン化合物1モルに対して、総イソシアネ
ート基として、通常、0.1〜10グラム当量、好まし
くは0.5〜5グラム当量となるように用いられ、0.
1グラム当量未満では、(D)(メタ)アクリル系化合
物を反応させる際に、(D)(メタ)アクリル系化合物
と反応するイソシアネート基が不足するために充分な硬
度が得られず、一方10グラム当量を超えると生成する
ウレタン化ポリシロキサンの分子量が低くなりやすく、
耐候性、耐水性および塗膜性が低下する傾向がある。
【0018】次に、(D)(メタ)アクリル系化合物
は、前記一般式(II) で表され、式中のYは水酸基、メ
ルカプト基または第1級もしくは第2級のアミノ基を表
す。また、一般式(II) 中のR4 としては、炭素数1〜
80の鎖状、分岐状または環状の脂肪族化合物または芳
香族化合物から2個の水素原子を除いて生じる2価の有
機基(以下、これらを単に「有機化合物残基」という)
を挙げることができ、前記脂肪族化合物または芳香族化
合物としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサ
ン、イソプロパン、イソブタンなどの脂肪族化合物;ベ
ンゼン、ビフェニル、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、デュレン、ナフタレン、エチルベンゼン、ジエチル
ベンゼンなどの芳香族化合物を挙げることができる。
【0019】また、前記R4 としては、一般式−〔R6
−O〕n −で表されるアルキレンオキシドの繰り返し構
造単位を有する2価の有機基を挙げるとができ、ここで
6は有機化合物残基、nは0〜20の正の整数であ
り、nが20を超えると得られるウレタン化ポリシロキ
サンの硬化後の硬度が低下する方向となる。このような
有機基としては、例えばメチレンオキシド、エチレンオ
キシド、メチルエチレンオキシド、1,3−プロピレン
オキシド、1,4−ブチレンオキシド、1,5−ペンタ
レンオキシド、1,6−ヘキサレンオキシド、フェニレ
ンオキシド、ビフェニレンオキシドなどを挙げることが
できる。さらに、一般式(II) 中のR5 は、水素原子ま
たはメチル基、エチル基などのアルキル基である。
【0020】このように、(D)(メタ)アクリル系化
合物は、イソシアネート基と付加反応を生起する酸性の
水素原子を有する(メタ)アクリル系化合物であり、こ
の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、2−メルカプトエチルアクリレート、2−メルカプ
トエチルメタクリレート、2−アミノエチルアクリレー
ト、2−アミノエチルメタクリレート、3−アミノプロ
ピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−オキサペンチルアクリレー
ト、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサオクチルアクリ
レート、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサオクチルメ
タクリレート、11−ヒドロキシ−3,6,9−トリオ
キサウンデカニルアクリレート、4−ヒドロキシフェニ
ルアクリレート、4−ヒドロキシフェニルメタクリレー
ト、4−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート、4−
ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレートなどを挙げる
ことができる。
【0021】これらの(D)(メタ)アクリル系化合物
のうち、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、2−メルカプトエチルアクリ
レート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノ
プロピルメタクリレートである。
【0022】これらの(D)(メタ)アクリル系化合物
は、(C)ポリイソシアネート化合物中の総イソシアネ
ート基1グラム当量に対し、通常、0.5〜20モル、
好ましくは1〜5モルとなるように用いられ、0.5モ
ル未満では生成するウレタン化ポリシロキサンの硬度、
耐水性が低下する場合があり、一方20モルを超えると
耐水性が低下する。
【0023】なお、本発明では、この(D)(メタ)ア
クリル系化合物とともに、多価のアクリルモノマー類を
(D)成分の50重量%以下程度加えてもよく、そのよ
うなアクリルモノマー類としては、例えば日本化薬
(株)製、ポリエステルアクリルモノマーTC−11
0、同TC−110S、同TC−120、同TC−12
0S、同HX−220、同HX−620、スピロケター
ル構造を有する2官能アクリルモノマーR−604、東
亜合成(株)製のウレタン系2官能性アクリルモノマー
であるM−1100、同M−1200、さらに大阪有機
(株)製のビスフェノール−A型ジアクリレートである
ビスコート540などを挙げることができる。
【0024】本発明の製造方法においては、各成分が充
分に混合し、反応しうる限り反応溶媒は特に必要ではな
い。しかし、各成分の混合を円滑に進めるためには、反
応溶媒を用いてもよく、このような反応溶媒としては、
各成分と反応しない非プロトン性溶媒、例えばペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの炭化水素系溶媒;塩化メチレン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、ジクロルエタン、テトラクロ
ルエタン、トリクロルエチレンなどのハロゲン化炭化水
素系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチ
レングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール
ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどの
エーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなど
のアミド系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステ
ル系溶媒;アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン系溶媒を挙げることができ、好ま
しくはベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、
クロロホルム、トリクロルエチレン、ジエチルエーテ
ル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テト
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、酢酸
ブチル、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンを挙げることができる。これらの反応溶媒は、通
常、脱水して用いる。これらの反応溶媒の使用量は、通
常、固形分濃度が5〜80重量%となる量である。
【0025】本発明の製造方法において、反応系への各
成分の添加順序は特に限定されないが、好ましくは
(A)ポリシロキサンに(B)環状シラン化合物を加
え、さらに(C)ポリイソシアネート化合物を添加す
る。さらに、(D)(メタ)アクリル系化合物を添加す
る。本発明の製造方法において、反応温度は、通常、−
10〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、−1
0℃未満では反応が極めて遅く、一方200℃を超える
と各成分の分解が著しくなり最終生成物の物性が低下す
る。本発明における反応時間は、(A)ポリシロキサン
と(B)環状シラン化合物とをまず反応させる場合は、
通常、1分〜10時間であり、このようにして得られた
生成物と(C)ポリイソシアネート化合物との反応時間
は、通常、10分〜10時間であり、また(A)ポリシ
ロキサン、(B)環状シラン化合物および(C)ポリイ
ソシアネート化合物をほぼ同時に混合し反応させる場合
には、反応時間は、通常、10分〜10時間である。ま
た、かくして得られた(A)〜(C)成分の反応生成物
と(D)成分との反応は、通常、10分〜10時間であ
る。
【0026】なお、本発明の製造方法においては、ウレ
タン化反応において通常使用される塩基、有機金属化合
物などの触媒、例えばジブチルスズジラウレート、ジブ
チルスズジ(2−エチル)ヘキサノエートなどの有機ス
ズ化合物;、モルホリン、トリブチルアミン、ピリジ
ン、ルチジン、コリジン、キノリンなどのアミン類;テ
トラブトキシスズ、テトラブトキシチタン、テトラブト
キシジルコニウムなどのルイス酸性の金属アルコキシド
類を反応系に添加してもよく、この場合の添加量は、
(C)ポリイソシアネート化合物の使用量の0.01〜
10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。な
お、これらの触媒は、少なくとも(A)ポリシロキサン
と(B)環状シラン化合物とが混合された状態で添加す
ることが好ましい。
【0027】このようにして得られるウレタン化ポリシ
ロキサンのポリスチレン換算重量平均分子量は、通常、
5,000〜2,000,000、好ましくは10,0
00〜500,000、また25℃におけるテトラヒド
ロフラン中での還元粘度〔η〕は、通常、0.2〜1.
2dl/gである。
【0028】このウレタン化ポリシロキサンは、そのま
ま、または必要に応じて精製され、もしくは適当な希釈
剤、例えば前記反応溶媒で希釈して用いることができ
る。また、本発明に用いられる(A)〜(D)成分より
得られるウレタン化ポリシロキサンに、ヒドロキシ基、
カルボキシル基もしくはアミノ基含有化合物、例えばポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラエチレングリコール、ビスフェノールA、フタ
ル酸、フェニレンジアミン、ジアミノフェニレンエーテ
ルなど、さらに各種ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンエーテルなど
の残存イソシアネート基と反応する官能基を有するポリ
マーと混合し、反応させて用いることもできる。
【0029】なお、本発明の製造方法によって得られる
ウレタン化ポリシロキサンは、加熱により、またはX
線、電子線、紫外線などの高エネルギー線の照射によ
り、該ウレタン化ポリシロキサン中のアクリル基または
ポリシロキサンを架橋させることによって硬化させるこ
とができる。
【0030】(D)成分を用いて光により架橋する場
合、アクリル基の架橋反応は、光重合開始剤の存在下に
よって推進される。この光重合開始剤としては、例えば
ジアセチルベンジル、ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベ
ンゾキノン、アントラキノンなどのカルボニル化合物な
どが挙げられ、特にベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テルなどのベンゾインエーテル類;2−ヒドロキシ−2
−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−ドデシル
−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの2−ヒ
ドロキシアセトフェノン誘導体が好ましい。
【0031】また、(D)成分を用いて加熱により架橋
する場合、アクリル基の架橋反応を熱重合開始剤によっ
ても推進することができる。この熱重合開始剤として
は、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシド、ア
ゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルヒドロパーオキ
シド、ジ−t−ブチルパーオキシド、過酸化水素、過酸
化安息香酸、過ギ酸、過酢酸などが挙げられる。前記光
重合開始剤または熱重合開始剤の使用量は、通常、ウレ
タン化ポリシロキサン100重量部に対して0.001
〜30重量部、好ましくは0.01〜10重量部程度で
あり、0.001重量部未満では実用に必要な硬化速度
が得られない場合があり、一方30重量部を超えると保
存安定性が低下する傾向がみられる。
【0032】また、(D)成分を用いたウレタン化ポリ
シロキサンの保存安定性を高める目的で、熱重合禁止
剤、例えばベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノ
ン、ヒドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノンなどの
キノン類;p−メトキシフェノール、p−t−ブトキシ
フェノールなどのアルコキシフェノール類;N−メチル
−N−ニトロソアニリン、N−ニトロソフェニルヒドロ
キシアミンアルミニウム塩などのニトロソ化合物類を添
加することができる。これらの熱重合禁止剤の添加量
は、通常、ウレタン化ポリシロキサン100重量部に対
して0.01〜5重量部程度である。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は、重量基準で
ある。また、実施例中の各種試験は、下記に従って行っ
た。 硬化性;試料をテトラヒドロフランを用いて濃度20%
になるように調製し、これを250×750×1mmの
パイレックス製ガラス板上に乾燥膜厚が1μmになるよ
うに塗布し、80℃で30分間風乾したのち、表1に記
載した方法により硬化し、表面状態を金属顕微鏡で観察
した。 耐加水分解性;前記「硬化性」試験で得られた硬化膜の
形成されたガラス板を80℃の温水に24時間浸漬し静
置したのち、表面状態を金属顕微鏡で観察した。
【0034】ピンホール(絶縁性);試料をテトラヒド
ロフランを用いて濃度20%になるように調製し、これ
を100×100×2mmのアルミニウム製プレートに
乾燥膜厚が1.0〜1.2μmになるように塗布したの
ち、表1に記載した方法により硬化し、得られた塗膜を
放電式ピンホールテスター〔サンコー電子研究所(株)
製、PRD〕を用いて500ボルトで放電し、ピンホー
ルの有無を調べた。 透明性;試料をテトラヒドロフランを用いて濃度20%
になるように調製し、これを250×750×1mmの
パイレックス製ガラス板上に、乾燥膜厚が5μmになる
ように塗布し、表1に記載した方法により硬化し、40
0nmにおける透過率(%)を、分光光度計を用いて測
定した。
【0035】実施例1 パイレックス製ガラス容器中、末端ヒドロキシポリジメ
チルシリコーン(ダウコーニング社製、DK−X8−7
862)を51部およびトルエン1,000部からなる
溶液に対して、窒素気流中で1,1−ジメチル−1−シ
ラ−2−オキサシクロヘキサン15部を加え、80℃で
30分間撹拌した。この溶液を室温で冷却したのち、ト
リレン−2,4−ジイソシアネート40部とジブチルス
ズジラウレート5部を加え、80℃で30分間撹拌し
た。次いで、室温に冷却後、2−ヒドロキシエチルアク
リレート40部とp−メトキシフェノール5部を加え、
80℃で1時間撹拌し、冷却したのち、減圧下で溶媒を
蒸溜することにより、粘度2,000cpsの無色粘稠
なウレタン化ポリシロキサンを得た。得られたウレタン
化ポリシロキサンのテトラヒドロフランを溶媒とするG
PCによるポリスチレン換算重量平均分子量は、22,
000であった。
【0036】次いで、前記で得たウレタン化ポリシロキ
サン10部に対して、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン0.3部を添加し撹拌し、溶解すうことに
より、試料1を得た。また、別に前記で得たウレタン化
ポリシロキサン10部に対して、ジ−t−ブチルパーオ
キシド0.1部を添加し撹拌し、溶解することにより、
試料2を得た。試料1および試料2の試験結果を表1に
示す。
【0037】実施例2 パイレックス製ガラス容器中に、メチルトリメトキシシ
ラン136部と蒸溜水36部とを加え、60℃で3時間
撹拌して(A)1分子中にシラノール基を平均2〜4個
有するポリ(メチルシルセスキオキサン)(ポリスチレ
ン換算重量平均分子量=3,000)を100部合成
し、これに(B)1,1−ジメチル−1−シラ−2−オ
キサシクロヘキサン10部を加え、室温で1時間、窒素
気流下で撹拌し、次いで(C)トリレン−2,4−ジイ
ソシアネート10部、トルエン500部およびジブチル
スズジラウレート1部を加え、60℃で3時間撹拌した
のち、(D)2−ヒドロキシエチルアクリレート10部
とp−メトキシフェノール1部を加え、60℃で1時間
撹拌し、冷却したのち、減圧下で溶媒を蒸溜することに
より、粘度3,500cpsの無色粘稠なウレタン化ポ
リシロキサンを得た。得られたウレタン化ポリシロキサ
ンのテトラヒドロフランを溶媒とするGPCによるポリ
スチレン換算重量平均分子量は、82,000であっ
た。
【0038】次いで、前記で得たウレタン化ポリシロキ
サン10部に対して、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン0.3部を添加し撹拌し、溶解することに
より、試料3を得た。また、別に前記で得たウレタン化
ポリシロキサン10部に対して、ジ−t−ブチルパーオ
キシド0.1部を添加し撹拌し、溶解することにより、
試料4を得た。試料3および試料4の試験結果を表1に
示す。
【0039】
【表1】
【0040】*)UVはハライドメタルランプで0.5
J/cm2 の紫外線を照射することにより、また加熱は
100℃で30分間加熱することにより硬化させた。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、耐加水分解
性、電気絶縁性、透明性などに優れ、塗料、耐熱保護
膜、電気絶縁保護膜、耐水保護膜、接着剤、光ファイバ
ーコーティング材料、界面活性剤、離型剤などに有用な
ウレタン化ポリシロキサンを効率的に製造することがで
きる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子中にシラノール基を有するポ
    リシロキサン、(B)下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 およびR2 は同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
    基、アルコキシ基、またはアミノ基、R3 は式中のケイ
    素原子に結合する原子が炭素原子である2価の有機基を
    示す)で表される環状シラン化合物、(C)ポリイソシ
    アネート化合物、および(D)下記一般式(II) (式中、Yは水酸基、メルカプト基、または第1級もし
    くは第2級のアミノ基、R4 は2価の有機基、R5 は水
    素原子またはアルキル基を示す)で表される化合物を反
    応させるウレタン化ポリシロキサンの製造方法。
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