JP2701147B2 - ポリマーブレンド組成物 - Google Patents

ポリマーブレンド組成物

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JP2701147B2
JP2701147B2 JP63026679A JP2667988A JP2701147B2 JP 2701147 B2 JP2701147 B2 JP 2701147B2 JP 63026679 A JP63026679 A JP 63026679A JP 2667988 A JP2667988 A JP 2667988A JP 2701147 B2 JP2701147 B2 JP 2701147B2
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堅 水城
義邦 秋山
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旭化成工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はグリシジルメタクリレート又はグリシジルア
クリレートで変性された水添ブロック共重合体を用いて
補強された結晶性樹脂と非晶性樹脂の非相溶のポリマー
ブレンド組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年、自動車部品、OA機器部品、家電部品等の分野に
おいて軽量化が進み、その素材として各種熱可塑性樹脂
の進出が目ざましい。
なかでも、耐熱性に優れたエンジニアリング樹脂は自
動車部品に種々採用されつつあるのが現状であり、特に
ポリマーアロイは、これ等産業界における革新的素材の
一つであると云える。
本発明のポリマー組成物はこれ等用途に使用可能な材
料を提供するものである。
ところで、エンジニアリング樹脂は優れた耐熱性をも
つものの単独の樹脂では多様な物性要求を満足する事が
出来ず各種ポリマーアロイの開発がおこなわれている。
特にエンジニアリング樹脂単独では耐衝撃性が十分で
ないため各種エラストマーを補強材とするポリマーアロ
イの開発がさかんである。
又結晶性樹脂単独では成形時の収縮が大きくいわゆる
ヒケ又はソリが発生しやすい。
特にポリエステル、ポリアミド等の結晶性樹脂は吸湿
による機械的強度の低下が大きく寸法変化が大きい等の
欠点がある。
非晶性のエンジニアリング樹脂例えばポリフェニレン
エーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等単独では一般に
その耐熱性が高くなるにつれ、溶融粘度が高くなり、流
動性が不十分となって成型加工性が悪化する。
これ等相互の欠点を改良する目的で両者をブレンドす
る事が考えられるが一般的には異種のポリマーを単純に
ブレンドすると互の相溶性がとぼしいためハク離現象を
生じほとんど実用になる組成物は得られない。
本出願人は、これ等従来技術の問題点を解決すべく、
先に、極性官能基を有する熱可塑性重合体とカルボン酸
又はそれ等の誘導体で変性した変性水添ブロック重合体
よりなる熱可塑性共重合体組成物を特許出願した(特開
昭58−7443号)。
又特開昭58−27740号公報においてポリオキシメチレ
ン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ニトリル系重合
体、ポリフェニレンエーテル、ポリアリーレンスルフィ
ドより選らばれる熱可塑性重合体とカルボン酸又はそれ
等の誘導体で変性した変性水添ブロック重合体よりなる
変性ブロック共重合体組成物を提案した。
その他にも熱可塑性樹脂を改質する目的で、多数の提
案がなされている。例えば、特開昭61−40355号公報に
はポリエステル共重合体の改質剤として、カルボキシル
基、エポキシ基含有オレフィン共重合体が有効である旨
記載されている。
特開昭61−126164号公報には芳香族ポリエステルの改
質剤として水添ブロック共重合体を不飽和カルボン酸類
でグラフト変性したものが提案されており、特開昭61−
268751号公報には熱可塑性ポリエステル及びエチレン/
α−オレフィン共重合体の存在下に不飽和カルボン酸類
で変性して改質する提案がなされ、特開昭61−233046号
公報には芳香族ポリエーテル及びポリアミドを不飽和カ
ルボン酸類で変性したスチレン/オレフィン系共重合体
で改質する提案がなされている。
同様に特開昭61−281149号公報にはポリアミドを不飽
和カルボン酸類で変性したスチレン/オレフィン系共重
合体で改質する旨が、更に特開昭62−27457号公報には
ポリフェニレンエーテル及びポリエステルをスチレン/
エポキシ基含有不飽和化合物系共重合体及び耐衝撃補強
剤で改質する旨の提案が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、結晶性樹脂と非晶性樹脂のよりよいブレン
ドを可能にし、加えて結晶性樹脂と非晶性樹脂の欠点を
相互に改良する組成物を達成しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は結晶性樹脂と非晶性樹脂をブレンドする事に
より、結晶性樹脂と非晶性樹脂の欠点を相互に改良する
意図をもっており、グリシジルメタクリレート及び/又
はグリシジルアクリレートによる水添ブロック共重合体
の変性物が結晶性樹脂と非晶性樹脂よりなる非相溶型ポ
リマーブレンド組成物をつくる際著しい界面の親和性改
良効果をもっている事を見い出しなされたものである。
又、本発明の組成物は連続相中に分散する粒子が非常
に微細な粒子であり、その結果としてきわめて大きな耐
衝性の改良効果が得られる点に着目して完成したもので
ある。
即ち、本発明は、 a.少なくとも1個のビニル芳香族化合物重合体ブロック
Aと少なくとも1個のオレフィン化合物重合体ブロック
Bを有し、且つブロックBの不飽和度が20%を超えない
水添ブロック共重合体100重量部にグリシジルメタクリ
レート及び/又はグリシジルアクリレートを0.01〜20重
量部グラフトした変性水添ブロック共重合体 b.少なくとも1種の結晶性樹脂 c.ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリレ
ート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、アモルフ
ァスナイロン、ABS等スチレン系共重合体より選ばれる
少なくとも1種の非晶性樹脂 以上a、b、c三成分が混合重量比a/(b+c)で5
〜40/95〜60で、b/cの混合重量比が40〜90/60〜10であ
り、且つa、b、c三成分を押出機により混練すること
により、bが連続相、a及びcが独立した又は/及び相
互に侵入した粒子状で分散相を形成せしめた組成物であ
り、その組成物の射出成型品の電子顕微鏡を用いて観察
したモルホロジーにおいてその分散粒子の平均分散粒子
径が0.05〜5ミクロンの範囲を満すポリマーブレンド組
成物を提供するものである。
以下、本発明を詳述する。
本発明で用いられるブロック共重合体は、少なくとも
1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
Aと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重
合ブロックBとから成るブロック共重合体を水素添加し
て得られるものであり、例えばA−B、A−B−A、B
−A−B−A、(A−B)−Si、A−B−A−B−A
等の構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合
物ブロック共重合体を水素添加したものである。
この水添ブロック共重合体はビニル芳香族化合物含有
量が10重量%以上80重量%以下、好ましくは20重量%以
上70重量%以下である。ビニル芳香族化合物が10重量%
未満であると軟化するため加工性が低下するため好まし
くなく又80重量%を超えるとグリシジルメタクリレート
及び/又はグリシジルアクリレートの付加量が低下する
傾向があり、又樹脂状となり耐衝撃性の改良効果が出に
くくなるので好ましくない。
更にブロック構造について言及するとビニル芳香族化
合物を主体とする重合体ブロックAが、ビニル芳香族化
合物のホモ重合体ブロック又はビニル芳香族化合物を50
重量%を超え好ましくは70重量%以上含有するビニル芳
香族化合物と水素添加された共役ジエン化合物との共重
合体ブロックの構造を有しており、そして更に、水素添
加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
が、水素添加された共役ジエン化合物のホモ重合体ブロ
ック又は、水素添加された共役ジエン化合物を50重量%
を超え好ましくは70重量%以上含有する水素添加された
共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブ
ロックの構造を有するものである。
水添ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物
としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、p−第3級ブチルスチレン、1,1−ジフェ
ニルエチレンのうちから1種又は2種以上が選択でき、
中でもスチレンが好ましい。又水素添加されたオレフィ
ン化合物重合体ブロックを構成する水添前の共役ジエン
化合物としては例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3
−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の
うちから1種又は2種以上が選らばれ、中でもブタジエ
ン、イソプレン、及びこれ等の組み合わせが好ましい。
そして、水添される前の共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックは、そのブロックにおけるミクロ構造
を任意に選らぶことができ、例えばポリブタジエンブロ
ックにおいては、1,2−ビニル結合構造が20〜50%、好
ましくは25〜45%である。
又、上記した構造を有する本発明に供する水添ブロッ
ク共重合体の数平均分子量は5千〜100万、好ましくは
1万〜80万、更に好ましくは3万〜30万の範囲であり、
分子量分布(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)〕は10以下である。
これらのブロック共重合体の製造方法としては上記し
た構造を有するものであればどのような製造方法で得ら
れるものであってもかまわない。
ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重
合体の共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合は少な
くとも80%を水素添加せしめ、共役ジエン化合物を主体
とする重合体ブロックを形態的にオレフィン性化合物重
合体ブロックに変換させる必要がある。
本発明の変性水添ブロック共重合体は上記構造を有す
る水添ブロック共重合体にグリシジルメタクリレート又
はグリシジルアクリレートを有機過酸化物の存在下又は
非存在下でグラフト反応して得られる物であり、その反
応は溶融状態、溶液状態いずれでも実施出来る。
本発明の変性水添ブロック共重合体を得るための仕込
みグリシジルメタクリレート又はグリシジルアクリレー
トは水添ブロック共重合体100重量部あたり通常0.02〜3
0重量部の範囲で好適に用いる事が出来る。
又この変性反応で得られる変性水添ブロック共重合体
は水添ブロック共重合体100重量部あたり0.01〜20重量
部、好ましくは0.05〜15重量部、グリシジルメタクリレ
ート及び又はグリシジルアクリレートがグラフトしたも
のである。
又後述の実施例で述べるように1回の反応ではグリシ
ジルメタクリレート及び又はグリシジルアクリレートの
グラフト量が少ない場合に得られた反応物を出発原料と
して、同様の反応を数回くり返す事により目的とするグ
リシジルメタクリレート及び又はグリシジルアクリレー
トのグラフト量の変性水添ブロック共重合体を得る事が
出来る。
20重量部を超えるグラフト量ではグラフト量を高めた
効果が顕著ではなく、かえって変性水添ブロック重合体
の加工性が悪化したり、ゲル等の好ましくない成分が発
生し、好ましくない。
又0.01重量部未満のグラフト量では未変性の水添ブロ
ック重合体と比べ、改良の効果がわずかであり好ましく
ない。
又、この変性水添ブロック共重合体のグラフト反応に
おいて必要に応じて供することの出来る有機過酸化物と
しては、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブ
チルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブ
チルパーオキシ)バレレート、1,1−ビス(tert−ブチ
ルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ter
t−ブチルパーオキシトリフェニルシラン、tert−ブチ
ルパーオキシトリメチルシラン等が挙げられ、これらの
中から好適に1種以上を選ぶことが出来る。
又、これ等有機過酸化物の他にラジカル開始剤とし
て、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジ
エチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジメチル−2,3
−ジ(p−メチルフェニル)ブタン、2,3−ジメチル−
2,3−ジ(ブロモフェニル)ブタン等の化合物を用いて
グラフト反応を行ってもかまわない。
このグラフト反応の際に使用出来る上記した有機過酸
化物、ラジカル開始剤は水添ブロック共重合体100重量
部あたり通常0.01〜20重量部の範囲で好適に用いること
が出来る。
本発明に用いられる変性水添ブロック共重合体中に含
有する未反応のグリシジルメタクリレート及び又はグリ
シジルアクリレート量は水添ブロック共重合体100重量
部あたり0.5重量部以下好ましくは0.2重量%以下にすべ
きである。
未反応のグリシジルメタクリレート及び又はグリシジ
ルアクリレートを一定量以下にするための方法は公知の
如何なる方法で実施してもよい。
例えば、押出機等の混練機で該変性水添ブロック共重
合体を得る場合にはベント押出機を用いて水添ブロック
共重合体の変性反応を行いながら、変性水添ブロック共
重合体中に残留するグリシジルメタクリレート及び又は
グリシジルアクリレートを真空ポンプを用いてベント穴
より強制ベントしながら残去する方法をとる事が出来
る。
本発明の変性水添ブロック共重合体中の残存グリシジ
ルメタクリレート及び又はグリシジルアクリレートの量
は、例えばガスクロマトグラフィー等によって容易に測
定することが出来る。
本発明に用いられる結晶性の樹脂とは高分子重合体の
結晶化度(結晶性部分の質量の全質量に対する比)が50
%を超える樹脂をいう。
又非晶性樹脂とは結晶化度が50%未満の樹脂をいう。
結晶化度の測定法としては密度、融解熱、散乱X線の
強度、NMR又はIR等の測定により求めることが出来る。
本発明に用いられる結晶性樹脂の具体的な例としては
ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン610、
ナイロン4,6、ナイロン6/6T(T:テレフタル酸)等のポ
リアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、液晶性ポリエス
テル等のポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂(PO
M)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエ
ーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)等である。
本発明に用いられる非晶性樹脂の具体的な例として
は、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエーテルイミド
樹脂(PEI)、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスル
ホン樹脂(PES)、アモルファスナイロン樹脂、ABS樹脂
等スチレン系共重合体樹脂等である。
本発明によるポリマーブレンド組成物は上記変性水添
ブロック共重合体と少なくとも1種の結晶性樹脂と少な
くとも1種の非晶性の樹脂により構成される。
本発明による組成物は結晶性樹脂が連続相を構成し、
変性水添ブロック共重合体及び非晶性樹脂が分散相を形
成する事が特徴としている。
結晶性樹脂の全組成物中に占める割合は40重量%以上
90重量%以下である。
結晶性ポリマーの含有割合が40重量%未満であると結
晶性ポリマーが連続相とならない場合があり本発明の主
旨にそわなくなり又90重量%を超えると非晶性樹脂を混
合し、成型時の収縮等の欠点を改良する効果が出にくく
なり好ましくない。より好ましくは50重量%以上80重量
%以下である。
変性水添ブロック共重合体の全組成物中の含有割合は
40重量%以下5重量%以上である。
変性水添ブロック共重合体の含有割合が40重量%を超
える場合は組成物のモジュラスが低下し、又耐熱性も低
下するため好ましくなく、又5重量%未満では耐衝撃性
の改良も十分でなく、又結晶性樹脂と非晶性樹脂の相溶
化材としての界面の改良効果も十分でないため好ましく
ない。
本発明のポリマーブレンド組成物の製造法は公知の混
練機である各種押出機によって行う事が出来るが、最も
好ましい製造方法は二軸の押出機による混練である。
このようにして得られた本発明の組成物はその組成物
の射出成型品の電子顕微鏡を用いて観察したモルホロジ
ーにおいてその分散粒子の平均分散粒子径が0.05〜5ミ
クロンの範囲を満す事を特徴としている。
分散粒子の平均分散粒子径が上記範囲よりはずれると
耐衝撃性強度が低下する傾向がある。モルホロジーを電
子顕微鏡で観察した際の一般的な傾向として結晶性樹
脂、非晶性樹脂相互の親和性がとぼしい場合には分散粒
子は大きくなり、又射出成型物の樹脂の流動方向に分散
粒子が配行をうけ垂直方向と平行方向に測定した平均分
散粒子径が極端に異なり連続相と分散粒子の界面のぬれ
が不足している事がわかる。
この分散構造については電子顕微鏡写真を基に、画像
解析装置を用いて測定できる。
解析法の概略は、 1) 電子顕微鏡写真を画像解析用ビデオにて撮影す
る。
2) 撮影画面の分散相部分の面積を求める。
3) 平均分散粒子径、粒子径分布などを求める。
というものであり、personal Ima ge Analyze Systemと
して(株)ピアスより市販されている装置を用いること
が出来、又、類似の他の解析装置を用いることも出来
る。
この様にして得られる本発明の非相溶ポリマーブレン
ド組成物は本発明の特徴を阻害しない範囲で各種の可塑
剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、ヒンダー
ドアミン系光安定剤、ブロッキング防止剤、滑剤、顔
料、ガラス繊維、カーボンブラック、炭素繊維、無機充
填剤等を加える事が可能である。
又、本発明の組成物は一般に使用される熱可塑性樹脂
の成形機で容易に加工することが出来、圧縮成形、射出
成形、押出成形、ブロー成形、カレンダー成形等の各種
成形方法が適用可能である。
〔発明の効果〕
本発明はグリシジルメタクリレート及び/又はグリシ
ジルアクリレートの変性水添ブロック共重合体を添加す
る事により一般には全く相溶性がなく層ハク離を生じて
実用にならない結晶性樹脂と非晶性樹脂のブレンドを可
能にして、耐衝撃性の大きなきわめて実用的な組成物を
提供する。
更に本発明によって得られるポリマーブレンド組成物
は結晶性ポリマーの欠点である結晶化にともなう収縮に
起因するヒケ、ソリ等の発生が改良かれ、又ポリエステ
ルやポリアミドを結晶性樹脂として使用した場合、これ
等結晶性樹脂の吸水性が改良される。
一方非晶性ポリマーの側からは例えばポリフェニレン
エーテル、ポリカーボネート等耐熱性の高い非晶性ポリ
マーは結晶性樹脂とのブレンドでその流動特性が大幅に
改良されるためきわめて成型加工性に優れたものとな
る。
またグリシジルメタクリレート及び又はリシジルアク
リレート変性水添ブロック共重合体はそのガラス転移温
度が−40〜−60℃と低いために本発明の組成物は低温下
の耐衝撃性も高い事も大きな特徴である。
〔実施例〕
以下実施例により本発明をより具体的に説明するが本
発明の範囲はこれ等に限定されない。
参考例1 二軸同方向回転の45mm押出機(L/D:35)を用いて数平
均分子量(Mn)5.8万、スチレン含有率30重量%のA−
B−A型スチレン系水添ブロック共重合体(ブタジエン
ブロック部分の1,2結合含有量32%、ブタジエン部分の
水添率99.8%)を押出樹脂温度200℃で押出し、同時に
第1のベント穴よりプランジャーポンプでグリシジルメ
タクリレート(GMA)、開始剤(ジ−tert−ブチルパー
オキサイド10:1の混合物を該水添ブロック共重合体/GMA
=100/5の割合でサイドフィードし、且つ第2のベント
穴より真空ポンプを用いて未反応GMAを強制ベントしな
がら、GMA変性水添ブロック共重合体を作成した。
反応物をキシレン溶解し、アセトンで再沈殿する操作
を2回繰り返し該変性水添ブロック共重合体中の未反応
GMA及びGMAのホモポリマーを除去した。
このものよりプレスフィルムを作成、赤外分光光度計
を用いてスチレン(1600cm-1)及びカルボニル(1725cm
-1)の吸収比よりあらかじめ作成した検量線に基づきGA
Mのグラフト量を求めたところ0.92重量部であった。
参考例2 数平均分子量(Mn)7.2万、スチレン含有率18重量%
のB−A−B−A型水添ブロック共重合体(ブタジエン
ブロック部分の1,2結合含有率36%、ブタジエン部分の
水添率99.8%)を用いて参考例1と同様に二軸同方向回
転45mm押出機を用いて変性反応を行った。
ただし本参考例ではスチレン系水添ブロック共重合体
/GMA=100/10の仕込条件であり且つ1回目の変性反応で
得られた反応物を更に出発物にして2回変性反応を試み
たものである。
GMAのグラフト量は6.2重量部であった。
参考例3 数平均分子量(Mn)6.7万、スチレン含有量60重量%
A−B−A型水添ブロック共重合体(ブタジエンブロッ
ク部の1,2−結合含有量34%、ブタジエン部分水添率99.
8%)を押出樹脂温200℃で押出し、ベント穴よりプラン
ジャーポンプでGMA及び開始剤(パーヘキシン25B)5:1
の混合物を該水添ブロック共重合体/GMA=100/5でサイ
ドフィードし且つ第2のベント穴より真空ポンプを用い
て未反応GMAを強制ベントしながらGMA変性水添ブロック
共重合体を作成したもののGMAグラフト量は3.2重量部で
あった。
参考例4 参考例1で用いたグリシジルメタクリレートのかわり
にグリシジルアクリレートを用いて参考例1と同様に処
理してグリシジルアクリレート変性水添ブロック共重合
体を作成した。このもののグラフト量は0.78重量部であ
った。
参考例5 二軸同方向回転45mm押出機(L/D35)を用いて参考例
1で用いた水添ブロック共重合体100重量部、無水マレ
イン酸3重量部、パーヘキサ25B0.3重量部の混合物を樹
脂温240℃にて押出し無水マレイン酸変性水添ブロック
共重合体を作成した。このものは無水マレイン酸が2.6
重量部グラフトしていた。
参考例6 ナイロン6樹脂(東レアミラン1041)100重量部、ポ
リフェニレンエーテル樹脂粉末(ηsp/c0.60 30℃クロ
ロホルム溶液)70重量部、参考例1で作成したGMA変性
水添ブロック共重合体30重量部を二軸同方向回転の45mm
押出機を用いて樹脂温290℃で押出し組成物とした。こ
のものを樹脂温280℃射出圧30Kg/cm2で射出成型する事
により1/8アイゾット衝撃試験用テストピースを作成し
た。
ノッチをうけたアイゾット衝撃試験用テストピースを
液体窒素中に入れ冷却してから衝撃試験を行い脆性破壊
した断面を得た。
この破断面をクロロホルムにつけてエッチングしてか
らイオンスパッターで処理、走査型の電子顕微鏡で表面
観察を行った。
このもののモルホロジーはナイロン樹脂が連続相を形
成し、ポリフェニレンエーテル及びGMA変性水添ブロッ
ク共重合体が分散相を形成しており分散粒子は細かな円
形形状でありその平均分散粒子径は1.30ミクロンであっ
た。
このものの射出成型試験片の物性は常温Izod衝撃強度
(ノッチ付)62Kgcm/cm、−30℃Izod(ノッチ付)衝撃
強度18Kgcm/cm、曲げ弾性率21000Kg/cm2、H.D.T(低荷
重)170℃であった。
なお物性測定はIzod衝撃強度ノッチ付(ASTMD256)、
H.D.T(ASTMD648)、曲げ弾性率(ASTMD790)にしたが
って測定した。
実施例1〜6 表1に記載の組成に基づく成分をドライブレンダーで
混合、参考例6と同様に二軸の45mm押出機にて押出しペ
レットとした。
射出成型機で各種試験片を作成し表1の項目について
物性測定を実施した。
その結果を表1に載せた。
比較例1 変性ブロック共重合体として参考例5で作成した無水
マレイン酸変性水添ブロック共重合体を選らび実施例3
と同様にポリエチレンテレフタレート(PET、旭化成サ
ンペット)50重量部、ポリフェニレンエーテル粉末(η
sp/c0.52、30℃0.5g/100mlクロロホルム溶液)35重量
部、無水マレイン酸変性ブロック共重合体15重量部を樹
脂温290℃で押出し組成物とした。
このもののIzod衝撃強度(ノッチ付、常温)は3.0Kgc
m/cmであり走査型電子顕微鏡での観察で流動方向に垂直
な断面で平均分散粒子径は5.6ミクロンであり、流動方
向に平行な断面では長さが20ミクロン以上のひも状のも
のであった。
本比較例によりGAM変性の水添ブロック共重合体は結
晶性樹脂と非晶性樹脂の相溶化材として特に有効である
事がわかる。
比較例2 ナイロン6/6T樹脂20重量部、ポリカーボネート樹脂35
重量部、参考例1で作成したGMA変性水添ブロック共重
合体45重量部を実施例1と同様に処理して組成物とし
た。
このものの物性はIzod衝撃強度(ノッチ付、常温)は
破断せずきわめて大きな耐衝撃性を示したが曲げ弾性率
が3500Kg/cm2ときわめて低くH.D.Tも80.0℃であった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.少なくとも1個のビニル芳香族化合物重
    合体ブロックAと少なくとも1個のオレフィン化合物重
    合体ブロックBを有し、且つブロックBの不飽和度が20
    %を超えない水添ブロック共重合体100重量部にグリシ
    ジルメタクリレート及び/又はグリシジルアクリレート
    を0.01〜20重量部グラフトした変性水添ブロック共重合
    体 b.少なくとも1種の結晶性樹脂 c.ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリレ
    ート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、アモルフ
    ァスナイロン、ABS等スチレン系共重合体より選ばれる
    少なくとも1種の非晶性樹脂 以上a、b、c三成分が混合重量比a/(b+c)で5〜
    40/95〜60で、b/cの混合重量比が40〜90/60〜10であ
    り、且つa、b、c三成分を押出機により混練すること
    により、bが連続相、a及びcが独立した又は/及び相
    互に侵入した粒子状で分散相を形成せしめた組成物であ
    り、その組成物の射出成型品の電子顕微鏡を用いて観察
    したモルホロジーにおいてその分散粒子の平均分散粒子
    径が0.05〜5ミクロンの範囲を満すポリマーブレンド組
    成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の成分bがナイロン6、ナイ
    ロン6,6、ナイロン11、ナイロン6,10、ナイロン6/6T
    (T:テレフタル酸)、ポリブチレンテレフタレート、ポ
    リエチレンテレフタレート、液晶性ポリエステル、ポリ
    アセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテ
    ルエーテルケトン、よりなる樹脂の群より選ばれる少な
    くとも1種である請求項1記載のポリマーブレンド組成
    物。
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