JP2701062B2 - 複合吸着材 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は複合吸着材に関する。詳しくは、自動車、台
所、居室内、事務所などに発生し、複合臭として多くの
臭気成分を含む悪臭の除去に有効な複合吸着材に関す
る。

［従来の技術］ 自動車、台所、居室内、事務所などに発生する悪臭は
多種の臭気が混合した複合臭である。例えば自動車にお
いて、煙草臭、汗臭、排気ガス臭、ほこり臭などが混合
した複合臭で、その成分は数1000種類にも及ぶと言われ
ている。悪臭防止法では、これらの臭気中の８種類の成
分、すなわちアンモニア、メチルメルカプタン、硫化水
素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、ア
セトアルデヒド、スチレンが、特に重要な悪臭成分とし
て指定されている。

従来、このような悪臭を除去する方法としては、芳香
剤を利用してマスキングする方法、活性炭やシリカゲル
等で吸着除去する方法、化学薬品で中和する方法などが
採られてきた。

しかしながら、芳香剤を用いてマスキングする方法
は、悪臭の成分を根本的に除去するというものではな
く、また芳香剤そのものの臭いも気になる場合がある。
活性炭やシリカゲル等で吸着除去する方法は、その吸着
剤の種類で、吸着できる悪臭成分の種類が制限され、例
えば活性炭では、アンモニア、トリメチルアミンなどの
塩基性の臭気に対しては全く効果を示さない。従って、
例えば、車両用として市販されている脱臭剤であって
も、発生する臭気の種類によっては、全く脱臭効果を示
さない場合がある。化学薬品で中和する方法も、対称と
なる悪臭成分が限られる。

一方、特開昭62−34565号公報には、亜鉛化合物、銅
（II）化合物を水溶液として、あるいはゼオライト、活
性炭などの多孔性担体に添着した消臭剤が提案されてい
る。また、特開昭60−129054号公報には、アミノ酸やそ
の塩類を有効成分する脱臭・消臭剤が開示されている。
これは食品分野への応用を目的としたもので、有機溶
剤、水などで稀釈して食品へ添加して使用される。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上記従来の脱臭・消臭剤のいずれも、
その効果は、アンモニア、トリメチルアミンなどの塩基
性の臭気、あるいはメチルメルカプタンなどの硫化物系
の臭気に限られており、車室内等に発生する多種多様な
悪臭成分を含有する複合臭の除去用として十分なもので
はなかった。

また従来は、どの脱臭成分が、どの悪臭成分に対して
どのような作用効果を有するかがほとんど分っておら
ず、従って、一部の悪臭成分は除去できても、質の変わ
った臭気となっただけにすぎない場合ぎ多く、複合臭の
除去に十分な効果を得ることは極めて困難であった。

さらに、複数の悪臭成分を除去するために複数の脱臭
剤成分を組合わせようとしても、各脱臭剤成分が相互に
悪影響を及ぼしあって、全く脱臭効果を失ってしまった
り、逆に激しい悪臭を発生する事態が生じたりすること
があった。

しかして、本発明の目的は、自動車、台所、居室内、
事務所などに発生し、多くの臭気成分を含む複合臭の除
去に優れた効果を発揮する複合吸着材を提供することに
ある。

［課題を解決するための手段］ 本発明者等は、このような従来の欠点を克服し、多種
の悪臭成分を含む複合臭に対し優れた除去性能を発揮す
る複合吸着材を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、複数
の悪臭成分を吸着除去する複合吸着材であって、低級ア
ルデヒド類に基づく悪臭成分を除去するための第１の脱
臭成分として、芳香族アミノ酸または芳香族アミノ酸の
塩類の少なくとも１種を、硫黄および塩基性の悪臭成分
を除去するための第２の脱臭成分として、銅化合物また
は鉄化合物の少なくとも１種を含有する複合吸着材が、
極めて高い効果を示すことを見出した。

本発明において、芳香族アミノ酸または芳香族アミノ
酸の塩類としては、ｏ−、ｍ−またはｐ−アミノ安息香
酸、ｐ−アミノサリチル酸、ｍ−アミノサリチル酸など
の芳香族アミノ酸、またはそれらのナトリウム塩、カリ
ウム塩などの金属塩類、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩などの
無機塩類などが挙げられる。

銅化合物としては、硫酸銅、塩化銅、臭化銅、硝酸
銅、炭酸銅などの銅無機塩のほか、酢酸銅、シュウ酸
銅、クエン酸銅、フタロシアニン銅などの銅有機塩など
が挙げられ、特に塩化銅、具体的には塩化第２銅が好適
に使用される。

鉄化合物としては、硫酸鉄、塩化鉄、臭化鉄、硝酸
鉄、炭酸鉄などの鉄無機塩のほか、酢酸鉄、シュウ酸
鉄、クエン酸鉄、フタロシアニン鉄などの鉄有機塩など
が挙げられ、特に塩化鉄、具体的には塩化第１鉄が好適
に使用される。

これらの芳香族アミノ酸またはその塩類、銅化合物ま
たは鉄化合物を本発明の複合吸着材として使用する場
合、その使用形態は特に制限されるものではなく、これ
らを粉末のまま混合して使用することもできるが、その
効果を高めるためには任意の濃度の水溶液または有機溶
剤に溶かした溶液とするか、あるいは多孔性担体に担持
させて使用することが好ましい。特に多孔性担体に担持
させて使用することが有効である。

多孔性担体としては、セピオライト、パリゴルスカイ
ト、活性炭、ゼオライト、活性炭素繊維、セピオライト
混合紙、シリカゲル、活性白土、アルミナ、バーミキュ
ライト、ケイソウ土などの無機質多孔性担体のほか、パ
ルプ、繊維、布、高分子多孔体などの有機質多孔性担体
などが使用できる。好ましくは、セピオライト、パリゴ
ルスカイト、活性炭またはゼオライトが使用される。活
性炭の種類は特に限定されないが、好ましくはヤシガラ
を原料とするヤシガラ活性炭が使用される。

芳香族アミノ酸、その塩類、銅化合物または鉄化合物
を多孔性担体に担持する方法は特に問わないが、好まし
くは芳香族アミノ酸、その塩類、銅化合物または鉄化合
物を微粉砕して、多孔性担体の微粉末に混合して形成す
ることにより担持するか、水またはエタノールなどの可
溶性溶媒に溶解し、その溶液を多孔性担体に含浸させた
後、溶媒を蒸散させて担持してもよい。

また、この複合吸着材を工業的に製造する方法として
は、例えば芳香族アミノ酸またはその塩類と、銅化合物
または鉄化合物とを、ヘンシェルミキサー、ニーダ、土
練機、ディスパーミルなどの混合機を用いて混合する。
乾燥後、ヘンシェルミキサー、ハンマーミルなどの粉砕
機で粉砕して、粉末もしくは顆粒状の複合吸着材とする
ことができる。

また、この複合吸着材は用途に適した形状に成形する
こともできる。例えば前記の粉末に水を加えて練りこん
だ状態のものを、押出し機で押出し、そのまま乾燥した
もの、または一定間隔に切断して円筒状の錠剤に形成し
たり、またはマルメライザーで球状にしたり、ハニカム
形状に押出し成形してもよい。

さらに本発明の複合吸着材に強度を付与するためにポ
リビニルアルコール、CMCなどの有機系粘結剤、シリカ
ゲル、ケイソウ土などの無機系粘結剤を添加して成形し
てもよい。

本発明においては脱臭剤成分の応じて担持させる多孔
性担体の種類を変更してもよく、適切な組合わせとする
ことでより効果を高めることができる。例えば、ｏ−、
ｍ−またはｐ−アミノ安息香酸、ｐ−アミノサリチル
酸、またはその塩類にはセピオライトを、銅化合物また
は鉄化合物には活性炭を使用するとより効果的であり、
特に活性炭としてヤシガラ活性炭を用い、銅化合物また
は鉄化合物として塩化第１鉄または塩化第２銅のいずれ
かを用いた場合に最も効果が高い。

多孔性担体への芳香族アミノ酸またはその塩類の担持
量は、通常、担体に対し1.0〜90重量％の範囲が望まし
い。担持量が1.0重量％未満であると悪臭成分の除去効
果が小さく、90重量％を超えると担体への分散性が悪く
なり悪臭成分の除去効果も低下するので経済的ではな
い。なかでも５〜80重量％担持するのがより好ましい。

多孔性担体への銅化合物または鉄化合物の担持量は、
通常、担体に対し固形分比で0.1〜50重量％、より好ま
しくは１〜30重量％の範囲が望ましい。担持量が0.1重
量％未満であると銅化合物または鉄化合物の悪臭除去効
果が十分発揮されず、50重量％を超えると担体そのもの
の悪臭成分の吸着性が急激に損なわれるので適当ではな
い。

［作用］ 本発明の複合吸着材は、その有効成分として芳香族ア
ミノ酸またはその塩類と、銅化合物または鉄化合物とを
含有する。

このうち、芳香族アミノ酸またはその塩類は、低級ア
ルデヒド類に基づく悪臭ガスの除去に有効であり、特に
多孔性担体に担持させた場合には極めて効率よく低級ア
ルデヒド類に基づく悪臭ガスを除去することができる。
これは、多孔性担体に担持させることで、芳香族アミノ
酸またはその塩類と低級アルデヒド類に基づく悪臭ガス
との接触面積が広がり吸着能を高めていることに加え
て、多孔性担体との結合が低級アルデヒド類の吸着を促
進する作用を有するためと考えられる。

この作用機構については明確には分かっていないが、
多孔性担体に芳香族アミノ酸またはその塩類を担持させ
ると分子レベルの共役系が変化し、カルボキシル基、ア
ミノ基の電子が局在化してそこに低級アルデヒド類が来
るとアルデヒド基との反応が促進されるものと考えられ
る。また、多孔性担体の種類によってもその除去性能が
変化することが知られ、例えば芳香族アミノ酸またはそ
の塩類はセピオライトに担持させることでその効果を増
す。

銅化合物または鉄化合物は、メチルメルカプタン、硫
化水素などの硫化物系の悪臭ガスおよびアンモニア、ト
リメチルアミンなどの塩基性の悪臭ガスの除去に有効で
ある。

銅化合物または鉄化合物による悪臭ガスの除去性は、
これら化合物が硫化物系の悪臭ガスに対しては銅硫化物
または鉄硫化物を生成し、塩基性の悪臭ガスに対しては
錯体を生成するためと考えられる。特に、多孔性担体に
担持させた場合には悪臭ガスとの接触面積を広げ、悪ガ
ス臭の吸着能を向上させる。

多孔性担体は、これら有効成分をその構造中に有する
細孔内に保持し、これら有効成分による悪臭除去を促進
する。また、多孔性担体自体が有する吸着能により、複
合吸着材の悪臭除去性能をさらに向上させる。例えば、
活性炭は炭化水素類、硫化物系の悪臭ガスを、セピオラ
イトはアンモニア、イソ吉草酸、酪酸、トリメチルアミ
ノ、ピリジンなどの悪臭ガスをよく吸着する。

［実施例］ 以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発
明はその要旨を越えない限りこれら実施例により何等限
定されるものではない。

実施例１ 塩化第２銅、塩化第１鉄、ｏ−アミノ安息香酸それぞ
れ1gを秤量し、水またはエチルアルコールに溶解したも
のを、セピオライトまたは活性炭9gに含浸させた後、10
0℃で乾燥して各種の脱臭成分を担持させた多孔性担体
を調製した。

得られた担持物を、表１のように組合わせて混合し、
本発明の複合吸着材を得た（試料No.1〜４）。

このようにして得た複合吸着材1gを秤量し、５のガ
ス非透過性の袋に入れたものを、各複合吸着材につきそ
れぞれ４袋用意した。

用意した各袋に、悪臭ガスとしてメチルメルカプタ
ン、アンモニア、アセトアルデヒド、トリメチルアミン
をそれぞれ気化させて空気とともに５となるように加
えて密閉し、４時間後に袋内の悪臭ガスの濃度を測定し
て複合吸着材による悪臭ガスの吸着性能を評価した。ま
た、比較のために、表２に示す組合わせの吸着材を用意
し、同様の方法で評価を行った。評価方法は、アンモニ
アについては北川式ガス検知管、メチルメルカプタン、 アセトアルデヒド、トリメチルアミンについてはガスク
ロマトグラフィーにより濃度を測定し、吸着性能を各悪
臭ガスの除去率（％）として表３に示した。除去率
（％）は次の（１）式により求めた。なお、各悪臭ガス
の初期濃度は表４に示す通りであった。

表３に明らかなように、複合吸着材の種類の違いによ
り、各悪臭ガスに対する除去特性は若干異なるが、本発
明はいずれの悪臭ガスに対しても良好な除去性能を示
し、総合的に比較品よりも性能が向上している。これに
対し、芳香族アミノ酸または芳香族アミノ酸の塩類、あ
るいは銅化合物または鉄化合物のいずれが欠けても良好
な結果は得られない。

また、芳香族アミノ酸またはその塩類と、銅化合物ま
たは鉄化合物とを組合わせたことによる性能の低下は見
られなかった。

実施例２ 実施例１の試料No.1と同じ構成の複合吸着材を用いて
アセトアルデヒドの吸着性能を調べた。

ｏ−アミノ安息香酸10gとセピオライト10gをよく混合
し、エチルアルコール200mlを加えた。超音波洗浄器で
さらに混合した後、乾燥器に入れ100℃で乾燥した。

次に塩化第２銅1gとヤシガラ活性炭（粒度32〜80メッ
シュ）9gをよく混合し、水10mlを加えてさらに混合した
後、乾燥器に入れ、100℃で乾燥した。

得られたｏ−アミノ安息香酸担持セピオライト、塩化
第２銅担持ヤシガラ活性炭のそれぞれを1.5gづつ秤量
し、混合して本発明の複合吸着材とした（試料No.5）
後、第１図に示した脱臭試験装置の脱臭カラム１に入れ
た。また、測定条件を表５に示した。

次に臭化物質気化器３を用いてアセトアルデヒド水溶
液を気化させながら、容器２内に入れ、循環ポンプ４を
用いて系内の空気を循環させた。約30分間循環させて吸
着試験を行った後に、採気孔５からマイクロシリンジを
用いてガスを少量採取しガスクロマログラフィーで濃度
を分析した。

なお、図中、６は恒温恒湿槽、７は流量計、８はマノ
メータである。

この分析値を容器内の残留濃度とし、複合吸着材のア
セトアルデヒド吸着量を下記（２）式に従って計算で求
め、表６に示した。

アセトアルデヒド吸着量 ＝〔｛初期濃度（ppm）−袋内の残留濃度（ppm）｝ ×10^-6×容器の容量（）×アセトアルデヒド 分子量（44.05）×10³×273（℃）］ ／［22.4（）×用いた試料の重量（ｇ） ×293（℃）］ ……（２） また、比較例としてセピオライト（比較品C3）および
ヤシガラ活性炭（比較品C4）について上記試料No.5と同
様の吸着試験を行い、残留濃度およびアセトアルデヒド
吸着量を表６に併記した。

表６の結果に明らかなように本発明の複合吸着材は、
セピオライトあるいはヤシガラ活性炭を単独で使用した
場合に比べ飛躍的に性能が向上している。

実施例３ 実施例１の試料No.1と同じ構成の複合吸着材を用いて
その吸着性能を調べた。

ｏ−アミノ安息香酸100g秤量し、セピオライト2000g
とともにニーダに入れて混合した。水2000mlを加えてさ
らに混練した後、ペレッターを用いて直径約3mm、長さ
約5mmの円筒状に成形し、100℃で一昼夜乾燥した。

また、塩化第２銅100gを秤量して水100mlに溶解し、
塩化銅の水溶液を調製した。次にヤシガラ活性炭（粒度
32〜80メッシュ）2000gをポリエチレン性のバケツに入
れ、撹拌しながら塩化銅の水溶液を徐々に加えた。

このようにして得られたｏ−アミノ安息香酸担持セピ
オライト、塩化第２銅担持ヤシガラ活性炭をそれぞれ55
g秤量し、混合して合計110gとし本発明の複合吸着材を
得た（試料No.6）。この複合吸着材を通気性のある10cm
×18cmの紙袋に封入し、自動車用脱臭剤としてモニター
試験を行った。

モニター試験は、22名の被験者を対象にして行い、上
述の紙袋入り脱臭剤をそれぞれ２個自動車内に設置し、
時間の経過に伴って脱臭剤の効果がどのように変化する
かを調べた。結果を表７に示す。

表７に明らかなように、１日後以降、１ヵ月間に渡
り、良く効いている。少しは効いていると答えた被験者
が約60％以上を占めた。逆にほとんど効いていない、全
く効いていないと答た被験者は２週間後は０％、一ヵ月
後でも約９％にすぎず、本発明の複合吸着剤が自動車内
に発生する複合臭に対して優れた脱臭効果を示すことが
わかる。

実施例４ 実施例１の試料No.1と同じ構成の複合吸着材を用い、
その構成比を変化させた吸着性能を調べた。

塩化第２銅10gを秤量して水45mlに溶解した水溶液
を、ヤシガラ活性炭90gに含浸させた後、100℃で乾燥さ
せた。

また、ｏ−アミノ安息香酸10gを秤量し、セピオライ
ト90gと混合した後、エチルアルコール300mlを加えてよ
く撹拌し、さらに乳鉢で粉砕した。

このようにして得られたｏ−アミノ安息香酸担持セピ
オライト、塩化第２銅担持ヤシガラ活性炭を表８に示す
配合割合でよく混合し、複合吸着材として（試料No.7〜
10）悪臭ガスの吸着性能を検討した。

吸着性試験は上記実施例１と同様の方法で行い、複合
吸着材0.2gを５のガス非透過性の袋に入れ、さらに悪
臭ガスを気化させながら空気とともに５となるように
入れて密封し、約４時間放置後の袋内の悪臭ガス濃度を
測定した。悪臭ガスとしてはアンモニア（初期濃度170p
pm）、アセトアルデヒド（初期濃度65.7ppm）を用い、
吸着量および除去率をそれぞれ表９、表10に示した。

各表に示されるように、本発明の複合吸着材はいずれ
も、アンモニアおよびアセトアルデヒドに対し高い吸着
性能を示している。

［発明の効果］ 本発明の複合吸着材は、低級アルデヒド類に基づく悪
臭ガス、メチルメルカプタン、硫化水素などの硫化物系
の悪臭ガス、およびアンモニア、トリメチルアミンなど
の塩基性の悪臭ガスなどのいずれに対しても優れた除去
性能を示す。

従って、自動車、台所、居室内、事務所などに発生す
る、多種の悪臭成分を含む複合臭に対しても優れた効果
を発揮するので、実用上極めて高い価値を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例で使用した脱臭試験装置の全体構
成図である。

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の悪臭成分を吸着除去する複合吸着材
   であって、低級アルデヒド類に基づく悪臭成分を除去す
   るための第１の脱臭成分として、芳香族アミノ酸または
   芳香族アミノ酸の塩類の少なくとも１種を、硫黄および
   塩基性の悪臭成分を除去するための第２の脱臭成分とし
   て、銅化合物または鉄化合物の少なくとも１種を含有す
   る複合吸着材。
2. 【請求項２】多孔性担体に、低級アルデヒド類に基づく
   悪臭成分を除去するための第１の脱臭成分として、芳香
   族アミノ酸または芳香族アミノ酸の塩類の少なくとも１
   種を、硫黄および塩基性の悪臭成分を除去するための第
   ２の脱臭成分として、銅化合物または鉄化合物の少なく
   とも１種を担持してなる複合吸着材。
3. 【請求項３】芳香族アミノ酸または芳香族アミノ酸の塩
   類が、ｏ−、ｍ−またはｐ−アミノ安息香酸、ｐ−アミ
   ノサリチル酸、またはそれらの塩類である請求項１また
   は２記載の複合吸着材。
4. 【請求項４】銅化合物が銅の無機塩であり、鉄化合物が
   鉄の無機塩である請求項１または２記載の複合吸着材。
5. 【請求項５】多孔性担体が、セピオライト、パリゴルス
   カイト、活性炭、またはゼオライトの少なくとも１種で
   ある請求項２記載の複合吸着材。
6. 【請求項６】セピオライトに、ｏ−、ｍ−またはｐ−ア
   ミノ安息香酸、ｐ−アミノサリチル酸、またはそれらの
   塩類の少なくとも１種を担持したものと、活性炭に銅の
   無機塩または鉄の無機塩の少なくとも１種を担持したも
   のとを主たる構成成分として含有する複合吸着材。
7. 【請求項７】活性炭がヤシガラ活性炭であり、銅の無機
   塩または鉄の無機塩が、塩化第２銅または塩化第１鉄で
   ある請求項６記載の複合吸着材。