JP2700422B2 - 立毛調自動車内装材 - Google Patents

立毛調自動車内装材

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、立毛調自動車用内装材に関し、さらに詳細
には、ピーチスキン、スウエード、ベロア調などの風合
いを呈する立毛調自動車内装材に関する。
〔従来の技術〕
従来より、トリコット編み地からなるカットパイル地
を自動車内装材に使用することは知られている。一方、
自動車産業の発達につれ、この自動車内装材に要求され
る品位も次第に高級化してきている。この要求に沿うも
のとして、パイル長を長くすることにより高級な感触を
だしたものが作製されている。しかしながら、従来のカ
ットパイル地では、パイル長を長くしていくとパイル表
面の色調が見る角度により異なって見える。
すなわち、膨らんだ部分や窪んだ部分で部分的に黒ず
んだ部分(黒ズミ)ができ、いかにも汚れたように見
え、さらに部分的に白っぽく見える箇所(白ボケ)がで
き、埃をかぶったように見え、高級感、美感を損なうと
いった欠点を有する。
また、人が座ったり、物がおいてあったりして毛倒れ
を生じた場合も、毛倒れ部分で白ボケとなる欠点があ
る。
このような問題を解決するため、断面形状を異形化し
たものが数多く提案されている。例えば、特開昭62−21
842号公報には、偏平度が2〜5の偏平形状をしたポリ
エステルフィラメントが、特開昭63−315639号公報に
は、複数個の中空部を有し、3〜8角の非円形断面のポ
リエステルフィラメントが提案されており、立毛部の毛
倒れ改善がはかられている。
また、特開昭63−145458号公報では、芯鞘ポリエステ
ルフィラメントを溶解し不規則な横断面凹凸を有するフ
ィラメント布帛が、特開平2−160908号公報では、偏平
断面形状で繊維の長さ方向に沿って繊維表面に溝状圧痕
を有する繊維のパイル布帛が白ボケ対策として提案され
ている。
さらに、特開昭62−268855号公報、特開昭63−105143
号公報では、芯鞘構造をとるポリエステル繊維におい
て、芯部の酸化チタン含有量を鞘部より減らしたり、ま
た芯部にカチオン可染ポリマーを使用することによる白
ボケ、黒ズミ対策が提案されている。
毛倒れ対策としての断面の異形化は、異形度を大きく
することにより効果が発現されるものの、ソフトな風合
いが損なわれ、また操業性も悪化する問題がある。ま
た、表面の凹凸化による白ボケの防止効果は、所望のレ
ベルに程遠いものであった。さらに、繊維の芯鞘構造に
よる問題改善も設備、生産面でコスト高であり、断面形
状などの選択の幅が狭くなる欠点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、従来技術の課題を背景とするものであり、
黒ズミ、白ボケがなく、毛倒れしにくい、ソフトな高級
感をもった立毛自動車内装材を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、トリコット編み地からなるカットパイル地
であって、そのパイル糸が、固有粘度が0.70を超え、広
角X線回折法による(100)面の結晶サイズが65Å以上
であるポリエチレンテレフタレートフィラメントからな
ることを特徴とする立毛調自動車内装材である。
本発明においては、パイル糸として固有粘度が0.70を
超え、広角X線回折法による(100)面の結晶サイズが6
5Å以上のポリエチレンテレフタレートフィラメントを
使用する。
固有粘度は、35℃、オルソクロロフェノール溶液中で
測定したものである。
本発明において、パイル糸の固有粘度は0.70を超える
ことが必要であり、0.75以上が好ましい。
また、本発明において、広角X線回折法による(10
0)面の結晶サイズとは、X線回折装置を使用し、広角
X線回折法による測定を行い、(100)面のピークの半
価幅より求めた結晶サイズである。
本発明において、このようにして得られる結晶サイズ
が65Å以上であり、70Å以上が好ましい。
ポリエチレンテレフタレートフィラメントは、結晶サ
イズが65Å以上となる領域では、紡糸工程において糸断
面の外周部が内周部に比べ著しく結晶配向が進む。
特に、この傾向は、固有粘度が高いほど著しい。
すなわち、固有粘度が0.70を超えると、外周部が内部
に対し結晶配向が大きくなり、毛倒れは従来のものに比
べ著しく防止されしかも異形度の高い断面形状の糸に比
べソフトな高級感覚のものが得られる。また、該ポリエ
チレンテレフタレートフィラメントは、外周部に大きな
結晶が成長するため、結晶間の非晶部の繊維構造は配向
が乱れた状態となっている。そのため、外周部に染料が
多量にしかもランダム分散されるため外周部が内部に比
べ濃色、深色化する。このため、毛倒れを生じてもパイ
ル側面が濃色に染色されているため濃色の鞘に囲まれて
薄色の芯断面が細く露出するパイル上面(切断面)と比
較して反射光に大差を生じることなく全体の色調に差を
感知されないものとなる。また、パイル表面の色調がみ
る角度において異なり部分的に黒ずんで見えたりするこ
ともなく白ボケ、黒ズミが著しく改善される。
本発明のパイル糸に用いるポリエチレンテレフタレー
トフィラメントの製造方法は、紡糸温度290〜300℃程度
で紡糸し、口金直下から150mm程度までを300〜500℃の
雰囲気温度で加熱し、その後15〜30℃の冷風で冷却後、
2,500m/分以上の速度で引取りそれを1.2〜2倍程度延伸
する方法により得ることができる。
なお、本発明のパイル糸を構成するポリエチレンテレ
フタレートフィラメントの単糸繊度は1〜4デニール、
マルチフィラメントの繊度は50〜150デニールであるこ
とが好ましい。
また、本発明のパイル地の地組織のトリコット編み地
を構成するミドル糸およびバック糸の種類は特に限定さ
れないが、一般にパイル糸と同浴で染色されるポリエス
テル繊維を使用するのが好ましい。特に、ミドル糸に
は、ポリエステルのセミダル糸を使用するのが好まし
く、カチオン可染性ポリエステルのセミダル糸を使用す
るのが効果的である。また、バック糸としては、POYや
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートなどの
高収縮糸を使用し熱処理によって密度を高めるようにす
るのが好ましい。
本発明のパイル地を構成するトリコット編み地の製造
方法としては、公知の方法が採用でき、例えば2枚の筬
を持つトリコット機を用い、バック筬から通常のポリエ
チレンテレフタレートマルチフィラメントおよびフロン
ト筬から本発明で特定するポリエチレンテレフタレート
マルチフィラメントを編み針に供給し、バック筬および
フロント筬の振り振動はそれぞれ例えば10/12、01/10と
し、かつポールガイドをバック筬の振り振動に連動させ
るといった方法を例示することができる。
また、カットパイルは、例えば上記方法により得られ
るパイルループが形成されたパイル状編み物をロール状
起毛機およびカット起毛機にて処理したのち、シャーリ
ングマシーンにてパイル長を整えることにより作製でき
る。
本発明のカットパイル地のパイル長は目的に応じて選
べばよいが、一般に0.5mm以上、好ましくは1〜5mm程度
に整えるのがよい。特に1.5〜3mm程度である場合に本発
明の効果は著しい。
このようにして得られるカットパイル地は、ピーチス
キン、スウエード調、ベロア調などの立毛調材料であ
り、これは、車内、天井、ドアの内張シート、カーシー
ト、カーマットなどの自動車内装材として有用である。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
なお、パイル糸の特性値の測定および評価は下記に従
った。
固有粘度 35℃、オルソクロロフェノール溶液で測定。
結晶サイズ 理学機器(株)製のX線回折装置を使用し、広角X線
回折法により測定を行い、(100)面のピークの半価幅
より求めた。
立毛性 パイル糸の立毛状態を目視して、以下のように評価し
た。
○;まっすぐ立毛していて良好。
△;少々曲がり気味で不満足。
×;パイル糸が傾斜していて不合格。
白ボケ、黒ズミ 目視による観察で以下のように評価をした。
○;白ボケまたは黒ズミが全く感知されない。
△;白ボケまたは黒ズミが幾分感知される。
×;白ボケまたは黒ズミがひどい。
実施例1 ポリエチレンテレフタレートを紡糸温度295℃で紡糸
し、口金直下から150mm間を390℃の雰囲気温度で加熱
し、その後22℃の冷風で冷却して紡糸速度4,000m/分で
巻き取った。
その巻取り糸を、延伸温度80℃、延伸倍率1.3で延伸
し、180℃×0.2秒で熱処理して固有粘度0.76、結晶サイ
ズ70Åのポリエチレンテレフタレートからなる75デニー
ル/24フィラメントのマルチフィラメントを得、これを
フロント糸(パイル糸)として用いた。
ミドル糸に3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナ
トリウムを酸成分の2.5モル%共重合させたポリエチレ
ンテレフタレート(酸化チタン含有率0.30重量%、固有
粘度0.48)からなるセミダルのカチオン可染ポリエチレ
ンテレフタレートフィラメント75デニール/36フィラメ
ントを使用し、バック糸に75デニール/36フィラメント
の固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレートフィラメ
ントを使用して、密度28ウエル/インチ、78コース/イ
ンチでパイルトリコット編み地を得た。
この編み地を3回起毛後、180℃、30秒乾熱セット
し、その後125℃、45分間液流染色機で染色した。
次いで、160℃、30秒の乾熱セットをし、起毛剤をバ
ッドしフロント糸をカット起毛(6回)したのちシャー
リングしてパイル長を2.5mmに整え、176℃、30秒の乾熱
処理をした。
得られた製品は、従来と同目付で毛倒れし難く立毛感
に優れ表面が平滑で高級感のある感触のよいパイル地と
なった。
また、パイル表面をどのような角度から眺めても染着
および色調に差がなく、白ボケ、黒ズミの防止効果が充
分認められた。さらに、パイルを一部倒してもパイル表
面の染着および色調に特別な変化がなく、外観的にはパ
イルの毛倒れを感知することはむずかしく、手で触れて
毛倒れを知ることができる程度であった。
比較例1 ポリエチレンテレフタレートを紡糸温度295℃で紡糸
し、口金直下から150mm間を250℃の雰囲気温度で加熱
し、その後22℃の冷風で冷却し、紡糸速度2,000m/分で
巻き取った。
その巻取り糸を、延伸温度80℃、延伸倍率3.0で延伸
し、180℃で0.2秒熱処理して固有粘度0.76、結晶サイズ
45Åのマルチフィラメントを得、これをフロント糸とし
て用いた以外は、実施例1と同様にしてカットパイル地
を製造した。
得られたカットパイル地の外観または評価を、第1表
に示す。
比較例2 ポリエチレンテレフタレートを紡糸温度295℃で紡糸
し、口金直下から150mm間を430℃の雰囲気温度で加熱
し、その後22℃の冷風で冷却し、紡糸速度5,000m/分で
巻き取った。
その巻取り糸を、延伸温度80℃、延伸倍率1.2で延伸
し、180℃で0.2秒熱処理して固有粘度0.70、結晶サイズ
77Åのマルチフィラメントを得、これをフロント糸とし
て用いる以外は、実施例1と同様にしてカットパイル地
を製造した。
得られたカットパイル地の外観または評価を、第1表
に示す。
〔発明の効果〕 本発明は、黒ズミ、白ボケがなく、毛倒れし難くソフ
トな高級感をもった立毛調自動車内装材を提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長井 宏行 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式 会社松山事業所内 (56)参考文献 特開 昭58−136863(JP,A) 特開 平1−306611(JP,A) 特開 昭57−167448(JP,A) 特開 昭62−21842(JP,A) 特開 昭63−315639(JP,A) 特開 昭60−259620(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリコット編み地からなるカットパイル地
    であって、そのパイル糸が、固有粘度が0.70を超え、広
    角X線回折法による(100)面の結晶サイズが65Å以上
    であるポリエチレンテレフタレートフィラメントからな
    ることを特徴とする立毛調自動車内装材。
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JPS58136863A (ja) * 1982-02-05 1983-08-15 旭化成株式会社 易染性パイル経編地
JPH01306611A (ja) * 1988-05-27 1989-12-11 Toray Ind Inc 成形用に適したポリエステル繊維及び織編物

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