JP3208362B2 - シルキー調パイル布帛 - Google Patents

シルキー調パイル布帛

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JP3208362B2 JP25553697A JP25553697A JP3208362B2 JP 3208362 B2 JP3208362 B2 JP 3208362B2 JP 25553697 A JP25553697 A JP 25553697A JP 25553697 A JP25553697 A JP 25553697A JP 3208362 B2 JP3208362 B2 JP 3208362B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系繊
維からなるパイル素材を含むパイル布帛に関するもので
ある。さらに詳しくは、少なくとも90重量%がポリト
リメチレンテレフタレートから構成され、その単糸捲縮
ピッチが500〜2000μmであり、捲縮伸張率が1
0%以下であるパイル糸を含有し、シルキー調のソフト
感を有し、白ボケが生じ難いパイル布帛に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】パイル布帛は、布帛の表面に立ち毛を有
し、優雅な光沢、深みのある色相など独特の外観効果を
持ち、多くの衣料分野、椅子張りなどのインテリア分
野、車両の内装材等に広く使用されている。特にトリコ
ット編地からなるカットパイル布帛を自動車内装材に使
用することはよく知られており、そのパイル布帛の素材
としては、ポリエステル繊維が多く使われている。自動
車産業の発展につれてパイル布帛に要求される品位も次
第に高度化、高級化している。
【0003】パイル布帛の最も大切な特性としては人が
座ったり、荷物を置くようなパイル布帛表面に重量が加
わった場合、重量物を除去した時、パイルが元へ戻るこ
とが大切である。テレフタル酸を主たる酸成分とし、エ
チレングリコール主成分とするポリエステル系繊維は、
一方向あるいはランダム方向にパイル糸が倒れやすく、
繊維の倒れが回復しがたいという問題点があった。
【0004】パイル糸が倒れやすく、繊維の倒れが回復
しがたい問題を防ぐには、繊維の太さを大きくすればよ
いが、風合いが硬くなり、着席時の感触がグリグリした
ものとなりソフトな風合いを表現できなかった。この課
題解決のため、例えば、特開平8−120542号公報
は、ポリエステル繊維の風合いの硬さを、捲縮の付与で
はなく、偏平度2〜6の偏平繊維Aと繊度が2.5〜5
デニールで変形度3以下の多角断面繊維Bの組み合わせ
で構成するパイル布帛を提唱している。ポリエステル繊
維の中にポリトリメチレンテレフタレート繊維も含んで
はいるが、その明細書でも記載の如く、偏平繊維はどう
しても短軸方向へ倒れやすく、長軸方向の幅広い面が布
帛表面に向くため、反射光が強く、白っぽく見える(い
わゆる白ボケ)ことから、安っぽい印象を与えてしま
う。特に捲縮が無い場合その傾向は顕著になる。
【0005】また特開平5−5244号公報では、無捲
縮ポリエステル繊維Aと捲縮を有するポリエステル繊維
Bを組み合わせ、シルキー調のソフト風合いとパイル倒
れによる白ボケを改善している。前記の特開平8−12
0542号公報も2種の糸を混繊する点では同じである
が、この特開平5−5244号公報の場合も、2種の糸
を混合使用することによる生産上の煩雑さや、カット時
の外力により伸びやすい捲縮糸と伸びにくい非捲縮糸の
混在パイルのカットとなり、端正で均一なカットパイル
布帛を得るには不十分であり、また両繊維の偏りによる
局部的色斑などがあり、高級化にとって不十分であっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シル
キー調のソフト感を有し、白ボケが生じ難いパイル布帛
を提供しようとする点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、特定の捲縮ピッチと捲縮伸張率の少なく
とも90重量%がポリトリメチレンテレフタレートから
構成されるポリエステル繊維でパイルを構成することが
極めて有効であることを見いだし、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、少なくとも90重量
%がポリトリメチレンテレフタレートから構成され、そ
の単糸捲縮ピッチが500〜2000μmであり、捲縮
伸張率が10%以下であるパイル糸を含有するシルキー
調パイル布帛、である。以下、本発明を詳細に説明す
る。本発明に用いられるポリトリメチレンテレフタレー
トは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、トリメチレン
グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステ重
合体であり、グリコールとしては、1,3−プロパンジ
オール、1,2−プロパンジオール、1,1−プロパン
ジオール、2,2−プロパンジオール、あるいは、これ
らの混合物のいずれでもよいが、弾性回復性、熱セット
性、熱安定性の観点から1,3−プロパンジオールが特
に好ましい。
【0009】本発明に用いられるポリトリメチレンテレ
フタレート繊維においては、10重量%以内の範囲で、
好ましくは5重量%以内の範囲で必要に応じて、本発明
の効果を損なわない範囲で、イソフタル酸、コハク酸、
アジピン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の酸成
分や、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール等グリコール成分、ε−カプロラクトン、4−ヒド
ロキシ安息香酸などを共重合していてもよい。ただし、
この場合、堅牢性の低下が起こらない程度の共重合成分
である必要がある。更に、必要に応じて、各種の添加
剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難
燃剤、制電助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸
収剤、結晶核剤、蛍光増白剤などを必要に応じて共重
合、または混合してもよい。
【0010】本発明に用いられるポリトリメチレンテレ
フタレートは、公知の方法を用いて重合することができ
る。例えば、テレフタル酸またはテレフタル酸の低級ア
ルコールエステルと過剰の1,3−プロパンジオールを
テトラブチルチタネート等の触媒存在下、エステル交換
反応させ、次いで、得られた反応物にテトラブチルチタ
ネート等の触媒を加えて、0.5torr以下の真空
下、240〜280℃で重縮合反応を行なうことによ
り、当該ポリマーを得る事ができる。
【0011】共重合を行なう場合には、上記重合法の任
意の段階でコモノマーを加える事ができる。スルホイソ
フタル酸塩に代表されるカルボン酸および、その誘導体
を共重合する場合は、重合の最初にコモノマーを添加す
ることが好ましい。本発明に用いられるポリトリメチレ
ンテレフタレートは、紡口より押出した後に巻取り、次
いで延伸を行なうことにより得る事ができる。
【0012】ここで述べる未延伸の延伸の方法は、紡糸
を行なった後にボビン等で巻取り、この糸を別の装置を
用いて延伸する、いわゆる通常法や、紡口より押出され
たポリマーが完全に冷却固化した後、一定の速度で回転
している第一ローラーに数回以上巻き付けられることに
より、ロール前後での張力が全く伝わらないようにし、
第一ロールと第一ロールの次に設置してある第二ロール
との間で延伸を行なうような、紡糸と延撚工程とを直結
したいわゆる直延法を示す。
【0013】溶融紡糸する際の紡糸温度は230〜32
0℃が好ましく、さらに好ましくは235〜300℃、
特に好ましくは240か〜280℃の範囲である。紡糸
温度が230℃未満では、温度が低すぎて安定した溶融
状態になり難く、得られた繊維の斑が大きくなり、また
満足し得る強度、伸度を示さなくなる。また、紡糸温度
が320℃を越えると熱分解が激しくなり、得られた糸
は着色し、また満足し得る強度、伸度を示さなくなる。
【0014】糸の巻取速度については、特に制限はない
が、通常3500m/min以下が好ましく、さらに好
ましくは2500m/min以下、特に好ましくは20
00m/min以下である。巻取速度が3500m/m
inを越えると、巻取る前に結晶化かが進み過ぎ、延伸
工程で延伸倍率を上げる事ができないために分子を配向
させることができず、十分な強度を得ることができなか
ったり、巻き締まりが起こり、ボビン等が巻取機より抜
けなくなってしまったりする。延伸時の延伸倍率は2〜
4倍が好ましく、さらに好ましくは2.2から3.7
倍、特に好ましくは、2.5〜3.5倍がよい。延伸倍
率が2倍以下では、延伸により十分にポリマーを配向さ
せることができず、得られた糸の強度が低いものとなっ
てしまう。また4倍以上では糸切れが多発して延伸を行
なう事ができない。
【0015】延伸の際の温度は40℃〜80℃が良い。
延伸ゾーンの温度が40℃未満では延伸の際に糸切れが
多発し、連続していとを得る事ができない。また80℃
を越えると延伸ロールなどの加熱ゾーンに対する繊維の
滑りが悪化するため糸切れが多発し、毛羽だらけの糸に
なってしまう。また、延伸直後の熱処理を行なうことが
好ましい。この熱処理は90〜200℃が好ましく、さ
らに好ましくは100〜190℃、特に好ましくは11
0から190℃で行なうのがよい。熱処理温度が90℃
未満では繊維の結晶化が十分起こらず、耐久性が悪化す
る。また、200℃より高い温度では繊維が熱処理ゾー
ンで切れてしまい延伸することができない。また、熱処
理温度が160〜200℃であっても弛緩状態では毛羽
や糸切れが生ずる。
【0016】こうして得られる、本発明に用いられるポ
リトリメチレンテレフタレートは、物性としては特に制
限されないが、例示するならば、強度は2.5〜4.5
g/d程度、伸度25〜45%、弾性率20〜50g/
d、20%伸張時の弾性回復率70〜90%、融点22
0〜240℃の範囲であり、ソフトな風合いを示す繊維
であるものが好ましい。
【0017】また、ポリトリメチレンテレフタレート繊
維に対する捲縮の付与する方法は、例えば、通常の延伸
糸や高配向未延伸糸いわゆるPOYや紡速6000m/
min以上で巻取られた糸に対し、通常行われている仮
撚加工を施し、仮撚り後の熱セットゾーンで捲縮を伸張
してセットする方法や低温、低捲縮数で仮撚り加工を行
なう方法が挙げられる。
【0018】仮撚第一ヒーター温度は、130〜180
℃が好ましく、さらに好ましくは140〜170℃であ
り、特に好ましくは140〜170℃であり、130℃
未満では熱セット性が悪く捲縮が不安定になり、180
℃を超えると、捲縮がつきすぎて好ましくない。仮撚第
二ヒーター温度は120〜170℃が好ましく、さらに
好ましくは130〜160℃の範囲である。120℃未
満では熱セット性が悪く捲縮が不安定となり、170℃
を超えると捲縮がつきすぎて好ましくない。
【0019】また、太いパイル布帛の場合は、繊維を合
糸して用いることにより得られる。合糸の方法は、常法
による交撚、引揃えのいずれでもよいが、適度にインタ
ーレース処理を施すと、パイル中の繊維が極めて細かく
交絡され、染色加工工程を経ることによりフィラメント
同士の交絡がさらに強固なものとなることにより、圧縮
加重に対する抵抗力が高まり、本発明の目的とするパイ
ル倒れの改良効果が高まる。インターレース処理での交
絡数は5〜50個/mの範囲が好ましい。
【0020】捲縮を付与された単糸は、図1で示す単糸
捲縮ピッチLで計測される。単糸捲縮ピッチは500〜
2000μmの範囲であり、好ましくは500〜180
0μmである。500μm未満では単糸同士の絡まりが
強く、立ち毛とは言えない粗野な風合いの布帛になって
しまう。単糸捲縮ピッチが2000μmを超える場合、
荷重によるパイル倒れが起こりやすく、白ボケが生じや
すく好ましくない。
【0021】捲縮伸張率は10%以下、好ましくは1〜
10%、更に好ましくは2〜8%の範囲であり、1%未
満では荷重によるパイル倒れが起こりやすく好ましくな
い。また捲縮伸張率が10%を超える場合、パイル表面
がフェルトタッチとなり、シルキー調のソフト風合いを
得ることが困難になる。すなわちフェルト調になったパ
イルは、パイルの特徴である、優雅な光沢や、深みのあ
る色相などが消失してしまい、いわゆる白ボケとなる。
また倒壊したパイルは、繊維屑などが引っかかりやす
く、繊維屑や微細ゴミの付着によって非常に汚れやすく
なってしまう。
【0022】次にパイル地の地組織を構成する繊維(ミ
ドル糸及びバック糸)は、種類としては特に限定されな
いが、一般にパイル糸と同浴で染色されるポリエステル
系繊維を使用するのが好ましい。得にミドル系にはポリ
エステルのセミダル糸を使用するのが好ましい。またバ
ック糸としては、半延伸やPOYなどの高収縮糸を使用
し熱処理によって密度を高めるようにするのが好まし
い。
【0023】本発明のパイル布帛は、目付をパイルの長
さ、打込密度によって変えることができる。通常は10
0g/m2〜500g/m2が好ましく、さらに好ましく
は150g/m2〜450m2であり、100g/m2
満では、パイルが倒れやすく、500g/m2を超える
と重くなり、加工工程での取扱が難しくなり好ましくな
い。
【0024】本発明のパイル布帛は、立毛パイルが切断
端部を有するカットパイルにより構成されるものであれ
ば特に限定されるものではない。例えばベルベット、モ
ケット、ベッチン、コーヂュロイなどのパイル織物、ダ
ブルラッセルのセンターカット品、シンカーパイル編
地、タフテイング法によるカットパイル布帛、ポールト
リコットなどである。
【0025】本発明のパイル布帛は、自動車、電車、航
空機など重量物が繰り返しかかる座席シートの表層張
り、椅子張り、ソファー、カーテンなどのインテリア、
衣料品、寝具など多様な用途において用いることができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明をよ
り詳細に説明する。尚、実施例中の主な測定値は以下の
方法で測定した。 (1)極限粘度[η] 次の定義式に基づいて求められる値である。
【0027】
【数1】
【0028】定義式のηrは純度98%以上のo−クロ
ロフェノールで溶解したポリエステルポリマーの希釈溶
液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶剤自
体の粘度で割った値であり、相対粘度と定義されている
ものである。またCは、上記溶液100ml中のグラム
単位による溶質重量値である。 (2)単糸捲縮ピッチ 180℃で5分間、無荷重下で乾熱処理した後、無緊張
状態で単糸1本の捲縮ピッチ(山と山の間の距離)を連
続70点、これを全フィラメントについて80倍で写真
測定し、平均値を単糸捲縮ピッチとする。
【0029】(3)捲縮伸張率 ボイルで10分間、無緊張状態で湿熱処理した後、初荷
重2mg/dのもと、間隔が正しく20cmになる様に
マークをする。次に初荷重を除重し、0.1g/dの荷
重をかけ、30秒後にマーク間の長さを測定しA(c
m)とする。この測定を10回行い、下記式にて算出し
た値の平均値を捲縮伸張率とする。
【0030】 捲縮伸張率=[(A−20)/20]X100(%) (4)パイル倒れ性と色調 パイル布帛のパイル面を上にして水平に置き、パイル面
上に80g/cmの荷重を乗せ、40℃、80%RH下
で48時間放置し、除重後のパイル傾斜角度を測定し
た。なお、パイルの傾斜角度が70度以下になると外
観、色調変化がはっきりとわかる。
【0031】また、除重後の外観、色調変化について
は、次のように評価し判定した。 5級:色調変化がなく高級感がある。 4級:色調変化がわずかにある。 3級:色調変化がある。 2級:色調変化がかなりある。 1級:色調変化が著しくあり、高級感が損なわれてい
る。
【0032】(5)黒ズミ、白ボケ パイル布帛を、肘掛椅子にパイル面を上にして乗せ、中
心線が45度の開度をもち、幅10センチメートルのV
字型プレートに70Kgの荷重をかけ、除荷重後、あら
ゆる方向より黒ズミ、白ボケの度合いを観察し、下記の
如く判定した。 ○:黒ズミ、白ボケがない。
【0033】 △:部分的に目立つ。 ×:かなり目立つ。 (6)風合い 触感により、ソフトさ、及び絹風合い(シルキー調)、
羊毛風合い(ウール調、ウーリー調)が有るか否か判定
した。
【0034】
【実施例1】1,3−プロパンジオール1121重量
部、ジメチルテレフタレート(以下、DMT、と略記す
る)1300重量部、エステル交換触媒としてチタンテ
トラブトキシド1.3重量部を用いて220℃にてエス
テル交換反応を行った。次いで重縮合触媒としてチタン
テトラブトキシド1.3重量部を添加して260℃で減
圧度0.5torrにて重縮合を行い繊維形成性ポリエ
ステルポリマーを得た。得られたポリマーの極限粘度は
0.62であった。
【0035】得られたポリマーチップを130℃で10
0ml/分の窒素気流下、20時間乾燥させた。次いで
紡糸温度290℃で、36個の一重配列の紡口を用い、
紡糸速度1200m/minで紡糸して未延伸糸を作成
した。次いで、得られた未延伸糸をホットロール50
℃、ホットプレート140℃、延伸倍率3.0倍、延伸
速度600m/minで延撚を行い、75デニール/3
6フィラメントの延伸糸を得た。
【0036】つぎに2ヒーター仮撚機で仮撚数2300
T/M、仮撚温度が第一ヒーター150℃、第2ヒータ
ー140℃の条件で仮撚加工を施した。得られた糸の単
糸捲縮ピッチは、650μmであり、ボイル処理後の捲
縮伸長率は8.0%であった(以下A繊維と称す)。A
繊維2本を合糸し、インターレースを施し、38個/m
の交絡を付与し、150デニール/72フィラメントと
して巻き取った。
【0037】次いで、特殊なボールガイドと2枚の筬を
持つトリコット機を用い、バック筬には75デニール/
36フィラメントの高収縮のポリエステル繊維(沸水収
縮率20%、熱応力のピーク応力0.40g/d)を、
フロント筬には上記で得られた合糸しインターレースを
施した糸を供給した。バック筬とフロント筬の振り運動
は、それぞれ10/12、01/10で、ポールガイド
はバック筬の振り運動と同じ運動をさせた。
【0038】得られた編地は、上記の高収縮のポリエス
テル繊維75デニール/36フィラメントで地編地が形
成され、上記で得られた合糸しインターレースを施した
糸で地編地とパイルループとが形成されたパイル状編地
となった。このパイル状編地のパイルループのループ先
端を通常の方法で繊毛し、パイル長2.8mmのパイル
生地を得た。次いで120℃で熱ブラッシ、170℃で
ヒートセットを行ない、通常の方法で染色加工を施した
のち、ブラッシングを行ない、カットパイル布帛を得
た。カットパイル布帛のパイル糸のコース密度は75本
/インチであった。
【0039】得られたパイル布帛の、捲縮ポリエステル
繊維の単糸捲縮ピッチは920μmであり、捲縮伸長率
は7%であった。得られたパイル布帛のパイル倒れ性、
黒ズミ、白ボケの評価をした。その結果を表1に示す。
【0040】
【比較例1】エチレングリコール915重量部、DMT
1300重量部、エステル交換触媒として酢酸マンガン
0.65重量部を用いて220℃にてエステル交換反応
を行った。つぎに重縮合触媒として三酸化アンチモン
0.65重量部、安定剤としてトリメチルフォスファイ
ト0.39重量部を添加して285℃で減圧度0.5t
orrにて重縮合を行い、ポリマーを得た。
【0041】得られたポリマーの極限粘度は0.65で
あった。得られたポリマーチップを130℃で100m
l/分の窒素気流下、20時間乾燥させた。次いで紡糸
温度290℃で、36個の一重配列の紡口を用い、紡糸
速度度1200m/minで紡糸して未延伸糸を作成し
た。次いで、得られた未延伸糸をホットロール50℃、
ホットプレート140℃、延伸倍率3.0倍、延伸速度
600m/minで延撚を行い、50デニール/36フ
ィラメントの延伸糸を得た。
【0042】つぎに、2ヒーター仮撚機を用い、仮撚数
2300T/M、仮撚温度が第一ヒーター170℃、第
2ヒーター160℃の条件で仮撚加工を施した。得られ
た糸の単糸捲縮ピッチは540μmであり、ボイル処理
後の捲縮伸長率は7.5%であった(以下B繊維と称す
る)。B繊維2本を合糸した以外は、実施例1と同様に
してパイル生地を得た。次いで140℃で熱ブラッシ、
190℃でヒートセットを行なった以外は、実施例1と
同様にしてカットパイル布帛を得た。カットパイル布帛
のパイル糸のコース密度は75本/インチであった。
【0043】得られたパイル布帛の、ポリエステル繊維
の単糸捲縮ピッチは710μmであり、捲縮伸長率は7
%であった。得られたパイル布帛のパイル倒れ性、黒ズ
ミ、白ボケの評価をした。その結果を表1に示す。
【0044】
【比較例2】実施例1と同様にして、75デニール/3
6フィラメントの延伸糸を得た。つぎに2ヒーター仮撚
機で仮撚数4000T/M、仮撚温度が第一ヒーター1
50℃、第2ヒーター140℃の条件で仮撚加工を施し
た。得られた糸の単糸捲縮ピッチは300μであり、ボ
イル処理後の捲縮伸長率は11.5%であった(以下、
C繊維と称す)。
【0045】C繊維2本を合糸した以外は、実施例1と
同様にして、パイル糸のコース密度は75本/インチの
カットパイル布帛を得た。得られたカットパイル布帛
の、ポリエステル繊維の単糸捲縮ピッチは420μmで
あり捲縮伸長率は10.6%であった。得られたパイル
布帛のパイル倒れ性、黒ズミ、白ボケの評価をした。そ
の結果を表1に示す。
【0046】
【比較例3】実施例1と同様にして、75デニール/3
6フィラメントの延伸糸を得た。つぎに2ヒーター仮撚
機で仮撚数900T/M、仮撚温度が第一ヒーター15
0℃、第2ヒーター140℃の条件で仮撚加工を施し
た。得られた糸の単糸捲縮ピッチは1500μであり、
ボイル処理後の捲縮伸長率は4.1%であった(以下、
D繊維と称す)。
【0047】D繊維2本を合糸した以外は、実施例1と
同様にして、パイル糸のコース密度は75本/インチの
カットパイル布帛を得た。得られたパイル布帛の、ポリ
エステル繊維の単糸捲縮ピッチは2100μmであり捲
縮伸長率は3%であった。また、得られたパイル布帛の
パイル倒れ性、黒ズミ、白ボケの評価をした。その結果
を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明のパイル布帛は、従来のパイル布
帛の高級感を阻害する要因とされていたパイル倒れの欠
点を解消し、シルキー調のソフト風合いを有する高級感
のある、商品価値の非常に高い、内装に適したパイル布
帛である。
【図面の簡単な説明】
【図1】乾熱延伸後の単糸1本の捲縮態様及び捲縮ピッ
チLを模式的に表す説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04B 1/00 - 1/28 D04B 21/00 - 21/20 D03D 1/00 - 27/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも90重量%がポリトリメチレ
    ンテレフタレートから構成され、その単糸捲縮ピッチが
    500〜2000μmであり、捲縮伸張率が10%以下
    であるパイル糸を含有するシルキー調パイル布帛。
JP25553697A 1997-09-19 1997-09-19 シルキー調パイル布帛 Expired - Fee Related JP3208362B2 (ja)

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