JP2699629B2 - 楽音信号生成装置 - Google Patents

楽音信号生成装置

Info

Publication number
JP2699629B2
JP2699629B2 JP2235789A JP23578990A JP2699629B2 JP 2699629 B2 JP2699629 B2 JP 2699629B2 JP 2235789 A JP2235789 A JP 2235789A JP 23578990 A JP23578990 A JP 23578990A JP 2699629 B2 JP2699629 B2 JP 2699629B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveform
frequency
clock
waveform data
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2235789A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04116598A (ja
Inventor
宏一 神月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2235789A priority Critical patent/JP2699629B2/ja
Publication of JPH04116598A publication Critical patent/JPH04116598A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2699629B2 publication Critical patent/JP2699629B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子楽器の楽音信号生成装置に関する。
〔従来の技術〕
電子楽器において、自然楽器により近い楽音を生成す
るには、基本波と基本波に対して整数倍の関係にある調
和倍音成分だけでなく、基本波とは整数倍の関係にない
非調和倍音成分も付加し得るようにすることが望まし
い。
従来、このような非調和倍音成分を含んだ楽音を生成
する装置として、本出願人の先願に係る楽音信号発生装
置(特公平1-22631号)がある。この装置は、基本波と
その調和倍音成分から構成されたセグメント波形を複数
個用意し、これらセグメント波形中の少なくとも1つの
倍音成分について補間の切り換え順位が隣合うセグメン
ト波形間で予め所定の位相差を与えておき、隣合うセグ
メント波形を時間的に重なるように補間しながら順次切
り換えて読み出すことにより、セグメント波形中の位相
の異なる倍音成分についてその位相差に対応した分だけ
周波数を変調し、非調和倍音成分を生成するようにした
ものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記先願の楽音信号発生装置の場合、非調和
倍音成分の実現に際しては、位相差が与えられた特別の
波形(セグメント波形)を予め用意しておく必要があ
り、しかも、隣合うセグメント波形を同時に読み出しな
がら時間的に補間していく必要があるため、少なくとも
2つのほぼ同一の波形メモリを必要とするなど、構成が
複雑になるという問題があった。
本発明は上記事情の下になされたもので、その目的と
するところは、前記のような特別の波形を必要とするこ
となく、しかも、簡単な構成で非調和倍音成分を付加す
ることができ、また調和倍音成分の増強にも用いること
のできる楽音信号生成装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
第1図に、本発明の原理を示す。
本発明の楽音信号生成装置は、楽音波形に関する波形
データを所定の周波数からなる第1のクロックφ1に従
って順次発生する波形発生手段Aと、該波形発生手段A
から発生された波形データを前記第1のクロックφ1よ
り低く折り返し成分が発生する周波数である第2のクロ
ックφ2に従ってダウンサンプリングするダウンサンプ
リング手段Bと、該ダウンサンプリング手段Bから得ら
れるダウンサンプリングされた波形データと前記波形発
生手段Aから発生された波形データとの比率を変化させ
て合成して楽音信号として出力する波形合成手段Cとを
備えたことを特徴とするものである。
さらに、前記ダウンサンプリングによって得られる折
り返し成分の帯域を制限するために、ダウンサンプリン
グ手段Bの入力側または出力側の少なくとも一方に所定
の周波数成分を抑圧するフィルタ手段Dを挿入するよう
にしたものである。
〔作用〕
本発明の楽音信号生成装置の場合、波形発生手段Aか
らクロックφ1に従って発生された原波形データを、ダ
ウンサンプリング手段Bにおいてクロックφ2(φ2は
φ1より周波数の低いクロック)に従ってダウンサンプ
リングする。このダウンサンプリングによって得られる
波形データには、原波形に含まれるクロックφ2の1/2
の周波数以上の成分が該1/2の周波数位置を基準に折り
返した、いわゆる折り返し成分を含むことになる。
ここで、ダウンサンプリングリング用のクロックφ2
の周波数f(φ2)をクロックφ1の周波数f(φ1)
に近い値、例えばf(φ1):f(φ2)=1.0:0.9など
に設定すると、原波形のうちの周波数0.45f(φ1)か
ら0.50f(φ1)の周波数領域の成分が0.40f(φ1)か
ら0.45f(φ1)の周波数領域に折り返ってくる。この
折り返し成分だけでは、0.45f(φ1)から0.50f(φ
1)までの周波数領域が欠落しているので、波形合成手
段Cにおいて原波形データと合成することにより、0.40
f(φ1)から0.45f(φ1)までの周波数領域を強調し
た楽音信号を得ることができる。しかも、上記ダウンサ
ンプリングにより生じる折り返し成分は、通常、原波形
に含まれる信号と非調和関係にあることが多いので、ピ
アノ音などのように非調和倍音を有していることに特徴
がある楽器音のシミュレートにおいて非常に有効であ
り、自然感のある楽音信号を生成することができる。
ところで、クロックφ2の周波数f(φ2)が比較的
低い場合(例えば、f(φ1):f(φ2)=1.0:0.
5)、ダウンサンプリング手段Bからの波形データをそ
のまま原波形にデータと合成したのでは、ダウンサンプ
リングによる折り返し成分そのものが原波形の低域部分
(0から0.5f(φ1)の周波数領域)に位置することに
よって、最終的に得られる楽音信号の低減部分全体のエ
ネルギーが不必要に大きくなるという不都合を生じるお
それがある。また、ダウンサンプリングによる折り返し
成分の帯域の広さは、f(φ1):f(φ2)=1.0:1.0
〜0.5の範囲ではクロックφ1とφ2の周波数の差に比
例するので、これらの範囲では非調和倍音の存在する帯
域が広くなってしまい、楽音的非調和よりも雑音的な感
じになってしまうおそれがある。
そこで、このようにクロックφ2の周波数f(φ2)
を比較的低く設定するときは、非調和成分の帯域を制限
する必要がある。そのためには、第1図に破線で示すよ
うに、波形発生手段Aとダウンサンプリング手段Bとの
間、あるいはダウンサンプリング手段Bと波形合成手段
Cとの間に、ハイパスフィルタ,バンドパスフィルタな
どの所定のフィルタ手段Dを挿入するとよい。例えば、
波形発生手段Aとダウンサンプリング手段Bとの間に、
0.7f(φ1)の周波数位置にピークをもつバンドパスフ
ィルタを設け、原波形データをこのバンドパスフィルタ
を通した後、f(φ2)=1/2・f(φ1)のクロック
f(φ2)によって2倍周期のダウンサンプリングを行
うと、そのピーク成分が0.3f(φ1)の周波数位置に折
り返ってくるが、この折り返し成分は0.3f(φ1)の周
波数付近のみに限定されたものとなり、折り返し成分の
帯域が制限されることとなる。
なお、この0.3f(φ1)の周波数付近の折り返し成分
は、単なる帯域の強調ではなく、非調和成分の付加とし
て作用するので、楽音の自然さを強調することができ
る。したがって、バンドパスフィルタやハイパスフィル
タなどのフィルタ手段Dを挿入するだけの簡単な構成に
より、折り返し成分の帯域を制限することができる。
このように、ダウンサンプリングによって生じる折り
返し成分を有効に利用することにより、非調和倍音成分
を有する楽音信号を用意に生成することができる。しか
も、このダウンサンプリングによって生じる折り返し成
分の周波数位置は、ダウンサンプリング周波数に応じて
変わるので、ダウンサンプリング手段Cに対するクロッ
クφ2の周波数f(φ2)を変えることによって、任意
の周波数特性の非調和倍音を付与することができる。
したがって、本発明によれば、従来から知られている
波形発生手段Aに対して、ダウンサンプリング手段Bと
波形合成手段C、さらにはフィルタ手段Dを設けるだけ
の極めて簡単な構成により、非調和倍音成分を容易に形
成することができる。
なお、波形合成手段Cにおいて、波形発生手段Aから
送られてくる原波形データとダウンサンプリング手段B
から送られてくるダウンサンプリング波形データの混合
比を可変制御しているので、時間軸上で周波数特性を変
えることができ、時間的な音色変化を与えることができ
る。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明の実施例につき説明す
る。
第2図に、本発明の楽音信号生成装置の1実施例を示
す。波形発生手段としての波形メモリ1は、楽音をサン
プリングして得られた原波形データが格納されている。
この波形メモリ1は、発生すべき楽音の音高に対応し、
かつクロックφ1に同期して生じるアドレスインクリメ
ント信号に従って各サンプル点の原波形が順次読み出さ
れる。これにより、波形メモリ1からはクロックφ1に
従って原波形データが順次出力され、そのサンプリング
周波数はクロックφ1の周波数f(φ1)となる。
フィルタ手段としての差分フィルタ2は、1サンプル
遅延回路5と減算器6から構成されており、遅延回路5
の遅延制御信号として波形メモリ1から原波形データを
順次読み出す際のアドレスインクリメント信号ADIを利
用している。減算器6は、波形メモリ1から順次読み出
される原波形データと、1サンプル遅延回路5から送ら
れてくる1サンプル遅延データとの減算を行い、その差
分値を差分波形データとしてラッチ回路7へ送るもので
ある。
ダウンサンプリング回路3は、ラッチ信号としてクロ
ックφ2を与えられたラッチ回路7から構成されてい
る。この場合、クロックφ2の周波数f(φ2)はクロ
ックφ1の周波数f(φ1)より低く設定されている。
ラッチ回路7は、このラッチ信号φ2を受ける度に、減
算器6から送られてくる差分波形データをラッチして次
のラッチまで保持し(0次ホールド)、波形合成回路4
へ送る。これにより、クロックφ1とφ2の周波数比N
に応じたダウンサンプリングが実現される。
波形合成回路4は、2つの乗算器9,10と1つの加算器
11から構成されている。乗算器9には波形メモリ1から
読み出される原波形データが入力され、また、乗算器10
には前記したラッチ回路7からダウンサンプリングされ
た差分波形データが入力される。この乗算器9,10はその
乗算係数a,bを制御することにより、原波形データとダ
ウンサンプリングされた差分波形データの混合比を自在
に変えることができる。乗算器9,10によって混合比を制
御された原波形データと差分波形データは加算器11に送
られて合成され、楽音信号として出力されるものであ
る。
上記構成において、いまクロックφ2の周波数f(φ
2)とクロックφ1の周波数f(φ1)との比Nを1に
設定した場合、波形メモリ1から原波形データが読み出
される度に1個のラッチ信号がラッチ回路7へ送られ
る。したがって、周波数比N=1の場合、ダウンサンプ
リング回路3におけるダウンサンプリングの周期は波形
メモリ1から読み出される原波形データのサンプリング
周期と同じになるため、回路的にはダウンサンプリング
回路3がないことと同じとなり、減算器6で得られる差
分波形データはそのまま直接波形合成回路4へ送られる
ことと同じになる。
この結果、周波数比N=1の場合、加算器11は、波形
メモリ1から送られてくる原波形に対して減算器6の出
力する差分波形を加算して出力することになる。したが
って、いま例えば、波形メモリ1から読み出された原波
形の周波数特性が第3図(a)の如くであり、また、減
算器6から出力される差分波形の周波数特性が第3図
(b)の如くであるものとすると、加算器11から出力さ
れる楽音信号の周波数特性は、この第3図(a)と第3
図(b)を加算した周波数特性となり、1/2・fs付近の
高域部分の調和倍音成分が増強された楽音信号となる。
一方、クロックφ1とφ2の周波数比N=f(φ1)
/f(φ2)を2以上、例えばN=2に設定すると、クロ
ックφ2はクロックφ1が2個発生する度に1個発生す
る。したがって、ラッチ回路7は減算器6の出力する差
分波形データを原波形データの2倍周期でダウンサンプ
リングしてラッチする。
この2倍周期のダウンサンプリングの結果、ラッチ回
路7から出力されるダウンサンプリングされた差分波形
には、第3図(c)に示すように、1/2・fs位置にダウ
ンサンプリングによる折り返しノイズ(二点鎖線で示
す)が生じ、さらに、ラッチ回路7による0次ホールド
のため、第3図(d)に示すようなアパーチャ効果によ
る包絡減衰特性も生じる。したがって、ラッチ回路7か
ら加算器11に送られる差分波形の周波数特性は、第3図
(c)と(d)の二つを掛け合わした周波数特性とな
り、この第3図(c)(d)から得られる周波数特性の
倍音成分を加算された楽音信号は中域の強調されたもの
となる。なお、0次ホールドを行わない場合は第3図
(d)の包絡減衰特性はなくなるので、第3図(c)の
周波数特性からなる倍音成分が付加される。
また、クロックφ2の周波数f(φ2)をクロックφ
1の周波数f(φ1)よりやや低く、かつ非整数倍関
係、例えば「f(φ2):f(φ1)=0.965:1.0」に設
定すれば、前記折り返し成分は非調和倍音成分となるこ
とは前述した通りである。例えば、いま楽音の基本周波
数を400Hz、楽音のサンプリング周波数fs(=f(φ
1))を楽音基本周波数の100倍の40KHzとした場合、波
形メモリ1から出力される原波形データは周波数1/2・f
sの20KHzを中心に折り返した折り返し成分を含み得るこ
とになるが、通常、波形メモリ1に格納された原波形デ
ータはサンプリング定理に従って20KHz以下に帯域制限
された上でサンプリングされているので、この折り返し
成分は生じない。ところが、ダウンサンプリング回路3
において、前記非整数倍関係関係にあるクロックφ2で
ダウンサンプリングすることにより、クロックφ2の1/
2の周波数、すなわち1/2・f(φ2)=19.3KHzを中心
に折り返した折り返し成分が生じることになり、原波形
に含まれる19.3KHzから20KHzの成分を19.3KHzを中心と
して18.6KHzから19.3KHzに線対称に折り返した折り返し
成分が生じる。例えば、原波形(周波数400Hz)の第49
倍音である19.6KHzの成分が19.0KHzに折り返されるが、
これは400Hzの第47倍音である18.8KHzと第48倍音である
19.2KHzのちょうど中間の周波数である。したがって、
このダウンサンプリングにより、非調和倍音成分が得ら
れることになる。
なお、クロックφ2の周波数f(φ2)とクロックφ
1の周波数f(φ1)の関係を、例えば「f(φ2):f
(φ1)=0.95:1.0」などに設定した場合には、得られ
る折り返し成分が原波形の元々の調和倍音の周波数位置
にきてしまうが、波形メモリ方式の音源などにおいて
は、記録されている波形自身が必ずしも高次高調波まで
倍音関係になっているとは限らないので、クロックφ1
とφ2が上記のような比較的簡単な周波数関係であって
も、原波形に含まれていない新たな楽音成分を付加する
ことができ、実質的には非調和倍音を付加することがで
きるものである。
また、第2図において、乗算器9,10の乗算係数a,bを
変えれば、加算器11における源波形と倍音成分の混合比
を制御することができる。例えば、電子楽器の打鍵の初
期速度(イニシャルタッチ)が大きいときは乗算器10の
乗算係数bの比率を大きくすることにより、高域成分の
多い硬い音を生成し、また、イニシャルタッチが小さい
ときは乗算器9の乗算係数aの比率を大きくすることよ
り、高域成分の少ない柔らかい音を生成することができ
る。さらに、時間経過に伴って乗算係数a,bの値を変え
るようにすれば、時間軸上での高域成分の含まれかたを
制御することもでき、実際のピアノなどの自然楽器の周
波数特性の時間変化をシミュレートすることができる。
第4図に、本発明の楽音信号生成装置を利用して構成
した電子楽器の例を示す。この例の電子楽器は、操作パ
ネル12、鍵盤13、タッチ検出器14、音源部15、サウンド
システム16、CPU17、ROM18、RAM19、スピーカ20から構
成されている。前述した本発明の楽音信号生成装置は音
源部15内に組み込まれている。なお、この音源部15の詳
細については後述する。
操作パネル12は、電子楽器の音色の選択や演奏に必要
な各種のパラメータの設定を行う。鍵盤13は演奏用の複
数の鍵を備えており、タッチ検出部14により鍵盤13の鍵
操作を監視する。タッチ検出回路14は、押された鍵の位
置(音高)、イニシャルタッチ、鍵のオン・オフ状態な
ど、必要なキー情報を検出し、CPU17に送る。CPU17は、
ROM18に格納されている音色パラメータや処理プログラ
ムおよびRAM19に一時格納された種々のデータを用い、
電子楽器全体の動作を制御する。音源部15は、CPU17の
制御の下に押された鍵に対応した音高の楽音信号を生成
してサウンドシステム16に送り、スピーカ20を鳴らすも
のである。
第5図に、前記した音源部15の構成を示す。図中の符
号23で示すブロック部分が、第2図中の符号23で示す楽
音信号生成装置部分に相当する。
位相発生器21は、CPU17から与えられるキーコードKC
を基に、クロックφ1に従ってアドレス歩進情報を発生
する。このアドレス歩進情報の形成は、例えば押圧鍵の
音高周波数に比例した数値の周波数情報(Fナンバ)を
クロックφ1のタイミングで繰り返し累算することによ
り行われる。アドレス歩進情報は整数部と少数部からな
る。整数部は波形メモリ1の波形読み出しアドレスを進
めるためのアドレス歩進指令であり、アドレス発生器22
に送られている。少数部は整数部によって波形メモリ1
から読み出される波形データの間を時間的により細かく
分割して補間するための補間信号でり、補間回路24に送
られている。この整数部と少数部からなるアドレス歩進
情報は、CPU17から与えられるキーオン信号KONに従って
発生される。
アドレス発生器22は、前記位相発生器21から送られて
くるアドレス歩進情報の整数部に基づいて、波形メモリ
1から所定の位置の波形データを読み出すための実際の
読み出しアドレスを生成する。波形メモリ1には、通常
各種の音色や音域に対応した複数の波形が格納されてい
るのが一般的であるから、設定された音色や押された鍵
の音高に対応した波形を読み出すために、CPU17から波
形読み出し番地のスタートアドレス情報が与えられてい
る。アドレス発生器22は、このスタートアドレス情報と
前記整数部とから実際に読み出すべき波形データの読み
出しアドレスを生成し、波形メモリ1に送る。
波形メモリ1は、クロックφ1に同期して、アドレス
発生器22から与えられる読み出しアドレスに従って対応
するアドレス位置の波形データを順次読み出し、楽音信
号生成装置23に送る。楽音信号生成装置23は、第2図に
おいて詳述したようにして、波形メモリ1から読み出さ
れた原波形に所定の倍音成分を付加した後、楽音信号と
して補間回路24へ送る。
補間回路24は、楽音信号生成装置23から送られてくる
楽音信号データの1サンプリング周期の間を位相発生器
21から送られてくる少数部に従って細かく補間する。例
えば、少数部が4ビット構成であれば、1サンプル期間
を最大24=16分割可能であり、各分割点について楽音信
号を補間する。これによって、より滑らかな楽音波形が
得られる。なお、補間方法としては1次補間が採用され
るのが一般的であるが、高次の補間法を用いればなお望
ましい。
補間回路24で補間された楽音信号は、サウンドシステ
ム16(第4図)に送られ、D/A変換、所望の音響効果の
付与、音量制御などを行った後、スピーカ20から出力さ
れる。
以上、本発明の楽音信号生成装置の1実施例とそれを
利用して構成した電子楽器の1例について述べた。
なお、第2図の実施例では、差分フィルタ2をダウン
サンプリング回路3の入力側に設けるようにしたが、ダ
ウンサンプリング回路3の出力側に設けるようにしても
よい。また、差分フィルタ2において、1サンプル遅延
回路5の代わりに、m(m≧2)サンプル遅延回路を用
い、mサンプル前の波形データとの差分を求めるように
してもよい。
また、波形メモリ1にサンプリング波形の瞬時値その
ものを格納した場合を例に採ったが、DPCMやADPCM、対
数圧縮などの公知のデータ圧縮技術を用い、データ圧縮
して格納してもよい。これによりメモリ容量を削減でき
る。
また、ダウンサンプリング回路3の周波数比Nや波形
合成回路4の乗算係数a,bなどはユーザーが設定できる
ようにしてもよいし、波形メモリ1中に格納された各波
形に対応させて、その音色にふさわしいパラメータを自
動的に設定するようにしてもよい。
また、差分フィルタ2とダウンサンプリング回路3を
複数並設し、各回路で得られた特性の異なる複数の波形
データを波形合成回路4で合成するようにしてもよい。
また、波形発生手段としては、波形メモリ1を用いた
波形読出方式に限らず、FM方式、高調波合成方式など、
任意の音源方式のものを使用できるものである。
また、ダウンサンプリング回路3に与えるクロックφ
2の周波数を演奏者がスイッチ操作などにより任意に切
り換え設定できるようにしてもよいし、あるいは楽音の
音色指定に連動して自動的に設定するようにしてもよ
い。
さらに、前記実施例は回路をハードウェアにより構成
したが、ソフトウェアによっても実現できるものであ
る。
〔発明の効果〕
以上述べたところから明らかなように、本発明の楽音
信号生成装置によるときは、波形発生手段から順次出力
される原波形データを所定の周波数比でダウンサンプリ
ングし、このダウンサンプリングにより生じた折り返し
成分を倍音として原波形に比率を変化させて付加するよ
うにしたので、簡単な回路構成によって非調和倍音また
は調和倍音を原波形に付加することができ、自然楽器に
より近似した楽音を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理説明図、 第2図は本発明になる楽音信号生成装置の1実施例のブ
ロック回路図、 第3図は前記実施例の説明のための周波数特性図、 第4図は本発明の楽音信号生成装置を利用して構成した
電子楽器の1例を示す全体構成図、 第5図は第4図中の音源部の構成例を示すブロック回路
図である。 A……波形発生手段、B……ダウンサンプリング手段、
C……波形合成手段、D……フィルタ手段、1……波形
メモリ、2……差分フィルタ、3……ダウンサンプリン
グ回路、4……波形合成回路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽音波形に関する波形データを所定の周波
    数からなる第1のクロックに従って順次発生する波形発
    生手段と、 前記波形発生手段から発生された波形データを折り返し
    成分が発生する前記第1のクロックより低い周波数で、
    かつ楽音の音色指定に対応して周波数可変の第2のクロ
    ックに従ってダウンサンプリングするダウンサンプリン
    グ手段と、 前記ダウンサンプリング手段から得られるダウンサンプ
    リングされた波形データと前記波形発生手段から発生さ
    れた波形データとの比率を変化させて合成して楽音信号
    として出力する波形合成手段と、 を備えたことを特徴とする楽音信号生成装置。
  2. 【請求項2】前記ダウンサンプリング手段の入力側また
    は出力側の少なくとも一方に所定の周波数成分を抑圧す
    るフィルタ手段を挿入したことを特徴とする請求項
    (1)記載の楽音信号生成装置。
JP2235789A 1990-09-07 1990-09-07 楽音信号生成装置 Expired - Fee Related JP2699629B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2235789A JP2699629B2 (ja) 1990-09-07 1990-09-07 楽音信号生成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2235789A JP2699629B2 (ja) 1990-09-07 1990-09-07 楽音信号生成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04116598A JPH04116598A (ja) 1992-04-17
JP2699629B2 true JP2699629B2 (ja) 1998-01-19

Family

ID=16991282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2235789A Expired - Fee Related JP2699629B2 (ja) 1990-09-07 1990-09-07 楽音信号生成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2699629B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI245170B (en) * 2003-07-22 2005-12-11 Asml Netherlands Bv Lithographic apparatus, device manufacturing method, and device manufactured thereby
WO2008020515A1 (fr) * 2006-08-14 2008-02-21 Pioneer Corporation Appareil et procédé de génération d'harmoniques supérieurs
JP5315883B2 (ja) * 2008-09-19 2013-10-16 カシオ計算機株式会社 電子楽器及び楽音生成のプログラム
US8433026B2 (en) * 2009-06-04 2013-04-30 Qualcomm Incorporated Multi-rate digital phase locked loop
KR101100813B1 (ko) * 2009-08-14 2012-01-02 송명호 버티컬 블라인더용 각도조절장치

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6190514A (ja) * 1984-10-11 1986-05-08 Nippon Gakki Seizo Kk 楽音信号処理装置
JPS63123095A (ja) * 1986-11-12 1988-05-26 ヤマハ株式会社 楽音信号発生装置
JPH02116897A (ja) * 1988-10-27 1990-05-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電子楽器

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6190514U (ja) * 1984-11-19 1986-06-12

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6190514A (ja) * 1984-10-11 1986-05-08 Nippon Gakki Seizo Kk 楽音信号処理装置
JPS63123095A (ja) * 1986-11-12 1988-05-26 ヤマハ株式会社 楽音信号発生装置
JPH02116897A (ja) * 1988-10-27 1990-05-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電子楽器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04116598A (ja) 1992-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3098031B2 (ja) 楽音合成方法
JPH11513821A (ja) 逆変換狭帯域/広帯域音声合成
JPH0496000A (ja) 楽音合成装置
JP2000510255A (ja) 長さ変調デジタル遅延線を使って音を合成するシステムと方法
JP2699629B2 (ja) 楽音信号生成装置
JPH0798586A (ja) 電子楽器の音源装置
JP2999806B2 (ja) 楽音発生装置
US6208969B1 (en) Electronic data processing apparatus and method for sound synthesis using transfer functions of sound samples
KR100190484B1 (ko) 악음 발생 장치(Sound generating appratus)
JPH0363079B2 (ja)
JP3428401B2 (ja) 波形データ処理方法
JP2663496B2 (ja) 楽音信号発生装置のための信号補間器
JP3777923B2 (ja) 楽音信号合成装置
JPS6022191A (ja) 音源装置
JPH0131638B2 (ja)
JPS61204697A (ja) 楽音信号発生装置
JP2990777B2 (ja) 電子楽器の効果装置
JPS6091227A (ja) 音響解析装置の合成装置
JP2754974B2 (ja) 楽音合成装置
JP2967661B2 (ja) 楽音合成装置
JP3430578B2 (ja) 電子楽器の音源装置
JP3433764B2 (ja) 波形変更装置
JP3541072B2 (ja) 楽音制御装置、楽音波形記憶方法及び楽音波形再生方法
JP3480063B2 (ja) 楽音合成装置
JP3599981B2 (ja) 楽音信号処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees