JP2967661B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JP2967661B2
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佳生 藤田
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    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H2250/00Aspects of algorithms or signal processing methods without intrinsic musical character, yet specifically adapted for or used in electrophonic musical processing
    • G10H2250/055Filters for musical processing or musical effects; Filter responses, filter architecture, filter coefficients or control parameters therefor
    • G10H2250/095Filter coefficient interpolation
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H2250/00Aspects of algorithms or signal processing methods without intrinsic musical character, yet specifically adapted for or used in electrophonic musical processing
    • G10H2250/471General musical sound synthesis principles, i.e. sound category-independent synthesis methods
    • G10H2250/481Formant synthesis, i.e. simulating the human speech production mechanism by exciting formant resonators, e.g. mimicking vocal tract filtering as in LPC synthesis vocoders, wherein musical instruments may be used as excitation signal to the time-varying filter estimated from a singer's speech

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  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、楽音合成装置に関
し、特に移動フォルマント特性を有する楽音信号を固定
フォルマント特性に変換することができる楽音合成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】人間の声を含むたいていの自然楽器によ
る発生音は、ピッチ(音高)が変わってもそのフォルマ
ントの形状および位置が変化しない、いわゆる固定フォ
ルマント特性を有する。これに対して、波形メモリ読出
し方式を代表とする電子楽器の楽音発生方式の大部分
は、ピッチに応じてフォルマントの形状および位置が変
化する、いわゆる移動フォルマント特性を有する楽音を
発生する。
【0003】例えば、波形メモリ読出し方式では、所望
の楽音波形の順次サンプル点振幅値を記憶した波形メモ
リから、発生する楽音のピッチに応じた周波数情報Fを
順次累算したkF(k=1,2,…)をアドレスとし
て、波形振幅値を順次読出し、楽音信号として出力す
る。したがって、発生される楽音信号は、ピッチの変化
に応じてフォルマントがスケ−リングされて移動してし
まう移動フォルマントとなってしまう。
【0004】ところで、従来より、本来は移動フォルマ
ントである波形メモリ読出し方式の電子楽器などにおい
て、おもに自然楽器をシミュレ−トする目的で、固定フ
ォルマントを実現する方法が考えられてきた。例えば、
特公平3−30877号公報では、波形メモリ読出し時
に移動フォルマントの特性が(自動的に)付与された楽
音信号に対し、固定フォルマント型のフィルタでスペク
トルの補正を行い、固定フォルマント特性を付与する技
術が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では以下のような理由により実際の楽音の発生の
動作を必ずしも正確に再現しているとはいえなかった。
【0006】すなわち、自然楽器などでは比較的沢山の
倍音を含んだ楽音に固定フォルマントの特性が付与され
るのに対して、前述の方式ではあらかじめ移動フォルマ
ントの特性が付与された楽音をフィルタリングして強制
的に固定フォルマントの特性を付与している。ここで用
いるフィルタ装置は、入力する楽音信号の特性は考慮す
ることなく、付与すべき固定フォルマント特性に沿って
強制的に各周波数帯域のレベルを持ち上げあるいは減衰
するものである。
【0007】したがって、移動フォルマント特性によっ
て不必要に強調されてしまった周波数帯域に対して上述
したように固定フォルマント特性の付与を行なってもそ
のレベルが抑制しきれなかったり、逆に、移動フォルマ
ント特性によってカットされてしまった周波数帯域のレ
ベルは十分に持ち上げることができなかったりする場合
がある。そのため、自然楽器をシミュレートする際に必
ずしも元の楽音と同じフォルマント特性が再現されない
という問題点があった。
【0008】この発明は、上述の従来例における問題点
に鑑み、移動フォルマント特性を有する楽音信号に対し
正確に固定フォルマント特性を付与することができ、実
際の楽音の発生の動作を正確に再現することができるよ
うな楽音合成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明は、所定の基準音高に応じて波形データを
読み出したとき出力されるディジタル楽音信号が基準フ
ォルマントを有するような波形データを記憶した波形デ
ータ記憶手段と、発生すべき楽音の音高を示す音高情報
を発生する音高情報発生手段と、前記音高情報が示す音
高に応じて前記波形データ記憶手段から波形データを読
み出すことにより、前記基準フォルマント特性からフォ
ルマント特性が移動するディジタル楽音信号を発生する
ディジタル楽音信号発生手段と、前記ディジタル楽音信
号発生手段から発生された移動フォルマント特性を有す
るディジタル楽音信号を入力し、与えられたパラメータ
にしたがってフィルタリングして出力するフィルタリン
グ手段と、前記基準音高に応じて波形データを読み出し
た場合の基準フォルマント特性と前記基準音高とは異な
る音高で波形データを読み出した場合のフォルマント特
性との差分に対応するパラメータを、前記基準音高とは
異なる音高ごとに、記憶したパラメータ記憶手段と、
記音高情報に応じて前記パラメータ記憶手段からパラメ
ータを読み出して前記フィルタリング手段に与える制御
手段とを備えるとともに、前記制御手段から前記フィル
タリング手段に与えるパラメータは、前記音高情報が示
す音高のディジタル楽音信号を該パラメータにしたがっ
てフィルタリングすることにより前記基準フォルマント
特性を付与することができるように選択されたパラメー
タであることを特徴とする。
【0010】音高に応じてフィルタリング手段に与える
パラメータは、あらかじめ(そのパラメータでその音高
の楽音信号をフィルタリングすると固定フォルマントに
なるように)算出しておき、テーブルなどの形式で記憶
手段に保持しておいてもよいし、その都度算出してもよ
い。また、これらのパラメータは、基準フォルマント特
性を有するディジタル楽音信号の音高からのずれ量に応
じて音高ごとに算出すればよい。基準フォルマント特性
とは、任意の音高の楽音信号に固定フォルマント特性を
付与する際のターゲットとなるフォルマント特性のこと
である。
【0011】パラメータの算出の方式およびパラメータ
の形式はどのようなものでもよい。音高に応じたパラメ
ータでフィルタリングするとその音高の楽音信号に固定
フォルマント特性が付与されるように選択されていれば
よい。
【0012】例えば、波形メモリ読出し方式の場合は、
以下のようにしてパラメータを求めることができる。ま
ず、サンプリングされた音高(基準ピッチ)での波形の
基準フォルマントを得る。そして、任意の音高(対応す
るパラメータを求めたい音高)の基準ピッチからのピッ
チシフト量に応じて基準フォルマントをスケーリング
し、その結果を基準フォルマントから減算して補正量を
算出する。この補正量を適切なパラメータに圧縮して、
求めるパラメータを得る。
【0013】
【作用】フィルタリング手段は、制御手段から与えられ
たパラメータにしたがって、入力したディジタル楽音信
号をフィルタリングする。制御手段は、フィルタリング
手段に入力するディジタル楽音信号の音高を表す音高情
報を入力して、該音高情報に応じたパラメータを生成し
て前記フィルタリング手段に与える。パラメータは、音
高に応じてあらかじめ定められている。あるいはその都
度算出するようにしてもよい。そのパラメータは、対応
する音高のディジタル楽音信号を該パラメータにしたが
ってフィルタリングすることにより固定フォルマント特
性を付与することができるように選択されたものであ
る。したがって、フィルタリングの結果の楽音信号は、
常に固定フォルマント特性を有する。
【0014】
【実施例】以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明
する。
【0015】図1は、この発明の一実施例に係る楽音合
装置を適用した電子楽器のブロック構成を示す。この
電子楽器は、中央処理装置(CPU)1、位相発生器
2、波形読出回路3、波形メモリ4、補間回路5、ディ
ジタルフィルタ6、サウンドシステム7、フィルタ制御
回路8、およびパラメータ記憶回路9を備えている。
【0016】図2は、図1のディジタルフィルタ6の詳
細なブロック構成を示す。ディジタルフィルタ6は、ロ
ーパスフィルタ(LPF)21、2つのバンドパスフィ
ルタ(BPF)22,23、およびハイパスフィルタ
(HPF)24を備えている。これらのフィルタ21〜
24は、並列接続されている。
【0017】図3は、図1のパラメータ記憶回路9の構
造を示す。パラメータ記憶回路9は、音色ごとのパラメ
ータ群を備えている。1つの音色に対するパラメータ群
は、キーコードごとのパラメータ(キーコードKC1に
対するパラメータ群、キーコードKC2に対するパラメ
ータ群、…)からなる。1つのキーコードに対するパラ
メータ群は、LPF21に与えるパラメータ群P1、B
PF22に与えるパラメータ群P2、BPF23に与え
るパラメータ群P3、およびHPF24に与えるパラメ
ータ群P4からなる。
【0018】再び図1を参照して、CPU1はこの電子
楽器全体の動作を制御する。特に、CPU1は、不図示
の演奏情報入力装置(例えば、鍵盤など)から、キ−オ
ン/オフ情報、キ−コ−ド、およびタッチ情報などの演
奏情報を入力する。音色は不図示の音色スイッチを操作
することにより指示することができる。CPU1は、入
力した演奏情報に応じて楽音の発生を指示する。楽音発
生の指示は、CPU1から位相発生器2に向けて音色情
報および音高(ピッチ)情報などを出力することにより
行なう。
【0019】波形メモリ4は、複数の記憶バンクを有
し、各バンクに音色ごとの波形デ−タが記憶されてい
る。ある1つの音色の波形デ−タは、その音色の楽音波
形の順次サンプル点振幅値(波形振幅値)デ−タからな
る。これらのデータは、あらかじめ所定の音高(基準ピ
ッチ)の楽音から所定のサンプリング周波数でサンプリ
ングしたものである。
【0020】位相発生器2は、音色情報および音高情報
に応じて波形メモリ4の読出しアドレス情報を順次生成
し出力する。すなわち、まず位相発生器2は、入力した
音色情報に応じて、その音色の波形情報が格納されてい
るバンクのバンクアドレスを波形読出回路3に出力す
る。さらに、入力した音高情報に対応する周波数情報F
を順次累算した累算値kF(k=1、2、3、…)を計
算し、その整数部を読出しアドレスとして波形読出回路
3に出力する。累算値の計算および読出しアドレスの出
力は、所定の周波数のクロックパルス(サンプリング周
波数)にしたがって行なわれる。
【0021】波形読出回路3は、入力したアドレス情報
(上述のバンクアドレスおよび読出しアドレス)にした
がって、波形メモリ4から波形デ−タを順次読出す。読
出された波形情報は、補間回路5に入力する。位相発生
器2は、上述の累算値kFの少数部を補間情報として補
間回路5に出力する。補間回路5は、順次入力する波形
情報の例えば4点分のデ−タと補間情報とを用いて、補
間処理を行ない、その結果の波形情報を出力する。
【0022】補間回路5から順次出力される波形情報
は、図2のディジタルフィルタ6に入力する。ディジタ
ルフィルタ6は、フィルタ制御回路8から与えられるフ
ィルタパラメ−タにしたがって、補間回路5からの入力
波形情報をフィルタリングし出力する。図2のフィルタ
21〜24のフィルタリング特性は、フィルタ制御回路
8から与えられるフィルタパラメ−タにより決定され
る。
【0023】フィルタ制御回路8は、CPU1から音色
情報および音高情報を入力し、図3のパラメ−タ記憶回
路9から音色Tn(n=1,2,…)および音高KCm
(m=1,2,…)に応じたフィルタパラメ−タを読出
し、必要であれば補間処理などの所定の加工をした後、
ディジタルフィルタ6に向けて出力する。
【0024】例えば、CPU1から指定された音色がT
1で音高がキーコードKC1のとき、フィルタ制御回路
8は、その音色T1かつ音高KC1に対応するパラメー
タ群P1〜P4を図3のパラメ−タ記憶回路9から読出
して、図2の各フィルタ21〜24にそれぞれ渡す。C
PU1から指定された音高がキーコードKC1とKC2
の間の音高であるときは、キーコードKC1に対応する
パラメータ群P1〜P4とキーコードKC2に対応する
パラメータ群P1〜P4とを読出し、補間処理を行なっ
てパラメータを算出し、図2の各フィルタ21〜24に
渡す。
【0025】以上のように与えられたフィルタパラメー
タにしたがって動作することにより、ディジタルフィル
タ6は、入力した波形情報(楽音信号)に固定フォルマ
ント特性を付与する。言替えると、図3のパラメータ記
憶回路9に記憶されている各音色各音高ごとのパラメー
タは、そのパラメータにしたがってディジタルフィルタ
6が波形情報(そのパラメータに対応する音色・音高
(キーコード)の波形情報)をフィルタリングすると固
定フォルマントが付与されるように、選択されている。
【0026】ディジタルフィルタ6から出力された固定
フォルマント特性を有する波形情報はサウンドシステム
7に入力し、実際の楽音として放音される。
【0027】この実施例では、上述したように波形メモ
リ読出し方式、すなわち波形メモリ4に記憶された波形
デ−タを音高に応じた位相で読出すタイプの音源方式を
用いている。したがって、補間回路5から出力される波
形情報は移動フォルマント特性を有することになる。デ
ィジタルフィルタ6は、上述したように、入力した波形
情報に固定フォルマント特性を付与して出力するフィル
タである。特に、ディジタルフィルタ6のフィルタパラ
メ−タは、音高に応じて決定され、これにより、ディジ
タルフィルタ6は、入力した波形情報がどのような音高
であっても固定フォルマント特性を付与することがで
き、言い替えればどのような音高であっても波形メモリ
4に記憶された元の波形デ−タと同じフォルマント特性
の楽音が得られる。
【0028】ここで、この発明における固定フォルマン
ト特性付与に関する原理を説明する。
【0029】図4(a)は、波形メモリ4に記憶されて
いる原波形(基準ピッチで録音されたもの)のフォルマ
ントの一例を示す振幅スペクトルのグラフである。横軸
は周波数、縦軸は振幅レベルを示す。周波数F1に第1
フォルマント、周波数F2に第2フォルマント、周波数
F3に第3フォルマントが表れている。
【0030】図4(b)は、波形メモリ4に記憶されて
いる図4(a)のフォルマント特性を有する原波形デー
タを基準ピッチから1/3シフトアップ(読出速度を4
/3倍)したピッチで読出した波形データの振幅スペク
トルのグラフである。ピッチが1/3シフトアップした
ため、フォルマントもスケーリング(横軸方向に引き伸
ばされた形)されており、第1フォルマントが周波数
(4/3)F1に、第2フォルマントが周波数(4/
3)F2に、第3フォルマントが周波数(4/3)F3
に、それぞれ、ずれている。
【0031】図4(c)は、図4(a)の原波形の振幅
スペクトルから図4(b)の1/3シフトアップして読
出した波形データの振幅スペクトルを減算したグラフで
ある。周波数F1,F2の位置に局部的な山があり、周
波数FA ,FB の位置に局部的な谷がある。
【0032】基準ピッチに対し1/3シフトアップした
ピッチで波形データを読出す場合、読出した波形データ
は図4(b)に示すようなフォルマントを有する。そこ
で、あらかじめ求めておいた図4(c)の結果に基づい
て、その読出し波形データが図4(a)のフォルマント
となるようにフィルタリングするようにする。そのよう
なフィルタリングは、例えば双一次変換による標準的な
二次のディジタルフィルタなどにより実現できる。
【0033】この実施例では、構成を簡単にするため、
図4(c)のグラフの局所的な山および谷の部分に着目
し、1つのLPF、2つのBPF、および1つのHPF
(図2)を用いて上述のようなフィルタリングを行なう
ようにした。すなわち、図4(c)の周波数F1から下
の周波数帯域の特性はLPF21で、周波数F1の山の
部分付近の周波数帯域の特性はBPF22で、周波数F
2の山の部分付近の周波数帯域の特性はBPF23で、
周波数FC から上の周波数帯域の特性はHPF24で、
それぞれ近似するようにした。
【0034】フィルタ制御回路8からディジタルフィル
タ6に与えられるフィルタパラメ−タ(図3のパラメー
タP1〜P4)は、具体的には、ディジタルフィルタ6
を構成する各フィルタ(LPF21,BPF22,BP
F23,HPF24)のカットオフ周波数、中心周波
数、あるいは共振の鋭さを表すクオリティファクタQな
どのパラメータである。もちろん、固定フォルマントが
付与できるのであれば他の形でパラメータを持ってもよ
い。
【0035】この実施例では、上述のカットオフ周波数
などのフィルタパラメータをキーコードごと(100セ
ントごと)に1組保持している。その間のピッチに対応
するパラメータは、フィルタ制御回路8における補間処
理により求めている。補間処理の方式は、隣接する2つ
のデータからの直線補間でよい。この補間処理は、実現
すべき特性(例えば、カットオフ周波数や中心周波数)
を表すパラメータを補間するものであるので、無意味な
結果となることがなくかなり意味のある近似結果が得ら
れる。
【0036】なお、キーコードごとにパラメータを保持
するのでなく、さらに細かく例えば10セントごとにパ
ラメータを保持するようにしてもよい。ピッチベンド機
能を有する電子楽器などに適用する場合は、より細かく
パラメータを保持することが好ましい。
【0037】図5〜図9は、フィルタ21〜24の具体
例である。
【0038】図5は、一次のHPFの例であり、図2の
HPF24に適用することができるフィルタである。a
はカットオフ周波数を示すパラメータであり、Tはサン
プリング周期(1/サンプリング周波数Fs)である。
aはラジアン周波数であるので、カットオフ周波数Fc
はFc=a/2PIとなる。ここで、PIは円周率を示
す。なお、以下の図6〜9においても、同様に、aはラ
ジアン周波数を示すものとする。また、Fs,PI,T
の意味も上記と同じである。図5のHPFでは、カット
オフ周波数a以下の周波数帯域では−6dB/Oct
(1オクターブ下がるごとに−6dB)の減衰となる。
【0039】図6は、一次のLPFの例であり、図2の
LPF21に適用することができるフィルタである。a
はカットオフ周波数を示すパラメータである。このLP
Fでは、カットオフ周波数a以上の周波数帯域では−6
dB/Octの減衰となる。
【0040】図7は、二次のHPFの例であり、図2の
HPF24に適用することができるフィルタである。a
はカットオフ周波数を示すパラメータ、qは共振の程度
を制御するためのパラメータである。レゾナンス(クオ
リティファクタ)をQとしたとき、q=1/Q,q≦2
である。図7のHPFでは、カットオフ周波数a以下の
周波数帯域では−12dB/Oct(1オクターブ下が
るごとに−12dB)の減衰となる。
【0041】図8は、二次のBPFの例であり、図2の
BPF22,23に適用することができるフィルタであ
る。aは中心周波数を示すパラメータ、qは図7と同様
の共振の程度を制御するためのパラメータである。qに
よって帯域幅が決定される。このBPFでは、中心周波
数a以上またはa以下の周波数帯域では−12dB/O
ctの減衰となる。
【0042】図9は、二次のLPFの例であり、図2の
LPF21に適用することができるフィルタである。a
はカットオフ周波数を示すパラメータ、qは図7と同様
の共振の程度を制御するためのパラメータである。この
LPFでは、カットオフ周波数a以上の周波数帯域では
−12dB/Octの減衰となる。
【0043】なお、用いることのできるフィルタは上述
したフィルタに限らず、他の形式のフィルタを用いても
よい。接続方式も図2に限らない。
【0044】次に、図3のパラメータ記憶回路9に保持
されるパラメータの算出方式について説明する。図10
は、パラメータ記憶回路9に記憶するパラメータを算出
する手順を示すフローチャートである。まず、ステップ
S1で、サンプリングされたピッチ(基準ピッチ)での
波形をスペクトル分析して基準フォルマントを得る。こ
れは、図1の波形メモリ4に記憶された波形データをF
FT(高速フーリエ変換)分析することなどにより求め
ることができる。求めた結果の一例は、図4(a)に示
した。
【0045】次に、ステップS2で基準ピッチから所定
量ピッチシフトした場合のフォルマントの相対値補正量
を計算する。具体的には、まず基準ピッチから基準ピッ
チ以外の所定のキーコードのピッチまでシフトしたとき
の振幅スペクトルを求め(図4(b))、ステップS1
で求めた基準ピッチでの振幅スペクトル(図4(a))
から減算して、補正量を求める(図4(c))。ピッチ
シフトした波形の振幅スペクトルを求めるときは、ピッ
チシフトした波形からFFT分析をしたりする必要はな
い。図4(b)で説明したように基準ピッチの波形デー
タの振幅スペクトルを周波数軸上で拡大・縮小すればよ
い。
【0046】ステップS3ではステップS2で求めた補
正量を適切なパラメータに圧縮する。この実施例では、
上述したように局所的な山および谷の部分に着目し、L
PF21、BPF22、BPF23およびHPF24の
パラメータP1〜P4に圧縮している。次に、ステップ
S4で、図3のようなフォーマットでそれらのパラメー
タP1〜P4を記録する。
【0047】その後、ステップS2に戻り、次のキーコ
ードについてステップS2,S3,S4の処理を行な
う。以上のようして、すべての音色についてかつ基準ピ
ッチ以外のすべてのキーコードについて、フィルタ21
〜24のパラメータP1〜P4を求め、図3のテーブル
を作成する。
【0048】なお、上記実施例ではあらかじめ図10の
手順ですべてのキーコードのパラメータを求めてパラメ
ータ記憶回路9に記憶しているが、パラメータが必要に
なった時点でリアルタイムにパラメータを算出するよう
にしてもよい。その場合は、図10のステップS1のみ
あらかじめ実行して基準フォルマントを得て記憶してお
き、ステップS2〜S4の処理をリアルタイムで行なう
ようにするとよい。ステップS1はFFTなどで比較的
処理時間がかかるが、ステップS2ではFFTなどの処
理が不要であるので、ステップS2〜S4は処理時間が
比較的短い。
【0049】ディジタルフィルタ6を2段の直列構成と
して、前段で所定の固定フォルマントを付与し、後段で
所望のフォルマントに加工するようにしてもよい。特
に、前段のフィルタでスペクトルを平坦にし、後段で所
望のフォルマント(固定フォルマントでも移動フォルマ
ントでもよい)を付与するようにしてもよい。スペクト
ルを平坦にすれば、ピッチシフトの際のフォルマントの
移動を考慮する必要はない。
【0050】なお、あらかじめスペクトルが平坦な波形
データを波形メモリに記憶しておけば、ディジタルフィ
ルタで任意の固定フォルマントを付与することができ
。ただし、スペクトルが平坦な波形データを用いる
と、原波形の特質が失われることもある。したがって
上述の実施例のように、原波形情報はそのまま出力し、
原波形のピッチと異なるピッチの波形情報はフィルタリ
ングして固定フォルマントとするのがよい。本発明は、
楽器の共鳴特性が除去されたほぼピッチ信号のみの信号
にピッチ変換を施して音高を変え、その信号に固定フォ
ルマント特性を付与するものではない。
【0051】上記実施例では、波形メモリ読出し方式の
楽音信号に固定フォルマント特性を付与する例を説明し
たが、他の方式で発生された楽音信号に適用することも
できる。その場合、基準となるフォルマントを有する楽
音信号の音高を基準ピッチとし、その基準ピッチからの
ずれを考慮してあらかじめ任意のピッチに対するパラメ
ータ(そのピッチの楽音信号をそのパラメータでフィル
タリングすると前記の基準となるフォルマント特性が付
与されるように選択されたパラメータ)を算出しておき
(あるいはリアルタイムでパラメータを求めてもよ
い)、楽音発生のときは音高に応じたパラメータでフィ
ルタリングすればよい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、所定の音高のディジタル楽音信号をその音高に対応
するパラメータにしたがってフィルタリングすることに
より、正確に固定フォルマント特性を付与することがで
きる。したがって、実際の楽音の発生の動作を正確に再
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係るフィルタ装置を適
用した電子楽器のブロック構成図
【図2】 ディジタルフィルタの詳細なブロック構成図
【図3】 パラメータ記憶回路の構造を示す図
【図4】 原波形およびピッチをシフトアップした波形
の振幅スペクトル、並びにそれらの差を示すグラフ
【図5】 一次のHPFの回路例
【図6】 一次のLPFの回路例
【図7】 二次のHPFの回路例
【図8】 二次のBPFの回路例
【図9】 二次のLPFの回路例
【図10】 パラメータ記憶回路に記憶するパラメータ
を求める手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1…中央処理装置(CPU)、2…位相発生器、3…波
形読出回路、4…波形メモリ、5…補間回路、6…ディ
ジタルフィルタ、7…サウンドシステム、8…フィルタ
制御回路、9…パラメ−タ記憶回路、21…LPF、2
2,23…BPF、24…HPF。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−209497(JP,A) 特開 昭63−91695(JP,A) 特開 平3−269496(JP,A) 特許2722482(JP,B2) 特公 平3−28720(JP,B2) 特公 平2−43198(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10H 1/00 - 7/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の基準音高に応じて波形データを読み
    出したとき出力されるディジタル楽音信号が基準フォル
    マントを有するような波形データを記憶した波形データ
    記憶手段と、 発生すべき楽音の音高を示す音高情報を発生する音高情
    報発生手段と、 前記音高情報が示す音高に応じて前記波形データ記憶手
    段から波形データを読み出すことにより、前記基準フォ
    ルマント特性からフォルマント特性が移動するディジタ
    ル楽音信号を発生するディジタル楽音信号発生手段と、 前記ディジタル楽音信号発生手段から発生された移動フ
    ォルマント特性を有するディジタル楽音信号を入力し、
    与えられたパラメータにしたがってフィルタリングして
    出力するフィルタリング手段と、前記基準音高に応じて波形データを読み出した場合の基
    準フォルマント特性と前記基準音高とは異なる音高で波
    形データを読み出した場合のフォルマント特性との差分
    に対応するパラメータを、前記基準音高とは異なる音高
    ごとに、記憶したパラメータ記憶手段と、 前記音高情報に応じて前記パラメータ記憶手段からパラ
    メータを読み出して前記フィルタリング手段に与える制
    御手段とを備えるとともに、 前記制御手段から前記フィルタリング手段に与えるパラ
    メータは、前記音高情報が示す音高のディジタル楽音信
    号を該パラメータにしたがってフィルタリングすること
    により前記基準フォルマント特性を付与することができ
    るように選択されたパラメータであることを特徴とする
    楽音合成装置。
  2. 【請求項2】前記パラメータは、基準フォルマント特性
    を有するディジタル楽音信号の音高からのずれ量に応じ
    て音高ごとに算出される請求項1に記載の楽音合成装
    置。
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