JP2699387B2 - デイジタル信号処理方法 - Google Patents

デイジタル信号処理方法

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JP2699387B2 JP63061724A JP6172488A JP2699387B2 JP 2699387 B2 JP2699387 B2 JP 2699387B2 JP 63061724 A JP63061724 A JP 63061724A JP 6172488 A JP6172488 A JP 6172488A JP 2699387 B2 JP2699387 B2 JP 2699387B2
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【発明の詳細な説明】 以下の順序で本発明を説明する。
A産業上の利用分野 B発明の概要 C従来の技術(第1図及び第6図) D発明が解決しようとする問題点(第1図及び第6図) E問題点を解決するための手段(第1図) F作用 G実施例(第1図〜第5図) (G1)第1の実施例(第1図〜第3図) (G2)第2の実施例(第4図及び第5図) (G3)他の実施例 H発明の効果 A産業上の利用分野 本発明はデイジタル信号処理方法に関し、例えばCD−
ROM(compact disk read only memory)にオーデイオ信
号等を情報圧縮して記録、再生するようになされたデイ
ジタル信号処理方法に適用して好適なものである。
B発明の概要 本発明は、デイジタル信号処理方法において、ストレ
ートPCMモードで低い周波数帯域の再量子化雑音信号を
抑圧することにより、耳障りな再量子化雑音の発生を有
効に回避することができる。
C従来の技術 従来、光記録媒体でなるCD−ROMにおいては、その記
録フオーマツトの1つにオーデイオ信号等の音声信号を
併せて記録するようになされたCD−I(CD−interracti
ve media)がある。
この場合CD−Iにおいては、適応予測符号化法(adap
tive predictive coding:APC)の手法を用いてオーデイ
オ信号を符号化して情報圧縮することにより、S/N比、
明瞭度等の劣化を未然に防止して高い記録密度で記録す
るようになされたデイジタル信号処理装置が提案されて
いる(特開昭59−223032号公報、特開昭61−158217号公
報、特開昭62−158218号公報、特開昭61−158219号公
報、特開昭61−158220号公報)。
すなわち第1図において、1は全体としてデイジタル
信号処理装置を示し、入力デイジタル信号SIを予測化フ
イルタ2A、2B、2C及び2Dを介して加算器3A、3B、3C及び
3Dに与えることにより、入力デイジタル信号SIと予測化
フイルタ2A、2B、2C及び2Dの出力信号との差信号でなる
予測残差信号SZA、SZB、SZC及びSZDを得る。
予測化フイルタ2A、2B、2C及び2Dは、それぞれ遅延回
路6A及び7A、6B及び7B、6C及び7C、6D及び7Dと重み付け
回路8A及び9A、8B及び9B、8C及び9C、8D及び9Dとで構成
された2次のフイルタ回路でなり、各重み付け回路8A及
び9A、8B及び9B、8C及び9C、8D及び9Dの重み付け係数K1
A及びK2A、K1B及びK2B、K1C及びK2C、K1D及びK2Dが次
式、 K1A=1.8426,K2A=−0.8649 ……(1) K1B=0.875,K2B=0 ……(2) K1C=1.5155,K2C=−0.81 ……(3) K1D=0,K2D=0 ……(4) で表される値に設定されている。
従つて第6図に示すように、予測化フイルタ2A、2B、
2C及び2Dと加算器3A、3B、3C及び3Dは、それぞれ曲線L
A、LB、LC及びLDで表されるような周波数特性を備えた
フイルタ回路を構成し、当該周波数特性で補正された入
力デイジタル信号SIが予測残差信号SZA、SZB、SZC及びS
ZDとしてそれぞれLワード遅延回路4A、4B、4C及び4Dと
最大絶対値ホールド回路5A、5B、5C及び5Dに与えられ
る。
かくして、加算器3A〜3Dは、入力デイジタル信号S
Iと、各予測化フイルタ回路2A〜2Dの出力信号との予測
残差信号SZA〜SZDを出力する予測誤差検出手段を構成す
る。
最大絶対値ホールド回路5A、5B、5C及び5Dは、それぞ
れ加算器3A、3B、3C及び3Dから得られるデイジタル信号
を所定期間ごとに区切つてブロツク化し、各ブロツクご
とに最大絶対値を検出する。
予測レンジ適応回路10は、当該検出結果に基づいてフ
イルタ切換信号SC1を出力して各ブロツクごとに選択回
路11の接点を切り換え制御することにより、上記最大絶
対値が最も小さな予測残差信号SZA、SZB、SZC及びSZD
Lワード遅延回路4A、4B、4C及び4D、選択回路11を介し
て加算器14に出力されるようになされている。
従つて加算器14においては、各ブロツクごとに最大絶
対値が最も小さな予測残差信号SZA、SZB、SZC又はS
ZD(以下最適予測残差信号と呼ぶ)が得られ、かくして
当該最適予測残差信号を再量子化して記録すれば、少な
いビツト量で効率良く入力デイジタル信号SIを記録する
ことができる。
さらに予測レンジ適応回路10は、乗算器15にフローテ
イング信号SC2を出力して最適予測残差信号をフローテ
イング処理することにより、各ブロツクごとに最適予測
残差信号の最大値が所定の信号レベルになるように信号
処理する。
再量子化器17は、フローテイング処理された最適予測
残差信号を再量子化して出力する。
かくして最適予測残差信号をフローテイング処理した
後、再量子化して記録することにより、少ないビツト量
で効率良く入力デイジタル信号SIを記録することができ
る。
ところで、この種のデイジタル信号処理装置において
は、記録側で再量子化する際に量子化雑音の発生を避け
得ず(以下再量子化雑音と呼ぶ)、このためノイズシエ
ーピング回路20を用いて信号対量子化雑音比(SNR)を
改善するようになされたものが提案されている(IEEE T
RANSACTIONS ON ACOUSTICS,SPEECH,AND SIGNAL PROCESS
ING,VOL.ASSP−27,NO.3,JUNE 1979、電子情報通信学会
誌 4'87 VOL.70,NO.4 頁392〜400)。
すなわちノイズシエーピング回路20においては、加算
器24に再量子化器17の入出力信号を与え、その結果得ら
れる量子化誤差信号SEを、乗算器15の逆特性の乗算器16
を介してノイズフイルタ23に与える。
ノイズフイルタ23は、予測化フイルタ2A〜2Dと同様に
遅延回路25A及び26Aと重み付け回路27A及び28Aで構成さ
れ、その出力信号を加算器29を介して加算器14に出力す
るようになされている。さらにノイズフイルタ23は、予
測レンジ適応回路10から出力されるフイルタ切換信号S
C1に基づいて重み付け回路27A及び28Aの重み付け係数KA
及びKBを、最適予測残差信号に応じて(1)式〜(4)
式の間で切り換えるようになされている。
従つて、当該ノイズフイルタ23を介して最適予測残差
信号に対応して周波数特性が補正された量子化誤差信号
が得られ、再量子化器17を介して再量子化雑音のスペク
トラム形状を平坦にすることにより、再量子化雑音のエ
ネルギーを最も小さくしてなる記録信号SL1を得ること
ができる。
かくして、記録信号SL1を、フイルタ切換信号SC1及び
フローテイング信号SC2と共に光記録媒体に記録した
後、光記録媒体から得られる再生信号を乗算器16と同一
特性の乗算器30、最適予測残差信号に対応して周波数特
性が切り換わるフイルタ31及び加算器32を用いて複号す
ることにより、オーデイオ信号でなる入力デイジタル信
号をS/N比、明瞭度等の劣化を未然に防止して高い記録
密度で記録することができる。
D発明が解決しようとする問題点 ところで、この種のデイジタル信号処理装置において
は、信号対量子化雑音比の改善が未だ不十分な問題があ
つた。
すなわち、入力デイジタル信号SIのスペクトラム形状
が高い周波数側で強調されている例えばトライアングル
の音や鈴虫の鳴き声が入力された場合、中低域の周波数
帯域で耳障りな再量子化雑音が出力される問題がある。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、耳障り
な信号対量子化雑音比の発生を有効に回避することがで
きるデイジタル信号処理方法を提案しようとするもので
ある。
E問題点を解決するための手段 かかる問題点を解決するため本発明においては、異な
る特性の予測誤差を出力する複数の第1の予測化フイル
タ2A〜2Dの1つを予測適応選択手段(10、11)によつて
適応的に選択することにより、少なくともストレートPC
M処理又は差分PCM処理したデイジタル伝送信号を得、第
1の減算手段14によつて、デイジタル伝送信号と帰還信
号との差を表す第1の差信号を得、第1の差信号を再量
子化手段17によつて再量子化してデイジタル出力信号S
L1を得、第2の減算手段24によつて、第1の差信号と再
量子化手段17のデイジタル出力信号SL1とに基づいて再
量子化誤差信号SEを得、第2の予測化フイルタ23によつ
て、予測適応選択手段(10、11)の選択動作に応動しな
がら、再量子化誤差信号SEに対して、ストレートPCM処
理又は差分PCM処理に対応する周波数特性を適応的に付
与して第1の減算手段に対する帰還信号として出力し、
第2の予測化フイルタ23は、予測適応選択手段(10、1
1)がストレートPCM処理を選択したとき、再量子化誤差
信号SEのうち低い周波数成分を抑圧することにより、デ
イジタル出力信号SL1に聴感上耳障りな再量子化雑音信
号成分を含ませないようにする。
F作用 入力信号と同じ周波数特性でなるストレートPCMの処
理が選択された場合、再量子化の際に生じる再量子化誤
差信号の低い周波数側を抑圧することにより、聴感上、
信号対量子化雑音比を改善することができ、耳障りな再
量子化雑音の発生を有効に回避することができる。
G実施例 以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
(G1)第1の実施例 第1図に示すように、この実施例においては、フイル
タ2Dを介して得られる予測残差信号が最適予測残差信号
として選択された場合(以下ストレートPCM(pulse cod
e modulation)モードと呼ぶ)、ノイズフイルタ23の重
み付け係数KA又はKBの値を従来の値0に代えて、2つの
内の少なくとも1つを0以外の値に設定する。
実際上、スペクトラム形状が高い周波数側で強調され
た入力デイジタル信号SIが入力された場合、各加算器3
A、3B、3C及び3Dを介して得られる予測残差信号におい
ては、加算器3Dを介して得られる予測残差信号の信号レ
ベルが最も小さな信号レベルになり、その結果当該予測
残差信号SZDが選択されて再量子化器17に入力される
(すなわちストレートPCMモードが選択される)。
従つて、このとき重み付け係数KA又はKBの内の少なく
とも1つを0以外の値に設定することにより、ノイズフ
イルタ23を介して量子化誤差信号のうち低い周波数の信
号成分が大きな帰還量で帰還されるようになり、これに
より重み付け係数KA又はKBが値0に設定されて従来平坦
なスペクトラム形状でなる再量子化雑音を、低い周波数
側を抑圧したスペクトラム形状に切り換えることができ
る。
その結果、再量子化器17を介して出力される再量子化
雑音においては、低い周波数側が抑圧された分、高い周
波数側が強調されたスペクトラム形状で出力される。
実際上、第2図及び第3図において、それぞれ周波数
400〔kHz〕及び2400〔kHz〕の純音のマスキング効果を
示すように、入力信号に対して雑音の周波数が高い場
合、聴感上雑音成分の知覚量を低下させることができ
る。
ところが、これとは逆に入力信号に対して、雑音の周
波数が低い場合、入力信号の知覚量が低下して再量子化
雑音が耳障りになる問題がある。
特に入力デイジタル信号SIのスペクトラム形状が高い
周波数側で強調された場合に選択されるストレートPCM
モードにおいては、再量子化雑音のスペクトラム形状を
平坦にして、そのエネルギーが最も小さくなるようにし
ても、入力デイジタル信号SIに対する再量子化雑音のレ
ベル差が相対的に低い周波数側で低下する結果、耳障り
な再量子化雑音が発生する。
従つてこのようにストレートPCMモードにおいて、再
量子化雑音のスペクトラム形状を、低い周波数側を抑圧
して高い周波数側を強調するようにすれば、その分聴感
上の信号対量子化雑音比を改善することができる。
かくして、ストレートPCMモードにおいて、再量子化
雑音のスペクトラム形状を低い周波数側で抑圧すること
により、聴感上の信号対量子化雑音比を改善することが
でき、その分耳障りな再量子化雑音の発生を有効に回避
することができる。
以上の構成において、入力デイジタル信号SIは、予測
化フイルタ2A、2B、2C及び2Dと加算器3A、3B、3C及び3D
で構成されたフイルタを介して所定の周波数特性に補正
された予測残差信号SZA〜SZDが選択回路11に入力され
る。
その結果選択回路11を介して、所定期間ごとに当該期
間の間の最大絶対値が最も小さな予測残差信号SZA〜SZD
が選択されて最適予測残差信号として出力され、再量子
化器17を介して再量子化される。
さらに、再量子化器17の入出力信号から加算器24を介
して量子化誤差信号SEが得られ、当該量子化誤差信号SE
がノイズフイルタ23を介して再量子化器17に帰還され
る。
このとき、ストレートPCMモードにおいては、ノイズ
フイルタ23の重み付け係数KA及びKBの内の少なくとも1
つが0以外の値に設定されることにより、量子化誤差信
号のうち低い周波数の信号成分が大きな帰還量で帰還さ
れるのに対し、それ以外の動作モードにおいては、対応
する予測化フイルタ2A〜2Cの周波数特性で補正されて帰
還される。
これにより、ストレートPCMモードにおいて、再量子
化雑音を低い周波数側で抑圧して出力することができ
る。
かくして最適予測残差信号をフローテイング処理した
後、再量子化して記録することにより、少ないビツト数
で効率良く入力デイジタル信号SIを記録することができ
ると共にストレートPCMモードにおいて、再量子化雑音
のスペクトラム形状を、低い周波数側で抑圧して出力す
ることにより、聴感上の信号対量子化雑音比を改善する
ことができる。
以上の構成によれば、ストレートPCMモードにおい
て、再量子化雑音のスペクトラム形状を、低い周波数側
で抑圧して出力することにより、聴感上の信号対量子化
雑音比を改善することができ、その分耳障りな再量子化
雑音の発生を有効に回避することができる。
(G2)第2の実施例 第4図に示すように、デイジタル信号処理装置40にお
いては、入力デイジタル信号SIをプリエンフアシス回路
41を介してブロツク内最大値検出比較回路42、和分処理
回路43及び差分処理回路44に与える。
和分処理回路43は、入力デイジタル信号SIを構成する
各デイジタルデータについて、所定量だけ重み付けした
1サンプリング周期前のデイジタルデータと加算出力す
ることにより、和分PCMモードに対応した和分デイジタ
ル信号SADDをブロツク内最大値検出比較回路42に与え
る。
これに対して差分処理回路44は、所定量だけ重み付け
した1サンプリング周期前のデイジタルデータと減算出
力することにより、差分PCMモードに対応した差分デイ
ジタル信号SSUBをブロツク内最大値検出比較回路42及び
ブロツクメモリ46に与える。
ここで和分PCMモード及び差分PCMモードは、入力デイ
ジタル信号SIを構成するデイジタルデータついて、それ
ぞれ隣接するサンプリング点における波高値の和分値及
び差分値を再量子化するもので、これに対してストレー
トPCMモードは、入力デイジタル信号SIを直接再量子化
するモードでなることから、ブロツク内最大値検出比較
回路42に直接入力される入力デイジタル信号SIがストレ
ートPCMモードに対応したデイジタル信号に相当する。
さらに第5図に示すように、例えばサンプリング周波
数fsを20〔kHz〕、量子化ビツト数を8ビツトに設定し
た場合、それぞれストレートPCMモード、和分PCMモード
及び差分PCMモードで得ることができるダイナミツクレ
ンジは、直線LE、LF及びLGで表される。
すなわち、入力信号の周波数f1がサンプリング周波数
FSに比して、次式、 f1<fs/6 ……(5) で表される範囲においては、差分PCMモードで最も大き
なダイナミツクレンジを得ることができるのに対し、そ
れぞれ次式 fs/6<f1<fs/3 ……(6) fs/3<f1 ……(7) で表される範囲においては、ストレートPCMモード及び
和分PCMモードで最も大きなダイナミツクレンジを得る
ことができる。
従つて入力デイジタル信号SIのスペクトラム形状が低
い周波数側で強調されている場合、高い周波数側が強調
されている場合、又は特に高い周波数側が強調されてい
る場合、それぞれ差分PCMモード、ストレートPCMモード
又は和分PCMモードに切り換えて入力デイジタル信号SI
を再量子化して出力すれば、少ないビツト量で高品質の
デイジタル信号を得ることができる。
かくして、この実施例においては、和分処理回路43及
び差分処理回路44が、それぞれ和分PCMモード及び差分P
CMモードの予測化フイルタ及び予測誤差検出手段を構成
するのに対し、入力デイジタル信号SIを直接ブロツク内
最大値検出比較回路42に入力することにより、ストレー
トPCMモードの予測化フイルタ及び予測誤差検出手段が
構成されている。
ブロツク内最大値検出比較回路42は、入力デイジタル
信号SI、和分デイジタル信号SADD及び差分デイジタル信
号SSUBをそれぞれ所定期間ごとに分割することにより、
ブロツク化し、各デイジタル信号SI、SADD及びSSUBごと
に各ブロツク内の最大絶対値を検出する。
さらに、ブロツク内最大値検出比較回路42は、当該各
ブロツク内の最大絶対値を各デイジタル信号SI、SADD
びSSUB間で、各ブロツクごとに比較し、最大絶対値が最
も小さいデイジタル信号SI、SADD又はSSUBを検出する。
従つてブロツク内最大値検出比較回路42においては、
ストレートPCMモード、和分PCMモード及び差分PCMモー
ドの中で、最も大きなダイナミツクレンジで入力デイジ
タル信号SIを再量子化することができる動作モードを検
出することができる。
モード選択アダプテイブ情報算出回路47は、ブロツク
内最大値検出比較回路42の検出結果に基づいてモード切
換信号DS1をモード切換処理回路48及びマルチプレクサ4
9に出力すると共に、アダプテイブ情報DS2を再量子化器
52及びノイズシエーピング回路50に出力する。
モード切換処理回路48は、ブロツクメモリ46を介して
差分デイジタル信号SSUBを受け、モード切換信号DS1
応じてそれぞれ各ブロツクごとに、当該差分デイジタル
信号SSUBからストレートPCMモード、和分PCMモード及び
差分PCMモードのデイジタル信号(すなわち、入力デイ
ジタル信号SI、和分デイジタル信号SADD及び差分デイジ
タル信号SSUBでなる)を合成して加算器51を介して再量
子化器52に出力する。
再量子化器52は、アダプテイブ情報DS2に基づいて、
上記最大絶対値に応じた量子化ステツプ幅でモード切換
処理回路48から出力されるデイジタル信号を再量子化し
てマルチプレクサ49に出力する。
これに対して逆量子化器53は、再量子化器52から得ら
れるデイジタル信号を逆量子化して加算器54に出力す
る。
加算器54は、逆量子化器53の出力信号を再量子化器52
の入力信号と共に受け、その差信号を遅延回路55及び係
数乗算器56を介して加算器51に帰還する。
従つてノイズシエーピイング回路50においては、加算
器54を介して再量子化器52の再量子化誤差信号が得ら
れ、当該再量子化誤差信号が係数乗算器56の重み付け係
数の値に応じた所定の周波数特性に補正された再量子化
器52に帰還されるようになされている。
系数乗算器56は、アダプテイブ情報DS2に基づいて、
重み付け係数の値Kを切り換え、これにより当該遅延回
路55及び系数乗算器56の周波数特性を当該デイジタル信
号処理装置40の動作モードに応じて切り換えるようにな
されている。
すなわち、和分PCMモード及び差分PCMモードにおいて
は、それぞれ和分処理回路43及び差分処理回路44の周波
数特性と同じ周波数特性になるように重み付け係数の値
Kを切り換え、再量子化雑音が耳障りになるストレート
PCMモードにおいては、重み付け係数を値0.7に切り換え
る。
その結果、和分PCMモード及び差分PCMモードにおいて
は、平坦なスペクトラム形状でなる再量子化雑音が得ら
れるのに対し、ストレートPCMモードにおいては、重み
付け係数を値0.7に切り換えた分低い周波数帯域が抑圧
されて高い周波数帯域が強調されたスペクトラム形状の
再量子化雑音を得ることができる。
かくしてマルチプレクサ49を介して、適応予測符号化
法の手法を用いてストレートPCMモード、和分PCMモード
及び差分PCMモードの間で、最も大きなダイナミツクレ
ンジで入力デイジタル信号SIを再量子化する動作モード
を順次選択して、当該入力デイジタル信号SIを再量子化
してなる記録信号SL1を得ることができ、その際再量子
化雑音が耳障りになるストレートPCMモードにおいて再
量子化雑音のスペクトラム形状を低い周波数帯域で抑圧
することにより、耳障りな再量子化雑音の発生を有効に
回避することができる。
第2の実施例において、入力デイジタル信号SIが、ブ
ロツク内最大値検出比較回路42に直接入力されると共に
和分処理回路43及び差分処理回路44を介して入力され、
ストレートPCMモード、和分PCMモード及び差分PCMモー
ドの内で、所定のブロツクごとに最も大きなダイナミツ
クレンジを得ることができる動作モードが検出される。
当該検出結果に応じてモード切換処理回路48からスト
レートPCMモード、和分PCMモード及び差分PCMモードの
デイジタル信号が得られ、再量子化器52を介して再量子
化される。
このとき、加算器54を介して得られる再量子化誤差信
号が、和分PCMモード及び差分PCMモードにおいては、そ
れぞれ和分処理回路43及び差分処理回路44の周波数特性
と同じ周波数特性をもつように係数が選択されたノイズ
フイルタ50を介して再量子化器52に帰還されるのに対
し、ストレートPCMモーにおいては、低い周波数帯域が
強調されて帰還される。
その結果、和分PCMモード及び差分PCMモードにおいて
は、平坦なスペクトラム形状でなる再量子化雑音が得ら
れるのに対し、ストレートPCMモードにおいては、低い
周波数帯域で抑圧されたスペクトラム形状でなる再量子
化雑音が得られ、かくしてマルチプレクサ49を介して、
適応予測符号化法の手法を用いてストレートPCMモー
ド、和分PCMモード及び差分PCMモードの間で、最も大き
なダイナミツクレンジで入力デイジタル信号SIを再量子
化した記録信号を得ることができると共に、耳障りな再
量子化雑音の発生を有効に回避することができる。
第2の実施例によれば、ストレートPCMモード、和分P
CMモード及び差分PCMモードの間で、動作モードを切り
換えるような場合でも、再量子化雑音信号のスペクトラ
ム形状をストレートPCMモードにおいて低い周波数帯域
で抑圧することにより、第1の実施例と同様の効果を得
ることができる。
(G3)他の実施例 なお上述の実施例においては、本発明をCD−Iフオー
マツトのデイジタル信号処理装置に適用した場合及び和
分、差分及びストレートPCMモードで適応予測化する場
合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は入力
信号を適応予測化して記録、再生、伝送する場合におい
て、このうちのストレートPCMモードで再量子化雑音を
低減する場合に広く適用することができる。
H発明の効果 以上のように本発明によれば、ストレートPCMモード
が選択されたとき、再量子化雑音のスペクトラム形状の
うち、低い周波数帯域を抑圧するようにしたことによ
り、聴感上耳障りな再量子化雑音をデイジタル出力信号
に含ませないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるデイジタル信号処理装置の一実施
例を示すブロツク図、第2図及び第3図は、その動作の
説明に供する特性曲線図、第4図はその第2の実施例を
示すブロツク図、第5図はその動作の説明に供する特性
曲線図、第6図は従来のデイジタル信号処理装置の動作
の説明に供する特性曲線図である。 1、40……デイジタル信号処理装置、2A、2B、2C、2D…
…予測化フイルタ、17、52……再量子化器、23、50……
ノイズフイルタ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異なる特性の予測誤差を出力する複数の第
    1の予測化フイルタの1つを予測適応選択手段によつて
    適応的に選択することにより、少なくともストレートPC
    M処理又は差分PCM処理したデイジタル伝送信号を得、 第1の減算手段によつて、上記デイジタル伝送信号と帰
    還信号との差を表す第1の差信号を得、 上記第1の差信号を再量子化手段によつて再量子化して
    デイジタル出力信号を得、 第2の減算手段によつて、上記第1の差信号と上記再量
    子化手段の上記デイジタル出力信号とに基づいて再量子
    化誤差信号を得、 第2の予測化フイルタによつて、上記予測適応選択手段
    の選択動作に応動しながら、上記再量子化誤差信号に対
    して、上記ストレートPCM処理又は上記差分PCM処理に対
    応する周波数特性を適応的に付与して上記第1の減算手
    段に対する上記帰還信号として出力し、 上記第2の予測化フイルタは、上記予測適応選択手段が
    上記ストレートPCM処理を選択したとき、上記予測再量
    子化誤差信号のうち低い周波数成分を抑圧することによ
    り、上記デイジタル出力信号に聴感上耳障りな再量子化
    雑音信号成分を含ませないようにする ことを特徴とするデイジタル信号処理方法。
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