JP2699340B2 - 自動合焦装置 - Google Patents
自動合焦装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、自動合焦装置に関する。
〔従来の技術〕
近年ビデオ・カメラでは、ビデオ信号の高周波成分に
より画面の精細度を検出し、その精細度(即ち高周波成
分)が最大になるようにフォーカシング・レンズ位置を
自動調節する所謂山登りサーボ方式(例えば、NHK技術
研究昭和40年第17巻第1号通巻86号第21〜37頁参照)に
よる自動合焦装置が知られている。具体的には、この山
登り方式では、合焦度を示す焦点信号が増加する方向に
フォーカシング・レンズ駆動モータを回転させ、そして
焦点信号が減少に転ずるまで、山を登るが如く当該モー
タを同方向に回転させる。焦点信号が減少に転じたら、
当該モータを逆転させる。これを繰り返すことにより、
フォーカシング・レンズは合焦点に達することになる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このような従来の山登り方式による自動合焦装置で
は、現フィールドと直前フィールドの焦点信号を比較
し、焦点信号がより大きくなる方向にフォーカシング・
レンズを制御する構成を採用するので、合焦点を知るた
めには焦点信号のピークを一度越えなければならず、従
って少なからずオーバーラン状態になるので、合焦点か
らの少しのズレ又は合焦点の前後での振動は避けがた
い。また、時間的に直前の1つの焦点信号によりモータ
の速度を制御するのでモータ速度制御のタイミングが1
テンポ遅れる傾向を持ち、これが合焦点前後での振動を
大きくする原因にもなっている。 かかる問題点に鑑みて、過去の複数の焦点信号からピ
ーク値に達するまでのレンズ駆動量を計算し、その駆動
量に応じてレンズの速度制御を行う方法も考えられてい
るが、かかる方法では、ピークが遠い場合、計算された
駆動量が必ずしも正確なものとはならず、かえって合焦
点を誤ってしまうことが生じ、信頼性に欠ける。 そこで本発明は、これらの欠点を除去し、山の頂上で
のレンズの振動を減少又は解消する自動合焦装置を提示
することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明に係る自動合焦装置は、撮像信号中の所定の高
周波成分からなる焦点信号が最大となるようにフォーカ
シング・レンズを駆動することによって、焦点調節を行
なう自動合焦装置であって、過去の焦点信号を保持する
保持手段と、現在の焦点信号及び当該保持手段からの過
去の焦点信号を所定の予測関数に代入して将来の焦点信
号を予測する予測手段と、前記予測手段によって予測さ
れた焦点信号に基づいてフォーカシング・レンズを駆動
するとともに、過去の焦点信号、現在の焦点信号及び前
記予測手段によって予測された焦点信号のレベル変化に
基づいて前記フォーカシング・レンズの駆動速度を制御
する速度制御手段と、過去の焦点信号、現在の焦点信号
及び前記予測手段によって予測された焦点信号により合
焦点検出を行ない、前記フォーカシング・レンズを合焦
点に停止させる制御手段とからなることを特徴とする。 〔作用〕 予測手段により光学系の調節による結果を予測してい
るので、焦点信号の極値を過ぎなくても極値、即ち合焦
点に対応した制御を光学系駆動手段に与えうる。この結
果、合焦動作の応答速度が高まるし、合焦点近傍での振
動動作も緩和され、また無くなる。 〔実施例〕 以下、図面を参照して、本発明の一実施例を説明す
る。第6図は、本発明を適用する山登り方式の自動合焦
装置の概略構成ブロック図であり、第1図は、本発明の
合焦判定・制御部分の要部である第6図の山登り回路16
の実施例のブロック図を示し、第2図は連続するフィー
ルドでの焦点電圧値を例示する説明図である。 第6図において、被写体1からの光は、フォーカシン
グ・レンズ2を通って光電変換手段(例えばCCD撮像素
子)3上に結像し、電気信号に変換される。光電変換手
段3から出力された映像信号としての出力信号は、アン
プ4を介してビデオ・カメラの処理回路(以下カメラ回
路という)5に印加されると共に、合焦検出のためにバ
ンドパスフィルタ(BPF)6にも印加される。BPF6は映
像信号中の高周波成分を抽出し、ゲート回路7に送る。 ウィンドウ・パルス形成回路8は、映像信号から分離
された水平同期信号HD及び垂直同期信号VDをカメラ回路
5から受け、1画面中の予め設定された領域(例えば、
画面の中央部)を切り出すウィンドウ信号を形成する。
ゲート回路7は、このウィンドウ信号により指示された
画面領域の入力信号のみを通過させる。ゲート回路7の
出力は検波回路(DET)9で検波され、その検波出力は
積分回路10で積分される。この積分回路10の出力電圧が
画面内の指定領域の高周波成分の振幅値を表し、以下こ
れを焦点電圧と呼ぶ。この焦点電圧は、撮像映像の精細
度、即ちコントラストを示しており、前述したように合
焦点で最大ピーク値を取り、その前後では小さくなる。 山登り回路16は、前フィールドの複数の焦点電圧と現
フィールドの焦点電圧とから先の焦点電圧を予測し、そ
の予測値に従い、フォーカシング・レンズ2の駆動モー
タ18を駆動する駆動信号を形成する。モノマルチバイブ
レータ(MM)12及びサンプル・パルス形成回路13が、カ
メラ回路5からの垂直同期信号VDを受け、所定タイミン
グでサンプリング・パルスを形成する。 本実施例では、現フィールドiの焦点電圧(焦点信
号)Cと、その少なくとも2つ前のフィールドの焦点電
圧B(フィールドi−1),A(フィールドi−2)とか
ら、所定演算式(例えば二次関数の予測式)に従い将来
のフィールドi+1の焦点電圧Dの値及び/又はその先
のフィールドi+2の焦点電圧Eの値を予測し、この予
測値によりモータ18を制御する。 第1図において、サンプル・ホールド回路11は、サン
プル・パルス形成回路13からのサンプリング・パルスに
より積分回路10の出力を1フィールド毎にサンプル・ホ
ールドする。19は、前記サンプル・ホールド回路11から
の焦点電圧サンプル値C′のノイズ成分を補正する回路
である。補正回路19はフィールドi−3,i−2,i−1の焦
点電圧から予測されたフィールドiの予測焦点電圧D′
を受け焦点電圧C(=(αC′+βD′)/2)を出力す
る。但し、α+β=1である。補正回路19の出力側に1
フィールドの遅延回路20と同21をカスケード接続してあ
り、遅延回路20が前フィールドi−1の焦点電圧Bを出
力し、遅延回路21の出力が前々フィールドi−2の焦点
電圧Aを出力する。予測回路22は、焦点電圧A、焦点電
圧B及び焦点電圧Cを受け、公知の演算式、例えば二次
関数の予測式に基づき次のフィールドi+1の焦点電圧
D及び次々フィールドi+2の焦点電圧Eを形成する。 予測回路22のこの機能は、市販のマイクロプロセッサ
により容易に実現出来る。 予測回路22の予測焦点電圧Dは、1フィールド分の遅
延回路27を介して補正回路19に印加され、補正回路19に
よる補正に利用される。遅延回路27により、補正回路19
の2つの入力電圧は、同一又は近似した値となるはずで
ある。 頂上判定回路23は、現フィールドiの焦点電圧Cと予
測焦点電圧D,Eとから、次フィールドi+1が合焦状態
になるのか否かを判定し、合焦状態になると判定すれば
モータ停止信号をモータ駆動回路26に送る。予測焦点電
圧Dが現焦点電圧Cより大きく且つ予測焦点電圧Eより
も大きい場合、次フィールドi+1が合焦状態であり、
既にフィールドi+1の状態に向けてモータ18が回転し
ているので、この時点でモータ停止信号を出す。この頂
上判定回路23の具体的回路例を第3図に示す。比較回路
27が予測焦点電圧Eと予測焦点電圧Dとを比較し、比較
回路28が予測焦点電圧Dと現焦点電圧Cとを比較する。
そしてAND回路29が、DがCよりも大きく且つEよりも
大きい時にモータ停止信号を出力する。 モータ方向判定回路24は、前フィールドi−1の焦点
電圧B、現フィールドiの焦点電圧C及び次フィールド
i+1の予測焦点電圧Dを受け、モータ18を回転させる
べき方向を判定する。即ち、焦点電圧B,C,Dについて、
B<C<Dのときには、例えばモータ18を正転させ、B
>C>Dのときには、モータ18を逆転させる。モータ方
向判定回路24の具体的回路例を第4図に示す。第4図に
おいて、比較回路30はB>CのときにH信号を出力し、
比較回路31はC>DのときにH信号を出力し、従ってAN
D回路34はB>C>DのときにH信号を出力する。ま
た、比較回路32はB<CのときにH信号を出力し、比較
回路33はC<DのときにH信号を出力し、従ってAND回
路35はB<C<DのときにH信号を出力する。NAND回路
36及び同37はフリップフロップを構成する。AND回路34
と同35の出力が同時にHになることは無いので、NAND回
路36は、AND回路35の出力がHのときに出力がHとな
り、AND回路34の出力がHのときに出力がLになる。NAN
D回路36のこの出力がモータ方向信号になる。 モータ速度判定回路25は、前フィールドi−1の焦点
電圧B、現フィールドiの焦点電圧C及び次フィールド
i+1の焦点電圧Dを受け、モータ18の回転速度を指示
する信号を形成する。即ち差D−Cが差C−Bより大き
いときには、焦点電圧曲線は下に凸であるので山のピー
クが遠いと判断でき、モータ18の回転速度を上げる。他
方、その逆に差D−CがC−Bより小さいときには焦点
電圧曲線は上に凸であるので、山のピークが近いと判断
でき、モータ18の回転速度を下げる。このモータ速度判
定回路25の具体例を第5図に示す。第5図において、減
算回路38はC−Bを計算し、減算回路39はD−Cを計算
し、比較回路40が減算回路38と減算回路39の出力を比較
する。比較回路40の出力はインバータ41により2値の一
方の値にされモータ速度信号になる。即ち比較回路40の
出力が正又は零(D−C≧C−B)のときインバータ41
の出力はLになり、比較回路40の出力が負(D−C<C
−B)のときインバータ41の出力はHになる。モータ駆
動回路26は、このモータ速度信号がLのときにはモータ
18を高速で回転させ、Hのときには低速で回転させる。 次に、第1図の回路の動作を説明する。サンプル・ホ
ールド回路11は、フィールド毎の焦点電圧のホールド値
C′を出力する。補正回路19には、このサンプル・ホー
ルド回路11からの焦点電圧の他に、遅延回路27からフィ
ールドi−3,i−2,i−1の焦点電圧を使って予測された
フィールドiの予測焦点電圧D′も入力されており、補
正回路19は、適当なα,βに対し C=αC′+βD′ 但しα+β=1 により現フィールドiの焦点電圧C′を補正する。C′
は雑音により本来の出力値とは異なる値になっているの
で、所定の重みを付けて雑音を補正するのである。これ
により、山を登る途中で雑音により合焦動作に狂いや異
常、遅延が生じることはなくなる。尚、補正回路19にお
ける補正演算は、上記例に限らず他の演算であってもよ
い。 予測回路22は、補正回路19の出力C及び遅延回路20,2
1の出力A,Bから、二次関数に基づき次フィールドi+1
及び次々フィールドi+2の焦点電圧D,Eを予測する。
頂上判定回路23は、現在の値C及び予測値D,Eから前述
の如く焦点電圧のピークに至るか否かを判定し、ピーク
になるのであればモータ停止信号をモータ駆動回路26に
送る。モータ方向判定回路24はモータ18の回転方向を指
示する方向信号をモータ駆動回路26に送り、モータ速度
判定回路25は、モータ18の回転速度を指示する速度信号
をモータ駆動回路26に送る。モータ駆動回路26は、これ
らの信号に従いモータ18を制御する。 図示例では、1フィールドの遅延回路20,21により過
去の焦点電圧を保持しているが、アナログ値(又はA/D
変換後のディジタル値)を保持し、サンプリング・パル
ス形成回路13からのサンプリング・パルスに応答して隣
接セルに転送するBBD素子又はCCD素子を用いてもよい。
また、予測回路22にモータ速度判定回路25の出力を印加
して、予測に際してモータ速度、即ち焦点信号のサンプ
リング間隔をも考慮するようにしてもよい。予測回路22
のこの機能及び上述の機能は、マイクロプロセッサの数
値演算により容易に達成できる。図示例では、予測回路
22には3つの焦点電圧を入力し二次式を用いて次フィー
ルド及びその次のフィールドの焦点電圧を予測している
が、より多くの焦点信号を入力し、高次多項式を使って
より精密な予測を行ってもよい。 以上の説明では、ビデオ・カメラにおけるビデオ信号
の高周波成分を使った合焦検出を例にとったが、本発明
は、合焦点で極値をとる上に凸又は下に凸の特性を示す
焦点信号が得られる撮影装置であれば、その他の、一眼
レフ・カメラ、電子スチル・カメラ等にも同様に利用で
きる。また、頂上判定回路の出力により合焦検出精度の
高い別の合焦検出方式に切り換えるようにしてもよい。
本実施例においてはモータの速度制御及び頂上判定の両
方を行っているが、その一方を他の方式で行ってもよい
ことは勿論である。 〔発明の効果〕 上記説明から容易に理解できるように、本発明によれ
ば、将来の焦点信号を予測するので、フィーカシング用
駆動手段の制御にタイム・ラグがなくなり、また、山登
り制御途中での雑音による不自然な動作も解消される。
より画面の精細度を検出し、その精細度(即ち高周波成
分)が最大になるようにフォーカシング・レンズ位置を
自動調節する所謂山登りサーボ方式(例えば、NHK技術
研究昭和40年第17巻第1号通巻86号第21〜37頁参照)に
よる自動合焦装置が知られている。具体的には、この山
登り方式では、合焦度を示す焦点信号が増加する方向に
フォーカシング・レンズ駆動モータを回転させ、そして
焦点信号が減少に転ずるまで、山を登るが如く当該モー
タを同方向に回転させる。焦点信号が減少に転じたら、
当該モータを逆転させる。これを繰り返すことにより、
フォーカシング・レンズは合焦点に達することになる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このような従来の山登り方式による自動合焦装置で
は、現フィールドと直前フィールドの焦点信号を比較
し、焦点信号がより大きくなる方向にフォーカシング・
レンズを制御する構成を採用するので、合焦点を知るた
めには焦点信号のピークを一度越えなければならず、従
って少なからずオーバーラン状態になるので、合焦点か
らの少しのズレ又は合焦点の前後での振動は避けがた
い。また、時間的に直前の1つの焦点信号によりモータ
の速度を制御するのでモータ速度制御のタイミングが1
テンポ遅れる傾向を持ち、これが合焦点前後での振動を
大きくする原因にもなっている。 かかる問題点に鑑みて、過去の複数の焦点信号からピ
ーク値に達するまでのレンズ駆動量を計算し、その駆動
量に応じてレンズの速度制御を行う方法も考えられてい
るが、かかる方法では、ピークが遠い場合、計算された
駆動量が必ずしも正確なものとはならず、かえって合焦
点を誤ってしまうことが生じ、信頼性に欠ける。 そこで本発明は、これらの欠点を除去し、山の頂上で
のレンズの振動を減少又は解消する自動合焦装置を提示
することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明に係る自動合焦装置は、撮像信号中の所定の高
周波成分からなる焦点信号が最大となるようにフォーカ
シング・レンズを駆動することによって、焦点調節を行
なう自動合焦装置であって、過去の焦点信号を保持する
保持手段と、現在の焦点信号及び当該保持手段からの過
去の焦点信号を所定の予測関数に代入して将来の焦点信
号を予測する予測手段と、前記予測手段によって予測さ
れた焦点信号に基づいてフォーカシング・レンズを駆動
するとともに、過去の焦点信号、現在の焦点信号及び前
記予測手段によって予測された焦点信号のレベル変化に
基づいて前記フォーカシング・レンズの駆動速度を制御
する速度制御手段と、過去の焦点信号、現在の焦点信号
及び前記予測手段によって予測された焦点信号により合
焦点検出を行ない、前記フォーカシング・レンズを合焦
点に停止させる制御手段とからなることを特徴とする。 〔作用〕 予測手段により光学系の調節による結果を予測してい
るので、焦点信号の極値を過ぎなくても極値、即ち合焦
点に対応した制御を光学系駆動手段に与えうる。この結
果、合焦動作の応答速度が高まるし、合焦点近傍での振
動動作も緩和され、また無くなる。 〔実施例〕 以下、図面を参照して、本発明の一実施例を説明す
る。第6図は、本発明を適用する山登り方式の自動合焦
装置の概略構成ブロック図であり、第1図は、本発明の
合焦判定・制御部分の要部である第6図の山登り回路16
の実施例のブロック図を示し、第2図は連続するフィー
ルドでの焦点電圧値を例示する説明図である。 第6図において、被写体1からの光は、フォーカシン
グ・レンズ2を通って光電変換手段(例えばCCD撮像素
子)3上に結像し、電気信号に変換される。光電変換手
段3から出力された映像信号としての出力信号は、アン
プ4を介してビデオ・カメラの処理回路(以下カメラ回
路という)5に印加されると共に、合焦検出のためにバ
ンドパスフィルタ(BPF)6にも印加される。BPF6は映
像信号中の高周波成分を抽出し、ゲート回路7に送る。 ウィンドウ・パルス形成回路8は、映像信号から分離
された水平同期信号HD及び垂直同期信号VDをカメラ回路
5から受け、1画面中の予め設定された領域(例えば、
画面の中央部)を切り出すウィンドウ信号を形成する。
ゲート回路7は、このウィンドウ信号により指示された
画面領域の入力信号のみを通過させる。ゲート回路7の
出力は検波回路(DET)9で検波され、その検波出力は
積分回路10で積分される。この積分回路10の出力電圧が
画面内の指定領域の高周波成分の振幅値を表し、以下こ
れを焦点電圧と呼ぶ。この焦点電圧は、撮像映像の精細
度、即ちコントラストを示しており、前述したように合
焦点で最大ピーク値を取り、その前後では小さくなる。 山登り回路16は、前フィールドの複数の焦点電圧と現
フィールドの焦点電圧とから先の焦点電圧を予測し、そ
の予測値に従い、フォーカシング・レンズ2の駆動モー
タ18を駆動する駆動信号を形成する。モノマルチバイブ
レータ(MM)12及びサンプル・パルス形成回路13が、カ
メラ回路5からの垂直同期信号VDを受け、所定タイミン
グでサンプリング・パルスを形成する。 本実施例では、現フィールドiの焦点電圧(焦点信
号)Cと、その少なくとも2つ前のフィールドの焦点電
圧B(フィールドi−1),A(フィールドi−2)とか
ら、所定演算式(例えば二次関数の予測式)に従い将来
のフィールドi+1の焦点電圧Dの値及び/又はその先
のフィールドi+2の焦点電圧Eの値を予測し、この予
測値によりモータ18を制御する。 第1図において、サンプル・ホールド回路11は、サン
プル・パルス形成回路13からのサンプリング・パルスに
より積分回路10の出力を1フィールド毎にサンプル・ホ
ールドする。19は、前記サンプル・ホールド回路11から
の焦点電圧サンプル値C′のノイズ成分を補正する回路
である。補正回路19はフィールドi−3,i−2,i−1の焦
点電圧から予測されたフィールドiの予測焦点電圧D′
を受け焦点電圧C(=(αC′+βD′)/2)を出力す
る。但し、α+β=1である。補正回路19の出力側に1
フィールドの遅延回路20と同21をカスケード接続してあ
り、遅延回路20が前フィールドi−1の焦点電圧Bを出
力し、遅延回路21の出力が前々フィールドi−2の焦点
電圧Aを出力する。予測回路22は、焦点電圧A、焦点電
圧B及び焦点電圧Cを受け、公知の演算式、例えば二次
関数の予測式に基づき次のフィールドi+1の焦点電圧
D及び次々フィールドi+2の焦点電圧Eを形成する。 予測回路22のこの機能は、市販のマイクロプロセッサ
により容易に実現出来る。 予測回路22の予測焦点電圧Dは、1フィールド分の遅
延回路27を介して補正回路19に印加され、補正回路19に
よる補正に利用される。遅延回路27により、補正回路19
の2つの入力電圧は、同一又は近似した値となるはずで
ある。 頂上判定回路23は、現フィールドiの焦点電圧Cと予
測焦点電圧D,Eとから、次フィールドi+1が合焦状態
になるのか否かを判定し、合焦状態になると判定すれば
モータ停止信号をモータ駆動回路26に送る。予測焦点電
圧Dが現焦点電圧Cより大きく且つ予測焦点電圧Eより
も大きい場合、次フィールドi+1が合焦状態であり、
既にフィールドi+1の状態に向けてモータ18が回転し
ているので、この時点でモータ停止信号を出す。この頂
上判定回路23の具体的回路例を第3図に示す。比較回路
27が予測焦点電圧Eと予測焦点電圧Dとを比較し、比較
回路28が予測焦点電圧Dと現焦点電圧Cとを比較する。
そしてAND回路29が、DがCよりも大きく且つEよりも
大きい時にモータ停止信号を出力する。 モータ方向判定回路24は、前フィールドi−1の焦点
電圧B、現フィールドiの焦点電圧C及び次フィールド
i+1の予測焦点電圧Dを受け、モータ18を回転させる
べき方向を判定する。即ち、焦点電圧B,C,Dについて、
B<C<Dのときには、例えばモータ18を正転させ、B
>C>Dのときには、モータ18を逆転させる。モータ方
向判定回路24の具体的回路例を第4図に示す。第4図に
おいて、比較回路30はB>CのときにH信号を出力し、
比較回路31はC>DのときにH信号を出力し、従ってAN
D回路34はB>C>DのときにH信号を出力する。ま
た、比較回路32はB<CのときにH信号を出力し、比較
回路33はC<DのときにH信号を出力し、従ってAND回
路35はB<C<DのときにH信号を出力する。NAND回路
36及び同37はフリップフロップを構成する。AND回路34
と同35の出力が同時にHになることは無いので、NAND回
路36は、AND回路35の出力がHのときに出力がHとな
り、AND回路34の出力がHのときに出力がLになる。NAN
D回路36のこの出力がモータ方向信号になる。 モータ速度判定回路25は、前フィールドi−1の焦点
電圧B、現フィールドiの焦点電圧C及び次フィールド
i+1の焦点電圧Dを受け、モータ18の回転速度を指示
する信号を形成する。即ち差D−Cが差C−Bより大き
いときには、焦点電圧曲線は下に凸であるので山のピー
クが遠いと判断でき、モータ18の回転速度を上げる。他
方、その逆に差D−CがC−Bより小さいときには焦点
電圧曲線は上に凸であるので、山のピークが近いと判断
でき、モータ18の回転速度を下げる。このモータ速度判
定回路25の具体例を第5図に示す。第5図において、減
算回路38はC−Bを計算し、減算回路39はD−Cを計算
し、比較回路40が減算回路38と減算回路39の出力を比較
する。比較回路40の出力はインバータ41により2値の一
方の値にされモータ速度信号になる。即ち比較回路40の
出力が正又は零(D−C≧C−B)のときインバータ41
の出力はLになり、比較回路40の出力が負(D−C<C
−B)のときインバータ41の出力はHになる。モータ駆
動回路26は、このモータ速度信号がLのときにはモータ
18を高速で回転させ、Hのときには低速で回転させる。 次に、第1図の回路の動作を説明する。サンプル・ホ
ールド回路11は、フィールド毎の焦点電圧のホールド値
C′を出力する。補正回路19には、このサンプル・ホー
ルド回路11からの焦点電圧の他に、遅延回路27からフィ
ールドi−3,i−2,i−1の焦点電圧を使って予測された
フィールドiの予測焦点電圧D′も入力されており、補
正回路19は、適当なα,βに対し C=αC′+βD′ 但しα+β=1 により現フィールドiの焦点電圧C′を補正する。C′
は雑音により本来の出力値とは異なる値になっているの
で、所定の重みを付けて雑音を補正するのである。これ
により、山を登る途中で雑音により合焦動作に狂いや異
常、遅延が生じることはなくなる。尚、補正回路19にお
ける補正演算は、上記例に限らず他の演算であってもよ
い。 予測回路22は、補正回路19の出力C及び遅延回路20,2
1の出力A,Bから、二次関数に基づき次フィールドi+1
及び次々フィールドi+2の焦点電圧D,Eを予測する。
頂上判定回路23は、現在の値C及び予測値D,Eから前述
の如く焦点電圧のピークに至るか否かを判定し、ピーク
になるのであればモータ停止信号をモータ駆動回路26に
送る。モータ方向判定回路24はモータ18の回転方向を指
示する方向信号をモータ駆動回路26に送り、モータ速度
判定回路25は、モータ18の回転速度を指示する速度信号
をモータ駆動回路26に送る。モータ駆動回路26は、これ
らの信号に従いモータ18を制御する。 図示例では、1フィールドの遅延回路20,21により過
去の焦点電圧を保持しているが、アナログ値(又はA/D
変換後のディジタル値)を保持し、サンプリング・パル
ス形成回路13からのサンプリング・パルスに応答して隣
接セルに転送するBBD素子又はCCD素子を用いてもよい。
また、予測回路22にモータ速度判定回路25の出力を印加
して、予測に際してモータ速度、即ち焦点信号のサンプ
リング間隔をも考慮するようにしてもよい。予測回路22
のこの機能及び上述の機能は、マイクロプロセッサの数
値演算により容易に達成できる。図示例では、予測回路
22には3つの焦点電圧を入力し二次式を用いて次フィー
ルド及びその次のフィールドの焦点電圧を予測している
が、より多くの焦点信号を入力し、高次多項式を使って
より精密な予測を行ってもよい。 以上の説明では、ビデオ・カメラにおけるビデオ信号
の高周波成分を使った合焦検出を例にとったが、本発明
は、合焦点で極値をとる上に凸又は下に凸の特性を示す
焦点信号が得られる撮影装置であれば、その他の、一眼
レフ・カメラ、電子スチル・カメラ等にも同様に利用で
きる。また、頂上判定回路の出力により合焦検出精度の
高い別の合焦検出方式に切り換えるようにしてもよい。
本実施例においてはモータの速度制御及び頂上判定の両
方を行っているが、その一方を他の方式で行ってもよい
ことは勿論である。 〔発明の効果〕 上記説明から容易に理解できるように、本発明によれ
ば、将来の焦点信号を予測するので、フィーカシング用
駆動手段の制御にタイム・ラグがなくなり、また、山登
り制御途中での雑音による不自然な動作も解消される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる自動合焦装置の主要部たる合焦
判定・制御部分の一例のブロック回路図、第2図は第1
図の回路の動作説明図、第3図、第4図及び第5図は、
第1図における部分回路の具体例を示す図、第6図は本
発明を適用する自動合焦装置の基本構成ブロック図を示
す。 1……被写体、2……フォーカシング・レンズ、3……
撮像素子、4……アンプ、5……カメラ回路、6……バ
ンド・パス・フィルタ、7……ゲート回路、8……ウィ
ンドウ回路、9……検波回路、10……積分回路、11……
サンプル・ホールド回路、12……モノマルチバイブレー
タ、13……サンプル・パルス形成回路、16……山登り回
路、18……モータ、19……補正回路、20,21……遅延回
路、22……予測回路、23……頂上判定回路、24……モー
タ方向判定回路、25……モータ速度判定回路、26……モ
ータ駆動回路、27,28……比較回路、20,21……遅延回
路、29……AND回路、30,31,32,33……比較回路、34,35
……AND回路、36,37……NAND回路、38,39……減算回
路、40……比較回路、41……インバータ
判定・制御部分の一例のブロック回路図、第2図は第1
図の回路の動作説明図、第3図、第4図及び第5図は、
第1図における部分回路の具体例を示す図、第6図は本
発明を適用する自動合焦装置の基本構成ブロック図を示
す。 1……被写体、2……フォーカシング・レンズ、3……
撮像素子、4……アンプ、5……カメラ回路、6……バ
ンド・パス・フィルタ、7……ゲート回路、8……ウィ
ンドウ回路、9……検波回路、10……積分回路、11……
サンプル・ホールド回路、12……モノマルチバイブレー
タ、13……サンプル・パルス形成回路、16……山登り回
路、18……モータ、19……補正回路、20,21……遅延回
路、22……予測回路、23……頂上判定回路、24……モー
タ方向判定回路、25……モータ速度判定回路、26……モ
ータ駆動回路、27,28……比較回路、20,21……遅延回
路、29……AND回路、30,31,32,33……比較回路、34,35
……AND回路、36,37……NAND回路、38,39……減算回
路、40……比較回路、41……インバータ
フロントページの続き
(72)発明者 上田 浩市
川崎市高津区下野毛770番地 キヤノン
株式会社玉川事業所内
(72)発明者 山田 邦彦
川崎市高津区下野毛770番地 キヤノン
株式会社玉川事業所内
(56)参考文献 特開 昭63−159817(JP,A)
特開 昭63−2010(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.撮像信号中の所定の高周波成分からなる焦点信号が
最大となるようにフォーカシング・レンズを駆動するこ
とによって、焦点調節を行なう自動合焦装置であって、 過去の焦点信号を保持する保持手段と、 現在の焦点信号及び当該保持手段からの過去の焦点信号
を所定の予測関数に代入して将来の焦点信号を予測する
予測手段と、 前記予測手段によって予測された焦点信号に基づいてフ
ォーカシング・レンズを駆動するとともに、過去の焦点
信号、現在の焦点信号及び前記予測手段によって予測さ
れた焦点信号のレベル変化に基づいて前記フォーカシン
グ・レンズの駆動速度を制御する速度制御手段と、 過去の焦点信号、現在の焦点信号及び前記予測手段によ
って予測された焦点信号により合焦点検出を行ない、前
記フォーカシング・レンズを合焦点に停止させる制御手
段 とからなることを特徴とする自動合焦装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62009531A JP2699340B2 (ja) | 1987-01-19 | 1987-01-19 | 自動合焦装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62009531A JP2699340B2 (ja) | 1987-01-19 | 1987-01-19 | 自動合焦装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63177105A JPS63177105A (ja) | 1988-07-21 |
JP2699340B2 true JP2699340B2 (ja) | 1998-01-19 |
Family
ID=11722849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62009531A Expired - Fee Related JP2699340B2 (ja) | 1987-01-19 | 1987-01-19 | 自動合焦装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2699340B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04294309A (ja) * | 1991-03-22 | 1992-10-19 | Sharp Corp | オートフォーカス装置 |
JPH0829667A (ja) * | 1994-07-18 | 1996-02-02 | Fuji Photo Optical Co Ltd | オートフォーカス方法 |
KR100468871B1 (ko) * | 2002-10-09 | 2005-01-29 | 삼성테크윈 주식회사 | 이차 함수를 이용한 카메라의 자동 포커싱 방법 |
US7835637B2 (en) * | 2006-09-20 | 2010-11-16 | Qualcomm Incorporated | Predictive focus value calculation for image capture devices |
US8190015B2 (en) | 2007-09-07 | 2012-05-29 | Qualcomm Incorporated | Method and device for damping lens vibration |
CN103809348B (zh) * | 2012-11-14 | 2016-07-13 | 光宝电子(广州)有限公司 | 应用于相机模块的自动调焦方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS632010A (ja) * | 1986-06-21 | 1988-01-07 | Minolta Camera Co Ltd | 自動焦点調節装置 |
JPH07119880B2 (ja) * | 1986-12-24 | 1995-12-20 | 株式会社精工舎 | 自動焦点調節カメラ |
-
1987
- 1987-01-19 JP JP62009531A patent/JP2699340B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63177105A (ja) | 1988-07-21 |
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Date | Code | Title | Description |
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