JP2699177B2 - エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ - Google Patents

エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規なエンド−β−N−アセチルグルコサミ
ニダーゼ(以下、endo−β−GlcNAc−aseと略する)に
関するものである。更に詳しくは、糖タンパク質のアス
パラギン結合型糖鎖の高マンノース型や混合型のみなら
ず、複合型糖鎖に対しても作用する広い基質特異性を有
する、endo−β−GlcNAc−aseに関するものである。
糖タンパク質は動物の諸臓器や植物の組織、微生物の
細胞膜・細胞壁などに広く分布している。近年、糖タン
パク質の糖鎖が、細胞の分化や細胞間認識など、生体内
の分子識別現象に重要な役割を果たしていることが明ら
かにされつつある。これらの役割の解明には、その糖鎖
の構造と機能の究明が重要な課題となっている。このよ
うな糖鎖の構造や機能を明らかにするための手段とし
て、微生物の生産するさまざまな特異性の高いグリコシ
ダーゼが注目されるようになり、この酵素法を用いた研
究が広く行われている。しかしながら、糖タンパク質の
糖鎖は、通常、複雑な構造を有しているので、エキソ型
のグリコシダーゼのみによる分析はきわめて困難であ
る。そこで、糖タンパク質から糖部分をオリゴ糖として
切り離す、エンド型のグリコシダーゼが非常に重要な酵
素になると考えられてきた。
Endo−β−GlcNAc−aseは、糖タンパク質に存在する
アスパラギン結合型の糖鎖に作用して、以下の様に糖鎖
とタンパクとの結合部に存するN,N′−ジアセチルキト
ビオース部分を切断し、糖鎖を遊離する。
本酵素は、糖タンパク質の糖鎖部分をタンパク部分よ
り遊離することができるために、糖タンパク質糖鎖の構
造および機能の解析に、非常に重要な酵素である。
(従来の技術)(発明が解決しようとする問題点) 従来、endo−β−GlcNAc−aseは、肺炎双球菌(Diplo
coccus pneumoniae)の生産するEndo−D、Clostridium
perfringensの生産するEndo−C IおよびC II、Strepto
myces Plicatusを生産するEndo−Hなどが知られてお
り、糖タンパクの糖鎖の研究に用いられているが、これ
らの酵素はいずれも特定の糖鎖に対してのみ作用する。
即ち、アスパラギン結合型糖鎖の構成としては、以下
に示すような高マンノース型、混合型、複合型に分けら
れる。
上記の従来知られているendo−β−GlcNAc−aseは、
高マンノース型と混合型の糖鎖には作用するが、シアル
酸の結合したままの複合型糖鎖には作用しない。最近見
出されたFlavobacteriummeningosepticumのendo−β−G
lcNAc−ase(Endo−F)は高マンノース型と複合型の糖
鎖に作用するが、複合型糖鎖には高濃度の2−メルカプ
トエタノールとノニデット(nonidet)−P40などのタン
パク質の変性剤の存在下でなければ作用しない。
(問題点を解決するための手段) 本発明を概説すれば、本発明はendo−β−GlcNAc−as
eに関する発明であって、下記の理化学的性質を有する
ことを特徴とする。
(ア)作用: 糖タンパク質のアスパラギン残基の結合する糖鎖に作
用して、糖鎖のN,N′−ジアセチルキトビオース部分を
加水分解し、オリゴ糖を遊離する作用を有する。
(イ)至適pH: 本酵素が作用する至適pHはpH6.0〜7.0である。
(ウ)安定pH: 4℃、4日間の保持条件において、本酵素の安定pH範
囲は7.0〜8.0である。
(エ)安定温度: pH7.0、10分間の保持条件において、本酵素の安定温
度は40℃までである。
また、アスパラギン残基に結合する糖鎖が、高マンノ
ース型、混合型、複合型及びシアル酸を含む複合型のい
ずれのタイプの糖鎖にも作用することを特徴とする。
更に、アスパラギン残基に結合する糖鎖が、ペプチ
ド、アミノ酸及び天然の高分子タンパク質に結合した形
であることを特徴とする。
本発明者らが土壌より単離した糸状菌であるムコール
属の一菌株が培養液中に生産するendo−β−GlcNAc−as
eは、高マンノース型や混合型の糖鎖のみならず、シア
ル酸が結合した複合型糖鎖にも作用し、しかも活性の発
現に2−メルカプトエタノールや界面活性剤のようなタ
ンパク質変性剤を必要としない、新規なendo−β−GlcN
Ac−aseであると認められるものである。
本発明者らは、糖タンパク質のアスパラギン結合型糖
鎖の高マンノース型や混合型のみならず、シアル酸の結
合した複合型の糖鎖にも作用するという広い基質特異性
を有するとともに、天然に存在する糖タンパク質を変性
することなく、その糖鎖に直接作用しうるendo−β−Gl
cNAc−aseを生産する菌を検索した結果、土壌より分離
された糸状菌の培養液中に特異的な本酵素活性を見出し
た。このような微生物の培養液より単一タンパクとして
endo−β−GlcNAc−aseを得ることに成功し、本発明を
完成するに至った。
即ち、本発明は高マンノース型、混合型、複合型のい
ずれのアスパラギン結合型糖鎖にも作用し、かつ天然の
糖タンパク質糖鎖にintactの状態のままに作用する特徴
を有する新規なendo−β−GlcNAc−aseを提供するもの
である。さらに、本発明は、ムコール属に属し前記のen
do−β−GlcNAc−aseを生産能を有する微生物を培養し
て、培養液よりendo−β−GlcNAc−ase採取することを
特徴とするendo−β−GlcNAc−aseの製造方法をも提供
するものである。
本発明酵素は、糖タンパク質に存在する複合型を含め
たほとんどのアスパラギン結合型糖鎖を遊離することが
できると共に、タンパク質変性剤などを添加してタンパ
ク質を変性処理する必要がなく、糖タンパク質から糖鎖
を遊離することができる極めて優れた性質を有してい
る。それ故に、糖タンパク質の糖鎖およびタンパクの機
能的、生理的役割を研究する上で、本発明酵素をその糖
タンパク質に作用させることにより明らかにすることが
できる。即ち、本発明酵素を糖タンパクに作用させるこ
とにより、複合型を含めたほとんど全てのアスパラギン
結合型糖鎖が除去されたタンパク質を得ることができ、
その活性を調べることが可能である。また、最近、癌細
胞のアスパラギン結合型糖鎖の構造が、通常の細胞のそ
れと異なる構造に変化するという報告が多く発表され、
糖タンパクの糖鎖の構造が注目されている。このような
状況の中で糖鎖をタンパク質部分から遊離することがで
きる本発明酵素は、糖鎖の構造解析にも有用な酵素とし
て利用されることが期待される。また、本発明酵素は、
通常の安価な培地で菌体を培養することにより、菌体外
に分泌されるので、容易にかつ多量の酵素タンパクを得
ることができ、研究用試薬として大量かつ安価な供給が
可能である。
以下に本発明を更に詳細に説明する。後に示す実施例
の方法で得られたendo−β−GlcNAc−aseの酵素化学的
および理化学的性質は、下記のとおりである。
1.作用 本発明酵素は、糖タンパク質のアスパラギン結合型糖
鎖のタンパクとの結合近傍にあるN,N′−ジアセチルキ
トビオース部分を加水分解する作用を有する。
2.基質特異性 本発明酵素は、卵白アルブミンから調製した糖ペプチ
ドに含まれている異なった種類の全ての糖鎖、すなわ
ち、高マンノース型、混合型のいずれのタイプの糖鎖を
も分解する。また、ヒト血漿中のトランスフェリンや子
牛血漿中のフェツインから調製した糖ペプチドに含まれ
る複合型の糖鎖も分解する。複合型糖鎖については、シ
アル酸が結合したものであっても加水分解することがで
きる。さらに本発明酵素は、トランスフェリンそのもの
を基質とした場合でも、糖鎖を遊離することが認められ
ることから、天然の糖タンパク質に対しても作用し得る
し、シアル酸の有無に関わらず作用することができる。
3.力価の測定方法 本酵素の活性の測定は、ヒト血漿トランスフェリンを
徹底プロナーゼ処理後、シアリダーゼによってシアル酸
を除去して得られる糖ペプチド(アシアロ糖ペプチド)
のダンシル化合物を基質として行った。PH6.0のリン酸
カリウム緩衝液中、37℃で反応を行い、40%トリクロル
酢酸を加えて反応を停止させた後、分解生成物をn−ブ
タノール−アセトン−水(3:1:1)を展開剤とするペー
パークロマトグラフィによって分離し、水で抽出した
後、蛍光法にて定量する方法により行った。37℃におけ
る反応で、1分間に1μmolの基質を分解する酵素量を
1単位(Unit:本明細書において「U」と略称する)と
する。
4.至適pHおよび安定pH 至適pHは、第1図に示すとおりpH6.0〜7.0であり、安
定pHは4℃で4日間処理した場合、pH7.0〜8.0であっ
た。
なお、第1図は本発明酵素の作用pH範囲を示す図であ
り、縦軸は相対活性(%)、横軸はpHを示し、第1図中 はクエン酸−塩酸、 はリン酸カリウム、 はトリス−塩酸、 はホウ酸の各緩衝液を示す。
5.温度安定性 pH7.0において各温度で10分間保持した後、残存する
酵素活性を測定した。その結果、第2図に示したように
40℃まで安定であった。
なお、第2図は本発明酵素の安定温度範囲を示す図で
あり、縦軸は残存活性(%)、横軸は温度を示す。
6.阻害、活性化および安定化 本発明酵素に対する、種々の添加物質の影響について
検討した結果、著しく活性化する添加物質は存在しなか
った。金属塩の中では、HgCl2により阻害が認められた
が、その他のものについては著しい影響は見られなかっ
た。
本発明酵素の安定化剤はまだ見出されていない。
7.精製方法 本発明酵素の精製は、塩析法、各種のクロマトグラフ
法などを適宜に組合わせて行うことができる。精製の具
体例は実施例に示すとおりである。
8.分子量 本発明酵素の分子量は、セファデックスG−150によ
るゲル過法により約95,000〜105,000と算出された。
次に、本発明酵素を微生物の培養によって製造する方
法を具体的に示す。
本発明酵素の製造に使用される微生物は、ムコール
(Mucor)属に属し、本発明酵素を生産する能力を有す
る微生物であればいかなるものでもよい。このような微
生物の具体例としては、本発明者らにより土壌より分離
されたMucor hiemalis SK−314が挙げられる。この菌株
の菌学的性質を以下に記載する。
A.顕微鏡的観察 菌糸は隔壁がなく、胞子のう柄は気菌糸から長く伸長
する。まれに分岐が見られた。先端に黒色の丸い胞子の
うが形成する。胞子は、だ円形でなめらかである。栄養
菌糸はよく発達している。
B.肉眼的観察 各種培地における、生育の肉眼的観察の結果は次のと
おりである。生育状態の観察は、28℃、2〜3日間培養
した場合の結果である。
(1)普通寒天培地(肉エキス寒天培地) 生育は良好で、白色の菌糸が立毛しビロード状でコロ
ニーの周辺はなめらかである。基菌糸は淡黄色で、菌糸
の平均生育速度は0.7〜0.8cm/日。
(2)麦芽寒天培地 生育は良好で、菌糸が立毛しビロード状となる。基菌
糸は淡褐色で、菌糸の平均生育速度は1.2〜1.3cm/日。
(3)MY20寒天培地 生育は良好で、黄褐色の綿毛状の菌糸が中央から拡が
り、周縁は白色で表面になめらかに伸長する。基菌糸は
淡黄褐色で、菌糸の平均生育速度は1.1〜1.2cm/日。培
地中への淡黄褐色の色素の生育が認められる。
(4)ムコール合成培地 生育は中程度で、淡黄色を帯びた白色の綿毛状の菌糸
が伸長し、周辺は無色の菌糸が伸展している。基菌糸は
極めて鮮明な黄色で、菌糸の平均生育速度は0.7〜0.8cm
/日。
(5)PDA培地(ポテト・グルコース培地) 生育は中程度で、淡黄色を帯びた白色の綿毛状の菌糸
が伸長し、周辺は無色の菌糸が伸展している。基菌糸は
淡黄色で、菌糸の平均生育速度は0.8cm/日。
(6)PCA培地(ポテト・人参培地) 生育は良くない。透明感のある薄毛状および白色の柔
毛状菌糸が伸長する。白色の気菌糸は上方に伸長し、先
端に黒色胞子のうを多数形成する。基菌糸はやや淡黄色
で、菌糸の平均生育速度は0.5〜0.6cm/日。
(7)Czapek寒天培地 生育は極めて悪く、寒天上に薄く拡がって灰白色を呈
する。低温の方が良く生育する。菌糸の平均生育速度は
おそく0.1〜0.2cm/日。
C.生理的性質 生育pH範囲は、pH4.0〜9.0であり、pH6.0〜7.0が最適
である。生育温度範囲は10℃〜30℃であり、34℃では生
育しない。20℃〜25℃が最適である。
以上の諸性質よりこの菌体をムコール・ヒエマリス
(Mucor hiemalis)と同定し、通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所にFERM BP−4991として寄託され
ている。
前記使用微生物の培養に用いる培地組成は、通常の微
生物の培養に用いられるようなものであればどのような
ものでもよい。炭素源としては、例えば、グルコース,
フコース,アラビノース,シュクロース,可溶性デンプ
ン、糖蜜,デキストリンなどの糖質、窒素源としてはペ
プトン、肉エキス,酵母エキス,カザミノ酸,コーンス
ティープリカー,各種アンモニウム塩,各種硝酸塩,尿
素などが挙げられる。無機塩としては、各種のナトリウ
ム塩、カリウム塩,カルシウム塩,マンガン塩,マグネ
シウム塩,リン酸塩,硝酸塩などの塩類が用いられ、場
合によってはビタミン類などを、菌の生育を促進する目
的で添加してもよい。
培養は、培地を通常の方法で滅菌し、本発明の菌株を
接種し、20〜30℃、pH6.5〜7.0で2〜3日間振とうまた
は、通気撹拌により、好気的に行う。
(実施例) 本発明酵素は、以下の実施例により採取することがで
きる。以下の実施例は、本発明の範囲を何ら限定するも
のではない。
実施例1 グルコース0.5%、ペプトン0.5%、酵母エキス0.5%
を含む培地500mlを、容量2の振とうフラスコに分注
し、120℃、15分間加圧滅菌した後、同じ組成の培地で
前培養したムコール・ヒエマリスSK−314の菌株を5ml接
種し、28℃、4日間振とう培養した。培養終了後、過
により菌体を除き、得られた培養液に10mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.0)で緩衝化したCM−セルロースを1
当たり25g加えて、4℃にて2時間撹拌した。樹脂を
過により除いた後、その液に硫安を70%飽和になる
ように添加して、4℃で2〜3日間放置し、生成した沈
でんを10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に溶解し、
同緩衝液で一夜透析した。この透析内液を同緩衝液であ
らかじめ平衡化したDEAE−セファロースCL−6Bカラム
(3.4×60cm)に通し、吸着した酵素を0.3M NaClを含む
同緩衝液を用いて溶出した。溶出された活性画分を集め
硫安を80%飽和になるように加え、4℃にて2日間放置
した。生成した沈澱を、1mMリン酸カリウム緩衝液(pH
7.0)に溶解し、同緩衝液で一夜透析した後、この透析
内液を同緩衝液で平衡化したハイドロキシルアパタイト
カラム(3.0×7.0cmに通し、吸着した酵素を100mMリン
酸カリウム緩衝液(pH7.0)で溶出した。溶出された活
性画分を集めて硫安を80%飽和になるように添加し、生
成した沈澱を10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解した。
この溶液を、あらかじめ同緩衝液で平衡化したセファデ
ックスG−200カラム(1.6×114cm)を用いてゲル過
を行った。活性画分を集めて限外過器で濃縮後、10mM
リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)であらかじめ平衡化し
たコンカナバリンA−セファロース4Bのカラム(1.0×
4.5cm)に通し、同緩衝液で洗浄した後、10%のメチル
−α−マンノシドを含む同緩衝液で酵素を溶出した。活
性画分を集めて限外過により濃縮し、精製酵素標品を
得た。
(発明の効果) 従来知られているendo−β−GlcNAc−aseは、アスパ
ラギン結合型糖鎖の高マンノース型と混合型には作用す
るが複合型糖鎖には作用しないもの、(例えば、特開昭
61−265088)高マンノース型と複合型糖鎖に作用する
が、複合型糖鎖には変性剤の存在下でなければ作用しな
いもの等であった。
本発明のendo−β−GlcNAc−aseは、高マンノース型
や混合型の糖鎖のみならず、複合型糖鎖にも作用し、し
かも活性の発現に、2−メルカプトエタノールや界面活
性剤のようなタンパク質変性剤を必要としない、新規な
酵素である。
この新規endo−β−GlcNAc−aseは、本発明者らによ
って土壌より単離されたムコール層の一菌株Mucor hiem
alisから容易に採取することができ、かかる方法によっ
て得られた本発明の酵素は、癌細胞表面の糖鎖の構造解
析を含め、生体内の分子識別現象解明のための有力な手
段として、利用されることが大いに期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明酵素の作用pH範囲を示す図である。 はクエン酸−塩酸、 はリン酸カリウム、 はトリス−塩酸、 はホウ酸の各緩衝液を示す。 第2図は本発明酵素の安定温度範囲を示す図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の理化学的性質を有することを特徴と
    するエンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ。 (ア)作用: 糖タンパク質のアスパラギン残基の結合する糖鎖に作用
    して、糖鎖のN,N′−ジアセチルキトビオース部分を加
    水分解し、オリゴ糖を遊離する作用を有する。 (イ)至適pH: 本酵素が作用する至適pHはpH6.0〜7.0である。 (ウ)安定pH: 4℃、4日間の保持条件において、本酵素の安定pH範囲
    は7.0〜8.0である。 (エ)安定温度: pH7.0、10分間の保持条件において、本酵素の安定温度
    は40℃までである。
  2. 【請求項2】アスパラギン残基に結合する糖鎖が、高マ
    ンノース型、混合型、複合型及びシアル酸を含む複合型
    のいずれのタイプの糖鎖にも作用する請求項1記載のエ
    ンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ。
  3. 【請求項3】アスパラギン残基に結合する糖鎖が、ペプ
    チド、アミノ酸及び天然の高分子タンパク質に結合した
    形である請求項1記載のエンド−β−N−アセチルグル
    コサミニダーゼ。
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