JP2698038B2 - 帯鋼圧延設備及びブライドルロール - Google Patents

帯鋼圧延設備及びブライドルロール

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JP2698038B2
JP2698038B2 JP5306864A JP30686493A JP2698038B2 JP 2698038 B2 JP2698038 B2 JP 2698038B2 JP 5306864 A JP5306864 A JP 5306864A JP 30686493 A JP30686493 A JP 30686493A JP 2698038 B2 JP2698038 B2 JP 2698038B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は帯鋼圧延設備に係わり、
特に通板が容易で操作性に優れた帯鋼圧延設備、及びこ
の帯鋼圧延設備に設置されるブライドルロールに関す
る。
【0002】
【従来の技術】調質圧延に使用される従来の帯鋼圧延設
備は、日本鉄鋼協会特別報告書No.26「わが国におけ
る最近のコールドストリップ設備および製造技術の進歩
(第148頁〜第151頁)」において記載されている
ように、帯鋼の巻出し機、巻取り機、圧延機、及びブラ
イドルロール等を備えている。特にブライドルロール
は、圧延機の入側及び出側の少なくとも一方に設けら
れ、帯鋼にS字パスを形成させて張力を付加するための
ロールであり、このように帯鋼に張力を付加しつつ上記
圧延機により少量の圧下率で圧延することによって調質
圧延等の帯鋼の圧延が行われる。
【0003】このブライドルロールに関する従来技術と
しては、例えば特開昭61−1442210号公報記載
のものがある。この公知技術においては、一対の可動ロ
ールの各自転軸を、回転軸まわりに回転可能な公転ドラ
ムにそれぞれ回転可能に支持することにより、帯鋼を可
動ロール間に通したまま巻掛け角度を自在に調節可能と
している。またこのとき、各可動ロールには対応する可
動ロール駆動手段からの駆動力がそれぞれ伝達されて駆
動される。すなわち、一方の可動ロール駆動手段からの
駆動力は、公転ドラムと同一軸心の中実の第1伝達軸の
一端に設けられたギヤに伝えられ、さらに第1伝達軸の
他端に設けられたギヤから一方の可動ロールの自転軸に
伝えられる。そして他方の可動ロール駆動手段からの駆
動力は、公転ドラムと同一軸心でありかつ第1伝達軸を
覆うように配置された中空の第2伝達軸の一端に設けら
れたギヤに伝えられ、さらに第2伝達軸の他端に設けら
れたギヤから他方の可動ロールの自転軸に伝えられる。
これにより、公転ドラムの公転中を含めて常時駆動軸か
ら自転軸までの動力伝達を可能としている。また、鋼種
や板厚によっては、ブライドルロールにおいてS字パス
を形成させないで張力を付与させずにデフレクタロール
として使用することもある。
【0004】尚、調質圧延等の圧延設備ではなく精整設
備のスリッティングラインに設置されるブライドルロー
ルを固定側ロールと移動側ロールとで構成し、帯鋼の通
板時には移動側ロールを帯鋼に接触させずに水平送り
し、定常運転時には移動側ロールをシリンダにより直線
的に駆動し帯鋼にS字パスを形成させる例がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の圧延設備に設置されるブライドルロールは固定
式であり、かつその外周には帯鋼を誘導するためのガイ
ド板やガイドロール等のガイド部材が設置されているの
で、ブライドルロールに帯鋼を通板させS字パスを形成
させる際にこれらのガイド部材と帯鋼とが接触し帯鋼表
面にすり疵が発生する。また先端が平坦でないような形
状の悪い帯鋼や、軟質材の薄板(板厚が約0.20〜
0.25mm以下のもの)や、硬質材の厚板(板厚が約3
mm以上のもの)をブライドルロールに通板させる際に
は、上記ガイド部材やブライドルロール表面に突っかか
り、通板が困難となる。さらに、ブライドルロールのS
字パスへの通板速度は約20〜30m/min の低速で運
転されるのが普通であり、このことが設備の稼動率を低
下させる原因となっていた。
【0006】また、鋼種や板厚によっては帯鋼にS字パ
スを形成させずに、ブライドルロールとして使用するロ
ールをデフレクタロールとして使用し、帯鋼に張力を付
加しない場合がある。この場合、帯鋼とロール表面でス
リップしないようにロール表面における帯鋼の接触角度
を充分に確保する必要がある。しかし、上記従来の帯鋼
圧延設備においてはブライドルロールが固定されている
ため、デフレクタロールとして使用する場合には設備ス
ペースの制約からロール表面における帯鋼の接触角度を
充分に確保することが難しかった。
【0007】また、固定側ロールと移動側ロールとでブ
ライドルロールを構成し精整設備のスリッティングライ
ンに適用する場合は、帯鋼表面にすり疵が発生したり帯
鋼がガイド部材やブライドルロール表面に突っかかった
りせず、通板速度も固定式に比べて速くできるが、移動
側ロールをシリンダにより直線的に駆動するためのガイ
ドやこれを支持するための枠等の大がかりな部材を設置
する必要があり、大きな設備スペースが要求される。精
整設備は比較的スペースが大きくなっても問題ないの
で、上記のような大がかりな部材を設置することは可能
であるが、本発明の対象とする帯鋼圧延設備は比較的ス
ペースの余裕が少ないので、上記のような移動側ロール
をシリンダにより直線的に移動させるブライドルロール
をそのまま適用することができない可能性がある。さら
に、この場合はブライドルロール表面への帯鋼の接触角
度を充分大きくとれないので、調質圧延等に必要な充分
な張力を帯鋼に付加できない可能性もある。
【0008】また、上記特開昭61−1442210号
公報によるブライドルロールにおいては、中実と中空の
2つの伝達軸を用いて常時駆動力を伝達するようになっ
ていることから、駆動軸から自転軸までの駆動力伝達機
構が複雑になり、これによって設備の大型化を招いてい
た。本発明の第1の目的は、帯鋼表面にすりきずが発生
することなく高速で容易に通板が行え、かつデフレクタ
ロールとして使用する場合に充分な接触角度を確保する
ことができる操作性に優れたブライドルロール及びこの
ブライドルロールを設置した帯鋼圧延設備を提供するこ
とである。
【0009】本発明の第2の目的は、大きな装置スペー
スを必要とせず従来の帯鋼圧延設備にそのまま適用する
ことができ、帯鋼に充分な張力を付加することができる
ブライドルロール及びこのブライドルロールを設置した
帯鋼圧延設備を提供することである。本発明の第3の目
的は、可動ロール駆動手段の駆動軸から可動ロールの自
転軸までの駆動力伝達機構を簡素化し、小型化を図れる
ブライドルロールを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1及び第2の目的
を達成するため、本発明による帯鋼圧延設備において
は、巻出し機と、巻取り機と、圧延機と、前記巻出し機
と前記圧延機の間及び前記圧延機と前記巻取り機の間の
少なくとも一方に配置されたブライドルロールとを有
し、帯鋼を圧延する帯鋼圧延設備において、前記ブライ
ドルロールは、前記帯鋼に接触する少なくとも1つの固
定側ロールと、回転軸のまわりに回転可能に支持された
アームと、前記アームに取付けられ前記固定側ロールと
対をなす少なくとも1つの移動側ロールと、前記移動側
ロールが前記帯鋼の水平送りを可能とする待機位置と前
記移動側ロールが前記固定側ロールと協働して前記帯鋼
にS字パスを形成させる第1の作動位置との間で前記ア
ームを回転駆動する駆動手段とを有する。
【0011】ここで好ましくは、前記移動側ロールを取
付けた前記アームの回転軸が、前記固定側ロールの軸芯
と一致する。
【0012】また、好ましくは、前記駆動手段は、さら
に前記移動側ロールが前記帯鋼にS字パスを形成させず
に前記固定側ロールと前記移動側ロールとをデフレクタ
ロールとして使用する第2の作動位置に前記アームを回
転駆動可能である。
【0013】また、本発明による帯鋼圧延設備において
は、巻出し機と、巻取り機と、圧延機と、前記巻出し機
と前記圧延機の間及び前記圧延機と前記巻取り機の間の
少なくとも一方に配置されたブライドルロールとを有
し、帯鋼を圧延する帯鋼圧延設備において、前記ブライ
ドルロールは、回転軸のまわりに回転可能に支持された
アームと、前記アームに取付けられ前記回転軸のまわり
に公転する少なくとも一対の可動ロールと、前記可動ロ
ールが前記帯鋼の水平送りを可能とする待機位置と前記
可動ロールが互いに協働して前記帯鋼にS字パスを形成
させる作動位置との間で前記アームを回転駆動する駆動
手段とを有する。
【0014】また、上記第1及び第2の目的を達成する
ため、本発明によるブライドルロールは、巻出し機と、
巻取り機と、圧延機とを有する帯鋼圧延設備の前記巻出
し機と前記圧延機の間及び前記圧延機と前記巻取り機の
間の少なくとも一方に配置されたブライドルロールにお
いて、前記帯鋼に接触する少なくとも1つの固定側ロー
ルと、回転軸のまわりに回転可能に支持されたアーム
と、前記アームに取付けられ前記固定側ロールと対をな
す少なくとも1つの移動側ロールと、前記移動側ロール
が前記帯鋼の水平送りを可能とする待機位置と前記移動
側ロールが前記固定側ロールと協働して前記帯鋼にS字
パスを形成させる第1の作動位置との間で前記アームを
回転駆動する駆動手段とを有する。
【0015】ここで好ましくは、前記移動側ロールを取
付けた前記アームの回転軸が、前記固定側ロールの軸芯
と一致する。
【0016】また、好ましくは、前記駆動手段は、さら
に前記移動側ロールが前記帯鋼にS字パスを形成させず
に前記固定側ロールと前記移動側ロールとをデフレクタ
ロールとして使用する第2の作動位置に前記アームを回
転駆動可能である。
【0017】また、上記第1〜第3の目的を達成するた
めに、本発明によるブライドルロールは、巻出し機と、
巻取り機と、圧延機とを有する帯鋼圧延設備の前記巻出
し機と前記圧延機の間及び前記圧延機と前記巻取り機の
間の少なくとも一方に配置されたブライドルロールにお
いて、回転軸のまわりに回転可能に支持されたアーム
と、自転軸が前記アームに回転自在に取付けられ、前記
自転軸のまわりに自転するとともに前記回転軸のまわり
に公転する少なくとも一対の可動ロールと、前記可動ロ
ールが前記帯鋼の水平送りと可能とする待機位置と前記
可動ロールが互いに協働して前記帯鋼にS字パスを形成
させる作動位置との間で前記アームを回転駆動するアー
駆動手段と、前記可動ロールを自転させるための駆動
力を発生する駆動軸を備えた可動ロール駆動手段と、前
記アームが前記作動位置にあるときには前記可動ロール
駆動手段の駆動軸と前記一対の可動ロールの自転軸とを
接続し、前記アームが前記作動位置にないときには前記
可動ロール駆動手段の駆動軸と前記一対の可動ロールの
自転軸とを分離する自在接続手段とを有する。
【0018】
【作用】上記のように構成した本発明の帯鋼圧延設備に
おいて帯鋼の圧延を行う場合、まずアームを回転させて
これに取付けられた移動側ロールをパスラインから移動
させ帯鋼に接触させない待機位置に待機させておき、帯
鋼を水平送りして通板する。次に帯鋼を巻取り機のドラ
ムに巻付け、その後、駆動手段によりアームを回転駆動
しその回転角度を調整し、対をなす移動側ロールと固定
側ロールとが協働して帯鋼に所定のS字パスを形成させ
る第1の作動位置に移動側ロールを移動させる。このよ
うに帯鋼に所定のS字パスを形成させることによって、
帯鋼に張力を付加させながら調質圧延等の圧延が行われ
る。
【0019】上記のようにブライドルロールにおいてS
字パスを形成することにより、帯鋼表面にすり疵が発生
することがなく、また鋼種や形状による突っかかり等が
起こらず高速で容易に通板が行われる。また、ロール表
面への帯鋼の接触角度を充分大きくとれるので、帯鋼に
は調質圧延等に必要な充分な張力が付加される。
【0020】また、移動側ロールが回転軸のまわりに回
転可能に支持されたアームに取付けられることにより、
移動側ロールの移動範囲がアームの回転半径程度とな
り、従来のシリンダによる駆動方式のように大がかりな
部材を必要とせずに設置スペースが小さなものでよい。
【0021】また、移動側ロールを取付けたアームの回
転軸を固定側ロールの軸芯と一致させることにより、ア
ームに取付けられた移動側ロールの移動範囲がアームの
回転半径程度の小さな範囲となり、ブライドルロールと
巻出し機、またはブライドルロールと巻取り機の間隔を
短くすることが可能で、その設置スペースは小さなもの
でよい。
【0022】また、鋼種や板厚によっては帯鋼にS字パ
スを形成させずに、張力を付加しない場合がある。この
場合には、通板後に移動側ロールが帯鋼にS字パスを形
成させない第2の作動位置までアームを回転駆動するこ
とにより、対をなす移動側ロールと固定側ロールとがデ
フレクタロールとして使用される。このときアームの第
2の作動位置は、固定側ロールの表面における帯鋼接触
角度が充分に確保される位置に設定される。従って帯鋼
がロール表面でスリップすることがない。
【0023】また、対をなす可動ロールの自転軸を回転
軸のまわりに回転可能に支持されたアームに取付け、こ
の可動ロールを上記回転軸のまわりに公転させることに
より、上記固定側ロールと移動側ロールとの対を備えた
ブライドルロールの場合と同様の作用が得られるだけで
なく、アームの回転半径、従って対をなす可動ロールの
移動半径を小さくすることができ、設置スペースは一層
小さなものでよい。さらに、自在接続手段で、アームが
作動位置にあるときには可動ロール駆動手段の駆動軸と
可動ロールの自転軸とを接続して駆動力を伝達する一
方、アームが作動位置にないときにはこれら駆動軸と自
転軸とを分離する。このように、可動ロールを駆動しな
くても操業上問題のない公転中には駆動力を伝達せず、
アームが作動位置にあるときのみ駆動力を伝達する構造
とすることにより、中実と中空の2つの伝達軸を用いて
常時駆動力を伝達可能とする従来構造よりも、駆動軸か
ら自転軸までの駆動力伝達機構を簡素化することができ
る。したがって、操業上の作業性を低下させることな
く、設備の小型化を図ることができる。
【0024】
【実施例】本発明の第1の実施例による帯鋼圧延設備及
びブライドルロールについて図1から図8により説明す
る。まず、本実施例の帯鋼圧延設備を原理的に説明す
る。図1は本帯鋼圧延設備の構成及び帯鋼の通板状態を
模式的に示す図であり、図2は同様に圧延状態を示す図
である。図1に示すように、本帯鋼圧延設備は帯鋼7の
巻出し機1、入側ブライドルロール2,圧延機3,出側
ブライドルロール4,巻取り機5、ベルトラッパー6、
及びガイドロ−ラ3a,3bを備えている。圧延機3の
入側に位置する入側ブライドルロール2は、固定側ロー
ル2aと、一端を回転軸として回転可能に支持されたア
ーム2bに取付けられた移動側ロール2cと、タッチロ
ール2dと、アーム2bを回転駆動する図示しない駆動
機構とで構成され、圧延機3の出側に位置する出側ブラ
イドルロール4は、固定側ロール4aと、一端を回転軸
として回転可能に支持されたアーム4bに取付けられた
移動側ロール4cと、タッチロール4dと、アーム4b
を回転駆動する駆動機構(図3及び図4参照)とから構
成される。
【0025】上記のような構成を有する帯鋼圧延設備に
よって調質圧延等の圧延を行う場合、図1に示すよう
に、まず、アーム2b及び4bを駆動機構により回転さ
せてこれにそれぞれ取付けられた移動側ロール2c及び
4cをパスラインより上方の帯鋼7に接触しない待機位
置に移動させ待機させておく。そして、巻出し機1に巻
かれた帯鋼コイル1aから帯鋼7を巻出し、これをタッ
チロール2dで押えながら固定側ロール2aに接触させ
つつ水平送りして通板し、ガイドロ−ラ3a、圧延機
3、ガイドロ−ラ3bを通過させ、さらにタッチロ−ラ
4dで押えながら固定側ロール4aに接触させつつ水平
送りして通板する。通板した帯鋼は巻取り機5の巻取り
ドラム5aに巻付けられる。この時、帯鋼7はベルトラ
ッパー5bのはたらきによって固く巻付けられる。
【0026】その後、図2に示すように、入側ブライド
ルロール2及び出側ブライドルロール4のアーム2b及
び4bをそれぞれ駆動機構によって第1の作動位置まで
回転駆動し移動側ロール2c及び4cをそれぞれ帯鋼7
に対して押し下げる。この時、タッチロール2d及び4
dは帯鋼7より離れる。これによって対をなす移動側ロ
ール2c及び4cと固定側ロール2a及び4aとがそれ
ぞれ協働して帯鋼7に所定のS字パスを形成させ、帯鋼
7に張力を付加させながら圧延機3で圧延が行われる。
そして圧延された帯鋼7は巻取り機5にてコイル状に巻
取られ成品コイルとなるが、帯鋼7の鋼種や板厚により
必要に応じて数回正逆圧延を繰返して成品コイル6が生
産される。
【0027】次に、本実施例によるブライドルロールの
実際の構成及び通板方法について説明する。図3は本実
施例のブライドルロールの構成及び帯鋼の通板状態を示
す図であり、図4は同様に圧延状態を示す図である。
尚、図1及び図2と同一の符号を付した部材は同一の部
材を示すものとする。また、簡単のため、以下では出側
ブライドルロールのみについて説明する。図3に示すよ
うに、出側ブライドルロール11は、帯鋼7のパスライ
ン上にある固定側ロール12、回転軸13aに一端を支
持されそのまわりに回転可能なアーム13、アーム13
の他端に取付けられた移動側ロール14、アーム13を
回転駆動する駆動機構としての油圧シリンダー15、ア
ーム13が図中時計まわりに回転しその先端部13が最
下点に来たときに先端部13bに係合してアーム13を
固定するクランプ16、クランプ16を回転軸16aの
まわりに回転駆動する油圧シリンダー17、帯鋼7の通
板時に帯鋼7を固定側ロール12上に押え付けるタッチ
ロール18、タッチロール18をアーム19を介してパ
スラインの上方に旋回させる空圧シリンダー20を備え
ている。
【0028】上記のような構成を有する出側ブライドル
ロール11に帯鋼7を通板する場合、まず、図3に示す
ように、油圧シリンダー15によってアーム13を回転
させ移動側ロール14をパスラインより上方の帯鋼7に
接触しない待機位置に移動させ待機させておく。そし
て、空圧シリンダ20によりタッチロール18を押し下
げ固定側ロール12とタッチロール18とで圧延機3を
通った帯鋼7を挟みこの状態で水平送りして通板する。
通板した帯鋼は、前述のように巻取り機5の巻取りドラ
ム5aにベルトラッパー5bのはたらきによって固く巻
付けられる。
【0029】その後、図4に示すように、油圧シリンダ
ー15によってアーム13を図中時計まわりに第1の作
動位置まで回転駆動し、移動側ロール14を帯鋼7に対
して押し下げつつ最下点位置まで回転させる。この時、
アーム13の先端部13bが油圧シリンダー17によっ
て作動するクランプ16に係合して固定されるととも
に、空圧シリンダー20の働きでアーム19が回転する
ことによってタッチロール18が上方向に旋回移動し帯
鋼7から上方に離れる。
【0030】図5及び図6はこの時の状態を帯鋼のパス
方向から見た図であり、図5は図4のV方向矢視図、図
6は図4のVI方向矢視図である。図5及び図6に示す
ように、固定側ロール12は軸受21により回転可能に
支持され、さらにフレーム22に固定される。また、移
動側ロール14は軸受23により回転可能に支持され、
さらに前述のようにアーム13に取付けられており、前
述のように、軸13aに回転可能に支持されたアーム1
3は油圧シリンダー15を操作することによって回転す
る。また、固定側ロール12はモーター24によって継
手25を介して駆動され、移動側ロール14はモーター
26によってユニバーサル継手27を介して駆動され
る。また、移動側ロール14はユニバーサル継手27の
働きによってアーム13の回転中も駆動される。
【0031】このようにして移動側ロール14と固定側
ロール12とが協働して帯鋼7に所定のS字パスが形成
され、この状態で帯鋼7に張力を付加させながら圧延機
3で圧延が行われる。尚、入側ブライドルロールについ
てはアームの回転方向が逆であること以外は出側ブライ
ドルロール11と同様の構成を有しており、出側ブライ
ドルロール11と同様の方法で帯鋼の通板が行われる。
【0032】また、鋼種や板厚によっては上記ブライド
ルロールにおいて帯鋼にS字パスを形成させずに、これ
をデフレクタロールとして使用することがある。図7は
この場合の圧延状態を模式的に示す図である。図7に示
すように、固定側ロール2a及び4aの表面における接
触角度がそれぞれθ1及びθ2となる第2の作動位置に移
動側ロール2c及び4cが来るようにアーム2b及び2
cの回転角度が調整される。これら接触角度θ1及びθ2
は、帯鋼7が固定側ロール2a及び4aの表面でスリッ
プしないよう充分な角度に設定される。図8にこの状態
での出側ブライドルロールの主要部分を示す。帯鋼7の
通板は前述と同様の方法で行い、その後油圧シリンダー
15によってアーム13を第2の作動位置まで回転駆動
し、移動側ロール14を帯鋼7に対して押し下げる。こ
の時、油圧シリンダー15によって、固定側ロール12
の表面での帯鋼7の接触角度がスリップしない接触角度
θ2になるようにアーム13、従って移動側ロール14
の角度が調整される。尚、入側ブライドルロールについ
ても同様にして固定側ロール2の表面での帯鋼7の接触
角度がスリップしない接触角度になるように調整され
る。
【0033】以上のように本実施例によれば、移動側ロ
ール14をパスラインより上方の帯鋼7に接触しない待
機位置に待機させておき、帯鋼7を水平送りして通板
し、その後アーム13を油圧シリンダー15によって第
1の作動位置まで回転駆動し、移動側ロール14を帯鋼
7に対して押し下げ、移動側ロール14と固定側ロール
12とを協働させてS字パスを形成するので、帯鋼表面
にすり疵が発生することを防ぐことができ、また鋼種や
形状による突っかかり等が起こらず高速で容易に通板を
行うことができ、操作性が良くなる。また、この場合、
固定側ロール12及び移動側ロール14表面への帯鋼7
の接触角度を充分大きくとれるので、調質圧延等に必要
な充分な張力を帯鋼7に付加することができる。
【0034】また、移動側ロール14がアーム13に取
付けられることにより、移動側ロール14の移動範囲が
アーム13の回転半径程度となり、従来のシリンダによ
る駆動方式のように大がかりな部材を必要とせずに設置
スペースを小さくできる。従って、これを従来の帯鋼圧
延設備にそのまま適用することができる。
【0035】また、鋼種や板厚により、帯鋼にS字パス
を形成させずに張力を付加しない場合には、通板後に移
動側ロール14が帯鋼にS字パスを形成させない第2の
作動位置までアーム13を回転駆動し、固定側ロール1
2と移動側ロール14とをデフレクタロールとして使用
するので、固定側ロール12の表面での帯鋼7の接触角
度をスリップしない接触角度θ2に調整することができ
る。また、この場合、帯鋼7を移動側ロール14で押し
付けるので、帯鋼7の巻出し及び巻取りの際のしわが延
ばされ、さらに、焼鈍後のコイルの巻出し時に帯鋼7ど
うしの焼付き部がはがれる際のばたつきを防止すること
もできる。
【0036】また、入側ブライドルロールについても上
記出側ブライドルロールと同様の効果が得られる。
【0037】次に、本発明の第2の実施例による帯鋼圧
延設備及びブライドルロールについて図9から図11に
より説明する。図9は本実施例のブライドルロールの構
成及び帯鋼の通板状態を示す図であり、図10は同様に
圧延状態を示す図である。尚、図1及び図2と同一の符
号を付した部材は同一の部材を示すものとする。また、
簡単のため、以下では出側ブライドルロールのみについ
て説明する。図9に示すように、出側ブライドルロール
31は、帯鋼7のパスライン上にあって帯鋼7に接触す
る固定側ロール32、固定側ロール32の軸心に一致す
る回転軸33aに一端を支持されそのまわりに回転可能
なアーム33、アーム33の他端に取付けられた移動側
ロール34、アーム33を回転駆動する駆動機構として
の油圧シリンダー35、アーム33が図中時計まわりに
回転しその先端部33bが最下点に来たときに先端部3
3bに係合してアーム33を固定するクランプ36、ク
ランプ36を回転軸33aのまわりに回転駆動する油圧
シリンダー37、帯鋼7の通板時に帯鋼7を固定側ロー
ル32上に押え付けるタッチロール38、タッチロール
38をアーム39を介してパスラインの上方に旋回させ
る空圧シリンダー40を備えている。また、アーム33
の軸端46(図11参照)には回転軸が回転軸33aと
一致するギヤー41が嵌着され、このギヤー41と噛合
するラック42が油圧シリンダー35上方に取り付けら
れており、油圧シリンダー35の動作によってラック4
2が上下に移動するとこれに噛合するギヤー41が回転
し、これによってアーム33が回転する。
【0038】上記のような構成を有する出側ブライドル
ロール31に帯鋼7を通板する場合、まず、図9に示す
ように、油圧シリンダー35によってラック42を下方
に移動させ、これに噛合するギヤー41、従ってアーム
33を回転させ、移動側ロール34をパスラインより上
方の帯鋼7に接触しない待機位置に移動させ待機させて
おく。そして、第1の実施例と同様に固定側ロール32
とタッチロール38とで圧延機3を通った帯鋼7を挟み
この状態で水平送りして通板する。通板した帯鋼は、や
はり第1の実施例と同様に巻取り機5の巻取りドラム5
aにベルトラッパー5bのはたらきによって固く巻付け
られる。
【0039】その後、図10に示すように、油圧シリン
ダー35によってラック42を上方に移動させ、これに
噛合するギヤー41、従ってアーム33を図中時計まわ
りにに第1の作動位置まで回転駆動し、移動側ロール3
4を帯鋼7に対して押し下げつつ最下点位置まで回転さ
せる。この時、第1の実施例と同様に、アーム33の先
端部33bがクランプ36に係合して固定されるととも
に、タッチロール38が上方向に旋回移動し帯鋼7から
上方に離れる。
【0040】図11はこの時の状態を帯鋼のパス方向か
ら見た図であり、図10のXI方向矢視図である。図1
0に示すように、固定側ロール32は軸受43によっ
て、また移動側ロール34は軸受44によって回転可能
に支持され,さらにアーム33に取付けられている。こ
の固定側ロール32の軸心とアーム33の回転軸とは一
致している。また、アーム33は軸受45によって回転
可能に支持され、アーム軸端46には前述のようにギヤ
ー41が嵌着され、前述のように、油圧シリンダー35
の動作によってラック42を介してギヤー41、従って
アーム33が回転する。また、固定側ロール32はモー
ター47によって継手48を介して駆動され、移動側ロ
ール34は図示しないモーターによってユニバーサル継
手49を介して駆動される。また、移動側ロール34は
ユニバーサル継手49の働きによってアーム33の回転
中も駆動される。
【0041】このようにして移動側ロール34と固定側
ロール32とが協働して帯鋼7に所定のS字パスを形成
させ、この状態で帯鋼7に張力を付加させながら圧延機
3で圧延が行われる。尚、入側ブライドルロールはアー
ムの回転方向が逆であること以外は出側ブライドルロー
ル31と同様の構成を有しており、出側ブライドルロー
ル31と同様の方法で帯鋼の通板が行われる。
【0042】以上のように本実施例によれば、第1の実
施例と同様の効果が得られるだけでなく、アーム33の
回転軸を固定側ロール32の軸芯と一致させるので、移
動側ロール34の移動範囲がアーム33の回転半径程度
の小さな範囲となり、出側ブライドルロール31と巻取
り機5の間隔、従って圧延機3と巻取り機5の間隔を短
くすることができ、その設置スペースをさらに小さくで
きる。また、入側ブライドルロールについても同様の効
果が得られる。
【0043】また、本実施例のブライドルロールを第1
の実施例のようにデフレクタロールとして使用すること
もでき、この場合も第1の実施例と同様の効果が得られ
る。
【0044】次に、本発明の第3の実施例による帯鋼圧
延設備及びブライドルロールについて図12から図16
により説明する。図12は本実施例のブライドルロール
の構成を示す図、図13は図12に示したブライドルロ
ールにおける帯鋼の通板状態を示す断面図、図14は同
様に圧延状態を示す断面図である。尚、図1及び図2と
同一の符号を付した部材は同一の部材を示すものとす
る。また、簡単のため、以下では出側ブライドルロール
のみについて説明する。図12に示すように、出側ブラ
イドルロール51は、回転軸52aに回転可能に支持さ
れたアーム52、アーム52の両端付近に取付けられ回
転軸52aのまわりに公転する第1の可動ロール53及
び第2の可動ロール54、アーム52を回転駆動するウ
オーム減速機55、ウオーム減速機55に継手56を介
して回転を与えるモーター57、アーム52の両端に設
けられたクランプ挿入部52b及び52cに係合可能な
クランプ58、クランプ58を上下方向に駆動する油圧
シリンダー59を備えている。また、ブライドルロール
51の入側には圧延機3からの帯鋼の移動方向を変更す
るピンチロ−ラ60が設置されている。
【0045】上記のような構成を有する出側ブライドル
ロール51に帯鋼7を通板する場合、まず、図13に示
すように、油圧シリンダー59によってクランプ58を
クランプ挿入部52bに係合させておく。この時、2つ
の可動ロール53,54は待機位置にある。即ち、第1
の可動ロール53はパスライン上にあって帯鋼7にパス
ライン上にあり、第2の可動ロール54はパスラインよ
り上方の帯鋼7に接触しない位置にある。そして、圧延
機3を通った帯鋼7を水平送りして通板する。通板した
帯鋼は、第1及び第2の実施例と同様に巻取り機5の巻
取りドラム5aにベルトラッパー5bのはたらきによっ
て固く巻付けられる。
【0046】その後、油圧シリンダー59によってクラ
ンプ59をクランプ挿入部52bから外し、モーター5
7(図12参照)を回転させる。モーター57の回転は
継手56及びウオーム減速機55を介してアーム52に
伝えられ、図14に示すように、アーム52は作動位置
まで180°回転する。そして油圧シリンダー59によ
ってクランプ58をクランプ挿入部52cに係合させ
る。これによって第1の可動ロール53と第2の可動ロ
ール54の位置が入れ替わる。
【0047】図15はこの時の状態を帯鋼のパス方向か
ら見た図であり、図14のXV方向矢視図である。図1
5に示すように、第1の可動ロール53及び第2の可動
ロール54は軸受61及び62によってそれぞれ回転可
能に支持され、さらに前述のようにアーム52に取付け
られている。また、アーム52の回転軸52aは軸受6
3によって回転可能に支持され、前述のようにモーター
57、継手56、ウオーム減速機55によって回転駆動
される。また、継手64及び65は図示しない空圧シリ
ンダーで作動する着脱装置によって伝導軸66,67の
軸方向に摺動させることができる。そして、図15のよ
うに継手64で伝導軸66と第1の可動ロール53とを
連結し、継手65で伝導軸67と第2の可動ロール54
を連結することにより、モーター68の回転を伝導軸6
6及び継手64を介して第1の可動ロール53に伝えて
駆動することができ、かつモーター69の回転を伝導軸
67及び継手65を介して第2の可動ロール54に伝え
て駆動することができる。
【0048】また、アーム52を回転させ、第1の可動
ロール53と第2の可動ロール54を公転させる時に
は、図16に示すように、継手64及び65をモーター
68及び69方向にそれぞれ摺動させ、伝導軸66と第
1の可動ロール53及び伝導軸67と第2の可動ロール
54をそれぞれ切り離し、モーター68及び69からの
回転の伝達を切り離す。
【0049】このようにして第1の可動ロール53と第
2の可動ロール54とが協働して帯鋼7に所定のS字パ
スを形成し、この状態で帯鋼7に張力を付加させながら
圧延機3で圧延が行われる。尚、入側ブライドルロール
はアームの回転方向が逆であること以外は出側ブライド
ルロール51と同様の構成を有しており、出側ブライド
ルロール51と同様の方法で帯鋼の通板が行われる。
【0050】なお、以上において、モーター68,69
及び伝導軸66,67が可動ロール駆動手段を構成し、
そのうち伝導軸66,67が、可動ロール53,54を
自転させるための駆動力を発生する駆動軸を構成する。
そして、継手64,65が、アーム52が作動位置にあ
るときには可動ロール駆動手段66〜69の駆動軸6
6,67と可動ロール53,54の自転軸とを接続し、
アーム52が作動位置にないときには可動ロール駆動手
段66〜69の駆動軸66,67と可動ロール53,5
4の自転軸とを分離する自在接続手段を構成する。以上
のように本実施例によれば、第1及び第2の実施例と同
様の効果が得られるだけでなく、第1の可動ロール53
及び第2の可動ロール54をアーム52に取付け回転軸
52aのまわりに公転させるので、アーム52の回転半
径が一層小さくなり、第1の可動ロール53及び第2の
可動ロール54の移動範囲を一層小さくすることがで
き、その設置スペースを一層小さくできる。また入側ブ
ライドルロールについても同様の効果が得られる。
た、継手64,65で、アーム52が作動位置にあると
きには伝導軸66,67と可動ロール53,54の自転
軸とを接続して駆動力を伝達する一方、アーム52が作
動位置にないときにはこれら伝導軸66,67と可動ロ
ール53,54の自転軸とを分離する。このように、可
動ロール53,54を駆動しなくても操業上問題のない
公転中には駆動力を伝達せず、アーム52が作動位置に
あるときのみ駆動力を伝達する構造とすることにより、
中実と中空の2つの伝達軸を用いて常時駆動力を伝達す
る従来構造よりも、駆動軸から自転軸までの駆動力伝達
機構を簡素化することができる。したがって、操業上の
作業性を低下させることなく、設備の小型化を図ること
ができる。
【0051】尚、以上の実施例におけるブライドルロー
ルの移動側ロールまたは第2の可動ロールによって帯鋼
に張力を付加させながら所定のS字パスを形成する際に
は、巻取り中の帯鋼に作用する張力が一定となるように
巻出し機のモーターには張力一定の制御が施される。
【0052】また、以上の各実施例の帯鋼圧延設備にお
いては圧延機を1台としこの入側及び出側の両方にブラ
イドルロールを設置したが、鋼種や板厚等の条件によっ
ては圧延機の入側または出側のどちらか一方のみにブラ
イドルロールを設置したり、複数台の圧延機をタンデム
圧延可能なように設置し、一部または全ての圧延機に対
してブライドルロールを設置してもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、ブライドルロール及び
これを設置した帯鋼圧延設備において、通板時に帯鋼表
面にすり疵が発生することを防ぐことができ、鋼種や形
状による突っかかり等が起こらず高速で容易に通板を行
うことができる。従って、操作性が良くなり、高能率化
が図れ、短時間に通板を行うことができ、通板後ただち
に圧延作業を開始することができる。また、このブライ
ドルロールによって調質圧延等に必要な充分な張力を帯
鋼に付加することができる。
【0054】また、移動側ロールがアームに取付けられ
るので、移動側ロールの移動範囲を小さくすることがで
き、従来のシリンダによる駆動方式のように大がかりな
部材を必要とせずに設置スペースを小さくできる。従っ
て、これを従来の帯鋼圧延設備にそのまま適用すること
ができる。
【0055】また、移動側ロールを取付けたアームの回
転軸を固定側ロールの軸芯と一致させるので、移動側ロ
ールの移動範囲が小さくなり、設置スペースをさらに小
さくできる。
【0056】また、帯鋼に張力を付加しない場合には、
対をなす移動側ロールと固定側ロールとをS字パスを形
成しないデフレクタロールとして使用するので、固定側
ロールの表面での帯鋼の接触角度を充分に確保でき、帯
鋼がスリップすることが防止できる。また、帯鋼を移動
側ロールで押し付けるので、帯鋼の巻出し及び巻取りの
際のしわが延ばされ、さらに、焼鈍後のコイルの巻出し
時に帯鋼どうしの焼付き部がはがれる際のばたつきを防
止することもできる。
【0057】また、対をなす可動ロールをアームに取付
け回転軸のまわりに公転させるので、可動ロールの移動
範囲が一層小さくなり、設置スペースを一層小さくでき
る。そしてこのとき、可動ロール駆動手段の駆動軸と可
動ロールの自転軸とを自在接続手段で接続・分離するの
で、駆動軸から自転軸までの駆動力伝達機構を簡素化で
き、操業上の作業性を低下させることなく設備の小型化
を図ることができる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による帯鋼圧延設備の構
成及び帯鋼の通板状態を模式的に示す図である。
【図2】図1に示した通板状態に続く圧延状態を示す図
である。
【図3】本実施例の第1の実施例によるブライドルロー
ルの構成及び帯鋼の通板状態を示す図である。
【図4】図3に示した通板状態に続く圧延状態を示す図
である。
【図5】図4のV方向矢視図である。
【図6】図4のVI方向矢視図である。
【図7】図1のブライドルロールをデフレクタロールと
して使用した時の圧延状態を模式的に示す図である。
【図8】図3のブライドルロールをデフレクタロールと
して使用した時の主要部分を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例によるブライドルロール
の構成及び帯鋼の通板状態を示す図である。
【図10】図9に示した通板状態に続く圧延状態を示す
図である。
【図11】図10のXI方向矢視図である。
【図12】本発明の第3の実施例によるブライドルロー
ルの構成を示す図である。
【図13】図12のブライドルロールにおける帯鋼の通
板状態を示す図である。
【図14】図13に示した通板状態に続く圧延状態を示
す図である。
【図15】図14のXV方向矢視図である。
【図16】図15においてモーターから可動ロールへの
回転の伝達を切り離した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 巻出し機 2 入側ブライドルロール 2a 固定側ロール 2b アーム 2c 移動側ロール 3 圧延機 4 出側ブライドルロール 4a 固定側ロール 4b アーム 4c 移動側ロール 5 巻取り機 6 コイル 7 帯鋼 11 出側ブライドルロール 12 固定側ロール 13 アーム 13a 回転軸 14 移動側ロール 15 油圧シリンダー 21 軸受 22 フレーム 23 軸受 24 モーター 25 継手 26 モーター 27 ユニバーサル継手 31 出側ブライドルロール 32 固定側ロール 33 アーム 33a 回転軸 34 移動側ロール 35 油圧シリンダー 41 ギヤー 42 ラック 43,44,45 軸受 46 アーム軸端 47 モーター 48 継手 49 ユニバーサル継手 51 出側ブライドルロール 52 アーム 52a 回転軸 52b,52c クランプ挿入部 53 第1の可動ロール 54 第2の可動ロール 55 ウオーム減速機 56 継手 57 モーター 58 継手 59 油圧シリンダー 61,62,63 軸受 64,65 継手 66,67 伝導軸 68,69 モーター
フロントページの続き (72)発明者 野島 憲夫 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 長坂 進夫 神奈川県横須賀市船越町1丁目284番地 の5 日立機械エンジニアリング株式会 社内 (72)発明者 戸塚 勝美 東京都中央区京橋1丁目5番8号 日本 冶金工業株式会社内 (72)発明者 市川 裕三 東京都中央区京橋1丁目5番8号 日本 冶金工業株式会社内 (72)発明者 堀内 晃 神奈川県川崎市川崎区小島町4番2号 日本冶金工業株式会社 川崎製造所内 (56)参考文献 特開 昭61−144210(JP,A) 特開 昭54−138850(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻出し機と、巻取り機と、圧延機と、前
    記巻出し機と前記圧延機の間及び前記圧延機と前記巻取
    り機の間の少なくとも一方に配置されたブライドルロー
    ルとを有し、帯鋼を圧延する帯鋼圧延設備において、前
    記ブライドルロールは、前記帯鋼に接触する少なくとも
    1つの固定側ロールと、回転軸のまわりに回転可能に支
    持されたアームと、前記アームに取付けられ前記固定側
    ロールと対をなす少なくとも1つの移動側ロールと、前
    記移動側ロールが前記帯鋼の水平送りを可能とする待機
    位置と前記移動側ロールが前記固定側ロールと協働して
    前記帯鋼にS字パスを形成させる第1の作動位置との間
    で前記アームを回転駆動する駆動手段とを有することを
    特徴とする帯鋼圧延設備。
  2. 【請求項2】 前記移動側ロールを取付けた前記アーム
    の回転軸が、前記固定側ロールの軸芯と一致することを
    特徴とする請求項1記載の帯鋼圧延設備。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段は、さらに前記移動側ロー
    ルが前記帯鋼にS字パスを形成させずに前記固定側ロー
    ルと前記移動側ロールとをデフレクタロールとして使用
    する第2の作動位置に前記アームを回転駆動可能である
    ことを特徴とする請求項1記載の帯鋼圧延設備。
  4. 【請求項4】 巻出し機と、巻取り機と、圧延機と、前
    記巻出し機と前記圧延機の間及び前記圧延機と前記巻取
    り機の間の少なくとも一方に配置されたブライドルロー
    ルとを有し、帯鋼を圧延する帯鋼圧延設備において、前
    記ブライドルロールは、回転軸のまわりに回転可能に支
    持されたアームと、前記アームに取付けられ前記回転軸
    のまわりに公転する少なくとも一対の可動ロールと、前
    記可動ロールが前記帯鋼の水平送りを可能とする待機位
    置と前記可動ロールが互いに協働して前記帯鋼にS字パ
    スを形成させる作動位置との間で前記アームを回転駆動
    する駆動手段とを有することを特徴とする帯鋼圧延設
    備。
  5. 【請求項5】 巻出し機と、巻取り機と、圧延機とを有
    する帯鋼圧延設備の前記巻出し機と前記圧延機の間及び
    前記圧延機と前記巻取り機の間の少なくとも一方に配置
    されたブライドルロールにおいて、前記帯鋼に接触する
    少なくとも1つの固定側ロールと、回転軸のまわりに回
    転可能に支持されたアームと、前記アームに取付けられ
    前記固定側ロールと対をなす少なくとも1つの移動側ロ
    ールと、前記移動側ロールが前記帯鋼の水平送りを可能
    とする待機位置と前記移動側ロールが前記固定側ロール
    と協働して前記帯鋼にS字パスを形成させる第1の作動
    位置との間で前記アームを回転駆動する駆動手段とを有
    することを特徴とするブライドルロール。
  6. 【請求項6】 前記移動側ロールを取付けた前記アーム
    の回転軸が、前記固定側ロールの軸芯と一致することを
    特徴とする請求項5記載のブライドルロール。
  7. 【請求項7】 前記駆動手段は、さらに前記移動側ロー
    ルが前記帯鋼にS字パスを形成させずに前記固定側ロー
    ルと前記移動側ロールとをデフレクタロールとして使用
    する第2の作動位置に前記アームを回転駆動可能である
    ことを特徴とする請求項5記載のブライドルロール。
  8. 【請求項8】巻出し機と、巻取り機と、圧延機とを有す
    る帯鋼圧延設備の前記巻出し機と前記圧延機の間及び前
    記圧延機と前記巻取り機の間の少なくとも一方に配置さ
    れたブライドルロールにおいて、 回転軸のまわりに回転可能に支持されたアームと、自転
    軸が前記アームに回転自在に取付けられ、前記自転軸の
    まわりに自転するとともに前記回転軸のまわりに公転す
    る少なくとも一対の可動ロールと、前記可動ロールが前
    記帯鋼の水平送りと可能とする待機位置と前記可動ロー
    ルが互いに協働して前記帯鋼にS字パスを形成させる作
    動位置との間で前記アームを回転駆動するアーム駆動手
    と、前記可動ロールを自転させるための駆動力を発生
    する駆動軸を備えた可動ロール駆動手段と、前記アーム
    が前記作動位置にあるときには前記可動ロール駆動手段
    の駆動軸と前記一対の可動ロールの自転軸とを接続し、
    前記アームが前記作動位置にないときには前記可動ロー
    ル駆動手段の駆動軸と前記一対の可動ロールの自転軸と
    を分離する自在接続手段とを有することを特徴とするブ
    ライドルロール。
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