JP2697826B2 - 記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、シート挿入部にセツトされた記録シートを
記録部に送り記録を行なう記録装置に関する。 〔従来技術〕 一般にプリンタ等の記録装置においては、一枚の記録
シートをシート挿入口にセツトし、所定のスイツチをオ
ンすると、以降自動的にシートが記録開始位置へ送られ
る自動給紙モードを持つものがある。 第６図にその例を示す。図において１はキヤリツジ
で、その上にリボンカセツト２及び記録ヘツドとしての
サーマルヘツド３が搭載され、ガイドシヤフト４及びガ
イドレール５に案内されて紙面と垂直方向に往復移動す
る。サーマルヘツド３の対向面には、紙面と垂直方向に
長手状に形成され、サーマルヘツド３との当接部6Aを平
面とした平板状プラテン６が固定されている。 ７はシート送りローラで、シヤフト８に回転自在に軸
支され、不図示のモータ等により回転駆動される。シー
ト送りローラ７の下面には、一対のピンチローラ９−1,
9−２が弾性的に押圧保持されている。10はシート送り
ガイドで、プリンタの筐体11と一体的に形成されてい
る。シート送りガイド10は、図中左側よりシート送りロ
ーラ７に向ってゆるやかに接近し、下端部においてピン
チローラ９−1,9−２を回転自在に支持している。 以上の記録装置において、記録シート12を記録開始位
置にセツトする時には、シート12を、シート挿入口13か
らシート送りガイド10の上にセツトし、その先端をシー
ト送りローラ７とピンチローラ９−１のニツプ点14に押
し込む。そして図に示していないスイツチ等を押下する
ことにより、シート送りローラ７を所定量回転させ、記
録シートの先端をサーマルヘツド３とプラテン６の間に
挿通させる。以降サーマルヘツド３をダウンしてから記
録を行なう。 〔発明が解決しようとする問題点〕 以上の記録装置においては、たしかに記録シートを手
差しにより一枚ずつセツトすることはできる。しかしな
がら、複数枚の記録シートから一枚ずつ分離し、連続的
に給送する分離給送を行なうことはできず、この分離給
送を行なうためには、カツトシートフイーダ等の専用の
給送装置を別に設けなくてはならなかった。 そこで記録装置にカツトシートフイーダを一体的に組
み込んだものもある。しかしこの様にすると記録装置が
大型化し、構造が複雑化する欠点を有していた。 〔問題を解決するための手段〕 本発明は、複数の記録シートを一枚ずつ分離して記録
部に送り記録を行なう記録装置において、 送り出される記録シートの幅と同じ幅を有し、複数の
記録シートを積載支持するガイド面を有するガイド手段
と、 回転軸に設けられ、前記ガイド面の幅方向の長さより
も軸方向の長さが短く設定され、駆動手段により駆動回
転されて前記ガイド面に支持されている記録シートを送
り出すシート送り回転体と、 前記シート送り回転体に押圧され、該シート送り回転
体とで記録シートを挟持して前記記録部へ向けて送るた
めのピンチローラと、 前記シート送り回転体と前記ピンチローラとのニップ
点よりもシート送り方向上流側に配置され、前記ガイド
手段の前記ガイド面から前記シート送り回転体の軸方向
の両側端面の外側の位置に向けて突出形成された分離突
起と、 を配置し、前記シート送り回転体により送り出した記録
シートを該シート送り回転体と前記分離突起との間で一
枚ずつ分離することを特徴とするものである。 〔作用〕 ガイド面に支持された記録シートは、シート送り回転
体の回転により送り出され、シート送り回転体の両側端
面の外側に向けてガイド面から突出した分離突起とシー
ト送り回転体との間で一枚ずつ分離され、シート送り回
転体とピンチローラとで挟持されて記録部に搬送され
る。 〔実施例〕 第１図は、本発明の実施例のサーマルプリンタを示し
ている。図において、20はキヤリツジで、ガイドシヤフ
ト21、ガイドレール22に沿って、不図示のモータ等によ
り往復移動される。キヤリツジ20上には、サーマルヘツ
ド24、インクリボンカセツト23が搭載されており、平板
状プラテン25に沿って移動する。プラテン25はキヤリツ
ジ20の全移動巾にわたって長手状に延長しており、平面
25Aでサーマルヘツド24と当接する。 26は円柱状のシート送りローラで、軸27によりプリン
タシヤーシ28に回転自在に保持されている。シート送り
ローラ26は駆動手段としての図示しないモータにより駆
動され回転する。シート送りローラ26は、軸方向の中間
において、円周方向に向う溝部30,31を有している。従
ってシート送りローラ26は、３つの独立したローラ部26
a,26b,26cを具備する構成を有する。各ローラ部26a〜26
cは、摩擦係数の高いゴム材、例えばクロロプレンゴム
等で構成されている。 シート送りローラ26には、軸32に同軸に複数のピンチ
ローラ33を回転自在に軸支してなるピンチローラ列34、
及び軸35に同軸に複数のピンチローラ36を回転自在に軸
支してなるピンチローラ列37が弾性的に押圧保持されて
いる。 38は、シヤーシ28と一体的に形成されたシートガイド
であり、いわゆるペーパーパンと呼ばれるものである。
材質としては適度の摩擦力を得る為に、ゴム質の多いAB
S樹脂等で形成されており、一方これらで形成しない場
合には、シートガイド表面にウレタンゴムシートを貼っ
ても良い。シートガイド38は、図面において後方からシ
ート送りローラ26に向けて、水平面からθ１の角度（第
２図）で傾斜したガイド面39と、ガイド面39に陥没する
様にして形成された凹部38Aと、凹部38Aの底面に形成さ
れ、シート送りローラ26に向けて水平面からθ２（第２
図）の角度で傾斜したガイド面40を有し、ガイド面39と
ガイド面40の間を連接部60,61で連結している。ここで
図からも明らかな様に、θ１＞θ２である。ガイド面39
の巾はL2であり、ここで普通の厚さのシートを手差で給
送する。一方ガイド面40の巾はL1（本実施例では、官製
ハガキの縦巾に相当する）であり、ここでハガキ等の厚
手のシートを自動分離給送する。またここで、L1＜L2で
ある。 ガイド面40の下方には、シート送りローラ26のローラ
部26aと26bの間の溝部30及びローラ部26bと26cの間の溝
部31に向けて、分離突起41,42がそれぞれ一体に突出形
成されている。すなわち、第３図に示すように、分離突
起41,42はローラ部42bの軸方向両側端面の外側に向けて
ガイド面40から突出して設けられている。 第２図は第１図のII−II線断面を示している。分離突
起42（41も同様）は図に示された如く、ガイド面40から
下方に移るに従ってシート送りローラ26側に突出する斜
形状を有し、先端の一部を溝部30（31も同じ）にオーバ
ーラツプさせている。かかる形状により、厚手の記録シ
ート、例えば官製ハガキ45をシート挿入口46からガイド
面40上に載置し、シート送りローラ26をＡ方向に回転さ
せていくと、ハガキ45は一枚ずつ分離され、シート送り
ローラ26によりプラテン25方向に送られていく。 一方、シートガイド38の先端部は、即ち、シート送り
ローラ26の下方部は、シート送りローラ26に沿って円弧
状に湾曲しており、更にその先端46もシート送りローラ
26に沿って湾曲している。従って、シートガイド38のう
ち、角度θ３の領域においては、シートガイド38のガイ
ド面とシート送りローラ26の表面との間に、シート送り
するに十分な間隙L3を形成している。 分離突起41,42のシート送りローラ26との噛合位置
は、図にも示された如く角度θ３の内側にあり、そして
ピンチローラ33とシート送りローラ26のニツプ点より
も、シート送り方向においてより上流側にある。これは
分離突起41,42と送りローラ26との共働によりハガキの
分離がなされるからであり、分離された後ハガキ45はシ
ート送りローラ26とピンチローラ33,36により給送され
てゆく。 第３図は分離突起41,42とシート送りローラ26及びハ
ガキ45との関係を示したもので、第２図のIII−III線断
面図を示している。 図に示された如く、分離突起41と42の間隔はl1であ
り、ローラ部26aの端面と26cの端面の間の距離、即ち溝
部30と31の間の最大距離がl5、ローラ部26bの端面と分
離突起部41,42の端面との間の距離がl2、シート送りロ
ーラ26と分離突起41,42のオーバーラツプ巾がl3であ
る。 ここでl2,l3は使用される記録シートの厚さに応じて
決定されるもので、官製ハガキの場合は、０≦l2≦10m
m、０≦l3≦5mmの中で最適なものが設定される。 また使用される記録シートの巾をＬとした時、l1≦Ｌ
＜l5としてそれぞれ寸法が設定される。 以上の実施例において自動分離給送を行なう時の状況
について説明する。尚、本実施例においては、厚手の記
録シートとしてハガキを用いたものを示している。第２
図において、シート送りローラ26のローラ部26bによる
ハガキ45の搬送力をF1、ハガキ45の相互の摩擦力をF2、
最下端のハガキ45に対するシートガイドのガイド面40に
よる摩擦力をF3、ハガキ45が分離突起41,42を乗り越え
る力の低抗力をF4とする。 本実施例においては、分離給送を行なうために、F1＞
F3＞F2の関係が成立する様、シート送りローラ26及びシ
ートガイド38の材質の表面状態が設定されている。 第２図において、シート送りローラ26が回転を始める
と、ハガキ45の束は力F1により下方に引き込まれ、ガイ
ド面40とローラ部26bの間隙L3に入り込もうとする。し
かし、この時摩擦力F3により、ガイド面40側のハガキは
その位置に留まろうとする。これによりハガキ45の束に
は第１の選別作用が働き、力F1と間隙L3とによって決定
される枚数（１〜３枚）のハガキが間隙L3に入り込む。 次に間隙L3に入り込んだハガキは、分離突起41,42に
突当り、抵抗力F4による第２の選別作用を受ける。ここ
でF1＞F4＞F2の条件が設定されている。これは、ハガキ
を一枚だけ分離して、ローラ部26bと分離突起41,42の間
を通過させる為である。即ち、ローラ部26bにより搬送
される数枚のハガキは、分離突起41,42の抵抗力F4を受
けて停止しようとするが、ローラ部26bから直接搬送力F
1を受けている一番上のハガキのみは、抵抗力F4に抗し
てそのまま搬送されてゆく。 更に一番上のハガキ45が第３図に示した如く分離突起
41,42に乗り上げると、抵抗力F4がやわらげられ、また
ハガキ45自体の腰の力によりハガキはローラ部26bへ押
圧され、ハガキ45はそのままローラ部26bとピンチロー
ラ列34で挟持される位置まで送られる。以降ハガキ45は
ローラ部26bとピンチローラ列34,37に挟持されて、プラ
テン25とサーマルヘツド24の間へ給送されてゆく。 一方、第３図に示された如く、２枚目のハガキ45′
は、搬送力として一番上のハガキ45からの摩擦力F2しか
受けないので、分離突起41,42からの抵抗力F4に打ち勝
つことができず、分離突起41,42を乗り越えることがで
きない。 以上の様な動作によって、間隙L3の間のハガキのう
ち、一番上のもののみが一枚だけ分離され、分離突起4
1,42を通過して搬送されてゆき、この様にして一枚が完
全に送られると、次の一番上のハガキが同じ様にして分
離搬送されてゆく。 次に、普通の厚さの記録シートを一枚ずつ手差により
給送する場合について説明する。 手差給送する場合、第１図に示した如く、記録シート
50をガイド面39上に載せ下方に押し込む。この時記録シ
ート50としては、最大L2の巾のものまで使用することが
できる。この記録シート50は、ハガキ45に比べて薄手で
あるため、その先端は分離突起41,42を容易に乗り上
げ、ピンチローラ列34とシート送りローラ26のニツプ点
に到達する。 この後、シート送りローラ26を回転させれば、記録シ
ート50はそのままプラテン25とサーマルヘツド24間に搬
送されてゆく。 以上述べた如く本実施例においては、周方向に向う溝
部30,31を有し、通常使用されている円柱状のシート送
りローラとさほど変わらないシート送りローラ26を使用
し、またシートガイド38に分離突起41,42を設けるだけ
という簡単な構成により、今までの手差による一枚ずつ
の給送に、記録シートの分離給送機能を手軽に付加する
ことができる。また、分離突起41,42を用いる構造は、
構造的に簡略化されるだけでなく、ハガキ等の厚手の記
録シートの搬送に適している。 更に本実施例においては、自動分離給送すべきハガキ
等の記録シートを装着する位置が、ガイド面39から陥没
した凹部38Aに当り、記録シートを装着する際にやり易
く、また大量の記録シートを装着できる。更にこの凹部
38Aの巾L1は、ハガキ等のサイズ（148mm）に合せてあ
り、分離給送される記録シートの斜行やスキユーを有効
に防止することができる。 第４図は本発明の他の実施例である。本実施例におい
ては、第１〜３図実施例と比べて異なるのは、分離突起
をシートガイド38と別体構造とした点、及びシートガイ
ド38の凹部38A中に圧板51を設けた点であり、他は前述
の実施例と等しいため、説明は省略する。 図に示す如く本実施例においては、分離突起52,53
（図示せず）が、シートガイド38の梁部38Bにビス54に
より固定されている。これら分離突起52,53は、それぞ
れ分離突起42,41と同じ位置関係で、シート送りローラ2
6の溝部30,31にオーバーラツプする。従ってシート送り
ローラ26とピンチローラ列34のニツプ点に対し、分離突
起52,53とシート送りローラ26のオーバーラツプ位置
は、シートの送り方向において上流側となっている。こ
の様に分離突起52,53をシートガイド38と別体とする
と、記録シートの材質、使用枚数等に応じてその形状を
変えることができる。 一方、本実施例においては、シートガイド38のガイド
面38から陥没した凹部38Cは、図に示した如く断面が略
四辺形をなしており、この凹部38C内に、圧板51が装着
されている。この圧板51は、軸55を中心に回動可能な様
にシートガイド38に固定されており、更に圧縮バネ56に
よりその自由端をシート送りローラ26のローラ部26b側
に付勢されている。尚、ここで圧板51の分離突起52,53
とぶつかる位置は切欠51Aとなっており、両者間でのぶ
つかりはない。かようにして圧板51の表面が厚手の記録
シート（ここではハガキ）のガイド面40を形成する。 以上の様な構造であるので、ハガキ45を自動分離給送
する際には、第５図に示す如く、圧板51とローラ部26b
が圧接されている間に、ハガキ45を押し込む。第４図は
ハガキを押込んだ状態である。この状態においては、ハ
ガキ45の束の厚さに応じたバネ56の力F5が、ハガキ45を
ローラ部26bに押圧する方向に作用する。この力F5は、
ローラ部26bによる一番上のハガキを送る力F1′をF1に
比べ増大させる。この力F5の働きにより、ハガキ45の分
離作用は更に向上される。 また第５図に示す如く、圧板51上にハガキがセツトさ
れていない時には、ガイド面39よりも圧板51の先端がシ
ート送りローラ26側に突出している。これによって記録
シートを装着する時に、記録シートが引っ掛からない。 尚、本発明は以上に述べた実施例に限定するものでは
ない。例えば、l1〜L1の巾を有する記録シートだけ自動
分離給送するのでなく、l5以上の巾の記録シートを送れ
る様、分離突起41,42,52,53の高さを調整しても良い。 また、ガイド面39とガイド面40を結ぶ連接部40,41
は、シートガイド38と一体であるが、これを別部材とし
て着脱自在なリブとすることもできる。そしてこれらの
リブを左右に移動自在とすれば、多様なサイズの記録シ
ートに対応できる。 〔効 果〕 ガイド手段のガイド面に、シート送り回転体の両側端
面の外側に向けて突出する分離突起を設け、ガイド面に
支持した複数の記録シートを、シート送り回転体により
送り出して該シート送り回転体と分離突起との間で一枚
ずつ分離して記録部に搬送するようにしたため、簡単な
構成により記録シートの自動分離給送が行なえる記録装
置を提供できる。また全体としても小型化，コンパクト
化が達成される。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の実施例の斜視図、 第２図は第１図のII−II線断面図、 第３図は第２図のIII−III線断面図、 第４図、第５図は他の実施例の断面図、 第６図は従来例の断面図。 20……キヤリツジ、24……サーマルヘツド 25……プラテン、26……シート送りローラ30,31……溝
部 34,37……ピンチローラ列 38……シートガイド、38A……凹部 39,40……ガイド面 41,42,52,53……分離突起 45……ハガキ、51……圧板

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．複数の記録シートを一枚ずつ分離して記録部に送り
   記録を行なう記録装置において、 送り出される記録シートの幅と同じ幅を有し、複数の記
   録シートを積載支持するガイド面を有するガイド手段
   と、 回転軸に設けられ、前記ガイド面の幅方向の長さよりも
   軸方向の長さが短く設定され、駆動手段により駆動回転
   されて前記ガイド面に支持されている記録シートを送り
   出すシート送り回転体と、 前記シート送り回転体に押圧され、該シート送り回転体
   とで記録シートを挟持して前記記録部へ向けて送るため
   のピンチローラと、 前記シート送り回転体と前記ピンチローラとのニップ点
   よりもシート送り方向上流側に配置され、前記ガイド手
   段の前記ガイド面から前記シート送り回転体の軸方向の
   両側端面の外側の位置に向けて突出形成された分離突起
   と、 を配置し、前記シート送り回転体により送り出した記録
   シートを該シート送り回転体と前記分離突起との間で一
   枚ずつ分離することを特徴とする記録装置。 ２．前記ガイド手段は前記ガイド面の両側に前記記録シ
   ートより薄い記録シートを支持する第２のガイド面を有
   し、前記シート送り回転体の左右同軸上に、第２のガイ
   ド面に支持されている記録シートを送り出すための第２
   のシート送り回転体を設けたことを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の記録装置。 ３．前記シート送り回転体と前記第２のシート送り回転
   体との間に溝部が構成され、該溝部に向けて前記分離突
   起を突出させて設けたことを特徴とする特許請求の範囲
   第２項記載の記録装置。 ４．前記分離突起の高さは、前記第２のガイド面に支持
   されている記録シートが前記分離突起と前記シート送り
   回転体との間を容易に通過し、前記ガイド面に支持され
   ている記録シートの束が前記シート送り回転体の回転に
   より一枚ずつ分離されて送られていく様に設定されてい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第２項記載の記録装
   置。