JP2697373B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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JP2697373B2 JP16002191A JP16002191A JP2697373B2 JP 2697373 B2 JP2697373 B2 JP 2697373B2 JP 16002191 A JP16002191 A JP 16002191A JP 16002191 A JP16002191 A JP 16002191A JP 2697373 B2 JP2697373 B2 JP 2697373B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体電解コンデンサの製
造方法に関し、さらに詳しく言えば、固体電解質這い上
がり防止用のワッシャーを有する固体電解コンデンサの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タンタルなどの弁作用金属粉末の焼結ペ
レットに二酸化マンガンなどの固体電解質を形成する
際、その固体電解質が陽極リードにまで這い上がる。
【0003】この這い上がりが生ずると、リードフレー
ムに対する溶接性が悪くなるため、陽極リードに固体電
解質這い上がり防止用のワッシャーを挿通するようにし
ている。
【0004】図3を参照して従来例を説明すると、ま
ず、焼結ペレット1に植設されている陽極リード2に固
体電解質這い上がり防止用のワッシャー3を挿通する。
【0005】そして、同焼結ペレット1の周りに固体電
解質4としての二酸化マンガンを形成し、その上にカー
ボン5および銀層6からなる陰極層を形成してコンデン
サ素子Cを得る。
【0006】次に、リードフレームを用意し、陽極リー
ド2をその陽極外部端子板7に溶接するとともに、陰極
層6を陰極外部端子板8に導電性接着剤を介して取付け
る。
【0007】しかる後、これを図示しない成形金型内に
入れ、樹脂モールド法によりコンデンサ素子Cの周りに
樹脂外装体を形成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにしてチッ
プ型の固体電解コンデンサを得ているが、この場合、ワ
ッシャー3として四弗化エチレン樹脂(PTFE)製の
ものを用いている。
【0009】このワッシャー3は陽極リード2に対して
特に固定されていないため、樹脂モールド時に流入する
樹脂により押圧されて移動する。これにより、陽極リー
ド2の根元部分に余計な機械的ストレスがかかり、漏れ
電流(LC)不良増加の原因となっている。
【0010】これを防止するには、銀層6を形成した
後、陽極リード2の根元部分を補強する意味で、ディス
ペンサーなどで補強用樹脂を塗布すれば良いのである
が、これには次のような問題が伴うことになる。
【0011】すなわち、陽極外部端子板7とワッシャー
3との間の間隔は小型化の要請からきわめて狭くされて
おり、補強用樹脂を塗布した場合には、それが陽極外部
端子板7に当接し、陽極リード2の溶接を困難にするお
それがある。また、塗布作業を行なう分、工数が増える
ため生産性が悪い。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の事情
に鑑みなされたもので、その構成上の特徴は、弁作用金
属粉末の焼結ペレットに植設されている陽極リードに固
体電解質這い上がり防止用のワッシャーを挿通した後、
上記焼結ペレットの周りに固体電解質および陰極層を順
次形成してコンデンサ素子とし、上記陽極リードを陽極
外部端子板に溶接するとともに、上記陰極層を導電性接
着剤を介して陰極外部端子板に取り付け、成形金型内に
おいて上記コンデンサ素子の周りに樹脂外装体を形成す
る固体電解コンデンサの製造方法において、上記ワッシ
ャーを熱溶融性弗素樹脂製とし、上記陽極リードの上記
陽極外部端子板に対する溶接後に、同ワッシャーを加熱
して溶融させることにある。
【0013】この場合、請求項2に記載されているよう
に、上記熱溶融性弗素樹脂としては、好ましくは四弗化
エチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重
合体(PFA)もしくは四弗化コポリマー(COP)が
用いられる。
【0014】
【作用】陽極リードを陽極外部端子板に溶接した後、ワ
ッシャーを溶融させることにより、同ワッシャーの陽極
外部端子板に対する当接などの不安を抱くことなく、陽
極リードの溶接を行なうことができる。
【0015】また、陽極リードの根元部分が溶融したワ
ッシャーにより直接的に補強されるため、漏れ電流不良
率をより低下させることができる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図1および図2を参照しな
がら説明するが、コンデンサ素子Cについては先に説明
の図3のものと同一であるため、その構成については同
図の断面図を参照されたい。
【0017】この実施例では陽極リード2に挿通するワ
ッシャーとして、熱溶融性樹脂であるPFAからなるワ
ッシャー10を用いている。
【0018】このワッシャー10を陽極リード2に挿通
した後、同陽極リード2を図示しないフープ材に溶接し
て吊り下げる。そして、まず燐酸水溶液中で化成し、次
いで硝酸マンガンを含浸させた後、熱分解させて焼結ペ
レットの周りに二酸化マンガン層4を形成する。この熱
分解は所定回数繰り返される。
【0019】次に、従来と同様にしてカーボン5を塗布
した上で銀層6を形成し、陽極リード2をリードフレー
ムの陽極外部端子板7に溶接する。また、銀層6を導電
性接着剤を介して陰極外部端子板8に取付ける。
【0020】そして、360℃の熱風循環炉中に10分
間入れて、図2に示されているように、ワッシャー10
を溶融させる。同図において、溶融したワッシャーが参
照符号10aで示されている。
【0021】しかる後、成形金型内に入れ、樹脂モール
ド法によりコンデンサ素子Cの周りに樹脂外装体を形成
する。
【0022】なお、陽極リード2の溶接前にワッシャー
10を溶融させると、同ワッシャーの溶融物10aが陽
極外部端子板7に当接するおそれがあるため好ましくな
い。
【0023】ここで、定格10V4.7μF,同16V
1μF,同25V0.47μFおよび同35V1μFの
タンタル固体電解コンデンサの各々について、本発明の
実施品と従来品の漏れ電流不良率の比較結果を表1に示
す。
【0024】
【表1】 この表からして、いずれの機種についても漏れ電流不良
率が大幅に低減していることが分かる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワッシャーを熱溶融性弗素樹脂製とし、陽極リードの陽
極外部端子板に対する溶接後に、同ワッシャーを加熱し
て溶融させることにより、ワッシャーの陽極外部端子板
に対する当接などの不安を抱くことなく、陽極リードの
溶接を行なうことができる。
【0026】また、陽極リードの根元部分が溶融したワ
ッシャーにより直接的に補強されるため、漏れ電流不良
率をより低下させることができる、などの効果が奏され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するためのもので、コン
デンサ素子をリードフレームに取付けた状態を示した平
面図。
【図2】図1に示されているワッシャーを溶融させた状
態の平面図。
【図3】従来例を示した断面図。
【符号の説明】
1 焼結ペレット 2 陽極リード 4 固体電解質 6 銀層 7 陽極外部端子板 8 陰極外部端子板 10 ワッシャー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−68123(JP,A) 特開 平4−357811(JP,A) 特開 平4−357813(JP,A) 実開 昭61−22333(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁作用金属粉末の焼結ペレットに植設され
    ている陽極リードに固体電解質這い上がり防止用のワッ
    シャーを挿通した後、上記焼結ペレットの周りに固体電
    解質および陰極層を順次形成してコンデンサ素子とし、
    上記陽極リードを陽極外部端子板に溶接するとともに、
    上記陰極層を導電性接着剤を介して陰極外部端子板に取
    り付け、成形金型内において上記コンデンサ素子の周り
    に樹脂外装体を形成する固体電解コンデンサの製造方法
    において、上記ワッシャーを熱溶融性弗素樹脂製とし、
    上記陽極リードの上記陽極外部端子板に対する溶接後
    に、同ワッシャーを加熱して溶融させることを特徴とす
    る固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】上記熱溶融性弗素樹脂として、四弗化エチ
    レンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体
    (PFA)もしくは四弗化コポリマー(COP)が用い
    られる請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方
    法。
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