JP2697188B2 - 磁気記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、磁気記録装置に関し、特に画像や音声等
のデータを磁気テープを使って記録・再生を行う磁気記
録装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来から、画像や音声などのデータを磁気記録媒体で
ある磁気テープと磁気ヘッドとを使って記録・再生を行
う、テープレコーダ、ビデオテープレコーダあるいはDA
Tなどの磁気記録装置が開発され、使用されている。

例えば、第３図は、従来の磁気記録装置の一構成例を
示すブロック図である。第３図において、磁気記録装置
（１）は、ヘッドドラム（３）、巻取りリール（４）、
供給リール（５）からなるデータの記録再生手段を備え
ている。前記ヘッドドラム（３）には、巻取りリール
（４）および供給リール（５）に巻かれた磁気テープ
（２）が斜め方向に巻き付けられてセッティングされて
いる。これは、第３図上方に示した、磁気テープ（２）
のデータ記録部（22）のように、磁気テープ（２）に対
して斜め方向にヘッドを高速回転させて、データを高密
度に記録するためである。また、このヘッドドラム
（３）には２個のヘッドが配設され、データの記録を制
御する記録制御装置（14）に接続されている。そして、
磁気テープ（２）を隔てて、ピンチローラ（６）とキャ
プスタン（７）が設けられる。このキャプスタン（７）
には磁気テープ（２）を走行させるキャプスタンモータ
（８）と、それを制御するキャプスタン駆動装置（11）
とが接続されている。

上記のデータ記録とは別に、テープの走行を制御する
テープ走行制御信号（CTL信号）の磁気テープ（２）へ
の記録が行われている。このCTL信号の記録・再生は、
１個のCTL信号ヘッド（９）を兼用して使い、CTL信号入
出力切換装置（12）によって、記録信号と再生信号とを
切り換えて制御を行っている。また、ヘッドドラム
（３）のヘッドの切り換えを検出するヘッド切換検出ヘ
ッド（10）には、ヘッド切換信号検出装置が接続されて
いる。

上記したキャプスタン駆動装置（11）、CTL信号入出
力切換装置（12）、ヘッド切換信号検出装置（13）およ
び記録制御装置（14）には、それぞれ外部から入力され
る指令に対して各部を適切にコントロールするコントロ
ーラ（21）が接続されている。このコントローラ（21）
は、使用者からの巻戻し指令（18）、記録指令（19）、
停止指令（20）に対応して、磁気記録装置（１）の各部
を適切に制御するテープ巻戻し手段（15）、記録手段
（16）、停止手段（17）を備えている。

次に、従来例の動作について説明する。

第３図に示されるように、使用者からの記録指令（1
9）がコントローラ（21）に入力されると、記録手段（1
6）がキャプスタン駆動装置（11）を制御して磁気テー
プ（２）の走行を始める。この磁気テープの走行速度
は、キャプスタンモータ（８）によって一定速度に保た
れる。そして、記録制御装置（14）から回転するヘッド
ドラム（３）を介して記録データが磁気テープ（２）の
データ記録部に記録される。これと同時に、記録手段
（16）から出力されるCTL信号は、CTL信号入出力切換装
置（12）を記録入力側に切り換えて、CTL信号ヘッド
（９）へ送られ、磁気テープ（２）のCTL信号記録部（2
3）に記録される。

ここで、前記の記録指令（19）が使用者の誤入力であ
ったり、それ以外の諸事情によって記録を中止して、使
用者が記録を開始した位置まで磁気テープを巻戻したい
場合がある。

このような場合、従来は、まず使用者が停止指令（2
0）をコントローラ（21）に入力し、停止手段（17）に
よって磁気テープ（２）の走行を止め、ヘッドドラム
（３）によるデータの記録とともに、CTL信号ヘッド
（９）のCTL信号の記録を中止する。次に、使用者は、
巻戻し指令（18）をコントローラ（21）に入力し、テー
プ巻戻し手段（15）により、磁気テープ（２）の巻戻し
を行う。そして、使用者はおよその判断で記録開始の位
置であったと思われる位置で停止指令（20）をコントロ
ーラ（21）に入力し、停止手段（17）によって磁気テー
プ（２）を停止させる。この磁気テープ（２）の停止位
置は、記録データの再生手段などを使って確認を行う。
停止位置が記録開始位置よりも前であれば早送りを行
い、記録開始位置よりも後であれば、さらに巻戻しを行
って、記録開始位置であると思われる位置で停止指令
（20）を入力する。この操作は、磁気テープが記録開始
位置に戻るまで繰り返し行われる。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の磁気記録装置は、上記したように、磁気テープ
の記録を開始した後に使用者がテープ記録開始位置まで
巻戻したい場合、使用者自身がテープの停止および巻戻
し操作を行わなければならず、また、これらの操作はお
よその見当で行われるため、正確な記録開始位置まで巻
戻すには、上記操作も何度も繰り返す必要があり、多大
な時間と手間を要するという問題点があった。

この発明は、上記のような問題点を解消することを課
題としてなされたもので、テープの記録開始後に使用者
が巻戻し指令を一度行うだけで、テープを記録開始位置
までに正確に巻戻して停止する一連の動作を自動的に行
う好適な磁気記録装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係る磁気記録装置は、磁気テープを一定速
度で走行させながらデータの記録・再生を行う記録再生
手段と、データ記録時に磁気テープ中に同時にCTL信号
を記録するCTL信号記録手段と、磁気テープの巻戻し時
に磁気テープを所定の速度で走行させるテープ巻戻し手
段と、巻戻し時に前記CTL信号記録手段で記録されたCTL
信号を再生するCTL信号再生手段と、データ記録時に磁
気テープに記録されるCTL信号をカウントし、また該CTL
信号再生手段で再生されたCTL信号を検知してカウント
するカウント手段と、磁気テープの走行を停止する停止
手段と、前記磁気テープの磁気記録動作を制御するコン
トロール手段とを備え、前記コントロール手段は、デー
タ記録中に所定の動作指令が入力されると、記録動作を
解除する指令と磁気テープを巻戻す指令とを出力し、 前記カウント手段は、データ記録開始時にリセット
し、データ記録中に前記コントロール手段に所定の動作
指令が入力されると、前記CTL再生手段が巻戻し時に再
生するCTL信号により、データ記録時にカウントしたCTL
信号のカウント値から減算を開始し、そのカウント値が
ゼロとなった時点で磁気テープを停止させることでデー
タの記録を開始した位置まで巻き戻すことを特徴とす
る。

〔作用〕

この発明に係る磁気記録装置は、磁気テープの記録開
始後、コントロール手段に巻戻し指令を入力すると、テ
ープ巻戻し手段により磁気テープを一定速度で巻戻しな
がら、記録開始時からCTL信号記録手段で記録されたCTL
信号をCTL信号再生手段で再生する。そして、その再生
されたCTL信号をカウント手段で検知してカウントを行
い、データ記録開始時から記録されたCTL信号と同数の
信号をカウントすると、磁気テープの巻戻しを停止手段
により停止させて、磁気テープを記録開始位置まで戻す
ようにした。

従って、この発明に係る磁気記録装置においては、従
来から用いられていたテープ走行を制御するCTL信号を
使用し、巻戻し時には、記録されたCTL信号を検出して
カウントすることにより、記録開始位置を正確かつ容易
に検出することが可能になり、記録開始位置までの巻戻
し動作を自動化することができるようになった。

〔実施例〕

以下図面に基づいて、この発明に係る磁気記録装置の
好適な実施例について説明する。

第１図はこの発明の一実施例の磁気記録装置の構成を
示すブロック図である。ここで、第３図に示した従来例
と同一の部材については、同一の符号を付し、重複説明
を省略する。

この実施例において特徴的なことは、第１図に示すよ
うに、従来例の構成に（テープ走行制御信号）CTL信号
入出力切換装置（12）で切り換えられた再生CTL信号を
検出してカウントを行うCTL信号カウンタ（24）が設け
られた点である。このCTL信号カウンタ（24）は、さら
にコントローラ（21）内の記録手段（16）と停止手段
（17）とにそれぞれ接続されている。

次に、上記構成における実施例の動作を第２図のフロ
ーチャート図に従って、第１図のブロック図と合わせて
説明する。

まず、第１図のコントローラ（21）は、使用者からの
記録指令（19）の入力があると、これを確認して第２図
のステップ101からステップ102へ移る。ステップ101で
記録指令（19）の入力が確認されない場合は、再びステ
ップ101にて確認が行われる。

ステップ102では、CTL信号カウンタ（24）を初期値
「０」にリセットされる。

そして、ステップ103においては、記録手段（16）に
より磁気テープ（２）に対してデータおよびCTL信号の
記録動作を行う。この記録動作は、従来例と同一動作で
あるので詳しい説明を省略する。CTL信号の記録動作中
に記録手段（16）から出力されたCTL信号は、CTL信号カ
ウンタ（24）にも入力される。

ここで、CTL信号カウンタ（24）がCTL信号を検知する
場合は、ステップ104からステップ105へ移って、カウン
タメモリ（＋１）にする。ステップ104でCTL信号を検知
しない場合は、次のステップ106に移る。

ステップ106では、CTL信号カウンタ（24）のメモリ容
量の関係でカウント値がオーバーしているかを確認す
る。CTL信号カウンタ（24）がオーバーしている場合
は、記録開始位置まで正確に巻戻す制御動作が行えなく
なり、終了する。この実施例の記録開始位置までの巻戻
し動作は、CTL信号カウンタ（24）がオーバーするまで
の一定の時間内に巻戻し指令（18）をコントローラ（2
1）に入力すれば可能である。

ステップ106でCTL信号カウンタ（24）がオーバーして
いない場合は、ステップ107において巻戻し指令の入力
の有無が確認される。巻戻し指令が入力されていない
と、ステップ103に戻ってCTL信号カウンタ（24）がCTL
信号を検知する度にカウント値が（＋１）ずつ加算され
る。

ここで、磁気記録装置の使用者がデータの記録を開始
したが、入力するデータを間違えたため、最初からやり
直したい場合が生じたとする。この場合、使用者は磁気
記録装置（１）のコントロール（21）に巻戻し指令（1
8）の入力を行う。こうすると、ステップ107において記
録動作が解除され、CTL信号カウンタ（24）のカウント
が止まる。

そして、ステップ108において巻戻し動作が開始され
る。この実施例の巻戻し動作では、磁気テープ（２）を
一定速度で巻戻すテープ巻戻し手段（15）が用いられて
いる。このため、磁気テープに記録されたCTL信号を巻
戻し中に再生して検出する場合に、正確な検出が可能と
なる。巻戻し動作の際には、CTL信号入出力切換装置（1
2）を再生出力側に切り換えて、再生CTL信号をCTL信号
カウンタ（24）に入力させるようにする。

これにより、CTL信号カウンタ（24）において、ステ
ップ109の再生されたCTL信号の検知の有無を確認し、CT
L信号を検知するとステップ110に移る。CTL信号を検知
しない場合は、ステップ111へ移行する。

ステップ110では、CTL信号カウンタ（24）内でCTL信
号が検知されると、記録動作中に記録されたCTL信号の
カウント値から１ずつ減算される。

そして、ステップ111において、CTL信号カウンタ（2
4）の残りのカウント値が初期値の「０」になったかを
確認する。カウント値が「０」でない場合は、ステップ
108に戻ってCTL信号カウンタ（24）のカウント値の減算
が続けて行われる。この減算により、カウント値が初期
値「０」となったところでステップ112に移る。

ステップ112では、CTL信号カウンタ（24）のカウント
値が「０」になった時点で、停止手段（17）に磁気テー
プ（２）の巻戻し停止指令を送り、磁気テープ（２）を
自動的に停止させる。このことにより、記録開始時の磁
気テープ位置まで正確に巻戻すことができる。

以上説明したように、この実施例の磁気記録装置は、
記録開始後の一定時間内に巻戻し指令を入力することに
より、使用者が記録を開始した位置まで磁気テープ
（２）を正確に巻戻して自動的に停止させるので、再度
同じ位置からの記録が行えるようになった。

なお、上記実施例では、記録開始時から巻戻し指令を
入力するまでのテープ走行量をCTL信号を使ってカウン
トし、正確なテープの巻戻し位置を検知している。

しかし、このCTL信号の他に、ヘッド切換信号を用い
て、上記実施例と同様な記録開始位置の頭出しを行うよ
うにすることもできる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明に係る磁気記録装置
は、使用者が記録開始位置まで磁気テープを巻戻す場合
に、煩雑なテープの巻戻し動作や停止動作を繰り返し行
う必要がなくなり、所定の動作指令を１回出すだけで、
迅速かつ正確な記録開始位置までの巻戻し動作を自動的
に行えるようになった。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例における磁気記録装置の構
成を示すブロック図、第２図はこの発明の実施例におけ
るフローチャート図、第３図は従来の磁気記録装置の構
成を示すブロック図である。 第１図において、（１）は磁気記録装置、（２）は磁気
テープ、（３）はヘッドドラム、（４）は巻取りリー
ル、（５）は供給リール、（６）はピンチローラ、
（７）はキャプスタン、（８）はキャプスタンモータ、
（９）はCTL信号ヘッド、（10）はヘッド切換検出ヘッ
ド、（11）はキャプスタン駆動装置、（13）はヘッド切
換信号検出装置、（14）は記録制御装置、（15）はテー
プ巻戻し手段、（16）は記録手段、（17）は停止手段、
（18）は巻戻し指令、（19）は記録指令、（20）は停止
指令、（21）はコントローラ、（22）はデータ記録部、
（23）はCTL信号記録部、（24）はCTL信号カウンタであ
る。 なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−148753（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−123545（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−47424（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気テープを一定速度で走行させながらデ
   ータの記録・再生を行う記録再生手段と、 データ記録時に磁気テープ中に同時にCTL信号を記録す
   るCTL信号記録手段と、 磁気テープの巻戻し時に磁気テープを所定の速度で走行
   させるテープ巻戻し手段と、 巻戻し時に前記CTL信号記録手段で記録されたCTL信号を
   再生するCTL信号再生手段と、 データ記録時に磁気テープに記録されるCTL信号をカウ
   ントし、また該CTL信号再生手段で再生されたCTL信号を
   検知してカウントするカウント手段と、 磁気テープの走行を停止する停止手段と、 前記磁気テープの磁気記録動作を制御するコントロール
   手段とを備え、 前記コントロール手段は、データ記録中に所定の動作指
   令が入力されると、記録動作を解除する指令と磁気テー
   プを巻戻す指令とを出力し、 前記カウント手段は、データ記録開始時にリセットし、
   データ記録中に前記コントロール手段に所定の動作指令
   が入力されると、前記CTL再生手段が巻戻し時に再生す
   るCTL信号により、データ記録時にカウントしたCTL信号
   のカウント値から減算を開始し、そのカウント値がゼロ
   となった時点で磁気テープを停止させることでデータの
   記録を開始した位置まで巻き戻すことを特徴とする磁気
   記録装置。