JP2696754B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2696754B2
JP2696754B2 JP63014219A JP1421988A JP2696754B2 JP 2696754 B2 JP2696754 B2 JP 2696754B2 JP 63014219 A JP63014219 A JP 63014219A JP 1421988 A JP1421988 A JP 1421988A JP 2696754 B2 JP2696754 B2 JP 2696754B2
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輝夫 小林
孝史 佐野
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光ビームを用いて情報が記録再生される光
記録媒体に関するものである。
〔従来の技術〕
テルル化ゲルマニウム(GeTe)は、光記録材料として
記録感度が高く、再生信号の信号対雑音比(CNR)を大
きくすることができる好適な材料である。
さて、光情報記録媒体は、情報の長期保存の目的に使
用されることがあり、高温高湿の環境下に放置されても
記録材料の変化がなく、記録情報を正確に読み書きでき
ることが必要である。
GeTe材料はかかる点についてみると、その薄膜が高温
高湿の環境下において徐々にではあるが酸化腐食し反射
率や透過率等光学的性質が変化する現象がある。
この原因として、GeTe結晶は菱面体構造をしている
が、原子半径の小さい他の原子が侵入することのできる
すきまが存在することをあげることが出来る。即ち、非
晶質相のGeTe薄膜中のGe-Te結晶原子間距離は、均一で
なく非常に広い分布をもつために、GeTe薄膜が高温高湿
の環境下におかれると、原子半径の小さい酸素がこのす
きまに侵入し、Ge-Te,Ge-Ge,Te-Te結合を切断し、GeO2,
TeO2となって徐々に薄膜を酸化させる。
この為、従来は、GeTe薄膜に酸化物,窒化物等の無機
薄膜を被着させて保護膜とし、高温高湿環境下における
GeTe薄膜の劣化を防止していたが、上記保護膜作製に長
時間を要したり、光情報記録媒体作製工程の複雑化や媒
体製造価格の上昇を招くという欠点があった。
本出願人はこのような欠点を解消し、高温高湿環境下
に放置されても、正確に情報を記録再生できる光情報記
録媒体を提供し得る記録薄膜として、GeTe材料にCuを添
加した材料の記録薄膜を見出した。この様なCuが添加さ
れたGeTe薄膜においては、Cu原子によってあらかじめGe
-Te格子内のすきまが埋められているため酸素は侵入し
にくく、またわずかに侵入した酸素はCuと結合しCuOと
なって安定するので、GeTe薄膜は酸素の侵入による劣化
から保護される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、上記Cu添加GeTe薄膜を光記録膜とする光情
報記録媒体は、Cu添加量が多いほど寿命が長くなるもの
の、逆に信号対雑音比(CNR)は徐々に劣化し、従っ
て、Cuが3原子パーセント以上では信頼できる光情報記
録媒体としての性能が得難く、又Cu含有量をへらしたの
では寿命があまり延びないという問題があった。
即ち、GeTe薄膜が記録光ビームの照射を受けて非晶質
相から結晶質相に転移すると、GeTe結合原子間距離の分
布は均一化され、Cu原子が結晶質相Ge-Te格子内に入り
得る量は制限され、非晶質相Ge-Te格子内にあったCu原
子がGeTe薄膜の結晶化によってGe-Te結晶格子外に排斥
されCuが析出する。こうして、析出したCuが再生光ビー
ムの反射率を変化させて雑音成分となり、上述の如くCN
Rを低下させるものと思われる。
従って本発明は、寿命が長く、しかもCNRの大きい光
情報記録媒体を提供することを目的としてなされたもの
である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明による光情報記録媒体は、基体上に形成された
光記録薄膜と、該光記録薄膜上に形成された保護膜から
なる光情報記録媒体において、前記光記録薄膜の主成分
をTe及びGeの一部がPbで置換された(Pb+Ge)とし、前
記光記録薄膜中の前記Teと前記(Pb+Ge)の原子含有比
が略1:1であり、前記光記録薄膜中にCuが添加されてな
ることを特徴とするものである。また、本発明による光
情報記録媒体は、前記Pbの原子含有率は16at%≦Pb≦22
at%であり、前記Cuの含有率は3at%≦Cu≦6at%である
ことを特徴とするものである。
〔作用〕
この様に本発明による光情報記録媒体においては、光
記録薄膜中のGeの一部がPbで置換されているためGe(P
b)−Te結合の原子間距離はGe-Te結合原子間距離よりも
大きくなる。従って結晶相GePbTe格子内に入りうるCu原
子の量が大きくなり、GePbTe薄膜が結晶化してもCuの析
出は起こらず、CNRも低下することなく、耐酸化腐食性
だけが向上する。
〔実施例〕
第1図は、本発明による光情報記録媒体の一実施例を
示したものである。即ち、11はポリカーボネート基板で
あり、その上に光情報薄膜としてCuが添加されたGePbTe
薄膜12を有している。更に、該記録薄膜上に傷や埃を防
止するための樹脂保護膜13を積層した。
ここで基板11はポリカーボネートに限ることなく、従
来からの公知のPMMA,ポリオレフィン,エポキシ等の透
明樹脂板,ガラス板を使用できる。
光記録薄膜12はスパッタリング法および蒸着法にて作
製する。
第2図は、該光記録薄膜を作製する時に使用するスパ
ッタリング装置の概略図である。真空槽21内の上部に設
けられた回転式基板支持テーブル22の下面に、ポリカー
ボネート基板11をとりつけ、真空槽21内を約5×10-4Pa
に排気後、真空槽21内にAr等の活性ガスを導入してガス
圧を5×10-1Paに排気後、真空槽21内にAr等の活性ガス
を導入してガス圧を5×10-1Paにする。この状態でGe34
原子パーセント,Pb16原子パーセント,Te50原子パーセン
トからなる合金ターゲット23とCuターゲット24に同時に
高周波電流を印加すると、スパッタリング作用によっ
て、基板11上にCuが添加されたGeTe薄膜であって、該薄
膜中のGeの一部がPbで置換されたCu-GePbTeが形成され
る。このとき該薄膜中のPb量は、GePbTe合金ターゲット
23中のPb含有量を変化させることで任意に調整すること
ができ、Cu量はCuターゲット24に印加される高周波電力
によって任意に調整することができる。
また、Pbを調整する他の方法としては、ターゲットに
Ge50原子パーセント,Te50原子パーセントの合金を用
い、該ターゲット上にPb50原子パーセント,Te50原子パ
ーセントの合金チップを載置し、スパッタリングするこ
とによって、Geの一部をPbで置換したGePbT薄膜を得る
さい、該PbTe合金チップの数を増減させると、それに伴
いGePbTe薄膜中のPb量を増減させることができる。
また、Ge,Pb,Te量を一定としてCuを変化させるには、
上記方法以外に、GePbTe合金ターゲット23上にCuチップ
を載置してスパッタすることで、Cu添加GePbTe薄膜を得
るさい、該Cuチップの数を増減させるとCuが添加された
GePbTe薄膜中のCu量を増減させることができる。
真空蒸着法においても同様に、GePbTe合金とCuの2種
の蒸発源からの2源同時蒸着法で、GePbTe合金の蒸発速
度とCuの蒸発速度とを調整してCu添加GePbTe薄膜が得ら
れる。
樹脂保護膜13は、紫外線硬化型樹脂液をスピンナにて
塗布し、その後紫外線を照射すると樹脂は硬化し、皮膜
を形成する。樹脂保護膜13は紫外線硬化型樹脂のみなら
ず、湿気硬化型樹脂,二液反応型樹脂,溶剤型樹脂いず
れも適用できる。
この様にして作製したディスク状光情報記録媒体にレ
ーザ光を照射して、回転数1800rmp,周波数1MHzの信号を
記録し、その後JISC5024M−1の温湿度加速試験を行
い、ビット誤り率の増加割合から媒体寿命を決定した。
第1表に,本実施例による光情報記録媒体の光記録膜組
成,光記録膜の結晶化温度,CNR,媒体寿命を示す。また
比較のためにCuが添加されたGeTe薄膜を光記録膜とする
従来の光情報記録媒体の光記録組成,光記録膜結晶化温
度,CNR,媒体寿命も示す。
この様に、本実施例による光情報記録媒体はGeTe光記
録膜中のGeの約32%がPbで置換されているために、添加
するCu量を5原子パーセントと大きくしても、CNRは51d
Bと高い値を示し、従来例よりも多量にCuが添加されて
いるので媒体寿命は18年と極めて長くなっている。
第3図には、本実施例と同様にして作製した本発明に
よる光情報記録媒体の光記録膜中のPb量を種々に変化さ
せた場合のPb量,Cu量と該光情報記録媒体のCNR,媒体寿
命の関係を示す。
従来例においては、点線33の如くGeTe薄膜にCuを添加
するにしたがって、媒体寿命は一点鎖線34の如く向上す
るものの、CNRが点線33の如く徐々に低下し、Cu添加量
が3原子パーセント以上になると、得られるCNRは45dB
以下となり、光情報記録媒体としての性能は不十分であ
る。Cu添加量が3原子パーセント未満では光情報記録媒
体としての性能は得られるが媒体寿命は6年未満となり
情報長期保存の用途には適さなくなる。
一方,本発明による光情報記録媒体においては、GeTe
光記録膜中のGeの一部がPbで置換されているために、Cu
添加量を増してもCNRの低下は小さく、したがってCu添
加量をおおきくして媒体寿命を長くすることができる。
光記録膜中のCu含有率が3原子パーセントの場合におい
ては、Pb含有率が0原子パーセントでは41dBと低いCNR
であったが、Pb含有率が16原子パーセントでは55dB、Pb
含有率が22原子パーセントでは58dBの高いCNRが得ら
れ、しかも、6年以上の寿命が得られる。また、Cu含有
率が6原子パーセントの場合においては、20年以上と極
めて長い寿命が得られ、Pb含有率が16原子パーセントで
もデジタル情報を記録する媒体としては十分である45dB
以上のCNRが得られ、Pb含有率が22原子パーセントでは5
5dBと高いCNRが得られる。
〔効果〕
以上説明したように、本発明による光情報記録媒体に
おいては、光記録膜はCuを添加したGeTe薄膜を主成分と
し、Geの一部がPbで置換されているために、光情報記録
媒体のCNRを劣化させることなく、Cu添加量を増すこと
ができ、したがって該光情報記録媒体の寿命を長くする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第一図は本発明による光情報記録媒体の一実施例を示す
断面図,第2図は本発明に適用しうるスパッタリング装
置の概略図,第3図はその特性の説明に供する線図であ
る。 11……基板 12……光記録薄膜 13……樹脂保護膜 21……真空槽 22……基板支持テーブル 23……GePbTeターゲット 24……Cuターゲット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に形成された光記録薄膜と、該光記
    録薄膜上に形成された保護膜からなる光情報記録媒体に
    おいて、前記光記録薄膜の主成分をTe及びGeの一部がPb
    で置換された(Pb+Ge)とし、前記光記録薄膜中の前記
    Teと前記(Pb+Ge)の原子含有比が略1:1であり、前記
    光記録薄膜中にCuが添加されてなることを特徴とする光
    情報記録媒体。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の光情報記録媒
    体であって、前記Pbの原子含有率は16at%≦Pb≦22at%
    であり、前記Cuの含有率は3at%≦Cu≦6at%であること
    を特徴とする光情報記録媒体。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62202345A (ja) * 1986-02-28 1987-09-07 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 書換型光記録媒体
JPS62208442A (ja) * 1986-03-07 1987-09-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 書換型光記録媒体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS62208442A (ja) * 1986-03-07 1987-09-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 書換型光記録媒体

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