JP2001143326A - 光学的情報記録用媒体 - Google Patents

光学的情報記録用媒体

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JP2001143326A
JP2001143326A JP32789099A JP32789099A JP2001143326A JP 2001143326 A JP2001143326 A JP 2001143326A JP 32789099 A JP32789099 A JP 32789099A JP 32789099 A JP32789099 A JP 32789099A JP 2001143326 A JP2001143326 A JP 2001143326A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に成膜された反射層の表面状態を
改善して、記録再生特性の向上を図った光ディスクを得
る。 【解決手段】 基板1上に、少なくとも反射層3、第2
保護層4、記録層5、第1保護層6をこの順に積層して
なり、前記基板1とは異なる側からの光の照射により原
子の配列が変化して情報の記録および消去が行われる光
情報記録媒体10であって、前記反射層3に下地膜2を
設けた光学的情報記録用媒体10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により原
子の配列が変化して情報の記録および消去が行なわれる
光情報記録媒体であって、特に波長400nm付近の光で
良好な光記録、再生を可能にする高密度光記録媒体(光
ディスク)に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザビームの照射による情報の記録、
再生及び消去可能な光メモリー媒体の一つとして、結晶
−非晶質間、あるいは結晶1−結晶2の2つの結晶相間
の転移を利用する、いわゆる相変化型記録媒体がよく知
られている。相変化形型記録媒体は、Te、Se等のカ
ルコゲンを主成分とした記録層と、この記録層を両面か
ら挟み込む透光性誘電体層と、レーザ光の入射側とは反
対に設けた反射層と、保護層から構成されている。代表
的な材料系に、GeSbTe系、AgInSbTe系材
料が良く知られていて、実用化されている。
【0003】記録原理は次の通りである。成膜直後の記
録層は非晶質状態で反射率は低い。まず初めに、レーザ
光を照射して記録層を加熱し、ディスク全面を反射率の
高い結晶状態にする。すなわち、初期化を行う。初期化
した光ディスクにレーザ光を局所的に照射して、記録層
を溶融、急冷し、アモルファス状態に相変化させる。相
変化に伴い記録層の光学的性質(反射率、透過率、複素
屈折率等)が変化して、情報が記録される。再生は、記
録時より弱いレーザ光を照射して、結晶とアモルファス
との反射率差、または位相差を検出して行う。書き換え
は、結晶化を引き起こす低エネルギーの消去パワーの上
に重畳した記録ピークパワーを記録層に投入することに
より、消去過程を経ることなくすでに記録された記録マ
ーク上にオーバーライトする。
【0004】DVD-RAM等のようにこれまで開発さ
れ商品化されてきた光ディスクは、ポリカーボネート製
等の基板上にそれぞれの目的に合った薄膜を成膜して作
製され、基板を通して記録、再生用レーザ光が照射され
るタイプであった。これらの光ディスクの持つ記録密度
に於いては、ディスク基板の厚みが問題になることは少
なかった。
【0005】相変化型記録媒体は、記録容量を決定する
要素としてレーザ光の波長、集光レンズのNA(開口
数)が大きく作用する。これまでのDVDで用いられて
きた信号フォーマットをそのまま用いて7〜8GB以上
の容量をもつ媒体を実現するためには、NAを高くする
か記録再生光を短波長化するしかない。現在では、発振
波長650nmのレーザを用いた記録再生装置が商品化
されている。
【0006】更に高容量の媒体を目指しレーザの短波長
化が盛んに検討されている。中でも400nm付近の波
長を持つ半導体レーザの開発が盛んである。レーザの短
波長化に伴いレンズの高NA化も進められている。しかし
ながら、高NA化したレンズと短波長化したレーザ光に
よる高密度化が進められると、今度は、ディスクのチル
ト角(レーザ光軸に対してディスク面が垂直からずれる
角度)マージン等の都合からディスク基板の厚みが問題
になってくる。
【0007】この問題を解決する技術として、これまで
の基板側からの記録再生光の照射型ディスクではなく、
積層する膜を逆順に成膜した、即ち基板ー反射層ー第2
保護層ー記録層ー第1保護層の順に積層し第1保護層側
から記録再生光を照射するタイプのディスクに関する技
術が開発されてきた。ところが各層材料は、それまでの
基板側照射型と大きな相違はなく、反射層もAlやAl
合金を用い、スパッタリング等の真空成膜により作製さ
れるものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】現在規格が発表されて
いるDVD-RAMや規格化が進められているDVD+R
W等の書換が可能な光ディスクの記録再生機に使用され
るレーザ光線は、波長が650〜680nmのものであ
る。これらの光ディスクを構成する層は、グルーブ
(溝)を設けた基板上に第1保護層、記録層、第2保護
層、反射層の順に成膜されている。
【0009】更に高密度記録再生を目指して開発が進め
られている光ディスクは、短波長化レーザと高NA化レン
ズの光学系を用いたシステムに対応するため、基板上に
反射層、第2誘電体からなる第2保護層、記録層、第1
誘電体からなる第1保護層というこれまでとは逆の順番
に成膜され、前記基板とは異なる側から光を照射して情
報の記録及び消去が行われているものである。このよう
な構造をとることで短波長化、高NA化によるディスク
チルトマージン等の課題を解決しようとしている。(特
開平11−120613号公報)
【0010】一方、このような逆順に積層された型の光
ディスクでも、各層材料は、それまでの基板側照射タイ
プのディスクと殆ど同様なものであり、反射層もAl或
いはAl合金が用いられている。このAl、Al合金の
スパッタリングされた膜の表面状態は、大きな結晶粒が
多数見られ、ミクロ的に見れば平滑性がかなり劣る荒れ
た状態であった。これまでの基板側照射タイプのディス
クにおいて、反射層は誘電体からなる保護層上に成膜さ
れる。従って、反射層の界面は保護層表面と接すること
により平滑な表面を形成することが可能であったため、
悪影響を及ぼすようなことはなかった。
【0011】しかしながら、記録再生レーザ光の短波長
化と高NA化に対応した高密度光記録媒体では、基板の
上に第一層目として反射層を成膜する。ところが反射層
のレーザ光照射面の表面は、前記した如く荒れた状態に
なっており、それ以降の保護層等がその荒れを継承して
積層されることになる。このため記録再生時には、レー
ザ光の乱反射等を招きディスクのノイズ成分の原因とな
り、ディスクの記録再生特性に悪影響を及ぼすという課
題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題に
鑑みなされたものであり、第1の発明として、基板1上
に、少なくとも反射層3、第2保護層4、記録層5、第
1保護層6をこの順に積層してなり、前記基板1とは異
なる側からの光の照射により原子の配列が変化して情報
の記録および消去が行われる光情報記録媒体10であっ
て、前記反射層3に下地膜2を設けた光学的情報記録用
媒体10を、第2の発明として、下地膜2の結晶粒径が
反射層3より小さい請求項1記載の光学的情報記録媒体
10をそれぞれ提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明になる光ディスクの
背景につき説明する。これまでに反射層として用いられ
てきたAl、Al合金は、スパッタリング等の真空成膜
を行うと膜中で結晶粒の成長が局所的に見られる。この
ため大きな柱状の結晶が局在するために、薄膜表面は凹
凸の激しい荒れた状態になってしまう。
【0014】現在のDVD等に見られる記録再生型の光
ディスクは、基板側からレーザ光が入射するために、反
射層のレーザ照射面は保護層上に形成され界面を形成す
る。このため、反射層のレーザ光の照射される面の表面
は、保護層の表面が反映され平滑性が保たれたものであ
った。
【0015】一方、高密度化を目的に記録再生レーザ光
の短波長化、光ピックアップのレンズ高NA化を施した
システム用の媒体は、チルトマージンの確保のため基板
上にそれまでとは逆順に成膜するという技術が開発され
てきた。このような媒体は、先ず第一に、反射層が成膜
される。次に、誘電体で形成された第2保護層を成膜
し、続けて記録層、第1保護層という順で成膜されるの
で、反射層の表面の状態がその次に成膜される第2保護
層、記録層、第1保護層に反映されてしまう。この反射
層の表面は、前記したように荒れが著しい。また高密度
化を目的とした媒体なので、記録再生するマークも現行
DVDより更に微小になる。従って、この反射層表面の
荒れは媒体の記録再生特性に大きく影響してしまう。
【0016】ところで金属等の結晶は、下地となる他の
結晶の表面状態と良く符合する結晶面の育成が見られる
という性質がある。そこで、反射層に用いられる単一金
属や合金より結晶粒径が小さく平滑な表面を形成する金
属を下地層として成膜することにより、反射層の表面状
態を改善させるという発明に至った。このように、表面
状態が平滑に改善された反射層上に誘電体で形成された
保護層を介して記録層、保護層という順で積層した場合
は、平滑な表面状態を反映すると共に記録再生特性にお
いても良好なものが得られるものである。
【0017】以下本発明の実施形態につき、図1〜図3
を用いて説明する。なお本発明は以下に述べるような実
施例の構造、使用物質に限定されるものではない。図1
は、本発明になる光ディスク10の模式図、図2は、反
射層に下地膜を設けた光ディスクの断面形状を示す説明
図、図3は、反射層に下地膜を設けない光ディスクの断
面形状を示す説明図である。
【0018】図1は本発明になる光ディスク10の模式
図で、1は基板であり、この基板1には、レーザ光の案
内をするための溝1a等が形成されている。先ず、溝1a
等が形成されている基板1上に下地膜2を成膜する。下
地膜2は、この下地膜2上に積層される反射層3に用い
られる金属の結晶粒径より小さい結晶粒を形成する金属
である。これまでに通常用いられてきた反射層3は、A
lやAlに添加金属を加えた合金が殆どであった。従っ
て下地膜2としては、Alより結晶粒の小さな金属を用
いる。たとえばAu,Ge,Ag,Pt,Ni,Pd等やこ
れらを主成分とする合金が好ましい。
【0019】このような物質をスパッタリングなどによ
り真空成膜し、基板1上に反射層3より結晶粒径が小さ
い下地膜2を形成する。下地膜2は、表面が均一に形成
され発明の効果が現れるために5nm以上成膜するのが
好ましい。すなわち、下地膜2は、スパッタリングされ
た金属原子の薄膜により形成されるが、その原子が均一
に基板上に膜面を形成するにはある程度の厚みが必要に
なるからである。また、下地膜2が滑らかでないと、そ
の上に成膜する反射層3は、平滑性が得られないからで
ある。
【0020】一方上限は、記録感度等の媒体特性を大き
く変るほどの影響が大きくならないように40nm以下
にすることが好ましい。このような条件なら、これまで
に研究開発が行われ見出されてきた媒体の材料組成、膜
厚構造等を大きく変更することなく用いることが出来
る。
【0021】また、反射層3として、これまで多くの光
ディスクに用いられてきた比較的安価なAl,Al合金
を用いることができるので、コスト的にも有利である。
このようにして、下地膜2上に反射層3を形成する。反
射層3は下地膜2の表面の結晶状態を継承して平滑な表
面を維持した状態で積層される。
【0022】そして、この反射層3上に誘電体からなる
第2の保護層(上保護層)4を成膜し、この第2の保護
層4上に記録層5、この記録層5上に再び誘電体からな
る第1の保護層(下保護層)6と順次に成膜する。これ
らの膜も平滑な反射層3上に積層されるので、その平滑
性を維持したまま積層できる。実用的には更に第1の保
護層6に記録再生光が透過する樹脂等からなる接着層7
を挟んでガラスやポリマー等の薄いカバー層8を設けて
光ディスク10を完成させる。
【0023】本発明の第2、第1保護層4,6は、記録
時に基板1、記録層5などが熱によって変形し記録特性
が劣化することを防止するなど、基板1、記録層5を熱
から保護する効果がある。さらに、記録層5の結晶化を
促進して、消去率を向上させる効果もある。この第2、
第1保護層4,6としての誘電体は、例えば、ZnS,
SiO2、Si34などの無機薄膜で構成される。
【0024】特に、Si,Ge,Al,Ti,Zr,T
aなどの金属あるいは半導体の酸化物の薄膜、Si、G
e,Alなどの金属、あるいは半導体の窒化物の薄膜、
Ti、Zr、Hf、Siなどの金属あるいは半導体の炭
化物の薄膜、 ZnS、In23、TaS4、GeS2
の金属あるいは半導体の硫化物の薄膜、及びこれらの化
合物の2種類以上の混合物の膜が、耐熱性が高く、化学
的に安定なことから好ましい。さらに、記録層への保護
層を構成する原子の拡散がないものが好ましい。
【0025】これらの酸化物、硫化物、窒化物、炭化物
は、必ずしも化学量論的組成をとる必要はなく、屈折
率、消衰係数等の制御のために、必要に応じて組成を制
御したり、混合して用いたりすると効果があがるもので
ある。また、これらにMgF2などのフッ化物を混合し
たものも、膜の残留応力が小さいことから好ましい。特
にZnSとSiO2の混合膜は、記録、消去の繰り返し
によっても、記録感度、C/N、消去率などの劣化が起
きにくいことから好ましい。
【0026】
【実施例】次に、本発明になる光ディスク10の製造方
法について述べる。下地膜2、反射層3、記録層5、第
2、第1の保護層4,6などを基板1上に形成する方法
としては、公知の真空中での薄膜形成法である、例えば
真空蒸着法(抵抗加熱型や電子ビーム型)、イオンプレ
ーティング法、スパッタリング法(直流や交流スパッタ
リング、反応性スパッタリング)などがあげられる。特
に組成、膜厚のコントロールが容易であることから、ス
パッタリング法が好ましい。成膜前の真空度は、1×1
0-4Pa以下にするのが好ましい。真空槽内で複数の基
板を同時に成膜するバッチ式や基板を1枚ずつ処理する
枚葉式成膜装置を使うことが好ましい。
【0027】形成する反射層3、記録層5、第2、第1
の保護層4,6などの厚さの制御は、スパッタ電源の投
入パワーと時間を制御したり、水晶振動型膜厚計などで
堆積状態をモニタリングすることで、容易に行えるもの
である。
【0028】下地膜2、反射層3、記録層5、第2、第
1の保護層4,6などの形成は、基板1を固定したま
ま、あるいは移動、回転した状態のどちらでもよい。膜
厚の面内の均一性に優れることから、基板1を自転させ
ることが好ましく、さらに公転を組合わせることがより
好ましい。
【0029】
【実施例1】次に本発明の一実施例を示すが、本発明は
以下の実施例に限定されるものではない。本発明の効果
を確認すべく以下のようなサンプルを作成した。先ず、
トラックピッチ0.74μmの案内溝が形成された厚さ
0.6mm、直経120mmのポリカーボネート製基板
1の上に、下地膜2としてAuをスパッタリング法によ
り成膜した。成膜は次のような具体的手順で行った。す
なわち、基板1を毎分60回転で遊星回転させながら、
スパッタリング法により真空成膜するに際し、まず、真
空チャンバー内を6×10-5Paまで排気した後、1.
6×10-1PaのArガスを導入する。次に、Auを直
流スパッタリング法によって基板1上に7nmの厚さに
成膜した。続いてこのAu薄膜(下地膜2)の上に、A
l,Tiからなる2元素単一ターゲット(Ti:1.8
wt%含有)を直流スパッタリング法により成膜し厚さ
150nmの反射層3を形成した。
【0030】
【比較例1】一方、比較例1としては下地膜2を設け
ず、基板1上に直接Al−Tiからなる反射層3を上述
した同様な方法により成膜したサンプルを作成した。こ
れらのサンプルの表面状態を観察するためAFM(原子
間力顕微鏡)を用いた。観察結果を図2、図3に示す。
【0031】図2は、実施例1のサンプルのランド部分
と、グルーブ部分の断面形状を示すもので、横軸はAF
Mの走査範囲(走査した長さ)を示し、縦軸は基板グル
ーブ底面からの高さを示している。このように、AFM
像を観察すると表面に結晶粒の成長の差に起因すると見
られる凹凸が観察できる。この実施例1の下地膜2を設
けた反射層3のサンプルの表面の凹凸の状態(ランド部
の最大と最低の高低差)を測定すると、その平均は2n
m程度であり、ランド部分等に見られるAl−Ti薄膜
による凹凸、即ち荒れが少ないことがわかる。
【0032】これに対して、図3の比較例1の下地膜2
を設けない反射層3のサンプルの表面の凹凸の状態(ラ
ンド部の最大と最低の高低差)を測定すると、その平均
は7nm〜10nm程度となっていて、ランド部分等に
見られるAl−Ti薄膜による凹凸、即ち荒れが多いも
のであることがわかる。そして、この程度の荒れが存在
する反射層3では、入射レーザ光を反射する際、乱反射
によりディスクの特性(C/Nやジッタ値)に悪影響を
及ぼすものである。
【0033】このようにして完成した本発明になる光デ
ィスクの特性上への効果を確認すべく、上述したサンプ
ルと同様、反射層3の上に更に上保護層4(第2保護
層)、記録層5、下保護層6(第1保護層)という順に
成膜してディスク形態にしたものを作成した。保護層を
形成する誘電体として、ZnS−SiO2を高周波マグ
ネトロンスパッタ法により成膜して膜厚20nmの第2
保護層を形成した。続いて、Ag、In、Te,Sbか
らなる4元素単一ターゲット(直径2インチ、厚さ3m
m)を直流電源でスパッタリングして記録層5を形成し
た。具体的には、組成Ag0.05、In0.05、T
e0.30、Sb0.60の膜厚23nmの記録層5を
形成した。
【0034】さらに、第2保護層4と同様の材質の第1
保護層6を、記録層5上に50nmの厚さで形成した。
この光ディスクを真空容器より取り出した後、この第一
保護層6上に、接着層7としてのアクリル系紫外線硬化
樹脂をスピンコートし、この接着層7の上に0.2mm
のガラス基板(カバー層8)を貼り合わせ、紫外線照射
により硬化させて接着して本発明になる光ディスクを得
た。
【0035】こうして作製した光ディスクに、レーザ光
やフラッシュランプ等を照射して、記録層5を結晶化温
度以上に加熱し、初期化処理を行う。実用的には、初期
化装置と評価機等を用い収束したレーザ光を用いる。先
ず、図示しない初期化装置のスピンドルに光ディスクを
装着した後、大出力のレーザ光を照射して記録層5を加
熱して高反射率の状態に変化させる。光ディスクに照射
されるレーザビームは、トラック幅よりも大きなビーム
径を有し、好ましくは半径方向に長く、ディスクを回転
しながら複数のトラックを同時に初期化できるようなも
のを用いる。
【0036】具体的には、初期化レーザの波長は、83
0nm、照射ビームの形状は、トラック方向が2μmで
半径方向が20μmの幅の広い形をしているものを用い
る。そして、この光ディスクを線速度3m/sで回転さ
せ、半径22.0mmから初期化を開始した。初期化レ
ーザは、パワー400mWで半径外周方向に30μm/
回転の速度で移動させ、半径58.0mmで初期化を終
了した。
【0037】
【実施例2】光ディスクの特性の評価では、波長400
nmの光を発振するレーザを搭載しレンズNAは0.6
5のものを用いた評価機を作製して行った。再生光パワ
ーPrは、0.7mWで線速度によらず一定とした。評
価は、反射層3の表面状態がディスクのノイズに対する
影響を調べることで行った。線速度3.5m/sで単一
周波数約30MHzの信号を、前記したAu7nmの下
地膜2有り、無しのディスクの反射層3のそれぞれに対
して記録してC/N特性を測定した。その結果、下地膜
2有りの光ディスクは53dBであったのに対し、下地
膜2無しの媒体は47dBと劣るものとなった。
【0038】
【比較例2】下地膜2の膜厚を50nmとして、実施例
1と同様な手順で光ディスクを作成した。下地膜2の厚
さは50nmとした。AFMでの観測は同様に平滑性が
改善されていた。しかし、ディスク状での記録再生実験
では記録機の出力の限界である10mWでもパワー不足
で充分な記録がでずC/Nとして48dBと充分な記録
が行えなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明は、基板に、少なくとも反射層、
第2保護層、記録層、第1保護層をこの順に積層してな
り、前記基板とは異なる側からの光の照射により原子の
配列が変化して情報の記録および消去が行われる光情報
記録媒体であって、前記反射層に下地膜を設けたことに
より、基板上に成膜された反射層の表面状態が改善さ
れ、記録再生特性が向上した光ディスクを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる光情報記録媒体の一実施例を示す
模式図である。
【図2】反射層に下地膜を設けた光情報記録媒体の断面
形状を示す説明図である。
【図3】反射層に下地膜を設けない光情報記録媒体の断
面形状を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下地膜 3 反射層 4 第2保護層 5 記録層 6 保護層 10 光学的情報記録用媒体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも反射層、第2保護
    層、記録層、第1保護層をこの順に積層してなり、前記
    基板とは異なる側からの光の照射により原子の配列が変
    化して情報の記録および消去が行われる光情報記録媒体
    であって、前記反射層に下地膜を設けたことを特徴とす
    る光学的情報記録用媒体。
  2. 【請求項2】下地膜の結晶粒径が反射層より小さいこと
    を特徴とする請求項1の光学的情報記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6944116B2 (en) 2001-11-26 2005-09-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical information recording medium
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