JP2696143B2 - メダル販売機用防犯装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔本発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、メダル式遊戯機に使用されるメダルの販売
を行うためのメダル販売機に好適な防犯装置に関するも
のである。

（従来における技術） この種のメダル販売機においては、販売すべきメダル
のストックが無くなった際にメダルの補給が行われる
が、このようなメダル補充態様として従来下記の如き態
様がある。

その一つは、係員が上方の開口した補充容器に多数の
メダルを入れてメダル販売機まで運び、このメダル販売
機の貯留タンクに投入する方法である。また、第二の態
様としては、メダル販売機の貯留タンクの上部をカセッ
ト式にし、メダルが無くなるとカセットを切替えるよう
にする方法である。

しかしながら、上述した従来の方法のいずれの場合に
も、補充容器やカセットに盗難防止機能が無いために、
係員がこれの運搬中にメダルを抜き取り顔見知りの客等
に渡す等の不正が多く発生するという問題があった。

（本発明が解決しようとする課題） 本発明は、上記従来の実情に鑑み開発されたものであ
り、その目的とするところは、メダルの盗難防止が図れ
不正を未然に防止できるメダル販売機防犯装置を提供す
ることにある。

〔本発明の構成〕

（前記課題を解決するための手段） 本発明は、硬貨又は紙幣を取込んでこれらの金額に応
じたメダルを販売するメダル販売機に用いられる防犯装
置てあって、メダル補給用の補給カセットに蓋体を施鍵
した状態でこの蓋体をロックする蓋体ロック機構部と、
前記蓋体を施鍵した補給カセットをメダル販売機におけ
るメダル貯留部に装着した際前記蓋体のロック状態を解
除する蓋体解除機構部と、前記補給カセットのメダル販
売機に対する装着動作に連動して前記メダル貯留部の施
鍵状態を解除する自動開閉機構部とを有するものであ
る。

（作用） この装置によれば、補給カセットにメダルを収納して
運搬する際に、蓋体がロックされているので、運搬時の
メダル抜き取りは不可能になり、また、補給カセットを
メダル販売機に装着すると蓋体のロックが解除されると
共に、その装着動作に連動してメダル貯留部の施鍵状態
でも解除され、これにより、補給カセット内のメダルを
外部を抜き取られる虞れがなく速やかにメダル貯留部に
メダル補給ができる。

（本発明の実施例） 以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。

第１図乃至第３図に示すメダル販売機１は、幅寸法Ｗ
が小さく縦長に形成した直方体状の筺体２と、この筺体
の一部を構成する開閉可能な前面上パネル部2A及び前面
下パネル部2Bと前記両パネル部間を連結する前面中パネ
ル部2Cとからなる前面パネル３と、前記前面上パネル部
2Aの上部に取付けられた硬貨投入口4Aを有する硬貨処理
手段４と、前記筺体２に組込可能な支持フレーム2Dに取
付けられた補給カセット５及びメダル貯留部６からなる
メダル供給手段７と、前記前面上パネル部2A及び前面中
パネル部2Cの背面側に取付けられるとともに前面中パネ
ル部の前面側に突出可能な排出口９を備えたメダル排出
処理手段８と、前記排出口９の直下に配置した４個の表
示ランプを有する表示手段10と、前記支持フレーム2Dに
取付けたメダル供給手段７の直下に配置した電源ボック
ス11と、前記筺体２内における下部に配置した紙幣処理
手段12と、この紙幣処理手段に隣接配置した制御ボック
ス45とを有している。

前記前面下パネル部2Bには、紙幣投入口13が設けられ
ている。

前記硬貨処理手段４は、硬貨投入口４から百円硬貨、
五百円硬貨等を取込み、これらを硬貨ストッカ14に貯留
していくと共に硬貨判別部15において投入された硬貨の
金額判別を行い判別結果を制御ボックス14内の制御手段
（図示せず）に送るようになっている。

前記紙幣処理手段12は、紙幣投入口13から投入される
千円紙幣、五千円紙幣等を搬送するベルト及びローラを
用いた搬送部15と、この搬送部により搬送される紙幣の
金額判別を行う判別部16と、紙幣の貯留を行う紙幣スト
ッカ17とを縦（垂直）配置している。

前記のメダル排出処理手段８は、メダル供給手段７の
供給口46から供給されるメダルを受け入れ、制御手段に
よる制御の基に投入された硬貨又は紙幣の金額に応じた
個数のメダルを排出口９を形成する排出箱19に落下させ
るメダル排出処理部18とを具備している。

ここで、前記メダル供給手段７について第４図乃至第
８図をも参照して説明する。

第４図は前記補給カセット５の構成を示すものであ
り、この補給カセットは、上部が開口した箱型状のカセ
ット本体21と、このカセット本体の前面における一方の
端部から開口部上縁に沿って後面に至る領域まで形成し
た一定幅のスライドレール部22と、このスライドレール
部に対して挿脱可能な薄板状に形成され挿入状態でカセ
ット本体21の開口部を閉塞する蓋体23と、前記カセット
本体21の開口部における後面側部に突設した一対の係合
突片24A、24Bと、前記蓋体23をカセット本体21に完全に
挿入した時この蓋体をロックする蓋体ロック機構部25
と、前記カセット本体21の前面に取付けた把手26とを具
備している。

前記本体ロック機構部25は、前記蓋体233の一方の端
部近傍に、挿入方向とは直交する方向で一定の間隔を有
しつつ穿設した所要数のロック孔27と、第７図、第８図
に拡大して示すように前記カセット本体21の後面部21A
に取付けられ該カセット本体21の後面側に一定の空間を
形成する隔離板28と、この隔離板により形成される空間
内において前記ロック孔27の穿設方向に沿って固定配置
された軸体29と、この軸体により回動可能に支持される
とともに、一方の突出端部30Aをカセット本体21に挿入
される蓋体23側に臨ませ、他方の端部30Bを背面21A側に
臨ませた爪体30と、この爪体30の端部30Bと前記隔離板2
8との間に張設され爪体30に対し第７図において矢印α
１方向の付勢力を付与するばね31とを具備している。前
記後面部21Aには、前記端部30Bに対応する配置に所要数
の抜孔21Bが設けられている。

なお、補給カセット５を筺体２に装着する際には、第
５図に示すように、把手26が上側になり蓋体23が下側に
なる状態とするように構成されている。

前記筺体２における支持フレーム2Dには、前記抜孔21
Bに対応する配置にこの抜孔21Bを貫通する直径を有する
解除ピン32が突設されている。

前記抜孔21bと解除ピン32とにより、蓋体23のロック
状態を解除する蓋体解除機構部33を構成している。

前記メダル貯留部６は、第１図及び第６図に示すよう
に箱型状のタンク部34と、供給口46を備えたホッパー部
35とを有している。

タンク部34は、上方開口34Aと、ホッパー部35に連通
する下方開口とを有するとともにこのタンク部34の両側
板上部には一対のスライド用長孔35A、35Bが設けられて
いる。

上記スライド用長孔には、前記カセット本体21の係合
突部24A、24Bに係合する丸棒状のスライド体36が挿通さ
れ、スライド用長孔35A、35Bに沿ってスライドするよう
になっている。更に、このスライド体36に対し、可撓性
を有する長方形状のシャッタ部材37の一方の端部が取付
けられている。

前記係合突部24A、24B、スライド用長孔35A、35B、ス
ライド体36及びシャッタ部材37により、メダル貯留部用
の自動開閉機構部38が構成され、また、前記蓋体ロック
機構部25、蓋体解除機構部33及び自動開閉機構部38によ
り、本実施例の防犯装置を構成している。

なお、第１図中の符合40は前面上パネル部2Aに設けた
鍵部、41は前面下パネル部2Bに設けた鍵部、42は前面上
パネル部2Bを筺体２に開閉可能に連結する継手、43は返
却用レバーである。

次に、上記構成の装置の作用を、前記防犯装置の各動
作を主にし、且つ、第９図、第10図をも参照して説明す
る。

この防犯装置における蓋体ロック機構部25によれば、
第７図、第８図に示すように、蓋体23をカセット本体21
に完全に挿入した時、ばね31の付勢力により爪体30の突
出端部30Aが蓋体23のロック孔27に挿入し、これによ
り、蓋体23がカセット本体21の開口部においてロックさ
れた状態になるので、カセット本体21内に収容した多数
のメダルＣの盗難が防止される。

また、この装置における蓋体解除機構部33によれば、
第９図、第10図に示すように、蓋体23がロックされた状
態で補給カセット５が支持フレーム2Dに装着されたと
き、前記抜孔21Bを貫通した解除ピン32が爪体30の端部3
0Bに当接し、これにより爪体30がα２方向に回動して、
その突出端部30Aがロック孔27から離脱することを利用
しつつ蓋体23のロック状態を解除する。

ロック状態が解除された蓋体23を第10図に示す矢印方
向に引き抜くことにより、カセット本体21の開口部がメ
ダル貯留部６の上方開口に連通し、メダルＣはメダル貯
留部６へ向けて落下する。これにより、メダルＣの補給
を円滑に行うことができる。

前記自動開閉機構38の作用は次の如くである。即ち、
補給カセット５を支持フレーム2Dに装着する以前の第２
図に示す状態の時には、スライド体36がタンク部34にお
けるスライド用長孔35A、35Bの最も手前位置に存在し、
これにより、シャッタ部材37がタンク部34の上方開口34
Aを全て覆う状態となって、前面上パネル2Aを開けただ
けではタンク部内のメダルＣを取出すことができない。
これにより、前面上パネル2Aの開放時のメダルＣの抜き
取りを防止できる。

又、前記補給カセット５の係合突部24A、24Bをスライ
ド体36に係合し、第７図に示す矢印方向に補給カセット
５を押し込む時には、補給カセットの進行とともに第９
図に示すように、シャッタ部材37がスライドして上方開
口34Aから退避し、この上方開口34Aを補給カセット５の
下面側に連通させる。

当該自動開閉機構部38の作用により、第10図に示すよ
うに蓋体23を同図に示す矢印方向に引き抜いた時のメダ
ルＣの落下が支障なく行われる。

以上の構成からなる実施例装置によれば、補給カセッ
ト５に蓋体ロック機構部25を設けるとともに、タンク部
34に自動開閉機構部38を設けたことにより、補給カセッ
ト５の運搬中や、前面上パネル部2Aを開いた際における
メダルの盗難防止を図ることができる。

一方、本装置においては、メダル販売機１の左右両隣
りに配置される遊戯機（図示せず）の前扉の拡開に際し
一切その拡開動に支障がないようにするために、第３図
に示す如くメダル販売機１の前面パネル３の表面には全
くの突出部分が出ないように構成されている。即ち、メ
ダルの排出口９は、該排出口下端部における適当な支点
（図示せず）をもって第３図中の排出口９近傍における
矢印の如く回動するようになっている。

本発明は上述した実施例に限定されるものではなくそ
の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。

〔本発明の効果〕

以上詳述した本発明によれば、補給カセット運搬中に
おけるメダルの抜き取りや筺体からのメダルの抜き取り
を未然に防止でき、不正防止に寄与し得るメダル販売機
用防犯装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るメダル販売機の実施例を示す斜視
図、第２図は第１図に示すメダル販売機の前面パネルの
斜視図、第３図は同機の分解斜視図、第４図は同機にお
ける補給カセットを示す斜視図、第５図は同装着状態に
おける斜視図、第６図は同機におけるタンク部の斜視
図、第７図は同機における補給カセットの装着動作中の
状態を示す部分拡大断面図、第８図は同機における蓋体
ロック機構部を示す部分拡大斜視図、第９図は同機にお
ける補給カセットのロック解除状態を示す部分拡大断面
図、第10図は同機における蓋体引き抜き動作を示す部分
拡大断面図である。 図中の主な符合 １……メダル販売機 ５……補給カセット 23……蓋体 25……蓋体ロック機構部 33……蓋体解除機構部 38……自動開閉機構部。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】硬貨又は紙幣を取込んでこれらの金額の応
   じたメダルを販売するメダル販売機に用いられる防犯装
   置であって、メダル補給用の補給カセットに蓋体を施鍵
   した状態でこの蓋体をロックする蓋体ロック機構部と、
   前記蓋体を施鍵した補給カセットをメダル販売機におけ
   るメダル貯留部に装着した際前記蓋体のロック状態を解
   除する蓋体解除機構部と、前記補給カセットのメダル販
   売機に対する装着動作に連動して前記メダル貯留部の施
   鍵状態を解除する自動開閉機構部とを有することを特徴
   とするメダル販売機用防犯装置。
2. 【請求項２】前記メダル販売機は、メダルの排出口が適
   当な支点をもって前面パネル内外に回動自在とされ、前
   面パネル表面に何らの突出部分が出ることなくメダル販
   売機左右に配設される遊戯機の前扉拡開動に支障がない
   機構となっている請求項１記載のメダル販売機用防犯装
   置。