JP2695976B2 - 脱線検出装置 - Google Patents

脱線検出装置

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JP2695976B2 JP2227089A JP22708990A JP2695976B2 JP 2695976 B2 JP2695976 B2 JP 2695976B2 JP 2227089 A JP2227089 A JP 2227089A JP 22708990 A JP22708990 A JP 22708990A JP 2695976 B2 JP2695976 B2 JP 2695976B2
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亨 齊間
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Toshiba Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、運転手若しくは保安要員を乗せずに遠隔操
作でレール上を走行する自動運転鉄道車両等の走行中の
脱線を自動的に検出する脱線検出装置に関する。
(従来の技術) 従来、鉄道車両では、無人運転ということは極めて少
なく、鉄道車両には、必ず、運転手や車掌が乗車してお
り、万一、走行中に車両が脱線すると、この脱線状況に
より、警報を発して車両を緊急停車するようにしてい
る。
又一方、貨物列車による貨車が脱線した場合、運転手
や車掌がこれに直ちに気が付くのは難しく、気付いたと
きには、貨物列車の貨車が大脱線に発展することも予測
される。
そこで、この種の両レール上を走行する鉄道車両等の
走行中の脱線を検出する脱線検出手段として、貨車の車
体に加速度計を設けることが提案されている。
即ち、上記脱線検出手段は、貨車の車体に加速度計を
搭載し、貨車がレール上を走行している時の車体の加速
度と脱線して枕木の上を走行している時の車体の加速度
とは、大幅な車体加速度のレベルに差があることが予測
されるので、上記貨車の車体に搭載した加速度計の加速
度レベルを比較し、一定以上の加速度レベルになれば、
運転手や車掌が脱線しているものと判断して、警報を発
する手段が採用されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述した脱線検出手段は、貨車の車体
に加速度計を搭載し、貨車がレール上を走行している時
の車体の加速度と脱線して枕木の上を走行している時の
車体の加速度とを上記加速度計の加速度レベルで比較
し、一定以上の加速度レベルになれば、運転手や車掌が
脱線しているものと判断して、警報を発する手段を採用
している関係上、無人車両の低速運転時、道床がコンク
リートであると、振動加速度だけで脱線の有無を判断す
ることは非常に困難なことがある。
そこで、最近、車両の自動運転や遠隔制御による運転
操作が多く採用されるようになったので、従来であれ
ば、何等の対策を講じなくとも、容易に検出できた脱線
事故を運転手や車掌の五感に頼ることなく、自動的に警
報を発することができるような脱線検出手段が望まれて
いる。
本発明は、上述した事情に鑑み、運転手若しくは保安
要員を乗せずに遠隔操作でレール上を走行する自動運転
鉄道車両等の走行中や無人車両の極低速運転若しくは停
車時、道床がコンクリードであっても、脱線を自動的に
確実に検出して警報を発し、安全性や信頼性の向上を図
るようにした脱線検出装置を提供することを目的とす
る。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明に係る脱線検出装置は、 左右の両レール上を走行する車両における台車の台枠
の前端又は後端下部に上記両レールを跨ぐように水平に
架設され、脱線時に上記レール上に乗り車両を支持する
デイレールメント部材と、そのデイレールメント部材に
沿い上記両レールを跨ぐように延設され、上記デイレー
ルメント部材に装着され、脱線時に上記レールを介して
上動される可動案内部材と、その可動案内部材を常時そ
の下限位置に付勢する付勢手段と、上記デイレールメン
ト部材と可動案内部材間或は可動案内部材と台枠間に介
装され、上記可動案内部材がデイレールメント部材或は
台枠に対して上方に移動したときその移動を検出する脱
線検出センサとを具備することを特徴とする。
(作 用) このように構成されているため、本発明では、車輪が
脱線したときには、デイレールメント部材が両レールを
跨いだ状態でこのレール上に載貨される。これと同時
に、前記可動案内部材が付勢手段の付勢力に抗しながら
持ち上げられ、この可動部材の上昇により脱線検出セン
サが作動して脱線が検知される。
このように、本発明では、第1に、デイレールメント
部材が、左右のレールを跨ぐように水平に架設されてい
るため、万一車両が脱線したときには、上記デイレール
メント部材がレール上に乗り、車両を支持する。そのた
め、脱線があったとしても、台車の低い位置にある重要
部品を保護することができる。また、この際、デイレー
ルメント部材がレールを跨いでいるため、枕木等の地上
構造物も保護することができる。換言すれば、本発明で
は、脱線があったとしても、デイレールメント部材がレ
ールを跨いだ状態で車両全体の重量を受けるため、台車
の低い位置にある重要部品並びに枕木等の地上構造物を
保護することができる。
第2には、本発明では、脱線の検知部として機能する
可動案内部材は、上記デイレールメント部材に沿いレー
ルを跨ぐ程度延ばされているため、この可動案内部材の
慣性が大きく、通常走行時における走行振動程度では、
可動案内部材が不用意に変位するといったことがない。
そのため、通常走行時における走行振動による誤作動が
殆どない。しかも、本発明では、上記のように、可動案
内部材がデイレールメント部材に沿いそのデイレールメ
ント部材に装着されているため、可動案内部材が衝撃で
曲げられるといったことがなく、脱線の検出を確実に行
うことができる。
(実施例) 以下、本発明を図示の一実施例について説明する。
第1図乃至第4図において、符号1は、道床上に敷設
された左右一対のレールであって、この両レール1に
は、走行する車両2における台車3が走行自在に載置さ
れており、この台車3には、車体4が心皿4aを介して連
結されており、この台車3の台枠5には、前後各一対の
軸箱6が各コイルばね7で上下動するようにして設けら
れている。又、この各軸箱6には、各車輪8の車軸8aが
回転自在に軸装されており、この各車輪6が上記両レー
ル1を転動するようになっている。さらに、上記台枠5
の各前後端下部には、断面が倒伏したレール状をなすデ
イレールメント部材9が上記両レール1を跨がるように
水平に架装されている。このデイレールメント部材9の
中程の頂面には、第3図に示されるように、一対の轂部
(ボス部)9aが設けられている。さらに又、上記デイレ
ールメント部材9の外側には、断面が倒伏したコ字状を
なす可動案内部材10が上記デイレールメント部材9に沿
い左右のレール1を跨ぐように延ばされて、上記デイレ
ールメント部材9に被冠され、そのデイレールメント部
材9に対して昇降自在に装着されている。
即ち、この可動案内部材10の上部に穿設された各透孔
10aには、上記各轂部(ボス部)9aが緩く嵌装されてお
り、この可動案内部材10の上部と上記各轂部9aに螺装さ
れた調整螺杆12の座板12aとの間には、コイルばね11が
弾発的に介装されており、上記可動案内部材10がコイル
ばね11の弾力で上記デイレールメント部材9に圧接支持
されている。又、上記可動案内部材10の下部の両内側に
は、その可動案内部材10がデイレールメント部材9に圧
接されているとき、上記デイレールメント部材9の下部
9bよりも下方へ垂下するように案内部10bが付設されて
いる。上記デイレールメント部材9及び上記可動案内部
材10との間には、第4図に示されるように、例えば、マ
イクロスイッチのような作動片13aを有する脱線検出セ
ンサ13が介装されている。さらに、この脱線検出センサ
13の作動片13aは、通常時、上記デイレールメント部材
9の頂面へ当接してOFF作動しており、脱線時、上記可
動案内部材10が上記コイルばね11の弾力に抗して相対的
に扛上することにより、上記脱線検出センサ13の作動片
13aが回動して上記デイレールメント部材9の頂面へ当
接したままON作動し、警報器(図示されず)を作動して
警報を発するようになっている。以下、本発明の作用に
ついて説明する。
従って、今、運転手若しくは保安要員を乗せずにレー
ル1上を走行する自動運転鉄道車両等の走行中や無人車
両の極低速運転若しくは停車時等において、何等かの原
因により、上記台車3の車輪8が脱線すると、上記可動
案内部材10が左右のレール1の少なくとも一方に跨がっ
て当接して相対的に上方へ押し上げられると同時に、上
記デイレールメント部材9の下部9bが上記レール1へ跨
がるように載置され車両の支持が行われる。一方、上記
可動案内部材10の上動によって、デイレールメント部材
9及び上記可動案内部材10との間に介装されている上記
脱線検出センサ13の作動片13aが回動して上記デイレー
ルメント部材9の頂面へ当接したままON作動して警報器
を作動して警報を発する。
しかも上記車両の脱線時には、台車3の低い位置にあ
る重要部品が地上構造物に接触する前に、デイレールメ
ント部材9がレール1を跨いだ状態で車両全体の重量を
受けることができ、脱線があったとしても、台車の低い
位置にある重要部品を保護することができる。また、こ
の際、デイレールメント部材9がレール1を跨いでいる
ため、枕木等の地上構造物も保護することができる。さ
らに、可動案内部材10は、両レール1を跨ぐ程度延ばさ
れデイレールメント部材に沿いそのデイレールメント記
載に対して昇降自在に装着されているため、この可動案
内部材10の慣性が大きく、通常走行時における走行振動
程度では、可動案内部材が不用意に変位するといったこ
とがなく、通常走行時における走行振動による誤作動が
殆どない。しかも、脱線時に可動案内部材10が衝撃で曲
げられるといったことがなく脱線の検出を確実に行うこ
とができる。
第5図は本発明の他の実施例を示す図であって、上記
台車3の一部に設けられた台車座14の下方に突設された
耳片14aに可動案内部材15が支軸16で揺動自在に軸装さ
れており、この可動案内部材15に上記デイレールメント
部材9が取付けボルト17で実質的に一体に固定されてい
る。上記支軸16の反対側の上記台車座14には上記可動案
内部材15の自由端部15aの上下揺動位置を規制するスト
ッパ部18a,18bが設けられている。さらに、上記台車座1
4の凹窩部14bと上記上記可動案内部材15の自由端部15a
との間にはコイルばね19が介装され上記可動案内部材15
の自由端部15aが上記下方のストッパ部18aに弾発的に当
接され、常時その下限位置には付勢されている。上記下
方のストッパ部18aの下部には脱線検出センサ13が付設
され、この脱線検出センサ13の作動片13aが、通常時、
上記デイレールメント部材9の一部へ当接されOFF作動
の状態にしてある。しかして、車両が脱線し、デイレー
ルメント部材9がレール1に当接すると、車重により上
記デイレールメント部材9とともに可動案内部材10が上
記コイルばね19の弾力に抗して相対的に上方に揺動さ
れ、これにより上記脱線検出センサ13の作動片13aが回
動して上記デイレールメント部材9の一部へ当接したま
まON作動して警報器(図示されず)を作動し、警報が発
せられる。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明によれば、運転手若しくは保
安要員を乗せずに遠隔操作で運転され、レール上を走行
する自動運転鉄道車両等の走行中や無人車両の極低速運
転若しくは停車時や道床がコンクリートであっても、脱
線を自動的に確実に、しかも、瞬時に検出して警報を発
することができるばかりでなく、構成も簡素であるか
ら、台車台枠に簡単に組み込むことができると共に、安
全性や信頼性の向上を図ることができる。
しかも、脱線があった場合には、デイレールメント部
材がレールを跨いだ状態で車両全体の重量を受けるた
め、台車の低い位置にあるギヤケース等の重要部品並び
に枕木等の地上構造物を保護することができ、また、通
常走行時における走行振動では誤作動することが殆どな
い一方、いざ脱線の時には確実に作動して検出を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の脱線検出装置組み込んだ車両の側面
図、第2図は、同上正面図、第3図は、第2図中の鎖線
A−Aに沿う拡大断面図、第4図は、第2図中の鎖線B
−Bに沿う拡大断面図、第5図は、本発明の他の実施例
を示す図である。 1……レール、2……車両、3……台車、4……車体、
5……台枠、6……軸箱、8……車輪、9……デイレー
ルメント部材、10……可動案内部材、10b……案内部、1
1……コイルばね、12……調整螺杆、13……脱線検出セ
ンサ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右の両レール上を走行する車両における
    台車の台枠の前端又は後端下部に上記両レールを跨ぐよ
    うに水平に架設され、脱線時に上記レール上に乗り車両
    を支持するデイレールメント部材と、そのデイレールメ
    ント部材に沿い上記両レールを跨ぐように延設され、上
    記デイレールメント部材に装着され、脱線時に上記レー
    ルを介して上動される可動案内部材と、その可動案内部
    材を常時その下限位置に付勢する付勢手段と、上記デイ
    レールメント部材と可動案内部材間或は可動案内部材と
    台枠間に介装され、上記可動案内部材がデイレールメン
    ト部材或は台枠に対して上方に移動したときその移動を
    検出する脱線検出センサとを具備することを特徴とす
    る、車両の脱線検出装置。
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