JP2006282095A - 鉄道車両の脱線転倒防止装置 - Google Patents

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敬 栗山
Takao Kumagai
孝夫 熊谷
Atsushi Sano
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Abstract

【課題】車両限界に対する自由度を高め、かつ支持強度を高めたストッパ支持装置及びストッパ駆動機構を有する高速鉄道車両の脱線転倒防止装置を提供する。
【解決手段】台車近傍で車両の前後方向の台車間側に上記ストッパ機構が設けられており、ストッパ機構は、支持部材2とストッパ部材3とからなり、ストッパ部材3は支持部材2のガイド部5によって昇降自在に支持されており、支持部材2が車体フレームの下面に直接取り付けられており、ストッパ部材3は付勢手段20によって下方に付勢されていて、係止手段7によって上記付勢手段の付勢力に抗して上方位置に保持されており、脱線検知装置30を備えており、脱線検知装置30からの脱線検知信号に応答して係止手段7による係止が外されて、付勢手段20によってストッパ部材3が下方に駆動されるようになっている。
【選択図】図4

Description

この発明は、脱線転倒防止装置、すなわち、鉄道車両がレールから車輪が外れた脱線した状態で惰性走行する間に、転倒またはレールから大きく逸脱することを防止する転倒防止装置に関するものであり、脱線してその状態で惰性走行するときにレールに沿って走行するようにストッパと車輪の間でレールを拘束することで、脱線した状態であってもほぼレールに沿って車両を走行させることで、車両の転倒またはレールから大きく逸脱することを防止するものについて、そのストッパ下端のレール上面からの高さを十分に確保しつつ、転倒防止装置の緊急作動の信頼性を向上させることができるものである。
特に高速車両が高速時に脱線した場合において、地上と車両間に発生する大きな摩擦力や各種抵抗等による減速が考えられるが、同程度の減速度であっても、通常の車両と比較して高速車両は停止するまでの距離が長くなり、その間に脱線に伴う転倒やさらにレールから大きく逸脱することによる被害の発生が懸念されるため対策が必要である。
鉄道車両が走行中に脱線すると、レール取り付け面(道床や路盤等)を車輪で走行することになるので、レール取り付け面との抵抗が大きい場合は、車両は激しく振動しながらレールから横方向にそれるように走行することになる。脱線してなお走行しながらレールから大きくそれると、転倒する可能性が高くなると想定され、大きな人身事故が起きる可能性が高いと思われる。
脱線しても車輪がレールからそれずに走行すれば、左右の車輪がほぼ平らなレール取り付け面を走行することになるので、車両が転倒することは少ないと考えられる。
しかし高速鉄道が高速走行時に脱線した場合においては、減速度が同程度でも車両が停止するまで長い距離を走ることが考えられ、レールからより大きくそれる可能性が高まり、一方の車輪が側溝に落ち込むなどして転倒する危険性が高く、高速走行しながら車両が転倒すると、大きな人身事故が起きる可能性が極めて大きい。
そのため、特に高速鉄道車両の脱線転倒を防止するには、脱線しても車両がレールから大きくそれることのないように、左右いずれかのレールにストッパと台車の車輪を挟み込むこと(または、当接させること)で、車両走行を拘束するのが効果的である。
以上の考え方を基本とするものであって、上記ストッパSを軸箱Gの下面に取り付け、これをレールに引っ掛けて車両走行を拘束するものが公知である(特開平10−250576号公報)。この従来技術では、図7に示すように、脱線したときは車輪がレール取り付け面に落下して台車の軸箱Gが下がるので、左右のストッパ下部がレール上部よりも下方に下がり、そのいずれかのストッパSがレールRの外側面に当接するようになる。このものは、車両限界(異常状態でも車両部分がレール等にぶつからないために確保すべき、レール取り付け面からの車両部分の最低高さについての規制)の範囲内で上記ストッパSを最大限に下方へ突出させてあって、脱線状態でこれがレールRに引っ掛かる位置まで下がるようにしたもので、極めて単純な構造で脱線転倒防止装置が構成されている。そして、上記ストッパSが軸箱Gの下面に固定されているので、供用中におけるレール取り付け面からストッパ下端までの高さの減少分としては、供用期間中においても車両限界を確保するため、車輪の摩耗分だけを考えればよい。この従来技術によるものは、新幹線車両の場合で、ストッパ下部のレールRへの引っ掛かり寸法は、約84mmである。
しかしストッパSを固定してある軸箱は必ずしも車体または台車枠に強固に固定されている部材ではなく、脱線走行状態でストッパSにかかる衝撃力は相当に大きく、この強い衝撃力に比べればストッパSに対する軸箱の支持強度は十分ではない。したがって、上記ストッパSによる転倒防止作用は必ずしも確実ではない。
以上のことから、車輪がレールから外れた脱線状態においても、ストッパと車輪でレールを挟み込むことによって車両がレールRから大きく外れて走行することを規制して転倒を防止する脱線転倒防止装置においては、ストッパに対する支持強度を十分に確保し、また、車両限界を十分に確保しつつ、脱線したときのストッパとレールRとのラップ寸法及び面積を十分に確保されるようにすることが必要である。
特開平10−250576号公報
そこで、この発明は、車両限界に対する自由度を高め、かつ支持強度を高くするためにストッパを車体フレームに強固に直接取り付け、車輪の脱線を検知した時に、ストッパを瞬時に所定位置まで確実に下降させられるように、そのストッパ支持装置及びストッパ駆動機構を工夫することをその課題とするものである。
上記課題を解決するための手段は、車輪がレールから外れた脱線状態で、ストッパと車輪で左右どちらかのレールを挟み込む形態で車両をガイドするストッパ部材を、車体フレームに直接支持させ、車輪の脱線を検知した時に、ストッパを瞬時に所定位置まで確実に下降させるようにした、鉄道車両の脱線転倒防止装置について、次の(イ)〜(ホ)によって構成されるものである。
(イ)台車近傍で車両の前後方向の台車間側に上記ストッパ機構が設けられており、
(ロ)上記ストッパ機構は、支持部材とストッパ部材とからなり、当該ストッパ部材は上記支持部材のガイド部によって昇降自在に支持されており、
(ハ)上記支持部材が車体フレームの下面に直接取り付けられており、
(ニ)上記ストッパ部材は付勢手段によって下方に付勢されていて、係止手段によって上記付勢手段の付勢力に抗して上方位置に保持されており、
(ホ)脱線検知装置を備えており、当該脱線検知装置からの脱線検知信号に応答して上記係止手段による係止が外されて、上記付勢手段によって上記ストッパ部材が下方に駆動されるようになっていること。
鉄道車両が脱線したときに、ストッパと車輪で左右どちらかのレールを挟み込むこと、あるいはストッパでレールを挟み込むこと、あるいはレールでストッパを挟み込む形で挟み込むことによって車両の左右への動きを拘束するため、該ストッパ部材を車体フレームに強固に直接支持させてあり、脱線を検知したとき、ストッパ部材を瞬時に所定位置まで確実に下降させるようにした、鉄道車両の脱線転倒防止装置である。
そのため、ストッパ部材に対する支持強度が高く、ストッパ部材を車両限界にはみ出さない形で保持することができ、また、車輪がレールから外れた脱線状態において、ストッパと車輪で左右どちらかのレールを挟み込むことによって車両の左右への動きを拘束するため、脱線して惰性走行する鉄道車両に対するこの脱線転倒防止装置による拘束力は十分に強く、高速鉄道車両の場合でも安定的である。
そして、車体側に脱線転倒防止装置が取り付けられる場合は、台車近傍で車両前後方向で台車間に上記ストッパ機構が設けられているので、台車近傍で車両の前後方向の台車外側に上記ストッパ機構が設けられている場合に比して、車両の左右への振れによるストッパ機構の左右方向への触れが車端より小さくなるため、車両の左右への動揺に対するガイドの面で有利である。
上記ストッパ機構は、支持部材とストッパ部材とからなり、当該ストッパ部材は上記支持部材のガイド部によって昇降自在に支持されているので、ストッパ部材を昇降自在に支持する支持機構が単純な構造で構成され、単純な動作をするにすぎないから、ストッパ機構の必要な剛性、強度を容易に確保することができる。
上記従来技術のようにバネ下の軸箱に固定されている場合に比して、上記支持部材が車体フレームの下面に直接固定される場合は、空気バネおよび軸バネ上であるため、車両限界を確保するため、レール上面に対するストッパ部材の十分な高さ位置を容易に確保することが必要である。
そのため上記ストッパ部材は、係止手段によって下方への付勢手段による付勢力に抗して車両限界の下端に近い位置に保持されており、脱線検知装置を備えており、当該脱線検知装置からの脱線検知信号に基づいて上記係止手段による係止が外されて、上記付勢手段によって下方に駆動されるようになっている。
たとえば高速鉄道車両の新幹線車両の場合において、実質的に車体側の最下端となるレール面上150mmの位置(車体スカート最下端位置)に、ストッパ部材を取り付けた場合、車輪がレールから外れた脱線状態において車輪がレールの取り付け面まで下がった場合において、レール自体の高さ寸法は174mmであり、車輪のフランジ高さが30mmであるため、レールとストッパ部材が80mmラップする寸法まで下降させるとしてもレール上150mmの位置から、84mm下降するだけである。
通常走行において、脱線転倒防止装置の係止手段が異常作動して上記係止が外れても(脱線検知装置の誤動作などによる)、ストッパ部材の下降が行われた場合においても、車両限界は犯すものの、レール高さから余裕を持った値であるレール面上76mmの位置までしか下降しないため、誤動作しても安全性が高い。
〔実施態様1〕
実施態様1は、解決手段における上記ストッパ機構を構成する上記支持部材が車両横方向に長い水平断面形状が長方形の矩形ブロックであり、上記ストッパ機構を構成する上記ストッパ部材が上記矩形ブロックの左右両端部に支持されており、左右のストッパ部材が上記矩形ブロックの前後に昇降自在に配置された連結部材の左右両端にそれぞれ連結されているものである。
〔作用〕
車両の横方向に長い矩形ブロックを車体フレームの下面に固定し、矩形ブロックの前後に配置した上記連結部材にストッパ部材を連結したものであるから、左右のストッパ部材と前後の連結部材とによって四角な枠体が構成される。そして、この枠体は、脱線後にレールからストッパ部材にかかる横方向への押圧力に対する強度が高い構造である。したがって、ストッパ部材及びその支持機構の剛性、強度を単純な構造によって十分確保することができる。
〔実施態様2〕
実施態様2は、実施態様1について、その矩形ブロックの左右両端に軸方向にスライドさせる案内軸受を設け、当該案内軸受内に昇降自在に支持された案内軸の下端にストッパ部材を連結してあり、上記案内軸受に上記係止手段を設け、当該係止手段で案内軸受を係止させたものである。
〔作用〕
上記支持部材のガイド部を案内軸受とし、当該案内軸受に案内軸を支持させたものであるから、ストッパ部材に対する昇降ガイド機構の高剛性、高強度を単純な構造で確保することができる。
〔実施態様3〕
実施態様3は、上記実施態様1について、上記付勢手段が上記矩形ブロックの前後にそれぞれ設けられた圧縮ばねであり、上記係止手段を係止ピンで構成したものである。
〔作用〕
圧縮ばねで前後の連結部材が下方に押されていて、これによってストッパ部材が下方に付勢されているので、係止ピンによる係止を外すと圧縮ばねのばね力でストッパ部材が強制的にかつ瞬時に押し下げられるので、脱線転倒防止装置の動作が確実になされる。
〔実施態様4〕
実施態様4は、実施態様3について、その係止手段が係止ピンであり、当該係止ピンをその案内軸に係脱自在に係合させて、ストッパ部材を上昇位置に保持させたものである。
〔作用〕
ストッパ部材の昇降ガイド及び係止機構が単純な構造で構成される。
〔実施態様5〕
実施様態5は、動作確認や地震等によって脱線状態が発生してことを想定した訓練等によって下降させたストッパ装置を、動作前の状態である上昇段階の状態に戻すため、付勢手段とストッパ装置の重量に抗して上昇用のモータ駆動または空気力手段等による動力手段または、簡単な手動によりネジ棒式工具やラッチ手段によって持ち上げた上で、係止手段で上昇位置で固定する機構を追加することで、日常のメンテナンスや訓練作業を簡易化するものである。
次いで、図面を参照して実施例を説明する。図面は上記実施態様4の具体例を図示したものであって、付勢手段が圧縮ばねで構成され、係止手段が案内軸に対する係止ピンであって、ソレノイドで引っ込められるように構成されているものである。
付勢手段としては、圧縮空気又は電動アクチュエータを用いることもできるが、この実施例は圧縮ばねによる付勢手段を用いている。これは機構が単純で、動作が確実である。しかし圧縮バネの場合は、作動確認や訓練等で、下降動作を作動させた場合のストッパ装置の上昇には、バネ力に対抗する別の動力手段を用いた装置を用いるか、ラチェットやネジ棒式装置などを利用した手動装置を用いて上昇させる必要がある。
圧縮空気や電動アクチュエータを用いる場合は、付勢動作を確実に行うことを確実な装置とすることが可能であれば、ストッパ部材の上昇においては、単純な機構でよい。
また、係止手段については、案内軸を摩擦的に把持する係止手段など、係止作用が確実で、係止解除動作が確実なものであれば、種々の機構の係止手段を採用することができる。
電磁式ソレノイド駆動の係止ピンによる係止手段は、構造が単純で確実性が高く、駆動電源を車両の非常電源装置からとることも考えられるが、脱線状態での電力の供給に問題があることが考えられ、脱線転倒防止装置内に装置独自のバッテリを準備すれば、さらに確実に作動するので、動作の信頼性が高いものである。
まず、図1〜図6を参照しながら、脱線転倒防止装置の配置を説明する。
高速鉄道車両の車体フレームの下方には空気ばねA、前後左右に車輪Wを有する台車Bがあり、また、各種の機器Dが多数配置されている。
上記台車Bに隣接してその車両中央側に脱線転倒防止装置1が配置されている。
脱線転倒防止装置1は車体横方向に長い矩形ブロック2と左右のそり状ストッパ部材3等で構成されたものであり、その矩形ブロック2が車体フレームFの下面に直接取り付けられている。
なお、「そり状ストッパ部材」は、単純な細長い厚板あるいは角棒であって、レールに対してその外側全面が面接触して摺動するものを意味していて、かならずしも形状が、いわゆる「そり」の形状をしていることをいうものではない。
左右のそり状ストッパ部材3,3は、横方向に延びる前後の連結部材4,4でその前部、後部が互いに連結されて一体化されている。連結部材4,4は矩形ブロック2の下部前面、下部後面に沿って昇降する。
矩形ブロック2の左右両端に案内軸受5,5が設けられており、この案内軸受5,5にそれぞれ、案内軸6が上下に摺動自在に保持されている。案内軸受5の軸受穴及び案内軸6の横断面形状は正方形でもよいが、この実施例では簡単化のために断面円形にしている。また、上記案内軸受5には係止手段7がそれぞれ設けられている。この係止手段7はケーシング8、係止ピン9、ソレノイド10によるものである。係止ピン9はソレノイド10内で左右方向に摺動自在に保持されており、ばね11によって押し出されて案内軸6の穴6aに係合して案内軸6を上方位置に保持しており、ソレノイド10によりばね11に抗して引っ込められて、案内軸6との係合が外される。
因みに、この実施例においては、案内軸6の径は80mm、全長は200mmであり、係止ピン9の径は20mm、全長は80mmである。
新幹線車両の場合は、レールR,Rの内法Wは、レール間のゲージ寸法である1435mmであるのに対して、そり状ストッパ部材3,3の幅寸Wは1200mmであり、長さLは500mmである。
ソリ状部材は、脱線状態での衝撃力に耐えるため、厚さtは80mmで、高さhは180mmの、ブロック状の板材で、左右のソリ状部材3をつなぐつなぎ材は、80mm角の角棒である。
矩形ブロック2の横方向長さWは、1040mmであり、長手方向長さLは、260mmである。
なお、以上の各部分の寸法は、全体のおおよその大きさを例示するための目安であって、あくまでも参考の寸法である。したがって、個々の具体的設計においては、必要な強度設計やゲージ幅や脱線ガード等の線路上の条件を踏まえて適切な寸法を適宜選択する必要がある。
そり状ストッパ部材3,3を下方に付勢する付勢手段20,20が、矩形ブロック2の前後面中央にそれぞれ設けられている。この付勢手段20はコイルばね21によるものであり、コイルばね21は矩形ブロック2のブラケット22と上記連結部材4の間に圧縮状態で取り付けられており、ブラケット22から下方に突出させた保持ピン23によって、せん断状態で保持されている。
新幹線車両の場合は、レール上面から機器下面までの高さは最低150mm必要であり、60kgNレールのレール上面高さはその取り付け面から174mmである。他方、その車輪のフランジ高さは30mmである。このような新幹線車両が脱線して、車輪フランジがレール取り付け面に接地して走行することを想定すれば、この状態においては脱線転倒防止装置が作動し、そり状ストッパ部材が降下されていて、この状態でレール上部に対するそり状ストッパ部材3の横方向重なり量(ラップ寸法)が十分確保されていることが必要である。
この実施例においては、そり状ストッパ部材3は係止手段7によって上方位置に保持されており、その下端とレール上面との間の間隔は150mmである。そして、係止手段7による係止が外されたとき、そり状ストッパ部材3は84mmに降下する。この降下ストロークの規制手段は、付勢手段(コイルばね21)によって下方に付勢されているそり状ストッパ部材3の下降限界を規定できる機構であればどのようなものでもよいが、この実施例では、案内軸6の上端にT型のストッパ6bを突設していて、これが案内軸受5の上面に当接してそり状ストッパ部材3の降下を上記のとおりの84mmに規制するようになっている。
矩形ブロック2は中空の部材であり、この中に脱線検知装置30を内蔵させている。脱線検知装置30としては例えば特公昭58−13387号公報に記載されているもの、特開2000−6807号公報に記載されているものなど種々あるが、大別すれば、異常な上下方向加速度を検知してその最大値を判別の基本とするもの、加速度の一定時間の積分値によるもの、台車とレール面間の間隔を光学的に測定してその測定値の異常変動を検出するもの、脱線時に車体に対する台車間の回転角が過大になるという現象を利用するもの等がある。
要するに、鉄道車両の床下にあって激しい振動を受けながらも瞬時に高精度で、しかも確実に脱線を検知できるものであることが必要である。
この実施例では、複数の加速度センサによる検知方法を組み合わせた、多数決方式による、誤動作の少ない脱線検知装置30を採用している。
脱線検知装置が車両の脱線を検知すると、ただちに制御装置31が作動してソレノイド10を作動させ、係止ピン9を引っ込めさせて案内軸6に対する係止を外す。これにより、付勢手段20が作動して連結部材4を解して左右のそり状ストッパ部材3,3が瞬時に下降させられる。
また、この係止手段の反応動作は瞬時であるのが望ましいが、脱線であるかどうかを確実に高精度で判別するため、加速度値の積分や各種振動周波数の分析とともに、複数(奇数)の検知装置による多数決方式による脱線検知装置を採用することで誤動作を減らし、検知しだい係止ピン9(電磁ソレノイド)による案内軸6に対する係止が完全に外されることが必要であり、脱線から脱線を検知し係止ピン9がはずされ圧縮バネにより、ストッパ装置が可能最小限の時間遅れでかつ誤動作のほとんど無い、制御系及び係止手段を設計するのがよい。
そり状ストッパ部材3,3はレール上150mmより約84mm下降し、また、レールRの底面よりの高さは174mm(新幹線で通常使用されている60kgレールの場合)、車輪Wのフランジ高さ30mmなどの条件を上記のとおりとすれば、車輪がレール取り付け面に落下するので、そり状ストッパ部材3の下端はレール上面から約80mm下方まで降下する。
またストッパ部材の長さは約500mmであり、そり状ストッパ部材3,3はレールRに対して高さ方向に約80mmで長さ約500mmラップした状態となる。
〔その他の実施例〕
図1〜図6に示す実施例は、脱線転倒防止装置の機構・構造を簡略にするために一つの大きな矩形ブロック2を車体フレーム下面に取り付け、左右のそり状ストッパ部材3,3を連結部材4,4で互いに連結して一つの枠体を構成し、この一つの枠体を矩形ブロック2に昇降自在に支持させたものであるが、左右の支持体をそれぞれ別体の支持ブロックにし、これを車体フレームの下面に固定し、個々の支持ブロックに左右のそり状ストッパ部材を昇降自在にそれぞれ支持させた構造を採用することもできる。この場合は、コイルばね21による付勢手段を左右のそり状ストッパ部材用にそれぞれ設けることになる。
この矩形ブロックは、下降するソリ部材をガイドする案内軸の取り付け部であり下降させるための付勢手段であるコイルバネの取り付け部であるとともに、ソリ部材がレールとの衝撃を受け、ガイド軸を通して車体に衝撃を伝える強度部材であるとともに、脱線検知装置を格納し、脱線した場合において車両の電源に故障が発生する事態を考慮して、脱線検知装置の非常用電源と、コイルバネの伸展の係止装置を取り外し、ソリを下降させるための係止装置を作動させるための非常用電源を内蔵する役割を果たすことが可能になっている。
また、上記実施例は、ストッパ部材を単純な構造で、高強度部材にするためにそり状ストッパ部材にしているが、これはレールに当たって強力に擦り合わされるものであるから、必ずしも細長い平板状(すなわちそり状)のものである必要はなく、例えば、角柱状のブロックでもよい。
また、上記実施例では、左右のそり状ストッパ部材3に対する昇降案内機構を断面円形の案内軸6とこれを昇降自在に支承する案内軸受とで構成しているが、案内軸6を横断面形状が正四角形または長方形の角軸とし、軸受穴を同形状の角穴にすることもできる。角軸にすることで、支持部材に対して取り付ける構造面が簡単な形状の案内軸受を構成することができる。
付勢手段を非常ブレーキ装置等の空気圧で駆動する方式とし、付勢手段を空気圧ピストンによる装置とするとともに、係止手段となるアクチュエータ(空気圧によるソレノイド等)にも同じ空気圧を使用できるため、単純な構造とすることができる。
また別の実施例として、台車枠の左右の側梁に脱線転倒防止装置をそれぞれ取り付けることも想定される。
その場合は、台車枠の左右の側梁に、直接に脱線転倒防止装置が取り付けられる。ような形態では、取り付け位置が空気ばね下であるため、空気バネのパンク代を考慮しなくても良く、したがって、車体直接取り付けの場合より、車両限界上有利であり、よりレールから近い高さに取り付けることが可能である。
また台車枠に直接に脱線転倒防止装置が取り付けられる場合は、車輪と上記ストッパ部材の位置が近く、また同じ台車上に取り付けられることになるため、相対的な位置的なズレが発生しないから、車輪とストッパ装置でレールを拘束する場合において、より有効である。
しかし取り付け位置は、台車枠の側梁下の狭いスペースであるため、ストッパ下降機構の取り付けスペースが確保しにくい点が問題であり、また、脱線検知装置とストッパの駆動装置となる付勢装置や係止装置となるソレノイド等の装置の制御や動力源にかかわる装置が、ストッパ下降機構と一体化することが困難であり、装置とは別置きの車体取り付けとなる。
は、脱線転倒防止装置の配置を模式的に示す平面図。 は、脱線転倒防止装置の配置を模式的に示す側面図。 は、実施例の平面図。 は、実施例の側面図。 は、実施例の正面図。 は、車両脱線状態での車輪、レール、転倒防止装置のストッパ部材の関係を模式的に示す図。 は、脱線状態を示す従来技術説明用の台車部の断面模式図。
符号の説明
1:脱線転倒防止装置
2:矩形ブロック
3:そり状ストッパ部材
4:連結部材
5:案内軸受
6:案内軸
7:係止手段
8:ケーシング
9:係止ピン
10:ソレノイド
20:付勢手段
21:コイルばね
22:ブラケット
23:保持ピン
30:脱線検知装置
31:制御装置
A:空気ばね
R:レール
W:車輪
G:軸箱
S:ストッパ
B:台車

Claims (8)

  1. 軌道上を走行する鉄道車両の車輪が道床や路盤まで落下した脱線状態において、脱線状態においても概略レールにそって走行させることにより、車両の転倒やレールからの大きな逸脱を防止する装置であって、車両の脱線検知装置によって脱線を検知した時にストッパを瞬時に所定位置まで下降させ、下降した該ストッパ部材と車輪によって左右どちらかの片方のレールを挟み込んで車両を拘束する脱線転倒防止装置。
  2. 請求項1の脱線転倒防止装置の上記ストッパ機構は、支持部材とストッパ部材とからなり、当該ストッパ部材は上記支持部材のガイド部によって昇降自在に支持されており、上記ストッパ部材は付勢手段によって下方に付勢されていて、係止手段によって上記付勢手段の付勢力に抗して車両限界内の上方位置に保持されており、上記脱線転倒防止装置は脱線検知装置を備えており、当該脱線検知装置からの脱線検知信号に応答して上記係止手段による係止が外されて、上記付勢手段によって上記ストッパ部材が下方に駆動されるようになっている、脱線転倒防止装置。
  3. 上記支持部材が車体フレームの下面に直接取り付けられており、取り付け位置は台車近傍で、車両前後方向の台車間側である、請求項2の脱線転倒防止装置。
  4. 請求項3の脱線転倒防止装置において、上記ストッパ機構を構成する上記支持部材が車両横方向に長い水平断面形状が長方形の矩形ブロックであり、上記ストッパ機構を構成する上記ストッパ部材が上記矩形ブロックの左右両端部に支持されており、左右のストッパ部材が上記矩形ブロックの前後に昇降自在に配置された連結部材の左右両端に連結されている、鉄道車両の脱線転倒防止装置。
  5. 請求項4の高速鉄道車両の脱線転倒防止装置において、上記矩形ブロックの左右両端に案内軸受を設け、当該案内軸受に昇降自在に支持された案内軸の下端にストッパ部材が連結されており、上記案内軸受に上記係止手段が設けられており、当該係止手段で案内軸が係止されている、鉄道車両の脱線転倒防止装置。
  6. 請求項5あるいは請求項7の鉄道車両の脱線転倒防止装置において、上記付勢手段が上記矩形ブロックの前後にそれぞれ設けられた圧縮ばねであり、上記係止手段が係止ピンで構成されている、鉄道車両の脱線転倒防止装置。
  7. 請求項6の鉄道車両の脱線転倒防止装置において、上記係止手段が係止ピンであり、当該係止ピンがその案内軸に係脱自在に係合し、ストッパ部材が上昇位置に保持されている、鉄道車両の脱線転倒防止装置。
  8. ストッパ部材を下降させた場合あるいは、ストッパ部材を設置する場合において、動力によりまたは簡単な工具を使用して、上記付勢手段やストッパ部材の重量等に抗してストッパ部材を上昇させ、上昇位置で係止手段により固定する脱線転倒防止装置。
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