JP2695479B2 - 表面処理された無機粉末及び該粉末を含有する樹脂組成物 - Google Patents

表面処理された無機粉末及び該粉末を含有する樹脂組成物

Info

Publication number
JP2695479B2
JP2695479B2 JP1208468A JP20846889A JP2695479B2 JP 2695479 B2 JP2695479 B2 JP 2695479B2 JP 1208468 A JP1208468 A JP 1208468A JP 20846889 A JP20846889 A JP 20846889A JP 2695479 B2 JP2695479 B2 JP 2695479B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
inorganic powder
composition
resin
treated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1208468A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH037770A (ja
Inventor
浩一 岡田
育男 小村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP1208468A priority Critical patent/JP2695479B2/ja
Publication of JPH037770A publication Critical patent/JPH037770A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2695479B2 publication Critical patent/JP2695479B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dental Preparations (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は表面処理された無機粉末に関する。更に詳し
くは特定のジカルボン酸化合物を用いて表面処理がなさ
れた、金属元素を含有する無機粉末に関する。また更
に、該無機粉末が充填された樹脂組成物に関する。該組
成物は成型材料として、とりわけ歯科用材料として有用
である。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 無機粉末を樹脂材料と複合化するには、該粉末表面の
有機化処理が必要とされる。シランカツプリング剤はシ
リカ粉末の表面処理剤として極めて有効であり多用され
ているが、金属及びその酸化物、炭酸塩、硫酸塩等の金
属元素が含有される無機粉末に対しては、表面効果処理
が乏しい。
一方、特公昭60−3431号および特開昭61−162535号に
は、メタクリロイル基を有するカルボン酸化合物が金属
元素を含有する無機粉末の表面処理剤として有効である
ことが示されている。しかし、用途によつては上記両文
献に記載されているカルボン酸化合物を用いても、なお
表面処理効果が不充分な場合がある。
即ち、耐水性の要求が厳しい用途、例えば歯科用コン
ポジツトレジンや屋外に長時間暴露される複合材料のフ
イラーとして使用される場合には、フイラー/樹脂マト
リツクス間接着の経時的劣化が深刻であり、上記両文献
の技術を越える無機フイラーの表面処理技術を開発する
ことが重要な課題である。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記の課題を達成しようと、鋭意検討を
重ねた結果、特定の分子構造を有する重合性のジカルボ
ン酸化合物により表面処理した金属元素を含有する無機
粉末が上記問題を解決するものであることを見い出し、
本発明に至つた。
即ち本発明は下記の一般式(I) 〔但し、R1は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を示
し、R2はアルキレン基を示し、R3は水素原子、アルキル
基又は で示される基(但し、R4は水素原子、ハロゲン原子又は
メチル基であり、R5はアルキレン基である)を示し、X1
とX2は水酸基又はハロゲン原子を示す〕 で表されるジカルボン酸化合物またはその誘導体を用い
て表面処理された金属元素を含有する無機粉末である。
本発明はさらに、(a)(I)式で表現される化合物
を用いて表面処理された、金属元素を含有する無機粉末
と(b)樹脂より成る樹脂組成物を提供する。
本発明の無機粉末は金属元素を含有することを特徴と
するが、本発明にいう金属元素とは長周期型周期表にお
いてホウ素とアスタチンを結ぶ線を引き、それより左側
に位置する元素であり、但し水素及び該線上の元素であ
るB,Si,As,TeおよびAtを除く。これらの金属の中でも特
に歯科用途として有用なものとしては例えばAl,Mg,Ca,T
i,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Sr,Zr,Pd,Hg,Sn,Ba,Pt,Au,La等が
あげられる。
これらの金属元素は無機粉末中において、種々の存在
形態をとることができる。例えば最も一般的であるAl2O
3,ZnO,CaO,TiO2,ZrO2,La2O3,BaO,Fe2O3,SrO2等のような
酸化物をはじめとして、Al(OH)のような水酸化物、
CaF2のようなハロゲン化物、あるいはBaSO4やCaSO4のよ
うな硫酸塩、CaCO3のような炭酸塩、CaHPO4,Ca(H2P
O42,Ca3(PO42,Ca2P2O7,Ca(PO32,Ca4P2O9,Mg2P4
O12,Al(PO33,AlPO4等のリン酸塩のような種々の塩の
形態で含有されうる。
また、本発明の無機粉末は、これらの金属化合物が、
無機粉末中に単一成分として存在する場合の外、多成分
系となつたセラミツクス、鉱物の類いであつてもよい。
多成分系の場合は金属元素が複数存在することはもとよ
り金属元素以外の成分、例えば、SiO2,P2O5,B2O3,Si
3N4,SiC,B4C,BN等を含有することも許容される。これら
の例としては、K2O・TiO2,BaO,TiO2,CaO・Al2O3やジル
コン(SiO2−ZrO2系)、サイアロン(SiO2−Al2O3−S3N
4系)、Laガラスセラミツクス(La2O3−Al2O3−SiO
2系、たとえばShott GM31−684 )、Baガラス(BaO−A
l2O3−B2O3−SiO2系、たとえばShott GM27−884 、Sho
tt8235 、Ray−Sorb T−2000 、Ray−Sorb T−300
0 )、Srガラス(SrO2−Al2O3−SiO2系、たとえばShot
t GM32−087 、Ray−Sorb T−4000 )、さらにはバイ
オグラスとして知られている種々のCaO−P2O5含有結晶
化ガラスやヒドロキシアパタイトなどが挙げられる。さ
らにこれらの形態の他に金属そのものが粉末として用い
られる。この場合は金属は単体又は合金で用いられる。
なお、無機粉末が水と接触するかあるいは高湿度環境
下で使用される場合には、水に対して不溶性であること
が必須条件となる。なお本発明に言う不溶性とは、室温
の水に対する飽和溶解度が0.1重量%以下の溶解性と定
義する。
これらの無機粉末の形状については何ら制限はなく球
状、粉砕状、針状、ウイスカー、板状等、種々の形状の
もの及び大きさが目的にあわせて選ばれる。また、これ
らの無機粉末の粒径は特に制限されるものではないが通
常5nmないし0.5mmの範囲にあるものが好適に使用され
る。なおここでいう粒径とは1個の粉末粒子の最大径と
最小径との平均値をいう。
本発明の最大の特徴は上記の無機粉末を、一般式
(I)で示される重合性のジカルボン酸化合物またはそ
の誘導体で表面処理を行う点にある。
特開昭63−8407号には一般式(I)で示される化合物
が配合された接着剤が開示されているが、該化合物を無
機粉末の表面処理に応用する技術思想は全く示されてい
ない。本発明者らは該化合物が金属元素を含有する無機
粉末の表面処理剤として特に優れていることを見い出し
た。
一般式(I)の化合物においてR2はアルキレン基であ
れば何ら制限なく用いられるが、炭素数2〜30、更に4
〜20の範囲にあることが、無機粉末/樹脂マトリツクス
間の接着を強固で耐水性のあるものとする上で好まし
い。R3は水素原子又はアルキル基であれば何ら制限なく
用いられるが、アルキル基の場合は炭素数が1〜30、更
に1〜20の範囲にあることがR2と同様の理由で好まし
い。
上述のアルキレン基又はアルキル基を例示すると以下
の如くである。
R2のアルキレン基として CH2 、CH2 、CH2 CH2 、CH2 、CH2 10、CH2 11、CH2
12、CH2 20、CH2 30 等が挙げられ、R3のアルキル基として −CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3CH2 9CH3、CH2 19CH3、CH2 29CH3 等が挙げられる。
一般式(I)で示される化合物の具体例としては を挙げることができる。
上記の一般式(I)で示される化合物〔以下、化合物
(I)と称することがある〕を用いて、金属元素を含有
する無機粉末〔以下、無機粉末(A)と称することがあ
る〕の表面を改質する方法は、表面処理剤を用いた粉体
の表面処理方法として一般的に知られている方法により
行うことができ、湿式法と乾式法に大別することができ
る。
湿式法では無機粉末(A)及び化合物(I)を適量の
溶剤例えば水、アルコール、ヘキサン、ベンゼン、トル
エン、キシレン等へスラリー状に懸濁させ充分攪拌す
る。ただしこのとき使用する溶剤、反応温度、反応時間
等の条件の最適値は、無機粉末(A)と化合物(I)の
組み合せにより種々変化するが、当該分野の技術者なら
ば容易にそれを見い出し得る。所定の時間攪拌した後溶
剤を減圧留去、過あるいは凍結乾燥などの方法で除去
すると表面処理が完了する。
尚この場合処理工程のいずれかにおいて、加熱の工程
を経ることが望ましい。加熱は無機粉末(A)、化合物
(I)および溶剤からなるスラリーを攪拌している時、
あるいは溶剤を溜去しながら行う場合が考えられる。溶
媒を溜去後さらに加熱する場合もある。特に溶剤との懸
濁状態において加熱すると分散性が向上し、フイラー表
面がむらなく表面処理される。加熱温度は50℃〜150℃
の範囲が望ましく、50℃より低いと加熱効果が乏しく、
150℃を越えると重合性二重結合が反応を起こす恐れが
ある。
また該化合物(I)のアルカリ金属塩やアンモニウム
塩等を用いて前記の湿式処理方法により脱塩反応で無機
粉末(A)の表面と反応させることもある。
乾式法では無機粉末(A)をヘンシエルミキサーやリ
ボンブレンダー等の混合機に入れ攪拌しながら化合物
(I)をそのまま、もしくは適当な溶剤に希釈してスプ
レー添加する。この時、加熱しながら攪拌することが望
ましい。この方法は大量の無機粉末を処理するのに適し
ている。
前記処理法のいずれにおいても無機粉末(A)に対し
て使用する化合物(I)の量は無機粉末(A)の表面の
大半を化合物(I)の単分子膜で被覆しうる量以上の量
が好ましい。この量はBET法等により測定された無機粉
末(A)の比表面積の値から推定することが可能であ
る。たとえば、無機粉末(A)の粒径が小さくなればな
るほど化合物(I)の必要量は増加する。本発明におい
て、無機粉末(A)100重量部に対して0.1〜100重量部
が用いられる。ただし、化合物(I)の最適使用量は得
られる組成物の所望の物性が最大となるように実験に基
づいて決定される。
尚、無機粉末(A)に対する化合物(I)の付着量
は、表面処理された無機粉末(A)の元素分析、赤外分
析などにより推定することができる。
ところで、無機粉末と樹脂からなる組成物においては
樹脂中に化合物(I)を所定量混合しておいて、その中
へ表面処理を施していない無機粉末(A)を練り込ん
で、組成物を得る手法も考えられる。
しかし、この手法は、予め表面処理を施した無機粉末
(A)を用いる本発明の方法に比して、フイラーの分散
性、フイラーの樹脂中への充填量、得られた組成物の機
械的強度の点において劣り望ましくない。
次に本発明の樹脂組成物について説明する。上記のよ
うな方法により表面改質された本発明の無機粉末及び樹
脂より成る本発明の組成物において、用いられる樹脂と
しては例えばポリエチエン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフイン系樹脂、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリアセタール、ABS樹脂等の
一般の熱可塑性樹脂があげられる。この場合一般の混練
機を用いて該樹脂を溶融状態にした後、本発明の無機粉
末を加えて混練、成型される。
またさらには、本発明の無機粉末は樹脂としての重合
性単量体と混練されて、重合性組成物として提供され
る。この場合用いられる重合性単量体は組成物の用途に
応じて適宜選択されるが、表面処理剤として用いた化合
物(I)と共重合しうるものが用いられ、通常(メタ)
アクリレート系モノマー〔(メタ)アクリレートの表記
はメタクリレートとアクリレートの両者を意味する〕が
用いられる。
これら以外にもα−シアノアクリル酸、クロトン酸、
桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸等のカル
ボン酸の1価または2価アルコールとのエステル類、さ
らにN−イソブチルアクリルアミドのような(メタ)ア
クリルアミド類、酢酸ビニルなどのようなカルボン酸の
ビニルエステル類、ブチルビニルエーテルのようなビニ
ルエーテル類、N−ビニルピロリドンのようなモノ−N
−ビニル化合物、スチレン誘導体なども用いうる。
(メタ)アクリレート系モノマーの例としてはメチル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、等の
単官能性(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ
(メタ)アクリレート、ビスフエノールAジ(メタ)ア
クリレート、2,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ
ポリエトキシフエニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)フエニル〕プロパン(Bis−GMAと称することがあ
る)等の2官能性(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能性(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート1モルとグリセリンジ(メタ)アクリ
レート2モルとの付加物等の4官能性(メタ)アクリレ
ートをあげることができる。これらの単官能及び多官能
(メタ)アクリレートは単独または2種以上を混合して
用いられる。
本発明の組成物においては、表面改質された無機粉末
(A)と樹脂との混合割合は用途により大きく変わる
が、通常は樹脂1重量部に対し表面改質された無機フイ
ラー(A)は0.01重量部ないし100重量部の範囲にあ
る。
本発明の組成物においては、無機粉末(A)の他に、
更に必要に応じて他の粉末を添加することも可能であ
る。該粉末は無機物、有機物いずれであつてもよく、無
機粉末としては例えば石英、無定形シリカ、硼珪酸ガラ
スなどシリカを主成分とする無機粉末が挙げられる。こ
れらの粉末はシランカツプリング剤で予め表面処理を行
つてから用いられる。一方、有機粉末としてはポリメチ
ルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の
ポリマー粉末や特開昭56−49311号に開示されるような
有機−無機複合粉末を挙げることができる。
樹脂として重合性単量体が用いられた場合の本発明の
組成物は、これを100℃以上に加熱するか、あるいは電
子線を照射する等の外部からエネルギーを加える操作を
行うことにより、重合硬化させ成形物に転換されうる
が、通常重合開始剤を添加することにより重合硬化を容
易ならしむる場合が多い。
本発明で用いる重合開始剤は、特別な制約はなく、公
知のいずれのものであつても良いが、通常重合性単量体
の重合性と重合条件を考慮して選択を行う。例えば(メ
タ)アクリレートを加熱重合する場合には、ベンゾイル
パーオキサイド(BPOと称する)、クメンハイドロパー
オキサイドなどの有機過酸化物、2,2−アゾビスイソブ
チロニトリルなどの化合物が好適に用いられる。
一方、常温重合を行う場合には、ベンゾイルパーオキ
サイド/ジメチルアニリン系、有機スルフイン酸(また
はその塩)/アミン/過酸化物系などの酸化−還元系開
始剤の他トリブチルボラン、有機スルフイン酸なども好
適に用いられる。
他方、可視光線照射による光重合を行なう場合には、
α−ジケトン/第3級アミン、α−ジケトン/アルデヒ
ド、α−ジケトン/メルカプタンなどの光重合開始剤系
が好ましい。α−ジケトンとしてはカンフアーキノン、
2,3−ペンタンジオン、ベンジルなど、第3級アミンと
してはN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N
−ジメチルアミノ安息香酸エチルなど、アルデヒドとし
てはラウリルアルデヒド、p−オクチルオキシベンズア
ルデヒドなど、メルカプタンとしては、チオサリチル
酸、2−メルカプトベンゾキサゾールなどを挙げること
ができる。更に、これらの光重合開始剤系に有機過酸化
物を添加したα−ジケトン/有機過酸化物/還元剤の系
も好適に用いられる。紫外線照射による光重合を行う場
合は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフエニルホスフ
インオキサイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンジル
ジメチルケタール、2−メチルチオキサントンなどの他
上記可視光線の光重合開始剤も好適に用いられる。
これらの重合開始剤の添加量は、重合性単量体に対し
て0.01〜10%の範囲が適量である。
(実施例) 次に本発明を実施例により説明するが、本発明はかか
る実施例に限定されるものではない。
実施例1 平均粒径0.9μm、BET比表面積5.4m2/gであるアルミ
ナ粉末(AL−160SG−4、昭和電工)50g、ベンゼン200m
l及び表面処理剤として、下記の構造式 (11,11−ジカルボキシウンデシルメタクリレート)で
示される化合物3gをフラスコに入れ攪拌しながら80℃で
2時間加熱還流を行つた。放冷後、懸濁液からアルミナ
粉末を別し、これを12時間真空乾燥した後さらに90℃
で2時間空気中で加熱し、表面処理されたアルミナ粉末
(フイラーAと称する)を得た。この粉末の元素分析を
行うと灰分として99.22%が残り0.78%の可燃成分が認
められた。また該粉末を拡散反射法FT赤外吸収スペクト
ルを測定し、表面処理前後の差スペクトルを求めたとろ
1720cm-1にメタクリル基のカルボニル基に由来するピー
クを、また2920cm-1及び2850cm-1にC−H結合に由来す
るピークを認め、粉末表面に上記化合物が吸着している
ことが確かめられた。
実施例2 平均粒径0.02μm、BET比表面積100m2/gのアルミナ微
粉末(アルミニウムオキサイドC、日本アエロジル)50
g、表面処理剤として11,11−ジカルボキシウンデシルメ
タクリレート15g及びベンゼン500mlの懸濁液を80℃で3
時間加熱還流した。放冷後遠心分離により粉末を回収
し、24時間真空乾燥の後空気中でさらに90℃で2時間熱
処理し、表面処理されたアルミナ微粉末(フイラーBと
称する)を得た。この粉末の元素分析を行うと灰分が8
7.4重量%であり、従つて12.6重量%の上記表面処理剤
が粉末表面に吸着していることが判明した。
実施例3 銅粉末(300メツシユ・パス、三津和化学)100g、表
面処理剤として11,11−ジカルボキシウンデシルメタク
リレート1g及びベンゼン200mlの懸濁液を80℃で2時間
加熱還流した。放冷後遠心分離により粉末を回収し、ト
ルエンを減圧溜去して表面処理された銅粉末を回収し
た。
実施例4 2,2−ビス〔メタクリロイルオキシポリエトキシフエ
ニル〕プロパン(分子内にエトキシ基が平均2.6個存在
するもの)35重量部、2,2,4トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート1モルとグリセリンジメタクリレート
2モルとの付加物40重量部、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート25重量部及び過酸化ベンゾイル1重量部
を混合し重合性単量体組成物を得た。この組成物30重量
部と、実施例1で得られたフイラーA70重量部を混合練
和し、重合性の樹脂組成物(ペースト)を得た。
この組成物を用いて以下の評価を行つた。
(i) 稠度 重合性単量体に対して濡れの良いフイラーほど、重合
性単量体中への分散性に優れ、その粘性は柔らかい。従
つて粘性の指標として稠度を測定すれば、表面処理の良
否を判断することができる。本実験では以下の方法で測
定した値を稠度とした。即ち、0.5mlのペーストを秤り
取り、これをガラス板(5×5cm)の中心に盛り上げる
ように静置した。次に、その上に40gの荷重のかかつた
ガラス板(5×5cm)を静かに乗せ120秒経過後に展延さ
れたペーストの長径と短径をガラス板越しに測定し、そ
の両者の算術平均値をもつて稠度とした。第1表にその
値を示すが、これは3回繰り返した測定の平均値であ
る。
(ii) 曲げ強度 重合硬化した樹脂マトリツクスとフイラーとの接着強
さの指標として、曲げ強度の測定を行つた。まず、上記
ペーストを2×2×30mmの金型に填入し、100℃で1時
間加熱して硬化させてから型から取り出し角柱状の試験
片を得た。この試験片を37℃の空気中で1日保存してか
ら、インストロン万能試験機を用いて3点曲げ試験(両
末端支点間距離=20mm、クロスヘツド・スピード=1mm/
min)を行つた。第1表に示した結果は10個の測定値の
平均値である。
(iii) 曲げ強度の耐水性 耐水性材料にあつては、湿潤下における機械的強度の
維持は最重要課題である。第ii項の要領で作成した曲げ
試験片を70℃水中に10日間浸漬し、劣化を加速してから
曲げ強度を測定した。第ii項で述べた初期曲げ強度と比
較することにより、耐水性の良否を判断することができ
る。10個の試験片の平均値を第1表に示した。
実施例5〜11 実施例1において用いた化合物のかわりに第1表に示
す化合物を用いて実施例1と同一の方法で表面処理を行
つたアルミナ粉末を得た。該アルミナ粉末を用いて実施
例4の方法に従つて樹脂組成物を調製し、その稠度と曲
げ強度を評価し、その結果を第1表に示した。
比較例1 実施例1で使用したアルミナ粉を表面処理せずにフイ
ラーとして用いて実施例4と同一の組成物を調製し、そ
の稠度と曲げ強度を評価した。結果を第1表に示した。
比較例2、3 第1表に示した化合物を用いて実施例1の方法に従つ
て表面処理されたアルミナ粉末を得た。該アルミナ粉末
を用いて実施例4と同一の組成物を調製し、その稠度と
曲げ強度を評価した。結果を第1表に示した。
比較例4 実施例4で用いた重合性単量体組成物30重量部へ11,1
1−ジカルボキシウンデシルメタクリレート0.55重量部
を混合し、これに表面処理が施されていないアルミナ粉
末(AL−160SG−4)69.45重量部を加えて混合練和し、
ペーストを調合し実施例4の方法に従つて稠度および曲
げ強度を測定した結果を第1表に示した。実施例4で得
られた組成物と比較すると稠度と曲げ強度共に劣つてい
る。
実施例12〜17 第2表に示した6種類の無機粉末に対して実施例1の
条件で表面処理を行つた。得られた粉末と実施例4で調
合した重合性単量体組成物を第2表に示した比率で練り
合せて得た組成物について、稠度と曲げ強度を実施例4
の方法に従つて測定し、その結果を第2表に示した。
比較例5〜10 第2表に示した6種類の無機粉末を表面処理なしで用
いて実施例11〜16に相当する組成物を調製し、その稠度
と曲げ強度を実施例4の方法に従つて測定し、結果を第
2表に示した。
実施例18 Shott社製La−ガラスセラミツクス(GM 31−684)を
振動ボールミルで粉砕し粒径の範囲が0.1〜20μm、平
均粒径が2.8μmの粉末を得た。該粉末100重量部に対し
2重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランを用いて常法に従つて表面処理を行いガラスフイラ
ー(フイラーCと称する)を得た。
一方、実施例4と同一の重合性単量体組成物(過酸化
ベンゾイルを含まない)を調合し、100重量部当り0.5重
量部の2,4,6−トリメチルベンゾイルジフエニルホスフ
インオキサイドを光重合開始剤として添加して重合性組
成物を得た。該組成物100重量部に実施例2のフイラーB
180重量部とフイラーC500重量部を練り込んで、光硬化
性樹脂組成物を得た。該組成物をキセノンランプ光(ク
ルツアー社製デンタカラーXS)を90秒間照射して硬化さ
せた後、更に120℃で30分間加熱して重合を完結させた
硬化物について、曲げ強度、圧縮強度およびプリネル硬
度を測定し、結果を第3表に示した。
(発明の効果) 本発明の表面処理された無機粉末は、公知技術に比
べ、より効果的に表面処理がなされており、樹脂中に練
り込んだ際に分散性が優れているため、より多量の粉末
をフイラーとして填入することが可能である。得られた
樹脂組成物(複合材)は機械的強度に優れ、湿潤下にお
いてもその低下は少ないという特長を有する。
本発明の無機粉末は各種樹脂材料のフイラーとして有
用であり、本発明の樹脂組成物はコート材、電磁波シー
ルド材、印刷インク、接着剤、歯科用材料、整形外科用
材料として価値が高い。特にラジカル重合性単量体を樹
脂に選ぶと高強度の歯科用修復材料を得ることができ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式 〔但し、R1は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を示
    し、R2はアルキレン基を示し、R3は水素原子、アルキル
    基又は で示される基(但し、R4は水素原子、ハロゲン原子又は
    メチル基であり、R5はアルキレン基である)を示し、X1
    とX2は水酸基又はハロゲン原子を示す〕 で表されるジカルボン酸化合物またはその誘導体を用い
    て表面処理された、金属元素を含有する無機粉末。
  2. 【請求項2】(a)下記の一般式 〔但し、R1は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を示
    し、R2はアルキレン基を示し、R3は水素原子、アルキル
    基又は で示される基(但し、R4は水素原子、ハロゲン原子又は
    メチル基であり、R5はアルキレン基である)を示し、X1
    とX2は水酸基又はハロゲン原子を示す〕 で表されるジカルボン酸化合物又はその誘導体を用いて
    表面処理された、金属元素を含有する無機粉末及び (b)樹脂 より成ることを特徴とする樹脂組成物。
JP1208468A 1989-03-16 1989-08-10 表面処理された無機粉末及び該粉末を含有する樹脂組成物 Expired - Fee Related JP2695479B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1208468A JP2695479B2 (ja) 1989-03-16 1989-08-10 表面処理された無機粉末及び該粉末を含有する樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-65459 1989-03-16
JP6545989 1989-03-16
JP1208468A JP2695479B2 (ja) 1989-03-16 1989-08-10 表面処理された無機粉末及び該粉末を含有する樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH037770A JPH037770A (ja) 1991-01-14
JP2695479B2 true JP2695479B2 (ja) 1997-12-24

Family

ID=26406602

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1208468A Expired - Fee Related JP2695479B2 (ja) 1989-03-16 1989-08-10 表面処理された無機粉末及び該粉末を含有する樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2695479B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1101484B1 (en) 1999-11-17 2007-01-10 Kabushiki Kaisha Shofu Dental fillers
EP2679633A4 (en) * 2011-02-24 2017-03-22 Toray Industries, Inc. Polylactic acid-based film
ES2458223T3 (es) 2011-06-20 2014-04-30 Imerys Minerals Limited Métodos y composiciones relacionadas con el reciclaje de residuos poliméricos

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56136865A (en) * 1980-03-28 1981-10-26 Kanebo Ltd Adhesive composition for hard living tissue
JPS603431B2 (ja) * 1980-12-24 1985-01-28 株式会社 白石中央研究所 表面改質無機充填剤
JPH0684488B2 (ja) * 1986-06-27 1994-10-26 株式会社トクヤマ 接着性被膜形成材

Also Published As

Publication number Publication date
JPH037770A (ja) 1991-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5192815A (en) Dental restorative material
JP2702694B2 (ja) 圧縮応力または剪断応力下で流動性の微粒化重合性組成物
EP0333503B1 (en) Curable resinous composition
US6787629B2 (en) Dental resin materials, method of manufacture, and uses thereof
US4389497A (en) Use of agglomerates of silicic acid as fillers in dental materials
US4762863A (en) Photopolymerizable dental composition containing a hexafunctional urethane methacrylate based on isocyanuric acid
JP2925155B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
WO2019004391A1 (ja) 2ペースト型歯科用硬化性組成物
CN111228124A (zh) 快速固化和低收缩应力的可光聚合牙科复合材料
JP2019094276A (ja) 2ペースト型歯科用硬化性組成物
EP0295627B1 (en) Photopolymerizable dental composition
JP5892942B2 (ja) 歯科用組成物
US9296891B2 (en) Dental resin materials, method of manufacture, and uses thereof
JP2695479B2 (ja) 表面処理された無機粉末及び該粉末を含有する樹脂組成物
JPH0567656B2 (ja)
JP2695467B2 (ja) 表面処理された無機粉末
JP4798680B2 (ja) 歯科用硬化性組成物
JP2629049B2 (ja) 表面処理された無機粉末及び該粉末を含有する樹脂組成物
EP0289990B1 (en) Photopolymerizable dental composition
JP2013512933A (ja) 歯科用組成物
WO1994009748A1 (en) Command-curable composition
JP2656162B2 (ja) 硬化性組成物
WO2023106419A1 (ja) 歯科用硬化性組成物
JP7261555B2 (ja) 接着性を向上させた歯科切削用レジン硬化体
WO2022270601A1 (ja) 歯科用接着キット

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees