JP2695442B2 - ポリアミドイミドエラストマー - Google Patents

ポリアミドイミドエラストマー

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JP2695442B2 JP63176569A JP17656988A JP2695442B2 JP 2695442 B2 JP2695442 B2 JP 2695442B2 JP 63176569 A JP63176569 A JP 63176569A JP 17656988 A JP17656988 A JP 17656988A JP 2695442 B2 JP2695442 B2 JP 2695442B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた耐熱性、力学的性質を有すると共に
低温特性、耐油性においても優れた性能を有するポリア
ミドイミドエラストマーに関する。
〔従来の技術〕
ある種のホスホレン化合物を触媒として用いることに
より、有機イソシアネートと有機カルボン酸及び有機カ
ルボン酸無水物からなる群から選択される成分との反応
により、ポリアミド、ポリイミド又はポリアミド−イミ
ド樹脂を形成させることが提案されている(例えば米国
特許第4,156,065号、米国特許第4,078,481号)。この反
応を利用し、高分子ジカルボン酸及び芳香族ジイソシア
ナートよりハードセグメントに芳香環を含む射出成形可
能なポリエステルポリアミドエラストマーが米国特許第
4,129,715号により提案された。該ポリエステルポリア
ミドエラストマーは耐熱性、耐油性及び低温特性が優れ
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のポリエステルポリアミド共重合体は以上のよう
な選れた性能を有する反面、ポリウレタンエラストマー
に比べ力学的性能に劣る。
本発明の目的は従来のポリエステルポリアミド共重合
体の本来有する耐熱性、耐油性、低温特性等の優れた性
質を損うことなくポリウレタンエラストマーに匹敵する
力学的性能を有するポリアミドイミドエラストマーを提
供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意検討し
た結果、ポリエステルポリアミド共重合体における高融
点ハードセグメントを形成する炭素数4〜18のジカルボ
ン酸の一部又は全部を特定構造のジイミドジカルボン酸
で代替することにより、驚くべきことにポリウレタンエ
ラストマーと同程度あるいはそれ以上の力学的性能を有
するポリアミドイミドエラストマーが得られることを見
出し本発明を完成するに至つた。
即ち、本発明は、 下記の構造単位(I)、(II)及び必要により(II
I)からなり、 (ここでSは数平均分子量500〜10,000の両末端にカル
ボキシル基を有するポリエステル及びポリカーボネート
から選ばれる少なくとも1種の高分子ジカルボン酸から
カルボキシル基を除いた2価の基を示し、前記ポリエス
テルが炭素数4〜18の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜
20の脂肪族ジオールとを重縮合させて得られるポリエス
テルであり、前記ポリカーボネートがカーボネート化合
物と炭素数2〜20の脂肪族ジオールとを重縮合させて得
られるポリカーボネートである。R1は4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアナート及び/又はトリレンジイソシ
アナートからイソシアナート基を除いた2価の基、R2
炭素数4乃至18の脂肪族ジカルボン酸からカルボキシル
基を除いた2価の基、並びにZは4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミ
ン、トリレンジアミン、ジフェニルジアミノエーテル、
イソホロンジアミン、4,4′−ジシクロヘキシルメタン
ジアミン、シクロヘキサンジアミン及び炭素数6〜24の
脂肪族ジアミンから選ばれる少なくとも1種のジアミン
からアミノ基を除いた2価の基を示す。) 単位(I)は6乃至98モル%、単位(II)と単位(II
I)の和は2乃至94モル%、単位(II)と単位(III)の
モル比は20/80乃至100/0(0を含む)で存在し、数平均
分子量が5,000以上であるポリアミドイミドエラストマ
ーである。
本発明において用いられる高分子ジカルボン酸は本発
明のポリアミドイミドエラストマーのソフトセグメント
を構成するものである。本発明でいう「高分子ジカルボ
ン酸」とは両末端にカルボキシル基を有する重合体を意
味するものである。
高分子ジカルボン酸としては、例えば両末端にカルボ
キシル基を有するポリエステル、ポリカーボネートを単
独又は混合して使用することが可能である。
これらの高分子ジカルボン酸は例えばジカルボン酸の
過剰量(その量は所望の最終分子量によつて決まる。)
を低分子ジオールまたは重合体状ジオールと反応させる
ことにより得られる。
高分子ジカルボン酸を得る際、上記の低分子ジオール
や重合体状ジオールと反応させるために過剰に使用され
るジカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン
酸、1,10−デカンジカルボン酸等の炭素数4〜18の脂肪
族ジカルボン酸が挙げられる。これらのジカルボン酸は
単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよ
い。
低分子ジオールとしては、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3
−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジ
オール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエ
チル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナ
ンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,1
0−デカンジオール等炭素数2〜20の脂肪族ジオールが
挙げられ、これらは2種以上を混合して使用することが
できる。
重合体状ジオールとしては、例えば、数平均分子量が
300〜8,000のポリエステルジオール、ポリカーボネート
ジオールが挙げられる。
ポリエステルジオールとしては、コハク酸、メチルコ
ハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、スベリン酸、2−メチル−1,8−スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバチン酸、1,10−デカンジカルボン酸等
炭素数4〜18の脂肪族ジカルボン酸の一種または二種以
上を、エチレングリコール、プロピレングリコール等の
前記の低分子ジオールの一種または二種以上と重縮合さ
せることにより得られる。
ポリカーボネートジオールは、例えばジフエニルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物
と、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ジエチレン
グリコール等の前記した低分子ジオールの一種または二
種以上を重縮合させることによつて得られる。
なお、末端をカルボキシル基とする方法については前
記のような方法に制限されるものでなく、公知のあらゆ
る方法が適用可能である。たとえば重合体状ジオールを
無水コハク酸等の酸無水物と加熱反応させることにより
末端カルボキシル基に変えることもできる。
本発明で使用される高分子ジカルボン酸の数平均分子
量は500〜10,000であり、500より小さくなると耐熱性、
ゴム弾性、低温特性が低下する。一方10,000より大きく
なると力学的性質が低下する。本発明において特に力学
的性質、耐熱性、耐油性を重視する場合、高分子ジカル
ボン酸が数平均分子量800〜5,000の両末端カルボキシル
基のポリエステルあるいはポリカーボネートであるのが
好ましい。
本発明においては、高分子ジカルボン酸として、その
分子内に側鎖を有する重合体を使用した場合、力学的性
能を十分に保持したままで、特に、弾性回復性を向上さ
せることが可能である。側鎖を有する高分子ジカルボン
酸は、前記の低分子ジオールやジカルボン酸として側鎖
を有するものを選択することにより製造が可能である。
優れた弾性回復性を得るために必要な側鎖を有する低分
子ジオールやジカルボン酸の量は、使用する低分子ジオ
ールやジカルボン酸の種類や組み合せによつて広く変化
する。
例えば、高分子ジカルボン酸として側鎖を有するポリ
エステルを製造する場合、側鎖を有する低分子ジオール
(Aモル)及び側鎖を有するジカルボン酸(Bモル)と
直鎖の低分子ジオール(Cモル)及び直鎖のジカルボン
酸(Dモル)の使用割合〔(A+B)/(A+B+C+
D)〕×100(%)は5%以上100%以下の範囲が好まし
く、特に好ましくは15%以上100%以下である。
また、高分子ジカルボン酸として、側鎖を有するポリ
カーボネートを製造する場合、側鎖を有する低分子ジオ
ール(Gモル)と直鎖の低分子ジオール(Hモル)の使
用割合〔G/(G+H)〕×100(%)は5%以上100%以
下の範囲が好ましく、特に好ましくは15%以上100%以
下である。
本発明においては、高分子ジカルボン酸としては前述
の通りポリエステルを使用することが好ましいが、側鎖
を有するポリエステルを製造する際には、その低分子ジ
オール成分として下記の構造を有するジオールが好まし
く使用される。
(式中、R、R′は同一又は異なる炭素数1〜4のアル
キル基) 特に低温特性・耐加水分解性・可撓性が要求されると
きは3−メチル−1,5−ペンタンジオールあるいは2−
メチル−1,8−オクタンジオールが好ましく使用され、
耐熱性が要求されるときはネオペンチルグリコール、2,
2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等のジオールが好
ましく使用される。
本発明で使用される有機ジイソシアナート化合物とし
ては、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、ト
リレンジイソシアナートが挙げられる。
本発明で用いられる一般式(IV): (式中、Zは4,4′−ジアミノジフェニルメタン、フェ
ニレンジアミン、キシリレンジアミン、トリレンジアミ
ン、ジフェニルジアミノエーテル、イソホロンジアミ
ン、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジアミン、シクロ
ヘキサンジアミン及び炭素数6〜24の脂肪族ジアミンか
ら選ばれる少なくとも1種のジアミンからアミノ基を除
いた2価の基を示す。)で示される化合物はジイミドジ
カルボン酸であり、例えば、Die Angewandte Makromole
kulare Chemie 19巻1971年発行121頁より134頁のAbajo
の論文に見られるように2等量の無水トリメリット酸と
対応する等量のジアミンとを反応させることにより容易
に得ることができる。ここでジアミンとしては例えば4,
4′−ジアミノジフエニルメタン、フエニレンジアミ
ン、キシリレンジアミン、トリレンジアミン、ジフエニ
ルジアミノエーテル等の炭素数6〜24の芳香族ジアミ
ン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,9−ノナメチレン
ジアミン、イソホロンジアミン、4,4′−ジシクロヘキ
シルメタンジアミン、シクロヘキサンジアミン等の炭素
数が6〜24の脂肪族または脂環式ジアミンが挙げられ
る。これらのジアミンは単独でも混合しても用いること
ができる。
本発明において用いられる炭素数4乃至18の脂肪族ジ
カルボン酸としては例えばコハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカ
ルボン酸が挙げられる。
本発明においては、特に炭素数6〜16の脂肪族ジカル
ボン酸が好適な例として挙げられ、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバチン酸、1,10−デカンジカルボン酸がより
好ましく用いられ、これらのジカルボン酸は単独でも混
合しても用いることができる。
本発明で用いられる高分子ジカルボン酸(a)及び一
般式(IV)で示されるジイミドジカルボン酸(c)及び
炭素数4〜18の脂肪族ジカルボン酸(d)の総モル数は
本発明で用いられる有機ジイソシアナート(b)のモル
数に等しい。また(a)、(b)、(c)及び(d)の
合計を100モル%とした場合、(a)は3乃至49モル
%、(c)+(d)は1乃至47モル%であり(c)と
(d)のモル比((c)/(d))は100/0乃至20/80で
ある。(a)の含有量は使用する高分子ジカルボン酸の
分子量により巾広く変化し得るが、更に好ましい(a)
の含有量は7乃至35モル%である。(a)の含有量が少
な過ぎるとエラストマーの性質を示しにくくなり一方多
過ぎると耐熱性が発現しにくくなる。また(a)、
(c)及び(d)の合計モル数に対して(a)のモル数
は10乃至90モル%であることが好ましい。
更に、本発明において(c)と(d)のモル比は
(c)/(d)で20/80未満では力学的性能に劣るので
好ましくない。更に好ましいモル比は30/70乃至100/0、
特に好ましくは50/50乃至100/0である。特に優れた力学
的性能及び耐熱性を要求される場合には(c)の構造単
独、つまり、モル比100/0が最も好ましい。
本発明のポリアミドイミドエラストマーの製造は触媒
の存在下において行なう事ができる。製造に際しては、
イソシアナート基とカルボン酸基及び酸無水物基の間の
反応用の当業界に既知の任意の触媒を使用できる。好ま
しい触媒としては1−フエニル−2−ホスホレン−1−
オキシド、1−メチル−2−ホスホレン−1−オキシ
ド、1−フエニル−2−ホスホレン−1−スルフイド、
1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチ
ル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−フエニル−2
−ホスホレン−3−メチル−1−オキシド等が挙げられ
る。
本発明においては、有機ジイソシアナート、高分子ジ
カルボン酸、一般式(IV)で示されるジイミドジカルボ
ン酸及び炭素数4〜18の脂肪族ジカルボン酸の反応をお
こなうとアミド結合が生成する。これらの生成反応は不
活性有機溶剤の存在で無水条件下で必要な反応体と触媒
を混合して行なうことも可能であるし、また、不活性有
機溶媒の不存在下に加熱混合する溶融重合法を適用する
ことも可能である。ここで不活性有機溶媒とは、反応条
件下で不活性な、すなわち、反応体または触媒のいずれ
とも反応せず所望の反応進行を著しい程度には妨害しな
い有機溶剤を意味する。この様な不活性有機溶媒の例と
してはトルエン、キシレン、テトラリン、ヘキサン、テ
トラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テト
ラメチレンスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチル
ホスホルアミド、ジオキサン等が挙げられる。
また反応温度は20〜320℃の広い範囲にわたつて実施
可能であるが反応速度及び分解温度の点より100〜290℃
の範囲内が有利である。
本発明の製造方法により得られるポリアミドイミドエ
ラストマーの数平均分子量5,000〜250,000が好ましく、
特に好ましくは20,000〜200,000である。数平均分子量
が小さ過ぎると強度特性、耐屈曲性、耐摩耗性が劣り、
一方数平均分子量が大きすぎると成形加工性が低下す
る。
また、本発明の製造方法により得られるポリアミドイ
ミドエラストマーは耐熱性、力学的性能、低温特性、耐
油性等の優れた性能を生かして通常用いられる射出成形
機、押出成形機、ブロー成形機などで容易に成形されシ
ート、フイルム、チユーブ、ホース、ロールギア、パツ
キング材、防音材、防振材、ブーツ、ガスケツト、ベル
トラミネート製品、被覆材、その他の各種自動車部品、
工業機械部品、スポーツ用品等に使用される。その他各
種極性溶剤に溶解して接着剤、コーテイング剤、バイン
ダー、塗料等としても使用できる。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。なお実
施例中「部」は「重量部」を表わし引張強度はDMF溶液
でキヤストした100μmのフイルムをダンベルで打抜い
て測定した。耐熱老化性は、厚さ100μmのフイルムを
ギアオーブン中180℃で7日間保持した後の引張強度を
測定し保持率で評価した。動的粘弾性は、100μmのフ
イルムで試験片を作り、東洋ボールドウイン社製動的粘
弾性測定器バイブロンModel DDV−II(110HZ)によりお
こなつた。
〔実施例〕
合成例1 反応器に3−メチル−1,5−ペンタンジオール1180部
(10.0モル)、アジピン酸1640部(11.23モル)を仕込
み撹拌下150℃でエステル化反応を開始した。約3時間
を要して200℃まで徐々に昇温しエステル化反応を終了
した。この段階で水が留出した。ついで系内を徐々に減
圧しながら反応を追い込み末端水酸基がほぼなくなつた
ところで反応を終了し、両末端カルボキシル基のポリエ
ステルAを得た。その結果、酸価が56KOH mg/gであり酸
価より求めた平均分子量は2,000であつた。
合成例2 合成例1において、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ールの代わりに2−メチル−1,8−オクタンジオールと
1,9−ノナンジオールの混合物(モル比50/50)を用いる
こと以外は合成例1と同様にして分子量1,800の両末端
カルボキシル基のポリエステルBを得た。
合成例3 反応器に2−メチル−1,8−オクタンジオールと1,9−
ノナンジオールの混合物(モル比35/65)1,740部(10.8
8モル)およびジフエニルカーボネート2,140部(10.0モ
ル)よりなる混合物を仕込み撹拌下加熱し190℃で反応
系よりフエノールを留去した。温度を徐々に210〜220℃
に上げ、フエノールをほとんど留去させたあと、6〜10
mm Hgの真空下で残りのフエノールを完全に留去し、白
色固体の両末端水酸基のポリカーボネートが得られた。
この両末端水酸基のポリカーボネート1,000部を80℃に
加熱し、ついで無水コハク酸90部を加え6時間反応させ
両末端カルボキシル基のポリカーボネート(C)を得
た。その結果、酸価は56KOH mg/gであり、酸化より求め
た平均分子量は2,000であつた。
合成例4 4,4′−ジアミノジフエニルメタン100部(0.504モ
ル)および無水トリメリット酸232部(1.208モル)をm
−クレゾール800gに溶解し窒素ガス吹き込み下に室温か
ら徐々に温度を上げ、180℃で5時間かきまぜた。イミ
ド化による黄色沈殿が析出し、反応により生成する水は
系外に留去した。冷却後沈殿を別しアセトンで十分洗
浄した後減圧下で乾燥した。91%の収率でビス〔(4−
カルボキシ)フタルイミド〕−4,4′−ジフエニルメタ
ン(以下ジイミドジカルボン酸Dと略す)を得た。
合成例5 合成例4において、4,4′−ジアミノジフエニルメタ
ンの代わりに1,9−ノナンジアミンを用いること以外は
合成例4とほぼ同様にしてビス〔(4−カルボキシ)フ
タルイミド〕−1,9−ノナン(以下ジイミドジカルボン
酸Eと略す)を得た。
実施例1 窒素雰囲気下1の反応器に合成例1で得られたポリ
エステルA80部(0.04モル)、ジイミドジカルボン酸D2
1.84部(0.04モル)テトラメチレンスルホン350部及び
1−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド0.06部の混
合物を仕込み撹拌しながら200℃に加熱した。さらに4,
4′−ジフエニルメタンジイソシアナート20部(0.08モ
ル)を加え3時間反応させた。この時該イソシアナート
の残存率は0%、カルボン酸の残存率は0.1%であつ
た。該反応溶液をメタノールに投入し、再沈させ減圧下
で乾燥させて淡黄色のゴム状物質を得た。該ゴム状物質
の固有粘度は30℃、N−メチル−2−ピロリドン中で0.
78dl/gであつた。このものの赤外線吸収スペクトルは17
80cm-1、1720cm-1および1380cm-1にイミド環に由来する
吸収、1650cm-1および1530cm-1にアミド基に由来する吸
収、1720cm-1、1410cm-1および1170cm-1にエステルに由
来する吸収を示し、得られたゴム状物質はポリアミドイ
ミドエラストマーであることがわかつた。このポリアミ
ドイミドエラストマーの力学物性は第1図及び表Iに示
すが、破断強度は620kg/cm2、破断伸度は360%であり強
靭であつた。また動的粘弾性は第2図に示すが、Tα
低く、200℃以上の高温においてもエラストマーとして
の性質を保持した。このフイルムを180℃で7日間保つ
耐熱性試験においてももとの力学的性質を保持した(表
I)。
比較例1 窒素雰囲気下1の反応器に合成例1で得られた両末
端カルボキシル基のポリエステルA80部(0.04モル)、
アゼライン酸15.04部(0.08モル)、テトラメチレンス
ルホン375部及び1−メチル−2−ホスホレン−1−オ
キシド0.09部の混合物を仕込み、撹拌下200℃に加熱し
た。さらに4,4′−ジフエニルメタンジイソシアナート3
0部(0.12モル)を加え3時間反応させた。この時イソ
シアナートの残存率は0%、カルボン酸の残存率は0.3
%であつた。本反応溶液をメタノールに投入し再沈させ
て、固有粘度(30℃、N−メチル−2−ピロリドン中)
0.69dl/gの白色のポリアミドエラストマーを得た。この
ものの力学物性は、第1図及び表Iに示すが破断強度20
0kg/cm2、破断伸度430%であつた。また動的粘弾性は第
2図に示すが、高温(200℃)においてエラストマーと
しての性質は保持しえなかつた。
実施例2 表Iに示した組成で実施例1とほぼ同様にして各種ポ
リアミドエラストマーを得た。得られたポリアミドイミ
ドエラストマーの固有粘度は0.9dl/gであつた。各種性
能評価をおこなつた結果を表Iに示す。
実施例2で得られたポリアミドイミドエラストマーに
ついては表Iに見られるように力学物性、耐熱性共に良
好な結果が得られた。
実施例3 窒素雰囲気下1の反応器に合成例2で得られたポリ
カーボネートC80部(0.04モル)、ジイミドジカルボン
酸D10.92部(0.02モル)、アゼライン酸3.76部(0.02モ
ル)、テトラメチレンスルホン350部及び1−フエニル
−2−ホスホレン−3−メチル−1−オキシド0.15部の
混合物を仕込み撹拌しながら200℃に加熱した。さらに
4,4′−ジフエニルメタンジイソシアナート20部(0.08
モル)加え、3時間反応させた。この時イソシアナート
の残存率は0%、カルボン酸の残存率は0.2%であつ
た。本反応溶液をメタノールに投入し再沈させ、減圧下
で乾燥させてポリアミドイミドエラストマーを得た。固
有粘度は0.83dl/gであつた。各種性能評価をおこなつた
結果、表Iに示すように力学物性および耐熱性共に良好
な結果が得られた。
〔発明の効果〕 本発明の製造方法により得られるポリアミドイミドエ
ラストマーは耐熱性にすぐれ、ポリウレタンエラストマ
ーに匹敵する程の優れた力学的性能を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたポリアミドイミドエラスト
マーの応力−伸び曲線を比較例1のポリアミドエラスト
マーと共に示したグラフであり、第2図は、実施例1で
得られたポリアミドイミドエラストマーと比較例1のポ
リアミドエラストマーの動的粘弾性を示すグラフであ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の構造単位(I)、(II)及び必要に
    より(III)からなり、 (ここでSは数平均分子量500〜10,000の両末端にカル
    ボキシル基を有するポリエステル及びポリカーボネート
    から選ばれる少なくとも1種の高分子ジカルボン酸から
    カルボキシル基を除いた2価の基を示し、前記ポリエス
    テルが炭素数4〜18の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜
    20の脂肪族ジオールとを重縮合させて得られるポリエス
    テルであり、前記ポリカーボネートがカーボネート化合
    物と炭素数2〜20の脂肪族ジオールとを重縮合させて得
    られるポリカーボネートである。R1は4,4′−ジフェニ
    ルメタンジイソシアナート及び/又はトリレンジイソシ
    アナートからイソシアナート基を除いた2価の基、R2
    炭素数4乃至18の脂肪族ジカルボン酸からカルボキシル
    基を除いた2価の基、並びにZは4,4′−ジアミノジフ
    ェニルメタン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミ
    ン、トリレンジアミン、ジフェニルジアミノエーテル、
    イソホロンジアミン、4,4′−ジシクロヘキシルメタン
    ジアミン、シクロヘキサンジアミン及び炭素数6〜24の
    脂肪族ジアミンから選ばれる少なくとも1種のジアミン
    からアミノ基を除いた2価の基を示す。)単位(I)は
    6乃至98モル%、単位(II)と単位(III)の和は2乃
    至94モル%、単位(II)と単位(III)のモル比は20/80
    乃至100/0(0を含む)で存在し、数平均分子量が5,000
    以上であるポリアミドイミドエラストマー。
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