JP2695383B2 - 穀物の保冷保湿貯蔵方法とその倉庫 - Google Patents
穀物の保冷保湿貯蔵方法とその倉庫Info
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- JP2695383B2 JP2695383B2 JP6153769A JP15376994A JP2695383B2 JP 2695383 B2 JP2695383 B2 JP 2695383B2 JP 6153769 A JP6153769 A JP 6153769A JP 15376994 A JP15376994 A JP 15376994A JP 2695383 B2 JP2695383 B2 JP 2695383B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、穀物等をその貯蔵に
最も理想的な温度0℃付近で且つ最適な湿度で貯蔵する
方法並びにその倉庫に関する。
最も理想的な温度0℃付近で且つ最適な湿度で貯蔵する
方法並びにその倉庫に関する。
【0002】
【従来の技術】穀物の市況をみながら出荷調整が行われ
たり、あるいは近時特に食料備蓄の必要性が指摘されて
いるが、穀物の鮮度を損なわずに長期間これを保存する
ためには、穀物をその穀物に適した湿度で且つ0〜5℃
という低温下で貯蔵するのが理想とされている。
たり、あるいは近時特に食料備蓄の必要性が指摘されて
いるが、穀物の鮮度を損なわずに長期間これを保存する
ためには、穀物をその穀物に適した湿度で且つ0〜5℃
という低温下で貯蔵するのが理想とされている。
【0003】従来、電気エネルギーを利用して被貯蔵物
を冷蔵あるいは冷凍する各種の設備が使用されている。
これらの設備は、冷熱を速やかに得ることができると共
に温度調節が容易であるという利点を有する反面、設備
費がかさみ、ランニングコストも高くなるという欠点が
あった。さらに、電気エネルギーを利用した従来の設備
では、貯蔵室内の冷気を強制対流させるために、被貯蔵
物から水分が奪われてその品質が損なわれる恐れがあ
り、特に比較的長期間にわたって保冷貯蔵をしようとす
る穀物には不向きであった。
を冷蔵あるいは冷凍する各種の設備が使用されている。
これらの設備は、冷熱を速やかに得ることができると共
に温度調節が容易であるという利点を有する反面、設備
費がかさみ、ランニングコストも高くなるという欠点が
あった。さらに、電気エネルギーを利用した従来の設備
では、貯蔵室内の冷気を強制対流させるために、被貯蔵
物から水分が奪われてその品質が損なわれる恐れがあ
り、特に比較的長期間にわたって保冷貯蔵をしようとす
る穀物には不向きであった。
【0004】また、電気エネルギーを用いない氷室方式
の保冷貯蔵室も考案されているが、氷室からの湿気によ
り貯蔵室内の湿度が極めて高くなる。このため、湿度を
好む野菜等の貯蔵には適しているが、一般に湿度を嫌う
穀物等に使用すると、鮮度が損なわれてしまう。
の保冷貯蔵室も考案されているが、氷室からの湿気によ
り貯蔵室内の湿度が極めて高くなる。このため、湿度を
好む野菜等の貯蔵には適しているが、一般に湿度を嫌う
穀物等に使用すると、鮮度が損なわれてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の貯
蔵設備では、設備費及びランニングコストが高く、また
穀物を長期間貯蔵すると、その品質及び鮮度が損なわれ
るという問題点があった。この発明は、このような従来
技術の問題点を解消するためになされたもので、穀物を
新鮮な状態のまま長期間にわたって安価に貯蔵すること
ができる穀物の保冷保湿貯蔵方法及び倉庫を提供するこ
とを目的とする。
蔵設備では、設備費及びランニングコストが高く、また
穀物を長期間貯蔵すると、その品質及び鮮度が損なわれ
るという問題点があった。この発明は、このような従来
技術の問題点を解消するためになされたもので、穀物を
新鮮な状態のまま長期間にわたって安価に貯蔵すること
ができる穀物の保冷保湿貯蔵方法及び倉庫を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る穀物の保
冷保湿貯蔵方法は、断熱構造をなした外側天井及び外側
周壁とこれら外側天井及び外側周壁から間隔を隔てて配
置され且つ放熱板からなる内側天井及び内側周壁とを有
する二重構造の天井及び周壁を備えた貯蔵室内に穀物を
貯蔵し、貯蔵室内との間の通気性が遮られた雪室内に雪
を堆積収容して貯蔵室の外側天井及び外側周壁と内側天
井及び内側周壁との間の空間に雪室内の冷気を導入し、
貯蔵室内から吸入した空気を雪室内の雪及び雪の融解冷
水を用いて冷却した後、再び貯蔵室内に送り込むことに
より貯蔵室内の温度を調節し、さらに必要に応じて雪室
から空気を取り込むことにより貯蔵室内の湿度を調節す
る方法である。なお、雪室内の雪及び雪の融解冷水を貯
蔵室の床下に流すようにしてもよい。
冷保湿貯蔵方法は、断熱構造をなした外側天井及び外側
周壁とこれら外側天井及び外側周壁から間隔を隔てて配
置され且つ放熱板からなる内側天井及び内側周壁とを有
する二重構造の天井及び周壁を備えた貯蔵室内に穀物を
貯蔵し、貯蔵室内との間の通気性が遮られた雪室内に雪
を堆積収容して貯蔵室の外側天井及び外側周壁と内側天
井及び内側周壁との間の空間に雪室内の冷気を導入し、
貯蔵室内から吸入した空気を雪室内の雪及び雪の融解冷
水を用いて冷却した後、再び貯蔵室内に送り込むことに
より貯蔵室内の温度を調節し、さらに必要に応じて雪室
から空気を取り込むことにより貯蔵室内の湿度を調節す
る方法である。なお、雪室内の雪及び雪の融解冷水を貯
蔵室の床下に流すようにしてもよい。
【0007】また、この発明に係る穀物の保冷保湿貯蔵
倉庫は、断熱構造をなした外側天井及び外側周壁とこれ
ら外側天井及び外側周壁から間隔を隔てて配置され且つ
放熱板からなる内側天井及び内側周壁とを有する二重構
造の天井及び周壁を備えた穀物貯蔵用の貯蔵室と、雪を
堆積収容すると共に貯蔵室内との間の通気性が遮られ且
つ貯蔵室の外側天井及び外側周壁と内側天井及び内側周
壁との間の空間に冷気を導入する雪室と、雪室に連結さ
れると共に雪室内の雪及び雪の融解冷水を収容する氷水
室と、氷水室に配設された冷気管と、貯蔵室内の空気を
吸入し冷気管内を通して冷却した後に再び貯蔵室内に循
環させる送風機と、雪室から空気を貯蔵室内に取り入れ
る湿度調節器とを備えたものである。なお、それぞれ貯
蔵室内の温度及び湿度を検出する温度センサ及び湿度セ
ンサと、温度センサの検出温度に基づいて送風機の駆動
を制御すると共に湿度センサの検出湿度に基づいて湿度
調節器の駆動を制御する制御手段とを設けることもでき
る。貯蔵室内に除湿装置を設ければ、さらに効果的であ
る。雪室は放熱板を介して貯蔵室に隣接されている。あ
るいは、雪室と氷水室とを貯蔵室から隔離させて貯蔵室
とは別に建設し、冷気管と貯蔵室との間を断熱処理され
た通気管で連結することもできる。さらに、貯蔵室の床
下に冷水槽を形成し、この冷水槽に氷水室でオーバーフ
ローした雪及び融解冷水を供給するようにしてもよい。
倉庫は、断熱構造をなした外側天井及び外側周壁とこれ
ら外側天井及び外側周壁から間隔を隔てて配置され且つ
放熱板からなる内側天井及び内側周壁とを有する二重構
造の天井及び周壁を備えた穀物貯蔵用の貯蔵室と、雪を
堆積収容すると共に貯蔵室内との間の通気性が遮られ且
つ貯蔵室の外側天井及び外側周壁と内側天井及び内側周
壁との間の空間に冷気を導入する雪室と、雪室に連結さ
れると共に雪室内の雪及び雪の融解冷水を収容する氷水
室と、氷水室に配設された冷気管と、貯蔵室内の空気を
吸入し冷気管内を通して冷却した後に再び貯蔵室内に循
環させる送風機と、雪室から空気を貯蔵室内に取り入れ
る湿度調節器とを備えたものである。なお、それぞれ貯
蔵室内の温度及び湿度を検出する温度センサ及び湿度セ
ンサと、温度センサの検出温度に基づいて送風機の駆動
を制御すると共に湿度センサの検出湿度に基づいて湿度
調節器の駆動を制御する制御手段とを設けることもでき
る。貯蔵室内に除湿装置を設ければ、さらに効果的であ
る。雪室は放熱板を介して貯蔵室に隣接されている。あ
るいは、雪室と氷水室とを貯蔵室から隔離させて貯蔵室
とは別に建設し、冷気管と貯蔵室との間を断熱処理され
た通気管で連結することもできる。さらに、貯蔵室の床
下に冷水槽を形成し、この冷水槽に氷水室でオーバーフ
ローした雪及び融解冷水を供給するようにしてもよい。
【0008】
【作用】この発明に係る穀物の保冷保湿貯蔵方法におい
ては、穀物を貯蔵する二重構造の天井及び周壁を備えた
貯蔵室内と雪を堆積収容する雪室とが相互間の通気性を
遮るように建設され、貯蔵室の二重構造の天井及び周壁
の間の空間に雪室内の冷気が導入され、貯蔵室から吸入
した空気が冷気管内で雪及び雪の融解冷水により冷却さ
れた後、再び貯蔵室に送り込まれる。さらに、貯蔵室内
の湿度を調節するために、必要に応じて雪室から貯蔵室
に空気が取り込まれる。これにより、貯蔵室内は穀物に
最適な温度及び湿度の状態に保持される。また、雪室内
の雪及び雪の融解冷水を貯蔵室の床下に流すようにすれ
ば、貯蔵室の床下も冷熱源となり、効率のよい保冷が可
能となる。
ては、穀物を貯蔵する二重構造の天井及び周壁を備えた
貯蔵室内と雪を堆積収容する雪室とが相互間の通気性を
遮るように建設され、貯蔵室の二重構造の天井及び周壁
の間の空間に雪室内の冷気が導入され、貯蔵室から吸入
した空気が冷気管内で雪及び雪の融解冷水により冷却さ
れた後、再び貯蔵室に送り込まれる。さらに、貯蔵室内
の湿度を調節するために、必要に応じて雪室から貯蔵室
に空気が取り込まれる。これにより、貯蔵室内は穀物に
最適な温度及び湿度の状態に保持される。また、雪室内
の雪及び雪の融解冷水を貯蔵室の床下に流すようにすれ
ば、貯蔵室の床下も冷熱源となり、効率のよい保冷が可
能となる。
【0009】また、この発明に係る保冷保湿貯蔵倉庫に
おいては、二重構造の天井及び周壁を有する貯蔵室と雪
室とが互いの通気性を遮るように建設され、雪室内の冷
気が貯蔵室の二重構造の天井及び周壁の間の空間に導入
され、送風機により貯蔵室内の空気が吸入されて氷水室
に配設された冷気管内を通ることにより冷却された後、
再び貯蔵室内に循環される。さらに、必要に応じて湿度
調節器が雪室から空気を貯蔵室内に取り入れ、これによ
り貯蔵室内の湿度調節がなされる。すなわち、高価な電
気冷凍設備を用いることなく貯蔵室内を適温適湿の状態
に保持することができる。なお、温度センサ及び湿度セ
ンサで貯蔵室内の温度及び湿度を検出し、これら温度セ
ンサ及び湿度センサの検出温度に基づいて制御手段が送
風機及び湿度調節器の駆動を制御するようにすれば、自
動的に貯蔵室内を被貯蔵物に最適な温度及び湿度の状態
に保持できる。貯蔵室と雪室とを放熱板を介して隣接さ
せれば、雪室から放熱板を介して冷熱のみが貯蔵室に取
り入れられ、保冷の効率が向上する。貯蔵室と雪室とは
互いに隔離されて別々に建設することもできる。この場
合、雪室に連結された氷水室の冷気管と貯蔵室との間を
断熱処理された通気管で連結すればよい。さらに、貯蔵
室の床下に冷水槽を形成すれば、氷水室でオーバーフロ
ーした雪及び融解冷水を利用して貯蔵室を床下から冷却
することができる。
おいては、二重構造の天井及び周壁を有する貯蔵室と雪
室とが互いの通気性を遮るように建設され、雪室内の冷
気が貯蔵室の二重構造の天井及び周壁の間の空間に導入
され、送風機により貯蔵室内の空気が吸入されて氷水室
に配設された冷気管内を通ることにより冷却された後、
再び貯蔵室内に循環される。さらに、必要に応じて湿度
調節器が雪室から空気を貯蔵室内に取り入れ、これによ
り貯蔵室内の湿度調節がなされる。すなわち、高価な電
気冷凍設備を用いることなく貯蔵室内を適温適湿の状態
に保持することができる。なお、温度センサ及び湿度セ
ンサで貯蔵室内の温度及び湿度を検出し、これら温度セ
ンサ及び湿度センサの検出温度に基づいて制御手段が送
風機及び湿度調節器の駆動を制御するようにすれば、自
動的に貯蔵室内を被貯蔵物に最適な温度及び湿度の状態
に保持できる。貯蔵室と雪室とを放熱板を介して隣接さ
せれば、雪室から放熱板を介して冷熱のみが貯蔵室に取
り入れられ、保冷の効率が向上する。貯蔵室と雪室とは
互いに隔離されて別々に建設することもできる。この場
合、雪室に連結された氷水室の冷気管と貯蔵室との間を
断熱処理された通気管で連結すればよい。さらに、貯蔵
室の床下に冷水槽を形成すれば、氷水室でオーバーフロ
ーした雪及び融解冷水を利用して貯蔵室を床下から冷却
することができる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1及び図2はそれぞれこの発明の一実施
例に係る穀物等の保冷保湿貯蔵倉庫を示す正面断面図及
び平面断面図である。この倉庫は、基礎栗石i上に設け
た基礎コンクリートhと地盤jとの上に建築されてお
り、雪Fを堆積収容する雪室Aと、穀物等の被貯蔵物を
貯蔵する貯蔵室Bと、被貯蔵物の荷さばきを行う前控室
Cと、雪室Aの直下に設けられた氷水室Dとを備えてい
る。
て説明する。図1及び図2はそれぞれこの発明の一実施
例に係る穀物等の保冷保湿貯蔵倉庫を示す正面断面図及
び平面断面図である。この倉庫は、基礎栗石i上に設け
た基礎コンクリートhと地盤jとの上に建築されてお
り、雪Fを堆積収容する雪室Aと、穀物等の被貯蔵物を
貯蔵する貯蔵室Bと、被貯蔵物の荷さばきを行う前控室
Cと、雪室Aの直下に設けられた氷水室Dとを備えてい
る。
【0011】雪室A及び貯蔵室Bの天井a及び周壁bは
断熱構造をなしている。すなわち、天井a及び周壁b
は、鉄板lを張架して、その上に断熱材としてウレタン
フォームmを貼り、さらにその上にもう一枚の鉄板lを
張架して断熱構造を形成している。雪室A、貯蔵室B及
び前控室Cの屋根及び外壁にはトタンoが張架されてい
る。また、氷水室Dの周壁f及び底部g、並びに貯蔵室
Bの下床eと地盤jとの間に断熱材Eが設けられ、これ
らも断熱構造をなしている。
断熱構造をなしている。すなわち、天井a及び周壁b
は、鉄板lを張架して、その上に断熱材としてウレタン
フォームmを貼り、さらにその上にもう一枚の鉄板lを
張架して断熱構造を形成している。雪室A、貯蔵室B及
び前控室Cの屋根及び外壁にはトタンoが張架されてい
る。また、氷水室Dの周壁f及び底部g、並びに貯蔵室
Bの下床eと地盤jとの間に断熱材Eが設けられ、これ
らも断熱構造をなしている。
【0012】雪室Aの内周部には雪Fの崩れを防ぐため
の金網7が設けられている。この金網7は、雪圧を受け
るため、上方に向かって若干閉じるように斜めに設置す
ることが望ましい。雪室Aと氷水室Dとの間は互いに仕
切られることなく開放されており、雪室A内に収容され
た雪Fの一部が混じった融解冷水Hが氷水室D内に溜め
られるようになっている。氷水室Dの周辺部には冷気管
15が配設されている。なお、雪室Aの屋根あるいは外
気に面する壁部の一部は、開閉自在に取り付けられてお
り、屋外から雪室A及び氷水室D内に雪Fを収容させる
ことができるように構成されている。
の金網7が設けられている。この金網7は、雪圧を受け
るため、上方に向かって若干閉じるように斜めに設置す
ることが望ましい。雪室Aと氷水室Dとの間は互いに仕
切られることなく開放されており、雪室A内に収容され
た雪Fの一部が混じった融解冷水Hが氷水室D内に溜め
られるようになっている。氷水室Dの周辺部には冷気管
15が配設されている。なお、雪室Aの屋根あるいは外
気に面する壁部の一部は、開閉自在に取り付けられてお
り、屋外から雪室A及び氷水室D内に雪Fを収容させる
ことができるように構成されている。
【0013】貯蔵室Bの床は、上床dと下床eとを備え
た二重構造を有しており、これら上床dと下床eとの間
には床全面にわたって冷水槽9が形成されている。ま
た、貯蔵室Bと雪室Aとを仕切る壁tは放熱板8から形
成されている。貯蔵室Bの天井及び三方の周壁は二重構
造を有している。すなわち、上記の断熱構造をなした天
井a及び周壁bを外側天井及び外側周壁とし、それらの
内側に所定の間隔を隔ててそれぞれ放熱板8からなる内
側天井s及び内側周壁tが形成されている。上床d及び
内側天井sと内側周壁tとはそれぞれ互いに密封して張
架されており、貯蔵室Bはこれら上床d、内側天井s及
び内側周壁tによって囲まれ、雪室Aとの間の通気性が
遮られている。外側天井及び外側周壁と内側天井s及び
内側周壁tとの間には雪室Aに通じる空間uが形成され
ており、雪室A内の冷気はこの空間u内にとどまってお
り、これにより貯蔵室Bは雪室Aに面する壁tからだけ
でなく、その全周方向から雪室Aの冷気により冷却され
ることとなる。このようにして、雪室A内の湿気が直接
貯蔵室B内に侵入することを遮りつつ、雪室Aから貯蔵
室B内に冷熱のみを取り入れている。なお、放熱板8の
材質としては、熱伝導率の大きい材料、例えば銅、銀、
アルミニウム及びその合金、鋼材等を用いることができ
る。
た二重構造を有しており、これら上床dと下床eとの間
には床全面にわたって冷水槽9が形成されている。ま
た、貯蔵室Bと雪室Aとを仕切る壁tは放熱板8から形
成されている。貯蔵室Bの天井及び三方の周壁は二重構
造を有している。すなわち、上記の断熱構造をなした天
井a及び周壁bを外側天井及び外側周壁とし、それらの
内側に所定の間隔を隔ててそれぞれ放熱板8からなる内
側天井s及び内側周壁tが形成されている。上床d及び
内側天井sと内側周壁tとはそれぞれ互いに密封して張
架されており、貯蔵室Bはこれら上床d、内側天井s及
び内側周壁tによって囲まれ、雪室Aとの間の通気性が
遮られている。外側天井及び外側周壁と内側天井s及び
内側周壁tとの間には雪室Aに通じる空間uが形成され
ており、雪室A内の冷気はこの空間u内にとどまってお
り、これにより貯蔵室Bは雪室Aに面する壁tからだけ
でなく、その全周方向から雪室Aの冷気により冷却され
ることとなる。このようにして、雪室A内の湿気が直接
貯蔵室B内に侵入することを遮りつつ、雪室Aから貯蔵
室B内に冷熱のみを取り入れている。なお、放熱板8の
材質としては、熱伝導率の大きい材料、例えば銅、銀、
アルミニウム及びその合金、鋼材等を用いることができ
る。
【0014】貯蔵室Bの内側周壁tには複数の送風口1
及び複数の吸気口2がそれぞれ適宜配置されており、各
送風口1は送風管21を介して前控室C内に設置された
送風機5に接続され、各吸気口2は氷水室Dの冷気管1
5の一端に接続されている。氷水室Dの冷気管15の他
端は貯蔵室B内に配設された吸気管4を介して前控室C
内の送風機5に接続されている。さらに、貯蔵室Bの内
側周壁tには複数の温度センサ13及び複数の湿度セン
サ14が適宜配置されると共に貯蔵室B内が高温になっ
た場合に貯蔵室B内の空気を屋外に排出する排気装置3
1が設置されている。また、雪室Aに面する壁tには湿
度調節器3が設置されている。この湿度調節器3は、必
要に応じて雪室A内の空気を貯蔵室B内に取り入れると
共に、除湿装置を備えており、必要に応じて貯蔵室B内
を除湿する。送風機5、湿度調節器3、排気装置31、
温度センサ13及び湿度センサ14は前控室C内に設置
された図示しない制御装置(制御手段)に電気的に接続
されている。
及び複数の吸気口2がそれぞれ適宜配置されており、各
送風口1は送風管21を介して前控室C内に設置された
送風機5に接続され、各吸気口2は氷水室Dの冷気管1
5の一端に接続されている。氷水室Dの冷気管15の他
端は貯蔵室B内に配設された吸気管4を介して前控室C
内の送風機5に接続されている。さらに、貯蔵室Bの内
側周壁tには複数の温度センサ13及び複数の湿度セン
サ14が適宜配置されると共に貯蔵室B内が高温になっ
た場合に貯蔵室B内の空気を屋外に排出する排気装置3
1が設置されている。また、雪室Aに面する壁tには湿
度調節器3が設置されている。この湿度調節器3は、必
要に応じて雪室A内の空気を貯蔵室B内に取り入れると
共に、除湿装置を備えており、必要に応じて貯蔵室B内
を除湿する。送風機5、湿度調節器3、排気装置31、
温度センサ13及び湿度センサ14は前控室C内に設置
された図示しない制御装置(制御手段)に電気的に接続
されている。
【0015】図3に示されるように、貯蔵室Bに隣接す
る氷水室Dの一端には氷水室Dで雪が混在する冷水Hが
融解しオーバーフローする冷水を受ける受樋10が形成
されており、この受樋10が複数の通水管16を介して
冷水槽9に接続されている。また、前控室Cに隣接する
貯蔵室Bの二重構造の床の一端には複数の通水管19を
介して冷水槽9に接続された通水路11が形成され、通
水路11は通水管17を介して前控室Cに設置された集
水マス12に接続されている。さらに、集水マス12は
通水管18を介して屋外の地盤jに埋設された集水マス
20に接続されている。これにより、氷水室Dでオーバ
ーフローした冷水Hは、受樋10及び通水管16を通っ
て冷水槽9に流れ込んだ後、冷水槽9から通水管19、
通水路11及び通水管17を通って集水マス12に集め
られ、さらに通水管18を介して屋外の集水マス20に
排水される。
る氷水室Dの一端には氷水室Dで雪が混在する冷水Hが
融解しオーバーフローする冷水を受ける受樋10が形成
されており、この受樋10が複数の通水管16を介して
冷水槽9に接続されている。また、前控室Cに隣接する
貯蔵室Bの二重構造の床の一端には複数の通水管19を
介して冷水槽9に接続された通水路11が形成され、通
水路11は通水管17を介して前控室Cに設置された集
水マス12に接続されている。さらに、集水マス12は
通水管18を介して屋外の地盤jに埋設された集水マス
20に接続されている。これにより、氷水室Dでオーバ
ーフローした冷水Hは、受樋10及び通水管16を通っ
て冷水槽9に流れ込んだ後、冷水槽9から通水管19、
通水路11及び通水管17を通って集水マス12に集め
られ、さらに通水管18を介して屋外の集水マス20に
排水される。
【0016】次に、上記のような構成の倉庫により穀物
等を貯蔵する方法について説明する。まず、雪室A内に
所要量の雪Fを堆積収容する。ここで、雪Fとしては、
除雪、排雪、積雪等により得られる不要になった雪を利
用することができる。このとき、一部の雪は氷水室D内
にも収容され、雪Fの融解により次第に氷水室Dには雪
が混在する冷水Hが溜まっていく。また、前控室Cで穀
物等の被貯蔵物の荷さばきが行われ、扉6を開けて被貯
蔵物が貯蔵室B内に搬入される。被貯蔵物は、その種
類、量及び形態に応じて貯蔵室Bの床に直接山積みされ
るか、あるいは所定の敷板、架台、棚等の上に載置され
る。
等を貯蔵する方法について説明する。まず、雪室A内に
所要量の雪Fを堆積収容する。ここで、雪Fとしては、
除雪、排雪、積雪等により得られる不要になった雪を利
用することができる。このとき、一部の雪は氷水室D内
にも収容され、雪Fの融解により次第に氷水室Dには雪
が混在する冷水Hが溜まっていく。また、前控室Cで穀
物等の被貯蔵物の荷さばきが行われ、扉6を開けて被貯
蔵物が貯蔵室B内に搬入される。被貯蔵物は、その種
類、量及び形態に応じて貯蔵室Bの床に直接山積みされ
るか、あるいは所定の敷板、架台、棚等の上に載置され
る。
【0017】雪室Aの冷気は貯蔵室bの二重構造の天井
及び周壁内に形成された空間に入り、内側天井s及び内
側周壁tを介して冷熱が貯蔵室B内に流入する。これに
より、雪室Aからの湿度の侵入を遮りつつ貯蔵室B内の
被貯蔵物が保冷される。しかし、貯蔵室Bの室温は、外
気温度及び被貯蔵物の保有温度の影響を受ける。特に、
穀物にあっては、収穫日の外気温度をそのまま保有し、
さらに穀物自体から呼吸熱量が発生する場合もある。
及び周壁内に形成された空間に入り、内側天井s及び内
側周壁tを介して冷熱が貯蔵室B内に流入する。これに
より、雪室Aからの湿度の侵入を遮りつつ貯蔵室B内の
被貯蔵物が保冷される。しかし、貯蔵室Bの室温は、外
気温度及び被貯蔵物の保有温度の影響を受ける。特に、
穀物にあっては、収穫日の外気温度をそのまま保有し、
さらに穀物自体から呼吸熱量が発生する場合もある。
【0018】貯蔵室B内の温度及び湿度は、それぞれ温
度センサ13及び湿度センサ14により検出され、前控
室Cに設置された図示しない制御装置に送られる。制御
装置には、予め被貯蔵物に適した温度範囲及び湿度範囲
が設定されており、温度センサ13による検出温度が設
定温度範囲より高くなると、送風機5を駆動する。これ
により、貯蔵室B内の昇温した冷気は、複数の吸気口2
から吸入され、図4に示されるように氷水室Dの冷気管
15内に導かれる。このとき、冷気管15内の冷気は氷
水室D内の雪及び融解冷水Hによって冷却され、その後
吸気管4を通って前控室C内の送風機5に至り、さらに
送風管21を介して送風口1から貯蔵室B内に戻され
る。このようにして、貯蔵室B内の室温が低下し、温度
センサ13による検出温度が設定温度範囲内に戻ったと
ころで、送風機5の駆動が停止される。貯蔵室B内は、
例えば0〜5℃に保たれる。なお、何等かの理由により
貯蔵室B内の温度が異常に高くなった場合には、制御装
置により排気装置31が駆動され、貯蔵室B内の高温の
空気が屋外に排出される。
度センサ13及び湿度センサ14により検出され、前控
室Cに設置された図示しない制御装置に送られる。制御
装置には、予め被貯蔵物に適した温度範囲及び湿度範囲
が設定されており、温度センサ13による検出温度が設
定温度範囲より高くなると、送風機5を駆動する。これ
により、貯蔵室B内の昇温した冷気は、複数の吸気口2
から吸入され、図4に示されるように氷水室Dの冷気管
15内に導かれる。このとき、冷気管15内の冷気は氷
水室D内の雪及び融解冷水Hによって冷却され、その後
吸気管4を通って前控室C内の送風機5に至り、さらに
送風管21を介して送風口1から貯蔵室B内に戻され
る。このようにして、貯蔵室B内の室温が低下し、温度
センサ13による検出温度が設定温度範囲内に戻ったと
ころで、送風機5の駆動が停止される。貯蔵室B内は、
例えば0〜5℃に保たれる。なお、何等かの理由により
貯蔵室B内の温度が異常に高くなった場合には、制御装
置により排気装置31が駆動され、貯蔵室B内の高温の
空気が屋外に排出される。
【0019】貯蔵室Bは放熱板8から形成された内側天
井s及び内側周壁tにより密閉されて雪室Aとの間の通
気性が遮られているので、雪室Aの湿気の侵入が防止さ
れ、このため貯蔵室B内は高湿になることが未然に防止
されている。ただし、被貯蔵物のその種類に応じて最適
な湿気が必要とされるため、湿度センサ14による検出
湿度が設定湿度範囲より低くなった場合には、制御装置
は貯蔵室Bの壁面に設けられている湿度調節器3を駆動
し、雪室A内の冷気を貯蔵室B内に取り入れることによ
り貯蔵室B内の湿度を増加させる。逆に、湿度センサ1
4による検出湿度が設定湿度範囲より高くなった場合に
は、湿度調節器3内の除湿装置を駆動させて貯蔵室B内
の湿度を低下させる。このようにして湿度の調節が行わ
れ、貯蔵室B内の被貯蔵物は最適湿度で保冷貯蔵され
る。
井s及び内側周壁tにより密閉されて雪室Aとの間の通
気性が遮られているので、雪室Aの湿気の侵入が防止さ
れ、このため貯蔵室B内は高湿になることが未然に防止
されている。ただし、被貯蔵物のその種類に応じて最適
な湿気が必要とされるため、湿度センサ14による検出
湿度が設定湿度範囲より低くなった場合には、制御装置
は貯蔵室Bの壁面に設けられている湿度調節器3を駆動
し、雪室A内の冷気を貯蔵室B内に取り入れることによ
り貯蔵室B内の湿度を増加させる。逆に、湿度センサ1
4による検出湿度が設定湿度範囲より高くなった場合に
は、湿度調節器3内の除湿装置を駆動させて貯蔵室B内
の湿度を低下させる。このようにして湿度の調節が行わ
れ、貯蔵室B内の被貯蔵物は最適湿度で保冷貯蔵され
る。
【0020】また、雪室A内の雪Fの融解が進んで氷水
室D内の雪及び融解冷水Hがオーバーフローすると、冷
水は図4に示される受樋10及び通水管16を通って冷
水槽9に流れ込み、冷水槽9から通水管19、通水路1
1及び通水管17を通って前控室Cの集水マス12に集
められる。この冷水の流れにより、地盤jから貯蔵室B
内への熱の侵入が遮られると共に上床dを介して貯蔵室
B内に冷熱が取り入れられ、貯蔵室Bは床からも冷却さ
れることとなる。集水マス12に集められた冷水は、通
水管18を通って屋外の集水マス20に排水される。
室D内の雪及び融解冷水Hがオーバーフローすると、冷
水は図4に示される受樋10及び通水管16を通って冷
水槽9に流れ込み、冷水槽9から通水管19、通水路1
1及び通水管17を通って前控室Cの集水マス12に集
められる。この冷水の流れにより、地盤jから貯蔵室B
内への熱の侵入が遮られると共に上床dを介して貯蔵室
B内に冷熱が取り入れられ、貯蔵室Bは床からも冷却さ
れることとなる。集水マス12に集められた冷水は、通
水管18を通って屋外の集水マス20に排水される。
【0021】上記の実施例では、雪室Aが放熱板8から
なる壁tを介して貯蔵室Bに隣接するように建設された
が、これに限るものではなく、図5及び図6に示すよう
に雪室A及び氷水室Dを貯蔵室Bから隔離して貯蔵室B
とは別々に建設することもできる。貯蔵室Bは、扉6の
部分を除く四方の周壁が全て二重構造に形成され、断熱
構造の外側天井a及び外側周壁bと放熱板からなる内側
天井s及び内側周壁tとを備えている。一方、雪室Aの
天井及び周壁は全て断熱構造をなしている。また、貯蔵
室B内に設けられた複数の吸気口2は断熱処理された通
気管21を介して氷水室Dの冷気管15の一端に連結さ
れ、冷気管15の他端は断熱処理された通気管22を介
して貯蔵室Bの吸気管4に連結されている。
なる壁tを介して貯蔵室Bに隣接するように建設された
が、これに限るものではなく、図5及び図6に示すよう
に雪室A及び氷水室Dを貯蔵室Bから隔離して貯蔵室B
とは別々に建設することもできる。貯蔵室Bは、扉6の
部分を除く四方の周壁が全て二重構造に形成され、断熱
構造の外側天井a及び外側周壁bと放熱板からなる内側
天井s及び内側周壁tとを備えている。一方、雪室Aの
天井及び周壁は全て断熱構造をなしている。また、貯蔵
室B内に設けられた複数の吸気口2は断熱処理された通
気管21を介して氷水室Dの冷気管15の一端に連結さ
れ、冷気管15の他端は断熱処理された通気管22を介
して貯蔵室Bの吸気管4に連結されている。
【0022】雪室A内には複数の吸気口24が設けら
れ、貯蔵室Bの二重構造の天井及び周壁内の空間uには
複数の排気口25が設けられ、これらの吸気口24と排
気口25とが図示しない冷気導入用送風機及び断熱処理
された通気管23を介して互いに連結されている。ま
た、貯蔵室Bの二重構造の天井及び周壁内の空間uには
複数の温度センサ27が設けられており、温度センサ2
7による検出温度が予め設定された温度を上回ると、自
動的に冷気導入用送風機が駆動され、雪室A内の冷気が
吸気口24から通気管23及び排気口25を通って空間
u内に導入される。これにより、雪室Aが貯蔵室Bから
離れて建設されても、雪室Aの冷気を用いて貯蔵室Bを
冷却することができるようになる。また、湿度調節器3
により空間u内の冷気を貯蔵室B内に取り入れれば、貯
蔵室B内の湿度を増加させることができ、逆に湿度調節
器3内の除湿装置を駆動させれば貯蔵室B内の湿度を低
下させることもできる。
れ、貯蔵室Bの二重構造の天井及び周壁内の空間uには
複数の排気口25が設けられ、これらの吸気口24と排
気口25とが図示しない冷気導入用送風機及び断熱処理
された通気管23を介して互いに連結されている。ま
た、貯蔵室Bの二重構造の天井及び周壁内の空間uには
複数の温度センサ27が設けられており、温度センサ2
7による検出温度が予め設定された温度を上回ると、自
動的に冷気導入用送風機が駆動され、雪室A内の冷気が
吸気口24から通気管23及び排気口25を通って空間
u内に導入される。これにより、雪室Aが貯蔵室Bから
離れて建設されても、雪室Aの冷気を用いて貯蔵室Bを
冷却することができるようになる。また、湿度調節器3
により空間u内の冷気を貯蔵室B内に取り入れれば、貯
蔵室B内の湿度を増加させることができ、逆に湿度調節
器3内の除湿装置を駆動させれば貯蔵室B内の湿度を低
下させることもできる。
【0023】さらに、氷水室Dの受樋10は図示しない
送水機及び断熱処理された通水管26を介して貯蔵室B
の冷水槽9に連結されている。これにより、氷水室Dで
オーバーフローした雪及び融解冷水Hは、受樋10から
通水管26を通って貯蔵室Bの冷水槽9に流され、貯蔵
室Bが床からも冷却される。なお、それぞれ断熱処理さ
れた通気管21〜23及び通水管26は、雪室Aと貯蔵
室Bとの間の屋外に配設されるが、図5に示されるよう
に、地盤jの中に埋設することもできる。
送水機及び断熱処理された通水管26を介して貯蔵室B
の冷水槽9に連結されている。これにより、氷水室Dで
オーバーフローした雪及び融解冷水Hは、受樋10から
通水管26を通って貯蔵室Bの冷水槽9に流され、貯蔵
室Bが床からも冷却される。なお、それぞれ断熱処理さ
れた通気管21〜23及び通水管26は、雪室Aと貯蔵
室Bとの間の屋外に配設されるが、図5に示されるよう
に、地盤jの中に埋設することもできる。
【0024】図5及び図6に示したように、貯蔵室Bと
は別に雪室A及び氷水室Dを建設すれば、既設の倉庫を
利用して容易に且つ経済的に、この発明に係る保冷保湿
貯蔵倉庫を構築することができる。また、この発明は、
いわゆるサイロ方式の貯蔵庫にも適用することができ
る。
は別に雪室A及び氷水室Dを建設すれば、既設の倉庫を
利用して容易に且つ経済的に、この発明に係る保冷保湿
貯蔵倉庫を構築することができる。また、この発明は、
いわゆるサイロ方式の貯蔵庫にも適用することができ
る。
【0025】上記の各実施例では、貯蔵室Bの天井及び
周壁を放熱板8から形成して全面的に冷却できるように
構成したが、貯蔵室B内に貯蔵される物の種類及び量に
よっては、全面的でなく、冷熱を取り入れる面積を少な
くして天井面及び壁面を部分的に放熱板から構成するこ
ともできる。本発明は上記の各実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、雪室と氷水室と貯蔵室とを下地式に
構築することもできる。また、断熱構造及び冷水槽の構
造も、本願発明の目的を達成する範囲内において適宜決
定することができる。
周壁を放熱板8から形成して全面的に冷却できるように
構成したが、貯蔵室B内に貯蔵される物の種類及び量に
よっては、全面的でなく、冷熱を取り入れる面積を少な
くして天井面及び壁面を部分的に放熱板から構成するこ
ともできる。本発明は上記の各実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、雪室と氷水室と貯蔵室とを下地式に
構築することもできる。また、断熱構造及び冷水槽の構
造も、本願発明の目的を達成する範囲内において適宜決
定することができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る穀
物等の保冷保湿貯蔵方法は、雪室に堆積収容した雪を冷
熱源として使用するので、被貯蔵物を0℃付近の温度で
保冷貯蔵するのに適しており、特に穀物を貯蔵期間中の
通年外気温度と穀物自体から発生する呼吸熱量とを積算
考慮して、長期間にわたって水分を多くさせることな
く、最適な温度及び湿度下で鮮度を保持したまま保冷貯
蔵することができる。また、雪を有効利用して冷熱源と
して使用するので極めて経済的であり、且つ環境にやさ
しいエネルギー源であることから環境保全にも優れてい
る。化石エネルギーの代替エネルギー源として充分活用
することができる。
物等の保冷保湿貯蔵方法は、雪室に堆積収容した雪を冷
熱源として使用するので、被貯蔵物を0℃付近の温度で
保冷貯蔵するのに適しており、特に穀物を貯蔵期間中の
通年外気温度と穀物自体から発生する呼吸熱量とを積算
考慮して、長期間にわたって水分を多くさせることな
く、最適な温度及び湿度下で鮮度を保持したまま保冷貯
蔵することができる。また、雪を有効利用して冷熱源と
して使用するので極めて経済的であり、且つ環境にやさ
しいエネルギー源であることから環境保全にも優れてい
る。化石エネルギーの代替エネルギー源として充分活用
することができる。
【0027】また、この発明に係る穀物等の保冷保湿貯
蔵倉庫は、貯蔵室と雪室とを相互間の通気性を遮るよう
に設け、雪室の冷気のみを貯蔵室が冷熱源として使用
し、送風機により温度上昇した貯蔵室内の空気を吸入し
て氷水室に配設された冷気管内に通すことにより冷却
し、その後再び貯蔵室内に循環すると共に必要に応じて
湿度調節器が雪室から空気を貯蔵室内に取り入れるの
で、穀物等の被貯蔵物を0℃付近の温度で且つ最適湿度
で保冷貯蔵することができる。また、雪を冷熱源として
使用するので、電気エネルギーを使用する高価な冷凍設
備を用いる場合に比べて、建築費はもちろん、ランニン
グコストを著しく低減することができる。さらに、雪が
冷熱源であることから、無公害で、環境保全にも優れて
いる。
蔵倉庫は、貯蔵室と雪室とを相互間の通気性を遮るよう
に設け、雪室の冷気のみを貯蔵室が冷熱源として使用
し、送風機により温度上昇した貯蔵室内の空気を吸入し
て氷水室に配設された冷気管内に通すことにより冷却
し、その後再び貯蔵室内に循環すると共に必要に応じて
湿度調節器が雪室から空気を貯蔵室内に取り入れるの
で、穀物等の被貯蔵物を0℃付近の温度で且つ最適湿度
で保冷貯蔵することができる。また、雪を冷熱源として
使用するので、電気エネルギーを使用する高価な冷凍設
備を用いる場合に比べて、建築費はもちろん、ランニン
グコストを著しく低減することができる。さらに、雪が
冷熱源であることから、無公害で、環境保全にも優れて
いる。
【図1】この発明の一実施例に係る保冷保湿貯蔵倉庫の
構成を示す正面断面図である。
構成を示す正面断面図である。
【図2】図1の実施例の倉庫の構成を示す平面断面図で
ある。
ある。
【図3】図1の実施例の倉庫における雪融解冷水の流れ
を示す平面断面図である。
を示す平面断面図である。
【図4】図1の実施例の倉庫の氷水室及び冷水槽の構成
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図5】この発明の他の実施例に係る保冷保湿貯蔵倉庫
の構成を示す正面断面図である。
の構成を示す正面断面図である。
【図6】図5の実施例の倉庫の構成を示す平面断面図で
ある。
ある。
1 送風口、2 吸気口、3 湿度調節器、5 送風
機、8 放熱板、9 冷水槽、13,27 温度セン
サ、14 湿度センサ、15 冷水管、21〜23通気
管、A 雪室、B 貯蔵室、C 前控室、D 氷水室、
E 断熱材、F雪、H 雪及び融解冷水、a 天井、b
周壁、m ウレタンフォーム、s 内側天井、t 内
側周壁、u 空間。
機、8 放熱板、9 冷水槽、13,27 温度セン
サ、14 湿度センサ、15 冷水管、21〜23通気
管、A 雪室、B 貯蔵室、C 前控室、D 氷水室、
E 断熱材、F雪、H 雪及び融解冷水、a 天井、b
周壁、m ウレタンフォーム、s 内側天井、t 内
側周壁、u 空間。
Claims (7)
- 【請求項1】 断熱構造をなした外側天井及び外側周壁
とこれら外側天井及び外側周壁から間隔を隔てて配置さ
れ且つ放熱板からなる内側天井及び内側周壁とを有する
二重構造の天井及び周壁を備えた貯蔵室内に穀物を貯蔵
し、 貯蔵室内との間の通気性が遮られた雪室内に雪を堆積収
容して貯蔵室の外側天井及び外側周壁と内側天井及び内
側周壁との間の空間に雪室内の冷気を導入し、貯蔵室内
から吸入した空気を雪室内の雪及び雪の融解冷水を用い
て冷却した後、再び貯蔵室内に送り込むことにより貯蔵
室内の温度を調節し、 雪室から空気を取り込むことにより貯蔵室内の湿度を調
節することを特徴とする穀物の保冷保湿貯蔵方法。 - 【請求項2】 雪室内の雪及び雪の融解冷水を貯蔵室の
床下に流すことを特徴とする請求項1に記載の穀物の保
冷保湿貯蔵方法。 - 【請求項3】 断熱構造をなした外側天井及び外側周壁
とこれら外側天井及び外側周壁から間隔を隔てて配置さ
れ且つ放熱板からなる内側天井及び内側周壁とを有する
二重構造の天井及び周壁を備えた穀物貯蔵用の貯蔵室
と、 雪を堆積収容すると共に前記貯蔵室内との間の通気性が
遮られ且つ前記貯蔵室の外側天井及び外側周壁と内側天
井及び内側周壁との間の空間に冷気を導入する雪室と、 前記雪室に連結されると共に前記雪室内の雪及び雪の融
解冷水を収容する氷水室と、 前記氷水室に配設された冷気管と、 前記貯蔵室内の空気を吸入し前記冷気管内を通して冷却
した後に再び前記貯蔵室内に循環させる送風機と、 前記雪室から空気を前記貯蔵室内に取り入れる湿度調節
器とを備えたことを特徴とする穀物の保冷保湿貯蔵倉
庫。 - 【請求項4】 さらに、前記貯蔵室内の温度を検出する
温度センサと、 前記貯蔵室内の湿度を検出する湿度センサと、 前記温度センサの検出温度に基づいて前記送風機の駆動
を制御すると共に前記湿度センサの検出湿度に基づいて
前記湿度調節器の駆動を制御する制御手段とを備えたこ
とを特徴とする請求項3に記載の穀物の保冷保湿貯蔵倉
庫。 - 【請求項5】 前記雪室が放熱板を介して前記貯蔵室に
隣接することを特徴とする請求項3または4に記載の穀
物の保冷保湿貯蔵倉庫。 - 【請求項6】 前記雪室及び氷水室が前記貯蔵室から隔
離されて別に建設され、前記冷気管と前記貯蔵室との間
を断熱処理された通気管で連結したことを特徴とする請
求項3または4に記載の穀物の保冷保湿貯蔵倉庫。 - 【請求項7】 さらに、前記貯蔵室の床下に形成される
と共に前記氷水室でオーバーフローした雪及び融解冷水
が供給される冷水槽を備えたことを特徴とする請求項3
ないし6のうちいずれか一項に記載の穀物の保冷保湿貯
蔵倉庫。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6153769A JP2695383B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-07-05 | 穀物の保冷保湿貯蔵方法とその倉庫 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11899094 | 1994-05-31 | ||
JP6-118990 | 1994-05-31 | ||
JP6153769A JP2695383B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-07-05 | 穀物の保冷保湿貯蔵方法とその倉庫 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0847332A JPH0847332A (ja) | 1996-02-20 |
JP2695383B2 true JP2695383B2 (ja) | 1997-12-24 |
Family
ID=26456811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6153769A Expired - Fee Related JP2695383B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-07-05 | 穀物の保冷保湿貯蔵方法とその倉庫 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2695383B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102860186B (zh) * | 2012-09-28 | 2015-02-04 | 天津塘沽国家粮食储备库 | 节能高大平房粮仓 |
JP2014075986A (ja) * | 2012-10-09 | 2014-05-01 | Nippon Beet Sugar Mfg Co Ltd | 飼料の貯蔵方法 |
CN106139452A (zh) * | 2015-04-03 | 2016-11-23 | 李苗 | 防粮食自燃的降温窒息灭火系统 |
-
1994
- 1994-07-05 JP JP6153769A patent/JP2695383B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0847332A (ja) | 1996-02-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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