JP2695076B2 - X線源用ベリリウム窓の製造方法 - Google Patents
X線源用ベリリウム窓の製造方法Info
- Publication number
- JP2695076B2 JP2695076B2 JP27462291A JP27462291A JP2695076B2 JP 2695076 B2 JP2695076 B2 JP 2695076B2 JP 27462291 A JP27462291 A JP 27462291A JP 27462291 A JP27462291 A JP 27462291A JP 2695076 B2 JP2695076 B2 JP 2695076B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- beryllium
- outer frame
- ray source
- metal
- thermal expansion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Measurement Of Radiation (AREA)
Description
射光発生装置に用いられるX線源用ベリリウム窓の製造
方法に関するものである。
は、ベリリウムの箔又は薄板を外枠を構成するステンレ
ス鋼や銅などの金属に気密に接合することが必要であ
る。従来このための接合法としては、有機系接着剤によ
る接着、ろう付け、拡散接合等が知られている。しかし
近年X線の大出力化にともないベリリウム窓にて吸収さ
れるX線の発熱が大きくなってきたので、有機系接着剤
では気密な接合を維持できなくなるという問題が発生し
てきた。
ているが、一般に行われている被接合体どうしを突き合
わせただけのろう付け法では、ベリリウムの表面にろう
が流れにくいので気密な接合が行いにくく、また強度も
充分ではないという問題があった。更にろう付けのため
の加熱によりベリリウムの箔又は薄板が変形したり再結
晶し、強度が低下するという問題もあった。
下において融点以下に加熱し、接合させる方法である。
しかしこの場合には被接合体のひとつひとつに加圧用治
具をセットしなければならぬうえ、外部から真空室内に
加圧用治具を導入しなければならないので装置が複雑化
する欠点があった。しかも高真空を保ちにくいのでベリ
リウムが酸化し易く、また広い面積を拡散接合した場合
には全ての接合面をリークタイトとすることが困難で、
信頼性に欠けるという問題もあった。
の問題点を解決して、複雑な設備や治具を使用すること
なく、またベリリウムの箔又は薄板に変形、再結晶、酸
化等を生じさせることなくベリリウムを外枠に対して気
密で強固に接合させることができるX線源用ベリリウム
窓の製造方法を提供するために完成されたものである。
外枠の内側にインサート材を介在させてベリリウムの箔
又は薄板を入れ、その内側に外枠よりも熱膨張率が7×
10-7/ ℃以上大きい金属からなる押さえ部品をセット
し、全体を加熱して熱応力によりベリリウムを拡散接合
することを特徴とするX線源用ベリリウム窓の製造方法
により解決することができる。また上記の課題は、金属
製の外枠の内側にろう材を介在させてベリリウムの箔又
は薄板を入れ、その内側に外枠よりも熱膨張率が7×10
-7/ ℃以上大きい金属からなる押さえ部品を固定し、全
体を加熱してベリリウムをろう付け接合することを特徴
とするX線源用ベリリウム窓の製造方法により解決でき
る。
詳細に説明する。図1は第1の発明の実施例を示すもの
で、1はステンレス鋼や銅などの金属からなる外枠、2
は必要に応じて使用されるインサート材又はろう材、3
はベリリウムの箔又は薄板、4は押さえ部品、5はバッ
クアップ部品である。第1の発明においては、この押さ
え部品4として外枠1やバックアップ部品5よりも熱膨
張率が7×10-7/ ℃以上大きい金属を使用する。
例えばステンレス(SUS 304 、熱膨張率17.3×10-6/
℃) や無酸素銅 (C 1020、熱膨張率17.3×10-6/℃) を
使用した場合には、押さえ部品4の材質として7/3 黄銅
(熱膨張率19.9×10-6/ ℃) 、65/35 黄銅 (熱膨張率2
0.3×10-6/ ℃) 、6/4 黄銅 (熱膨張率20.8×10-6/
℃)、快削黄銅 (熱膨張率20.6×10-6/ ℃) 、ネーパル
黄銅 (熱膨張率21.2×10-6/℃) 等を使用することがで
きる。
として例えばインバー、スーパーインバー、ステンレス
インバー、コバールのような低熱膨張率の金属を使用す
れば押さえ部品4との熱膨張率の差を更に大きくできる
のでより好ましい結果を得ることができる。いずれの発
明においても熱膨張率の差が7×10-7/ ℃未満であると
充分な熱応力を発生させることができないので好ましく
ない。
1のように外枠1に嵌め、更にネジを切ってあるバック
アップ部品5を締めつけて固定したうえ、真空中または
不活性ガス中で加熱する。図3はそのための高周波誘導
加熱炉を示しているが、第1の発明では加熱手段は特に
限定されるものではない。なお図3において6は耐熱容
器、7は高周波誘導コイル、8は真空排気口、9はアル
ゴン、ヘリウム、窒素等の不活性ガス導入口、10は蓋で
ある。
の部品よりも大きく膨張するのでベリリウムの箔又は薄
板3の周囲は熱応力により強く外枠1に向かって押しつ
けられ、これによる高い圧力と温度とによってベリリウ
ムの箔又は薄板3の表面において他の部品との間に原子
の拡散が生じ、ベリリウムが気密に接合されたX線源用
ベリリウム窓を得ることができる。
つ接合面積が大きく、しかも押さえ部品4と他の部品と
の熱膨張差が大きい場合には、冷却過程においてベリリ
ウムの箔又は薄板3が変形したり破壊されるおそれがあ
る。このため、図2に示すように例えばニッケルのよう
な熱膨張率がベリリウムに近い金属を中間材11としてイ
ンサート材又はろう材2の両側に配置しておけば、上記
の欠点の発生を防止することができる。
のようにセットされたものを図3のような高周波誘導加
熱炉において加熱する。このためにはまず耐熱容器6の
内部に被接合物を入れ、蓋10を閉じて高真空に排気し、
不活性ガスを導入する。この排気、不活性ガスの導入の
操作を数回繰り返して内部の酸素を充分に除去したう
え、高周波誘導コイル7に通電して真空中又は不活性ガ
ス中で被接合物を加熱する。
ベリリウムよりもバルク形状をした外枠1、押さえ部品
4、バックアップ部品5等が早く加熱されるのでベリリ
ウムの箔又は薄板3が高温になる前にろう材2が溶けて
均一なろう付けが行われる。従ってベリリウムに変形、
酸化、再結晶等を生じさせることなくろう付けを行わせ
ることが可能である。なおベリリウムに水冷した銅を接
触させることにより、ベリリウムの加熱をより確実に防
止することができる。なお以上に説明した第1の発明と
第2の発明は、組み合わせて実施することも可能である
ことはいうまでもない。
リウム窓を製造した結果を表2に示す。窓の径は50mmで
あり、ベリリウム板の厚さは0.3mm 、中間材の厚さは0.
05mmである。1〜6は第1の発明の実施例であり、7〜
9は第2の発明の実施例である。また10は比較例であ
る。
用ベリリウム窓の製造方法によれば、接合部加圧用の治
具が不要であるので安価な設備で生産性良くベリリウム
窓の製造ができ、接合面にかかる圧力を一定とすること
ができるので均一かつ強固な接合ができる。またろう材
を使用することにより、更に強固な接合が可能である。
また本発明によればベリリウム箔やベリリウム薄板の熱
による変形、再結晶、酸化等を防止することができるの
で、強度やX線透過性に優れたX線源用ベリリウム窓を
製造することができる。よって本発明は従来の問題点を
解消したX線源用ベリリウム窓の製造方法として、産業
の発展に寄与するところは極めて大きいものがある。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 金属製の外枠の内側にインサート材を介
在させてベリリウムの箔又は薄板を入れ、その内側に外
枠よりも熱膨張率が7×10-7/ ℃以上大きい金属からな
る押さえ部品をセットし、全体を加熱して熱応力により
ベリリウムを拡散接合することを特徴とするX線源用ベ
リリウム窓の製造方法。 - 【請求項2】 金属製の外枠の内側にろう材を介在させ
てベリリウムの箔又は薄板を入れ、その内側に外枠より
も熱膨張率が7×10-7/ ℃以上大きい金属からなる押さ
え部品を固定し、全体を加熱してベリリウムをろう付け
接合することを特徴とするX線源用ベリリウム窓の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27462291A JP2695076B2 (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | X線源用ベリリウム窓の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27462291A JP2695076B2 (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | X線源用ベリリウム窓の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0587995A JPH0587995A (ja) | 1993-04-09 |
JP2695076B2 true JP2695076B2 (ja) | 1997-12-24 |
Family
ID=17544290
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27462291A Expired - Lifetime JP2695076B2 (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | X線源用ベリリウム窓の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2695076B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005135786A (ja) * | 2003-10-31 | 2005-05-26 | Toshiba Corp | 電子管の構成部品取付け構造 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6357517B1 (en) | 1994-07-04 | 2002-03-19 | Denso Corporation | Cooling apparatus boiling and condensing refrigerant |
US6119767A (en) * | 1996-01-29 | 2000-09-19 | Denso Corporation | Cooling apparatus using boiling and condensing refrigerant |
FR2746177B1 (fr) * | 1996-03-14 | 2000-04-07 | Dispositif de refroidissement utilisant un refrigerant en ebullition et se condensant | |
US6076596A (en) * | 1996-03-14 | 2000-06-20 | Denso Corporation | Cooling apparatus for high-temperature medium by boiling and condensing refrigerant |
DE19709934B4 (de) | 1996-03-14 | 2008-04-17 | Denso Corp., Kariya | Kühlgerät zum Sieden und Kondensieren eines Kältemittels |
-
1991
- 1991-09-26 JP JP27462291A patent/JP2695076B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005135786A (ja) * | 2003-10-31 | 2005-05-26 | Toshiba Corp | 電子管の構成部品取付け構造 |
JP4601939B2 (ja) * | 2003-10-31 | 2010-12-22 | 株式会社東芝 | 電子管の気密接合構造 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0587995A (ja) | 1993-04-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4420352A (en) | Absorbable-susceptor joining of ceramic surfaces | |
JPH0249267B2 (ja) | ||
CN116178037A (zh) | 用于连接材料的高温方法及利用该方法的装置 | |
JPH0316968A (ja) | 界面拡散によって工作部材を接合する方法 | |
JP2695076B2 (ja) | X線源用ベリリウム窓の製造方法 | |
JP2018518060A (ja) | 半導体処理に使用される機器部品を修理する方法 | |
US7067200B2 (en) | Joined bodies and a method of producing the same | |
CN114453693A (zh) | 一种纯锆层连接tzm合金和石墨的接触反应钎焊工艺 | |
US6586704B1 (en) | Joining of materials using laser heating | |
JPH06119893A (ja) | ベリリウム箔を有する真空容器 | |
US6108144A (en) | Method of welding an optical component to a metal attachment element and an optical assembly incorporating the metal attachment element | |
US3964667A (en) | Diffusion bonding | |
JPS6130292A (ja) | 熱間等方圧プレスによる拡散接合法 | |
JPH07187836A (ja) | レーザ光によるSi含有セラミックスの接合方法 | |
JP2002280152A (ja) | 加熱及び/又は冷却用金属構造体の製造方法 | |
JP2693973B2 (ja) | 筒状積層材の拡散接合方法 | |
KR100252066B1 (ko) | 레이저 음극선관 및 그 제조방법 | |
JP2703975B2 (ja) | 加速器電極板およびその製造方法 | |
JPH10120474A (ja) | アルミニウムとセラミックスとの接合方法 | |
JPS61168848A (ja) | X線イメージ増倍管用真空ジヤケツト | |
JPH0910962A (ja) | アルミニウム材とステンレス材との接合方法 | |
SU1613281A1 (ru) | Способ диффузионной сварки | |
JP2823411B2 (ja) | 拡散接合部材の製造方法 | |
JPS58103960A (ja) | アルミニウム製容器にシ−スヒ−タをろう付する方法 | |
JPH0284285A (ja) | 筒状積層材の拡散接合方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19970826 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070912 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080912 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912 Year of fee payment: 14 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912 Year of fee payment: 14 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912 Year of fee payment: 15 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912 Year of fee payment: 15 |