JP2692356B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2692356B2 JP2208890A JP20889090A JP2692356B2 JP 2692356 B2 JP2692356 B2 JP 2692356B2 JP 2208890 A JP2208890 A JP 2208890A JP 20889090 A JP20889090 A JP 20889090A JP 2692356 B2 JP2692356 B2 JP 2692356B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子楽器に関し、特にスピカート、スタッ
カート、タンギング等の弾むような音の演奏を可能とす
る電子楽器に関する。
[従来の技術] 従来、電子的に楽音を発生させる電子楽器において、
演奏を行なうための演奏操作子としては鍵盤が多用され
ている。
鍵盤は、本来ピアノやオルガン等の鍵盤楽器の演奏操
作子であり、電子楽器においてもこれら鍵盤楽器の楽音
を発生させる場合には適切な演奏操作子である。
電子楽器は、鍵盤楽器の音色の他、管楽器や弦楽器等
他の種類の楽器の音色を発生させることもできる。とこ
ろが、これら鍵盤楽器以外の楽音を発生させる場合、鍵
盤を演奏操作子として用いると発音の仕方の変化や音の
接続態様の変化等を付与することが難しい。このため、
発生される楽音の音色は、電子楽器特有の単調なものに
なりやすい。
電子楽器としては、鍵盤を用いたものの他、ギターシ
ンセサイザやウィンドコントローラ等がある。ギターシ
ンセサイザはギター型楽器の楽音発生に適している。ク
ィンドコントローラは管楽器の楽音発生に適している。
これらは特定の形態の楽器の楽音発生に適しているが、
その他の形態の楽器の楽音発生には不都合な点も多い。
本出願人は、スライドボリウム等による発音制御を提
案している。スライドボリウムにより持続音のコントロ
ール、人間らしいゆらぎのコントロール等を行なうこと
ができる。しかし、スライドボリウムでは操作子の演奏
位置は一次元的にかつ連続的にしか変化できない。この
ため、任意の断続的な演奏が容易に行なえない。また、
弾むような演奏、立上がりの鋭い演奏が難しい。
[発明が解決しようとする課題] 電子楽器用の従来の演奏操作子はいずれも構造上等の
制限があり、演奏の自由度が低く、表現力の向上に制限
があった。特に持続する音と共に弾んだような楽音を発
生させることに制限があった。
本発明の目的は、持続音の発生と共に弾んだ楽音の発
生に適した電子楽器を提供することである。
本発明の他の目的は、持続音の発生と共に弾んだ楽音
の発生に適した電子楽器用演奏操作子を提供することで
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明の電子楽器は、揺振動作または、外力が働くこ
とによって弾性変形する演奏操作子と、前記演奏操作子
と組合せ、前記演奏操作子を接触、離間させて演奏操作
を行なうことのできる被演奏操作手段と、前記演奏操作
子と前記被演奏操作手段の少なくともいずれかに設けら
れ、前記演奏操作子が前記演奏操作手段に接触する際の
前記演奏操作子の変形量を検出することができる変形量
検出センサと、前記演奏操作子と前記被演奏操作手段の
少なくともいずれかに設けられ、前記演奏操作子の前記
被演奏操作手段上における接触位置を検出することがで
きる接触位置検出センサと、所定時間間隔で前記変形量
検出センサと前記接触位置検出センサとからそれぞれ変
形量と接触位置との両方をほぼ同じタイミングで取り出
す取出手段と、前記取出手段により取り出される接触位
置から、前記演奏操作子の前記被演奏操作手段上におけ
る速度を算出する速度算出手段と、前記取出手段により
取り出される変形量と、前記速度算出手段により算出さ
れる速度に基づいて楽音信号を形成する楽音信号形成回
路とを有する。
[作用] 弾性変形する演奏操作子と、被演奏操作手段とを組合
せて断続的に接触・離間させることにより、演奏者の感
覚に合った弾むような音の演奏(スピカート、スタッカ
ート、タンギング)を行なうことができる。また、演奏
操作子を被演奏操作手段に連続的に接触させることによ
り、持続音を発生させることができる。
弾性変形する部材に弾性変型を検出する歪検出器を設
けることにより、演奏操作により部材が弾性変形する
と、その弾性変形が検出され、弾んだような楽音パラメ
ータを形成することができる。
また、部材の変位速度を検出することにより、持続音
の発音パラメータを形成することができる。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の実施例による電子楽器のハードウェ
アシステムを示すブロック図である。
電子楽器は、演奏操作部と、楽音信号処理形成部と、
サウンドシステム部とを含む。演奏操作部は、歪ゲージ
を備えたスティック1と、スティック1で演奏操作する
時の組合せ部材であるタブレット5と、キーボード9を
含む。タブレット5上には、スティック1を演奏操作す
べき面積を画定する被演奏操作面3が設定されている。
スティック1を被演奏操作面3に接触させると、その位
置が検出され、スティック1を被演奏操作面3上で移動
させるとその移動速度が速度検出回路12に送られる。ま
た、演奏操作子であるスティック1を被演奏操作面3
に、たとえば弾ませるように叩き付けると、スティック
1内に設けられた歪ゲージがスティック1の対応する弾
性変形を検出し、その検出した圧力を圧力検出回路11に
供給する。
鍵盤9は複数の鍵7を有し、鍵7を押圧すると、その
押圧された鍵の位置(すなわち音高)がキースイッチ回
路13によって検出される。
圧力検出回路11、速度検出回路12、キースイッチ回路
13は、それぞれ検出した信号をバス21に送出する。バス
21には、楽音信号処理プログラムを内蔵する読み出し専
用メモリ(ROM)15、随時読み出し書き込みメモリ(RA
M)16、中央演算処理装置(CPU)17、クロック信号を発
生するタイマー18、楽音信号形成回路である物理音源14
が接続されている。楽音信号形成回路である物理音源14
の出力信号は、サウンドシステム19に送られ、音楽が発
生される。また、CPU17はタイマー18からのタイミング
信号を割込み信号線22を会して受取り、タイマーインタ
ラプト処理を行なう。
第2図(A)〜(C)は、第1図に示した歪ゲージを
備えた演奏操作子であるスティック1をより詳細に示
す。
第2図(A)は、スティック1の1構成例の概略を示
す断面図である。スティック1の先端には、コイル24が
埋め込まれており、コイル用電流源26から電流が供給さ
れる。このため、スティック1の先端部分周辺には磁場
が発生し、この磁場を検出することによって、スティッ
ク1先端の位置を検出することができる。また、スティ
ック1の中央部には歪ゲージ25が接着されている。歪ゲ
ージ25はスティック1の壁面が弾性変形すると、それに
伴なって弾性変形を起こし、その変形を抵抗変化等によ
って検出することができる。
第2図(B)は、歪ゲージ25の歪検出回路を概略的に
示す回路図である。歪ゲージ25と3つの抵抗R1、R2、R3
が、ブリッジ回路を構成する。電源Eからブリッジ回路
の2辺に電流が供給され、出力電圧が各辺の電圧分割点
に接続された出力電圧端子Eoutに形成される。電流は抵
抗R2、R3の辺と、抵抗R1と歪ゲージ25の辺を流れ、両辺
の電圧分割点の電位差が出力電圧を形成する。
第2図(C)は、スティック1の演奏操作の態様をし
めす該略図である。スティック1は図示のように細長い
形状を有する。たとえば直径約8mm程度で、長さ約30cm
程度の棒状の部材である。この細長い棒状のスティック
1を斜め方向に叩くと、第2図(C)左側に示すよう
に、スティック1は軸と垂直方向に弾性変形する。ま
た、スティック1を第2図(C)右側に示すように軸方
向に叩き付けると、比較的剛性が高いため、弾性変形は
少ない。このように、スティック1を被演奏操作面に対
してどのように係合させるかにより、スティック1に生
じる弾性変形が変化し、その信号を検出することができ
る。スティック1の弾性変形を高感度に検出するために
は、歪ゲージ25はスティック1の軸上ではなく、その表
面近傍に取付けるのが好ましい。また、スティック1の
対向する2つの位置に歪ゲージを対で取付けることもで
きる。また、歪ゲージ内に複数の検出素子を含むものを
用いてもよい。
タブレット5の被演奏操作面3の下には、たとえば格
子縞状に検出線が配置され、第2図(A)に示すコイル
24が発生する磁場を検出することができる。このように
して、スティック1を被演奏操作面3上およびその近傍
で演奏操作することにより、スティック1内の歪ゲージ
から圧力信号を得て、タブレット5の磁場検出回路から
スティック1先端の位置を検出することができる。ステ
ィック1の先端の位置の変化を検出することにより、ス
ティック1先端の面内変位速度が検出される。このよう
にして、圧力信号と速度信号が供給される。また、鍵盤
9からは押鍵位置の信号が検出され、キースイッチ回路
13により、音高信号が形成される。これらの圧力信号、
速度信号、音高信号は、バス21を介してVOP(物理)音
源14に供給される。このVOP音源14の楽音信号形成回路
を第3図に示す。
第3図は擦弦楽器用の回路に適したVOP音源14の要部
を等価回路的に示すブロック図である。弓で擦弦楽器の
弦を擦ることに対応して、速度信号が発生され、加算回
路52に入力される。弦楽器の場合は、唇の構えを表わす
アンブシュアが速度信号に対応する。この速度信号は、
起動信号であり、加算回路53、除算回路54を介して非線
形回路55に供給される。非線形回路55はバイオリンの弦
の非線形特性等を表す非線形特性の回路である。
非線形回路55の非線形特性は、第4図(A)の特性63
に示すように、原点からある範囲までのほぼ線形な領域
とそれよりも外側の特性の変化した領域との2つの部分
を含む。バイオリン等の擦弦楽器の弦を弓で擦る場合、
弓速が遅い間は、弦の変位はほぼ弓の変位と同等であ
り、弦の運動を静摩擦係数によって表わすことができ
る。これが原点を中心としたほぼ線形の範囲の特性で表
わされる。弓の弦に対する相対速度がある値を越える
と、弓の速度と弦の変位速度とは同一ではなくなる。す
なわち、静摩擦係数に代わって動摩擦係数が運動を支配
するようになる。この静摩擦係数から動摩擦係数への切
り替えが、段差部分で表わされる。
第3図において、非線形回路55の出力は、乗算回路56
を経て2つの加算回路44、45に供給される。
非線形回路55の入力側の除算回路54、出力の乗算回路
56は、圧力信号を受けて、非線形回路55の特性を変更さ
せる。圧力信号は擦弦楽器の場合は弓圧、管楽器の場合
は息圧に対応する。入力側の除算回路54は、入力信号を
除算することによって、小さな値に変更する。すなわ
ち、第4図(A)の破線63aで示すように、除算回路54
がある場合、大きな入力を受けても小さな入力を受けた
かのような出力を与える。出力側の乗算回路56は、非線
形回路55の出力を増大させる役割を果たす。すなわち、
第4図(A)の1点鎖線特性63bで示すように、除算回
路54と非線形回路55で形成される特性63aを出力側に増
大した特性を作る。なお、同一の弓圧信号を受けて、入
力を初めに除算し、後で出力を乗算することは、除算回
路54で係数C0で除算し、乗算回路56で同一の係数C0を乗
算することを表す。この場合は、1点鎖線の総合特性63
bは非線形回路55のみの時の特性63の延長線上にあり、
それを横軸、縦軸にC0倍した形状を有する。乗算回路の
係数を除算回路の係数と異なるように変化させることに
より、異なる形状を作るようにさせてもよい。
加算回路44、45は半循環信号路31a、31bの内に設けら
れている。2つの半循環信号路を合わせた循環信号路31
は、擦弦楽器の弦に対応して楽音信号を循環させる閉ル
ープを構成する。すなわち、弦においては振動が両端で
反射して往復する。また、弦楽器においては、共鳴体中
を振動が往復する。これを信号が循環する閉ループで近
似する。この循環信号路内には、2つの遅延回路32、3
3、2つのLPF(ローパスフィルタ)34、35、2つの減衰
回路38、39、2つの乗算回路42、43を含む。遅延回路2
2、23は音高を表すピッチ信号と係数αないし(1−
α)との積を受け、所定の遅延時間を与える。
循環信号路31a、31bを信号が循環し、元の位置に戻る
までの全遅延時間によって、楽音の基本ピッチが定ま
る。すなわち、主として2つの遅延回路32、33の遅延時
間の和、ピッチ×[α+(1−α)]=ピッチ、が基本
ピッチを定める。一方の遅延回路は、弓と弦との接触す
る位置から駒までの距離、他方の遅延回路は弓と弦の接
触する位置から押指位置までの距離に対応する。
なお、遅延回路32、33によってピッチがほぼ決定する
が、この循環信号路中に含まれる他の要素、たとえばLP
F34、35、減衰コントロール38、39等によっても遅延が
発生する。厳密には、発生する楽音のピッチを定めるの
はこれらのループ中に含まれる全遅延時間の和である。
LPF34、35は循環している波形信号の伝達特性を変更
することにより、種々の弦の振動特性をシミュレートす
る。鍵盤上の音色パッドの選択等によって、音色信号を
発生させ、LPF34、35に供給して、その特性を切り替
え、所望の擦弦楽器の楽音をシミュレートする。
弦を振動が伝搬する際に、振動は次第に減衰する。減
衰コントロール38、39はこの弦を伝わる振動が減衰する
減衰量をシミュレートするものである。
乗算器42、43は弦固定端での振動の反射に対応して反
射係数−1を乗算するものである。すなわち、減衰なし
の固定端での反射を想定して弦の振幅を逆位相に変化さ
せる。係数−1がこの逆相反射を示す。反射における振
幅の減衰は、減衰コントロール38、39の減衰量に組み込
んである。
このようにして、弦に相当する循環信号路31a、31bの
上を振動が循環することによって擦弦楽器の弦の運動を
シミュレートする。
また、擦弦楽器の弦の運動はヒステリシス特性を有す
る。これをシミュレートするため乗算回路56の出力は、
LPF58と、乗算回路59を介して非線形回路55の入力側に
フィードバックされている。LPF58はフィードバックル
ープの発振を防止するためのものである。
今、加算回路52から加算回路53への入力をuとし、フ
ィードバック路から加算回路53への入力をvとし、除算
回路54、非線形回路55、乗算回路56を合わせた増幅率を
Aとすると、乗算回路56の出力wは、(u+v)A=w
で表される。LPF58と乗算回路59を含む負帰還回路のゲ
インがB(負の値)であるとすると、帰還量vはv=wB
で表される。これらの2つの式を整理すると、 (u+wB)A=w ∴w=uA/(1−AB) となる。
フィードバックなし、すなわち、B=0の場合は、w
=uAであり、入力uが単に係数A倍されて出力する。ゲ
インBの負帰還をかけた場合、同じ出力を得るには、B
=0の場合(1−AB)倍(Bは負)の入力を印加しなけ
ればならない。
フィードバックがある場合の入力増大時の特性を、第
4図(B)の特性63cで示す。入力がある大きさに達す
ると静摩擦係数から動摩擦係数への切り替えが起り、出
力が段階的に減少する。この入力の閾値をTh1で示す。
一旦入力が閾値Th1を越してから、再び減少する場合
には、出力wが小さいので、フィードバックされる量v
=Bwも小さい。すなわち、非線形回路55に入力する信号
の大きさが同じでも、静摩擦係数領域の場合と比べて、
動摩擦係数領域の場合は、負のフィードバック量が小さ
いので、加算回路52から加算回路53への入力uは小さな
値となる。
非線形回路55の入力が、閾値になる時の加算回路52か
らの入力uの大きさを考えると、入力増大時には静摩擦
係数が支配し、大きい出力に対応して強い負帰還を受け
るので、より大きな入力Th1でこの切り替えが起るが、
入力減少時には動摩擦係数が支配し、小さな出力に対応
して負帰還量が小さいので、Th1では切り替えは起こら
ずより小さな入力uの値Th2で切り替えが起る。従っ
て、入力uと出力wとの関係を入力が次第に増大すると
きと次第に減少する時とで求めると、第4図(B)の曲
線63cと曲線63dに示すようなヒステリシス特性が得られ
る。ヒステリシスの大きさは、乗算回路59のゲインによ
って制御される。
このようにして、第3図に示す楽音信号形成回路によ
れば、擦弦楽器の弦の運動がシミュレートでき、楽音の
基本波形を作ることができる。
第3図に示すように、循環信号路31のいずれかの点か
ら出力を取り出して、擦弦楽器の胴の特性をシミュレー
トするフォルマントフィルタ61を介して出力信号をサウ
ンドシステムに供給する。フォルマントフィルタ61も音
色信号を受けてその特性を変化させるようにすることが
できる。
第3図に示す楽音信号形成回路においては、楽音発生
の起動力となる信号が速度信号によって与えられてい
る。また、非線形回路55の特性を制御する信号として圧
力信号が用いられている。これらのパラメータは演奏者
の意志ないし演奏操作に基づいて制御できることが好ま
しい。ピッチを指定するパラメータは、鍵盤9の鍵8を
操作することによって得られる。速度情報と圧力情報
は、タブレット5の被演奏操作面3でのスティック形演
奏操作子1の演奏操作によって得られる。
第1図の構成において、スティック状の演奏操作子1
と、タブレット5の被演奏操作面3とは、互いに係合し
て演奏操作を行なう際に弾性運動をするように構成され
ている。このため、演奏操作子もしくは被演奏操作面の
一方には弾性材料が用いられる。たとえば、スティック
1または被演奏操作面3の全体もしくは一部がゴム等の
弾性材料で構成される。
このような操作子を手に持って、被演奏操作面3に落
下させると、演奏操作子1または被演奏操作面3の弾性
により、演奏操作子1が適当な弾み感を持って跳ね返
る。
この弾み情報を演奏操作子1内に取付けた歪ゲージで
検出し、物理モデル音源に送ることで人間の感覚に合っ
た操作で弾むような表現の楽音を実現することができ
る。
このような弾性運動に基づく制御により、楽音の表現
力が向上する例として、立上がりが鋭く、短い、弾んだ
ような音がある。たとえば擦弦楽器にけるスピカート、
スタッカート、弦楽器におけるタンギング等が例であ
る。
以下、弾んだような鋭い音を例として、スピカート音
の発生を第3図に示す物理モデル音源の擦弦アルゴリズ
ムを使って発生する例を説明する。
スピカート音を発生させるためには、第5図に示すよ
うな波形を有する速度情報および圧力情報を第3図の物
理モデル音源擦弦アルゴリズムに送ればよいことがすで
にわかっている。すなわち、速度がほぼ一定の圧力が短
く鋭いパルス状に変化する場合、弓で弦を弾くスピカー
ト演奏によって発生する楽音と同様の楽音が発生する。
第1図および第2図に示したような弾性を有する演奏
操作子を用いた場合、スティックを弾ませると、たとえ
ば第6図に示すような信号波形が歪ゲージ回路の出力と
して得られる。すなわち、時間Tの進行と共に、出力信
号が始め大きく振動し、急速に減衰する振動波形が得ら
れる。
第5図に示す圧力の波形と、第6図に示す歪ゲージ回
路出力の波形は、図から明らかなように等しくない。し
かし、第6図に示す歪ゲージ回路出力を、たとえば絶対
値処理や平滑化、テーブル処理等を行なうことにより、
弓圧情報として第5図の圧力波形と同様な波形に変換す
ることができる。被演奏操作面3から、一定速度の速度
情報を得れば、これらの圧力情報および速度情報から通
常スピカート音といわれている楽音を発生することがで
きる。
第7図は、第1図、第2図に示したようなスティック
を2次元平面に叩き付け、そのまま押えた時の歪ゲージ
回路出力を示す。
図に示すように、弓圧信号は急激に立上がり、一旦立
下がってその後徐々に増加し、ほぼ一定値を保つように
なる。スティック1をほぼ一定速度で移動させれば、弓
速信号としては第7図上段に示すようなほぼ一定値の弓
速情報が得られる。これらの速度情報、圧力情報とサッ
クスアルゴリズムを使用し、速度情報をアンブシュア、
圧力情報を息圧として物理モデル音源に送ると、タンギ
ングといわれる鋭い立上がりの音を発生することができ
る。
以上のように、弾性を有する演奏操作子と被演奏操作
手段とを組合せ、両者の係合から得られる情報を平滑
化、テーブル処理等をすることにより、所望の速度情
報、圧力情報を得ることができる。これらの情報によ
り、擦弦楽器や管楽器の演奏を音楽性豊かに変化させる
ことが可能となる。
なお、操作子と被演奏操作手段の組合せは、そのいず
れかから速度情報および圧力情報を得るものであるが、
速度情報を検出するセンサとしては、超音波センサ、バ
ーコードリーダ、ロータリーエンコーダ、ポリタメント
バー、加速度センサ、光センサ、赤外線センサ、タブレ
ット等を用いることができる。ここで、ロータリーエン
コーダ、ポルタメントバー、タブレット等は、主に操作
子を接触させることによって、その情報を得るものであ
るが、超音波センサ、光センサ、赤外線センサ等は、非
接触でも速度情報を得るのに適したセンサあであり、特
にスティックを弾ませながら速度情報を得るような場合
にも適している。
また、圧力情報を得るセンサとしては、上述の歪ゲー
ジの他、ロードセルや変位センサとバネの組合せ、感圧
ゴムシート等を用いることができる。これらの速度セン
サ、圧力センサは、構造的に可能である限り、操作子側
に設けても被操作面側に設けてもよい。たとえば、接触
位置を検出することのできるタブレットと、歪ゲージを
備えたスティックによって位置情報と圧力情報を得て、
位置情報の微分情報によって速度情報を検出する。位置
情報を検出することのできるタブレットの代わりに、超
音波センサを用いれば、演奏操作子が被演奏操作面に接
触していなくてもある高さに到達すればその位置を検出
することができる。また、バーコードリーダを用いる場
合は、やはり、厳密な接触は必要でなくなる。
演奏操作はスティック状の演奏操作子を被演奏操作面
に弾ませたり、叩き付けたりして演奏させる。このた
め、両者の適合性を考慮することが好ましい。たとえ
ば、演奏操作子を被演奏操作面上でこすったり、滑らせ
たりするのには、適当な摩擦感を有することが好まし
い。
第8図に、第1図に示す電子楽器の楽音発生処理のメ
インルーチンを示す。
第8図のフローチャートにおいて、処理がスタートす
るとまず、ステップS1において各レジスタの初期化が行
なわれる。次に鍵盤9においてキーオンイベントがあっ
たか否かが検出される(ステップS2)。キーオンイベン
トがあった場合は、YESの矢印にしたがってステップS3
に移動し、キーオンイベントルーチンが行なわれる。そ
の後ステップS4において、キーオフイベントがあったか
否かが検出され、キーオフイベントがあった場合は、YE
Sの矢印にしたがい、ステップS5に移動し、キーオフイ
ベントルーチンが実行される。その後、その他の処理ル
ーチンを実行し(ステップS6)、キーオンイベント検出
(ステップS2)にリターンする。なお、キーオンイベン
トがなかった時は、ステップS2からステップS4にジャン
プする。また、キーオフイベントがなかった時は、ステ
ップS4からステップS6にジャンプする。
第9図は、キーオンイベントのフローチャートを示
す。まず、ステップS11において、キーオンイベントの
あった鍵に対応したキーコードがレジスタKCDに書き込
まれる。次にステップS12において、レジスタKCDに書き
込まれたキーコードの音をVOP音源のいずれかの発音チ
ャンネルに割当てする。次にステップS13において、VOP
音源の割当てられたチャンネルに、レジスタKCDのキー
コードとキーオン信号を転送する。弓速信号が発生すれ
ば楽音信号が発生する。その後リターンする。
第10図はキーオフイベントのフローチャートを示す。
キーオフイベントがあると、ステップS21においてキ
ーオフイベントのあった鍵のキーコードをレジスタKCD
に収納する。次にステップS22において、VOP音源の発音
チャンネルからレジスタKCDのキーコードと同じキーコ
ードの音を発音しているチャンネルを検出する。次のス
テップS23において、対応するチャンネルがあったか否
かを判定する。対応するチャンネルがあった場合は、YE
Sの矢印にしたがってステップS24でVOP音源の該当チャ
ンネルにキーオフ信号を転送する。また、フラグOLDに
0をたてる。ステップS23において、該当チャンネルが
なかった場合は、、ステップS23から直接リターンす
る。
第11図は、タイマインタラプトのフローチャートを示
す。タイマインタラプトがると、ステップS31におい
て、検出した圧力をレジスタPRSに収納し(取り出
し)、検出した位置をレジスタPOSに収納する(取り出
す)。次のステップS32において、キーオン信号がある
か否かを判定する。キーオン信号がある場合は、次のス
テップS33において、圧力を収納するレジスタPRSの内容
がノンゼロであるか否かを判定する。圧力がノンゼロで
あれば、YESの矢印にしたがい、次のステップS34でフラ
グOLDが1か否かを判定する。フラグOLDが1であれば、
この演奏操作はすでに検出されているものであり、レジ
スタPOSの値と、前の検出位置を収納するレジスタXの
値の差をとり、レジスタDIFに収納する(ステップS3
5)。タイマインタラプトは一定時間間隔で生じている
ので、引続くタイマインタラプトにおける検出位置の差
を求めると、速度に対応する量となる。したがって、レ
ジスタDIFの内容を速度に変換する(ステップS36)。そ
の後次の検出に備え、検出位置を収納するレジスタPOS
の内容を、前回位置レジスタXに収納して情報を更新す
る。また、検出した速度をレジスタVELに収納する(ス
テップS38)。次に、レジスタPRSの圧力情報と、レジス
タVELの速度情報を音源に転送する(ステップS39)。な
お、ステップS32ないしはステップS33において、判定結
果がNOである場合は、これらのステップから直接リター
ンする。また、ステップS34において判定結果がNOであ
る場合は、新たな演奏操作の検出であるため、まずフラ
グOLDに1をたてる(ステップS40)。初回の位置検出に
おいては、速度を定義することはできないので、次にス
テップS37に移る。次回のタイマインタラプトにおいて
は、フラグOLDに1がたっているため、ステップS34から
ステップS35に進むことになる。
以下、弾性を有する演奏操作子と被演奏操作主多段と
の組合せについてより詳細に説明する。
上述の実施例においては、歪ゲージを有するスティッ
クと、スティックと組合せて用いる平面上の被演奏操作
手段を用いた。スティックと2次元平面を有する被演奏
操作手段との間に働く力を歪ゲージのみで検出し、圧力
情報として使用する場合、その応答の周波数特性が不十
分な場合がある。鋭い立上がり音が望ましい場合、この
システムを改善することが望まれる。
第12図(A)の構成においては、立上がり特性を補う
ために、被演奏操作面3の下面に衝撃センサ73が設けら
れている。演奏操作子1には、歪ゲージ25が取付けられ
ており、演奏操作子1の弾性変形を検出する。また、被
演奏操作面3には超音波発信・受信装置71が組合されて
おり、超音波77が超音波発信・受信手段71から発信さ
れ、受信される。この超音波77が被演奏操作面3の面上
所定距離を伝搬する時は、演奏操作子1が必ずしも被演
奏操作面3に接触していなくてもその位置が検出され
る。なお、被演奏操作面3の弾性を増強するため、バネ
部材75が被演奏面3の下に設けられている。
第12図(B)は衝撃センサ73から発生する出力を取出
すための衝撃センサ回路を示す。
衝撃センサ73は、抵抗R6と並列に接続され、オペアン
プOP1のプラス端子に接続される。オペアンプOP1のマイ
ナス端子は、抵抗R5を介して接地されている。このオペ
アンプOP1の出力はキャパシタC1と抵抗R4との並列接続
を介してマイナス端子に帰還されている。このような回
路によって、衝撃センサ73の発生する信号は、出力端子
間に形成される。
第12図(C)は、第12図(A)に示す構成が出力する
モニタ信号を処理するフローチャートを示す。タイマイ
ンタラプトが生じると、衝撃センサ73の発生する出力信
号がデータとして取込まれる(ステップS41)。次にス
テップS42において、衝撃センサ73からのデータを変換
し、歪ゲージ25の出力との統合を図る。ステップS43に
おいては、歪ゲージ25の出力するデータと、衝撃センサ
73の出力を変換した信号とが加算され、合成出力を形成
する。この合成出力は次のステップS44において、上限
および下限を設定される等の処理を受け、補正される。
このように補正された圧力信号が、次のステップS45に
おいて圧力データとして出力される。この圧力データが
第1図に示したような物理音源14に入力され、楽音信号
が発生する。
第12図の構成においては、超音波によって演奏操作子
の位置を測定した。
第13図はロータリーエンコーダを用いて、演奏操作子
の位置を測定する実施例を示す。第13図(A)、
(B)、(C)、(D)は、それぞれロータリーエンコ
ーダーを用いた構成を示す。
第13図(A)においては、演奏操作子1の先端に、矢
印方向に回転するロータ81が設けられ、ロータ81の回転
はベルトを介してロータリーエンコーダ82に伝えられて
いる。なお、演奏操作子1の中央部分には歪ゲージ25が
接着されている。演奏操作子1を被演奏操作面3と係合
させることにより、ロータ81が回転し、これに伴いロー
タリーエンコーダ82が回転する。このようにして、ロー
タリーエンコーダ82から演奏操作子1の変位が検出さ
れ、歪ゲージ25から演奏操作子1の変形が検出される。
第13図(B)は、ロータリーエンコーダを備えた構成
の別の例を示す。
第13図(B)の構成においては、第13図(A)の構成
のロータ81と直交する方向に回転するロータ83が演奏操
作子1の先端部に設けられ、その回転はロータリーエン
コーダ82に伝達されている。また、演奏操作子1の中間
部分に歪ゲージ25が設けられている。このようにしてロ
ータリーエンコーダ82から演奏操作子1の変位信号が出
力され、歪ゲージ25から演奏操作子1の変形に応じた圧
力信号が出力される。
第13図(A)、(B)においては、演奏操作子1の先
端にそれぞれ一方向に回転するロータが設けられてい
た。これらの構成に対し、いわゆるマウス構造を用いる
ことにより、一度に2以上の方向の変位量を測定するこ
ともできる。
第13図(C)は、マウスの位置構成例を示す。
ロータ84と85とは、それぞれ直交する方向に回転をす
る。2つのロータ84、85の回転を合成することにより、
演奏操作子1の動作をモニタすることができる。
第13図(D)の構成は、直接2つのロータによって運
動をモニタする代りに、まず2次元方向に回転可能な球
状ロータ86によって、演奏操作子1の変位をモニタし、
この球状ロータ86のX方向回転およびY方向回転をそれ
ぞれ検出するために2つの検出用ロータ87、88が球状ロ
ータ86に接して設けられている。
このようなロータリーエンコーダを用いた演奏操作子
の変位検出回路の例を第13図(E)に示す。
ロータリーエンコーダから正方向および負方向の2つ
の回転変位を表わす信号がA相信号、B相信号として供
給される。これらの2つの信号は、符号弁別回路89およ
びカウンタ90にそれぞれ入力される。符号弁別回路89に
おいては、2入力からその回転方向を判別し、アップ/
ダウン信号を発生し、カウンタ回路90に供給する。カウ
ンタ回路90はアップ/ダウン信号とA相信号、B相信号
を入力し、アップ/ダウン信号に基づいてその出力を増
加/減少させる。
このようにして、演奏操作子の変位が検出され、変位
の時間微分値から速度信号が形成される。
第14図(A)、(B)は、バーコードリーダを備えた
実施例を示す。
第14図(A)は、本実施例の構成を示す。
バーコードを備えた被演奏操作手段93と、上述の実施
例で用いたものと同様の演奏操作子1および、バーコー
ド読み出し機能を備えた演奏操作子91とが組合されて用
いられる。演奏操作子1と91は、その一方のみを用いて
もよい。
第14図(B)は、バーコードリーダを用いて演奏操作
を行なう場合の回路図を示す。
演奏操作子91はバーコードを備えた被演奏手段93と組
合されて操作される。演奏操作子91は、被演奏操作手段
93のバーコードを読み出し、それに対応したパルス信号
を発生する。カウンタ回路95で読み出されたカウンタ数
は、ラッチ回路96でラッチされタイマー97で制御され
て、出力信号を形成する。このパルス信号の読み出し回
路は、ロータリーエンコーダの読み出し回路とほぼ同様
であるが、センサ自身には符号判別機能を持たないた
め、定期的にカウンタ数を計算して相対速度を計算し、
速度データが0になったら符号を反転するようにソフト
ウェアで処理するのが好ましい。
第15図(A)〜(D)は、加速度センサを備えた実施
例を示す。
第15図(A)において、スティック1は3次元の加速
度を測定する加速度センサ99と、ロードセル98とを有す
る。なお、ロードセルの代りに、歪ゲージを用いてもよ
い。歪ゲージもしくはロードセル98によって圧力ないし
は応力を測定し、加速度センサ99の測定値を用いて速度
を検出する。
第15図(B)は、加速度センサを用いた場合の回路形
成を示す。加速度センサとしては、圧電型加速度センサ
を用いる場合を示す。加速度センサ99の出力は、一旦保
護回路101に供給され、そのままチャージアンプ103に供
給されて増幅される。チャージアンプの出力のうち、ノ
イズを除去するためにハイパスフィルタ105を介して出
力信号は非反転増幅器107に供給される。非反転増幅器1
07で増幅された信号は、必要に応じてアナログ/デジタ
ル変換回路に供給され、デジタル信号となって処理され
る。
第15図(C)は、加速度センサを用いた場合の処理の
フローチャートを示す。処理がスタートすると、加速度
センサからの測定値を取込み、レジスタACCXに取入れる
(ステップS51)。次にそれまでの加速度を積分した値
を蓄積するレジスタACCVXに新たに測定した加速度ACCX
の値を加算し、積分値を蓄積するレジスタACCVXに収容
する(ステップS52)。加速度を積分することによって
速度情報が得られる。その後、積分値を蓄積するレジス
タACCVXの値を必要に応じて正規化、テーブル処理を行
ない(ステップS53)、速度信号として音源に転送する
(ステップS54)。このようにして加速度を検出するこ
とにより、速度データを得ることができる。
第15図(D)は加速度を検出することによって演算よ
り算出した速度の例を示す波形である。
第16図(A)〜(C)は、圧力の検出が適性に行なえ
るように、ロードセルの構成を改良する例を示す。
第16図(A)は、圧力伝達機構としてボールを用いる
構成を示す。ペン型の演奏操作子1の先端に、ボールペ
ンのボールのような球109が設けられる。この球にロー
ドセル98が接して力を受ける。被演奏操作面3に演奏操
作子1を係合させると、その角度によらず、ボール109
は力等を受けロードセル98に力を伝達する。このように
して、広い方向範囲の力を効率よく検出するロードセル
が得られる。
第16図(B)は、ロードセル98をスティック1の先端
横方向に設け、その周囲をスポンジ111でくるんだ構成
を示す。ロードセル98を演奏操作子1の側面に配置した
ことにより、演奏操作子を倒して演奏する際の横方向の
力を検出しやすくしてある。この場合、演奏操作子1の
軸方向の圧力検出が難しくなるが、先端をスポンジ等の
軟らかいものでくるむことによって、ロードセル98の保
護と感度調整を行なうことが可能となる。たとえば、大
太鼓のスティックのようにして演奏操作を行なうことが
できる。
第16図(C)は、第16図(B)の構成に加え、引金を
設けた構成を示す。引金部分にも他のロードセル98bが
設けられている。演奏操作子1を空中で操作するような
場合でも、指でロードセル98bを押圧することにより、
圧力を出力することができる。第16図(B)の演奏操作
子と第16図(C)の演奏操作子を組合せて用いてもよ
い。
第17図(A)、(B)は、圧力センサとしてバネと変
位センサを用いる実施例を示す。
第17図(A)において、演奏操作子1の中央部分に
は、図中右側に拡大して示すような構成が設けられてい
る。すなわち、演奏操作子1の上側と下側はバネ113に
よって結合されており、下側の部分から延びる連結用の
棒115が摺動子117を介して直線状のボリューム119と結
合している。演奏操作子1をたとえば下方に叩き付ける
ことによりバネ113が縮み、その変位は摺動子117の運動
となってボリューム119の出力を変化させる。
第17図(B)は、ボリュームとして直線状ボリューム
でなく回転ボリュームを用いる構成を示す。バネ113が
演奏操作子1の上側と下側とを弾性的に結合し、連結用
の棒115が下側部分から延びていることは第17図(A)
と同様である。本構造の場合、連結用の棒115がローラ1
21と係合し、演奏操作子1に力が働くと、ローラ121が
回転をする。この回転が回転型ボリューム123を回転さ
せ、その出力を変化させる。
このようにしてバネと変位センサを用いることによ
り、圧力を検出することができる。
第18図は光センサを用いた実施例を示す。歪ゲージを
備えた演奏操作子1と組合せて用いる被演奏操作手段5
として、ホトカプラ的な光センサを用いた構成を示す。
被演奏操作手段5の上面には溝125が設けられており、
演奏操作子1の先端部をこの溝内に係合させて演奏操作
を行なう。溝125は演奏操作子1のガイドの役を果た
す。この溝の一面127には、多数の発光体が設けられて
おり、対向する他面129にはこれと対応した多数の受光
体が設けられている。発光体から受光体に図中矢印で示
すように、光の授受が行なれる。演奏操作子1をこの溝
内に移動させることにより、矢印で示すような光を局所
的に遮る。この光が遮られた位置を検出することによ
り、演奏操作子1の位置を検出し、速度を検出する。
第19図はロータリーエンコーダを利用し、弦楽器の演
奏と類似の演奏を可能とする構成を示す。被演奏操作手
段5は、円筒型のローラー131を有し、演奏操作子1を
このローラー131に係合させ、ローラー131を回転させて
演奏を行なう。円筒型ローラー131には、ロードセルと
ロータリーエンコーダが設けられており、演奏操作子1
が与える力を検出すると共に、ローラーの回転から速度
情報を検出する。なお、演奏操作子1内にも歪ゲージ等
の圧力検出手段を設け、働く圧力を検出してもよい。
第20図は歯車と反射光を利用した構成を示す。演奏操
作子1の先端に歯車135が設けられており、この歯車に
光を投射し、反射光を受光するように光学系137が設け
られている。演奏操作子1を被演奏操作手段に接触させ
ると、その力に応じて歯車135が変位し、移動に応じて
歯車135が回転する。歯車135の変位、回転は、反射光の
変化となって検出される。
第21図はコマ形の演奏操作手段を示す。演奏者が手に
持ちやすいような形状のコマ形に整形された演奏操作子
1は、その上部にスイッチ141を備え、中央部にはクッ
ション143と圧力センサ145を有し、その先端部にパター
ン認識センサおよびロータリーエンコーダを有するセン
サ部147を有する。このような構成とすることにより、
先端のセンサ部147で速度情報を検出し、圧力センサ145
で圧力を検出する。これらの情報は出力コード149で外
部に導出される。
第22図はポルタメントバーを利用して速度情報を得る
構成を示す。ポルタメントバー151は、押圧された位置
に応じた出力電圧を生じる。演奏操作子1は、その内部
に歪ゲージを有し、ポルタメントバー151と係合させて
演奏操作を行なう。たとえば、演奏操作子1をポルタメ
ントバー151に接触させ、その接触位置を変化させる
と、ポルタメントバー151から接触位置の変化に応じた
位置信号が出力される。また、演奏操作子1からは圧力
信号が出力される。位置信号は、微分することにより速
度信号を形成する。
第23図(A)〜(C)は、超音波を利用した構成を示
す。
第23図(A)においては、弦155が張られ、その弦155
と演奏操作子1を係合させ、演奏操作を行なう。弦155
の一端には、超音波発信/受信装置153が接続されてお
り、超音波発信/受信装置153から発信された超音波
は、弦155を伝達され、演奏操作子1が接触している部
分で反射され、反射波が測定される。このようにして演
奏操作子1の位置が検出される。また、演奏操作子1内
には歪ゲージが設けられ、圧力情報が検出される。弦15
5を金属等で形成すると、音速が空気中より格段に速く
なり、高速の検出動作ができる。
第23図(B)は、超音波を利用した他の構成例を示
す。本構成においては、超音波発信/受信装置153に支
持用の棒159が固定され、この棒159に弦155が張られて
いる。超音波発信/受信装置153からは、弦155に超音波
が発信され、反射波が測定される。演奏操作子1は弦15
5と係合させる。ただしこの場合、演奏操作子1を比較
的定位置に固定し、弦155を張った棒159を弦楽器の弓の
ように操作し、演奏操作を行なう。このような構成とす
ると、弦楽器における演奏と同様な演奏操作が可能とな
り、弓を弾ませる動作や動かし方等、本物に近い演奏操
作により楽音を発生させることができる。
なお、第23図(A)、(B)のような超音波を利用し
た構成においては、第23図(C)に示すように、弦155
を金属板163に固定し、この金属板に歪ゲージ161を張り
付けて反射波を測定するようにするとよい。
なお、演奏操作子として主にスティック状のものを示
したが撓う構造のものであればどのような形状でもよ
い。圧力(応力)の検出は複数個所で行なわれてもよ
い。速度、圧力とも複数種類のセンサを用い、任意に選
択、組合せて用いてもよい。
以上の実施例に沿って本発明を説明したが、本発明は
これらに制限されるものではない。たとえば、種々の変
更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明で
あろう。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、外力が働くこ
とによって弾性変形する演奏操作子とこの演奏操作子と
組合せ、断続的に係合させて演奏操作を行なうことので
きる被演奏操作手段とを用いることにより、弾んだよう
な楽音を発生させることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例による電子楽器のハードウェ
アシステムを示すブロック図、 第2図(A)、(B)、(C)は、弾性を持つスティッ
クを説明するための図であり、第2図(A)は構成の概
略を示す断面図、第2図(B)は歪ゲージの回路を示す
回路図、第2図(C)はスティックの演奏操作を概略的
に示す概念図、 第3図は、第1図の構成における音源回路の要部を拡大
して示す回路図、 第4図(A)、(B)は、第3図の非線形特性とヒステ
リス特性を説明するための特性図、 第5図は、スピカート音を発生させるために必要な速度
情報と圧力情報の例を示す波形図、 第6図は、第1図に示す実施例により得られる信号波
形、 第7図は、立上がりの鋭い音を発生させるのに望ましい
速度および圧力の情報を示す波形図、 第8図は、メインルーチンを示すフローチャート、 第9図は、キーオンイベントの処理を示すフローチャー
ト、 第10図は、キーオフイベントの処理を示すフローチャー
ト、 第11図は、タイマインタラプトの処理を示すフローチャ
ート、 第12図(A)、(B)、(C)は、衝撃センサを備えた
実施例を説明する図であり、第12図(A)は構成を示す
斜視図、第12図(B)は衝撃センサ回路を示す回路図、
第12図(C)は処理を示すフローチャート、 第13図(A)〜(E)は、ロータリーエンコーダを備え
た実施例を説明する図であり、第13図(A)〜(D)は
4つの構成例を示す概略図、第13図(E)は回路図、 第14図(A)、(B)は、バーコードリーダを備えた実
施例を説明する図であり、第14図(A)は構成を示す斜
視図、第14図(B)は回路図、 第15図(A)〜(D)は、加速度センサを備えた実施例
を説明するための図であり、第15図(A)は構成を示す
概略図、第15図(B)は回路構成を示すブロック図、第
15図(C)は処理を示すフローチャート、第15図(D)
は加速度から演算処理して求めた速度の波形例を示すグ
ラフ、 第16図(A)、(B)、(C)は、ロードセルの構成改
良の例を示す概略図、 第17図(A)、(B)は、バネと変位センサを用いて圧
力を検出する実施例を示す概略構成図、 第18図は、光センサを用いた実施例を示す斜視図、 第19図は、円筒型ローラとロータリーエンコーダを利用
した実施例を示す側面図、 第20図は、歯車と反射光を利用する構成を示す概念図、 第21図は、コマ形形状の演奏操作子を示す側面図、 第22図は、ポルタメントバーを利用する構成を示す斜視
図、 第23図(A)、(B)、(C)は、超音波を利用する構
成例を示す斜視図である。 図において、 1……演奏操作子(スティック) 3……被演奏操作面 5……被演奏操作手段(タブレット) 24……コイル、25……歪ゲージ 26……電流源 71……超音波発信/受信装置 73……衝撃センサ 82……ロータリーエンコーダ 91……バーコードリーダ 98……ロードセル、99……加速度センサ 113……バネ 119、123……変位検出手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】揺振動作または、外力が働くことによって
    弾性変形する演奏操作子と、 前記演奏操作子と組合せ、前記演奏操作子を接触、離間
    させて演奏操作を行なうことのできる被演奏操作手段
    と、 前記演奏操作子と前記被演奏操作手段の少なくともいず
    れかに設けられ、前記演奏操作子が前記演奏操作手段に
    接触する際の前記演奏操作子の変形量を検出することが
    できる変形量検出センサと、 前記演奏操作子と前記被演奏操作手段の少なくともいず
    れかに設けられ、前記演奏操作子の前記被演奏操作手段
    上における接触位置を検出することができる接触位置検
    出センサと、 所定時間間隔で前記変形量検出センサと前記接触位置検
    出センサとからそれぞれ変形量と接触位置との両方をほ
    ぼ同じタイミングで取り出す取出手段と、 前記取出手段により取り出される接触位置から、前記演
    奏操作子の前記被演奏操作手段上における速度を算出す
    る速度算出手段と、 前記取出手段により取り出される変形量と、前記速度算
    出手段により算出される速度に基づいて楽音信号を形成
    する楽音信号形成回路と を有する電子楽器。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電子楽器であって、さらに
    音高を指定することのできる複数の鍵からなる鍵盤を有
    する電子楽器。
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