JP5321243B2 - 擦弦楽器演奏ロボット - Google Patents

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Description

本発明は、弓を用いて擦弦楽器を自動演奏する擦弦楽器演奏ロボットに関する。
人型のロボットが開発されている。このような人型ロボットは、人間の腕を模したロボットアームを有し、ロボットアームの各関節を駆動制御することにより、様々な作業を行うことができる。
近年では、楽器を演奏する自動演奏ロボットも開発され、たとえば、弓を使ってバイオリンなどの擦弦楽器を自動演奏するロボットの開発も進められている。
擦弦楽器の演奏をロボットにさせるためには、人間の動作を再現させればよいと考えられる。
すなわち、まず、人間が実際に擦弦楽器を演奏したときの弓の歪量を計測し、計測データを目標値として取得する。そして、ロボットが演奏しているときの弓の歪量を計測し、この計測値が目標値に追従するようにロボットのアームをフィードバック制御する。これにより、人間と同じ音色で演奏が実演されるはずである。
なお、例えば、特許文献1(特開2007-65198号公報)では、自動演奏ロボットによる楽器の演奏に人間の演奏操作を関与させるための構成が開示されている。特許文献1では、実際に人間が擦弦楽器を演奏する際の弓の動きを検出するセンサを設け、これらセンサによって検出された弓の動きを演奏ロボットの動作に加味するようにしている。弓の動きを検出するセンサとしては、弓毛に掛かる圧力を検出する弓圧センサ、弓の速度を検出する弓速センサが用いられている。
特開2007-65198号公報(図14)
実際にロボットに擦弦楽器を演奏させる場合、弓の歪量を目標値に適切に追従させ、人間が演奏しているときのような音色を再現させることは非常に困難であった。
原因としては、弓の歪量を計測する際の計測精度および計測感度に問題があると考えられる。すなわち、弓の歪量の計測に十分な精度および感度が得られないため、ロボットが演奏する時の弓の歪量を目標値に精度よく追従させることが難しいのだと考えられる。
しかしながら、弓の構造上、歪量の計測精度および計測感度を引き上げることは相当に困難であり、人間の実演をロボットに再現させることは難しかった。
本発明の擦弦楽器の自動演奏ロボットは、弓を把持して擦弦楽器を自動演奏する擦弦楽器の自動演奏ロボットであって、弓毛が弦に押し当てられるときに弓毛と弦との間に作用する応力を計測する弓応力計測手段と、楽曲演奏時に弓毛が弦を押す応力を指令する弓応力データが設定記憶された演奏データ記憶部と、前記弓応力計測手段による計測値と前記弓応力データとの偏差に基づくフィードバック制御演算によって前記弓応力データに追従するために必要な動作軌道を算出する軌道算出部と、前記動作軌道に基づいた動作を実行させる動作実行手段と、備え、前記軌道算出部は、前記楽曲演奏時に弓毛と弦と接触位置に応じて制御パラメータを更新設定する制御パラメータ設定部を備えることを特徴とする。
本発明では、前記軌道算出部は、事前の実験によって、弓毛と弦との接触位置ごとに追従性が最もよくなるように求められたフィードバック制御パラメータが設定記憶された制御パラメータ記憶部を備え、前記制御パラメータ設定部は、楽曲演奏中に時々刻々変化する弓毛と弦との接触位置に応じて前記制御パラメータ記憶部から制御パラメータを読み出し、軌道算出部を構成する演算器の制御パラメータを更新設定することが好ましい。
本発明では、前記制御パラメータ記憶部には、二点以上についての制御パラメータが設定記憶されており、制御パラメータ設定部は、線形補間によって更新設定に用いる制御パラメータを求めることが好ましい。
本発明では、前記軌道算出部は、前記演奏データ記憶部の前記弓応力データに追従するために必要な弓の押し込み角の指令値を算出する弓押込角算出部を備え、前記制御パラメータ設定部は、前記弓押込角算出部を構成する演算器の制御パラメータを弓毛と弦と接触位置に応じて更新設定することが好ましい。
本発明では、前記弓応力計測手段は、弓のスティックに貼設された歪ゲージによって構成されていることが好ましい。
本発明の擦弦楽器の自動演奏ロボットの制御方法は、弓を把持して擦弦楽器を自動演奏する擦弦楽器の自動演奏ロボットの制御方法であって、楽曲演奏時に弓毛と弦と接触位置に応じて制御パラメータを更新することを特徴とする。


ロボットにバイオリンを演奏させる場合、弓毛と弦との間に作用する応力の計測値に十分な精度および感度が得られないため、ロボットが演奏する時の弦を押す力を目標値に精度よく追従させることが難しかった。
この点、本発明では、弓毛と弦との間に作用する応力の計測値は弓毛と弦との接触位置によって変化することに注目し、弓毛と弦との接触位置に応じて制御パラメータが最適になるように更新するようにした。これにより、目標値に対する追従性が向上し、ロボットの自動演奏による音色が人間の演奏に近くなる。
また、弓の構造上、弓毛と弦との間に作用する応力を高精度に計測することは困難であるが、本発明では、計測値の誤差をロボットの制御の方で補完できる。したがって、楽器自体は通常人間が演奏するものと同じとし、また、簡便な応力計測方法を採用しながらも、完成度の高いロボットの自動演奏が実現できる。
自動演奏ロボットが擦弦楽器としてのバイオリンを演奏している様子を示す図。 弓の側面図。 歪ゲージを示す図。 自動演奏ロボットの制御部の構成を示す図。 弓押込角算出部の構成を示す図。 弓応力計測手段としての圧力センサを示す図。
以下、本発明の実施の形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の自動演奏ロボットに係る第1実施形態について説明する。
図1は、自動演奏ロボットが擦弦楽器としてのバイオリンを演奏している様子を示す図である。
自動演奏ロボット100は、体幹部110と、体幹部110に可動に設けられた右腕部120および左腕部130と、を備える。
左右の腕部120、130は、複数の関節140を有し、6または7の自由度をもつロボットアームである。各関節140は、サーボモータによって駆動される。左右の腕部120、130の先端部には、ものを把持する手先部が設けられている。
ここで、右腕部120について、肩から手首までを右腕本体部121とし、手首から先の部分を右手先部122とする。
右手先部122は、人間と同じように五指が設けられ、各指は指関節によって可動である。
ロボットは人間と同じように左腕部でバイオリン本体部910を保持し、右手先部122によって弓920を把持し、立位姿勢または着座姿勢でバイオリン900の演奏を行う。
ロボット100が演奏するバイオリン900は、通常のバイオリンと同じであってもよく、電子バイオリンであってもよい。
図2は、バイオリン演奏に用いる弓920の側面図である。
弓920は、スティック921と、スティック921に張られた弓毛922と、を備える。
さらに、スティック921には弓毛922に係る圧力を計測するための弓応力計測手段としての歪ゲージ930が貼設されている。
歪ゲージ930は、スティック921の前後方向において略中央に設けられている。
歪ゲージ930の構成としては特に限定されるものではないが、例えば、図3のように4枚の歪ゲージを用いた4アクティブゲージ法によって歪ゲージを設けることが好ましい。
このような4ゲージ法によれば、温度変化等によるスティック921の変形に影響されず、スティック921の歪を計測することができる。
このような構成の弓920において、弓920の弓毛922をバイオリン900の弦911に押し当てると、弓毛922にテンションがかかる。すると、弓毛922のテンションによってスティック921に歪が生じ、この歪により歪ゲージ930の出力電圧が変化する。したがって、歪ゲージ930の出力からスティック921の歪および弓毛922にかかるテンションを知ることができる。
ここで、図2に示すようにパラメータを設定する。
右手先部122が弓920を把持する基端を原点とし、弓毛922が弦911に接する位置を接点xsとする。
この接点xsは、基端から弓毛922が弦911に接する位置までの距離を表す。前記原点を中心として、弓920の回転角を弓押込角ΔΘとする。弓920を弦911に押し込む方向を正とする。また、弦911の押し込み量をΔZとする。
このとき、
ΔΘ=ΔZ/xs
が成り立つ。
次に、自動演奏ロボット100の制御システム構成について説明する。
図4は、自動演奏ロボット100の制御部200の構成を示す図である。
制御部200は、演奏データ記憶部210と、軌道算出部300と、関節角算出部220と、を備える。
演奏データ記憶部210には、楽曲を演奏するためにロボット100に与える各種の指令が演奏データとして設定記憶されている。
演奏データは、たとえば、人間が実際に楽器を用いて演奏した際の各種データをサンプリングすることによって生成される。
演奏データとして、歪データ211、接点データ212、弓姿勢データ213、が設定されている。
歪データ211は、人間が実際に弓920を用いてバイオリン900を演奏した際に歪ゲージ930によって計測された歪のデータであり、弦911に対して弓920をどれぐらいの強さで押し当てるかを示す。
歪データ211によって指令される歪量をεrefとする。
接点データ212は、人間が実際に弓920を用いてバイオリン900を演奏した際の弓毛922と弦911との接触位置xsのデータである。
接点データ212によって弓毛922と弦911との接触位置xsが指令されることはもちろん、接点データの一階微分、二階微分により、弓920をどれぐらいの速さでストロークするかが示される。
弓姿勢データ213は、人間が実際に弓920を用いてバイオリン900を演奏した際の弓920の角度のデータであり、これにより弓920がどの弦911に当たるかが決まる。
なお、演奏データとしては、左腕部130に関する演奏データ、例えば、左手の運指データ214なども必要であるが、本発明の主要点は右腕部120の動作制御にあるので、左腕部130の動作制御に関する説明は割愛する。
演奏データ記憶部210に設定記憶された演奏データ211、212、213、214は、一つの曲に対応するデータとして生成されており、データ読出しの際には同期して読み出されるようになっている。
軌道算出部300は、弓押込角算出部310と、右手先軌道算出部320と、右腕軌道算出部330と、制御パラメータ設定部と、を備える。
弓押込角算出部310は、演奏データ記憶部210の歪データεrefに追従するために必要な弓の押し込み角の指令値ΔΘを算出する。
図5は、弓押込角算出部310の構成を示す図である。
弓押込角算出部310は、PIDフィードバックループによって構成されている。
具体的には、弓押込角算出部310は、比較器311と、比例演算器312と、微分演算器313と、積分演算器314と、角度変換器315と、を備える。
比較器311には、目標値としての歪データεrefと、歪ゲージ930による計測値と、が入力され、比較器311は両者の偏差Δεを出力する。
なお、歪ゲージ930と比較器311との間には、例えばローパスフィルタなどのフィルタ931が設けられている。
そして、歪ゲージ930による計測値εはフィルタ処理によってノイズ除去が行われ、フィルタ処理後の歪計測データεfが比較器311に入力される。
比例演算器312、微分演算器313および積分演算器314により、PID制御が構成される。
比例演算器312は、比例ゲインKPを歪偏差Δεに乗算する。
微分演算器313は、比例演算器312の出力に対し、微分時間Tdを用いて微分演算を実行する。
また、積分演算器314は、比例演算器312の出力に対し、積分時間Tiを用いて積分演算を実行する。
歪偏差Δεに対する比例演算、微分演算、積分演算によって弓920の押し込み量ΔZが算出される。
角度変換器315は、求められた弓920の押し込み量ΔZから弓押込角ΔΘを算出する。
具体的には、角度変換器315は、弓920の押し込み量ΔZをそのときの接点データxsで除算して、弓920の押し込み量ΔZから弓押込角ΔΘを算出する。
ここで、歪ゲージ930による計測精度および計測感度が高くないため、単純なPID制御演算では、弓の歪量εmを目標値εrefに追従させるための弓押込み角ΔΘを求めることができない。
そこで、本実施形態では、弓押込角算出部310の各種制御パラメータを制御パラメータ設定部350によって時々刻々更新させる点に特徴を有するが、この点は後述する。
右手先軌道算出部320は、弓押込角算出部310によって算出された弓押込角ΔΘを実現するための右手先部122の軌道を算出する。
関節角算出部220は、求められた軌道を実現するために必要な各関節140の駆動角度を求める。
関節角算出部220にて求められた駆動角度の指令値は、ドライバ150を介してモータ160に与えられる。
ここに、関節角算出部220、ドライバ150およびモータ160により、動作軌道に基づいた動作を実行させる動作実行手段が構成される。
なお、特に詳細には説明しないが、右腕軌道算出部330は、弓毛922と弦911との接触位置が接点データxsに追従するような右腕本体部121の軌道を算出し、関節角算出部220に出力する。
また、左腕軌道算出部340は、例えば左手運指データ214に応じて、押さえる弦911、弦911を押さえる位置、弦911を押さえるタイミングを実現するための左腕軌道を算出し、関節角算出部220に出力する。
制御パラメータ設定部350について説明する。
制御パラメータ設定部350は、弓押込角算出部310の各種制御パラメータを接点データxsに応じて時々刻々更新する。
制御パラメータ設定部350には制御パラメータ記憶部351が付設されている。
制御パラメータ記憶部351には、弓毛922と弦911との接触位置に応じて最適の制御パラメータが設定記憶されている。
これら制御パラメータは、実際のロボット100または実験機を用いて事前に求められたものである。
例えば、任意の歪データの指令値εrefに対して制御パラメータを様々に変化させ、弓920が振動しない範囲で追従性が最もよくなるフィードバックパラメータ(Kp、Ti、Td)を決定する。
このとき、制御パラメータは、弓毛922と弦911との接触位置xsによって最適の値が異なってくる。
そこで、接点xsごとに最適な制御パラメータを求めて制御パラメータ記憶部351に設定記憶させる。
表1は、接点xsごとに求められた制御パラメータをテーブルにしたものである。
Figure 0005321243
制御パラメータ設定部350には、接点データxsが分岐して入力されており、制御パラメータ設定部350は、時々刻々変化する接点データxsに応じて制御パラメータ記憶部351からパラメータを読み出し、弓押込角算出部310の各演算器312、313、314、315のパラメータを更新設定する。
このとき、制御パラメータ設定部350は、制御パラメータ記憶部351に記憶された接点データに合致しない接点xsに対しては、線形補間によって補間する。
例えば、xs1における制御パラメータを(Kp1、Ti1)とし、xs2における制御パラメータを(Kp2、Ti2)とする。
この場合、接点xs1と接点xs2との間の接点xsの制御パラメータ(Kp、Ti)を次のように補間して求める。
Figure 0005321243
また、制御パラメータ設定部350は、角度変換器315にも接点データを出力して、押込量ΔZを押込角ΔΘに変換ための接点位置xsを角度変換器315に更新設定する。
なお、最適な制御パラメータは、弓920によって異なるので、弓920ごとに求めて用意しておく。
このような構成を備える自動演奏ロボット100の動作について説明する。
まず、自動演奏ロボット100による演奏開始にあたって、必要な各種データを設定する。
演奏データ記憶部210に一曲分の演奏に必要な歪データ211、接点データ212、弓姿勢データ213等を設定する。
さらに、制御パラメータ記憶部351には、接点xsに応じて最適なフィードバック制御を実現する制御パラメータを設定する。
このような準備のあと、自動演奏ロボット100に演奏させる。
演奏データ記憶部210から歪データεref、接点データxs、弓姿勢データが同期して出力される。
歪データεrefは弓押込角算出部310に入力される。歪データεrefは、比較器311において歪ゲージ出力のフィルタ後データεfと対比され、その偏差Δεが比較器311から出力される。
また、接点データxsは、右腕軌道算出部330に入力されるとともに、分岐して制御パラメータ設定部350に入力される。
制御パラメータ設定部350は、入力された接点データxsに応じて制御パラメータ記憶部351から対応する制御パラメータ(KP、Ti、Td)を読み出す。あるいは、合致する制御パラメータがない場合は、上記式(1)によって補間し、制御パラメータ(KP、Ti、Td)を算出する。
制御パラメータ設定部350は、比例演算器312、微分演算器313、積分演算器314のパラメータ(KP、Ti、Td)を接点データxsに応じたものに更新設定する。
このとき、弓920がストロークされると接点xsは時々刻々と変化するので、制御パラメータ設定部350は、弓920の動き、すなわち、時々刻々変化する接点データxsに応じて制御パラメータを更新する。
このように比例演算器312、微分演算器313、積分演算器314の制御パラメータが更新された後、比較器311からの偏差Δεが比例演算器312、微分演算器313、積分演算器314を介して弓920の押し込み量ΔZに変換される。
そして、押し込み量ΔZは、角度変換器315において接点の値xsで除算され、押し込み角ΔΘに変換される。
弓押込角算出部310によって算出された弓押込角ΔΘは、右手先軌道算出部320に入力され、前記弓押込角ΔΘを実現するための右手先部122の軌道が右手先軌道算出部320により算出される。
求められた軌道を実現するために必要な各関節140の駆動角度が関節角算出部220によって求められ、関節角算出部220にて求められた駆動角度の指令値は、ドライバ150を介してモータ160に与えられる。
これにより、ロボット100の右手先部122が必要な駆動を実行し、歪データεrefに追従するように弓毛922が弦911に押し込まれる。
さらに、接点データおよび弓姿勢データを用いて右腕軌道算出部330により右腕本体部121の軌道が求められ、指令に従った弓ストロークおよび弓角度が実現される。
その他、左腕部130に関しても運指データ等に基づいて左手の弦押さえが実行される。
これにより、演奏データ記憶部210に設定された指令値によく追従したバイオリン900の演奏が実現される。
特に、弓毛922と弦911との押し当てが指令値に従うので、人間が演奏するときに極めて近い音色が実現される。
このような本実施形態によれば、次の効果を奏する。
(1)従来、ロボット100にバイオリンを演奏させる場合、弓920の歪量の計測に十分な精度および感度が得られないため、ロボットが演奏する時の弓の歪量を目標値に精度よく追従させることが難しかった。
また、弓の構造上、歪量の計測精度および計測感度を引き上げることは相当に困難であった。
この点、本実施形態では、弓の歪量の計測値は弓毛922と弦911との接触位置によって変化することに注目し、弓毛922と弦911との接触位置xsに応じて制御パラメータが最適になるように更新設定するようにした。
これにより、目標とする弓の歪量に対する追従性が向上し、ロボットの自動演奏による音色が人間の演奏に近くなる。
(2)本実施形態では、弓毛922に掛かる力の計測にはスティック921に貼設した歪ゲージ930によって行うので、弓920の歪量の計測自体は非常に簡便である。
たとえば、弓毛922にかかる力を高精度に検出できる特別なセンサや特別な弓の構造を開発すれば、弓毛922に掛かる力の計測精度を上げることができるとも考えられるが、開発の手間やコストを考えると現実的ではなく、そもそも相当の困難がある。
この点、本実施形態では、弓920に設けた歪ゲージ930の計測値の特徴に注目し、歪計測の誤差をロボットの制御の方で補完するようにした。
これにより、バイオリン自体は通常人間が演奏するものと同じであり、また、簡便な歪計測方法を採用しながらも、完成度の高いロボットの自動演奏が実現できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
上記第1実施形態では、制御パラメータ記憶部には複数の接点xsに対して最適な制御パラメータを設定記憶させる場合を例にして説明した。
この他、たとえば、制御パラメータ記憶部には二つの接点xsに対する制御パラメータを設定し、制御パラメータ設定部はこの二点に関する制御パラメータから線形補間によって弓押込角算出部に設定する制御パラメータを求めるようにしてもよい。
上記第1実施形態では、弓毛にかかる力を計測するための弓応力計測手段としてスティックに貼設した歪ゲージを用いる場合を例に説明した。
この他、たとえば、図6に示すように、右手先部122とスティック921の基端との間に圧力センサ940、940を介在配置し、圧力センサ940からの出力値によって弓920に掛かる応力を計測してもよい。
このような構成でも、弓毛922が弦911に接触する点xsとセンサとの距離関係が変化するとセンサの検出精度や検出感度が変化するが、本発明の構成により、弓920の押し込み量の追従性が向上する。
また、弓応力計測手段としての歪ゲージを設ける位置はスティックの前後略中央に限らず、弓の歪を検出でできる位置であればよい。
また、弓応力計測手段としては、歪ゲージ、圧力センサに限らず、その他のセンサを用いてもよい。
上記実施形態においては、弓押込角算出部は、PIDフィードバックループで構成されている場合を例示したが、これに限らず、PI制御、PD制御などであってもよいことはもちろんである。
擦弦楽器としては、バイオリンに限らず、弓(または棒)で弦をこすって音を出す楽器であればよく、バイオリン属(バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス)の他、たとえば、胡弓などでもよい。
制御部200は、各種演算器として動作する論理素子等のハードウェアで構成されたものに限らず、CPU(中央処理装置)、メモリ(記憶装置)等を備えたコンピュータによって構成されていてもよい。
そして、このコンピュータに所定のプログラムを組み込んで前記弓押込角算出部や右手先軌道算出部等の各機能を実現させるようにしてもよい。
このようにプログラムによって各機能部を実現するようにすると、制御パラメータの変更等が簡便である。
制御パラメータ設定部に演奏データ記憶部の接点データが分岐して入力される場合を例示したが、この他、たとえば、右手先部の動作軌道を制御パラメータ設定部にフィードバックし、右手先部の位置から弓毛と弦との接触位置を求めるようにしてもよい。
100…自動演奏ロボット、110…体幹部、120…右腕部、121…右腕本体部、122…右手先部、130…左腕部、140…関節、150…ドライバ、160…モータ、200…制御部、210…演奏データ記憶部、211…歪データ、212…接点データ、213…弓姿勢データ、214…左手運指データ、220…関節角算出部、300…軌道算出部、310…弓押込角算出部、311…比較器、312…比例演算器、313…微分演算器、314…積分演算器、315…角度変換器、320…右手先軌道算出部、330…右腕軌道算出部、340…左腕軌道算出部、350…制御パラメータ設定部、351…制御パラメータ記憶部、900…バイオリン、910…バイオリン本体部、911…弦、920…弓、921…スティック、922…弓毛、930…歪ゲージ、931…フィルタ、940…圧力センサ。

Claims (6)

  1. 弓を把持して擦弦楽器を自動演奏する擦弦楽器の自動演奏ロボットであって、
    弓毛が弦に押し当てられるときに弓毛と弦との間に作用する応力を計測する弓応力計測手段と、
    楽曲演奏時に弓毛が弦を押す応力を指令する弓応力データが設定記憶された演奏データ記憶部と、
    前記弓応力計測手段による計測値と前記弓応力データとの偏差に基づくフィードバック制御演算によって前記弓応力データに追従するために必要な動作軌道を算出する軌道算出部と、
    前記動作軌道に基づいた動作を実行させる動作実行手段と、備え、
    前記軌道算出部は、
    前記楽曲演奏時に弓毛と弦と接触位置に応じて制御パラメータを更新設定する制御パラメータ設定部を備える
    ことを特徴とする擦弦楽器の自動演奏ロボット。
  2. 請求項1に記載の擦弦楽器の自動演奏ロボットにおいて、
    前記軌道算出部は、事前の実験によって、弓毛と弦との接触位置ごとに追従性が最もよくなるように求められたフィードバック制御パラメータが設定記憶された制御パラメータ記憶部を備え、
    前記制御パラメータ設定部は、楽曲演奏中に時々刻々変化する弓毛と弦との接触位置に応じて前記制御パラメータ記憶部から制御パラメータを読み出し、軌道算出部を構成する演算器の制御パラメータを更新設定する
    ことを特徴とする擦弦楽器の自動演奏ロボット。
  3. 請求項2に記載の擦弦楽器の自動演奏ロボットにおいて、
    前記制御パラメータ記憶部には、二点以上についての制御パラメータが設定記憶されており、
    制御パラメータ設定部は、線形補間によって更新設定に用いる制御パラメータを求める
    ことを特徴とする擦弦楽器の自動演奏ロボット。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の擦弦楽器の自動演奏ロボットにおいて、
    前記軌道算出部は、前記演奏データ記憶部の前記弓応力データに追従するために必要な弓の押し込み角の指令値を算出する弓押込角算出部を備え、
    前記制御パラメータ設定部は、前記弓押込角算出部を構成する演算器の制御パラメータを弓毛と弦と接触位置に応じて更新設定する
    ことを特徴とする擦弦楽器の自動演奏ロボット。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の擦弦楽器の自動演奏ロボットにおいて、
    前記弓応力計測手段は、弓のスティックに貼設された歪ゲージによって構成されている
    ことを特徴とする擦弦楽器の自動演奏ロボット。
  6. 弓を把持して擦弦楽器を自動演奏する擦弦楽器の自動演奏ロボットの制御方法であって、
    前記自動演奏ロボットには、楽曲演奏時に弓毛が弦を押す応力を指令する弓応力データがあらかじめ記憶されており、
    弓毛を弦に押し当てたときに弓毛と弦との間に作用する応力を計測し、
    毛と弦と接触位置に応じて制御パラメータを更新し、
    前記応力の計測値と前記弓応力データとの偏差に基づくフィードバック制御演算によって前記弓応力データに追従するために必要な動作軌道を算出し、
    前記動作軌道に基づいた動作を実行させる
    ことを特徴とする擦弦楽器の自動演奏ロボットの制御方法。
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