JP2691349B2 - 食品用保存剤 - Google Patents

食品用保存剤

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JP2691349B2
JP2691349B2 JP13672688A JP13672688A JP2691349B2 JP 2691349 B2 JP2691349 B2 JP 2691349B2 JP 13672688 A JP13672688 A JP 13672688A JP 13672688 A JP13672688 A JP 13672688A JP 2691349 B2 JP2691349 B2 JP 2691349B2
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品川燃料株式会社
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  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は食品用保存剤に関し、更に詳しくは、安全性
が高く、かつ食品に対して優れた保存性を付与できる食
品用保存剤に関する。
〔従来の技術〕
食品に直接適用して食品の長期保存を可能にする保存
剤、抗菌剤が知られている。例えば有機系のものとし
て、アルコール系の食品保存剤(特公昭53-43568号)及
びジカルボン酸の食品保存剤(特公昭56-22265号)があ
る。しかるに有機系の保存剤は、食品加工時に分解や揮
散が生じ易いことから、加工温度や使用方法が制限され
るという欠点がある。
一方、無機の抗菌剤として抗菌性アルミノケイ酸塩が
知られている(特公昭61-22977号、特開昭62-70221
号)。抗菌性アルミノケイ酸塩は、水中あるいは空気中
に放置しても長期間抗菌力を維持できるものである。
さらに、特開昭61-242561号公報に銅ゼオライトを食
品保存剤として用いることが開示されている。しかる
に、銅ゼオライトを食品に適用した場合の人体に対する
安全性について検討されていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者らは、上記銅ゼオライトを含む抗菌性アルミ
ノケイ酸を食品保存剤として使用することについて検討
した結果、保存力の点では優れているが安全性では以下
の問題点があった。
(1) 天然アルミノケイ酸塩は、鉄、鉛等の金属を含
有し、特に鉛等の重金属は人体に対して有害である。
(2) 合成アルミノケイ酸塩から調製した抗菌性アル
ミノケイ酸塩は、皮膚刺激性があり、動物に経口投与す
ると成長に障害がでる。
そこで本発明の目的は、上記問題点を解消した、安全
性が高く、かつ食品に対して優れた保存性を付与できる
抗菌性アルミノケイ酸塩からなる食品用保存剤を提供す
ることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、合成アルミノケイ酸塩中のイオン交換可能
なイオンの一部又は全部を抗菌性金属イオン及びアンモ
ニウムイオンで置換した抗菌性合成アルミノケイ酸塩か
らなる食品用保存剤に関する。
以下本発明について説明する。
本発明において、抗菌性合成アルミノケイ酸は、抗菌
性合成ゼオライト及び抗菌性合成無定形アルミノケイ酸
塩を含む。抗菌性合成ゼオライトとしては、例えば特開
昭59-133235号、同60-1810023号、同59-37956号及び特
願昭61-290144号等に記載された合成ゼオライト中のイ
オン交換可能なイオンを抗菌性金属イオン及びアンモニ
ウムイオン等で置換したゼオライトである。又、抗菌性
合成無定形アルミノケイ酸塩としては、例えば特開昭61
-174111号等に記載された合成無定形アルミノケイ酸塩
中のイオン交換可能なイオンを抗菌性金属イオン及びア
ンモニウムイオン等で置換した無定形アルミノケイ酸塩
である。
本発明においては、例えばゼオライト中のイオン交換
可能なイオン、例えばナトリウムイオン、カルシウムイ
オン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン
等のその一部又は全部を抗菌性金属イオン及びアンモニ
ウムイオン等で置換する。
ここでゼオライトとしては合成ゼオライトを用いる。
天然ゼオライトは不純物(例えば金属イオン)が多く、
食品添加用としては安全性の点で適さない。ゼオライト
は、一般に三次元骨格構造を有するアルミノシリケート
であり、一般式としてXM2/nO・Al2O3・YSiO2・ZH2Oで表
示される。ここでMはイオン交換可能なイオンを表わし
通常は1又は2価の金属のイオンである。nは(金属)
イオンの原子価である。XおよびYはそれぞれの金属酸
化物、シリカ係数、Zは結晶水の数を表示している。ゼ
オライトの具体例としては例えばA−型ゼオライト、X
−型ゼオライト、Y−型ゼオライト、T−型ゼオライ
ト、高シリカゼオライト、ソーダライト、モルデナイ
ト、アナルサイム等を挙げることができる。ただしこれ
らに限定されるものではない。これら例示ゼオライトの
イオン交換容量は、A−型ゼオライト7meq/g、X−型ゼ
オライト6.4meq/g、Y−型ゼオライト5meq/g、T−型ゼ
オライト3.4meq/g、ソーダライト11.5meq/g、モルデナ
イト2.6meq/g、アナルサイム5meq/gであり、いずれもア
ンモニウムイオン及び銀イオンでイオン交換するに充分
の容量を有している。上記合成ゼオライトは既知方法に
より製造したものであればよい。
抗菌性金属イオンの例としては、銀、銅及び亜鉛のイ
オンを挙げることができる。
抗菌性の点から、上記抗菌性金属イオンは、ゼオライ
ト中に0.1〜15%含有されていることが適当である。銀
イオン0.1〜15%及び銅イオン又は亜鉛イオン0.1〜8%
含有する抗菌性ゼオライトがより好ましい。さらに、抗
菌性金属イオンに加えてアンモニウムイオンをゼオライ
トに含有させる。アンモニウムイオンは、ゼオライト中
に20%まで含有させることができるが、ゼオライト中の
アンモニウムイオンの含有量は0.5〜5%と、好ましく
は0.5〜2%とすることが適当である。アンモニウムイ
オンをゼオライトに含有させることによって、抗菌性ア
ルミノケイ酸塩の皮膚刺激性及び動物成長阻害を抑制す
ることができ、抗菌性アルミノケイ酸塩を食品添加剤と
して使用することが可能となる。
本発明においては、アンモニウムイオンに加えてアル
カリ土類金属及びマンガンをゼオライトに含有させるこ
ともできる。
尚、本明細書において、%とは110℃乾燥基準の重量
%をいう。
以下抗菌性合成ゼオライトの製造方法について説明す
る。
本発明に用いる抗菌性ゼオライトは、予め調製したア
ンモニウムイオン等及び銀イオン、銅イオン、亜鉛イオ
ン等の抗菌性金属イオンを含有する混合水溶液にゼオラ
イトを接触させて、ゼオライト中のイオン交換可能なイ
オンと上記イオンとを置換させる。接触は、10〜70℃、
好ましくは40〜60℃で3〜24時間、好ましくは10〜24時
間バッチ式又は連続式(例えばカラム法)によって行う
ことができる。尚上記混合水溶液のpHは3〜10、好まし
くは5〜7に調整することが適当である。該調整によ
り、銀の酸化物等のゼオライト表面又は細孔内への析出
を防止できるので好ましい。又、混合水溶液中の各イオ
ンは、通常いずれも塩として供給される。例えばアンモ
ニウムイオンは、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、酢酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、チオ硫
酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等、銀イオンは、
硝酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、ジアンミン銀硝
酸塩、ジアンミン銀硫酸塩等、銅イオンは硝酸銅(I
I)、過塩素酸銅、酢酸銅、テトラシアノ銅酸カリウ
ム、硫酸銅等、亜鉛イオンは硝酸亜鉛(II)、硫酸亜
鉛、過塩素酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等を用
いることができる。
ゼオライト中のアンモニウムイオン等の含有量は前記
混合水溶液中の各イオン(塩)濃度を調節することによ
って、適宜制御することができる。例えば抗菌性ゼオラ
イトがアンモニウムイオン及び銀イオンを含有する場
合、前記混合水溶液中のアンモニウムイオン濃度を0.2M
/l〜2.5M/l銀イオン濃度を0.002M/l〜0.15M/lとするこ
とによって、適宜、アンモニウムイオン含有量0.5〜5
%、銀イオン含有量0.1〜5%の抗菌性ゼオライトを得
ることができる。又、抗菌性ゼオライトがさらに銅イオ
ン、亜鉛イオンを含有する場合、前記混合水溶液中の銅
イオン濃度は0.1M/l〜0.85M/l、亜鉛イオン濃度は0.15M
/l〜1.2M/lとすることによって、適宜銅イオン含有量0.
1〜8%、亜鉛イオン含有量0.1〜8%の抗菌性ゼオライ
トを得ることができる。
前記の如き混合水溶液以外に各イオンを単独で含有す
る水溶液を用い、各水溶液とゼオライトとを逐次接触さ
せることによって、イオン交換することもできる。各水
溶液中の各イオンの濃度は、前記混合水溶液中の各イオ
ン濃度に準じて定めることができる。
イオン交換が終了したゼオライトは、充分に水洗した
後、乾燥する。乾燥は、常圧で105℃〜115℃、又は減圧
(1〜30Torr)下70℃〜90℃で行うことが好ましい。
本発明において抗菌性合成ゼオライトは、M2O(Mは
アルカリ金属)含有率を9%以下、好ましくは8%以
下、より好ましくは7%以下とすることが、皮膚刺激性
を効果的に抑制するという観点から好ましい。
又、本発明において抗菌性合成ゼオライトは、最大粒
子径を10μm以下、好ましくは5μm以下、より好まし
くは3μm以下とすることが抗菌性合成ゼオライトを添
加した食品の食感を良好に保持し、かつより少量の抗菌
性合成ゼオライトで高い抗菌力を付与するという観点か
ら好ましい。
本発明においては、合成無定形アルミノケイ酸塩中の
イオン交換可能なイオンの一部または全部を抗菌性金属
イオンで置換した抗菌性無定形アルミノケイ酸塩(以下
AASという)も抗菌性合成アルミノケイ酸塩に包含され
る。
ここで原料として用いるAAS(無定形アルミノケイ酸
塩)は、特に制限なく、従来から知られているものをそ
のまま用いることができる。AASは一般に組成式xM2O・A
l2O3・ySiO2・zH2Oで表示され、ここでMは一般にアル
カリ金属元素(例えばナトリウム、カリウム等)であ
る。またx、y、zはそれぞれ金属酸化物、シリカ、結
晶水のモル比率を示している。AASはゼオライトと称さ
れている結晶性アルミノケイ酸塩と異なり、X線回折分
析でも回折パターンが現れない非晶質の物質であり、そ
の合成工程にて数10Aの極く微細なゼオライト結晶が生
成し、その表面にSiO2・Al2O3・M2Oなどが複雑に組合さ
れた非晶質物質が付着した構造と考えられている。AAS
の製造は一般にはアルミニウム塩溶液、ケイ素化合物溶
液およびアルカリ金属塩溶液を所定の濃度で60℃以下の
低温度域で反応させ、結晶化が進行る前に水洗して製造
される。製造法としては、例えば特公昭52-58099号、特
開昭55-162418号などに記載された方法がある。
上記方法により得られるAASはアルカリ金属酸化物(M
2O)が10%以上含まれている。該AASは、抗菌性AASの製
造用にそのまま用いることもできるが、M2O含有率、得
られる抗菌性AASのM2O含有率が9%以下、好ましくは8
%以下、より好ましくは7%以下となるように、あらか
じめ調節しておくことが、抗菌性AASによる皮膚刺激を
防止するという観点から適当である。
さらに上記AASは、抗菌性金属イオンでイオン交換さ
れている。抗菌性金属イオンの例としては、銀、銅及び
亜鉛のイオンが挙げることができる。
抗菌性金属のうち銀の添加量は0.1〜50%、好ましく
は0.5〜5%とすることが優れた抗菌力を示すという観
点から適当である。またさらに銅又は亜鉛を0.1〜10%
含有することが好ましい。
さらに抗菌性AASは、上記抗菌性金属に加えてアンモ
ニウムイオンをイオン交換により含有させる。アンモニ
ウムイオンは、AAS中に15%まで含有させることができ
るが、AAS中のアンモニウムイオンの含有量は0.5〜5%
と、好ましくは0.5〜2%とすることが適当である。
アンモニウムイオンをAASに含有させることによっ
て、抗菌性アルミノケイ酸塩の皮膚刺激性及び動物成長
阻害を有効に防止でき、食品添加剤としての使用が可能
となる。
上記抗菌性AASは例えば以下の(1)及び(2)の方
法により製造することができる。
(1) M2O(Mはアルカリ金属である)含有率が好ま
しくは9%以下の無定形アルミノケイ酸塩と抗菌性金属
イオン及びアンモニウムイオンとを接触させて、無定形
アルミノケイ酸塩中のイオン交換可能なイオンと抗菌性
金属イオン及びアンモニウムイオンとを交換することに
より抗菌性AASを製造することができる。
(2) 無定形アルミノケイ酸塩スラリーのpHを好まし
くは6以下に調整し、次いで該スラリー中の無定形アル
ミノケイ酸塩と抗菌性金属イオン及びアンモニウムイオ
ンとを接触させて、無定形アルミノケイ酸塩中のイオン
交換可能なイオンと抗菌性イオン及びアンモニウムイオ
ンとを交換することにより抗菌性AASを製造することが
できる。
(1)の方法において無定形アルミノケイ酸塩(AA
S)としてM2O含有率が好ましくは、9%以下のものを用
いる。通常の方法で得られるAASは9%を超えるM2Oを含
有する。そこで前記方法により得られたAASを例えば水
に懸濁させ、次いで得られたスラリーを撹拌しながら酸
水溶液を滴下することによりAAS中のアルカリ金属及び
/又はアルカリ土類金属を中和することによりM2O含有
率を9%以下に調整することができる。酸水溶液として
0.1N以下の濃度の希酸水溶液を用い、撹拌条件及び反応
規模によっても異なるが滴下速度100ml/30分以下で行う
ことが好ましい。さらに中和は、スラリーのpHが3〜
6、好ましくは4〜5の範囲にすることが好ましい。
又、中和に使用できる酸としては硝酸、硫酸、過塩素
酸、リン酸、塩酸などの無機酸及びギ酸、酢酸、シュウ
酸、クエン酸などの有機酸等を挙げることができる。
中和して得られたM2O含有率9%以下のAASは濾過し、
水洗し、スラリーとしてそのまま(1)の方法に用いる
こともできるし、あるいは乾燥してM2O含有率9%以下
のAASとしてもよい。
(1)の方法において好ましくは、M2O含有率9%以
下のAASのスラリーと抗菌性金属イオン含有水溶液とを
混合して銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンの抗菌性金属
イオン及びアンモニウムイオンを含有する混合水溶液に
AASを接触させて、AAS中のイオン交換可能なイオンと上
記イオンとを置換させる。接触は、5〜70℃、好ましく
は40〜60℃で1〜24時間、好ましくは10〜24時間パッチ
式又は連続式(例えばカラム法)によって行うことがで
きる。
混合水溶液中の各イオンは、通常いずれも塩として供
給される。用いられる塩は前記抗菌性ゼオライトの製造
の際に用いることができる塩と同様のものを用いること
ができる。
AAS中のアンモニウムイオン等の含有量は前記混合水
溶液中の各イオン(塩)濃度を調節することによって、
適宜制御することができる。例えば抗菌性AASが銀イオ
ンを含有する場合、前記混合水溶液中の銀イオン濃度を
0.01M/l〜0.30M/lとすることによって、適宜銀イオン含
有量0.5〜6%の抗菌性AASを得ることができる。又、抗
菌性AASがさらに銅イオン、亜鉛イオンを含有する場
合、前記混合水溶液中の銅イオン濃度は0.05M/l〜0.4M/
l、亜鉛イオン濃度は0.05M/l〜0.4M/lとすることによっ
て、適宜銅イオン含有量1〜8%、亜鉛イオン含有量1
〜8%の抗菌性AASを得ることができる。
前記の如き混合水溶液以外に各イオンを単独で含有す
る水溶液を用い、各水溶液とAASとを逐次接触させるこ
とによって、イオン交換することもできる。各水溶液中
の各イオンの濃度は、前記混合水溶液中の各イオン濃度
に準じて定めることができる。
イオン交換が終了したAASは、充分に水洗した後、乾
燥する。乾燥は、常圧で105℃〜115℃、又は減圧(1〜
30Torr)下70℃〜90℃で行うことが好ましい。
尚、本発明においては、抗菌性AASにアンモニウムイ
オンに加えてアルカリ土類金属及びマンガンを含有させ
ることもできる。
一方(2)の方法は、常法により得られたAASのスラ
リーのpHを6以下、好ましくは3〜6、より好ましくは
4〜5に調整して、AAS中のM2O含有率9%以下とするこ
とができる。該pHの調整は前記(1)の方法において例
示した方法を同様に用いることができる。
次いでpHを調整したスラリーと抗菌性金属イオン含有
溶液とを混合して、該スラリー中のAASをイオン交換す
ることができる。イオン交換法等は(1)の方法と同様
の方法をそのまま使用することができる。
尚、本発明において、抗菌性AASは最大粒子径を10μ
m以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm
以下とすることが抗菌性AASを添加した食品の食感を良
好に保持し、かつより少ない量の抗菌性AASで高い抗菌
力を付与するという観点から好ましい。
本発明の抗菌性合成アルミノケイ酸塩からなる食品用
保存剤は、種々の食品に適用でき、一般の食品添加物を
適用可能な食品であれば制限はなく添加できる。例えば
水産畜肉ねり製品(例えばかまぼこ、なると巻、ハンペ
ン、ソーセージ、ウィンナーソーセージ、ハム、ベーコ
ン)、めん類(小麦粉製品)(そば、うどん、そうめ
ん、スパゲティー、マカロニ)、パン、洋菓子、米菓、
総菜食品(中華食品、ハンバーグ、ミートボール。)イ
ンスタント食品、缶詰め、レトルト加工食品等を挙げる
ことができるが、これらに制限されない。
本発明の食品用保存剤は、食品に0.0001%以上、好ま
しくは0.01%以上、より好ましくは0.1%以上含有させ
ることにより、食品に対して優れた保存性を付与するこ
とができる。
〔発明の効果〕
本発明の食品用保存剤は、優れた保存力を食品に付与
できるとともに、人体に対する安全性の点でも優れたも
のである。
〔実施例〕
以下実施例により本発明をさらに説明する。
参考例1(合成結晶性アルミノケイ酸塩の調製) 49%NaOH水溶液45.1kgにAl(OH)317.7kgを加熱溶解
し、液温を80℃に調節した。80℃に調温したNaOH-Al(O
H)3水溶液と別に30℃に調温したNaSiO3水溶液〔JIS3号
ケイ酸(Na2O9〜10wt%、SiO228〜30wt%、粘度180〜2
50cp(15℃)〕38.3kgとを、ステンレス製150lの反応器
中の30℃に調温した水59.9kgに、該水を撹拌(150rpm)
しつつ30分間かけて添加した。添加後さらに30分間150r
pmで撹拌した。次いで撹拌(150rpm)下得られた水溶液
の液温を45分間かけて100℃に昇温し、さらに100℃で撹
拌(150rpm)しつつ2時間放置した。2時間経過後撹拌
(150rpm)下、スラリー温度が40℃になるまで放冷した
後スラリーをフィルタープレスを用いて濾過し、得られ
た結晶を大過剰の水で洗浄した。洗浄後100〜110℃で3
時間乾燥してゼオライトを得た。得られたゼオライトは
理学電気工業(株)RAD−Bを用いたX線回折試験の結
果、A型ゼオライトであった。組成分析の結果得られた
ゼオライトは、1.0Na2O・Al2O3・1.95SiO2・nH2Oであっ
た。さらに得られたゼオライトの粒子径を光透過式粒度
分布測定〔(株)セイシン企業、SKC-2000S〕を用いて
測定した。その結果平均粒子径は0.77μmであり、かつ
最大粒子径は3μmであった。
参考例2(合成無定形アルミノケイ酸塩の調製) 水酸化アルミニウム19.4kgを水酸化ナトリウム49%溶
液22.3kgに加え、加熱溶解した後、水34.7lを加えて30
℃に保持した(I液)。一方、ケイ酸ナトリウム42.0kg
に水25.5lを加えて30℃に保持した(II液)。I液及びI
I液を水酸化ナトリウム49%溶液4.1kgに水21.3lを加え
た液(III液)を入れた反応槽に注入した。上述の操作
後、撹拌しながら、温度を50±2℃に保持し30分間反応
させた。生成物を濾過し、固相成分を温水にて洗浄し過
剰のアルカリを除去した。さらに100℃にて乾燥し、サ
ンプルを得た。このサンプルは化学組成比でNa2O:Al2O
3:SiO2=0.93:1:2.55、平均粒子径は0.31μmであり、
かつ最大粒子径は5μmであり、X線回折では回折ピー
クがまったく認めれない無定形アルミノケイ酸塩であっ
た。同様にI液、II液、III液の原料組成を種々変化さ
せて化学組成Na2O:Al2O3:SiO2がそれぞれ0.53:1:1.3
2、1:28:1:4.19、1.06:1:10.0の無定形アルミノケイ酸
塩を得た。
実施例1(抗菌製ゼオライト及びAASの調製) 参考例1及び2で得たxNa2O:Al2O3:ySiO2のゼオラ
イト及びAASを使用した。これらAASを1kg分取し、1
の水に懸濁させ、これに0.05Nの硝酸水溶液を100ml/30
分の滴下速度で滴下し、所定のpH値(5〜7)に調整し
た。次いで該スラリーにイオン交換の為、所定濃度の抗
菌金属塩の混合水溶液3lを加えた。この反応は室温から
60℃にて10〜24時間撹拌し平衡状態に到達させた。イオ
ン交換終了後AAS相をロ過し室温の水又は温水でAAS相中
の過剰の銀イオンがなくなる迄水洗した。次にサンプル
を110℃で加熱乾燥し、16種類のサンプルを得た。使用
したAAS及び得られたNo.1〜16の抗菌性AASサンプルに関
するデータを表1に示す。
実施例2(食品保存試験) 卵黄800g(約40個分)と砂糖1kgを入れてよく混ぜ合
わせ、さらに薄力粉400gを加えてよく混ぜ合わせた。そ
れに牛乳2lをすこしずつ加えて、泡立器で混ぜ合わせ、
加熱して、クリーム状にした。得られたカスタードクリ
ーム及び抗菌性ゼオライトNo.2または抗菌性AAS No.6を
所定量添加した大腸菌、黄色ブドウ球菌をそれぞれ10
4〜5個接種し、25℃にて48時間保存した後の各細菌数
を測定した。結果を表2、3及び4に示す。
実施例3(経口試験) マウスに対し体重1kg当り抗菌性アルミノケイ酸塩サ
ンプルNo.2を5g胃ゾンデを用いて局方注射用蒸留水にて
50%懸濁液を調製し経口投与した。投与後所定日数にて
体重の変化を測定した。比較のため抗菌性アルミノケイ
酸塩サンプルNo.13(アンモニウムイオンを含有しな
い)をサンプルNo.2の代りに投与した場合及び抗菌性ア
ルミノケイ酸塩を投与しなかった場合についても同様に
体重の変化を測定した。結果を第1図に示す。
第1図に示すようにアンモニウムイオンを含まない抗
菌性アルミノケイ酸塩(サンプルNo.13)を投与した場
合には体積が経時的に減少した。それに対して本発明の
抗菌性アルミノケイ酸塩(サンプルNo.2)を投与した場
合には、投与しなかった場合と同様に体積が経時的に増
加した。
実施例4(皮膚刺激試験) うさぎ100検体について背部中央の約4×5cmの範囲を
投与前日に剪毛し、注射針で井桁状に傷つけた皮膚へ0.
5g直接抗菌性アルミノケイ酸塩を24時間塗布してその後
の皮膚の状態を肉眼的に観察し、10時間後における赤斑
の発生した検体数を調べた。結果を表5に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図はマウスの体重の経時変化を示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成アルミノケイ酸塩中のイオン交換可能
    なイオンの一部又は全部を抗菌性金属イオン及びアンモ
    ニウムイオンで置換した抗菌性合成アルミノケイ酸塩か
    らなる食品用保存剤。
  2. 【請求項2】抗菌性合成アルミノケイ酸塩のM2O(Mは
    アルカリ金属である)含有率が8%以下である請求項1
    記載の食品用保存剤。
  3. 【請求項3】抗菌性合成アルミノケイ酸塩の最大粒子径
    が10μm以下である請求項1又は2記載の食品用保存
    剤。
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