JP2690774B2 - 多孔質炭化珪素焼結体及びその製造方法 - Google Patents

多孔質炭化珪素焼結体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、過部材、触媒担体、吸着材、耐熱性治
具、ポンプ部品等の摺動部材等の構成材料として使用さ
れる多孔質炭化珪素焼結体及びその製造方法に関するも
のである。
[従来の技術] 従来、多孔質炭化珪素焼結体の製造方法としては、粗
大な炭化珪素粒子と微細な炭化珪素粒子を混合し成形し
た後、炭化珪素の再結晶温度以上の高温度で焼成して製
造する再結晶法が知られている。この再結晶法において
は、原料炭化珪素としては変態が起き難く焼成がし易い
α型炭化珪素が一般に使用される(従来法A)が、β型
炭化珪素の微粒子を原料とし、粒子成長と成長粒子間の
再結含を一度に進行させる方法(従来法B)も行われて
いる。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記いずれの方法においても、多孔質体と
して適当な気孔径、気孔率及び強度を付与しようとする
場合、焼成後に比較的大きな粒状結晶が混在する焼結体
となるため、焼結体表面の平滑性に優れたものが得られ
難いという問題があった。
例えば、前記従来法Aによって多孔質炭化珪素焼結体
を製造する場合、粒度配合の結果として第2図に示すよ
うな大きさの不揃いな結晶粒が配列した多孔質体とな
る。また、前記従来法Bによって多孔質炭化珪素焼結体
を製造する場合、焼成温度が高いため、粒子が互いに接
触したネックと呼ばれる部分での拡散現象を十分にコン
トロールできず、粒成長の速い結晶において異常粒成長
が起こり、第3図に示すように粗大な板状結晶が点在す
る多孔質体となってしまう。従って、従来法A及びBに
よって製造された多孔質体の表面は、粗大な結晶粒の一
部が突出した平滑度の低いものとなる。仮に第4図に示
すように、エピタキシャル成長を利用して焼結体表面に
膜厚10〜20μmの炭化珪素外層膜を形成しても、粗大な
結晶粒の突出部分を埋めることはできない。また、この
ような平滑度の低い焼結体表面に研磨等の後加工を施し
て平滑性を得ようとしても、焼結体表面から結晶粒が離
脱して欠損部が生ずるのみで平滑面は得られない。故
に、過部材や摺動部材等、特に表面平滑度を要求され
る用途において支障を来すという問題があった。
本発明は、上記問題を解消するためになされたもので
あって、その目的は粒度の揃った炭化珪素粒子で構成さ
れた粒状結晶からなる多孔質体とすることによって、所
望する気孔径、気孔率において十分な強度を有すると共
に、表面平滑性にも優れた、過部材や摺動部材等の構
成材料として好適な多孔質炭化珪素焼結体及びその製造
方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段及び作用] 上記課題を解決するために本発明は、α型あるいはβ
型の炭化珪素粉末を原料とする多孔質炭化珪素焼結体及
びその製造方法としている。
(α型炭化珪素を使用した発明) 平均粒子径が0.1〜3.0μmのα型炭化珪素を使用して
成形した成形体を焼成温度2000〜2200℃で焼成すること
により、気孔径1.0〜3.0μm、気孔率40〜46体積%、粒
状結晶径2.0〜10.0μmの焼結体とした。
α型炭化珪素は高温で安定であって相転移が起き難
く、多孔質体を構成する際の骨材として極めて焼結し易
いという特性を有し、しかも焼結後に良好な表面平滑性
を得られる。
α型炭化珪素の粒子径範囲は0.1〜3.0μmであり、好
ましくは0.5〜1.0μmである。粒子径が0.1μm未満で
は前記焼成温度域において炭化珪素の昇華が助長され、
気孔径、気孔率が大きくなり、焼結体としての強度が得
られない。また、3.0μmを超えると前記焼成温度域に
おいて炭化珪素の粒成長が活発化し、気孔径が小さくな
って所望する気孔径が得られない。
このα型炭化珪素粉末は成形用バインダーを添加して
混合された後成形される。
成形用バインダーとしては、例えば、フェノール樹
脂、リグニンスルホン酸塩、ポリビニルアコール、コン
スターチ、糖蜜、コールタールピッチ、アルギン酸塩等
の各種有機物質を単独又は二種以上併用して使用でき
る。更に前記有機物質にカーボンブラック、アセチレン
ブラック等の熱分解炭素を添加してもよい。成形用バイ
ンダーは加熱開始時に炭素として存在し、添加量によっ
ては適度に結晶成長を抑制する効果を期待できる。
成形用バインダーの添加量は炭化珪素粉末100重量部
に対して5〜20重量部の範囲であり、より好ましくは5
〜15重量部である。上記添加量が5重量部未満になると
成形が困難となり、成形できたとしても嵩密度が高くな
るため、それを焼成すると焼結体の気孔径が小さくな
り、所望の多孔質体が得られない。また、20重量部を超
えると焼結時にポアーができ易く、焼結体の強度が低下
する。また、成形用バインダーの添加量は、出発原料10
0重量部に対し、遊離炭素分が5重量部以下になること
が望ましい。遊離炭素分が5重量部を超えると結晶成長
を抑制し過ぎるため、成長粒子間の結合を阻害して強度
低下の原因となる。
前記α型炭化珪素粉末と前記成形用バインダーとを必
要に応じて溶媒と共にボールミル等の混合機で均一に混
合する。この混合物を成形体とする成形方法については
特に限定されず、プレス成形押出成形等の常法に従って
行えばよい。尚、プレス成形等においては必要に応じ、
事前に乾燥や造物による顆粒化を行って調整してもよ
い。
このように成形された成形体は、耐熱性容器中に収容
されて加熱焼成される。
耐熱性容器としては、黒鉛、窒化アルミニウム、酸化
ジルコニウム、炭化珪素、炭化タングステン、炭化チタ
ン、炭化モリブデン、炭化タンタル、モリブデン、タン
タル等の他、これらの複合体を使用することができる。
また、耐熱性容器は開放気孔を有する等して炉内気相と
の通気のある構造とすることが望ましい。これは成形体
中の揮発分を除去すると共に、炭化珪素粉末中に含有さ
れている二酸化珪素が加熱されることによって発生する
SiOガスを円滑に排除できるようにするためである。
加熱焼成は次のようにして段階的に行われる。まず、
加熱開始から600℃前後までは非酸化性雰囲気下におい
て、昇温速度10℃/min以下で加熱することが好適であ
る。これは前記成形体中の揮発分を十分に除去するため
であり、昇温速度が10℃/minより速いと成形体にクラッ
ク等が発生し易くなる。作業能率を考慮すると、5℃/m
in程度が適当である。
600℃から1700℃までは非酸化性雰囲気下において、1
Torr以下の真空度(より好ましくは0.2Torr以下)で、
昇温速度10℃/min以下(より好ましくは5℃/min以下)
で加熱することが好適である。これは1700℃以上で加熱
焼成する前に、被焼成物中に残っている二酸化珪素の含
有量を0.2重量%以下にするためである。被焼成物中の
二酸化珪素の含有量が0.2重量%を超えていると、1700
℃以上で加熱焼成した場合に、炭化珪素粒子相互の焼結
が進み、粗大な板状結晶を生成して所望の焼結体が得ら
れない。600℃から1700℃までの昇温過程において、上
記真空度及び昇温速度の条件を満たすことにより、下記
反応式に示すように、被焼成物中の二酸化珪素(SiO2
を遊離炭素と共に、一酸化珪素(SiO)ガス及び一酸化
炭素(CO)ガスに変換することができる。
SiO2+C→SiO↑+CO↑ そして、SiOガス及びCOガスは真空減圧によって焼成
炉中から除去される。前記真空度が1Torrを超えると、
発生するガスの除去が不十分となり、被焼成物にクラッ
ク等が生じ易くなる。また、前記昇温温度が10℃/minを
超えた場合も、同様に被焼成物にクラック等が生じ易く
なり、被焼成物を破壊する恐れがある。
尚、被焼成物中の二酸化珪素を除去する方法としては
前記以外に、従来より知られた方法によってもよい。例
えば、原料粉末あるいは焼成前の成形体に対し、予めフ
ッ化水素酸又はフッ化水素ガス等による薬品処理を施し
てもよい。また、原料粉末、バンダー等に二酸化珪素含
有量の少ない高純度品を使用してもよく、この場合には
前述のような加熱又は薬品処理を必要としない。
被焼成物中の二酸化珪素含有量を0.2重量%以下とし
た後には、非酸化性雰囲気下において、焼成温度まで昇
温して焼成を完了する。
この時の昇温速度は2〜20℃/minがよく、好ましくは
5〜10℃/minである。2℃/min未満では結晶成長が不均
一化し、結晶粒が不揃いとなり、20℃/minを超えると炭
化珪素の昇華が助長され結晶粒が不揃いとなる。
焼成温度の範囲は2000〜2200℃である。焼成温度が20
00℃未満では炭化珪素の結晶成長が不十分となり、焼結
体としての高い強度が得られない。また、2200℃を超え
ると炭化珪素の昇華が活発となって一旦成長した結晶が
逆にやせ細ってしまい。焼結体の強度を低下する。ま
た、粒子表面から蒸発して原子がネック部分において凝
縮する蒸発凝縮による物質移動が助長され、結晶成長が
分均一化し、結晶粒が不揃いとなって焼結体の気孔径、
気孔率にバラ付きが生じ、強度が低下するばかりか表面
平滑性が悪くなる。
(β型炭化珪素を使用した発明) 最大粒子径が2.0μm以下のβ型炭化珪素を使用して
成形した成形体を焼成温度2000〜2100℃で焼成すること
により、気孔径1.0〜4.0μm、気孔率30〜46体積%、粒
状結晶径2.0〜20.0μmの焼結体とした。
β型炭化珪素は焼結に際し、その一部が高温で安定な
α型炭化珪素に相転移して板状結晶を生じ易く、結晶の
成長性に優れた特性を示す。特に、β型段階から加熱焼
成する場合、焼結体の寸法精度を高めることができ、し
かも良好な加工性を得ることができる。
β型炭化珪素の最大粒子径は2.0μm以下である。最
大粒子径が2.0μmを超えると焼成温度域において炭化
珪素粒子の間での物質移動が鈍くなり結晶成長が不十分
となる。従って、原料粒子の平均粒子径はサブミクロン
範囲内にあることが望ましく、このような微粒子が原料
粒子中の95重量%以上存在することが好ましい。
このβ型炭化珪素粉末は成形用バインダーを添加して
混合された後成形される。成形用バインダー及びその添
加量並びに成形体の成形方法は前記α型炭化珪素を使用
した発明と同様である。
成形された成形体は、耐熱性容器中に収容されて加熱
焼成される。使用する耐熱性容器及び加熱開始から焼成
温度域に至るまでの過程で被焼成物中の二酸化珪素の含
有量を0.2重量%以下とする点は前記α型炭化珪素を使
用した発明と同様である。
焼成温度の範囲は2000〜2100℃である。焼成温度が20
00℃未満では結晶成長が不十分となり、焼結体の強度が
低下する。また、2100℃を超えると結晶が異常成長して
不均一化し、結晶粒が不揃いとなって焼結体の気孔径、
気孔率にバラ付きが生じ、強度が低下するばかりか表面
平滑性が悪くなる。
以上述べたように、本発明によれば、原料粒子径及び
焼成温度をα型及びβ型の炭化珪素毎に前記狭範囲にそ
れぞれ設定することによって、粒子を構成する炭化珪素
の粒子ネック部分への物資移動現象は表面拡散ないし体
積拡散に支配され、蒸発凝縮過程、即ち、粒子表面から
蒸発した炭素原子及び珪素原子が粒子ネック部分におい
て凝縮する移動現象は抑制されるものと考えられる。従
って、α型及びβ型の各多孔質炭化珪素焼結体は粒度の
揃った均一な粒状結晶からなり、気孔径、気孔率も焼結
体全体にわたって均一化されている。故に、これら多孔
質炭化珪素焼結体は、所望する気孔径、気孔率において
も十分な強度を有すると共に、極めて優れた表面平滑性
を有する。
[実施例1〜13及び比較例1〜8] 以下に、本発明を実施例1〜13及び比較例1〜8によ
り詳細に説明する。尚、実施例1〜6及び比較例1〜3
はα型炭化珪素を原料として使用した例であり、実施例
7〜13及び比較例4〜8はβ型炭化珪素を原料として使
用した例である。
得られた焼結体については、後記表1〜3に記載した
ように、それぞれ気孔径及び気孔率を測定すると共に、
表面粗さ及び強度を評価した。
表面粗さ(Rmax)については、α型及びβ型の炭化珪
素焼結体のいずれの場合にも、Rmaxが10μmを超えるも
のは「×」と評価し、10μm以下のものは「○」と評価
した。
強度については、8kgf/mm2の荷重に耐えられないもの
は「×」と評価し、8kgf/mm2の荷重に耐えられるものは
「○」と評価した。
(実施例1) 平均粒径が1.0μm、二酸化珪素を0.7重量%及び遊離
炭素を0.7重量%含有したα型炭化珪素粉末100重量部に
対し、成形用バインダーとしてのポリビニルアルコール
5重量部及びフェノー樹脂(炭素率50%)2重量部、並
びに水300重量部を配合し、ボールミル中で5時間混合
した後乾燥した。この乾燥混合物を適量採取し、顆粒化
した後、金属製押し型を用いて1.3t/cm2の圧力で成形し
た成形体を得た。次いで、この成形体を通気可能な開放
型の黒鉛ルツボに装入し、タンマン型焼成炉を使用し
て、1気圧のアルゴンガス雰囲気中で焼成した。600℃
までは5℃/minで昇温し、続いて炉内を0.2Torr以下の
真空度に保持しながら1700℃まで5℃/minで昇温し、被
焼成物中の二酸化珪素を減少させて、二酸化珪素含有量
を0..重量%以下(実測値0.18重量%)とした。その
後、2200℃まで10℃/minで昇温し、2200℃で1時間保持
して焼結操作を完了した。
得られた焼結体の結晶構造は、第1図に示すように比
較的粒径の揃った炭化珪素結晶が互いに結合し、開放気
孔径も比較的揃っている。また、粒状結晶径はおよそ2
〜10μmであり、気孔径は後記表−1に示すように2.65
μm、気孔率は44.0体積%であった。結晶のアルペクト
比(R)、即ち焼結体の任意の断面において観察される
個々の結晶の最大長さ(X)と最小長さ(Y)その比
(R=X/Y)は2.0以下であった。
(実施例2〜6及び比較例1〜3) 実施例2〜6では平均粒径が0.5又は1.0μmのα型炭
化珪素粉末を使用し、熱成温度を2000,2100又は2200℃
に設定して前記実施例1と同様にして焼成した。これに
対し、比較例1〜3では平均粒径が5.0μmと粗大なα
型炭化珪素粉末を使用し、実施例1〜6のそれぞれに対
比させた。これらのデータを下記表−1に示す。
上記表−1から明らかなように、本実施例1〜6の多
孔質炭化珪素焼結体は適度な気孔率を有すると共に、比
較例1〜3のものに比して表面平滑性及び構造材として
の強度に優れており、ボイラー循環水中の鉄錆除去用フ
ィルター等の過部材やポンプ部品等の摺動部材として
極めて好適である。
(実施例7) 平均粒径が0.27μm、二酸化珪素を2.0重量%及び遊
離炭素を1.0重量%含有したβ型炭化珪素微粉末100重量
部に対し、成形用バインダーとしてのポリビニルアルコ
ール5重量部、水300重量部を配合し、前記実施例1と
同様に、顆粒化した後成形して成形体を得た。そして、
成形体を前記実施例1と同様に加熱して、被焼成物中の
二酸化珪素含有量を0.2重量%以下とした。その後、被
焼成物を1気圧のアルゴンガス雰囲気中において、2000
℃まで5℃/minで昇温し、2000℃で1時間保持して焼結
操作を完了した。
得られた焼結体の結晶構造は、比較的粒径の揃った炭
化珪素結晶が互いに結合し、開放気孔径も比較的揃って
いる。本実施例における粒状結晶径はおよそ1〜10μ
m、気孔径は後記表−2に示すように2.78μm、気孔率
は45体積%であった。また、アスペクト比(R)は2.0
以下であった。
(実施例8及び9並びに比較例4及び5) 前記実施例7と同様にして焼成したが、成形用バイン
ダーとしてのポリビニルアルコールの配合量をβ型炭化
珪素粉末100重量部に対して、1〜30重量部まで変化さ
せている。その結果を後記表−2に示す。
(実施例10及び11) 前記実施例7と同様にして焼成したが、原料となるβ
型炭化珪素微粉末のグレードを変更して平均粒径を変化
させている。その結果を下記表−2に示す。
上記表−2から明らかなように、バインダー量が1重
量部以下では焼結が十分でなく、焼結体の強度が不足
し、一方30重量部以上になると脱脂時に粒子間に炭素が
残り、焼結の妨げとなって強度が上がらない。また、実
施例7〜11の多孔質炭化珪素焼結体は適度な気孔率を有
すると共に、比較例4及び5に比して表面平滑性及び構
造材としての強度に優れており、ボイラー循環水中の鉄
錆除去用フィルター等の過部材やボンプ部品等の摺動
部材として極めて好適である。
(比較例6及び7) 前記実施例7と同様にして焼成したが、金属製押し型
の成形圧力を変化して成形し、実施例7と対比させてい
る。その結果を後記表−3に示す。
(実施例12及び13並びに比較例8) 前記実施例7と同様にして焼成したが、原料粉末の混
練時に、β型炭化珪素微粉末100重量部に対し、ポリビ
ニルアルコール5重量部と共に、カーボン粉末を適当量
(1〜6重量部)添加した。その結果を下記表−3に示
す。
上記表−3から明らかなように、成形圧力を低くした
比較例6では気孔径、気孔率とも増大し、しかも表面粗
さ、強度ともに評価が悪くなっており、成形圧力を高く
した比較例7では表面粗さ及び強度の評価に悪くなって
いる。所要の気孔率、表面粗さ及び強度を得るには、1.
3t/cm2程度の成形圧力が適当である。
また、カーボンの添加により焼成時の結晶成長が抑制
され、6重量部添加では表面粗さ及び強度の評価が悪く
なっている。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、粒度の揃った炭
化珪素粒子で構成された粒状結晶からなるα型及びβ型
の多孔質炭化珪素焼結体を得ることができ、所望する気
孔径、気孔率において十分な強度を有すると共に、表面
平滑性に優れた多孔質炭化珪素焼結体とすることができ
るという優れた効果を奏する。そして、この焼結体は特
に過部材や摺動部材の構成材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を具体化した実施例1の多孔質炭化珪素
焼結体の構造を示す模式図、第2図は従来法Aによる多
孔質炭化珪素焼結体の構造を示す模式図、第3図は従来
法Bによる多孔質炭化珪素焼結体の構造を示す模式図、
第4図は第2図及び第3図に示す焼結体の表面付近の構
造を模式化した断面図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径が0.1〜3.0μmのα型炭化珪素
    を使用して成形した成形体を焼成温度2000〜2200℃で焼
    成することにより、気孔径1.0〜3.0μm、気孔率40〜46
    体積%、粒状結晶径2.0〜10.0μmの焼結体としたこと
    を特徴とする多孔質炭化珪素焼結体。
  2. 【請求項2】平均粒子径が0.1〜3.0μmのα型炭化珪素
    を使用して成形した成形体を、成形体中の二酸化珪素含
    有量を0.2重量%以下にした後、焼成温度2000〜2200℃
    で焼成することを特徴とする多孔質炭化珪素焼結体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】最大粒子径が2.0μm以下のβ型炭化珪素
    を使用して成形した成形体を焼成温度2000〜2100℃で焼
    成することにより、気孔径1.0〜4.0μm、気孔率30〜46
    体積%、粒状結晶径2.0〜20.0μmの焼結体としたこと
    を特徴とする多孔質炭化珪素焼結体。
  4. 【請求項4】最大粒子径が2.0μm以下のβ型炭化珪素
    を使用して成形した成形体を、成形体中の二酸化珪素含
    有量を0.2重量%以下にした後、焼成温度2000〜2100℃
    で焼成することを特徴とする多孔質炭化珪素焼結体の製
    造方法。
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