JPH0228548B2 - - Google Patents

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JPH0228548B2
JPH0228548B2 JP60003807A JP380785A JPH0228548B2 JP H0228548 B2 JPH0228548 B2 JP H0228548B2 JP 60003807 A JP60003807 A JP 60003807A JP 380785 A JP380785 A JP 380785A JP H0228548 B2 JPH0228548 B2 JP H0228548B2
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JP
Japan
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silicon carbide
sliding member
sliding
sintered body
crystals
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JP60003807A
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Kyotaka Tsukada
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0228548B2 publication Critical patent/JPH0228548B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は摺動部材に関し、特に本発明は湿式状
態において優れた摺動特性を有する主として多孔
質の炭化ケイ素質焼結体からなる炭化ケイ素質摺
動部材に関する。 〔従来の技術〕 炭化ケイ素質焼結体は、一般に極めて優れた化
学的性質並びに物理的性質を有していることか
ら、特にガスタービン部品や高温の熱交換器など
のような苛酷な条件下で使用される各種の用途に
対し好適な材料として知られており、特に機械装
置の軸受やシール部分のような回転、摺動部など
の摺動部材として有用な材料である。 従来、炭化ケイ素を摺動部材として適用する試
みとしては、例えば、特開昭54−143412号公報に
「機械装置の回転、摺動部に用いる摺動部材にお
いて、炭化珪素を主成分とする炭化物の焼結体で
構成したことを特徴とする乾式摺動部材。」に係
る発明が、また特開昭55−100421号公報に「機械
装置における回転部、固定部の摺動部材である回
転部材及び固定部材のいずれか一方を窒化珪素を
主成分とする焼結体で、他方を炭化珪素を主成分
とする焼結体で各々を構成したことを特徴とする
セラミツク摺動装置。」に係る発明が開示されて
いる。 しかしながら、前記特開昭54−143412号公報お
よび特開昭55−100421号公報には炭化ケイ素質焼
結体が乾式摺動部材として適していることは記載
されているが、これらの摺動部材が特に湿式状態
において優れた摺動特性を有することは何ら記憶
されていなかつた。 ところで、本発明者らは前述の如き従来知られ
た炭化ケイ素質焼結体よりなる摺動部材に比較し
て、特に湿式状態下の使用において摩擦係数が著
しく低く、摩擦熱の放散効率が良好で、耐久性に
極めて優れた摺動部材を提供することを目的と
し、先に、特願昭59−248770号により「摺動面の
少なくとも一部が炭化珪素質焼結体よりなる摺動
部材において、前記炭化珪素質焼結体のうち少な
くとも50重量%はβ型炭化珪素よりなることを特
徴とする炭化珪素質摺動部材。」に係る発明を提
案している。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、前記特願昭59−248770号により
提案した摺動部材は、比較的均一な粒径を有する
板状すなわちアスペクト比の大きな結晶が相互に
交差し、その間隙をさらに微細な粒径を有する結
晶粒で埋められた微細構造を有する緻密な炭化ケ
イ素質焼結体よりなるものであり、特に高いPV
値で使用するとトルクが異常に高くなつたり不安
定になつたりするばかりでなく、炭化ケイ素質焼
結体の結晶粒子が脱離した摩耗粉によつて摺動面
が著しく摩耗する欠点があつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、従来の炭化ケイ素質焼結体よりなる
摺動部材に比較して、特に高いPV値での使用が
可能でしかも耐摩耗性に優れた摺動部材を提供す
ることを目的とするものであり、摺動面の少なく
とも一部が炭化ケイ素質焼結体よりなる摺動部材
において、前記炭化ケイ素質焼結体は、平均アス
ペクト比が3〜50であり、かつ長軸方向の平均長
さが0.5〜1000μmの炭化ケイ素質板状結晶から主
として構成されてなる三次元網目構造を有する多
孔質体であることを特徴とする炭化ケイ素質摺動
部材によつて前記目的を達成することができる。 次に本発明を詳細に説明する。 本発明の摺動部材を構成する炭化ケイ素質焼結
体は平均アスペクト比が3〜50であり、かつ長軸
方向の平均長さが0.5〜1000μmの炭化ケイ素質板
状結晶から主として構成されてなる三次元網目構
造を有する多孔質体であることが必要である。 前記摺動部材を構成する炭化ケイ素質焼結体が
多孔質体であることが必要な理由は、一般に摺動
中に炭化ケイ素質焼結体より脱離した摩耗粉は摺
動部材と被摺動部材の摺動面間に介在して研摩材
的な作用を呈し、それぞれの摺動面を著しく摩耗
させるが、本発明の如く摺動部材を構成する炭化
ケイ素質焼結体として多孔質体を使用することに
より、摺動中に炭化ケイ素質焼結体より摩耗粉が
脱離しても、前記摩耗粉は近くの気孔中へ速やか
に保持されてしまうため、炭化ケイ素質焼結体よ
り脱離した摩耗粉による研摩材的な作用が殆んど
生ずることがないため、摺動部材として極めて優
れているからである。 前記摺動部材を構成する多孔質体の平均アスペ
クト比が3〜50であることが必要な理由は、平均
アスペクト比を3以上とすることによつて炭化ケ
イ素質板状結晶によつて構成される気孔が結晶の
占める容積に比べて比較的大きな多孔質体となす
ことができるからであり、一方平均アスペクト比
が50よりも大きいと結晶相互の接合部が少ないた
め、多孔質体自体の強度が低く摺動部材としての
使用に耐えないからである。なお、前記平均アス
ペクト比は5〜30であることがより好適である。 また、前記板状結晶の長軸方向の平均長さは
0.5〜1000μmであることが必要である。その理由
は長軸方向の平均長さが0.5μmより小さいと前記
板状結晶により形成される気孔が小さく、場合に
よつては気孔の一部が独立気孔になつていること
があり、摩耗粉の保持効果が小さく耐摩耗性に劣
るためである。一方1000μmより長くなると、板
状結晶の接合部に応力が集中し易く、多孔質体自
体の強度が低いためである。前記板状結晶の長軸
方向の平均長さはなかでも1〜800μmであるこ
とがより好適である。 なお、本発明でいう炭化ケイ素質板状結晶の長
さとは焼結体の任意の断面において観察される
個々の板状結晶の最大長さ(X)であり、同様に
個々の板状結晶のアスペクト比(R)は板状結晶
の最大厚み(Y)と前記結晶長さ(X)との比と
して、すなわち、R=X/Yで表わされる。 また、前記網目構造の開放気孔の平均断面積は
0.01〜250000μm2であることが好ましい。その理
由は開放気孔の平均断面積が0.01μm2以上である
と、摩耗粉の保持効果が小さく耐摩耗性に劣るか
らであり、一方、開放気孔の平均断面積が
250000μm2より大きいと、多孔質体自体の強度が
低く、なかでも前記網目構造の開放気孔の平均断
面積は0.25〜90000μm2であることがより好まし
い。 そして前記多孔質体の結晶100重量部のうち3
〜50のアスペクト比を有する板状結晶は少くとも
20重量部を占めることが好ましい。ところで、前
記板状結晶の含有量は結晶の構造写真を解析する
ことにより求められる。ここで、前記多孔質全体
が20重量部以上の3〜50のアスペクト比を有する
板状結晶で占められていることが好ましい理由
は、前記板状結晶が20重量部より少いと、アスペ
クト比の小さい炭化ケイ素結晶が多く含まれるこ
とになり、摩耗粉の保持効果が小さいからであ
る。なかでも前記板状結晶は前記多孔質体の結晶
100重量部のうち少くとも40重量部を占めること
が有利である。 そして、前記多孔質炭化ケイ素質焼結体の開放
気孔率は焼結体の全容積に対し10〜60容積%であ
ることが好ましい。その理由は開放気孔率が10容
積%よりも小さいと摩耗粉の保持効果が小さいか
らであり、一方60容積%よりも大きいと、摩耗粉
の保持効果は大きい反面、前記多孔質体の強度が
低く、摺動部材としての使用が困難となるためで
あり、なかでも20〜50容積%であることが有利で
ある。 本発明の摺動部材は、端面荷重が大きくまた摺
動速度が速い場合、例えば端面荷重が5Kgf/cm2
以上、摺動速度が1000mm/sec以上の湿式条件下
で使用される場合、極めて優れた摺動特性が発揮
される。 本発明の摺動部材は湿式条件下での使用に特に
適するものであり、前記湿式条件とは前記摺動部
材が使用される状態において、摺動部材と被摺動
部材との摺動面間の少なくとも一部に液体が介在
している条件をいう。 前記湿式条件を満足させる液体としては、摺動
時の摺動部材と被摺動部材との摺動面間の少なく
とも一部にその液体の1分子層を形成させること
のできる物質であれば有利に使用することがで
き、例えば水、油、フレオン、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、イソブチル
アルコール、ペンタノール、イソベンチルアルコ
ール、アリルアルコール、フエノール、クレゾー
ル、アンモニアなどの1種または2種以上を有利
に使用することができる。なお、上記液体中に各
種の微粉状固体物質が混入したスラリー状の液体
および各種化学物質が混入した液体も使用するこ
とができる。 なお、本発明の摺動部材は、少なくとも摺動面
が前述の如き種々の特性を満足する炭化ケイ素質
焼結体で構成されておれば良く、摺動面以外の他
の部分は炭化ケイ素質焼結体以外の物質または各
種の複合体を使用することができ、特に熱伝導率
の高いものを使用することが有利である。 次に本発明の摺動部材を構成する多孔質体の製
造方法について説明する。 第1の方法によれば、 (a) 平均粒径が10μm以下の炭化ケイ素粉末であ
つてβ型、2H型および非晶質の炭化ケイ素を
少くとも60重量%含有する炭化ケイ素粉末を所
望の形状に成形する工程;および (b) 前記(a)工程により得られた成形体を耐熱性の
容器内に装入して外気の侵入を遮断しつつ1900
〜2300℃の温度範囲内で焼成する工程によつて
長軸方向の平均長さが10〜1000μm、平均アス
ペクト比が3〜50の炭化ケイ素板状結晶から主
として構成されてなる三次元網目構造を有し、
前記網目構造の開放気孔の平均断面積が400〜
250000μm2の範囲内の平均断面積を有する多孔
質炭化ケイ素焼結体を得ることができる。 第1の方法によれば、出発原料は少くとも60重
量%のβ型、2H型および非晶質の炭化ケイ素体
を含有する炭化ケイ素ることが有利である。この
理由はβ型結晶、2H型結晶および非晶質の炭化
ケイ素結晶は比較的低温で合成される低温安定型
結晶であり、焼結に際し、その一部が4H,6Hあ
るいは15R型等の高温安定型α型結晶に相転移し
て、板状結晶を生じやすいばかりでなく、結晶の
成長性にも優れた特性を有し、特に60重量%以上
のβ型炭化ケイ素からなる出発原料を用いること
によつて本発明の目的とする多孔質体を製造する
ことができるからである。なかでも少くとも70重
量%のβ型、2H型および非晶質炭化ケイ素を含
有する出発原料を用いることが好適である。 そして、前記出発原料は平均粒径が10μm以下
の微粉末であることが有利である。平均粒径が
10μmよりも小さい粉末は、粒子相互の接触点が
比較的多く、また炭化ケイ素の焼成温度におい
て、熱的活性が大であり、炭化ケイ素粒子間での
原子の移動が著しく大きいため、炭化ケイ素粒子
相互の結合が極めて起りやすい。したがつて板状
結晶の成長性が著しく高い。特に、前記出発原料
の平均粒径は5μm以下であることが板状結晶の
成長性により好ましい結果を与える。 そして、前記出発原料により所望の形状に成形
された炭化ケイ素成形体はたとえば黒鉛、炭化ケ
イ素等の耐熱性の容器内に装入して外気の侵入を
遮断しつつ1900〜2300℃の温度範囲内で焼成する
ことが必要である。このように耐熱性の容器内に
装入して外気の侵入を遮断しつつ焼成を行う理由
は、隣接する炭化ケイ素結晶同志を融合させかつ
板状結晶の成長を促進させることができるからで
ある。前述の如く耐熱性の容器内に装入しての外
気の侵入を遮断しつつ焼成することによつて隣接
する炭化ケイ素結晶同志を融合させ板状結晶の成
長を促進させることのできる理由は、炭化ケイ素
粒子間における炭化ケイ素分子の蒸発―再凝集お
よび/または表面拡散による移動を促進すること
ができるためと考えられる。これに対し、従来知
られている常圧焼結、雰囲気加圧焼結あるいは減
圧下における焼結法を試みたところ、板状結晶の
成長が困難であるばかりでなく炭化ケイ素粒子の
接合部がネツク状にくびれた形状となり、焼結体
の強度が低くなつた。前記耐熱性の容器として
は、黒鉛、炭化ケイ素、炭化タングステン、モリ
ブデン、炭化モリブデンのうち少くとも1種以上
の材質からなる耐熱性容器を使用することがより
好適である。 また、第2の方法によれば、 (a) 平均粒径が10μm以下の炭化ケイ素であつ
て、この粉末はα型、β型および/または非晶
質炭化ケイ素と不可避的不純物とからなる炭化
ケイ素粉末である出発原料であつて、この粉末
100重量部に対し、アルミニウム、ニホウ化ア
ルミニウム、炭化アルミニウム、窒化アルミニ
ウム、酸化アルミニウム、ホウ素、炭化ホウ
素、窒化ホウ素、酸化ホウ素、酸化カルシウ
ム、クロム、ホウ化クロム、窒化クロム、酸化
クロム、鉄、炭化鉄、酸化鉄、ホウ化ランタ
ン、酸化ランタン、酸化リチウム、ケイ素、窒
化ケイ素、チタン、酸化チタン、二酸化チタ
ン、三酸化チタンおよび酸化イツトリチウムの
なかから選ばれるいずれか1種または2種以上
を10重量部以下を均一に混合する工程; (b) 前記(a)工程により得られた混合物を成形する
工程;および (c) 前記(b)工程により得られた成形体を耐熱性容
器内に装入して外気の侵入を遮断しつつ1700〜
2300℃の温度範囲内で焼成する工程により、長
軸方向の平均長さが0.5〜200μm、平均アスペ
クト比が3〜50の炭化ケイ素板状結晶から主と
して構成されてなる三次元網目構造を有し、前
記網目構造の開放気孔の平均断面積が0.01〜
10000μm2の範囲内の平気断面積を有する多孔
質炭化ケイ素焼結体を得ることができる。 第2の方法によれば、前記出発原料は平均粒径
が10μm以下の微粉末であることが有利である。
平均粒径が10μmよりも小さい粉末は、粒子相互
の接触点が比較的多く、また炭化ケイ素の焼成温
度において、熱的活性が大であり、炭化ケイ素粒
子間での原子の移動が著しく大きいため、炭化ケ
イ素粒子相互の結合が極めて起りやすい。したが
つて板状結晶の成長性が著しく高い。特に、前記
出発原料の平均粒径は5μm以下であることが板
状結晶の成長性により好ましい結果を与える。 第2の方法によれば、アルミニウム、ニホウ化
アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化アルミニ
ウム、酸化アルミニウム、ホウ素、炭化ホウ素、
窒化ホウ素、酸化ホウ素、酸化カルシウム、炭化
カルシウム、クロム、ホウ化クロム、窒化クロ
ム、酸化クロム、鉄、炭化鉄、三酸化鉄、ホウ化
ランタン、酸化ランタン、酸化リチウム、ケイ
素、窒化ケイ素、チタン、酸化チタン、二酸化チ
タン、三酸化チタンおよび酸化イツトリウムの中
から選ばれるいずれか1種または2種以上を添加
される。前記物質は炭化ケイ素の結晶成長の速度
を著しく高める働きがあり、一方、前記物質は前
記炭化ケイ素成形体の焼成温度1700〜2300℃にお
いて前記物質の蒸気および/または分解生成物の
蒸気が生成し、前記炭化ケイ素成形体のすみずみ
まで拡散し、極めて多くの板状結晶の核が形成さ
れ、各々の部分で板状結晶の発達が起こり、その
結果形成される板状結晶の大きさが制限され細か
い組織の三次元網目構造となるためである。前記
化合物のうち、特にホウ素、炭化ホウ素、窒化ホ
ウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、
鉄、炭化アルミニウム、ニホウ化アルミニウム、
アルミニウムを有利に使用することができる。 一方、前記物質の添加量は前記炭化ケイ素を主
体としてなる出発原料100重量部に対し、10重量
部以下であることが有利である。その理由は、10
重量部よりも多く添加しても、前記炭化ケイ素成
形体の焼成温度範囲内において前記化合物およ
び/またはその分解生成物の蒸気分圧はほとんど
変らない。逆に前記物質が前記成形体内で残留す
る量が多くなるため炭化ケイ素本来の特性が失な
われるからである。さらに板状結晶の成長に適し
た前記化合物の添加量は炭化ケイ素出発原料100
重量部に対し、5重量部以下が好適である。 また、前記出発原料として使用される炭化ケイ
素はα型、β型および/または非晶質炭化ケイ素
のいずれも使用することができる。 第2の方法によれば、焼成時に遊離カーボンを
残す炭素源を添加することができる。このような
炭素源としては、焼成開始時に炭素の状態で存在
するものであれば使用することができ、例えばフ
エノール樹脂、リグニンスルホン酸塩、ポリビニ
ルアルコール、コンスターチ、糖蜜、コールター
ルピツチ、アルギン酸塩のような各種有機物質あ
るいはカーボンブラツク、アセチレンブラツクの
ような熱分解炭素を有利に使用することができ
る。 遊離カーボンは前記物質と同時に存在すると、
結晶の成長性を抑え、微細な炭化ケイ素板状結晶
を形成するため、微細な気孔を有する多孔質体を
得るのに効果がある。 また、前記遊離炭素分としては出発原料100重
量部に対し、5重量部以下であることが有利であ
る。その理由は、5重量部より多く添加してもそ
の効果には変わらずに逆に前記多孔体に残留する
量が多くなり、多孔質体の耐酸化性を低下させる
ためであり、なかでも3重量部以下であることが
より効果的である。 第2の方法によれば、前記耐熱性容器として、
黒鉛、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化ジル
コニウム、炭化タングステン、炭化チタン、酸化
マグネシウム、炭化モリブデン、モリブデン、炭
化タンタル、タンタル、炭化ジルコニウム、黒鉛
―炭化ケイ素複合体の中から選ばれるいずれか1
種からなる容器を使用することができる。 これらの容器は前記焼成温度範囲内で溶融する
ことがなく、その形を保持することが可能であ
り、また、前記添加物の蒸気および/または分解
生成物の蒸気の系外への漏出を抑制し、前記添加
物の効果を炭化ケイ素成形体のすみずみまで行き
わたらせる効果がある。なかでも、黒鉛、炭化ケ
イ素、黒鉛―炭化ケイ素複合体、炭化タングステ
ン、窒化アルミニウム、炭化チタン、モリブデ
ン、炭化モリブデンを有効に使用することができ
る。 本発明の多孔質体を製造する場合には、前記生
成形体を外気を遮断することのできる耐熱性容器
中に装入して焼成することにより、焼成時におけ
る炭化ケイ素の揮散率を5重量%以下とすること
が有利である。 また、比較的大きな平均断面積の開放気孔を有
する多孔質体を得るには焼成時の昇温速度を比較
的ゆつくりとした速度で焼成すること、最高温度
を比較的高くすることおよび/または最高温度で
の保持時間を長くすることが好ましい。この条件
によれば個々の炭化ケイ素の板状結晶を大きく成
長させることができ、その結果、大きな気孔断面
積を有する多孔質体を得ることができる。 一方、比較的小さな平均断面積の開放気孔を有
する多孔質体を得るには、焼成時の昇温速度を比
較的速くすること、最高温度を比較的小さくする
ことおよび/または最高温度における保持時間を
短くすることが好ましい。この条件によれば個々
の炭化ケイ素の板状結晶をそれほど成長させるこ
とがないからである。 次に本発明を実施例および比較例について説明
する。 実施例 1 出発原料として使用した炭化ケイ素微粉末は
94.6重量%がβ型結晶で残部が実質的に2H型結
晶よりなり、0.39重量%の遊離炭素、0.17重量%
の酸素、0.03重量%の鉄、0.03重量%のアルミニ
ウムを主として含有し、0.28μmの平均粒径を有
していた。 前記炭化ケイ素微粉末100重量部に対し、ポリ
ビニルアルコール5重量部、水300重量部を配合
し、ボールミル中で5時間混合した後乾燥した。 この乾燥混合物を適量採取し、顆粒化した後金
属製押し型を用いて50Kg/cm2の圧力で仮成形し次
いで静水圧プレス機を用いて1.3t/cm2の圧力で成
形した。この生成形体の密度は2.0g/cm2、乾燥
重量は21gであつた。 前記生成形体を外気を遮断することのできる黒
鉛製ルツボに装入し、タンマン型焼成炉を使用し
て1気圧のアルゴンガス雰囲気中で焼成した。な
お、前記黒鉛製ルツボは内容積が50mlのものを使
用した。 焼成は2.5℃/分で2200℃まで昇温し、最高温
度2200℃で6時間保持した。 得られた焼結体の重量は19.6gであり、その結
晶構造は走査型電子顕微鏡で観察したところ、平
均アスペクト比が8で長軸方向の平均長さが
150μmの板状結晶が多方向に複雑な絡み合つた
三次元構造を有しており、3〜50のアスペクト比
を有する板状結晶の含有量は多孔質体全重量の98
%であつた。また、この多孔質体の気孔は直線的
でない開放気孔であり、その開放気孔率は全容積
の38%であつた。 次いで、前記焼結体を内径が20mm、外径が25.6
mm、厚さが15mmのリング状に加工し、約30℃に維
持された水中で密度が3.12g/cm3の炭化珪素無加
圧焼結体に対する摺動特性を1000mm/secの摺動
速度で摺動させるリングオンリング法で180Kg・
f/cm2の端面荷重を負荷して摩擦係数(μ)と摩
耗量(mg)を測定したところ、摩擦係数は0.005
〜0.01で極めて安定しており、摩耗量は12mgであ
り、極めて優れた摺動特性を有していることが認
められた。またこの焼結体の摺動特性測定後の摺
動面は第1図の走査型電子顕微鏡写真(75倍)よ
りわかるように粒子の脱落、カケ等は認められな
かつた。なお、前記摩耗量は90分間の摺動特性測
定中における重量減少量である。 比較例 1 実施例1と同様であるが焼結助剤として市販の
粒度1500番の炭化ホウ素1重量部と比表面積が
120m2/gのカーボンブラツク粉を混合した乾燥
混合物を製造した。この乾燥混合物を適量採取
し、顆粒化した後金属製押し型を用いて0.15t/
cm2の圧力で仮成形し、次に静水圧プレス機を用い
て1.8t/cm2の圧力で成形した。前記成形によつて
得られた生成形体の密度は59%(1.90g/cm3)で
あつた。 前記生成形体をタンマン型焼結炉に装入し、1
気圧のアルゴンガス気流中で焼成した。 焼成は1650℃まで5℃/分で昇温し、1650℃に
て40分間保持した後、さらに5℃/分で昇温し最
高温度2000℃で30分間保持した。焼結中のCOガ
ス分圧は常温〜1650℃が5KPa以下、1650℃で保
持する際は0.5KPa以下、1650℃より高温域では
5KPa以下となるようにアルゴンガス流量を適宜
調整した。 得られた焼結体は3.14g/cm3の密度を有してお
り、結晶粒の平均粒径が5.2μm、平均アスペクト
比が2.7で板状結晶の含有量は67重量%であつた。 この焼結体について実施例1と同様の方法で摺
動特性を測定したところ、摩擦係数が0.01〜
0.03、摩耗量が43mgであり、実施例1の多孔質体
に比較して摺動特性が劣つていることが認められ
た。 また、この焼結体の摺動特性測定後の摺動面は
参考第1図の走査型電子顕微鏡写真(75倍)より
わかるように著しく荒れていることが認められ
た。 実施例 2 実施例1と同様であるが、昇温速度、最高焼成
温度および最高焼成温度における保持時間を変化
させて第1表に示す如き多孔質炭化ケイ素焼結体
を製造した。これらの焼結体について実施例1と
同様の方法で摺動特性を測定し第1表に示した。 第1表に示した結果よりわかるように、本実施
例の焼結体はいずれも摩擦係数が低く安定してお
り、摩耗量も少なく摺動特性が優れていた。
〔発明の効果〕
以上述べた如く、本発明の炭化ケイ素質摺動部
材は、極めて優れた摺動特性を有しており、機械
装置の軸受のような著しい摩擦現象を伴う機械構
成部品などに適用することにより、装置の耐久性
や信頼性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の摺動特性測定後の焼結体表
面の結晶構造を示す走査型電子顕微鏡写真(75
倍)、第2図は実施例3の摺動特性測定後の焼結
体表面の結晶構造を示す走査型電子顕微鏡写真
(75倍)である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 摺動面の少なくとも一部が炭化ケイ素質焼結
    体よりなる摺動部材において、前記炭化ケイ素質
    焼結体は、平均アスペクト比が3〜50であり、か
    つ長軸方向の平均長さが0.5〜1000μmの炭化ケイ
    素質板状結晶から主として構成されてなる三次元
    網目構造を有する多孔質体であることを特徴とす
    る炭化ケイ素質摺動部材。 2 前記炭化ケイ素質焼結体100重量部のうち3
    〜50のアスペクト比を有する板状結晶は少くとも
    20重量部である特許請求の範囲第1項記載の摺動
    部材。 3 前記炭化ケイ素質焼結体は平均断面積が0.01
    〜250000μm2の開放気孔を有する特許請求の範囲
    第1あるいは2項記載の摺動部材。 4 前記炭化ケイ素質焼結体は開放気孔率が焼結
    体の全容積に対し10〜60容積%である特許請求の
    範囲第1〜3項のいずれかに記載の摺動部材。 5 前記摺動部材は端面荷重が5Kgf/cm2以上、
    摺動速度が1000mm/sec以上の湿式条件下での使
    用に特に適する特許請求の範囲第1〜4項のいず
    れかに記載の摺動部材。 6 前記摺動部材は摺動部材と被摺動部材との摺
    動面間に少くとも液体が介在している湿式条件下
    での使用に特に適する特許請求の範囲第1〜5項
    のいずれかに記載の摺動部材。
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