JP2690124B2 - 油入変圧器用放熱壁体の製造方法 - Google Patents

油入変圧器用放熱壁体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、油入変圧器タンクの側壁を構成する波付け
形の放熱側壁体を製造する方法に関するものである。
[従来の技術] この種の変圧器タンクでは、波付け加工により中空部
を油道とする多数の中空放熱フィン部を形成した金属板
からなる放熱壁体と、該放熱壁体の幅方向の両端縁に溶
接された上部枠体及び下部枠体とによりタンクの側壁部
を構成し、下部枠体に底板を、また上部枠体に蓋板をそ
れぞれ取付けて密閉したタンクを構成している。
このような波付け形の変圧器タンクは、側壁を薄い金
属板により形成して所定の強度を得ることができるた
め、小形軽量に構成することができる。またこの種のタ
ンクは側壁の表面積が著しく大きく、しかも油道抵抗が
小さいため、大きな冷却効果を得ることができ、容量が
数百KVAまでの変圧器であれば、外付きの放熱器を用い
ないで変圧器の冷却を図ることができる。このようなタ
ンクを用いれば変圧器の小形軽量化を図ることができる
ので、中形及び小形の油入変圧器の容器としてこの種の
タンクが広く用いられている。
波付け形変圧器容器においては、その中空放熱フィン
部(山部と呼ぶ。)の表面積(放熱面積)により放熱量
が決る。そのため該山部は変圧器からの放熱量に見合っ
た大きさに形成する必要がある。変圧器からの放熱量は
変圧器容量の増大に伴って増加するため、山部の大きさ
は変圧器容量の増大に伴って大きくする必要がある。変
圧器容量が数百kVA程度になると、山部の高さが数十cm
にも達するようになる。
ところで変圧器タンクには、絶縁油自体の静圧の他、
油密試験時の圧力が作用する。また密封構造のタンクの
場合には変圧器温度の上昇による圧力が加わる。この圧
力によりタンク側壁を構成する放熱壁体の山部にふくれ
が生じる。第7図は山部が圧力によりふくれた状態を示
しており、同図において2aはふくれが生じていない状態
の山部を示し、破線は山部2aが寸法dだけふくれた状態
を示している。特に山部の高さが高い場合には圧力によ
るふくれ寸法dが大きくなって永久変形が生じることが
ある。また山部の変形が大きいとタンク内の油面が著し
く低下したり、山部と山部との間の空気層部(谷部と呼
ぶ。)の幅が狭くなって放熱効率が低下したりする。
密封形の変圧器タンクの場合には、圧力条件が特に過
酷であり、容量が大きい(数百KVAの)変圧器を収納す
るタンクを密封形にするためには、圧力による山部の変
形を抑制する対策が必要となる。
波付け形変圧器タンクの放熱壁体の山部の変形を抑制
する方法として、山部の一部をスポット溶接する方法が
知られている。この場合、第9図に示すように、山部2a
の両側壁2a1、2a2を単純にスポット溶接すると、溶接部
Wの周辺部が広範囲に亘って窪んだ状態になり、しかも
その窪みの形が不定であるため、外観上好ましくないば
かりか、山部2aの内側の油道内での絶縁油の流れが悪く
なり、放熱効率が低下する。
そこで、金属板に波付けを行う工程の前、若しくは波
付けを行う際、または波付けを行った後に、プレス加工
により山部の両側の側壁の要所に互いに対向する所定の
大きさの窪みを形成しておき、山部の両側の谷部側から
これら対向する窪み内に溶接電極を押し当てて窪みどう
しをスポット溶接する方法が提案された。このように予
め溶接箇所をプレス加工により窪ませておけば、溶接部
の周囲が必要以上に大きく窪むのを防ぐことができる。
また第8図に示したように、山部2aの内側に補助金属
体Awを挿入し、この補助金属体を山部2aの側壁2a1,2a2
にスポット溶接する方法(実開昭56−162484号)も知ら
れている。第8図の例では、この補助金属体Awとして金
属製の球体が用いられている。
[発明が解決しようとする課題] 上記のように、山部にスポット溶接部を設けると圧力
による山部のふくれを抑制できる。しかしながら、プレ
スにより窪みを形成した後にスポット溶接を行う方法で
は、高価なプレス加工機を必要とするためコストが高く
なり、また工数も多くなるのを避けられなかった。
また山部の内側に補助金属体を挿入してスポット溶接
する方法では、補助金属体を用いるため余分な材料費を
必要とし、不経済であった。更にこの方法では、山部の
内側に挿入された補助金属体の位置を外部から容易に見
定めることができないため、溶接電極の位置決めが厄介
で作業能率が悪いという問題があった。
本発明の目的は、高価なプレス加工機を用いることな
く、また補助金属体を用いないで、窪みの形状が揃った
スポット溶接部を形成できるようにした油入変圧器用放
熱壁体の製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、金属板をその長手方向に山部と谷部とが交
互に並ぶように波付け成形して波付け金属板を得る波付
け工程と、各山部の両端を溶接により密封する密封工程
とを行って山部の内側の中空部内を油道部とした油入変
圧器用放熱壁体を製造する方法に係わるものである。
請求項1に記載した発明においては、密封工程に先だ
って、または密封工程を行った後に次の工程を行う。
先ず波付けされた金属板の山部の内側の油道部内に、
少なくとも1つの溝部または孔部からなるスポット溶接
規制部を有する中間電極を挿入する。
次いで山部の両側壁の溶接規制部に相応する領域を溶
接領域として該溶接領域の外面に対の溶接電極を押し当
てる。そして対の溶接電極と山部の両側壁及び中間電極
とを通して第1段階の通電を行うことにより溶接領域を
軟化させた後、溶接電極の押圧力により山部の両側壁の
溶接領域を変形させてスポット溶接規制部内を通して接
触させる。
次に中間電極を油道部内から抜取り、対の溶接電極と
溶接領域とを通して第2段階の通電を行うことにより溶
接領域を溶接する。
請求項2に記載した発明においては、山部の頂部側に
開口部を有する中間電極を用い、山部の内側にこの中間
電極を挿入したままの状態で溶接領域を溶接する工程ま
で行う。スポット溶接が終了した後に中間電極を抜き取
る。
[作用] 上記のように溝部または孔部からなるスポット溶接規
制部を有する中間電極を山部の内側の油道部に挿入し、
溶接領域に溶接電極を押し当てて第1段階の通電を行う
と山部の両側壁と中間電極とを通して電流が流れる。溶
接電極の位置決めは、中間電極の一部を目印とすること
により容易に行うことができる。
第1段階の通電により溶接領域に発熱が生じ、該領域
が軟化する。そのため電極の押圧力により溶接領域に窪
みが生じ、山部の両側壁の溶接領域が互いに接触する。
この状態で中間電極を抜き取り、第2の段階の通電を行
うと溶接領域が溶接される。
溶接領域は中間電極のエポット溶接規制部により形が
規制されるため、スポット溶接される部分を必要最小限
の大きさとすることができ、山部の内側の油道が狭くな
って油の対流が損われるを防ぐことができる。またスポ
ット溶接部の形が揃うため、外観が損われることがな
い。
請求項2に記載した発明では、中間電極を挿入したま
までスポット溶接を行い、スポット溶接が終了した後に
中間電極を抜き取る。このようにすると、スポット溶接
部の形を完全に規制することができる。
本発明の方法によればプレス加工機を必要とせず、ま
た補助金属体を用いずに山部の所要箇所に形が揃ったプ
レス溶接部を形成することができ、コストの上昇を招く
ことなく変圧器タンクの放熱壁体の山部を補強してその
ふくらみを防止することができる。
また本発明の方法では、中間電極の一部を基準にして
溶接電極を容易に位置決めできるため、作業性を向上さ
せることができる。
[実施例] 以下第1図ないし第6図を参照して本発明の実施例を
説明する。
第5図及び第6図は本発明の実施例により製造された
変圧器タンク1を示したもので、第5図は蓋板を取外し
変圧器タンクの一部を切り取った傾斜図、第6図は断面
図である。
変圧器タンク1は側壁部1Aと底板1Bと蓋体1Cとにより
構成される。側壁部1Aは折曲げ加工が容易な比較的薄い
金属板2(通常は鋼板を用いる。)を波付け成形して多
数の山部2a,2a…を形成した波付け板2Aからなる放熱壁
体3と、この壁体3の幅方向の両端に溶接された枠体4
及び5とからなっている。上下の枠体4及び5はそれぞ
れカーリング部4a及びフランジ部5aを有していて、下部
枠体5のフランジ部に底板1Bが溶接され、上部枠体4の
カーリング部に蓋板1Cが取付けられる。
以下この変圧器タンクの放熱壁体3を製造する本発明
の方法を説明する。
放熱壁体3を製造するには、先ず金属板2の波付け加
工を施すことにより第3図及び第4図に示すように長手
方向に交互に並ぶ山部2aと谷部2bとを形成し、各山部2a
の長手方向の両端201及び202をスクイズ溶接により密封
してタンク側壁構成用の波付け部2Aを製造する。尚第4
図において斜線部分lは山部の内側中空部(油道)を示
している。
次に放熱壁体3の山部2a,2a,…にスポット溶接部S,S,
…を形成して補強する。このスポット溶接部を形成する
本発明の方法を第1図及び第2図によって説明する。
この実施例では、スポット溶接部S,S,…を山部2aの高
さ方向の中央部に位置させて、長さ方向に所定の間隔を
あけて並べて設けるものとする。
本発明では、このスポット溶接を行う際に、導電性及
び熱伝導性が高い金属板(例えば鋼板)からなる略櫛歯
形の中間電極6(第1図参照)を用いる。
第1図は中間電極6が油道l内に挿入された状態を山
部2aの片側の側壁の一部を破断して示したものであり、
第2図(A)ないし(D)は1つのスポット溶接部につ
いて、溶接の手順を順に示したものである。尚第2図は
スポット溶接の手順を示すことを主目的としているの
で、構造的な細部は省略し、金属板と中間電極は断面の
みを示している。中間電極6の厚さは油道lの幅より小
さ目に設定され、これにより油道への挿脱を容易にする
と共に、スポット溶接部の延びによる金属板の肉厚のや
せを抑制するようにしている。
本実施例で用いる中間電極6は帯板状の基部6aと、該
基部の幅方向の一端側から略櫛歯状に張り出した突出部
6b,6b,…とからなっている。突出部6b,6b,…は一度に形
成されるスポット溶接部S,S,…にそれぞれ対応してお
り、各突出部6bの先端には、円形部6c1と、該円形部6c1
に連続して山部2aの頂部203側(突出部6bの先端側)に
開口する開口部6c2とを有する鍵孔形の溝部からなるス
ポット溶接規制部6cが設けられている。第2図に見られ
るように、中間電極6の溶接規制部6cの内側端縁部付近
には内側に向って肉厚が薄くなる向きのテーパ6dがつけ
られている。
本発明においては、山部の両側壁2a1、2a2の各部の
内、中間電極6のスポット溶接規制部6cに対向する領域
を溶接領域とする。
山部2aの内側に中間電極6を挿入した後、適宜の固定
治具により山部2aを数箇所で中間電極の基部6aに対して
押え、中間電極6を波付け板に対して位置決め固定す
る。
次いで第2図(A)に示したようにスポット溶接用溶
接電極(以下単に溶接電極という。)7,8を山部2aの両
側に配置して各溶接領域に対向させる。そして溶接電極
7,8を互いに接近させる方向に変位させて溶接領域に押
し当て、山部の両側壁2a1及び2a2を中間電極6に接触さ
せた状態で溶接電極7,8に第1段階の通電を行う。この
とき溶接電極7→側壁部2a1の溶接領域→中間電極6→
側壁部2a2の溶接領域→溶接電極8の経路で電流I1が流
れる。中間電極6は抵抗が小さい材料からなるため、発
熱は主として側壁部2a1及び2a2の部分で生じ、側壁部2a
1及び2a2の溶接領域が加熱されて軟化する。そのため、
側壁部2a1及び2a2の溶接領域が溶接電極7,8の加圧力に
より窪み始める。スポット領域が軟化して窪み始めたと
ころで通電は停止させるが、溶接電極7,8への加圧力の
印加は継続する。そのため、溶接領域は窪み変形を続
け、やがて第2図(C)に示すように両側壁部2a1,2a2
の溶接領域が互いに接触した状態になる。尚両側壁部の
溶接領域が互いに接触する前に第1段階の通電を停止さ
せるのは、溶接領域が接触した際に火花が生じるのを防
ぐためである。
溶接領域はスポット溶接規制部により規制された状態
で窪むため、窪みの形は常にほぼ一定である。本実施例
のように溶接規制部6cの内周縁付近にテーパ部6dを形成
しておくと、金属板を損傷することなく溶接領域の窪み
変形を円滑に行わせることができる。
次に山部2aを中間電極6に対して押えている固定治具
をゆるめ、中間電極6を山部2aの内側から抜き出す。そ
の後溶接電極7,8を加圧しつつ両溶接電極に第2段階の
通電をして、溶接電極7→側壁部2a1の溶接領域→側壁
部2a2の溶接領域→溶接電極8の経路で電流I2を流して
第2図(D)に示すように溶接領域を互いにスポット溶
接する。
尚第2図において菱形の矢印は電極7,8が或速度で動
いていることを示し、黒く塗り潰された三角矢印は電極
7,8が金属板に圧力を及ぼしていることを示している。
また普通の傘形矢印は電流I1またはI2が流れていること
を示している。
上記の実施例において、中間電極6の溶接規制部6cの
円形部6c1の直径は、窪みの周辺部の肉厚を余り薄くす
ることなく、溶接領域を急過ぎず、緩る過ぎず、適切な
傾斜で窪ませることができるように、形成するスポット
溶接部の大きさに応じて適宜に(スポット溶接部の直径
より大きく)設定する。また溶接規制部6cに山部の頂部
側に開口する開口部6c2を設けておくと、溶接領域にく
ぼみを形成した後に中間電極6を容易に抜取ることがで
きる。この開口部6c2の幅は、中間電極6の抜き取りに
支障を来たさない範囲でできるだけ狭くしておくことが
好ましい。
溶接規制部6cの形状は本実施例で用いたような鍵孔形
に限るものではなく、中間電極6の抜き取りを容易にす
ることを優先させて溶接規制部6cをU字形の溝とするこ
ともできる。
またスポット溶接部の形状をきれいな円形にすること
を優先させて、溶接規制部6cを円形の孔とし、溶接領域
に窪みを形成した後、山部2aの両側壁の弾力性を利用し
て窪みの部分を離反させつつ中間電極6を抜出すように
してもよい。
上記の実施例では、溶接領域に窪みを形成した後、中
間電極6を抜き出すようにしたが、溶接領域に窪みを形
成した後、中間電極6を挿入したままの状態で第2の段
階の通電を行ってスポット溶接部を形成してもよい。こ
の場合には、中間電極6に形成する溶接規制部の形状は
上記実施例の溶接規制部6cと同様に、山部2aの頂部側に
開口する形状にする必要がある。
尚中間電極6を挿入したままの状態でスポット溶接を
行う場合には、第2段階の通電の際に流れる溶接電流が
一部中間電極を流れるので、溶接条件は前記の実施例の
場合と若干相違する。
上記スポット溶接を行う工程では、1つの山部のスポ
ット溶接が終了した後に次の山部のスポット溶接を行う
ようにしてもよく、同時に複数の山部についてスポット
溶接を行うようにしてもよい。
上記の実施例では、波付け板の山部2aの両端201,202
を溶接して密封する密封工程を行った後にスポット溶接
を行っているが、密封工程を行う前にスポット溶接を行
い、その後密封工程を行うようにしてもよい。
上記の実施例において、溶接電極7,8がスポット溶接
を行う山部2aに隣接する他の山部に接触して溶接作業に
支障を来たす場合には、波付け板を円弧状に撓ませて隣
接する山部2a,2a相互間の間隔を拡大すればよい。
上記の実施例では、各山部にスポット溶接部S,S,…を
一列だけ形成したが、必要があれば、スポット溶接部を
複数列形成することもできる。スポット溶接部を複数列
形成する場合には、山部の頂部に近い側のスポット溶接
を先に行うのはもちろんである。
上記の実施例では、中間電極6を櫛形に形成したが、
中間電極を帯板状に形成して、その端部に溝または孔か
らなるスポット溶接規制部を並べて形成するようにして
もよい。
上記の実施例において、中間電極6に通電された際に
該中間電極もある程度発熱するが、中間電極6を銅のよ
うに熱伝導性が高い材料により形成しておけば、中間電
極の温度上昇を抑制することができ、該中間電極が発熱
により損傷するのを防ぐことができる。しかしスポット
溶接の作業能率を向上させるために通電頻度を上げる
と、中間電極が過熱して過熱した部分が軟化する等の問
題が生じるおそれがある。この問題を回避するため、中
間電極6の外部に露呈する部分の面積をある程度大きく
して、中間電極の外部に露呈した部分をヒートシンクと
して用いるのが好ましい。
また中間電極6の熱による損傷を防ぐため、該中間電
極6内に冷却水や液化フレオン等の冷却媒体を通す冷却
媒体通路を設けて、中間電極6を積極的に冷却するよう
にしてもよい。中間電極内に冷却媒体通路を形成するに
は例えば、冷却媒体通路を形成する溝部を対称に形成し
た2枚の板を、溝部を設けた面を対向させて貼り合せる
ようにすればよい。
中間電極は必ずしも板状である必要はなく、例えば充
分な肉厚を有する導電性金属パイプを折曲げ成形するこ
とにより溶接規制部を形成したものを中間電極として用
いて、そのパイプの内部を冷却媒体通路とすることもで
きる。
上記の実施例では、中間電極を銅により形成するとし
たが、耐熱性に優れた導電性材料、例えば銅タングステ
ン焼結合金により中間電極を形成することもできる。こ
のように耐熱性が優れた材料により中間電極を形成すれ
ば、特に冷却手段を設けなくても、溶接頻度を上げて作
業能率を向上させることができる。
また放熱壁体を構成する金属板と同程度以上の導電性
を有する導電性セラミックを入手し得る場合には、該セ
ラミックにより中間電極を形成することもできる。
上記のようにして山部にスポット溶接部が形成され、
山部の両端が密封された波付け板が形成された後、該波
付け板の両端に上部枠体4と下部枠体5とを重ね合せて
溶接し、これをU字形に成形してタンク側壁の半部を形
成する。そしてこのタンク側壁半部を2つ突き合わせて
溶接することにより、側壁1Aを構成する。
その後第6図に示すように下部枠体5のフランジ部5a
に底板1Bを溶接して変圧器タンク1を完成する。蓋板1C
はタンク内に絶縁油とともに変圧器本体を収納した後に
上部枠体4のカーリング部4aにパッキン9を介して取付
ける。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、プレス加工機を必要
とせず、また補助金属体を用いずに山部の所要箇所に形
が揃ったスポット溶接部を形成することができ、コスト
の上昇を招くことなく変圧器タンクの放熱壁体の山部を
補強してそのふくらみを防止することができる。
また本発明によれば、中間電極の一部を基準にして溶
接電極を容易に位置決めできるため、作業性を向上させ
ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例において波付け板の山部の内側
に中間電極を挿入した状態を一部切り欠いて示した要部
正面図、第2図(A)ないし(D)はスポット溶接部が
形成される山部と溶接電極との位置関係を本発明の方法
の工程順に示した断面図、第3図は本発明の方法で製造
する放熱壁体の展開斜視図、第4図は第3図の一部の拡
大断面図、第5図は本発明の方法により製造された放熱
壁体を用いたタンクの構造の一例を示す要部斜視図、第
6図は同タンクの概略断面図、第7図は圧力による放熱
壁体の山部の変形を説明する説明図、第8図及び第9図
はそれぞれ従来の異なる方法により形成されたスポット
溶接部を示す断面図である。 1…変圧器タンク、1A…側壁体、1B…底板、1C…蓋板、
2…金属板、2A…波付け板、2a…山部、2b…谷部、3…
放熱壁体、4…上部枠体、5…下部枠体、6…中間電
極、7,8…溶接電極、9…パッキン。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板をその長手方向に山部と谷部とが交
    互に並ぶように波付け成形して波付け金属板を得る波付
    け工程と、各山部の両端を溶接により密封する密封工程
    とを行って山部の内側の中空部内を油道部とした油入変
    圧器用放熱壁体を製造する方法において、 前記密封工程に先だって、または前記密封工程を行った
    後、前記山部の内側の油道部内に、少なくとも1つの溝
    部または孔部からなるスポット溶接規制部を有する中間
    電極を挿入し、 前記山部の両側壁の前記溶接規制部に相応する領域を溶
    接領域として該溶接領域の外面に対の溶接電極を押し当
    て、 前記対の溶接電極と山部の両側壁及び中間電極とを通し
    て第1段階の通電を行うことにより前記溶接領域を軟化
    させ、 前記溶接電極の押圧力により前記山部の両側壁の溶接領
    域を変形させて前記スポット溶接規制部内を通して接触
    させ、 前記中間電極を油道部内から抜取り、 次いで前記対の溶接電極と溶接領域とを通して第2段階
    の通電を行うことにより溶接領域を溶接することを特徴
    とする油入変圧器用放熱壁体の製造方法。
  2. 【請求項2】金属板をその長手方向に山部と谷部とが交
    互に並ぶように波付け成形して波付け金属板を得る波付
    け工程と、各山部の両端を溶接により密封する密封工程
    とを行って山部の内側の中空部内を油道部とした油入変
    圧器用放熱壁体を製造する方法において、 前記密封工程に先だって、または前記密封工程を行った
    後、前記山部の内側の油道部内に、該山部の頂部側に開
    口部を有する少なくとも1つの溝部からなるスポット溶
    接規制部を存在する中間電極を挿入し、 前記山部の両側壁の前記溶接規制部に相応する領域を溶
    接領域として該溶接領域の外面に対の溶接電極を押し当
    て、 前記対の溶接電極と山部の両側壁及び中間電極とを通し
    て第1段階の通電を行うことにより前記溶接領域を軟化
    させ、 前記溶接電極の押圧力により前記山部の両側壁の溶接領
    域を変形させて前記スポット溶接規制部内を通して接触
    させ、 前記対の溶接電極と溶接領域とを通して第2段階の通電
    を行うことにより溶接領域を溶接し、 次いで前記中間電極を油道部内から抜取ることを特徴と
    する油入変圧器用放熱壁体の製造方法。
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JPH02133907A (ja) 1990-05-23

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