JP2689338B2 - 多層干渉フィルター膜の処理方法 - Google Patents
多層干渉フィルター膜の処理方法Info
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- JP2689338B2 JP2689338B2 JP63276852A JP27685288A JP2689338B2 JP 2689338 B2 JP2689338 B2 JP 2689338B2 JP 63276852 A JP63276852 A JP 63276852A JP 27685288 A JP27685288 A JP 27685288A JP 2689338 B2 JP2689338 B2 JP 2689338B2
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- Japan
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- interference filter
- filter film
- multilayer interference
- spectral transmittance
- processing method
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はガラス基板上に形成される多層干渉フィルタ
ー膜の処理方法に関するものである。
ー膜の処理方法に関するものである。
[従来の技術] 多層干渉フィルター膜は、例えば光通信の分野におい
て光源から放たれた光から必要とされる波長域の光のみ
を選択して取り出すために用いられるものであり、真空
蒸着法によってガラス基板上に低屈折率材料と高屈折材
料が交互に層状に形成されてなる。主に低屈折率材料と
しては、SiO2(屈折率n=1.47)、高屈折率材料として
は、TiO2(n=2.35)、Ta2O5(n=2.00)が用いら
れ、通常最外層に低屈折率材料であるSiO2の層が配され
る。
て光源から放たれた光から必要とされる波長域の光のみ
を選択して取り出すために用いられるものであり、真空
蒸着法によってガラス基板上に低屈折率材料と高屈折材
料が交互に層状に形成されてなる。主に低屈折率材料と
しては、SiO2(屈折率n=1.47)、高屈折率材料として
は、TiO2(n=2.35)、Ta2O5(n=2.00)が用いら
れ、通常最外層に低屈折率材料であるSiO2の層が配され
る。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら従来の多層干渉フィルター膜は、長時間
の使用によってその分光透過特性が経時変化し、そのた
め必要とされる波長域の光だけを効果的に透過するよう
に調整しにくくなり信頼性に乏しくなるという問題があ
った。
の使用によってその分光透過特性が経時変化し、そのた
め必要とされる波長域の光だけを効果的に透過するよう
に調整しにくくなり信頼性に乏しくなるという問題があ
った。
本発明の目的は分光透過特性の経時変化を抑制して必
要とされる波長域の光だけを効果的に透過する信頼性の
高い多層干渉フィルター膜を得るための方法を提供する
ことである。
要とされる波長域の光だけを効果的に透過する信頼性の
高い多層干渉フィルター膜を得るための方法を提供する
ことである。
[問題点を解決するための手段] 本発明の多層干渉フィルター膜の処理方法は、ガラス
基板上に形成された多層干渉フィルター膜に電子線を照
射することによって多層干渉フィルター膜の分光透過特
性の経時変化を抑制することを特徴とする。
基板上に形成された多層干渉フィルター膜に電子線を照
射することによって多層干渉フィルター膜の分光透過特
性の経時変化を抑制することを特徴とする。
[作用] 多層干渉フィルター膜の分光透過特性が経時変化する
原因としては、膜がポーラスであるため大気中の水分が
吸着し、それによって膜の屈折率が上がるためであると
推定されるが、本発明においては膜に電子線を照射する
ことによって膜が緻密化して大気中の水分が吸着され難
くなり、そのため屈折率の変化が少なく分光透過特性が
安定する。
原因としては、膜がポーラスであるため大気中の水分が
吸着し、それによって膜の屈折率が上がるためであると
推定されるが、本発明においては膜に電子線を照射する
ことによって膜が緻密化して大気中の水分が吸着され難
くなり、そのため屈折率の変化が少なく分光透過特性が
安定する。
[実施例] 以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて説明す
る。
る。
実施例1 真空蒸着法によってガラス基板にTiO2とSiO2の膜を交
互に18層形成して多層干渉フィルター膜を作製し、加速
電圧30kV、電流密度3μA/cm2で10時間電子線照射を行
った。
互に18層形成して多層干渉フィルター膜を作製し、加速
電圧30kV、電流密度3μA/cm2で10時間電子線照射を行
った。
電子線照射直後と大気中で10日間放置した後の多層干
渉フィルター膜の可視光域(300〜700nm)の分光透過率
曲線を第1図に示した。第1図からわかるように10日間
放置した後の多層干渉フィルター膜の分光透過率曲線は
電子線照射直後のそれの分光透過率曲線とほとんど変化
がなく、分光透過特性が経時変化していないことがわか
る。
渉フィルター膜の可視光域(300〜700nm)の分光透過率
曲線を第1図に示した。第1図からわかるように10日間
放置した後の多層干渉フィルター膜の分光透過率曲線は
電子線照射直後のそれの分光透過率曲線とほとんど変化
がなく、分光透過特性が経時変化していないことがわか
る。
実施例2 真空蒸着法によってガラス基板にSiO2とTa2O5の膜を
交互に7層形成して多層干渉フィルター膜を作製し、加
速電圧30kV、電流密度3μA/cm2で50時間電子線照射を
行った。
交互に7層形成して多層干渉フィルター膜を作製し、加
速電圧30kV、電流密度3μA/cm2で50時間電子線照射を
行った。
電子線照射直後と大気中で10日間放置した後の多層干
渉フィルター膜の可視光域の分光透過率曲線を第2図に
示した。第2図からわかるように10日間放置した後の多
層干渉フィルター膜の分光透過率曲線は電子線照射直後
の分光透過率曲線とほとんど変化がなく、分光透過特性
が経時変化していないことがわかる。
渉フィルター膜の可視光域の分光透過率曲線を第2図に
示した。第2図からわかるように10日間放置した後の多
層干渉フィルター膜の分光透過率曲線は電子線照射直後
の分光透過率曲線とほとんど変化がなく、分光透過特性
が経時変化していないことがわかる。
[比較例] 真空蒸着法によってガラス基板にTiO2とSiO2の膜を交
互に18層形成して多層干渉フィルター膜を作製した。
互に18層形成して多層干渉フィルター膜を作製した。
作製直後と大気中で10日間設置した後の多層干渉フィ
ルター膜の可視光域の分光透過率曲線を第3図に示し
た。第3図からわかるように10日間放置した後の多層干
渉フィルター膜の分光透過率曲線は、作製直後のそれの
分光透過率曲線と大幅に相違しており、分光透過特性が
経時変化していることがわかる。
ルター膜の可視光域の分光透過率曲線を第3図に示し
た。第3図からわかるように10日間放置した後の多層干
渉フィルター膜の分光透過率曲線は、作製直後のそれの
分光透過率曲線と大幅に相違しており、分光透過特性が
経時変化していることがわかる。
[発明の効果] 以上のように本発明の多層干渉フィルター膜の処理方
法によると、分光透過特性の経時変化を抑制して、信頼
性の高い多層干渉フィルター膜を得ることができる。
法によると、分光透過特性の経時変化を抑制して、信頼
性の高い多層干渉フィルター膜を得ることができる。
第1図は電子線照射直後と大気中で10日間放置した後の
実施例1の多層干渉フィルター膜の可視光域における分
光透過率曲線、第2図は電子線照射直後と大気中で10日
間放置した後の実施例2の多層干渉フィルター膜の可視
光域における分光透過率曲線、第3図は作業直後と大気
中で10日間放置した後の比較例の多層干渉フィルター膜
の可視光域における分光透過率曲線を示す。
実施例1の多層干渉フィルター膜の可視光域における分
光透過率曲線、第2図は電子線照射直後と大気中で10日
間放置した後の実施例2の多層干渉フィルター膜の可視
光域における分光透過率曲線、第3図は作業直後と大気
中で10日間放置した後の比較例の多層干渉フィルター膜
の可視光域における分光透過率曲線を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】ガラス基板上に形成された多層干渉フィル
ター膜に電子線を照射することによって多層干渉フィル
ター膜の分光透過特性の経時変化を抑制することを特徴
とする多層干渉フィルター膜の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63276852A JP2689338B2 (ja) | 1988-10-31 | 1988-10-31 | 多層干渉フィルター膜の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63276852A JP2689338B2 (ja) | 1988-10-31 | 1988-10-31 | 多層干渉フィルター膜の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02120803A JPH02120803A (ja) | 1990-05-08 |
JP2689338B2 true JP2689338B2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=17575308
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63276852A Expired - Lifetime JP2689338B2 (ja) | 1988-10-31 | 1988-10-31 | 多層干渉フィルター膜の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2689338B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3243474B2 (ja) * | 1993-12-28 | 2002-01-07 | 光伸光学工業株式会社 | 多層膜バンドパスフィルタの製造方法及び波長シフト温度係数値が略ゼロの多層膜バンドパスフィルタ |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58137809A (ja) * | 1982-02-10 | 1983-08-16 | Fujitsu Ltd | 高安定誘電体多層膜光学フイルタ |
JPS58141214A (ja) * | 1982-02-17 | 1983-08-22 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 薄膜素子の処理方法 |
JPS58154431A (ja) * | 1982-03-09 | 1983-09-13 | Tokyo Seitankoushiyo:Kk | ソケツトタイロツドの製造方法 |
JPS61253722A (ja) * | 1985-05-01 | 1986-11-11 | 住友電気工業株式会社 | 光透過性導電膜の形成方法 |
JPS62205267A (ja) * | 1986-03-06 | 1987-09-09 | Toshiba Corp | 酸化アルミニウム膜の製造方法 |
-
1988
- 1988-10-31 JP JP63276852A patent/JP2689338B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02120803A (ja) | 1990-05-08 |
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