JP3404765B2 - 傾斜機能膜付メタルハライドランプ及びその照明器具 - Google Patents

傾斜機能膜付メタルハライドランプ及びその照明器具

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JP3404765B2 JP15896992A JP15896992A JP3404765B2 JP 3404765 B2 JP3404765 B2 JP 3404765B2 JP 15896992 A JP15896992 A JP 15896992A JP 15896992 A JP15896992 A JP 15896992A JP 3404765 B2 JP3404765 B2 JP 3404765B2
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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色温度を補正したメタ
ルハライドランプ及びメタルハライドランプを収納した
照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】メタルハライドランプは、演色性に優
れ、また発光効率も高いことから、近年、屋内照明など
にも利用されることが多くなってきた。しかしながら、
メタルハライドランプは色温度が4000K以上であり、屋
内照明などの用途には色温度が高すぎるため、その色温
度を低下させるいくつかの試みが従来からなされてき
た。
【0003】発光管内の封入物(特に金属ハロゲン化
物)の種類の変更など、ランプそのものに対する改良も
色温度を低下させる試みの一つであるが、その他に、メ
タルハライドランプの発光管、該発光管の近傍に配置さ
れ該発光管を囲繞する円筒状ガラス管(以下「スリー
ブ」と略称する)、外球、又はメタルハライドランプを
収納する照明器具の前面ガラスなどの表面に形成された
光干渉膜を利用することも提案され、一部実用化されて
いる。
【0004】光干渉膜は分光透過特性を適当に設計すれ
ば、色温度変換フィルターとして機能させることができ
るため、メタルハライドランプの色温度を補正して所望
の色温度に近付けることができる。但し、光干渉膜は単
層では色温度低下の作用が小さいので、通常、2層以上
の多層積層膜構造のものが用いられている。
【0005】従来の光干渉多層膜は、透明誘電体,金
属,透明導電性物質などを材料として、これらのうちの
1種類の物質又は2種類以上の物質の混合物から各層が
構成されているが、その個々の層においては物質組成的
には偏りがなくほぼ均一である。また、層と層の間には
界面が存在して、個々の層が独立している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の光干
渉多層膜の場合、その分光透過率は膜面に対する光の入
射角によって変化し、入射角が大きくなると共に、分光
透過率曲線が全体的に短波長側へ移動するという特徴が
ある。
【0007】したがって、従来の光干渉多層膜を色温度
変換フィルターとして用いた場合は、ランプの色温度が
発光中心からの光の光干渉多層膜に対する入射角によっ
て変化するので、発光中心を見込む角度によって色温度
が異なると共に、そのランプによって照明される物体の
色の見え方が、どの方向でも一様にならないという欠点
があった。
【0008】この傾向は、光干渉多層膜の層数が多けれ
ば多いほど顕著であり、層数を少なくすれば多少緩和さ
れるが、根本的な解決になっていなかった。また、上述
の欠点は、光干渉多層膜の形成部位が発光管の表面な
ど、発光中心に近い場合には比較的軽微であるが、スリ
ーブ,外球,照明器具の前面ガラスというように、光干
渉多層膜の形成部位が発光中心から遠ざかり、膜面への
光の入射角の取り得る範囲が広がるにつれて顕著に現れ
てくる。
【0009】本発明は、従来の光干渉多層膜を備えたメ
タルハライドランプ及びその照明器具における上記問題
点を解消するために成されたもので、色温度の値を低下
させると共にランプの発光中心を見込む角度が変化して
も色温度の値が変化せず、どの照射方向に対しても一定
の色温度となるようにしたメタルハライドランプ及びそ
の照明器具を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決するために、従来の光干渉多層膜の代わりに、屈折
率の異なる物質の組成比が膜厚方向に連続的に変化する
薄膜からなる傾斜機能膜を用いるものである。
【0011】ここで、傾斜機能膜とは、膜を構成する
折率の異なる物質について、その組成比が膜厚方向に連
続的に変化している、すなわち屈折率が膜厚方向に連続
的に変化する薄膜である。この薄膜は、従来の光干渉多
層膜と異なり、互いに屈折率を不連続的に異にする層と
層を隔てている界面というものが存在せず、膜構成物質
が混在して全体が一つの層を形成しているという違いが
あるが、膜構成物質として光干渉多層膜と同じものを用
いることによって、従来の光干渉多層膜と類似の機能を
持たせることができる。
【0012】この傾斜機能膜は、真空蒸着法,スパッタ
リング法,CVD法などの既知の成膜方法によって形成
することができる。成膜原理を、例えば物質Aと物質B
の2種類の成分から構成される場合について説明する
と、物質Aについては成膜速度が例えば時間と共に徐々
に増加するように、また、物質Bについては成膜速度が
例えば時間と共に徐々に減少するように成膜条件を設定
して、両者を同時に基体表面に堆積させれば、基体に近
いほど物質Bの組成比率が高く、逆に基体から遠ざかる
につれて物質Aの組成比率が高くなるような組成比分布
を有する傾斜機能膜が形成される。
【0013】
【作用】傾斜機能膜の特徴は、膜面に対する光の入射角
の変化による分光透過特性(分光反射特性)の変化が小
さいことにある。したがって、光源を囲繞するように傾
斜機能膜を配置した場合、傾斜機能膜透過後の光源の色
温度は、傾斜機能膜の光干渉膜としての機能によって所
定の値だけ低下することに加えて、光のどの照射方向に
対してもほぼ一定に維持される。
【0014】したがって、メタルハライドランプの発光
管,ランプ外球,及びスリーブを有するメタルハライド
ランプの場合のスリーブのうち少なくとも1つの表面
に、又はその照明器具の前面ガラスの表面に、上記傾斜
機能膜を形成することにより、上記メタルハライドラン
プの色温度が膜なしの場合よりも所定の値だけ低下する
だけでなく、ランプの発光中心を見込む角度が変化して
も色温度の値は殆ど変化せず、どの照射方向に対しても
ほぼ一定の低い色温度を実現することができる。
【0015】
【実施例】まず、実施例の説明に先立ち、本発明に係る
傾斜機能膜が理論計算上どのような作用効果を有するか
を、従来の光干渉多層膜の機能と比較しながら説明す
る。そこで、メタルハライドランプの発光管を囲繞する
透光性部材の例として、例えば、スリーブの外表面に形
成された光干渉多層膜又は本発明に係る傾斜機能膜によ
って、該メタルハライドランプの色温度を変換すること
を考える。
【0016】図1は、各発明に係る傾斜機能膜あるいは
従来の光干渉多層膜を備えたメタルハライドランプの発
光管周辺の軸方向の概略断面図であり、メタルハライド
ランプのその他の部分の図示は省略してある。図におい
て、1は発光管、2及び3は電極、4及び5は保温膜、
6は発光管1の周りに配置したスリーブ、7は該スリー
ブ6の表面に設けた傾斜機能膜又は光干渉多層膜であ
る。またlT 及びlS はそれぞれ、発光管1及びスリー
ブ6の全長、DT 及びDS はそれぞれ、発光管1及びス
リーブ6の外径、dは電極2,3間の距離である。150
Wメタルハライドランプの場合の寸法の一例を示すと、
T =lS =56mm,DT =15mm,DS =26mm,d=20mm
である。また、2つの保温膜4と5との隙き間は、通常
は電極間距離の半分以上の距離が確保されるが、典型的
には10mmである。
【0017】図1において、8は発光管1の中心点を表
している。また、9は、中心点8より発せられ傾斜機能
膜又は光干渉多層膜7の膜面に垂直に入射した光(入射
角0°)の進路を、10は、同じく中心点8より発せら
れ、一方の電極2の周辺の発光管表面に塗布された保温
膜4によって遮られない最大の入射角θ1 を有する光の
進路を表している。更に、11は、電極3の表面より発せ
られ、保温膜4によって遮られない最大の入射角θ2
有する光の進路を表している。前記寸法を有する150 W
メタルハライドランプの場合、θ1 がほぼ36°、θ2
ほぼ63°である。
【0018】以上のことから、ランプ特性に主たる寄与
をする発光管の中心点(あるいは電極間距離の中点)8
からの光の膜面に対する入射角は、スリーブ6の中央付
近ではほぼ0°であるが、スリーブ6の中央から離れる
につれて入射角が増加し、保温膜4又は5によって遮ら
れない最大の入射角(θ1 )となる箇所においては、入
射角が30°を超えることがわかる。また、ランプ特性へ
の寄与の小さい電極及びその周辺より発せられた光の場
合は、入射角が60°を超える角度となり得ることも理解
できる。
【0019】他のランプ電力のメタルハライドランプの
場合も、上記の150 Wの場合と同様に、発光管外径に対
する発光管全長の比lT /DT 、及びスリーブ外径に対
するスリーブ全長の比lS /DS がそれぞれ、おおむね
3.5〜4.0及び1.7〜2.3の範囲にあるので、上記結論
は他のランプ電力(他の発光管寸法)のメタルハライド
ランプに対しても当てはまる。
【0020】従来型の膜である光干渉多層膜の例として
7層膜と2層膜を取り上げ、これらの光干渉多層膜と本
発明に係る傾斜機能膜との比較を以下に説明する。ま
ず、例えば、入射角が0°のとき、図2の実線で示す分
光透過率曲線を有する7層膜を考える。これは、ランプ
の色温度を下げるための帯域フィルターとしてよく用い
られるもので、例えば、材質が石英ガラスであるスリー
ブの表面に、酸化チタン(TiO2 )(屈折率2.1〜2.
3)と二酸化硅素(SiO2 )(屈折率1.45〜1.46)の両
物質の薄層を用いて、第1層をTiO2 層、第2層をSiO
2 層、・・・ 、第7層をTiO2 層というように、交互積層
して構成することができる。理論計算によれば、該7層
膜の分光透過率曲線は、入射角の増加と共に全体的に短
波長側へ移動し、入射角60°では図2の破線で示す位置
に到達する。
【0021】さて、膜のない状態のメタルハライドラン
プの色温度、すなわち、発光管1の色温度が例えば4700
Kであった場合、該7層膜を透過した光の色温度は、理
論計算から、表1に示すとおり、入射角0°のとき、43
42Kとなり、300 K以上の色温度低下をもたらす。とこ
ろが、入射角30°では4528Kというように、入射角の増
加と共に色温度低下の度合が縮小していき、入射角45°
では殆ど色温度の低下はなくなり、更に入射角が増加す
ると、例えば入射角60°で4803Kというように、逆に色
温度上昇を招く結果になっている。
【0022】
【表1】
【0023】次に、例えば、入射角が0°のとき、図3
の実線で示す分光透過率曲線を有する2層膜を考える。
該2層膜も例えばTiO2 薄層とSiO2 薄層を用い、第1
層をTiO2 層、第2層をSiO2 層というように積層して
構成することができる。理論計算によれば、該2層膜の
場合も、入射角の増加に伴う分光透過率曲線の短波長側
への移動の傾向は、上記7層膜の場合と同様であり、入
射角60°では図3の破線で示す分光透過率曲線となる。
該2層膜の場合も、その透過光の色温度の低下の度合
は、表1に示すように、入射角の増加と共に小さくなっ
ていき、上記7層膜よりは改善されるが、入射角が45°
を超える場合には、膜なしランプの色温度と殆ど変わら
ない状態となる。
【0024】これに対して、本発明に係る傾斜機能膜を
用いた場合は、膜設計を最適化すれば、入射角の変化に
よる透過光の色温度の変化の小さい膜を構成することが
できる。ここで、例えばTiO2 などの高屈折率物質と、
例えばSiO2 などの低屈折率物質とからなる傾斜機能膜
を考える。そして、上記説明の光干渉多層膜(7層膜及
び2層膜)の入射角0°での色温度低下と同等の効果を
有する傾斜機能膜を想定するために、屈折率2.1〜2.3
を有するTiO2 と屈折率1.45〜1.46を有するSiO2 の2
物質を構成要素とし、TiO2 の組成百分率を縦軸にと
り、膜厚方向への基体表面からの距離を横軸にとってグ
ラフを描いた時、図4に示すように、TiO2 の組成百分
率曲線が非対称なV字型(図中太い実線)であるような
傾斜機能膜を仮定することにする。すなわち、傾斜機能
膜の膜厚を168 nmとし、その膜厚のうち基体表面から14
0 nmの所まではTiO2 の組成百分率が100 %から0%ま
で直線的に減少し、その膜厚140 nmの部分から傾斜機能
膜の表面(168 nmの所)まではTiO2 の組成百分率が0
%から100 %まで直線的に増加するものと仮定する。勿
論、SiO2 の組成百分率に着目すれば、増加減少の関係
がTiO2 の場合と逆になっている。
【0025】更に、シミュレーション計算の便宜のた
め、傾斜機能膜の膜厚方向において該傾斜機能膜をいく
つかに分割する。すなわち、TiO2 の組成百分率が0%
となる点(V字谷の底)を境界点として、その前後をそ
れぞれ、膜厚について10等分し、その細分化した膜の各
々に対して、屈折率が基体表面から上記境界点までは直
線的に減少し、上記境界点以降は直線的に増加するよう
に、計20個(同一の値を含む)の屈折率の値を割り当て
ることにする。このようにして、傾斜機能膜を、便宜上
層間界面を想定し非対称的に20分割された20層膜に置き
換える。該20層膜について、基体の材質が石英ガラスで
あり、TiO2 の屈折率2.30、SiO2 層の屈折率1.46の場
合の膜構成を表2に示す。膜厚方向での分割数を無限に
増やしていけば、理想的な傾斜機能膜の膜構成に近付け
ることができる。
【0026】
【表2】
【0027】さて、表2の膜構成を有する非対称20分割
傾斜機能膜は、理論計算によれば、図5に示すように、
入射角0°のとき分光透過率曲線が実線のようになり、
また、入射角60°のとき破線のようになる。そして、入
射角の増加に伴う分光透過率曲線の短波長側への移動の
傾向は、前記従来型の7層膜及び2層膜の光干渉多層膜
の場合と同様である。
【0028】このような分光透過特性を有する非対称20
分割傾斜機能膜について、前記7層膜及び2層膜の場合
と同じメタルハライドランプより発せられた光の膜透過
後の色温度を計算すると、表1に示すとおり、入射角の
増加に伴う色温度上昇の度合は前記7層膜及び2層膜に
比べて相当に小さく、入射角0°における500 K程度の
色温度低下が、入射角60°においても400 K程度の色温
度低下を保っている。
【0029】次に、本発明の具体的な実施例における傾
斜機能膜の実際上の作用効果を、従来例と比較して述べ
る。まず、少なくとも水銀とアルゴンと沃化ジスプロシ
ウムと沃化タリウムと沃化セシウムを封入した発光管
と、該発光管を囲繞し表面に膜が形成されていない石英
ガラス製スリーブと、該発光管と該スリーブを内蔵する
外球とを具備するメタルハライドランプを1本用意し
た。上記発光管は図1に示したものと同様に、全長56m
m,外径15mm,肉厚1.2mm,電極間距離20mmであり、ま
た上記スリーブは、全長56mm,外径26mm,肉厚2.5mmで
ある。上記発光管は、その中心軸が上記スリーブの中心
軸と一致し、また軸方向に関してスリーブからはみ出さ
ないように配置されている。また、上記メタルハライド
ランプは、ランプ電力が150 Wで一定となるように入力
電圧を調整したとき、ランプ電圧が90V、ランプ電流が
1.9Aであった。また、このとき、色温度が4880K、平
均演色評価数Ra が94であり、そして、発光分光分布は
図6の破線のとおりであった。
【0030】次に、上記スリーブと同じ材質・寸法・形
状の石英ガラス製スリーブを3個用意し、その各スリー
ブの外表面にそれぞれ、7層光干渉膜(従来例1),2
層光干渉膜(従来例2)及び本発明に係る傾斜機能膜
(実施例1)を形成し、3種類の膜付スリーブを作成し
た。その作成方法は次のとおりである。
【0031】上記7層光干渉膜及び2層光干渉膜は、そ
れぞれ前述の理論計算による説明において示したものと
同じ膜構成を有する設計とし、真空蒸着法,スパッタリ
ング法,CVD法,ゾル−ゲル法(浸漬焼成法)などの
既知の方法を用いて、TiO2薄層とSiO2 薄層の積層に
よって形成した。また、分光透過率の測定によって、該
7層光干渉膜及び2層光干渉膜の分光透過特性がそれぞ
れ、図2及び図3に示す特性と十分に一致していること
を確認した。
【0032】本発明に係る傾斜機能膜は、真空蒸着法,
スパッタリング法,CVD法などの既知の方法を用いて
形成した。例えば、真空蒸着法を用いて次の手順にて膜
形成を行った。まず実施例1のスリーブへの傾斜機能膜
の形成において用いる成膜装置のシステム構成を図7に
示す。膜物質原料として酸化チタン(TiO2 )固体及び
二酸化硅素(SiO2 )固体を用いた。傾斜機能膜を形成
すべきスリーブ(試料スリーブ)23は、蒸着室20内にお
いてホルダー24に支持され、ヒーター22により所定温度
に保持されている。膜形成は、2つのシャッター27を同
時に開け、TiO2 原料28とSiO2 原料29を同時に加熱
し、両原料の蒸発速度をそれぞれ独立に制御しながら蒸
着を行うようになっている。蒸着時においては、試料ス
リーブ23はホルダー24自身の回転により蒸着室20の中心
軸に対して公転させると共に、図示しない回転機構によ
り各スリーブの中心軸に対して個々に自転させるように
なっている。TiO2 原料28は、電子銃30及び電子銃電源
32によって加熱され、水晶振動子センサー26とTiO2
用に校正された水晶式膜厚計34とによって所望のTiO2
成膜速度になるように、その蒸発速度が制御されてい
る。一方、SiO2 原料29は、電子銃31及び電子銃電源33
によって加熱され、水晶振動子センサー26とSiO2 膜用
に校正された水晶式膜厚計35とによって所望のSiO2
膜速度になるように、その蒸発速度が制御されている。
蒸着の終点は、モニターガラス25に試料スリーブ23と同
時に蒸着を行い、モニターガラスの光透過率の測定値を
光学式膜厚計21によって膜厚へ換算して検知するように
なっている。
【0033】このように構成されている成膜装置におい
て、蒸着操作は実際には全てシステム制御系36によって
システム全体を自動制御して行われるようになっている
が、システム制御が機能するには予め条件設定が必要で
ある。まず、光学式膜厚計21に対しては、目的とする膜
構成に合わせて傾斜機能膜の場合の光透過率から膜厚へ
の換算のための条件設定を施す。次に、原料物質の蒸発
速度の制御に対しては、光学式膜厚計21が膜厚140 nmを
検知するまでは、1分毎に、TiO2 成膜速度が14.0nm/
min ,12.4nm/min ,10.9nm/min ,9.3nm/min ,・・
・ , 及び0.0nm/min というように10段階で漸次減少
し、一方、SiO2 成膜速度が0.0nm/min,1.6nm/min
,3.1nm/min ,4.7nm/min ,・・・ , 14.0nm/min
というように10段階で漸次増加するように条件設定し、
また、それに続いて光学式膜厚計21が膜厚168 nm(終
点)を検知するまでは、12秒毎に、TiO2 成膜速度が0.
0nm/min ,1.6nm/min ,3.1nm/min ,4.7nm/mi
n ,・・・ , 14.0nm/min というように10段階で漸次増加
し、一方、SiO2 成膜速度が14.0nm/min ,12.4nm/mi
n ,10.9nm/min ,9.3nm/min ,・・・ , 0.0nm/min
というように10段階で漸次減少するように条件設定す
る。この条件設定においては、傾斜機能膜の1回の蒸着
操作に合計12分間を要するようになっている。
【0034】以上のような条件設定で傾斜機能膜を形成
したスリーブの分光透過率を測定したところ、分光透過
率曲線が図8に示すとおりとなり、図5の理論計算値と
よく一致していることが確認された。図8において、実
線が入射角0°、破線が入射角60°のときのものであ
る。このような理論値と実測値の一致は、上記条件設定
による一つの蒸着過程が、20個の小過程に細分化された
のと同じことになり、形成される傾斜機能膜の膜構成
が、事実上、前記の理論計算による説明において述べた
非対称20分割型の傾斜機能膜と同じ膜構成になっている
ことによると考えられる。
【0035】次に、膜付スリーブを装着したメタルハラ
イドランプの色温度の測定について述べる。図9に、発
光管1の軸方向の模式的縦断面図と共に、色温度の測定
方法の概略を示す。図9では外球、その他の部分は省略
してあるが、実際の測定では発光管1及びスリーブ6は
外球内に収納し、通常のランプ構成で測定を行った。し
たがって、測定に際しては、予め用意した前記説明の3
種類の膜付スリーブの各々について、測定の都度、該膜
付スリーブをその中心軸が発光管1の中心軸と一致し発
光管1がスリーブ6からはみ出さないような位置に固定
した後、これに外球等を取り付けてランプを完成させて
測定を行い、その後このランプの外球を破壊し、次の膜
付スリーブと付け替えることを繰り返した。発光管1は
どの膜付スリーブに対しても前記説明のものを共通に用
いた。
【0036】色温度の測定は、ランプ電力150 Wにてラ
ンプを点灯させ、入射角0°及び30°の2つの角度につ
いて行った。図9に示すように、分光光度計受光部15は
発光管1の中心点8を常に見込むような位置に配置す
る。受光部15が中心点8を見込む直線が、中心点8を通
りスリーブ6(発光管1)の中心軸に直交する線に一致
した時の角度を入射角の基準にとり、これを0°とし
た。30°を超える入射角については、分光光度計受光部
15の配置の都合上、測定しなかった。図9において9及
び12はそれぞれ、入射角が0°及び30°となる光の進路
を表す。色温度の測定結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】表3に示されているとおり、7層光干渉膜
(従来例1)の場合は、入射角0°での色温度低下の度
合が3種類の膜の中で最も小さく、且つ入射角の増加に
伴う色温度の増加の度合が最も大きく、入射角30°のと
きの色温度は0°のときよりも250 K程度増加した。一
方、2層光干渉膜(従来例2)の場合は、層数減少の効
果が現れていて、入射角の増加に伴う色温度の増加が上
記従来例1の場合よりも少なく抑えられていて200 K程
度の増加に止まっていた。これに対して、傾斜機能膜
(実施例1)の場合は、入射角0°において500 K以上
も色温度が低下したことに加えて、0°から30°への入
射角の増加に対して色温度の増加が100 K未満に抑えら
れていた。
【0039】なお、傾斜機能膜の透過光の発光分光分布
は、膜面への入射角0°のとき、図6の実線で示す分布
を有していた。図6において膜なしの場合の破線の分布
と比較すると、膜透過後の光は、可視域の短波長側(38
0 〜500 nm)の発光成分が減少し、長波長側(550 〜70
0 nm)の発光成分が増加していることがわかる。
【0040】以上の実測結果は、前述の理論計算の結果
を十分に裏付けると共に、傾斜機能膜が持つ、光の入射
角の変化の影響を受けない優れた色温度変換作用を明示
している。
【0041】次に実施例2について説明する。この実施
例は、メタルハライドランプを内部に収納した照明器具
の前面ガラスに傾斜機能膜を形成したものである。図10
に照明器具の模式的縦断面図と共に、色温度の測定方法
の概略を示す。図において、17はミラー、18は膜付前面
ガラスであり、該膜付前面ガラス18は傾斜機能膜19を形
成した面が照明器具の外側に向くように装着している。
メタルハライドランプ16の中心軸は前面ガラス18とほぼ
平行となり、また、発光管1の中心軸はメタルハライド
ランプ16の中心軸とほぼ一致するように、それぞれの配
置を調整して固定されている。メタルハライドランプ16
は、発光管内封入物質の種類が前記従来例2及び前記実
施例1と同じであり、また、発光管1の寸法も前記従来
例2及び前記実施例1とほぼ同じである。更に、メタル
ハライドランプ16には、発光管1の端部表面に保温膜が
施されている以外は、表面に膜形成されている箇所はな
い。なお何も膜形成されていない前面ガラスを装着した
時のランプ特性は、ランプ電力を150 Wとしてメタルハ
ライドランプ16を点灯させると、ランプ電圧が102V、
ランプ電流が1.7Aであり、色温度が4370K、平均演色
評価数Ra が96であった。
【0042】次にこのように構成した照明器具の効果を
確認するため、従来型の2層光干渉膜(従来例3)と本
発明の傾斜機能膜(実施例2)を、それぞれ、いずれも
片面に形成した前面ガラスを同一のメタルハライドラン
プを収納した同一の照明器具に順次取り替えて装着し、
該メタルハライドランプを点灯させ、前面ガラスを透過
した光の色温度を測定し、互いに結果を比較した。なお
上記前面ガラス表面への2層光干渉膜及び傾斜機能膜の
形成方法は、それぞれ前記従来例2及び前記実施例1の
場合と同じ方法を用いた。該前面ガラスは硬質ガラスで
あり、また2層光干渉膜及び傾斜機能膜はいずれも膜物
質としてTiO2 及びSiO2 を用い、それぞれ、前記従来
例2及び前記実施例1の場合と同一の膜構成とした。
【0043】色温度の測定は、前記従来例2及び前記実
施例1と同様に、ランプ電力150 Wにてランプを点灯さ
せ、入射角0°及び30°の2つの角度について行った。
分光光度計受光部15はメタルハライドランプ16の発光管
1の中心点8を常に見込むような位置に配置し、中心点
8より前面ガラス18に下した垂線と受光部15が中心点8
を見込む直線とが一致した時の角度を入射角の基準にと
り、これを0°とした。30°を超える入射角について
は、受光部15の配置の都合上、測定しなかった。図10に
おいて13及び14はそれぞれ、入射角が0°及び30°とな
る光の進路を表す。色温度の測定結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】表4からわかるように、2層光干渉膜(従
来例3)の場合は、入射角0°のとき、3860Kへ色温度
が低下するが、入射角が30°に増加すると、その色温度
が200 K弱増加した。これに対して、本発明の傾斜機能
膜(実施例2)の場合は、入射角0°のとき、3820Kで
あり、入射角が30°に増加しても、その色温度は殆ど増
加しなかった。このように、前面ガラス表面に形成した
傾斜機能膜は、スリーブ表面に形成した場合と同様に、
光の入射角の変化に影響されない優れた色温度変換作用
を有することが確認された。
【0046】本発明に係るメタルハライドランプ及び照
明器具に収納されるメタルハライドランプにおいては、
発光管内の封入物質の種類は前記実施例の物質に限定さ
れるものではなく、他の物質の組み合わせ、例えば、水
銀,アルゴン,沃化ナトリウム,沃化タリウム及び沃化
インジウムの組み合わせなどであってもよい。更に、発
光管,スリーブなどのランプ構成要素の寸法,形状も、
前記実施例のもの以外の場合であっても同様の効果が得
られる。そして、メタルハライドランプのランプ電力等
のランプ特性も、前記実施例のものに限定されるもので
はないことも勿論である。照明器具に収納されるメタル
ハライドランプの姿勢は、前記実施例においては水平と
したが、垂直の場合も同様の効果が得られる。
【0047】また、本発明に係るメタルハライドランプ
においては、傾斜機能膜の形成部位は、前記実施例で示
したスリーブ表面に限定されるものではなく、発光管、
及び例えばスリーブ,外球等の、発光管を囲繞する全て
の透光性部材からなる部材群のうち少なくとも1つの表
面に、傾斜機能膜が形成されていればよい。したがっ
て、本発明に係るメタルハライドランプにおいては、ス
リーブを有しなくてもよく、その場合、発光管及び外球
のうち少なくとも1つの表面に傾斜機能膜が形成されて
いればよい。また、本発明に係るメタルハライドランプ
の変形例として、スリーブを有さず、且つ外球(外囲
器)が2重になっていて、例えば、それらのうち内側の
外球(外囲器)の表面に傾斜機能膜が形成されていると
いう形態を取ってもよい。本発明に係る照明器具におい
ても、前記実施例のように前面ガラスのみに傾斜機能膜
が形成されている場合に限定されることはなく、少なく
とも前面ガラスに傾斜機能膜が形成されていることが必
須要件であって、例えば、前面ガラスと共に、内部に収
納したメタルハライドランプのスリーブにも傾斜機能膜
が形成されていてもよい。
【0048】そして、傾斜機能膜形成の箇所について
も、スリーブの場合、前記実施例のように外表面に限ら
ず、内表面でもよく、また内外両面であってもよい。ま
た、外球に傾斜機能膜が形成される場合も、内面,外面
いずれでもよく、両方でもよい。更に、照明器具の前面
ガラスの場合も、傾斜機能膜形成箇所は前記実施例のよ
うに照明器具の外側に面する側の表面だけでなく、内側
に面する側の表面であってもよく、両面に形成されてい
てもよい。なお、発光管のみは、内表面に膜形成した場
合のランプ製作上の困難さ、発光管動作時の膜品質の劣
化等の理由から、発光管の完成後にその外表面に傾斜機
能膜を形成するのが好ましい。なお、傾斜機能膜が形成
される基体の材質には制限はなく、石英ガラス,硬質ガ
ラス,軟質ガラス等、透光性を有するものならばいずれ
でも用いることができる。
【0049】本発明に係る傾斜機能膜は、前記実施例の
膜構成に限定されることはなく、他の膜構成であっても
よい。すなわち、まず膜物質は、前記実施例の酸化チタ
ン(TiO2 )と二酸化硅素(SiO2 )の2成分に限ら
ず、薄膜構成材料として一般に用いられていて、真空蒸
着法,スパッタリング法,CVD法などの既知の方法で
膜形成が可能ならばどのような物質でもよく、また2成
分だけでなく、3成分以上の多成分から構成されていて
もよい。したがって、用いることのできる膜物質の種類
とその組み合わせは数多く存在するが、屈折率の値が互
いに似かよっている物質の組み合わせは傾斜機能膜とし
て効果が薄いので、屈折率の値が互いに離れている物質
の組み合わせが好ましい。
【0050】TiO2 −SiO2 以外の組み合わせのうち、
本発明で最も好ましい組み合わせをいくつか列挙する
と、酸化ジルコニウム(ZrO2 )−SiO2 ,酸化タンタ
ル(Ta2 5 )−SiO2 ,酸化ニオブ(Nb2 5 )−Si
2 ,窒化硅素(Si3 4 )−SiO2 である。この他、
酸化セリウム(CeO2 )−弗化セリウム(CeF3 ),硫
化亜鉛(ZnS)−弗化マグネシウム(MgF2 )などの2
成分系の組み合わせを用いてもよい。また目的によって
は、例えば中間屈折率物質である酸化アルミニウム(Al
2 3 )を加えたTiO2 −Al2 3 −SiO2 3成分系な
どの組み合わせであってもよい。傾斜機能膜の膜厚につ
いても、本発明では制限はなく、目的に応じてさまざま
の膜厚とすることができる。
【0051】更に、本発明に係る傾斜機能膜の組成百分
率曲線は、前記実施例の非対称V字型のものに限定され
ることはなく、目的に応じて最適の組成分布を有するも
のを選択すればよい。一般に、本発明に係る傾斜機能膜
は、メタルハライドランプに限らず、任意の光源を対象
として設けることができ、その色温度を大きく変換し、
その変換された色温度の値を光の入射角の変化にあまり
影響されずに維持するという特徴のある効果を生じさせ
ることができる。しかし、このことが常に可能なのでは
なくて、対象とする光源の発光分光分布と目的とする色
温度の値とに合致した、最適の分光透過特性を呈するよ
うな膜構成を選定する必要がある。
【0052】なお、本発明に係る傾斜機能膜の形成に
は、従来から知られている成膜方法をどれでも用いるこ
とができるが、精密な膜厚制御が可能である真空蒸着
法,スパッタリング法又はCVD法を用いることが好ま
しい。
【0053】
【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように、
本発明に係るメタルハライドランプは、発光管、及び例
えば、スリーブ,ランプ外球等の、発光管を囲繞する全
ての透光性部材のうち少なくとも1つの表面に、また本
発明に係る照明器具は、メタルハライドランプ発光管、
例えば、スリーブ,外球等の、発光管を囲繞する全ての
透光性部材及び前面ガラスのうち少なくとも前面ガラス
の表面に、傾斜機能膜を形成したので、傾斜機能膜なし
の場合を基準にしたときの該メタルハライドランプの色
温度の低下の度合が、従来の光干渉多層膜を形成した場
合よりも大きく、且つ該メタルハライドランプの発光中
心を見込む角度の変化に伴う該メタルハライドランプの
色温度の変化が小さく、どの照射方向に対しても違和感
のないほぼ一定の色温度を実現させるという、従来の光
干渉多層膜を設けたものでは得られない特有の効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るメタルハライドランプ
の主要部の構成を示す図である。
【図2】従来型の7層光干渉膜を用いた場合の分光透過
率曲線の計算値例を示す図である。
【図3】従来型の2層光干渉膜を用いた場合の分光透過
率曲線の計算値例を示す図である。
【図4】本発明に係る傾斜機能膜の膜厚方向における組
成百分率曲線の一例を示す図である。
【図5】本発明に係る傾斜機能膜を用いた場合の分光透
過率曲線の計算値例を示す図である。
【図6】メタルハライドランプにおいて傾斜機能膜を形
成した場合と形成しない場合の発光分光分布の実測値の
一例を示す図である。
【図7】本発明に係る傾斜機能膜の形成に用いる真空蒸
着装置のシステム構成の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る傾斜機能膜の分光透過率曲線の実
測値例を示す図である。
【図9】本発明の実施例1のメタルハライドランプの色
温度測定方法を示す図である。
【図10】メタルハライドランプを収納し膜付前面ガラス
を装着した本発明の実施例2に係る照明器具を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 発光管 2,3 電極 4,5 保温膜 6 スリーブ 7 傾斜機能膜 8 発光管中心点 15 分光光度計受光部 16 メタルハライドランプ 17 ミラー 18 前面ガラス 19 傾斜機能膜
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−250958(JP,A) 特開 平2−201860(JP,A) 特開 平2−244551(JP,A) 特開 平4−133256(JP,A) 実開 昭60−131957(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/34 H01J 61/35 H01J 61/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、水銀と希ガスと金属ハロゲ
    ン化物とを封入した発光管と、該発光管を内蔵した外球
    とを具備するメタルハライドランプにおいて、前記発光
    管と、前記発光管を囲繞する全ての透光性部材とからな
    る部材群のうち少なくとも1つの部材の表面に、屈折率
    の異なる物質の組成比が膜厚方向に連続的に変化する薄
    膜からなる傾斜機能膜を形成させたことを特徴とするメ
    タルハライドランプ。
  2. 【請求項2】 水銀と希ガスと金属ハロゲン化物を封入
    した発光管と、該発光管を囲繞するガラス製円筒と、前
    記発光管と前記円筒とを内蔵した外球とを具備するメタ
    ルハライドランプにおいて、前記発光管,前記円筒及び
    前記外球からなる部材群のうち少なくとも1つの部材の
    表面に、屈折率の異なる物質の組成比が膜厚方向に連続
    的に変化する薄膜からなる傾斜機能膜を形成させたこと
    を特徴とするメタルハライドランプ。
  3. 【請求項3】 発光管内に水銀と希ガスと金属ハロゲン
    化物とが封入されたメタルハライドランプを内部に収納
    し、前面ガラスを具備する照明器具において、少なくと
    も前面ガラスの表面に、屈折率の異なる物質の組成比が
    膜厚方向に連続的に変化する薄膜からなる傾斜機能膜を
    形成させたことを特徴とする照明器具。
  4. 【請求項4】 前記傾斜機能膜は、酸化チタン(TiO
    2 ),酸化ジルコニウム(ZrO2 ),酸化タンタル
    (Ta25 ),酸化ニオブ(Nb25 ),及び窒化珪素
    (Si34 )からなる群のうち少なくとも1種類の物質
    と、二酸化珪素(SiO2 )とからなり、組成比が膜厚
    方向に連続的に変化する薄膜で構成されていることを特
    徴とする請求項1又は2に記載のメタルハライドランプ
    又は請求項3記載の照明器具。
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