JPH0720312A - 光学フィルター - Google Patents
光学フィルターInfo
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- JPH0720312A JPH0720312A JP18348893A JP18348893A JPH0720312A JP H0720312 A JPH0720312 A JP H0720312A JP 18348893 A JP18348893 A JP 18348893A JP 18348893 A JP18348893 A JP 18348893A JP H0720312 A JPH0720312 A JP H0720312A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、安定した照度分布補正機能を有す
る光学フィルターを提供することを目的とする。 【構成】 本発明に係る光学フィルターは、透明基板
(1)と、この透明基板(1)の表面(1b)を覆うよ
う設けられた一層または積重された複数の薄層(21
b、22b、23b)からなる反射防止膜(2b)と、
前記透明基板(1)と前記反射防止膜(2b)との間の
界面または前記反射防止膜(2b)を構成する薄層(2
1b、22b、23b)間の界面において、少なくとも
一部の領域cに形成された光吸収性金属薄膜(4)とを
具えてなる。
る光学フィルターを提供することを目的とする。 【構成】 本発明に係る光学フィルターは、透明基板
(1)と、この透明基板(1)の表面(1b)を覆うよ
う設けられた一層または積重された複数の薄層(21
b、22b、23b)からなる反射防止膜(2b)と、
前記透明基板(1)と前記反射防止膜(2b)との間の
界面または前記反射防止膜(2b)を構成する薄層(2
1b、22b、23b)間の界面において、少なくとも
一部の領域cに形成された光吸収性金属薄膜(4)とを
具えてなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学フィルターに関する
ものであり、例えば光源より投射される光の照度分布を
均一化するための照度分布補正板として用いられる光学
フィルターに関するものである。
ものであり、例えば光源より投射される光の照度分布を
均一化するための照度分布補正板として用いられる光学
フィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の製造の際に使用される露光
装置においては、光源から投射される光によって、マス
クパターンによる微細パターンがウエハなどの被照射面
に投影されるが、光源から投射される光による照度分布
は、被照射面の露光領域内で高い均一性を有することが
要求される。しかし、実際の露光装置においては、種々
の原因により、照度分布を十分に均一性の高いものとす
ることは困難であり、局部的にムラが現れる。
装置においては、光源から投射される光によって、マス
クパターンによる微細パターンがウエハなどの被照射面
に投影されるが、光源から投射される光による照度分布
は、被照射面の露光領域内で高い均一性を有することが
要求される。しかし、実際の露光装置においては、種々
の原因により、照度分布を十分に均一性の高いものとす
ることは困難であり、局部的にムラが現れる。
【0003】以上のような事情から、現在では、露光装
置が組み立てられた後、予め被照射面における光の照度
分布を測定し、この照度分布に対応した照度分布補正板
を露光装置の光学系に装着することにより、被照射面に
おける照度分布の均一化を図っている。
置が組み立てられた後、予め被照射面における光の照度
分布を測定し、この照度分布に対応した照度分布補正板
を露光装置の光学系に装着することにより、被照射面に
おける照度分布の均一化を図っている。
【0004】従来、照度分布補正板として用いられてい
る光学フィルターは、図3に示すように、紫外領域にお
ける光の透過率の高い石英ガラスあるいは光学ガラスよ
りなる透明基板1の両表面1aおよび1b上に、反射防
止膜20aおよび20bがそれぞれ設けられ、一方の反
射防止膜20bの表面上には、一部の領域に金属クロム
が蒸着されて形成された光吸収性金属薄膜4が設けられ
ている。この光吸収性金属薄膜4が形成される領域は、
予め行われた被照射面における照度分布の測定によって
検出された照度の大きさが局部的に高い高照度領域に対
応する領域であり、例えば図4に示すように、被照射面
における高照度領域に相当する領域に開口51を有する
マスク50を用いることによって、光吸収性金属薄膜4
が形成される領域が規制される。
る光学フィルターは、図3に示すように、紫外領域にお
ける光の透過率の高い石英ガラスあるいは光学ガラスよ
りなる透明基板1の両表面1aおよび1b上に、反射防
止膜20aおよび20bがそれぞれ設けられ、一方の反
射防止膜20bの表面上には、一部の領域に金属クロム
が蒸着されて形成された光吸収性金属薄膜4が設けられ
ている。この光吸収性金属薄膜4が形成される領域は、
予め行われた被照射面における照度分布の測定によって
検出された照度の大きさが局部的に高い高照度領域に対
応する領域であり、例えば図4に示すように、被照射面
における高照度領域に相当する領域に開口51を有する
マスク50を用いることによって、光吸収性金属薄膜4
が形成される領域が規制される。
【0005】上記のような光学フィルターによれば、光
吸収性金属薄膜4が形成されている領域では透過光量が
減少し、しかもその光透過率は、当該光吸収性金属薄膜
4の厚みを調整することによって制御することができ
る。従って、そのような光学フィルターを用いることに
より、被照射面の全領域における照度分布の均一化を図
ることができる。
吸収性金属薄膜4が形成されている領域では透過光量が
減少し、しかもその光透過率は、当該光吸収性金属薄膜
4の厚みを調整することによって制御することができ
る。従って、そのような光学フィルターを用いることに
より、被照射面の全領域における照度分布の均一化を図
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の光学フ
ィルターにおいては、光吸収性金属薄膜が外面に露出さ
れた状態に形成されているため、当該光吸収性金属薄膜
が経時的に酸化されて劣化するようになり、当初は照度
分布補正板として所期の性能を有するものであっても、
その使用寿命が比較的短いという問題がある。また、当
該光学フィルターの表面に付着したゴミ等を除去する際
に、光吸収性金属薄膜4を損傷させるおそれがあり、光
吸収性金属薄膜の膜剥れが生ずるおそれもある。
ィルターにおいては、光吸収性金属薄膜が外面に露出さ
れた状態に形成されているため、当該光吸収性金属薄膜
が経時的に酸化されて劣化するようになり、当初は照度
分布補正板として所期の性能を有するものであっても、
その使用寿命が比較的短いという問題がある。また、当
該光学フィルターの表面に付着したゴミ等を除去する際
に、光吸収性金属薄膜4を損傷させるおそれがあり、光
吸収性金属薄膜の膜剥れが生ずるおそれもある。
【0007】本発明は、以上のような問題を解決し、特
性の経時的劣化が生ずることがなくて使用寿命が長く、
機械的耐久性の大きい光学フィルターを提供することを
目的とする。
性の経時的劣化が生ずることがなくて使用寿命が長く、
機械的耐久性の大きい光学フィルターを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光学フィル
ターは、透明基板と、この透明基板の表面を覆うよう設
けられた一層または積重された複数の薄層からなる反射
防止膜と、前記透明基板と前記反射防止膜との間の界面
または前記反射防止膜を構成する薄層間の界面におい
て、少なくとも一部の領域に形成された光吸収性金属薄
膜とを具えてなることを特徴とする。
ターは、透明基板と、この透明基板の表面を覆うよう設
けられた一層または積重された複数の薄層からなる反射
防止膜と、前記透明基板と前記反射防止膜との間の界面
または前記反射防止膜を構成する薄層間の界面におい
て、少なくとも一部の領域に形成された光吸収性金属薄
膜とを具えてなることを特徴とする。
【0009】
【作用】このような構成によれば、光吸収性金属薄膜
は、透明基板と反射防止膜との間の界面または反射防止
膜を構成する薄層間の界面に形成されていて光吸収性金
属薄膜の表面が反射防止膜またはその構成要素である薄
層によって被覆された状態とされているため、光吸収性
金属薄膜が露出して外気に触れることがなくて酸化劣化
することが防止されると共に、光吸収性金属薄膜が損傷
されたり、膜剥れを引き起こすことが防止される。
は、透明基板と反射防止膜との間の界面または反射防止
膜を構成する薄層間の界面に形成されていて光吸収性金
属薄膜の表面が反射防止膜またはその構成要素である薄
層によって被覆された状態とされているため、光吸収性
金属薄膜が露出して外気に触れることがなくて酸化劣化
することが防止されると共に、光吸収性金属薄膜が損傷
されたり、膜剥れを引き起こすことが防止される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
図1は、本発明に係る光学フィルターの構成の一例を示
す断面図である。この例においては、例えば直径136
mm、厚さ3mmの円形の石英板よりなる透明基板1の
一方の表面1a上に、酸化アルミニウム(Al2 O3 )
が蒸着されてなる第1の薄層21aが形成され、この第
1の薄層21a上には、酸化タンタル(Ta2 O5 )が
蒸着されてなる第2の薄層22aが形成され、さらにこ
の第2の薄層22a上には、フッ化マグネシウム(Mg
F2 )が蒸着されてなる第3の薄層23aが形成されて
おり、これらの第1の薄層21a、第2の薄層22aお
よび第3の薄層23aの積重体により反射防止膜2aが
構成されている。
図1は、本発明に係る光学フィルターの構成の一例を示
す断面図である。この例においては、例えば直径136
mm、厚さ3mmの円形の石英板よりなる透明基板1の
一方の表面1a上に、酸化アルミニウム(Al2 O3 )
が蒸着されてなる第1の薄層21aが形成され、この第
1の薄層21a上には、酸化タンタル(Ta2 O5 )が
蒸着されてなる第2の薄層22aが形成され、さらにこ
の第2の薄層22a上には、フッ化マグネシウム(Mg
F2 )が蒸着されてなる第3の薄層23aが形成されて
おり、これらの第1の薄層21a、第2の薄層22aお
よび第3の薄層23aの積重体により反射防止膜2aが
構成されている。
【0011】ここに、第1の薄層21aの厚さは、対象
とされる光の波長の4分の1に相当する光学的膜厚とさ
れ、当該光の波長が365nmであれば91.25nm
とされる。第2の薄層22aは、対象とされる光の波長
の2分の1に相当する光学的膜厚とされ、当該光の波長
が365nmであれば182.5nmとされる。さら
に、第3の薄層23aは、第1の薄層21aの厚さと同
様に、対象とされる光の波長の4分の1に相当する光学
的膜厚とされ、当該光の波長が365nmであれば9
1.25nmとされる。
とされる光の波長の4分の1に相当する光学的膜厚とさ
れ、当該光の波長が365nmであれば91.25nm
とされる。第2の薄層22aは、対象とされる光の波長
の2分の1に相当する光学的膜厚とされ、当該光の波長
が365nmであれば182.5nmとされる。さら
に、第3の薄層23aは、第1の薄層21aの厚さと同
様に、対象とされる光の波長の4分の1に相当する光学
的膜厚とされ、当該光の波長が365nmであれば9
1.25nmとされる。
【0012】前記透明基板1の他方の表面1b上には、
上記第1の薄層21aと同様に、酸化アルミニウムが蒸
着されてなる第1の薄層21bが形成され、この第1の
薄層21b上には酸化タンタルよりなる第2の薄層22
bが形成されている。そしてこの第2の薄層22bの表
面上の一部の領域cには、金属クロムが蒸着されてなる
光吸収性金属薄膜4が形成されている。さらに、第2の
薄層22bの表面と、光吸収性金属薄膜4の表面および
側面を被覆するように、フッ化マグネシウムが蒸着され
てなる第3の薄層23bが形成されており、第1の薄層
21b、光吸収性金属薄膜4が形成されている領域c以
外の領域における第2の薄層22b、および第3の薄層
23bによって反射防止膜2bが構成されている。
上記第1の薄層21aと同様に、酸化アルミニウムが蒸
着されてなる第1の薄層21bが形成され、この第1の
薄層21b上には酸化タンタルよりなる第2の薄層22
bが形成されている。そしてこの第2の薄層22bの表
面上の一部の領域cには、金属クロムが蒸着されてなる
光吸収性金属薄膜4が形成されている。さらに、第2の
薄層22bの表面と、光吸収性金属薄膜4の表面および
側面を被覆するように、フッ化マグネシウムが蒸着され
てなる第3の薄層23bが形成されており、第1の薄層
21b、光吸収性金属薄膜4が形成されている領域c以
外の領域における第2の薄層22b、および第3の薄層
23bによって反射防止膜2bが構成されている。
【0013】ここに、第1の薄層21b、第2の薄層2
2b、および第3の薄層23bの厚さは、先に述べた第
1の薄層21a、第2の薄層22a、および第3の薄層
23aの厚さと同様に、対象とされる光の波長に対しそ
れぞれ4分の1、2分の1、および4分の1に相当する
光学的膜厚とされ、当該対象とされる光の波長が365
nmである場合には、それぞれ91.25nm、18
2.5nm、および91.25nmとされる。
2b、および第3の薄層23bの厚さは、先に述べた第
1の薄層21a、第2の薄層22a、および第3の薄層
23aの厚さと同様に、対象とされる光の波長に対しそ
れぞれ4分の1、2分の1、および4分の1に相当する
光学的膜厚とされ、当該対象とされる光の波長が365
nmである場合には、それぞれ91.25nm、18
2.5nm、および91.25nmとされる。
【0014】一方、光吸収性金属薄膜4の形成領域c
は、予め行われた被照射面における照度分布の測定によ
って検出された照度の大きさが局部的に高い高照度領域
に対応する領域であり、また、その膜厚は、目的とする
透過光量に応じた厚さとされる。
は、予め行われた被照射面における照度分布の測定によ
って検出された照度の大きさが局部的に高い高照度領域
に対応する領域であり、また、その膜厚は、目的とする
透過光量に応じた厚さとされる。
【0015】上述の構成を有する光学フィルターは、第
1の薄層21a、21b、第2の薄層22a、22b、
第3の薄層23a、23b、および光吸収性金属薄膜4
のそれぞれを、選定された条件に従って蒸着法によって
形成することにより製作することができる。例えば、第
1の薄層21a、21bは、蒸着速度6.0Å/s、透
明基板1の温度300℃、真空槽内圧力10-4Pa〜1
0-3Paの条件で蒸着形成することができる。第2の薄
層22a、22bの蒸着形成においては、蒸着速度3.
6Å/s、透明基板1の温度300℃とされるが、蒸着
される酸化タンタルより形成される当該第2の薄層22
a中には酸素欠損が生じ易いため、真空槽内に自動酸素
分圧制御装置を用いて制御された割合で酸素を供給し、
真空槽内圧力を1.1×10-2Pa程度に保つことによ
って形成される。
1の薄層21a、21b、第2の薄層22a、22b、
第3の薄層23a、23b、および光吸収性金属薄膜4
のそれぞれを、選定された条件に従って蒸着法によって
形成することにより製作することができる。例えば、第
1の薄層21a、21bは、蒸着速度6.0Å/s、透
明基板1の温度300℃、真空槽内圧力10-4Pa〜1
0-3Paの条件で蒸着形成することができる。第2の薄
層22a、22bの蒸着形成においては、蒸着速度3.
6Å/s、透明基板1の温度300℃とされるが、蒸着
される酸化タンタルより形成される当該第2の薄層22
a中には酸素欠損が生じ易いため、真空槽内に自動酸素
分圧制御装置を用いて制御された割合で酸素を供給し、
真空槽内圧力を1.1×10-2Pa程度に保つことによ
って形成される。
【0016】光吸収性金属薄膜4は、被照射面における
高照度領域に相当する領域cに対応する開口51を有す
るマスク50を、図2に示すように第2の薄層22b上
に密着させた状態において、室温で、蒸着速度0.4Å
/s、真空槽内圧力10-4Pa〜10-3Paとして蒸着
形成することができる。さらに、領域cに相当する領域
内における光の照度分布にムラが生じている場合には、
更に別のマスクを用いて均一に形成されたクロム層の表
面の一部にさらにクロムを蒸着させる方法によって、領
域cにおける光吸収性金属薄膜4の膜厚を局部的に調整
して形成することができる。一方、第3の薄層23a、
23bは、例えば蒸着速度5.0Å/s、透明基板1の
温度300℃、真空槽内圧力10-4Pa〜10-3Paの
条件で蒸着形成することができる。
高照度領域に相当する領域cに対応する開口51を有す
るマスク50を、図2に示すように第2の薄層22b上
に密着させた状態において、室温で、蒸着速度0.4Å
/s、真空槽内圧力10-4Pa〜10-3Paとして蒸着
形成することができる。さらに、領域cに相当する領域
内における光の照度分布にムラが生じている場合には、
更に別のマスクを用いて均一に形成されたクロム層の表
面の一部にさらにクロムを蒸着させる方法によって、領
域cにおける光吸収性金属薄膜4の膜厚を局部的に調整
して形成することができる。一方、第3の薄層23a、
23bは、例えば蒸着速度5.0Å/s、透明基板1の
温度300℃、真空槽内圧力10-4Pa〜10-3Paの
条件で蒸着形成することができる。
【0017】上述の構成を有する光学フィルターにおい
て、光吸収性金属薄膜4が形成されている領域では透過
光量が減少し、しかも当該光吸収性金属薄膜4の厚みを
調整することによって、各部における光透過率を制御す
ることができる。従って、そのような光学フィルターを
用いることにより、被照射面の全領域における照度分布
の均一化を図ることができる。
て、光吸収性金属薄膜4が形成されている領域では透過
光量が減少し、しかも当該光吸収性金属薄膜4の厚みを
調整することによって、各部における光透過率を制御す
ることができる。従って、そのような光学フィルターを
用いることにより、被照射面の全領域における照度分布
の均一化を図ることができる。
【0018】而して上述の構成においては、光吸収性金
属薄膜4は、外面に露出せずに第3の薄層23bによっ
て被覆された状態とされている。しかもフッ化マグネシ
ウムよりなる第3の薄層23bは、組織が緻密であって
空気透過性が小さいため、光吸収性金属薄膜4は外気か
ら遮断されてその酸化劣化が防止され、さらに、当該フ
ッ化マグネシウムは硬度が大きく、しかも光吸収性金属
薄膜4に対する密着性が高いため、光吸収性金属薄膜4
の表面が損傷されることがなく、膜剥れを引き起こすお
それもない。
属薄膜4は、外面に露出せずに第3の薄層23bによっ
て被覆された状態とされている。しかもフッ化マグネシ
ウムよりなる第3の薄層23bは、組織が緻密であって
空気透過性が小さいため、光吸収性金属薄膜4は外気か
ら遮断されてその酸化劣化が防止され、さらに、当該フ
ッ化マグネシウムは硬度が大きく、しかも光吸収性金属
薄膜4に対する密着性が高いため、光吸収性金属薄膜4
の表面が損傷されることがなく、膜剥れを引き起こすお
それもない。
【0019】本発明の効果を確認するために、石英基板
の表面にクロム膜を蒸着形成し、さらにこの領域を覆う
ようフッ化マグネシウム膜を蒸着形成することにより試
験片を作製し、この試験片を90℃の空気中に67時間
放置することにより加熱処理する加速試験を行い、加熱
処理の前後における光の透過率を測定したところ、加熱
処理の前後における光の透過率の差は0.03%であっ
て殆ど光透過特性が劣化していないことが確認された。
の表面にクロム膜を蒸着形成し、さらにこの領域を覆う
ようフッ化マグネシウム膜を蒸着形成することにより試
験片を作製し、この試験片を90℃の空気中に67時間
放置することにより加熱処理する加速試験を行い、加熱
処理の前後における光の透過率を測定したところ、加熱
処理の前後における光の透過率の差は0.03%であっ
て殆ど光透過特性が劣化していないことが確認された。
【0020】本発明において、光吸収性金属薄膜の材料
はクロムに限定されるものではなく、例えば金(A
u)、銀(Ag)などを用いることができる。さらに、
反射防止膜を構成する薄層の材料も特に限定されるもの
でははない。しかし、特に反射防止膜の最外表面を構成
する薄層としては、硬度が大きく、しかも直下に形成さ
れる光吸収性金属薄膜若しくは他の薄層との密着性に優
れた材料を用いることが好ましく、例えば二酸化ケイ素
(SiO2 )などが用いられる。光吸収性金属薄膜の形
成領域は、透明基板の全面に相当する領域であってもよ
い。
はクロムに限定されるものではなく、例えば金(A
u)、銀(Ag)などを用いることができる。さらに、
反射防止膜を構成する薄層の材料も特に限定されるもの
でははない。しかし、特に反射防止膜の最外表面を構成
する薄層としては、硬度が大きく、しかも直下に形成さ
れる光吸収性金属薄膜若しくは他の薄層との密着性に優
れた材料を用いることが好ましく、例えば二酸化ケイ素
(SiO2 )などが用いられる。光吸収性金属薄膜の形
成領域は、透明基板の全面に相当する領域であってもよ
い。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光吸収性金属薄膜の全面は反射防止膜によって被覆され
保護されている状態となり、外部から当該光吸収性金属
薄膜を遮断することができるので、光吸収性金属薄膜が
酸化劣化することを防止することができると共に、光吸
収性金属薄膜の表面が損傷されること、および膜剥れを
引き起こすことを防止することができる。従って、本発
明に係る光学フィルターは、その特性の経時的劣化が生
ずることがなく長期の使用に十分耐え得るものであり、
しかも機械的耐久性の大きいものであるため、この光学
フィルターを用いることによって、光源からの照度分布
を均一化させ、しかも経時的に安定した照度分布を長期
にわたり維持することができる。
光吸収性金属薄膜の全面は反射防止膜によって被覆され
保護されている状態となり、外部から当該光吸収性金属
薄膜を遮断することができるので、光吸収性金属薄膜が
酸化劣化することを防止することができると共に、光吸
収性金属薄膜の表面が損傷されること、および膜剥れを
引き起こすことを防止することができる。従って、本発
明に係る光学フィルターは、その特性の経時的劣化が生
ずることがなく長期の使用に十分耐え得るものであり、
しかも機械的耐久性の大きいものであるため、この光学
フィルターを用いることによって、光源からの照度分布
を均一化させ、しかも経時的に安定した照度分布を長期
にわたり維持することができる。
【図1】本発明に係る光学フィルターの実施例の構成を
示す断面概略図である。
示す断面概略図である。
【図2】本発明に係る光学フィルターの形成方法を説明
する図である。
する図である。
【図3】従来の光学フィルターの構成の一例を示す断面
概略図である。
概略図である。
【図4】従来の光学フィルターの形成方法を説明する図
である。
である。
1 透明基板 1a 一方の表
面 1b 他方の表面 20a、20b、2a、2b 反射防止膜 21a、21b 第1の薄層 22a、22b 第2の薄層 23a、23b 第3の薄層 4 光吸収性金属薄膜 50 マスク 51 開口
面 1b 他方の表面 20a、20b、2a、2b 反射防止膜 21a、21b 第1の薄層 22a、22b 第2の薄層 23a、23b 第3の薄層 4 光吸収性金属薄膜 50 マスク 51 開口
Claims (1)
- 【請求項1】 透明基板と、この透明基板の表面を覆う
よう設けられた一層または積重された複数の薄層からな
る反射防止膜と、前記透明基板と前記反射防止膜との間
の界面または前記反射防止膜を構成する薄層間の界面に
おいて、少なくとも一部の領域に形成された光吸収性金
属薄膜とを具えてなることを特徴とする光学フィルタ
ー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18348893A JPH0720312A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 光学フィルター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18348893A JPH0720312A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 光学フィルター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0720312A true JPH0720312A (ja) | 1995-01-24 |
Family
ID=16136696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18348893A Pending JPH0720312A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 光学フィルター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0720312A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6965134B2 (en) * | 2002-11-22 | 2005-11-15 | Pentax Corporation | Image pick-up unit including an image pick-up device and optical filter layers |
US7196842B2 (en) | 2001-05-22 | 2007-03-27 | Carl Zeiss Smt Ag | Attenuating filter for ultraviolet light |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP18348893A patent/JPH0720312A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7196842B2 (en) | 2001-05-22 | 2007-03-27 | Carl Zeiss Smt Ag | Attenuating filter for ultraviolet light |
US6965134B2 (en) * | 2002-11-22 | 2005-11-15 | Pentax Corporation | Image pick-up unit including an image pick-up device and optical filter layers |
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