JP2689183B2 - 物品搬送具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、主として商店などで取り扱われることの多
い多数の物品を収納保管し、必要に応じてトラツクなど
に積み込んで搬送するのに利用される物品搬送具に関す
るものである。

従来の技術 従来、この種の物品搬送具としては、たとえば実公昭
58−53260号公報に開示された物品搬送車が提供されて
いる。すなわち物品搬送車は、一枚の後側枠（バツクパ
ネル体）と、この後側枠の左右両側部で前方において対
向位置する二枚の側枠（サイドパネル体）とを平面視門
形状に配設し、後側枠ならびに両側枠の下部間に物載せ
枠（ベースパネル体）を配設するとともに、前記後側枠
の下端で左右両端部と、両側枠の下端で前端部とに、そ
れぞれ板状ブラケツトを介して移動車輪を設けている。
前記物載せ枠は後側枠に沿わせた起立状に揺動自在であ
る。また後側枠と両側枠との近接した縦枠部間は、それ
ぞれ上下方向で二個の連結具により連結されており、少
なくとも一方の側枠を後側枠に沿うように回動自在とし
ている。そして一方の側枠の前部にリング材を介してス
テーを揺動自在に取り付けるとともに、このステーの他
端が係合自在な筒体を他方の側枠の前部に取り付けてい
る。

このような物品運搬車は、収納保管の他に、店内に停
止させて物品の陳列にも使用されている。そして物品
は、ステーを外した状態で前面側から取り出される。

発明が解決しようとする課題 上記の従来形式によると、物品運搬車の両側面からは
物品の取り出しは行えず、したがって停止位置に制約を
受けるなど使い勝手が悪かった。

本発明の目的とするところは、物品を三方向から取り
出せ得る物品搬送具を提供する点にある。

課題を解決するための手段 上記目的を達成すべく本発明の物品搬送具は、バック
パネル体と、一対のサイドパネル体と、両パネル体の隣
接間の連結を行う連結具と、各パネル体の下部間に配設
自在なベースパネル体とを有し、前記サイドパネル体
は、門形状の外枠と、この外枠の上下方向の中間部で縦
杆部間を連結した前後材と、前記縦杆部の下端間を連結
した下枠とを有し、前記前後材の上方で外枠内には可動
パネル部が内嵌されるとともに、この可動パネル部の下
部を前後材に揺動自在に連結し、前記可動パネル体の上
部とサイドパネル体との間に係脱自在な固定具を設けて
いる。

作用 かかる本発明の構成によると、可動パネル部を上方へ
揺動させてサイドパネル体と面一状にしたのち、固定具
を係合作用させることにより三枚のパネル体を正姿勢と
した搬送状態にし得る。そして固定具を離脱させて可動
パネル部を外方下方へと揺動させ、サイドパネル体の下
部に沿わせることにより、前面と両側との三面から物品
の取り出しを行える。なお一方のみ揺動させることによ
り、二面からの物品の取り出しを行える。さらに一方ま
たは両方の可動パネル部を外方下方へ揺動させても本発
明の物品搬送具は、外枠があるため、ガタ付くことなく
常に安定した姿勢にできる。

実施例 以下に本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図〜第３図に示すように物品搬送具は、一枚のバ
ツクパネル体10と、このバクパネル体10の左右両側部に
おいて対向位置する二枚のサイドパネル体20とを平面視
門形状に配設し、前記バツクパネル体10と両サイドパネ
ル体20との下部間にベースパネル体５を配設するととも
に、前記バツクパネル体10の下部で左右両端部に後車輪
11を、また両サイドパネル体20の下部で前端部に前車輪
21をそれぞれ設けている。前記ベースパネル体５の後端
はヒンジ具２を介してバツクパネル体10の下端に連結さ
れ、以てバツクパネル体10に沿わせた起立状に揺動自在
である。またバツクパネル体10と両サイドパネル体20と
の近接部間は連結具18により連結されており、そして一
方、すなわち右側のサイドパネル体20をバツクパネル体
10に沿うように回動自在としている。前記ベースパネル
体５の前端には、水平状としたベースパネル体５をサイ
ドパネル体20に固定するためのロツク装置６が設けられ
る。

次に要部の詳細を説明する。

前記バツクパネル体10は、パイプなどを折り曲げて形
成した門形状の外枠12と、この外枠12の下端間を連結し
た下枠13と、前記外枠12の天杆部12aと下枠13との間に
複数本配設したパイプ状の縦材14と、前記外枠12の縦杆
部12b,12b間に複数本配設した断面チャンネル状の横材1
5とからなる。

前記サイドパネル体20は、パイプなどを折り曲げて形
成した門形状の外枠22と、この外枠22の上下方向の中間
部で縦杆部22b,22b間を連結した前後材23と、前記縦杆
部22b,22bの下端間を連結した下枠24と、前後材23と下
枠24との間に複数本配設したパイプ状の縦材25と、前後
材23の下方で外枠22の縦杆部22b,22b間に複数本配設し
た断面チャンネル状の横材26とからなる。前記前後材23
の上方で外枠22内には可動パネル部30が内嵌される。こ
の可動パネル部30は、パイプなどを折り曲げて形成した
門形枠31と、この門形枠31の縦杆部31b,31bの下端間を
連結した下枠32と、前記門形枠31の天杆部31aと下枠32
との間に複数本配設したパイプ状の縦材33と、前記縦杆
部31b,31b間に複数本配設した断面チヤンネル状の横材3
4とからなる。そして前後材23と下枠32とを複数の蝶番3
5で連結することにより、可動パネル部30の下部をサイ
ドパネル体20に揺動自在に連結している。前記可動パネ
ル部30の上部とサイドパネル体20との間に係脱自在な固
定具36を設けている。この固定具36は、縦杆部31bなら
びに縦材33に取り付けたガイド37に案内されて前後動す
るスライド体38を有し、このスライド体38の外端に前記
縦杆部22bに外側から係脱自在なフツク部38aを形成して
いる。前記スライド体38の中間部には左右方向のピン39
を介してカムレバー40が上下動自在に取り付けられる。
カムレバー40は扇状のカム面40aを有し、カム面40aは縦
杆部31bに設けたカム受け41に当接自在となる。

両サイドパネル体20の前端間には、間隔保持や荷崩れ
防止などを行うためのステー７が設けられる。すなわ
ち、たとえば左側のサイドパネル体20の前位の縦杆部22
bにはステー７の第１保持具８が設けられ、そして右側
のサイドパネル体20の前位の縦杆部22bにはステー７が
係脱自在な第２保持具９が設けられる。

上記のようにして組み立てられた物品搬送具１は、バ
ツクパネル体10に対して右側のサイドパネル体20を直角
状に開動させ、そしてヒンジ具２を介してベースパネル
体５を水平状に揺動して、サイドパネル体20の下枠24上
に載置させるとともにロツク装置６をロツク作用させる
ことで物品の積み込みが行える。このとき可動パネル部
30は蝶番35を介して上方へ揺動されてサイドパネル体20
と面一状にあり、そしてスライド体38を外から内へスラ
イドさせてフツク部38aを縦杆部22bに係合させるととも
に、カムレバー40をピン39のまわりに回動させてカム面
40aをカム受け41に当接させている。

このような状態で前述したように物品の積み込みを行
ったのち、ステー７を作用位置にすることで所期の運搬
を行い得る。このような物品搬送具１を店内に停止させ
て物品の陳列に使用するとき、まずカムレバー40をピン
39のまわりに上方に回動させてカム受け41からカム面40
aを離間させる。次いでスライド体38を内から外へスラ
イドさせて、第５図，第６図の仮想線で示すように縦杆
部22bからフツク部38aを外す。これにより固定具36を離
脱させた状態で可動パネル部30を外方下方へと揺動さ
せ、第４図の仮想線Ａで示すようにサイドパネル体20の
下部に沿わせる。これにより前面と両側面との三面から
物品の取り出しを行える。なお一方のみ揺動させること
により、二面からの物品の取り出しを行える。

所期の運搬や陳列を行い、物品を取り出して空になっ
た物品搬送具１は、可動パネル部30を閉動させた状態
で、まずロツク装置６を解除動させたのち、ベースハル
ネル体５をヒンジ具２を介して上方へ回動させ、バツク
パネル体10に沿わせる。次いで右側のサイドパネル体20
を、連結倶18を介して縦軸心の周りに回動させ、バツク
パネル体20側に沿わせる。これにより平面視でＬ形状に
折りたたんで保管し得る。

発明の効果 上記構成の本発明によると、可動パネル部を上方へ揺
動させてサイドパネル体と面一状にしたのち、固定具を
係合作用させることにより三枚のパネル体を正姿勢とし
た搬送状態にできる。そして固定具を離脱させて可動パ
ネル部を外方下方へと揺動させ、サイドパネル体の下部
に沿わせることにより、前面と側面との三面から物品の
取り出しを行うことができ、また一方のみ揺動させるこ
とにより、二面からの物品の取り出しを行うことができ
る。さらに可動パネル部を外方下方へ揺動させても、サ
イドパネル体とバツクパネル体との連結状態は外枠を介
して強固に維持でき、以って前面開放形式でありなが
ら、ガタ付くことなく常に安定した姿勢にできる。した
がって停止位置に制約を受けることがなく、使い勝手の
良いものを提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は物品搬送具の
斜視図、第２図は同側面図、第３図は同平面図、第４図
は回動部の縦断正面図、第５図は固定具部分の横断平面
図、第６図は同側面図である。 １……物品搬送具、２……ヒンジ具、５……ベースパネ
ル体、６……ロツク装置、７……ステー、10……バツク
パネル体、12……外枠、18……連結具、20……サイドパ
ネル体、22……外枠、23……前後材、30……可動パネル
部、31……門形枠、32……下枠、35……蝶番、36……固
定具、38……スライド体、38a……フツク部、39……ピ
ン、40……カムレバー。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】バックパネル体と、一対のサイドパネル体
   と、両パネル体の隣接間の連結を行う連結具と、各パネ
   ル体の下部間に配設自在なベースパネル体とを有し、前
   記サイドパネル体は、門形状の外枠と、この外枠の上下
   方向の中間部で縦杆部間を連結した前後材と、前記縦杆
   部の下端間を連結した下枠とを有し、前記前後材の上方
   で外枠内には可動パネル部が内嵌されるとともに、この
   可動パネル部の下部を前後材に揺動自在に連結し、前記
   可動パネル部の上部とサイドパネル体との間に係脱自在
   な固定具を設けたことを特徴とする物品搬送具。