JPH0372524B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、建築部材、工具等の物品を建物の
開口部より建物内に搬入するのに用いられる物品
搬入装置に関する。

〔背景技術〕

建物の建築中において、外壁や屋根ができあが
つてしまうと、一般に、クレーン等の機械のみを
利用して建築部材（住宅用部材等）や工具等の物
品を建物内部に運び込むことは、非常に困難とな
る。そのため、従来は、ほとんど手作業により１
枚あるいは１個の単位で物品を運搬するようにし
ていた。しかし、手作業によると、人手がかかる
し時間もかかる。物品が重量物の場合や、１階か
ら２階にまで運び上げる必要がある場合は特にそ
うである。

〔発明の目的〕

この発明は、このような事情に鑑みてなされた
ものであつて、機械と共同して用いられる等によ
り、建物内部への物品の搬入を容易に行えるよう
にする物品搬入装置を提供することを目的として
いる。

〔発明の開示〕

前記目的を達成するため、この発明は、一端が
建物内の搬入面に支持され他端が建物外で支持さ
れる物品搬入台と、前記搬入面上に設置され物品
搬入台から物品を受け取つて搬入面上を移動する
運搬台車の組み合わせからなり、前記物品搬入台
は、台部の幅方向両側に前後方向への移送を自在
とするローラ群を有し、これら両側のローラ群の
間が凹みになつているとともに、前後に高さ調整
可能な支脚を有しており、前記運搬台車は、台部
の幅を広狭変化させることができ、狭幅時に物品
搬入台の前記凹みに納められ、前記台部の上面幅
方向両側に前後方向への移送を自在とするローラ
群を有するとともに下面に折畳み可能な車輪を有
する物品搬入装置を要旨としている。

以下に、この発明を、その実施例をあらわした
図面を参照しつつ詳しく説明する。

第１図ないし第３図ａ，ｂは、この発明にかか
る物品搬入装置の一実施例をあらわしている。こ
れらの図にみるように、この物品搬入装置は、一
端が建物内の搬入面１に支持される物品搬入台２
と、前記搬入面１上に持ち込まれ物品搬入台２か
らの物品を受け取つて搬入面１上を移動する運搬
台車３の組み合わせからなつている。

前記物品搬入台２は、台部４を備えている。こ
の台部４は、上方からみて矩形をした基枠５を備
えていて、この基枠５の左右両側に前後方向に沿
うようにしてローラ支枠６が固定されている。ロ
ーラ支枠６は、コ字形鋼の組み合わせからなつて
いて、基枠５の両側にそれぞれコ字形鋼一対を１
組として配備されている。各１組のローラ支持６
は、その後端が上方からみてＬ字形をした後板８
によつて連結されている。

左右の各ローラ支枠６内には、多数の搬入用ロ
ーラ９……が前後方向へ移送を可能とするように
して配備されていて、これらローラ９群はその上
部がローラ支枠６の上面より突出している。

左右のローラ支枠６の間は凹みになつており、
その底部には、断面がＬ字形とされた長尺状の台
車載置枠１０，１０が固着されている。これら各
枠１０は、その溝側を互いに向かい合うようにし
て配置されている。前記台車載置枠１０間の中央
には、台車固定バー１１が前後方向に沿つて設け
られ、そのバー１１の前後端は基枠５の前後枠に
固定されている。

前記物品搬入台２の前端となる一端両側にはＬ
字形の取付ブラケツト１２が設けられ、このブラ
ケツト１２を介して縦向きの前部支筒１３，１３
が、左右一対をなすように固着されている。この
前部支筒１３には、前部支脚１４が挿通されてい
る。この前部支脚１４は、前部支筒１３内を自在
に昇降し、同支脚１４に形成された多数の差込孔
１５……のうちの適宜のひとつに、前部支筒１３
に設けられた差込軸１６を差し込むことによつて
高さ調整自在とされている。この前部支脚１４の
下端には、裏面に針状突起１７を多数有する前部
座板１８が取り付けられている。

一方、物品搬入台２の後端となる他端には、左
右一対をなすように、後部支筒１９，１９が固着
されていて、この各後部支筒１９には昇降調整自
在な後部支脚２０が挿入されている。この後部支
脚２０も、前部支脚１４と同様に、差込孔２１と
差込軸２２の嵌合によつて高さ調整ができるよう
になつているとともに、下端に後部座板２４が取
り付けられている。なお、前記基枠５の左右両側
部にはロープ掛け環２５が突設されている。

運搬台車３は、台部２６を備えている。この台
部２６は、左右一対の側部枠２７，２７と、これ
ら側部枠２７の前後両端間に配置された固定バー
２８を備えている。前記側部枠２７は、その前後
端に伸縮調節筒部２９が内向きに設けられて上方
からみてコの字形に形成されている。この伸縮調
整筒部２９は左右に同軸状に対向するように配置
され、それらの間に前記固定バー２８の左右各端
部が差し込まれている。

各伸縮調節筒部２９には内外２個所に第１ボル
ト通孔３０が配備されている一方、固定バー２８
の各端部には第２ボルト通孔（図示省略）がひと
つ設けられている。内側の第１ボルト通孔３０と
固定バー２８の第２ボルト通孔を合わせて止めボ
ルト３２を通して固定すれば、運搬台車３の台部
２６は、物品搬入台２の台部４とほぼ同じ幅とな
り（第３図ａ参照）、外側の第１ボルト通孔３０
と固定バー２８の第２ボルト通孔が合致するよう
にして止めボルト３２を通せば、運搬台車３の台
部２６は第２図ａに鎖線で示すように、幅が狭く
なる（第３図ｂ参照）。

幅を狭くした状態で、これを後返しにして、第
１図に鎖線であらわすように、物品搬入台２の凹
みの両台車載置枠１０，１０上に載せ、台車固定
バー１１にロツクする。このようにすれば、運搬
台車３は、不使用時、物品搬入台２内にコンパク
トに納められる。

前記台部２６の上面両側には、ローラ取付枠３
３が左右一対となるように固定されている。これ
らローラ取付枠３３は、コ字形鋼を用いて形成さ
れ、そのそれぞれには、前後方向への移送を自在
とする運搬用ローラ３４群が、その上部を枠３３
の上方へ突出させるようにして配備されている。
各ローラ３４の内側部には、周方向に多数のロツ
ク孔３５が設けられていて、これらロツク孔３５
には、ローラ取付枠３３の各内側を前後方向に通
して設けられたロツクレバー３６のロツク爪（図
示省略）が係脱自在とされている。ロツク爪がロ
ツク孔３５に係入すれば、ローラ３４が回転しな
いようになつている。

前記台部２６の各コーナー下面には、ヒンジ３
７を介して車輪（キヤスタ）３８が取り付けられ
ている。この車輪３８は、ロツクレバー３９を備
えているとともに、第１、第２フアスナ４０，４
１を備えている。各車輪３８は、第１フアスナ４
０を台車２６に設けられた第１引掛片４２から取
り外すことによつて折り畳むことができ、折り畳
み後は、第２フアスナ４１を台部２６に設けられ
た第２引掛片４３に引つ掛けることにより折畳み
状態で台部２６にロツクされるようになつてい
る。第１図に示す使用状態での第１、第２フアス
ナ４０，４１の係脱の仕方は、上記の説明から容
易に明らかとなろう。

前記運搬台車３は、不使用時は、幅が狭められ
ていて物品搬入台２の上側内部に第１図にみるよ
うに、逆様の姿勢で収められてロツクされるよう
になつている。このように、運搬台車３が一体的
に組み付けられた物品搬入台２は、その両側に設
けられたロープ掛け環２５にロープを掛けること
によつてクレーン吊りされ、建物の一階部分等の
使用場所に持ち運ばれる。

物品搬入台２は、第１図および第２図にみるよ
うに、前部支脚１４が短くされ、後部支脚２０が
長くされて、前部支脚１４が、建物の搬入面１に
載せられ、後部支脚２０が建物外部の地盤４４上
に載せられる。これにより、物品搬入台２の台部
４が水平になる。なお、前部支脚１４の針状突起
１７は、搬入面１上に引つ掛つて、物品搬入台２
の勝手な動きを阻止するようになつている。

つぎに、物品搬入台２から運搬台車３が取り外
される。運搬台車３は、逆様に向けて収められて
いるので、それを表向きとし、折り畳まれた車輪
３８を立ち上がらせて第１フアスナ４０を第１引
掛片４２に引つ掛けるようにしてロツクしてお
く。そして、止めボルト３２を引き抜いて運搬台
車の台部２６を左右に拡げ、各内側の第１ボルト
通孔３０と固定バー２８の第２ボルト通孔が合致
するようにして再び止めボルト３２を差し込んで
ロツクする。これにより、運搬台車３は、物品搬
入台２と同じ程度の幅となり搬入面１上に運搬台
車３が載置されて、物品搬入台２と直列になるよ
うに設置される。

設置後、ロツクレバー３９を用いて車輪３８を
ロツクし、運搬台車３が動かないようにしてお
く。また、運搬用ローラ３４は、ロツクレバー３
６によるロツク解除操作によつて遊転できるよう
にしておく。ついで、クレーンによつて建築部材
など必要な物品を物品搬入台２上に置く。

物品は、物品搬入台２の搬入用ローラ９の上を
滑つて運搬台車３の運搬用ローラ３４上に移され
る。物品が運搬台車３に載せられると、ロツクレ
バー３６により運搬用ローラ３４をロツクし、ロ
ツクレバー３９による車輪３８のロツクを解除す
る。これにより、物品は荷くずれすることなく、
運搬台車３により所望の目的場所へと運ばれるよ
うになつている。

第４図は、物品搬入台２の他の使用例をあらわ
し、物品４５を物品搬入台２ごと吊り上げて搬入
する状態をあらわしている。

パレツト４６上に載せられた物品４５は、荷紐
４７によつてパレツト４６に縛り付けられて、物
品搬入台２の上に載せられている。物品搬入台２
の両側に設けられているロープ掛け環２５にはロ
ープ４８が掛けられて、その上端がクレーンの吊
りフツク４９に引つ掛けられている。

ロープ４８は合計４本配備され、それらロープ
４８……のうち物品４５を隔てて設けられた２本
１組の間には、物品４５の上側を通るようにして
ロープ引き離し用バー５０が設けられている。こ
のバー５０は、その両端にリング５１を備えてい
て、そのリング５１をロープ４８が通るようにな
つている。このバー５０が物品４５および物品搬
入台２の幅よりも長く形成されているので、ロー
プ４８は物品４５に接触することがない。そのた
め、搬入作業時に物品４５がロープ４８によつて
傷められるおそれがない。このとき、運搬台車３
は、物品搬入台２の搬入に先立つて建物内にあら
かじめ移されている。

なお、前記物品搬入台２は、第５図ａおよびｂ
にみるように、蝶番５２を介して２つ折りするこ
とができるようにしてもよい。

この場合、前部および後部支脚１４，２０を、
第５図ｃないしｅにみるように、折畳用ヒンジ５
３を介して内側に折り畳むようにしておくととも
に、物品搬入台２の折り畳み基点には、連結具５
４つきの一対の連接板５５を設けるようにしてお
けばよい。

また、運搬台車３は、第５図ｆにみるように、
台車載置枠１０上に逆様に載せられるが、その場
合、台車３を動き止めする手段として、第５図ａ
にみるように、搬入台２の台部にストツパプレー
ト５６を設けておく。このストツパプレート５６
は、第５図ｇにみるように、基枠５に突設された
支点ピン５８にその長孔５７が嵌まり合うように
なつており、第５図ｇに鎖線で示すように、基枠
５側に倒れたり、その下端が基枠５の嵌入溝５９
に嵌まり込んで同図に実線で示すように、立ち上
がることができるようになつている。そして、こ
の立ち上がつたストツパプレート５６によつて運
搬台車３がストツプされるのである。

この物品搬入装置は、物品の搬出にも便利に用
いられる。

〔発明の効果〕 以上みてきたように、この発明にかかる物品搬
入装置は、ローラを有する物品搬入台と運搬台車
の組合わせからなるため、搬入台に載せられた物
品を台車に容易に移すことができ、台車を使つて
容易に建物内へ運ぶことができる。運搬台車が、
物品搬入台に収容できるようになつているため、
嵩ばらず、便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明にかかる物品搬入装置の一実
施例をあらわした斜視図、第２図ａは第１図の物
品搬入装置を上方からみた平面図、第２図ｂはそ
の側面図、第３図ａは運搬台車の幅が拡げられた
様子をあらわした正面図、第３図ｂは運搬台車の
幅が縮められた様子をあらわした正面図、第４図
は物品を物品搬入台に載せ物品が傷つかないよう
にして建物に搬入するようにした使用例をあらわ
した斜視図、第５図ａは、物品搬入台の他の実施
例をあらわした平面図、第５図ｂはその側面図、
第５図ｃは後部支脚の取付構造を上方からみた平
面図、第５図ｄはその側面図、第５図ｅは第５図
ｄのＡ−Ａ線断面図、第５図ｆは第５図ａのＢ−
Ｂ線断面図、第５図ｇは第５図ａのＣ−Ｃ線矢視
図である。 １……搬入面、２……物品搬入台、３……運搬
台車、４……台部、９……搬入用ローラ、１４…
…前部支脚、１９……後部支脚、３４……運搬用
ローラ、３８……車輪。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端が建物内の搬入面に支持され他端が建物
   外で支持される物品搬入台と、前記搬入面上に設
   置され物品搬入台から物品を受け取つて搬入面上
   を移動する運搬台車の組み合わせからなり、前記
   物品搬入台は、台部の幅方向両側に前後方向への
   移送を自在とするローラ群を有し、これら両側の
   ローラ群の間が凹みになつているとともに、前後
   に高さ調整可能な支脚を有しており、前記運搬台
   車は、台部の幅を広狭変化させることができ、狭
   幅時に物品搬入台の前記凹みに納められ、前記台
   部の上面幅方向両側に前後方向への移送を自在と
   するローラ群を有するとともに下面に折畳み可能
   な車輪を有する物品搬入装置。 ２ 運搬台車のローラがロツク孔を備え、このロ
   ツク孔内に運搬台側のロツク爪が係脱自在とされ
   ている特許請求の範囲第１項記載の物品搬入装
   置。