JP2688857B2 - 鋼材に対する付着力の優れた耐火被覆組成物 - Google Patents

鋼材に対する付着力の優れた耐火被覆組成物

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JP2688857B2 JP1342540A JP34254089A JP2688857B2 JP 2688857 B2 JP2688857 B2 JP 2688857B2 JP 1342540 A JP1342540 A JP 1342540A JP 34254089 A JP34254089 A JP 34254089A JP 2688857 B2 JP2688857 B2 JP 2688857B2
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エスケ−化研株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は鋼材に対する付着力の優れる水硬性セメント
を主バインダーとする組成物に係り、特に建築物の鉄骨
等の鋼材に対して施工する耐火被覆材の分野において好
適に利用される優れた付着性能を発揮する組成物に関す
るものである。
(従来技術) 従来より建築物の鉄部分を火災時に熱から保護し、そ
の強度を保持させる目的で耐火被覆材が使用されてい
る。
この耐火被覆材の施工方法には、大きく分けて2つの
分類がある。1つは、石膏ボード、珪酸カルシウム板、
ロックウール板、石綿板等のような乾式板を鉄骨に貼り
付けていく乾式工法であり、もう1つは、ロックウール
等の無機質繊維をセメントや石膏プラスター等の無機系
バインダーとともにガン先で水と一緒に吹き付けるか、
あるいは一旦それらをミキサーで水と混練して、ペース
ト状になったものを圧送ポンプにて送り吹き付ける吹付
耐火被覆材や、セメントモルタルのように鏝塗りにて塗
布する鏝塗り耐火被覆材等の湿式工法がある。
前者の工法では、材料自身をフックを溶接した鉄骨に
対して貼り付けるか、あるいは板どうしを釘等のような
もので接着する等の方法で、機械的に鉄部分に対して接
着させ、後者は、材料自身の付着力によって鉄骨に対し
て付着させる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前者の場合は長期的には貼り付けの手
段として用いている釘等が、湿気あるいは結露によって
錆ることも十分に考えられ、その結果、脱落、剥離、破
損が生じ易い。また、板自体が鉄部分に付着しているの
ではないので、接着部分に何等かの機械的な衝撃が加わ
ると、その板が剥離、脱落、破損を起こしかねない。
また、後者の場合、鉄部分に対して付着させるための
成分として何等かの材料を添加しているものも中にはあ
るが、ほとんどのものは石膏またはセメントを主体とし
たバインダーによってその効果を有している。しかし、
モルタル等の場合は、単位面積当りの自重が重くなるの
で、材料自身のみではとても耐えられないために、ラス
を鉄骨面に巻いてから施工している。また、吹付ロック
ウール等の場合、その材料の性質上、材料強度及び付着
強度が極端に弱いものが多く、機械的な衝撃や震動が加
わった場合、あるいは結露が発生した場合などでは剥
離、脱落、破損が生じ易い。
また、火災時の被熱状態下においての付着力も期待で
きず相持ちの形で保持するのみであり、信頼性が乏しい
ものであった。この剥離、脱落防止の目的で、エマルシ
ョン系接着剤を一旦塗付してから吹付ロックウールを吹
き付けたり、あるいは梁の下面にラスを張ったりするこ
とが一部で奨励されているが、余分な工程がかかるため
に、現実には一部で採用されているにすぎない。これら
の材料は安価であるために問題点はあるが広く市場で使
用されている。昨今、市場の要求が多面化して耐火被覆
材料に求められる性能も高いものとなっているが、その
安さ故にどうしてもその材料を捨てきれないのが現実で
ある。従って、これら従来の耐火被覆材のコストをあま
りあげないで、上記の性能、とりわけ付着力を耐火被覆
材そのものによって向上させる方法が望まれていた。
(問題点を解決する方法) 本発明者は上記問題点を解決すべく鋭意研究に努めた
ところ、(a)水硬性セメントと、(b)合成樹脂エマ
ルションと、(c)全ての炭素に少なくとも1つ以上の
カルボキシル基または水酸基が付加されている直鎖状の
ヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸塩が特定比率
で配合された組成物が特異的な付着力を示すことを見出
し、該組成物を従来の湿式耐火被覆材中に特定比率で含
有することによって、従来の数倍の付着力を有する湿式
耐火被覆材ができることを見出した。
すなわち、(a)水硬性セメントが、100重量部に対
して、(b)合成樹脂エマルションが固形分換算で3重
量部〜50重量部、さらに(c)全ての炭素に少なくとも
1つ以上のカルボキシル基または水酸基が付加されてい
る直鎖状のヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸塩
が0.001重量部〜50重量部、(d)ロックウールからな
り、(a)、(b)、(c)の合計が全体の10重量%以
上である耐火被覆組成物である。
(b)成分は、(a)成分100重量部に対して、固形
分換算で3重量部〜50重量部必要である。3重量部より
少ない場合は付着力の向上効果が少なく、50重量部より
多いときは、耐火性において問題がある。また、(c)
成分が、0.001重量部より少ないときは付着力の向上は
みられず、また50重量部より多いときは、組成物の硬化
不良が起こる。
次に、(a)、(b)、(c)の合計量が全体の10重
量%より少ないと付着力を従来の数倍に向上させること
はできない。
ここで、本発明において用いられる水硬性セメント
は、ポルトランドセメント、アルミナセメント、石灰混
合セメント、高炉セメント、シリカセメント、フライア
ッシュセメント、メーソンリーセメント、高硫酸塩スラ
グセメント等の一般に知られているセメントを包含す
る。これらは、耐火被覆材に強度を付与するものであ
る。
次に合成樹脂エマルションとは、アクリル酸エステ
ル、バーサチック酸エステル、スチレン、塩化ビニル、
酢酸ビニル等が代表的な物質として例示でき、就中エチ
レン−酢酸ビニル系及び酢酸ビニル−ビニルバーサテー
ト系の樹脂が、水硬性セメントとの良好な混和性、及び
実際の耐火被覆における優れた作業性の上から、また工
業製品として入手しやすいところから最も好ましい。性
状としては、一般に水分散型の他、乳化重合で得られた
合成樹脂エマルションを粒子状態で乾燥して得られた再
乳化型の樹脂粉末のものも用いることができる。
全ての炭素に少なくとも1つ以上のカルボキシル基ま
たは水酸基が付加されている直鎖状のヒドロキシ酸およ
び/またはヒドロキシ酸塩とは、酒石酸、酒石酸カリウ
ム、酒石酸カルシウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸アン
モニウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カ
リウム、リンゴ酸カルシウム、リンゴ酸アンモニウム、
クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、
クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウム、グルコン
酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グ
ルコン酸カリウム、グルコン酸アンモニウム、等があげ
られる。
(作用) 本発明組成物の鉄に対する付着力が優れている理由に
ついて、その作用は定かでないが、鉄骨表面とヒドロキ
シ酸および/またはヒドロキシ酸塩、ヒドロキシ酸およ
び/またはヒドロキシ酸塩とエマルションもしくは、水
硬性セメントとの間に何等かの化学反応がおこり化学的
に結合し、この反応によって従来と比較して格段に向上
した付着力が得られたものと考えられる。
(実施例) 以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明する。
〈試験体の作成方法〉 それぞれの配合材を計量した後、モルタルミキサーで
空練り混合して均一な混合物を調整する。これに吹き付
け、または饅塗り作業が可能な粘度となるまで水を適当
量加えて、モルタルミキサーで混練して混合ペーストと
する。このペーストを熱間圧延鋼板(300mm×300mm×5m
m)に、厚さ10mmに塗布した後、温度20℃、湿度65%の
養生室で28日間養生して、付着強さ用試験体とした。
〈付着強さ〉 付着については40mm×40mm角の支具をエポキシ樹脂で
被覆材の表面に付着させて、荷重速度150〜200kgf/分で
引張り試験を行い、破断するまでの最大荷重を測定し、
次式から付着強さを求めた。
表−1には各実施例において使用した各成分を示す。
それらを用いて配合した実施例、比較例を表−2に示
す。
(実施例1) 一般に用いられている湿式ロックウール(ロックウー
ル70重量%含有、ポルトランドセメント30重量%含有)
に対して、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルショ
ン粉末、リンゴ酸カルシウムを添加して得られた試験体
の付着強さを測定 したところ、1.7kgf/cm2の付着強度が得られた。
(実施例2) 実施例1の配合成分のリンゴ酸カルシウムをクエン酸
に換え、得られた試験体の付着強さを測定したところ、
1.5kgf/cm2の付着強度が得られた。
(実施例2) 実施例1の配合成分のリンゴ酸カルシウムをクエン酸
との混合物にし、得られた試験体の付着強さを測定した
ところ、1.5kgf/cm2付着強度が得られた。
(比較例1) 一般に用いられている湿式ロックウール(ロックウー
ル70重量%含有、ポルトランドセメント30重量%含有)
そのものの付着強さを測定したが、微小であり測定不可
能であった。
(比較例2) 実施例1の配合成分よりリンゴ酸カルシウムを除いた
組成物から得られた試験体の付着強さを測定したとこ
ろ、0.5kgf/cm2の付着強度しか得られなかった。
(比較例3) 実施例1の配合成分より合成樹脂エマルション粉末を
除いた組成物から得られた試験体の付着強さを測定した
ところ、0.2kgf/cm2の付着強度しか得られなかった。
(比較例4) 実施例1の配合成分のリンゴ酸カルシウムをコハク酸
(水酸基をもたない)に置き換え試験体の付着強さを測
定したところ、0.6kgf/cm2の付着強度しか得られなかっ
た。
(効果) 比較例と、実施例の効果より、本発明の効果はあくま
でも、水硬性セメント、合成樹脂エマルション、全ての
炭素に少なくとも1つ以上のカルボキシル基または水酸
基が付加されている直鎖状のヒドロキシ酸および/また
はヒドロキシ酸塩という特定の組み合わせおよびそれら
の特定数値範囲での組成物により生起するものであり、
従来の耐火材に添加することで剥離、脱落、破損等の問
題を解決し、鋼材に対する付着力を向上させるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24:06) 111:28 (72)発明者 藤原 武士 大阪府茨木市南清水町4番5号 四国化 研工業株式会社内 審査官 徳永 英男 (56)参考文献 特開 平1−278439(JP,A) 特開 昭50−35217(JP,A) 特開 昭51−129428(JP,A) 特開 昭55−116650(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)水硬性セメント100重量部に対して (b)合成樹脂エマルションが固形分換算で3重量部〜
    50重量部 (c)全ての炭素に少なくとも1つ以上のカルボキシル
    基または水酸基が付加されている直鎖状のヒドロキシ酸
    および/またはヒドロキシ酸塩が0.001重量部〜50重量
    部 (d)ロックウール からなり、(a)、(b)、(c)の合計が全体の10重
    量%以上であることを特徴とする鋼材に対する付着力の
    優れた耐火被覆組成物。
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