JP2686187B2 - 動力伝達用緩衝ギヤ - Google Patents

動力伝達用緩衝ギヤ

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JP2686187B2
JP2686187B2 JP3135129A JP13512991A JP2686187B2 JP 2686187 B2 JP2686187 B2 JP 2686187B2 JP 3135129 A JP3135129 A JP 3135129A JP 13512991 A JP13512991 A JP 13512991A JP 2686187 B2 JP2686187 B2 JP 2686187B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばトラクタ等のト
ランスミッションに組込まれる動力伝達用緩衝ギヤに関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、トラクタのPTO伝動系又は走
行伝動系に使用されるギヤは、噛合相手のギヤとの間に
バックラッシュがあり、エンジンが低回転域で起す回転
変動、スプライン嵌合のガタ、動力の断接又は正逆転切
換の噛合衝撃等によって、ギヤ振動を生じることがあ
り、このギヤ振動は共振を起して、ガラ音を発生する原
因になっている。
【0003】前記ギヤ振動を吸収するのに、従来におい
ては図7に示すように、ギヤを内外に2分割し、そのギ
ヤの内輪2と外輪4とを爪部と溝部7の係合により動
力伝達可能にし、爪部と溝部7の係合に無負荷時に周
方向の遊び間隙を有するように形成しておくと共に、そ
れらの側方に環状溝8を形成して環状緩衝体9を圧入し
ておき、遊び間隙の範囲内で緩衝作用を行なわせるよう
に構成することによって、前記問題点を解決できるよう
にしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術では、ギ
ヤの内外輪2、4の環状溝8を形成している面は、凹凸
のない周面となっており、この環状溝8に緩衝体9をシ
マリバメ状態に嵌め合わせているが、ハメアイには例え
ば±0.05程度の公差があり、緩いと内外輪2、4が
相対回動して、爪部と溝部7とが当接して緩衝作用が
なくなり、きつくすると緩衝体9の剛性が高くなって、
緩衝機能が低下することがある。
【0005】本発明は、環状溝を形成する内輪と外輪と
のうちの少なくともどちらか一方の環状溝面に、凹部を
形成することにより、凹部を形成した部材と緩衝体との
間の周方向の滑りを防止できるようにした動力伝達用緩
衝ギヤを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における課題解決
のための具体的手段は、軸1に嵌合される内輪2の外周
と、この内輪2に外嵌していてギヤ部3を有する外輪4
の内周とには、一方に周方向複数の爪部5を形成し、他
方に前記爪部5と係合可能で且つ無負荷時に爪部5との
間に周方向の遊び間隙6を有する溝部7を形成し、内外
輪2、4の境界位置で且つ爪部6及び溝部7の側方に環
状溝8を形成し、この環状溝8に環状緩衝体9を圧入
、環状溝8を形成している内輪2の溝内面8bと外輪
4の溝外面8aとのうちの少なくともどちらか一方に
部10を形成し、前記環状緩衝体9と凹部10を形成し
た部材との周方向の抵抗を増大すべく環状緩衝体9を凹
部10内に径方向に膨出させていることである。
【0007】
【作用】噛合相手のギヤからギヤ部3を介して外輪4に
動力が伝達されてくると、内外輪2、4間に介在された
環状緩衝体9に剪断力が生じ、その剪断力が所定以上に
なれば、内外輪2、4は爪部5と溝部7との遊び間隙6
を無くすように相対回動を生じ、爪部5と溝部7とが係
合することにより、内外輪2、4は一体的に回動する。
【0008】前記環状緩衝体9は内外輪2、4の環状溝
8にシマリバメ状態に圧入されており、この環状溝8の
溝外面8aと溝内面8bとのうちの少なくともどちらか
一方に形成された凹部10にはみ出すように膨出し、凹
部10を形成した部材と環状緩衝体9との間の周方向滑
りが阻止される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。図6は農用トラクタのトランスミッションの後部を
示しており、ミッションケース15の第1、第2中間壁
16、17に後輪デフ装置18へ動力を伝達するベベル
ピニオン軸19が支持され、このベベルピニオン軸19
の上方にPTO系の第1、第2伝動軸20、1が、下方
に前輪駆動系の伝動軸21が夫々配置されている。
【0010】PTO第1伝動軸20上には動力断緩用油
圧クラッチ22が設けられている。この油圧クラッチ2
2の入力部材は第1伝動軸20に固着され且つクラッチ
プレート23を支持しているハブ24であり、出力部材
は第2伝動軸1に摺動自在にスプライン嵌合され且つバ
ックプレート25に噛合した緩衝ギヤGで構成されてい
る。
【0011】前記緩衝ギヤGは前記バックプレート25
と噛合する第2ギヤ部26と、ベベルピニオン軸19に
設けられたギヤ27と噛合する第1ギヤ部3と、シフタ
係合部28とを有し、中立位置から前方移動してバック
プレート25に噛合させると、PTO第1、第2伝動軸
20、1は直結されてライブPTO伝動状態となり、後
方移動してギヤ27に噛合させると、PTO第2伝動軸
にはベベルピニオン軸19から動力が伝達されてグラ
ンドPTO伝動状態になる。
【0012】図1〜5において、前記緩衝ギヤGは第2
伝動軸1にスプライン嵌合されていて、シフタ係合部2
8を有する内輪2と、この内輪2に外嵌していて、第
1、第2ギヤ部3、26を有する外輪4とに2分割され
ており、内輪2と外輪4との境界位置に環状緩衝体9が
介在されている。境界部分を形成する内輪2の外周に
は、周方向等間隔に複数の爪部5が突設されている。こ
の爪部5は軸方向一側に内輪2の略半幅に形成されてお
り、ギヤ又は雄スプラインの歯形状である。
【0013】また、同じく境界部分を形成する外輪4の
内周には、爪部5に対応して溝部7が形成されており、
爪部5と係合可能になっている。爪部5と溝部7とは無
負荷時に密着せず、正逆転方向又は一方向に遊び間隙6
を有しており、内輪2の外周面と外輪4の内周面とは嵌
合していて、遊び間隙6の範囲内で相対回動可能であ
る。
【0014】尚、内輪2は爪部5間に溝部を形成し、外
輪4は溝部7間に爪部を形成していると認識することも
できる。前記内外輪2、4の境界位置には、軸方向他
側、即ち、爪部5及び溝部7の側方には環状溝8が形成
され、この環状溝8は緩衝ギヤGの側面に解放されてい
る。この環状溝8内には環状緩衝体9が配置されてい
る。
【0015】緩衝体9は環状溝8に側方からシマリバメ
状態になるように圧入されており、例えば軟質の金属帯
板又は合成樹脂で形成された内外スリーブ9a、9b間
に、ゴム又は合成樹脂等で形成された弾性体9cが焼付
け又は接着されて、環状に形成されている。前記爪部5
と溝部7の係合及び緩衝体9の圧入位置等は、内輪2に
外嵌した止め輪30、31で設定されている。
【0016】前記内輪2の環状溝8の内周を形成してい
内面8bには、キー溝形状の内凹部10bが周方向
等間隔に多数形成されている。この内凹部10bは1つ
でも良く、エンドミル又はフライスで切削されて形成さ
れており、圧入された緩衝体9の内周部分が膨出できる
ようになっている。緩衝体9の膨出量は極めて僅かであ
るが、内輪2と緩衝体9との周方向の滑りの抵抗にな
り、ずれ動きが防止される
【0017】外輪4の環状溝8の外周を形成している溝
外面8aには、円弧状の外凹部10aが周方向等間隔に
多数形成されている。この外凹部10aは1つでも良い
が、溝部7と同数が好ましく、溝部7をブローチ加工す
る際に同時に加工されており、溝部7の加工も従来技術
より簡単にできるようになっている。この外凹部10a
でも前記内凹部10bと同様に、緩衝体9が局部的に膨
出して外輪4に対する滑り止め抵抗を増大し、周方向ず
れ動きを阻止する。
【0018】ライブPTO伝動状態のとき、ギヤ外輪4
は第2ギヤ部26を介して動力が伝達され、遊び間隙6
の範囲内で内輪2に対して相対回動しようとすると、緩
衝体9は内外2、4に圧着され且つ内外凹部10a、
10bに引掛かっているため、両者間に滑りがなく、弾
性体9に剪断力が発生する。外輪4に加わる動力がエン
ジンの回転変動のように細かい振動であれば、弾性体9
cの弾性変形で吸収し、トルクであっても小さければ、
弾性体9cを介して内輪2に伝達される。しかし、大き
いトルクでは、爪部5は溝部7と係合し、遊び間隙6が
無くなるまで弾性体9cは弾性変形し、トルクは爪部5
と溝部7(実際は溝部7間の突部)とを介して内輪2に
伝達される。
【0019】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、種々変形することができる。例えば、緩衝ギ
ヤGの左右方向中央に爪部5及び溝部7を配置し、その
両側に左右一対の緩衝体9を設けたり、外凹部10aと
内凹部10bとのうちの一方のみを形成しておいて、凹
部10を形成しないギヤ分割部材と緩衝体9とのハメア
イをきつい目にして滑りを防止し、一方の部材の凹部形
成を省略したりしても良い。
【0020】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、環状溝8
を形成している内輪2の溝内面8bと外輪4の溝外面8
aとのうちの少なくともどちらか一方に凹部10を形成
し、前記環状緩衝体9と凹部10を形成した部材との周
方向の抵抗を増大すべく環状緩衝体9を凹部10内に径
方向に膨出させているので、環状緩衝体9は環状溝8に
圧入してシマリバメ状態に配置すると、凹部10にはみ
出すように膨出し、これによって凹部10を形成した部
材との間の周方向の抵抗が増大して、滑りを防止するこ
とができ、ハメアイに多少の公差があっても、環状緩衝
体9を充分な周方向緩衝機能を発揮できる適正状態に設
けることができ、爪部5と溝部7との間の遊び間隙6が
周方向に変形するときにその変形を弾力的に支持するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す軸方向断面図である。
【図2】図1のX−X縦断面図である。
【図3】図1のY−Y線断面図である。
【図4】外輪の内周部分の側面図である。
【図5】内輪の外周部分の側面図である。
【図6】緩衝ギヤを適用したトラクタのトランスミッシ
ョンの断面側面図である。
【図7】従来技術を示す軸方向断面図である。
【符号の説明】
G 緩衝ギヤ 1 軸(第2伝動軸) 2 内輪 3 ギヤ部(第1ギヤ部) 4 外輪 5 爪部 6 遊び間隙 7 溝部 8 環状溝 8a 溝外面 8b 溝内面 9 環状緩衝体 9a 外スリーブ 9b 内スリーブ 9c 弾性体 10 凹部 10a 外凹部 10b 内凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−245563(JP,A) 特開 昭63−203964(JP,A) 実開 昭52−64279(JP,U) 実開 昭55−176445(JP,U) 実開 昭56−59347(JP,U) 実開 昭58−173862(JP,U) 実開 昭59−97262(JP,U) 実開 昭61−107976(JP,U) 実開 昭61−173852(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸(1)に嵌合される内輪(2)の外周
    と、この内輪(2)に外嵌していてギヤ部(3)を有す
    る外輪(4)の内周とには、一方に周方向複数の爪部
    (5)を形成し、他方に前記爪部(5)と係合可能で且
    つ無負荷時に爪部(5)との間に周方向の遊び間隙
    (6)を有する溝部(7)を形成し、内外輪(2、4)
    の境界位置で且つ爪部(6)及び溝部(7)の側方に環
    状溝(8)を形成し、この環状溝(8)に環状緩衝体
    (9)を圧入し、環状溝(8)を形成している内輪
    (2)の溝内面(8b)と外輪(4)の溝外面(8a)
    とのうちの少なくともどちらか一方に凹部(10)を形
    成し、前記環状緩衝体(9)と凹部(10)を形成した
    部材との周方向の抵抗を増大すべく環状緩衝体(9)を
    凹部(10)内に径方向に膨出させていることを特徴と
    する動力伝達用緩衝ギヤ。
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